JP2012129704A - 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム - Google Patents

故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2012129704A
JP2012129704A JP2010278053A JP2010278053A JP2012129704A JP 2012129704 A JP2012129704 A JP 2012129704A JP 2010278053 A JP2010278053 A JP 2010278053A JP 2010278053 A JP2010278053 A JP 2010278053A JP 2012129704 A JP2012129704 A JP 2012129704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
failure
vehicle
diaphragm
magnetostrictive actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010278053A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Saka
寛延 坂
Shogo Hashimoto
章吾 橋本
Hiroyuki Fujikawa
裕之 藤川
Izumi Memezawa
泉 目々澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2010278053A priority Critical patent/JP2012129704A/ja
Publication of JP2012129704A publication Critical patent/JP2012129704A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Abstract

【課題】磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで報知音を発音する車両存在報知装置において、磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず振動板が正常に振動していない故障状態を検知する。
【解決手段】故障検知装置22は、車両9に搭載され、音源31が出力する音源データに基づいて磁歪アクチュエータ42が振動板41を振動させることで、車両9の存在を報知するための報知音を発音する発音装置40に対して用いられ、発音装置40の駆動に伴うデータを取得する取得部221と、前記データに基づいて、磁歪アクチュエータ42が駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない故障状態を検知する検知部222と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に用いられる発音装置の故障状態を検知する故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラムに関する。
近年、電気自動車やハイブリットカーなどのモーター駆動を行う車両が実用化している。これらのモーター駆動を行う車両は、内燃機関により駆動を行う車両と比べ、走行音が静穏であるという特徴を有している。この静穏性は、車両による騒音問題の観点からは長所となるが、走行音が静かすぎるため歩行者が車両の接近に気付きにくい。そこで、車両に搭載し、車両の存在を歩行者等の報知対象者に報知する車両存在報知装置が開発されている。
なお、下記特許文献1には、磁歪アクチュエータにより車両の外殻金属板を振動板として振動させることで発音を行う車両用発音体システムが開示されている。車両の外殻金属板を振動させることで発音を行うので、当該車両に別途スピーカーを搭載するのに比べ、容易に高出力の音声を発音することができる。
特開2007−62540号公報
上記特許文献1に開示された車両用発音体システムは、車両のボンネットドア、乗降用ドア、及びトランクドアなど、車両の開閉部に搭載することが考えられている。このような車両の開閉部においては、開閉に伴う衝撃によって磁歪アクチュエータが振動板から外れる故障が発生する可能性がある。また、当該車両用発音体システムなどの車両存在報知装置を開閉部以外に搭載する場合であっても、車両の走行振動等によって同様の故障が発生することがある。
車両存在報知装置の運用においては、車両外の報知対象者に対し、高音量の報知音によって報知することが求められるが、車内の快適性の観点から、車外に発音する報知音が車両の搭乗者に対して高音量で聞こえないようにすることが望まれている。したがって、車両の搭乗者に聞こえる報知音の音量を抑制した場合、車両存在報知装置が故障したとしても、搭乗者は報知音が正常に発音されていないことに気付きづらいという問題点があった。
また、車両存在報知装置の発音装置として、磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで発音を行う発音装置が用いられる場合において、当該発音装置の故障検知方法として、磁歪アクチュエータへの電力ラインの断線検知を行う方法が知られている。この方法を用いれば、磁歪アクチュエータへの電力ラインが断線したことで、磁歪アクチュエータが動作しなくなる故障を検知することができる。しかし、磁歪アクチュエータへの電力ラインの断線を検知する故障検知では、磁歪アクチュエータは駆動しているが磁歪アクチュエータが振動板から外れるなどして正常な発音ができなくなるといった故障を検知することができない。
本発明は、かかる事情に鑑みて成されたものであり、磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで報知音を発音する車両存在報知装置において、磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず振動板が正常に振動していない故障状態を検知することが可能な、故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラムを得ることを目的とする。
本発明の第1の態様に係る故障検知装置は、磁歪アクチュエータが振動板を振動させることで車両の存在を報知する報知音を発音する発音装置の故障を検知するための故障検知装置であって、前記発音装置の駆動に伴うデータを取得する取得手段と、前記データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない故障状態を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする。
第1の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は、磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで発音する発音装置の駆動に伴うデータを取得する。検知手段は、当該データに基づいて、当該磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず当該振動板が正常に振動していない故障状態を検知する。したがって、磁歪アクチュエータが駆動していない故障状態を検知する方法では検知できない磁歪アクチュエータが振動板から外れるなどの故障状態の発生を検知することが可能となる。
本発明の第2の態様に係る故障検知装置は、第1の態様に係る故障検知装置において特に、前記磁歪アクチュエータが前記振動板を振動させるための駆動負荷に対応した所定の範囲を、前記検知手段に対して設定する設定手段をさらに備え、前記取得手段は、前記データとして前記磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を取得し、前記検知手段は、前記電流の値が前記所定の範囲内の値ではない場合に、前記発音装置が前記故障状態であると検知することを特徴とする。
第2の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は、発音装置が備える磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を取得する。設定手段は、当該磁歪アクチュエータが振動板を振動させるための駆動負荷に対応した所定の範囲を、検知手段に対して設定する。検知手段は、当該電流の値が当該所定の範囲内の値ではない場合に、当該発音装置が故障状態であると検知する。したがって、磁歪アクチュエータが振動板から外れるなどの、磁歪アクチュエータの駆動負荷が変化する故障が発生すれば、当該故障を検知することが可能である。
本発明の第3の態様に係る故障検知装置は、第2の態様に係る故障検知装置において特に、前記取得手段は、前記発音装置の温度情報を取得し、前記設定手段は、前記温度情報に基づいて、前記所定の範囲の調整を行うことを特徴とする。
第3の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は発音装置の温度情報を取得する。設定手段は、当該温度情報に基づいて、発音装置の故障の検知に用いる所定の範囲の調整を行う。検知手段は、当該温度情報によって調整が行われた所定の範囲を用いて故障状態の検知を行うので、発音装置の温度環境の変化に伴って磁歪アクチュエータの電流特性が変化したとしても、当該変化に対応して当該発音装置の故障の検知を適切に行うことが可能となる。
本発明の第4の態様に係る故障検知装置は、第2の態様に係る故障検知装置において特に、前記車両は、前記発音装置と同種の発音装置である他の発音装置をさらに備え、前記取得手段は、前記他の発音装置が有する磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値である参照電流値を取得し、前記設定手段は、前記参照電流値に基づいて、前記所定の範囲を設定することを特徴とする。
