JP2012128943A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012128943A
JP2012128943A JP2012026862A JP2012026862A JP2012128943A JP 2012128943 A JP2012128943 A JP 2012128943A JP 2012026862 A JP2012026862 A JP 2012026862A JP 2012026862 A JP2012026862 A JP 2012026862A JP 2012128943 A JP2012128943 A JP 2012128943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
objective lens
pickup device
optical pickup
optical
information recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012026862A
Other languages
English (en)
Inventor
Miyoshi Wachi
美佳 和智
Kentaro Nakamura
中村  健太郎
Nobuyoshi Mori
伸芳 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Original Assignee
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Advanced Layers Inc filed Critical Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority to JP2012026862A priority Critical patent/JP2012128943A/ja
Publication of JP2012128943A publication Critical patent/JP2012128943A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1353Diffractive elements, e.g. holograms or gratings
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/125Optical beam sources therefor, e.g. laser control circuitry specially adapted for optical storage devices; Modulators, e.g. means for controlling the size or intensity of optical spots or optical traces
    • G11B7/127Lasers; Multiple laser arrays
    • G11B7/1275Two or more lasers having different wavelengths
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13922Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration passive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0006Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD

Abstract

【課題】記録密度の高い光情報記録媒体に対して、環境温度の変化や光源の波長のばらつきに係らず高精度な記録及び/再生を適正に行う光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置1は、波長380〜420nmの第1光束L1を出射する半導体レーザ発振器LD1と、基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズ15とを有し、対物レンズ15を介して、第1光束L1によりBD10に記録及び/又は再生を行うものであって、対物レンズ15の像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、対物レンズ15のBD10に対する作動距離が0.3mm以上であり、一定の関係式を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、光情報の記録及び/再生を行う光ピックアップ装置に関し、特に、波長380〜420nmの青紫色光源を用い、対物レンズの像側開口数が0.75〜0.87である高密度の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置でありながら、対物レンズの主成分として樹脂を用いることで安価に製造可能であり、優れた光学性能を有する光ピックアップ装置に関する。
従来から、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)といった光情報記録媒体に対して、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置が開発されている。CD用の光ピックアップ装置としては、光源の波長が770〜800nm程度で、対物レンズの像側開口数が0.42〜0.52程度の光ピックアップ装置が用いられている。DVD用の光ピックアップ装置としては、光源の波長が630〜660nm程度で、対物レンズの像側開口数が0.60〜0.70程度の光ピックアップ装置が用いられている。
近年では、デジタル画像の高画素化や地上波デジタル放送の普及に伴い更に記録容量の向上した光情報記録媒体が求められており、それに伴い380〜420nmの青紫色光源(青紫色レーザ)を用いた光ピックアップ装置の開発が進められている。