第4の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は、故障の検知を行う発音装置と同種である他の発音装置が備える磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を参照電流値として取得する。設定手段は、当該参照電流値に基づいて、所定の範囲を設定する。同じ車両に搭載されている同種の発音装置同士は、温度環境などの環境要因が似通ったものとなるので、発音装置と他の発音装置とが故障していなければ、互いの発音装置が備える磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値は、互いに似通った値となる。したがって、同じ車両に搭載されている他の発音装置が有する磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を参照して故障の検知に用いる所定の範囲を設定すれば、磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値が異常な値となる故障状態を検知することができる。当該故障の検出は、複数の磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を互いに用いて行うので、温度環境などの変化に伴って磁歪アクチュエータの電流特性が変化しても、複数の発音装置がそれぞれ有する磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流は共に同じような変化をする。よって、電流特性の変化に応じて所定の範囲の設定を調整するために、別途温度などの環境要因を検出する必要がない。
本発明の第5の態様に係る故障検知装置は、第1の態様に係る故障検知装置において特に、前記取得手段は、前記データとして前記発音装置による発音を受音した受音データを取得し、前記検知手段は、前記受音データと前記発音装置が前記報知音を発音するのに用いる音源データとを比較した比較結果に基づいて、前記発音装置が前記故障状態であることを検知することを特徴とする。
第5の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は、発音装置の振動板が発音した音を受音し、受音データを取得する。検知手段は、当該受音データと発音装置を駆動させるための音源データとを比較し、受音データと音源データとの周波数成分などの特徴が一致するか否かを判定する。したがって、音源データと受音データとを比較して特徴が一致しない場合には、当該振動板は当該音源データに基づいて適切に振動していないものとし、当該発音装置が故障状態であると検知することが可能となる。
本発明の第6の態様に係る故障検知装置は、第1の態様に係る故障検知装置において特に、前記取得手段は、前記データとして前記振動板の歪みの時間変化に関する歪みデータを取得し、前記検知手段は、前記歪みデータと前記発音装置が前記報知音を発音するのに用いる音源データとを比較した比較結果に基づいて、前記発音装置が前記故障状態であると検知することを特徴とする。
第6の態様に係る故障検知装置によれば、取得手段は、発音装置の振動板における歪みの時間変化に関するデータである歪みデータを取得する。検知手段は、当該歪みデータと発音装置を駆動させるための音源データとを比較して、双方の特徴が一致するか否かを判定する。したがって、音源データと歪みデータとを比較して特徴が一致しない場合には、当該振動板は当該音源データに基づいて適切に振動していないものとし、当該発音装置が故障状態であると検知することが可能となる。
本発明の第7の態様に係る故障検知装置は、第1から第6のいずれか一つの態様に係る故障検知装置において特に、前記発音装置が前記故障状態である場合に、前記発音装置が前記故障状態である旨の情報を出力する情報出力手段をさらに備えることを特徴とする。
第7の態様に係る故障検知装置によれば、発音装置が故障状態であった場合に、情報出力手段は当該発音装置が故障状態である旨の情報を出力する。当該情報をスピーカーやディスプレイなどの出力装置を用いて車両の搭乗者に対して報知すれば、当該車両の搭乗者は当該発音装置が故障状態であることを知ることができる。
本発明の第8の態様に係る車両存在報知装置は、車両に搭載されて当該車両の存在を報知する車両存在報知装置であって、所定の報知音に関する音源データを出力する音源と、前記音源データに基づいて磁歪アクチュエータを駆動させることにより、振動板を振動させることで前記所定の報知音を発音する発音装置と、前記発音装置の駆動に伴う駆動データを取得し、当該駆動データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない所定の故障状態を検知する制御部と、を備えることを特徴とする。
第8の態様に係る車両存在報知装置によれば、発音装置は、音源が出力した音源データに基づいて磁歪アクチュエータを駆動させることにより、振動板が振動することで所定の報知音を発音する。そして、制御部は、当該発音装置の駆動に伴うデータを駆動データとして取得し、当該駆動データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず振動板が正常に振動していない所定の故障状態を検知する。したがって、磁歪アクチュエータが駆動していない故障状態を検知する方法では検知できない磁歪アクチュエータが振動板から外れるなどの当該車両存在報知装置における故障状態の発生を検知することが可能となる。
本発明の第9の態様に係るプログラムは、磁歪アクチュエータが振動板を振動させることで車両の存在を報知する報知音を発音装置から発音する車両存在報知装置に搭載されるコンピュータを、前記発音装置の駆動に伴うデータを取得する取得手段と、前記データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない故障状態を検知する検知手段と、として機能させることを特徴とする。
第9の態様に係るプログラムによれば、取得手段は、磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで発音する発音装置に関するデータを取得する。検知手段は、当該データに基づいて、当該磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず当該振動板が正常に振動していない故障状態を検知する。したがって、磁歪アクチュエータが駆動していない故障を検知する方法では検知できない磁歪アクチュエータが振動板から外れるなどの故障状態の発生を検知することが可能となる。
本発明によれば、磁歪アクチュエータによって振動板を振動させることで報知音を発音する車両存在報知装置において、磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず振動板が正常に振動していない故障状態を検知することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両存在報知装置を搭載する車両を模式的に示した図である。 発音装置の駆動に用いられる磁歪アクチュエータの内部構造を模式的に示す断面図である。 磁歪素子の磁歪現象を表した図である。 発音装置の発音原理を表した図である。 第1の実施形態に係る車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 故障検知処理の処理手順を示すフローチャートである。 磁歪素子に加わる圧力の変化と逆起電力との関係について表した図である。 振動板を振動させる場合の磁歪アクチュエータを駆動させる電圧を表した図である。 各周波数の印加電圧における磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の一例をプロットした図である。 各周波数の印加電圧における故障時の電流変化率の一例をプロットした図である。 磁歪アクチュエータが有するコイルに流れる電流と所定の範囲との関係を例示した図である。 第1の実施形態に係るECUを用いる車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第2の実施形態に係る車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第2の実施形態に係る車両存在報知装置を搭載した車両を模式的に例示した図である。 参照電流値に基づいて設定する所定の範囲の一例を示した図である。 第2の実施形態に係るECUを用いる車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第3の実施形態に係る車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第3の実施形態に係る車両存在報知装置の駆動データの取得方法を模式的に示した図である。 第3の実施形態に係るECUを用いる車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第4の実施形態に係る車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。 第4の実施形態に係る車両存在報知装置の駆動データの取得方法を模式的に示した図である。 第4の実施形態に係るECUを用いる車両存在報知装置の構成を概略的に示したブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両存在報知装置を搭載する車両9を模式的に示した図である。車両9は、電気自動車またはハイブリットカーなどの、低速走行時及び停車時に無音または微音量となる車両である。本発明の実施の形態に係る車両存在報知装置は、発音装置40によって車両9の存在を報知する報知音を発音する装置である。発音装置40は、ラジエータグリルの内側や車両ドアの内部などに搭載される。
図2は、発音装置40の駆動に用いられる磁歪アクチュエータ42の内部構造を模式的に示す断面図である。図2に示すように磁歪アクチュエータ42は、上面中央部に貫通穴が形成された中空円柱状のケース424と、印加される磁界の強さに応じて軸方向に伸縮する磁歪素子422と、磁歪素子422の周囲に配置されて磁界を印加するコイル423と、磁歪素子422の上下端に配置されてバイアス磁界を印加する磁石426,427と、磁石426を介して磁歪素子422に固定され、ケース424の貫通穴から頂部が突出する振動ヘッド421と、振動ヘッド421に予加重を付与するコイルばね425とを備えて構成されている。なお、磁歪アクチュエータ42の構成は図2に示した例に限定されるものではなく、任意の構成の磁歪アクチュエータを使用することができる。
図3は、磁歪アクチュエータ42に用いられる磁歪素子422の磁歪現象を表した図である。磁歪素子422は、印加される磁界の強さに応じて軸方向に伸縮する超磁歪素子である。図3では、磁歪素子422に磁界を印加するために、コイル423に電圧源が接続されている。このとき、コイル423に電圧Vdcを印加することで発生した磁界によって、磁歪素子422の軸方向の長さは、磁界が印加されていないときの長さLから、変化量ΔL1だけ変化する。この長さの変化量ΔL1は、印加された磁界の大きさに応じて変化する。このように、外部より磁界が与えられることで、磁歪素子422が弾性変形する現象を磁歪現象と呼ぶ。
磁歪素子422は、磁歪現象によってコイル423に印加される電圧に対応した長さに変形し、振動ヘッド421は、磁歪素子422の長さの変化に応じて変位する。また、振動ヘッド421にはコイルばね425により予加重が付加されているので、コイル423に対して時間変化する電圧を印加することで、振動ヘッド421は当該電圧に対応した振動運動(軸方向に往復を行う振動運動)を行う。図4は、発音装置40の発音原理を表した図である。発音装置40は、振動板41、磁歪アクチュエータ42、及び支持具43を備える。磁歪アクチュエータ42は、支持具43によって振動部位である振動ヘッド421が振動板41に対して密着するように取り付けられている。よって、振動ヘッド421が磁歪現象により振動運動をすることで、振動板41も振動する。この振動板41の振動により、発音装置40は報知音である音波W1を発音する。したがって、オーディオ信号などの時間変化する電圧をコイル423に印加することで、発音装置40は当該時間変化する電圧に基づいて発音する。なお、図4において、支持具43を振動板41の四隅に取り付ける例を示したが、これは例示であり、本発明において発音装置40は、磁歪アクチュエータ42と振動板41とが密着するよう配置されていればよい。
本発明の実施の形態に係る車両存在報知装置は、車両9に搭載されるため、車両9の走行振動やドアの開閉などによって生じる衝撃を受ける環境下で使用される。特に、車外に報知音を発音する発音装置40は、ボンネットドア、乗降用ドア、及びトランクドアなどの車両の開閉部や、ラジエータグリルの内部などのエンジン周辺に搭載されることが想定されている。よって、発音装置40は、ドアの開閉により生じる衝撃や走行振動の影響を強く受けてしまうので、磁歪アクチュエータ42が支持具43から外れるなど、振動ヘッド421が振動板41から外れてしまう故障が発生する可能性がある。
また、このような故障が発生した場合、磁歪アクチュエータ42はコイル423に印加された電圧により駆動しているため、磁歪アクチュエータ42への電力ラインの断線を検知するような、磁歪アクチュエータ42が駆動していないことを検知する方法では故障検知をすることができない。本発明の実施の形態に係る車両存在報知装置は、このような磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない故障状態(以下、所定の故障状態と称する)を検知する故障検知処理を行う故障検知装置を備える。
〈第1の実施形態〉
図5は、本発明の第1の実施形態に係る車両存在報知装置1の構成を概略的に示したブロック図である。車両存在報知装置1は、電流検出部10、温度検出部11、出力装置12、車速検出部15、制御部である制御装置20、信号処理装置30、及び発音装置40を備えて構成されている。制御装置20は、音源制御部21、及び故障検知装置22を備えて構成されている。故障検知装置22は、取得手段である取得部221、検知手段である検知部222、設定手段である設定部223、及び情報出力手段である情報出力部224を備えて構成されている。信号処理装置30は、音源31、及びアンプ32を備えて構成されている。発音装置40は、磁歪アクチュエータ42、及び振動板41を備えて構成されている。車速検出部15の出力は音源制御部21の入力に接続されている。音源制御部21の出力は信号処理装置30の入力に接続されている。信号処理装置30の出力は磁歪アクチュエータ42の入力に接続されている。電流検出部10の出力は取得部221の入力に接続されている。温度検出部11の出力は取得部221の入力に接続されている。取得部221の出力は検知部222及び設定部223の入力に接続されている。設定部223の出力は検知部222の入力に接続されている。検知部222の出力は情報出力部224の入力に接続されている。情報出力部224の出力は出力装置12の入力に接続されている。
車両存在報知装置1は、車両存在報知装置1が搭載された車両9の車速に応じて、車両9の存在を報知する報知音を発音する。具体的には、車速検出部15は車両9の車速を検知し、当該車速の情報を信号S13として音源制御部21に向けて出力する。音源制御部21は、車両9の車速が一定速度(例えば時速20km)未満である場合に、信号処理装置30を制御する制御信号S1を信号処理装置30に向けて出力する。音源31は、信号処理装置30に入力された制御信号S1に基づいて、予め登録されている音源データを含んだオーディオ信号をアンプ32に向けて出力する。アンプ32は、当該オーディオ信号を増幅し、オーディオ信号S2として発音装置40に向けて出力する。なお、アンプ32が行うオーディオ信号の増幅における増幅量は、制御信号S1に基づいて制御されてもよい。この場合、音源制御部21が出力する制御信号S1に、アンプ32の増幅量を制御する情報が含まれており、音源制御部21は、アンプ32で行われる信号増幅の制御も行う。そして、発音装置40が発音する際の音圧は、このアンプ32の増幅量に応じて設定される。
発音装置40に入力されたオーディオ信号S2は、磁歪アクチュエータ42が有するコイル423に入力される。オーディオ信号S2は時間変化する電圧信号であり、磁歪アクチュエータ42は、オーディオ信号S2の電圧変化に応じて駆動することで、振動板41を振動させる。よって、発音装置40は、音源31の出力した音声データに基づいた報知音を発音する。このように、車両存在報知装置1は、車両9の走行音が微量音または無音になる場合に、当該報知音を発音することにより、歩行者などの報知対象者に対して車両9の存在を報知する。そして、発音装置40が報知音を発音する際に、故障検知装置22は、所定の故障状態を検知する故障検知処理を行う。図6は、故障検知処理の処理手順を示すフローチャートである。以下、車両存在報知装置1の故障検知装置22が行う故障検知処理を、図2〜6を参照しつつ説明する。
まず、ステップSP100において、故障検知装置22は磁歪アクチュエータ42の駆動に伴うデータを駆動データとして取得する。具体的には、取得部221は、電流検出部10が検出した磁歪アクチュエータ42の駆動に用いられる電流であるコイル423に流れる電流の電流値を取得する。電流検出部10は、ホール電流センサやクランプメータなどの電界測定型の電流センサ、または分流電流計などの電圧測定型の電流センサであってよい。電流検出部10は、検出した電流値の情報を信号S3として取得部221に向けて出力するので、取得部221は、信号S3により駆動データであるコイル423に流れる電流の電流値を取得する。取得部221は、取得した電流値の情報を信号S5及び信号S6として検知部222と設定部223とに向けてそれぞれ出力する。
次に、ステップSP110において、検知部222は、取得部221が取得した駆動データに基づいて、発音装置40が所定の故障状態であれば、当該所定の故障状態の検知を行う。具体的には、設定部223は、故障状態の検知に用いる所定の範囲の情報を信号S7として検知部222に向けて出力し、検知部222に対して当該所定の範囲を設定する。検知部222は、コイル423に流れる電流の電流値が当該所定の範囲内の値ではない場合に、発音装置40は所定の故障状態であると検知する。この所定の故障状態の検知と所定の範囲の設定とに関する詳細は後述にて説明を行う。
次に、ステップSP120において、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態であるか否かを判定する。発音装置40が所定の故障状態である場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「YES」の場合)、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態である旨の情報を信号S8として情報出力部224に向けて出力する。そして、故障検知装置22はステップSP130の動作を行う。また一方、発音装置40が所定の故障状態ではない場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「NO」の場合)、故障検知装置22は故障検知処理を終了する。
発音装置40が所定の故障状態であった場合、ステップSP130において、情報出力部224は、発音装置40が所定の故障状態である旨を報知するための故障情報を信号S9として出力装置12に向けて出力する。
出力装置12は、情報出力部224から入力された当該故障情報に基づいて、発音装置40が故障状態である旨の情報を車両9の搭乗者に対して報知する。出力装置12が行う故障状態の報知は、例えば、出力装置12が音声出力装置である場合、音声メッセージによって「外部スピーカーが故障しています」などの音声による出力であってもよいし、ビープ音などの所定の警告音による出力であってもよい。また、出力装置12がディスプレイである場合は、文字や記号により故障情報を表示するものであってもよいし、出力装置12が警告ランプである場合は、警告ランプが点灯することにより、故障情報を車両9の搭乗者に出力してもよい。
以上のように、車両存在報知装置1は、故障検知装置22を用いてステップSP100からステップSP130にて示した故障検知処理を行う。故障検知装置22は、発音装置40が駆動している場合において、常に、または定期的に故障検知処理を行うので、車両存在報知装置1は発音装置40が所定の故障状態になったことを随時検知する。