更に記録密度向上の為には、光源波長の短波長化に加え対物レンズの開口数も大きくする必要があり、Blu−Ray Diskと呼ばれる規格の光情報記録媒体の記録及び/又は再生に用いられる、対物レンズの像側開口数には0.75〜0.85の範囲の値が求められている。
一方、光ピックアップ装置用の光学素子としては、基材がガラスで構成されるものや、基材が樹脂材料で構成されるものが開発されている。一般にガラス材料は樹脂材料に比較して融点が高く、当該ガラス材料を用いて光ピックアップ装置用の光学素子を製造した場合、レンズ成形用金型の劣化が早く、製造コストが増加してしまうという問題があった。従って、製造コストを低減させるために樹脂材料を用いた光学素子の開発が強く望まれている。
しかしながら、樹脂材料は、ガラス材料に比べ温度変化による光学性能の変化が大きいという問題を有する。すなわち、光ピックアップ装置用の光学素子としては、温度が変化することにより光学素子の材料の屈折率が変化することで収差が発生し、光情報記録媒体中の情報の読み取り精度が低下する可能性がある。特に、従来のCDやDVDの記録及び/又は再生では問題とならなかった程度の温度変化が、上述の青紫色光源及び高開口数の対物レンズを用いた高密度記録に用いる高精度の光ピックアップ装置においては、大きな球面収差を発生させる原因となり、問題となることがわかった。
上記の問題を低減するために、対物レンズやその他の光学素子の光学面に回折構造を形成し、温度が変化した際に光源の波長が変化することに起因する回折作用の変化により相殺することで、球面収差量の変化を低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記の高密度記録材料の記録及び/又は再生に用いられる青紫色光源の温度変化による波長変化は非常に小さく、対物レンズの材料の屈折率変化を充分に低減することができなかった。
更に、光学素子の光学面に位相構造を形成し、温度変化がない状態では、波長の整数倍の光路差を与える段差を設けることで光束を透過し、温度変化が発生した場合に光学素子の材料の屈折率が変化し、段差により与えられる光路差が波長の整数倍からずれることを利用して、温度変化により発生する球面収差量を低減する非周期位相構造(Non Periodic Phase Structure,以下「NPS」という。)と呼ばれる位相構造を設ける技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、光ピックアップ装置による情報の記録及び/又は再生の際には、光源の波長がいわゆるモードホップと呼ばれる波長飛びを起こしたり、光源の波長自体にばらつきがある場合があり、波長のズレを無くすことは困難である。しかしながら、NPSを用いて温度変化による球面収差量の変化を補正すると、設計波長から光源の波長が数nmずれた場合の集光性能(波長特性)がNPSをつけない場合に比べて劣化することが判明した。即ち、NPSを利用して収差変化を抑制しようとする場合、温度変化による球面収差変化(温度特性)と光源波長変化による球面収差変化(波長特性)がトレードオフの関係となり、上述の高密度記録媒体の記録及び/又は再生に用いられる光ピックアップ装置として充分な光学性能を得ることが困難であった。
特開2001−283459号公報 特開2003−248168号公報
ところで、記録密度向上のため、光ピックアップ装置用の対物レンズの開口数を増加させた場合、集光角が大きくなり対物レンズと光情報記録媒体との間の作動距離が短くなる。しかしながら、光情報の記録及び/又は再生を高精度に行うためには、対物レンズのフォーカシングやトラッキングの為に対物レンズを光軸方向や光軸と直行する方向に駆動させる必要があり、少なくとも0.3mm以上の作動距離が望まれている。さらに、光情報記録媒体のディスクチルトにより発生する可能性のあるコマ収差の補正や粗悪ディスクへの対応を考慮すると、下記式(1.1)の関係を満たすことが望ましい形態である。
1.0<d/f<1.5 … (1.1)
式(1.1)中、「d」は対物レンズの軸上厚を表し、「f」は対物レンズの焦点距離を表す。
上記式(1.1)のd/fの上限が1.5以上の場合は、対物レンズが厚くなり光情報記録媒体との間隔を充分に確保することが困難となり、結果としてディスクチルトによるコマ収差補正や粗悪ディスクへの対応が困難となるが、d/fが1.5より小さい場合は、対物レンズと光情報記録媒体との間隔を充分に確保することができる。
他方、上記式(1.1)のd/fの下限が1.0以下の場合は、対物レンズの光源側の光学面の曲率半径を小さくせざるを得ず、その結果として対物レンズを構成する樹脂の屈折率変化による球面収差量の変化が大きくなるが、d/fが1.0より大きい場合は屈折率変化に対する球面収差量の変化も小さく、作動距離も充分に確保することができる。
さらに、開口数が大きい対物レンズを製造するにあたっては、下記式(1.2)の関係を満たすことが望ましい条件の一つである。
55°<θ0.9<65° … (1.2)
式(1.2)中、「θ0.9」は、対物レンズの光源側の光学面における瞳径の0.9倍に相当する位置の見込み角を表す。
上記式(1.2)のθ0.9の下限が55°以下の場合は、対物レンズの軸上厚誤差に対する感度の効きが大きく、製造時の球面収差制御の調整が難しくなり、その結果として性能の安定したレンズを廉価で供給することが困難となるが、θ0.9が55°より大きい場合は、従来の射出成形技術を用いて樹脂を主成分とした光学素子を大量に生産することができる。
他方、上記式(1.2)のθ0.9の上限が65°以上の場合には、対物レンズの作製時の面偏芯(チルト及びシフト)の感度の効きが大きく、製造時のコマ収差制御の調整が難しくなり、その結果として性能の安定したレンズを廉価で供給することが困難となるが、θ0.9が65°より小さい場合は、従来の射出成形技術を用いて樹脂を主成分としたレンズを大量に生産することができる。