次に、検知部222が行う発音装置40における所定の故障状態の検知と、設定部223が行う故障を検知するための所定の範囲の設定とについて説明する。前述にて説明したように、磁歪アクチュエータ42の磁歪素子422は、印加された磁界の強さに応じて軸方向の長さが伸縮する。逆に、コイルばね425による予加重や振動板41を振動させる負荷により、磁歪素子422に加わる圧力が変化し磁歪素子422の軸方向の長さが変化した場合、ビラリ効果により磁歪素子422の透磁率が変化する。この透磁率の変化によりコイル423内の磁束が変化するので、ファラデーの法則によりコイル423には逆起電力が発生する。図7は、磁歪素子422に加わる圧力の変化と逆起電力との関係について表した図である。図7においては、磁歪素子422に加わる圧力が変化したことにより、磁歪素子422の長さが長さLから変化量ΔL2だけ変化している。このとき、コイル423には逆起電力Eが発生する。
磁歪アクチュエータ42を駆動させることによって振動板41を振動させた場合、振動板41を振動ヘッド421が振動させるときの反作用により、磁歪素子422に加わる圧力が変化する。図8は、振動板41を振動させる場合の磁歪アクチュエータ42を駆動させる電圧を表した図である。コイル423に時間変化する電圧Vを印加して振動板41を振動させた場合、磁歪素子422の軸方向の長さの変化量は、磁歪現象による長さの変化と、磁歪素子422に加わる圧力変化に応じた長さの変化とに基づいた変化量ΔL3となる。この圧力変化によりコイル423には逆起電力Eが発生するので、磁歪アクチュエータ42を駆動させる電圧は、コイル423に印加された電圧Vから逆起電力Eを差し引いた電圧となる。したがって、振動板41を振動させている磁歪アクチュエータ42において、コイル423に流れる電流は、印加された電圧Vから逆起電力Eを差し引いた電圧に基づいたものとなる。
一方、発音装置40において、振動ヘッド421から振動板41が外れる故障が発生した場合、振動板41を振動させる反作用としての圧力変化がなくなるため、コイル423には振動板41を振動させた負荷に起因する逆起電力が発生しない。よって、振動ヘッド421から振動板41が外れる故障が発生した場合、コイル423に流れる電流は、振動板41を振動させているとき(故障状態ではない正常な状態のとき)よりも大きな値となる。
図9は、各周波数の印加電圧における磁歪アクチュエータ42の駆動に用いられる電流の一例をプロットした図である。図9において、電流I1は、発音装置40が振動ヘッド421から振動板41が外れる故障状態において磁歪アクチュエータ42を駆動させた場合に、コイル423に流れる電流である。電流I2は、発音装置40が正常な状態において磁歪アクチュエータ42を駆動させた場合に、コイル423に流れる電流である。なお、図9において、コイル423に印加する電源電圧の実効値は、周波数が変わっても一定としている。図9で示したように、振動板41から振動ヘッド421が外れる故障が発生すると、印加電圧の周波数にかかわらず、コイル423に流れる電流の値は故障前と比べ大きくなる。
図10は、各周波数の印加電圧における故障時の電流変化率の一例をプロットした図である。図10において、振動板41から振動ヘッド421が外れる故障が発生すると、磁歪アクチュエータ42の駆動に用いられる電流の値は、印加電圧の周波数(発音装置40にて発音を行う音の周波数)が200〜1000Hzの間であれば、故障していない状態の正常な電流値と比べ、概ね120〜160%となっている。よって、周波数が200〜1000Hzの印加電圧で磁歪アクチュエータ42を駆動させる場合であれば、故障状態を検出するための所定の範囲の上限値を、印加電圧の各周波数における故障していない状態での正常な電流値の平均値(発音装置40が正常に駆動している状態であるときに取得部221が取得したコイル423に流れる電流値の所定期間における平均値。以下、当該平均値を正常電流値と称する)の120%に設定する。
図11は、コイル423に流れる電流と所定の範囲との関係を例示した図である。図11において、コイル423に印加される電圧の実効値は一定であり、設定部223が設定する所定の範囲Aは、磁歪アクチュエータ42が正常に振動板41を振動させている状態において、コイル423に流れる電流の電流値がとりうる範囲となるように設定されている(例えば、正常電流値に対して120%の値を所定の範囲の上限値、80%の値を下限値と設定する)。振動ヘッド421から振動板41が外れる故障が起きた時刻T1以前の時間において、コイル423に流れる電流の電流値は所定の範囲A内の値となる。また、故障が起きた時刻T1より後の時間においては、コイル423に流れる電流の電流値は、コイル423に発生する逆起電力が減少したことにより電流が増大し、所定の範囲Aの上限値より大きくなる。
したがって、設定部223は検知部222に対して所定の範囲の上限値を上限閾値として設定し、検知部222は、取得部221が取得する電流値が、当該上限閾値より大きいか否かを判定する。そして、コイル423に流れる電流の電流値が当該上限閾値より大きいと判定した場合に、検知部222は、磁歪アクチュエータ42が振動板41を正常に振動させていない故障が発生したと検知する。
また、振動板41から振動ヘッド421が外れる故障の検知について説明を行ったが、故障検知装置22は、当該故障だけでなく、振動板41に外部から物体が押しつけられている状態など、振動板41の振動が阻害されるような圧力が加わる状態となり、発音装置40が正常な発音をすることができなくなる故障も検知することが可能である。前述のように、振動板41を振動させると、反作用によってコイル423に逆起電力が発生するので、振動板41の振動が何らかの原因で阻害された場合、反作用としての負荷は大きくなり、当該逆起電力も大きくなる。したがって、コイル423に流れる電流の電流値は、発音装置40が正常な動作をしている状態よりも小さいものとなる。
そこで、設定部223は、振動板41の振動が阻害される負荷が振動板41にかかった状態でコイル423に流れる電流の値と正常電流値とを区別することが可能な値を、所定の範囲の下限である下限閾値として設定する。そして、検知部222は、コイル423に流れる電流の値が当該下限閾値より小さいか否かを判定することで、振動板41の振動が阻害される故障状態を検知する。
また、振動ヘッド421を振動板41に密着させるための支持具43に緩みが発生したり、振動板41に亀裂が生ずるなど、振動ヘッド421が振動板41から完全に外れてはいないが振動ヘッド421と振動板41との接触に緩みがある状態が発生することがある。その場合も、振動ヘッド421が振動板41を振動させる負荷が変わるため、コイル423に流れる電流の電流値に基づいて、当該電流値が所定の範囲の上限閾値より大きいか否か、及び所定の範囲の下限閾値より小さいか否かを判定することで、発音装置40の故障を検知する。
このように、設定部223が、検知部222に対して所定の故障状態を検知するために所定の範囲の上限値と下限値とを設定し、検知部222が、磁歪アクチュエータ42の駆動に用いられる電流であるコイル423に流れる電流の値が当該所定の範囲内であるかを判定することで所定の故障状態を検知する。当該所定の範囲は、振動板41を振動させる反作用である駆動負荷によって変わるため、振動板41の剛性などによって所定の範囲も変える必要がある。よって、振動板41の材質や厚さなどに応じて、設定部223は当該所定の範囲を別途設定する。
なお、所定の故障状態の検知に用いる当該所定の範囲は、発音装置40の温度によって調整が行われてもよい。具体的には、取得部221は、温度検出部11が検出した発音装置40の温度の情報を取得する。温度検出部11は、熱電対センサやサーミスタなどの温度センサであり、発音装置40の温度の検出を行い、当該温度の情報を信号S4として取得部221に向けて出力する。取得部221は、取得した発音装置40の温度情報を信号S6として設定部223に向けて出力する。なお、本発明においては、取得部221が取得する温度情報は、発音装置40の温度情報に限らず、車両9が予め備えている外気温センサによって検出した車両9の外気温の情報を取得部221が取得し、取得部221は当該外気温の情報を信号S6として設定部223に向けて出力してもよい。
磁歪アクチュエータ42に用いられる磁歪素子422の磁歪性能やコイル423のコイル抵抗などは温度によって変化するので、発音装置40の温度変化に伴って磁歪アクチュエータ42の電流特性が変わることがある。そこで、設定部223は、発音装置40の温度情報に基づいて、故障の検知に用いる所定の範囲を調整する。この調整は、設定部223が発音装置40の温度ごとの調整値を記憶しており、温度情報に応じた調整値を用いて所定の範囲を調整するものであってもよい。例えば、発音装置40の温度が20℃における所定の範囲を、発音装置40が20℃における正常電流値の80〜120%と設定していた場合であって、発音装置40の温度が30℃のときの調整値が−2%と設定されていたとすると、発音装置40の温度が30℃の場合における所定の範囲は、20℃における正常電流値から78〜118%となるよう設定してもよい。なお、発音装置40は、車両9の乗車ドアの内部やラジエータグリルの内側といった外気温の影響を受けやすい箇所に搭載されるので、温度に応じた所定の範囲の調整においては、外気温を発音装置40の温度とみなして、外気温に基づいて調整を行ってもよい。
また、所定の故障状態の検知に用いる所定の範囲は、取得部221が取得した電流値に基づいて設定しなくてもよい。設定部223は、印加電圧の周波数や振動板41の材質及び厚さごとに、正常電流値のとりうる範囲を所定の範囲に関する情報として予め記憶していてもよい。この場合、当該記憶された所定の範囲の情報を検知部222に向けて出力し、所定の範囲として設定する(例えば、印加電圧が500Hzの場合、下限値が0.1A及び上限値が0.2Aとなるように所定の範囲を設定してもよい)。また、発音装置40の温度に基づく当該所定の範囲に対する調整は、設定部223が発音装置40の温度ごとに、それぞれ対応する所定の範囲の値を記憶しており、取得された温度情報に対応した所定の範囲の情報を、信号S7として検知部222に向けて出力するものであってもよい。
以上のように、車両存在報知装置1は、故障検知装置22の行う故障検知処置により、コイル423に流れる電流の電流値を取得し、当該電流値が所定の範囲内の値であるか否かを判定することで、磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず磁歪アクチュエータ42が振動板41を正常に振動させていない所定の故障状態を検知することができる。また、設定部223が設定する所定の範囲を、磁歪アクチュエータ42を駆動させる電圧の周波数帯ごとに変えることで、例示した周波数帯以外の周波数帯においても所定の故障状態の検知をすることができる。さらに、当該故障状態の検知において、温度検出部11が検出した発音装置40の温度情報を取得部221が取得し、設定部223が当該温度ごとに設定する所定の範囲を調整することで、発音装置40の温度変化に対応して故障状態を適切に検知することができる。
また、発音装置40が所定の故障状態であることを検知した場合は、情報出力部224が、発音装置40が故障である旨の情報を出力するので、出力装置12は車両9の搭乗者に対して当該故障状態の報知を行うことができる。よって、車両存在報知装置1は、発音装置40が正常に発音してない状態で走行するという不適切な運転を防止することが可能である。
なお、本発明の第1の実施形態における制御装置20は、車両9に搭載されたコンピュータであってもよい。電気自動車などである車両9には、車両9の動作を制御するコンピュータであるECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。本発明においては、制御装置20としての機能をこのECUが有してもよい。図12は、ECU50を用いる車両存在報知装置2の構成を概略的に示したブロック図である。ECU50は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)225と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリであるメモリ226とを有している。メモリ226はプログラム227を記憶している。そして、CPU225は、メモリ226からプログラム227を読み込むことで、本発明の第1の実施形態にて示した制御装置20として機能する。
〈第2の実施形態〉
図13は、本発明の第2の実施形態に係る車両存在報知装置3の構成を概略的に示したブロック図である。車両存在報知装置3は、電流検出部10A,10B、出力装置12、車速検出部15、制御部である制御装置20、信号処理装置30、及び発音装置40A,40Bを備えて構成されている。制御装置20は、音源制御部21、及び故障検知装置22を備えて構成されている。故障検知装置22は、取得手段である取得部221、検知手段である検知部222、設定手段である設定部223、及び情報出力手段である情報出力部224を備えて構成されている。信号処理装置30は、音源31、及びアンプ32を備えて構成されている。発音装置40Aは、磁歪アクチュエータ42A、及び振動板41Aを備えて構成されている。発音装置40Bは、磁歪アクチュエータ42B、及び振動板41Bを備えて構成されている。車速検出部15の出力は音源制御部21の入力に接続されている。音源制御部21の出力は信号処理装置30の入力に接続されている。信号処理装置30の出力は磁歪アクチュエータ42A及び磁歪アクチュエータ42Bの入力に接続されている。電流検出部10A及び電流検出部10Bの出力は取得部221の入力に接続されている。取得部221の出力は検知部222及び設定部223の入力に接続されている。設定部223の出力は検知部222の入力に接続されている。検知部222の出力は情報出力部224の入力に接続されている。情報出力部224の出力は出力装置12の入力に接続されている。
図14は、車両存在報知装置3を搭載した車両9を模式的に例示した図である。発音装置40A及び発音装置40Bは、例えば、車両9が備える別々の乗降用ドアに搭載された同種の発音装置である。図13を参照して、車両存在報知装置3は、信号処理装置30からオーディオ信号S2が入力されることで、複数の方向に(図14の例では、左右の乗降用ドアからそれぞれ車両の左と右とに向けて)同じ報知音を同時に発音することで車両9の存在を報知する。車両存在報知装置3が発音装置40A及び発音装置40Bを用いて、車両9の存在を報知する報知音を発音する動作については、本発明の第1の実施形態にて示した車両存在報知装置1の動作と同様である。
同じ車両に搭載されて同じ報知音を発音する同種の発音装置同士においては、温度環境などが似通っているため、互いに故障をしていない状態であれば、磁歪アクチュエータ42Aと磁歪アクチュエータ42Bとの駆動に用いられる電流の電流値は似たような値となる。そこで、故障検知装置22は、所定の故障状態を検知する発音装置とは他の発音装置における磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を参照して、発音装置の故障の検知に用いる所定の範囲を設定する故障検知処理を行う。当該故障検知処理は図6にて示した故障検知処理と同様のフローチャートにて行われる。以下、本発明の第2の実施形態において、故障検知装置22が発音装置40Aの所定の故障状態を検知する場合における故障検知処理の説明を、図6及び図13を参照しつつ行う。
まず、ステップSP100において、故障検知装置22は、駆動データとして磁歪アクチュエータ42A及び磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流の電流値をそれぞれ取得する。電流検出部10A,10Bは、本発明の第1の実施形態にて示した電流検出部10と同様のものであってよい。つまり、電流検出部10Aは磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の電流値を検出し、信号S3Aとして取得部221に向けて出力する。電流検出部10Bは磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流の電流値を検出し、信号S3Bとして取得部221に向けて出力する。取得部221は、信号S3Aと信号S3Bとによって、磁歪アクチュエータ42A及び磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流の電流値をそれぞれ取得する。そして、取得部221は、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の電流値の情報を信号S5として検知部222に向けて出力し、磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流の電流値(発音装置40Bが正常に駆動している状態であるときに取得部221が取得した磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流値。以下、参照電流値と称する)の情報を信号S6として設定部223に向けて出力する。
次に、ステップSP110において、故障検知装置22は、発音装置40Aが所定の故障状態であれば、当該故障状態を検知する。設定部223は、参照電流値に基づいて、発音装置40Aの故障の検知に用いる所定の範囲の値を信号S7として検知部222に向けて出力し、検知部222に対して当該所定の範囲を設定する。この所定の範囲の設定は、他の発音装置が備える磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値に基づくこと以外、本発明の第1の実施形態にて示した所定の範囲の設定と同様のものであってよい。
図15は、参照電流値に基づいて設定する所定の範囲の一例を示した図である。図15において、磁歪アクチュエータ42Aの故障を検知するための所定の範囲である範囲Bは、磁歪アクチュエータ42Bを駆動させるための電流I4の値(参照電流値)に基づいて設定されている(例えば、参照電流値を80〜120%の値にした範囲を所定の範囲Bと設定する)。よって、参照電流値である電流I4の値が変化すれば、その値に応じて範囲Bも変化する。振動ヘッドから振動板41Aが外れる所定の故障が発生した時刻T2以前の時間においては、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流I3は、範囲B内の値となっている。また、所定の故障が発生した時刻T2より後の時間においては、振動ヘッドから振動板41Aが外れたので、磁歪アクチュエータ42Aが有するコイルに発生していた逆起電力が小さくなったことにより、電流I3の値は範囲Bの上限より大きくなっている。
このように、設定部223が範囲Bの上限及び下限を上限閾値及び下限閾値として設定し、検知部222は、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の電流値が、当該上限閾値より大きいか、及び当該下限閾値よりも小さいか否かを判定する。そしてこの判定の結果、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の電流値が、当該上限閾値より大きいか、または当該下限閾値よりも小さければ、発音装置40Aが所定の故障状態であると検知する。つまり、参照電流値と、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の値との差が、所定の範囲によって設定された所定の閾値(所定の範囲を参照電流値の80〜120%の値に設定した場合、当該所定の閾値とは、参照電流値の20%分に相当する値)を超えた場合に、検知部222は発音装置40Aが所定の故障状態であると検知する。
次に、ステップSP120において、検知部222は、発音装置40Aが所定の故障状態であるか否かを判定する。発音装置40Aが所定の故障状態である場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「YES」の場合)、検知部222は、発音装置40Aが所定の故障状態である旨の情報を情報出力部224に向けて出力する。そして、故障検知装置22はステップSP130の動作を行う。また一方、発音装置40Aが所定の故障状態ではない場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「NO」の場合)、故障検知装置22は故障検知処理を終了する。