上述のように、従来のCDやDVD等の光情報記録媒体よりも記録密度の高い光情報記録媒体の光情報の記録及び/又は再生に用いられる光ピックアップ装置を開発するにあたっては、単に光源の波長を短波長化したり、対物レンズの開口数を増加させるだけでは充分ではなく、上述のような作動距離や製造上の観点から必要な性能を満たした上で、温度変化による収差変化や光源波長のばらつきによる収差変化を低減した光ピックアップ装置の開発が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、記録密度の高い光情報記録媒体に対して、環境温度の変化や光源の波長のばらつきに係らず高精度な記録及び/再生を適正に行えるとともに、対物レンズの基材の主成分を樹脂材料とすることにより、安価に製造できる光ピックアップ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明の第1の形態は、
波長380〜420nmの第1光束を出射する第1光源と、
基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズとを有し、
前記対物レンズを介して、前記第1光束により第1光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
前記対物レンズの像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、
前記対物レンズの前記第1光情報記録媒体に対する作動距離が0.3mm以上であり、
下記式(1.1),(2),(3)の関係をすべて満たすことを特徴とする。
1.0<d/f<1.5 … (1.1)
ΔW<0.07λrms … (2)
ΔW<0.07λrms … (3)
式(1.1)中、「d」は前記対物レンズの軸上厚であり、「f」は前記対物レンズの焦点距離である。式(2)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記対物レンズの周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(3)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記第1光束の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。
本発明の第1の態様の光ピックアップ装置によれば、波長380〜420nmの第1光源を用いた高い開口数を有する光ピックアップ装置においても、作動距離を十分に確保することでディスクチルトによるコマ収差補正や粗悪ディスクへの対応をとることが出来るとともに、環境温度が30°程度変化した場合であっても波面収差を適正な範囲に保つことができ、更には、第1光源の波長が設計波長からずれた場合であっても波面収差を適正な範囲に保つことができる為、第1光情報記録媒体への記録及び/又は再生を問題なく行うことができる。
本発明の第2の形態は、
波長380〜420nmの第1光束を出射する第1光源と、
基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズとを有し、
前記対物レンズを介して、前記第1光束により第1光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
前記対物レンズの像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、
前記対物レンズの前記第1光情報記録媒体に対する作動距離が0.3mm以上であり、
下記式(1.2),(2),(3)の関係をすべて満たすことを特徴とする。
55°<θ0.9<65° … (1.2)
ΔW<0.07λrms … (2)
ΔW<0.07λrms … (3)
式(1.2)中、「θ0.9」は前記対物レンズの光源側の光学面における瞳径の0.9倍に相当する位置の見込角である。式(2)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記対物レンズの周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(3)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記第1光束の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。
本発明の第2の態様の光ピックアップ装置によれば、波長380〜420nmの第1光源を用いた高い開口数を有する光ピックアップ装置においても、従来の射出成形技術を用いて簡易に成形することが出来るとともに、環境温度が30°程度変化した場合であっても波面収差を適正な範囲に保つことができ、更には、第1光源の波長が設計波長からずれた場合であっても波面収差を適正な範囲に保つことができる為、第1光情報記録媒体への記録及び/又は再生を問題なく行うことができる。
上記第1及び第2の形態の光ピックアップ装置においては、前記対物レンズが、樹脂材料に無機粒子を分散させた有機無機複合材料から構成されているのが好ましい。
上記第1及び第2の形態の光ピックアップ装置においては、前記対物レンズの少なくとも一方の光学面に位相構造が設けられているのが好ましい。
前記位相構造は、所謂NPSであって、前記対物レンズの周辺温度の変化により前記対物レンズの基材の屈折率が変化することにより発生する球面収差成分の変化を、当該位相構造自体により打ち消す作用を有するのが好ましい。
前記位相構造は回折構造であってもよい。
前記回折構造は、前記第1光情報記録媒体に対する記録又は再生を行う場合には、前記対物レンズの周辺温度の変化により前記対物レンズの基材の屈折率が変化することにより発生する球面収差成分の変化を、前記第1光源の周辺温度の変化により前記第1光束の波長が変化することにより発生する球面収差成分の変化により打ち消す作用を有するのが好ましい。
前記位相構造は、前記対物レンズの光軸に対して同心円状の複数の輪帯構造を有するのが好ましい。
上記第1及び第2の形態の光ピックアップ装置においては、
波長630〜660nmの第2光束を出射する第2光源と、
波長770〜800nmの第3光束を出射する第3光源とを有し、
前記対物レンズを介して、前記第2光束により第2光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行い、
前記対物レンズを介して、前記第3光束により第3光情報記録媒体に記録及び/再生を行うのが好ましい。