発音装置40Aが所定の故障状態であった場合、ステップSP130において、情報出力部224は、発音装置40Aが所定の故障状態である旨を報知するための報知情報を信号S9として出力装置12に向けて出力する。
出力装置12は、情報出力部224から入力された当該報知情報に基づいて、発音装置40Aが所定の故障状態である旨の情報を搭乗者に対して報知する。この故障情報の報知は、本発明の第1の実施形態にて説明した故障情報の報知と同様のものであってよい。
以上のように、車両存在報知装置3は、故障検知装置22を用いてステップSP100からステップSP130にて示した故障検知処理を行う。故障検知装置22は、発音装置40A,40Bが駆動している場合において、常に、または定期的に故障検知処理を行うので、車両存在報知装置3は発音装置40Aが所定の故障状態になったことを随時検知する。
また、発音装置40Aの所定の故障状態を検知する場合を例示して説明したが、磁歪アクチュエータ42Aの駆動に用いられる電流の値を参照電流値とすることで、同様に磁歪アクチュエータ42Bは駆動しているにもかかわらず磁歪アクチュエータ42Bが振動板41Bを正常に振動させていない所定の故障状態が発生したことを検知でき、発音装置40Bが所定の故障状態であれば、発音装置40Bが所定の故障状態である旨の情報を搭乗者に対して報知することが可能である。
発音装置40A及び発音装置40Bにおける所定の故障状態の検出は、二つの磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を互いに用いて行うので、温度環境などが変化したことにより磁歪アクチュエータ42A及び磁歪アクチュエータ42Bの電流特性が変化しても、磁歪アクチュエータ42A及び磁歪アクチュエータ42Bの駆動に用いられる電流は共に同じような変化をする。よって、電流特性の変化に応じて設定を調整するために別途温度などの環境条件を検出する必要がない。
さらに、発音装置40Aまたは発音装置40Bの所定の故障状態を検知した場合は、情報出力部224が、当該発音装置が故障である旨の情報を出力することで、出力装置12は車両9の搭乗者に対して当該故障状態の報知を行うことができる。よって、車両存在報知装置3は、発音装置40Aまたは発音装置40Bが正常に発音してない状態で走行するという不適切な運転を防止することが可能である。
なお、本発明の第2の実施形態における制御装置20は、車両9に搭載されたコンピュータであってもよい。電気自動車などである車両9には、車両9の動作を制御するコンピュータであるECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。本発明においては、制御装置20としての機能をこのECUが有してもよい。図16は、ECU50を用いる車両存在報知装置4の構成を概略的に示したブロック図である。ECU50は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)225と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリであるメモリ226とを有している。メモリ226はプログラム227を記憶している。そして、CPU225は、メモリ226からプログラム227を読み込むことで、本発明の第2の実施形態にて示した制御装置20として機能する。
また、本発明の第2の実施形態において、車両存在報知装置3,4が、二つの発音装置を備え、当該二つの発音装置の故障状態を検知する場合を例示して説明を行ったが、本発明において、故障状態の検知対象である発音装置は二つに限らず、三つ以上であってもよい。発音装置が三つ以上の場合、複数の発音装置がそれぞれ有する磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値の平均値に基づいて、故障状態の検知に用いる所定の範囲を設定してもよい。
〈第3の実施形態〉
本発明の第3の実施形態に係る車両存在報知装置は、本発明の第1の実施形態に係る車両存在報知装置と同様に、車両9に搭載され、発音装置40によって車両9の存在を報知する報知音を発音する装置である。本発明の第3の実施形態に係る車両存在報知装置が発音装置40を用いて報知音を発音する動作については、本発明の第1の実施形態にて示した車両存在報知装置1の動作と同様である。
図17は、本発明の第3の実施形態に係る車両存在報知装置5の構成を概略的に示したブロック図である。車両存在報知装置5は、出力装置12、マイクロフォン13、車速検出部15、制御部である制御装置20、信号処理装置30、及び発音装置40を備えて構成されている。制御装置20は、音源制御部21、及び故障検知装置23を備えて構成されている。故障検知装置23は、取得手段である取得部221、検知手段である検知部222、及び情報出力手段である情報出力部224を備えて構成されている。信号処理装置30は、音源31、及びアンプ32を備えて構成されている。発音装置40は、磁歪アクチュエータ42、及び振動板41を備えて構成されている。車速検出部15の出力は音源制御部21の入力に接続されている。音源制御部21の出力は信号処理装置30の入力に接続されている。信号処理装置30の出力は磁歪アクチュエータ42の入力に接続されている。音源31の出力は取得部221の入力に接続されている。マイクロフォン13の出力は取得部221の入力に接続されている。取得部221の出力は検知部222の入力に接続されている。検知部222の出力は情報出力部224の入力に接続されている。情報出力部224の出力は出力装置12の入力に接続されている。
図18は、車両存在報知装置5の駆動データの取得方法を模式的に示した図である。車両存在報知装置5は、発音装置40が磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない所定の故障状態であることを検知するために、マイクロフォン13によって、振動板41が発する音波W1を受音データとして検出する。マイクロフォン13は、一般的なマイクロフォンであってよく、音をデータとして検出できるものであればよい。当該受音データとは、音波W1の周波数成分やその振幅を含む時系列データである。そして、車両存在報知装置5の故障検知装置23は、当該受音データを用いて故障検知処理を行う。当該故障検知処理は図6にて示した故障検知処理と同様のフローチャートにて行われる。以下、本発明の第3の実施形態に係る故障検知処理の説明を、図6及び図17を参照しつつ行う。
まず、ステップSP100において、故障検知装置23は、駆動データとして振動板41が発する音の受音データを取得する。具体的には、マイクロフォン13は、振動板41が発する音を受音し、当該受音した音のデータ(受音データ)を信号S10として取得部221に向けて出力する。取得部221は、信号S10によって駆動データである受音データを取得する。また、音源31は、磁歪アクチュエータ42を駆動させるためのオーディオ信号を出力するのに用いた音源データを信号S11として取得部221に向けて出力し、取得部221は当該音源データを取得する。そして、取得部221は、受音データ及び音源データの情報を信号S5として検知部222に向けて出力する。
次に、ステップSP110において、故障検知装置23は、発音装置40が所定の故障状態であれば、当該故障状態を検知する。具体的には、検知部222は、信号S5により入力された音源データと受音データとを比較する。この比較は、音源データと受音データとに含まれる周波数成分や振幅などの特徴を比べるものである。音源データと受音データとの周波数成分の特徴が一致しない場合、検知部222は、振動板41が音源データに基づいた発音を行っていない故障状態であることを検知する。また、音源データと受音データとの周波数成分の特徴が一致した場合であっても、音源データの振幅と受音データの振幅との比較を用いれば、振動板41によって音源データに基づいた発音を行っているが、当該発音の音圧が不足している故障状態であると検知する。検知部222は、これらのような磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない故障状態であった場合、所定の故障状態であると検知する。
次に、ステップSP120において、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態であるか否かを判定する。発音装置40が所定の故障状態である場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「YES」の場合)、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態である旨の情報を、情報出力部224に向けて出力する。そして、故障検知装置23はステップSP130の動作を行う。また一方、発音装置40が所定の故障状態でない場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「NO」の場合)、故障検知装置23は故障検知処理を終了する。
発音装置40が所定の故障状態であった場合、ステップSP130において、情報出力部224は、発音装置40が所定の故障状態である旨を報知するための報知情報を信号S9として出力装置12に向けて出力する。
出力装置12は、情報出力部224から入力された当該報知情報に基づいて、発音装置40が故障状態である旨の情報を搭乗者に対して報知する。この故障情報の報知は、本発明の第1の実施形態にて説明した故障情報の報知と同様のものであってよい。
以上のように、車両存在報知装置5は、故障検知装置23を用いてステップSP100からステップSP130にて示した故障検知処理を行う。故障検知装置23は、発音装置40が駆動している場合において、常に、または定期的に故障検知処理を行うので、車両存在報知装置5は発音装置40が所定の故障状態になったことを随時検知する。
したがって、車両存在報知装置5は、故障検知装置23を用いて故障検知処理を行うことにより、発音装置40が磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない所定の故障状態であれば、当該故障状態を検知することができる。
さらに、発音装置40の所定の故障状態を検知した場合は、情報出力部224が発音装置40が故障状態である旨の情報を出力することで、出力装置12は車両9の搭乗者に対して当該故障状態の報知を行うことができる。よって、車両存在報知装置5は、発音装置40が正常に発音してない状態で走行するという不適切な運転を防止することが可能である。
また、本発明の第3の実施形態に係る故障検知装置23においては、受音データに対し、振動板41が発生源ではない音の周波数成分をカットするフィルタリング処理などの音声処理を行ってもよい。当該音声処理により、振動板41が発生源ではない音がマイクロフォン13にて受音される状態であっても、発音装置40の故障状態の検知を行うことが可能である。
なお、本発明の第3の実施形態における制御装置20は、車両9に搭載されたコンピュータであってもよい。電気自動車などである車両9には、車両9の動作を制御するコンピュータであるECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。本発明においては、制御装置20としての機能をこのECUが有してもよい。図19は、ECU50を用いる車両存在報知装置6の構成を概略的に示したブロック図である。ECU50は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)225と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリであるメモリ226とを有している。メモリ226はプログラム227を記憶している。そして、CPU225は、メモリ226からプログラム227を読み込むことで、本発明の第3の実施形態にて示した制御装置20として機能する。
〈第4の実施形態〉
本発明の第4の実施形態に係る車両存在報知装置は、本発明の第1の実施形態に係る車両存在報知装置と同様に、車両9に搭載され、発音装置40によって車両9の存在を報知する報知音を発音する装置である。本発明の第4の実施形態に係る車両存在報知装置が発音装置40を用いて報知音を発音する動作については、本発明の第1の実施形態にて示した車両存在報知装置1の動作と同様である。
図20は、本発明の第4の実施形態に係る車両存在報知装置7の構成を概略的に示したブロック図である。車両存在報知装置7は、出力装置12、歪み検出部14、車速検出部15、制御部である制御装置20、信号処理装置30、及び発音装置40を備えて構成されている。制御装置20は、音源制御部21、及び故障検知装置23を備えて構成されている。故障検知装置23は、取得手段である取得部221、検知手段である検知部222、及び情報出力手段である情報出力部224を備えて構成されている。信号処理装置30は、音源31、及びアンプ32を備えて構成されている。発音装置40は、磁歪アクチュエータ42、及び振動板41を備えて構成されている。車速検出部15の出力は音源制御部21の入力に接続されている。音源制御部21の出力は信号処理装置30の入力に接続されている。信号処理装置30の出力は磁歪アクチュエータ42の入力に接続されている。音源31の出力は取得部221の入力に接続されている。歪み検出部14の出力は取得部221の入力に接続されている。取得部221の出力は検知部222の入力に接続されている。検知部222の出力は情報出力部224の入力に接続されている。情報出力部224の出力は出力装置12の入力に接続されている。
図21は、車両存在報知装置7の駆動データの取得方法を模式的に示した図である。発音装置40は、本発明の第1の実施形態において示した発音装置40と同様の動作を行う。車両存在報知装置7は、発音装置40が磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない所定の故障状態であることを検知するために、歪み検出部14によって、振動する際に振動板41に発生する歪みを歪みデータとして検出する。歪み検出部14は、振動板41に取り付けられ、振動板41の歪みを検出する歪みゲージなどのセンサであってよい。当該歪みデータとは、振動板41の振動により振動板41に生ずる歪み(または歪み量)の時間変化を検出した時系列データである。そして、車両存在報知装置7の故障検知装置23は、当該歪みデータを用いて故障検知処理を行う。当該故障検知処理は図6にて示した故障検知処理と同様のフローチャートにて行われる。以下、本発明の第4の実施形態に係る故障検知処理の説明を、図6及び図20を参照しつつ行う。
まず、ステップSP100において、故障検知装置23は、駆動データとして振動板41に生ずる歪みの歪みデータを取得する。具体的には、歪み検出部14は、振動板41に生ずる歪み(または歪み量)を検出し、信号S12として取得部221に向けて出力する。取得部221は、信号S12によって駆動データである歪みデータを取得する。また、音源31は、磁歪アクチュエータ42を駆動させるためのオーディオ信号を出力するのに用いた音源データを信号S11として取得部221に向けて出力し、取得部221は当該音源データを取得する。そして、取得部221は、歪みデータ及び音源データの情報を信号S5として検知部222に向けて出力する。
次に、ステップSP110において、故障検知装置23は、発音装置40が所定の故障状態であれば、当該故障状態を検知する。具体的には、検知部222は、信号S5により入力された音源データと歪みデータとを比較する。この比較は、音源データと歪みデータとに含まれる周波数成分や振幅などの特徴を比べるものである。音源データと歪みデータとの周波数成分の特徴が一致しない場合、検知部222は、振動板41が音源データに基づいた発音を行っていない故障状態であることを検知する。また、音源データと歪みデータとの周波数成分の特徴が一致した場合であっても、音源データと歪みデータとの振幅の比較を用いれば、振動板41によって音源データに基づいた振動を行っているが、当該振動の振幅が不足している故障状態(発音装置40が音量不足になる故障状態)を検知する。検知部222は、これらのような磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない故障状態であった場合、所定の故障状態であると検知する。
さらに、音源データと歪みデータとの比較を用いれば、振動板41が不測の外圧を受けて発音装置40が正常に発音できなくなった場合、当該外圧によって振動板41に発生する歪みを検出できる。したがって、故障検知装置23は、振動板41が不測の外圧を受けて発音装置40が正常に発音できなくなる故障状態を検知することができる。
次に、ステップSP120において、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態であるか否かを判定する。発音装置40が所定の故障状態である場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「YES」の場合)、検知部222は、発音装置40が所定の故障状態である旨の情報を、情報出力部224に向けて出力する。そして、故障検知装置23はステップSP130の動作を行う。また一方、発音装置40が所定の故障状態でない場合(つまり、ステップSP120における判定結果が「NO」の場合)、故障検知装置23は故障検知処理を終了する。
発音装置40が所定の故障状態であった場合、ステップSP130において、情報出力部224は、発音装置40が故障状態である旨を報知するための報知情報を信号S9として出力装置12に向けて出力する。
出力装置12は、情報出力部224から入力された当該報知情報に基づいて、発音装置40が故障状態である旨の情報を搭乗者に対して報知する。この故障情報の報知は、本発明の第1の実施形態にて説明した故障情報の報知と同様のものであってよい。
以上のように、車両存在報知装置7は、故障検知装置23を用いてステップSP100からステップSP130にて示した故障検知処理を行う。故障検知装置23は、発音装置40が駆動している場合において、常に、または定期的に故障検知処理を行うので、車両存在報知装置7は発音装置40が所定の故障状態になったことを随時検知する。
したがって、車両存在報知装置7は、故障検知装置23を用いて故障検知処理を行うことにより、発音装置40が磁歪アクチュエータ42は駆動しているにもかかわらず振動板41が正常に振動していない所定の故障状態であれば、当該故障状態を検知することができる。
さらに、発音装置40の故障状態を検知した場合は、情報出力部224が発音装置40が故障状態である旨の情報を出力することで、出力装置12は車両9の搭乗者に対して当該故障状態の報知を行うことができる。よって、車両存在報知装置7は、発音装置40が正常に発音してない状態で走行するという不適切な運転を防止することが可能である。
なお、本発明の第4の実施形態における制御装置20は、車両9に搭載されたコンピュータであってもよい。電気自動車などである車両9には、車両9の動作を制御するコンピュータであるECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。本発明においては、制御装置20としての機能をこのECUが有してもよい。図22は、ECU50を用いる車両存在報知装置8の構成を概略的に示したブロック図である。ECU50は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)225と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリであるメモリ226とを有している。メモリ226はプログラム227を記憶している。そして、CPU225は、メモリ226からプログラム227を読み込むことで、本発明の第4の実施形態にて示した制御装置20として機能する。
また、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2,3,4,5,6,7,8 車両存在報知装置
9 車両
10,10A,10B 電流検出部
11 温度検出部
12 出力装置
13 マイクロフォン
14 歪み検出部
20 制御装置
22,23 故障検知装置
221 取得部
222 検知部
223 設定部
224 情報出力部
225 CPU
226 メモリ
227 プログラム
30 信号処理装置
31 音源
32 アンプ
40,40A,40B 発音装置