前記第2光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う場合は、前記対物レンズの像側開口数NA2が0.60〜0.70であり、前記第3光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う場合は、前記対物レンズの像側開口数NA3が0.42〜0.52であるのが、現在広く普及されているCDやDVDといった光情報記録媒体の規格に対応する意味で好ましい。
さらに複数の光情報記録媒体に対して同一の光ピックアップ装置で記録及び/又は再生を行う場合、光情報記録媒体の保護基板の厚みの違いに起因する球面収差を低減させる必要がある為、前記第1〜第3光情報記録媒体がそれぞれ透明保護基板を有する場合は、前記対物レンズが、少なくとも一方の光学面に、前記第1〜第3光情報記録媒体のうち、少なくとも2つの前記第1〜第3光情報記録媒体の透明保護基板の厚みの違いに起因する球面収差を補正する位相構造を有するのが好ましい。
本発明によれば、記録密度の高い光情報記録媒体に対して、環境温度の変化や光源の波長のばらつきに係らず高精度な記録及び/再生を適正に行えるとともに、対物レンズの基材の主成分を樹脂材料とすることにより、安価に製造できる光ピックアップ装置を得ることができる。
光ピックアップ装置の概略構成を示す図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの位相構造の一例を示す断面図である。 対物レンズの開口数が0.45、焦点距離2.5mm、入射瞳径φ2.35mmの場合のdn/dt、屈折率n及び波面収差変化量ΔWの関係を示すグラフである。 対物レンズの開口数が0.65、焦点距離2.5mm、入射瞳径φ3.35mmの場合のdn/dt、屈折率n及び波面収差変化量ΔWの関係を示すグラフである。 対物レンズの開口数が0.85、焦点距離1.7645mm、入射瞳径φ3.00mmの場合のdn/dt、屈折率n及び波面収差変化量ΔWの関係を示すグラフである。 樹脂に対する無機粒子の添加量、dn/dt、及び屈折率nの関係を示すグラフである。 実施例2に示す対物レンズの断面を示す模式図である。 比較例2に示す対物レンズの断面を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲は以下の実施形態及び図示例に限定されるものではない。
本実施形態では、始めに、本発明に係る(A)光ピックアップ装置とその光ピックアップ装置に適用される(B)対物レンズとを説明し、その後に(C)当該光ピックアップ装置の特性についてそれぞれ説明する。
(A)光ピックアップ装置
以下、本発明に係る光ピックアップ装置の好ましい形態について説明する。
図1に示すように、光ピックアップ装置1には、光源として、3種類の半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3が具備されている。第1光源としての半導体レーザ発振器LD1は、BD(Blu−Ray Disc)10用として波長380〜420nm中の特定波長、例えば405nm,407nmの波長の光束を第1光束L1として出射するようになっている。第2光源としての半導体レーザ発振器LD2は、DVD20用として波長630〜660nm中の特定波長の光束を第2光束L2として出射するようになっている。第3光源としての半導体レーザ発振器LD3は、CD30用として770〜800nm中の特定波長の光束を第3光束L3として出射するようになっている。
ここでは、BD10,DVD20及びCD30の3種類の光情報記録媒体に対応した光ピックアップ装置を好ましい形態として記載するが、本発明はBD専用であっても、2種類の光情報記録媒体に対応した光ピックアップ装置であってもよい。
半導体レーザ発振器LD1から出射される青紫色光の光軸方向には、図1中下方から上方に向かって、シェイバSH1、スプリッタBS1、コリメータCL、スプリッタBS4,BS5及び対物レンズ15が順次配設されている。対物レンズ15と対向する位置には、第1光情報記録媒体としてのBD10と、第2光情報記録媒体としてのDVD20と、第3光情報記録媒体としてのCD30とが配置されるようになっている。スプリッタBS1の図1中右方には、シリンドリカルレンズL11、凹レンズL12及び光検出器PD1が順次配設されている。
半導体レーザ発振器LD2から出射される赤色光の光軸方向には、図1中左方から右方に向けてスプリッタBS2,BS4が順次配設されている。スプリッタBS2の図1中下方にはシリンドリカルレンズL21、凹レンズL22及び光検出器PD2が順次配設されている。
半導体レーザ発振器LD3から出射される光の光軸方向には、図1中右方から左方に向けてスプリッタBS3,BS5が順次配設されている。スプリッタBS3の図1中下方にはシリンドリカルレンズL31、凹レンズL32及び光検出器PD3が順次配設されている。
対物レンズ15は、第1〜第3光情報記録媒体としてのBD10、DVD20又はCD30に対向配置されるものであり、各半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3から出射された光を、BD10、DVD20又はCD30に集光するようになっている。BD10、DVD20及びCD30はそれぞれ記録面10a,20a,30aを有しており、各記録面10a,20a,30aの表面が透明保護基板で覆われた構成を有している。
対物レンズ15には、2次元アクチュエータ2が具備されており、この2次元アクチュエータ2の動作により、対物レンズ15は上下方向及び左右方向に移動自在となっている。光ピックアップ装置1では、BD10、DVD20及びCD30の各透明保護基板に対する対物レンズ15の作動距離が0.3mm以上に設定されている。
次に、光ピックアップ装置1の作用について説明する。
本実施形態における光ピックアップ装置1は、第1〜第3光情報記録媒体の種類によってそれぞれ異なる動作をするため、以下において、BD10、DVD20及びCD30に対する動作態様の詳細について、それぞれ説明する。
まず始めに、BD10に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