41,41A,41B 振動板
42,42A,42B 磁歪アクチュエータ
50 ECU

Claims (9)

  1. 磁歪アクチュエータが振動板を振動させることで車両の存在を報知する報知音を発音する発音装置の故障を検知するための故障検知装置であって、
    前記発音装置の駆動に伴うデータを取得する取得手段と、
    前記データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない故障状態を検知する検知手段と、
    を備える、故障検知装置。
  2. 前記磁歪アクチュエータが前記振動板を振動させるための駆動負荷に対応した所定の範囲を、前記検知手段に対して設定する設定手段をさらに備え、
    前記取得手段は、前記データとして前記磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値を取得し、
    前記検知手段は、前記電流の値が前記所定の範囲内の値ではない場合に、前記発音装置が前記故障状態であると検知する、請求項1に記載の故障検知装置。
  3. 前記取得手段は、前記発音装置の温度情報を取得し、
    前記設定手段は、前記温度情報に基づいて、前記所定の範囲の調整を行う、請求項2に記載の故障検知装置。
  4. 前記車両は、前記発音装置と同種の発音装置である他の発音装置をさらに備え、
    前記取得手段は、前記他の発音装置が有する磁歪アクチュエータの駆動に用いられる電流の値である参照電流値を取得し、
    前記設定手段は、前記参照電流値に基づいて、前記所定の範囲を設定する、請求項2に記載の故障検知装置。
  5. 前記取得手段は、前記データとして前記発音装置による発音を受音した受音データを取得し、
    前記検知手段は、前記受音データと前記発音装置が前記報知音を発音するのに用いる音源データとを比較した比較結果に基づいて、前記発音装置が前記故障状態であることを検知する、請求項1に記載の故障検知装置。
  6. 前記取得手段は、前記データとして前記振動板の歪みの時間変化に関する歪みデータを取得し、
    前記検知手段は、前記歪みデータと前記発音装置が前記報知音を発音するのに用いる音源データとを比較した比較結果に基づいて、前記発音装置が前記故障状態であることを検知する、請求項1に記載の故障検知装置。
  7. 前記発音装置が前記故障状態である場合に、前記発音装置が前記故障状態である旨の情報を出力する情報出力手段をさらに備える、請求項1から6のいずれか一つに記載の故障検知装置。
  8. 車両に搭載されて当該車両の存在を報知する車両存在報知装置であって、
    所定の報知音に関する音源データを出力する音源と、
    前記音源データに基づいて磁歪アクチュエータを駆動させることにより、振動板を振動させることで前記所定の報知音を発音する発音装置と、
    前記発音装置の駆動に伴う駆動データを取得し、当該駆動データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない所定の故障状態を検知する制御部と、
    を備える、車両存在報知装置。
  9. 磁歪アクチュエータが振動板を振動させることで車両の存在を報知する報知音を発音装置から発音する車両存在報知装置に搭載されるコンピュータを、
    前記発音装置の駆動に伴うデータを取得する取得手段と、
    前記データに基づいて、前記磁歪アクチュエータが駆動しているにもかかわらず前記振動板が正常に振動していない故障状態を検知する検知手段と、
    として機能させるための、プログラム。
JP2010278053A 2010-12-14 2010-12-14 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム Pending JP2012129704A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278053A JP2012129704A (ja) 2010-12-14 2010-12-14 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278053A JP2012129704A (ja) 2010-12-14 2010-12-14 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012129704A true JP2012129704A (ja) 2012-07-05

Family

ID=46646298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010278053A Pending JP2012129704A (ja) 2010-12-14 2010-12-14 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012129704A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014217215A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 国立大学法人九州工業大学 振動低減方法ならびに振動低減装置およびそれを備えたハイブリッド車両
WO2016051945A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 株式会社日立国際電気 拡声装置及び無線通信システム
JP2017171193A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 マツダ株式会社 車両検査方法
US11257308B2 (en) 2017-10-03 2022-02-22 Google Llc Actionable event determination based on vehicle diagnostic data

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014217215A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 国立大学法人九州工業大学 振動低減方法ならびに振動低減装置およびそれを備えたハイブリッド車両
WO2016051945A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 株式会社日立国際電気 拡声装置及び無線通信システム
JPWO2016051945A1 (ja) * 2014-09-29 2017-07-06 株式会社日立国際電気 拡声装置及び無線通信システム
US9826310B2 (en) 2014-09-29 2017-11-21 Hitachi Kokusai Electric, Inc. Loudspeaker device and wireless communication system
JP2017171193A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 マツダ株式会社 車両検査方法
US11257308B2 (en) 2017-10-03 2022-02-22 Google Llc Actionable event determination based on vehicle diagnostic data
EP3622384B1 (en) * 2017-10-03 2023-04-19 Google LLC Actionable event determination based on vehicle diagnostic data
US11734968B2 (en) 2017-10-03 2023-08-22 Google Llc Actionable event determination based on vehicle diagnostic data

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8217775B2 (en) Method and device for warning the driver
EP3166334B1 (en) Loudspeaker and mobile device incorporating same
US8988203B2 (en) Vehicle presence notification apparatus
JP2012129704A (ja) 故障検知装置、車両存在報知装置、及びプログラム
JP5538662B2 (ja) 車両接近通報装置、およびその故障診断方法
US9340153B2 (en) Warning alarm apparatus and method for steering wheel
JP2008149917A (ja) 車両用周囲音報知装置
CN103085715A (zh) 车辆出现通知设备
JP7079580B2 (ja) オーディオ回路、スピーカユニット、自動車
JP2014015186A (ja) 車両存在通報装置
WO2011048957A1 (ja) 車両接近報知用発音装置
JP2012126207A (ja) 車両存在報知装置、制御装置、及びプログラム
JP2013091369A (ja) 車輌の存在報知システム
WO2022149360A1 (ja) 触覚刺激を与える身体装着具
JP2017213243A (ja) 振動制御装置
JP2017214006A (ja) 座席装置
JP2016068667A (ja) 車両用の情報伝達装置
JP2019053962A (ja) スイッチ装置
JP2012114841A (ja) 発音装置及び車両存在報知装置
JP2017043214A (ja) 車両用警報装置
EP3382691B1 (en) Horn device
JP5343933B2 (ja) 車両用接近通報装置
AU2017395532B2 (en) Speaker operation confirmation device
JP2012054654A (ja) 発音装置、車両存在報知装置、及びバンパリインフォースメント
JP2014008902A (ja) 車両存在通報装置