BD10への情報の記録及び/又は再生動作時には、半導体レーザ発振器LD1が第1光束L1を出射する。その第1光束L1は、図1に示すように、シェイバSH1を透過して整形され、スプリッタBS1を透過して、コリメータCLで平行光とされ、その後各スプリッタBS4,BS5、対物レンズ15及びBD10の透明保護基板を透過し、BD10の記録面10aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した第1光束L1は、BD10の記録面10aで情報ピットにより変調され、記録面10aによって反射される。反射された第1光束L1は、BD10の透明保護基板、対物レンズ15、スプリッタBS5、スプリッタBS4及びコリメータCLを透過し、スプリッタBS1で反射した後、シリンドリカルレンズL11を透過して、非点収差が与えられる。その後、当該第1光束L1は、凹レンズL12を透過して、光検出器PD1で受光される。
以後、このような動作が繰り返し行われ、BD10に対する情報の記録動作や、BD10に記録された情報の再生動作が行われる。
次に、DVD20に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
DVD20への情報の記録及び/又は再生動作時には、半導体レーザ発振器LD2が第2光束L2を出射する。その第2光束L2は、図1に示すように、スプリッタBS2を透過し、スプリッタBS4によって反射される。反射された第2光束L2は、スプリッタBS5、対物レンズ15及びDVD20の透明保護基板を透過し、DVD20の記録面20aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した第2光束L2は、DVD20の記録面20aで情報ピットにより変調されて、記録面20aによって反射される。反射された第2光束L2は、DVD20の透明保護基板、対物レンズ15及びスプリッタBS5を透過し、各スプリッタBS4、BS2で反射した後、シリンドリカルレンズL21を透過して、非点収差が与えられる。その後、当該第2光束L2は、凹レンズL22を透過して、光検出器PD2で受光される。
以後、このような動作が繰り返し行われ、DVD20に対する情報の記録動作や、DVD20に記録された情報の再生動作が行われる。
最後に、CD30に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
CD30への情報の記録及び/又は再生時には、半導体レーザ発振器LD3から第3光束L3が出射される。その第3光束L3は、図1に示すように、スプリッタBS3を通過し、スプリッタBS5によって反射される。反射された第3光束L3は、対物レンズ15及びCD30の透明保護基板を透過し、CD30の記録面30aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した第3光束L3は、CD30の記録面30aで情報ピットにより変調されて、記録面30aによって反射される。反射された第3光束L3は、CD30の透明保護基板及び対物レンズ15を透過し、各スプリッタBS5,BS3で反射した後、シリンドリカルレンズL31を透過して、非点収差が与えられる。その後、当該第3光束L3は、凹レンズL32を透過して、光検出器PD3で受光される。
以後、このような動作が繰り返し行われ、CD30に対する情報の記録動作や、CD30に記録された情報の再生動作が行われる。
なお、光ピックアップ装置1では、BD10、DVD20又はCD30に対する情報の記録及び/又は再生動作時に、各光検出器PD1,PD2,PD3でのスポットの形状変化又は位置変化による光量変化を検出して、合焦検出及びトラック検出を行うようになっている。そして、このような光ピックアップ装置1は、各光検出器PD1,PD2,PD3の検出結果に基づいて、2次元アクチュエータ2が半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3からの光をBD10、DVD20又はCD30の記録面10a,20a,30aに結像するように対物レンズ15を移動させるとともに、半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3からの光を各記録面10a,20a,30aの所定のトラックに結像させるように対物レンズ15を移動させるようになっている。
また、光ピックアップ装置1では、第1光束L1によりBD10に記録及び/又は再生を行う場合には、対物レンズ15の像側開口数NA1が0.75〜0.87となっており、第2光束L2によりDVD20に記録及び/又は再生を行う場合には、対物レンズ15の像側開口数NA2が0.60〜0.70となっており、第3光束L3によりCD30に記録及び/又は再生を行う場合には、対物レンズ15の像側開口数NA3が0.42〜0.52となっている。
(B)対物レンズ
(B.1)対物レンズの特性
対物レンズ15は、基材の主成分が樹脂材料(下記参照)である単玉レンズからなるもので、少なくとも一方の光学面に位相構造を有している。「位相構造」とは、光軸方向の段差を有し、入射光束(第1〜第3光束L1〜L3)に対して光路差(位相差)を付加する構造の総称である。当該位相構造の形状には特に限定はないが、当該位相構造は光軸を中心とした複数の同心円状の段差により分割された輪帯構造であるのが好ましく、この段差により各輪帯間で入射光束に付加される光路差は、入射光束の波長の整数倍であってもよいし、入射光束の波長の非整数倍であってもよい。
対物レンズ15において、上記位相構造は、対物レンズ15の周辺温度が変化した際に対物レンズ15の基材の屈折率が変化することに起因して発生する球面収差成分の変化を、当該位相構造自体により打ち消す作用を有したり、第1〜第3光情報記録媒体としてのBD10、DVD20及びCD30のうち、少なくとも2つの第1〜第3光情報記録媒体の透明保護基板の厚みの違いに起因する球面収差を補正したりするようになっている。
また、対物レンズ15においては、上記位相構造は回折構造であってもよい。この場合、当該回折構造は、第1光情報記録媒体としてのBD10に対する記録又は再生を行う場合には、対物レンズ15の周辺温度が変化した際に対物レンズ15の基材の屈折率が変化することに起因して発生する球面収差成分の変化を、半導体レーザ発振器LD1の周辺温度の変化により第1光束L1の波長が変化することにより発生する球面収差成分の変化により打ち消す作用を有するようになっている。
対物レンズ15の上記位相構造は様々な断面形状をとり得るものであり、その適用例(断面構造)を図2〜図7に示す。
各位相構造について簡単に説明すると、図2の位相構造は鋸歯状を呈するものであり、図3の位相構造は全ての段差が同じ方向とされた階段状を呈するものであり、図4の位相構造は段差の方向が途中で反対となる階段状を呈するものであり、図5の位相構造は断面形状が階段状とされたパターンを同心円状に配列し、所定のレベル面数(図5では5レベル面)の個数毎に、そのレベル面数に対応した段数分(図5では4段)の高さだけ段をシフトさせたものである。
図2の位相構造では各鋸歯の向きが同一である場合を示し、図5の位相構造では断面形状が階段状とされた各パターンの向きが同一である場合を示しているが、当該位相構造は、図6や図7に示すように、位相反転部分PRを有し、その位相反転部分PRよりも光軸に近い側と遠い側とで鋸歯又はパターンの向きが互いに反転するようなものであってもよい。
なお、図2〜図7では、各位相構造を平面上に形成した例を示しているが、各位相構造は球面上又は非球面上に形成されてもよい。また、図5や図7では、所定のレベル面数を5としているが、これに限られるものではない。
(B.2)対物レンズの組成及びその製造方法
対物レンズ15を構成する基材は、樹脂材料を主成分としている限り特に限定はないが、下記にて詳述するように、光ピックアップ装置が前記式(2)、(3)を満たすように適宜樹脂材料を選択するか、樹脂材料の特性を調整する必要がある。樹脂材料の特性を調整する為には、主成分の樹脂材料に対し無機粒子を分散させた有機無機複合材料を対物レンズの基材とすることが好ましい形態の一つである。
(B.2.1)樹脂材料
選択される樹脂材料としては、光学材料として一般的に用いられる透明の樹脂材料であれば特に制限はないが、光学素子(対物レンズ15)としての加工性を考慮すると、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリイミド樹脂であることが好ましく、特に好ましくは環状オレフィン樹脂であり、例えば、特開2003−73559号公報等に記載の化合物を挙げることができ、その好ましい化合物を表1に示す。
Figure 2012128943
当該樹脂材料においては、吸水率が0.2質量%以下であることが好ましい。吸水率が0.2質量%以下の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)、サイトップ(旭硝子社製)等)、環状オレフィン樹脂(例えば、ZEONEX(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)、アペル(三井化学社製)、TOPAS(ポリプラスチック社製)等)、インデン/スチレン系樹脂、ポリカーボネートなどが好適であるが、これらに限るものではない。また、これらの樹脂と相溶性のある他の樹脂を併用することも好ましい。2種以上の樹脂を用いる場合、その吸水率は、個々の樹脂の吸水率の平均値にほぼ等しいと考えられ、その平均の吸水率が0.2%以下になればよい。
(B.2.2)無機粒子の種類や特性、製造方法等
[無機粒子の種類等]
無機粒子を樹脂材料中に添加する場合、用いることができる無機粒子の粒径は、使用波長である380〜420nmよりも十分に小さい必要があるが、その体積平均分散粒径が30nm以下であることが好ましく、1〜30nmであることがより好ましく、1〜10nm以下であることが更に好ましい。体積平均分散粒径が1nm以上であれば、無機粒子の分散性を確保することができ、所望の性能を得ることができ、また体積平均分散粒径が30nm以下であれば、得られる有機無機複合材料の良好な透明性を得ることができ、光線透過率として70%以上を達成することができる。ここでいう体積平均分散粒径とは、分散状態にある無機粒子を、同体積の球に換算した時の直径を言う。
無機粒子の形状は、特に制限されるものではないが、流動性の観点より好適には球状の微粒子が用いられる。また、粒径の分布に関しても特に制限されるものではないが、安定性の観点より広範な分布を有するものよりも、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。これらの無機粒子はその一部が非晶質として存在していてもよい。
無機粒子としては、例えば、酸化物微粒子が挙げられる。より具体的には、当該酸化物微粒子として、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、あるいは、リン酸塩、硫酸塩等、を挙げることができる。
また、無機粒子として、半導体結晶組成の微粒子も好ましく利用できる。当該半導体結晶組成には、特に制限はないが、光学素子(対物レンズ15)として使用する波長領域において吸収、発光、蛍光等が生じないものが望ましい。具体的な組成例としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII〜VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti5O9等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。
なお、G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF2)15F15や、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
これらの無機粒子は、1種類の無機粒子を用いてもよく、また複数種類の無機粒子を併用してもよい。また、複合組成の無機粒子を用いることも可能である。複数種類の無機粒子は混合型、コアシェル(積層)型、化合物型及び複合型(1つの母材無機粒子中にもう1つの無機粒子が存在する形)等のどれでもよい。2種類以上の無機粒子を用いる場合、無機粒子の組成は実質的に均一組成であることが好ましい。組成の均一性については通常TEMによる組成分析などで判断されるが、均一組成である場合、粒子内部の組成分布による光散乱が生じないため、透明性が高く、屈折率が均一になるため好ましい。
[無機粒子の屈折率]
光学素子(対物レンズ15)として使用される樹脂材料の屈折率はヘリウムd線(25℃)を光源として測定した屈折率nd25が1.5乃至1.7付近であるものが多く、用いられる無機粒子の屈折率もnd25が1.5〜1.7に調整することが好ましい。具体的に好ましい無機粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム及び複合組成粒子などが挙げられ、使用される樹脂材料や光学素子(対物レンズ15)に求められる特性によって適宜選択される。上記屈折率は、例えばASTMD542規格に則りアッベ式屈折計等により測定されるものが該当し、種々の文献に記載されている値を用いることができる。また、無機粒子を、屈折率を調整した種々の溶媒に分散させて分散液の吸光度を測定し、その値が最小になる溶媒の屈折率を測定することにより、当該無機粒子の屈折率を確認できる。
[無機粒子の充填率]
最終的な有機無機複合材料に含まれる無機粒子の体積比率は1〜70体積%、好ましくは10〜50体積%である。有機無機複合材料の無機粒子の含有量が1体積%以下の場合、望まれる物性向上が得られない可能性がある。また、有機無機複合材料の無機粒子の含有量が70体積%以上の場合、経済性、成形性、透過性において問題となる場合がある。
[無機粒子の製造方法]
無機粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。一般的に無機粒子を作製する方法としては、熱分解法(原料を加熱分解して微粒子を得る方法。噴霧乾燥法、火炎噴霧法、プラズマ法、気相反応法、凍結乾燥法、加熱ケロシン法、加熱石油法)、沈殿法(共沈法)、加水分解法(塩水溶液法、アルコキシド法、ゾルゲル法)、水熱法(沈殿法、結晶化法、水熱分解法、水熱酸化法)などが挙げられる。
具体的な製造方法として、ハロゲン化金属やアルコキシ金属を原料に用い、水を含有する反応系において加水分解することにより、酸化物微粒子を得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有機酸や有機アミンなどを併用する方法も用いられる。より詳細な方法としてジャーナル・オブ・ケミカルエンジニアリング・オブ・ジャパン第31巻1号21−28頁(1998年)における二酸化チタン微粒子や、ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー第100巻468−471頁(1996年)における硫化亜鉛微粒子等がある。これらの方法に従えば、体積平均分散粒径が5nmの酸化チタンは、チタニウムテトライソプロポキサイドや四塩化チタンを原料として、適当な溶媒中で加水分解させる際に適当な表面修飾剤を添加することにより容易に製造することができる。
また、体積平均分散粒径が40nmの硫化亜鉛は、ジメチル亜鉛や塩化亜鉛を原料とし、硫化水素あるいは硫化ナトリウムなどで硫化する際に、表面修飾剤を添加することにより製造することができる。表面修飾する方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、水が存在する条件下で加水分解により微粒子の表面に修飾する方法が挙げられる。この方法では、酸またはアルカリなどの触媒が好適に用いられ、微粒子表面の水酸基と、表面修飾剤が加水分解して生じる水酸基とが、脱水して結合を形成することが一般に考えられている
[表面修飾剤]
無機粒子に対して適切な表面処理を行うことで樹脂材料との親和性を向上させることができる。適用される表面修飾剤としては例えばシランカップリング剤、アルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノ酸系分散剤及び各種シリコーンオイル等が挙げられる。
これらは使用する上記無機粒子の性状や、無機粒子分散樹脂材料を得るにあたって用いる樹脂材料との親和性を考え適宜選択される。各種表面処理を二つ以上同時又は異なる時に行ってもよい。
無機粒子の表面処理を行う方法は様々であり、あらかじめ樹脂材料との混合前に表面処理を行っておいてもよい。例えば、湿式加熱法、湿式濾過法、熱可塑性樹脂との混合時に行う方法(インテグラルブレンド法)などがある。
シランカップリング剤の具体例として、ビニルシラザントリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等公知のものが使用できるが、無機粒子の表面を広く覆うためにヘキサメチルジシラザン等が好ましく用いられる。
シリコーンオイル系処理剤としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。またこれらの処理剤はヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトン水等で適宜希釈して用いてもよい。
[カップリング剤の添加量]
カップリング剤の添加量は、使用される無機粒子がナノサイズであり比表面積が大きいため比較的多量に用いられる。具体的な量としては、無機粒子100重量部に対して5〜100重量部程度であり、期待する表面処理効果が得られず粒子の凝集が発生する、樹脂材料中にボイドが発生することによる線膨張係数の増大や光線透過率の低下するといったことが問題となるため無機粒子100重量部に対して5重量部以上が望ましく、コストの増加や使用する樹脂材料との可溶化量問題から無機粒子100重量部に対して100重量部以下に抑えることが望ましい。
(B.2.3)有機無機複合材料の製造方法
無機粒子と樹脂材料とを用いて有機無機複合材料を作製する場合、あらかじめ所定の混合比で無機粒子と樹脂材料とを予備混合した有機無機複合材料を作製することが望ましい。利点として粉末飛散の防止や操作利便性、分散性向上などが挙げられるが、有機無機複合材料の作製においては樹脂材料へのダメージを抑えるため、湿式混合が望ましい。通常混合する無機粒子の表面に液体あるいは溶液が接触し、表面が濡れ固体表面が消失して新しく固体と液体あるいは溶液の界面が生成した状態及び前記界面をすべて覆うだけの溶解した樹脂材料が存在している状態において混合することが望ましい。但し、具体的に用いられる液体あるいは溶液量は用いる無機粒子及び樹脂材料によって適宜選択される。
[湿式混合方法]
樹脂材料及び無機粒子の湿式混合においては、タンブラーミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、スクリューブレンダー、リボンブレンダーなど公知の方法が適応できるが、特に混合トルクが大きく残留物の影響の少ないスーパーミキサー等が好適に用いられる。
ここで樹脂材料に対する無機粒子の配合量は25〜300体積部であることが好ましい。25体積部より小さいと、添加した無機粒子の効果が十分に発揮されない。また、300体積部より大きいと、結着剤としての樹脂材料が不足し、均一な組成ができず、無機粒子と樹脂材料との間の界面の密着が不十分となり、空隙を発生する。このように空隙が含まれる有機無機複合材料を製造した場合、空隙に含まれる酸素による樹脂劣化が発生したり、空隙内の空気による水分が気泡として樹脂組成物中に存在したりすることで光線透過率が低下するため光学素子(対物レンズ15)として欠陥となる。
また、湿式混合に使用する溶媒は、最終的な有機無機複合材料への悪影響や経済性の観点から、溶媒等揮発残留分は総体積の2%以下であるのが好ましい。また有機無機複合材料の作製時に溶媒を乾燥除去することで、残留溶媒の最終製品への影響を抑制することができる。
[溶媒の種類]
樹脂材料及び無機粒子を上記方法で湿式混合する場合、溶媒を使用することで均一に混合することができる。
使用する溶媒は上記組成物が溶解するものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−t−ブチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−ヘキシル等のエステル類、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。また、これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
使用する溶媒の大気圧時の沸点に関して、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。沸点が30℃より低いと、取り扱い上危険である。また、沸点が150℃より高いと、溶媒除去が困難であるばかりか、分解物の残留や加熱の影響で最終生成物に悪影響を与える。
有機無機複合材料の作製時に使用される溶媒量は樹脂材料が溶解する範囲内であれば特に制限されないが、樹脂材料100重量部に対して溶媒500〜2000重量部が好ましい。溶媒が500重量部より少ない場合、樹脂材料がすべて溶解せず有機無機複合材料の組成が不均一になる恐れがある。また、2000重量部以上の場合、生産性が低下するとともに湿式混合時に十分なトルクが得られず作製した有機無機複合材料の組成が不均一になる恐れがある。
(B.2.4)有機無機複合材料による光学素子(対物レンズ15)の作製
前記の有機無機複合材料を使用した光学素子(対物レンズ15)の製造方法としては、有機無機複合材料を混合し、その混合物を成形するのが好ましい。有機無機複合材料の混合にあたっては、無機粒子が高度に分散した組成物を得るため、有機無機複合材料を混合しながら溶融混練装置で剪断力を与え製造する方法が好ましく用いられる。
また上記樹脂材料との混合は、酸化による機能低下を防ぐため、大気中ではなくAr、N等に置換した雰囲気下で行うのが好ましい。
具体的な混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ポリラボシステム(HAAKE社製);ナノプラストミル(東洋精機製作所社製);ナウターミキサーブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
[混合の程度]
上記有機無機複合材料の混合の程度が不十分の場合には、特に屈折率やアッベ数、光線透過率などの光学特性に影響を及ぼすことが懸念され、また熱可塑性や溶融成形性などの樹脂加工性にも悪影響する恐れがあるため、十分な混合を行う方が望ましい。その混合の程度は、用いる樹脂材料及び無機粒子の特性を十分に勘案して、方法を選択することが重要である。
[添加剤]
有機無機複合材料には、常用される酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤などの添加剤を必要に応じて配合することができる。当該添加剤としては様々な種類の添加剤を単独で又は組合せて使用してもよい。当該添加剤には、可塑剤、酸化防止剤、耐光安定剤、白化剤、熱安定剤、着色剤、耐衝撃性改良剤、増量剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、加工助剤などの物質がある。組成物に配合し得る各種添加剤は一般に用いられており、当業者に公知である。かかる添加剤の具体例は、R.Gachter及びH.Muller, Plastics Additives Handbook, 4th edition, 1993に記載されている。また、その範囲は発明に記載の効果を損なわない範囲で適宜使用可能である。
本発明では上記添加剤を有機無機複合材料に添加することで、有機無機複合材料の作製時の無機粒子の分散化効果や、バインダ機能を持たせることも可能である。これらの添加剤は使用される各材料と相溶化できる範囲で適宜使用される。また、添加剤は有機無機複合材料の作製時を含むどのタイミングで添加されてもよい。
以下に、各添加剤の中で、主なものの具体例を挙げるが、これらに限定はされない。
[可塑剤]
可塑剤としては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等を挙げることができる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等を挙げることができる。
トリメリット酸系可塑剤としては、例えば、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等を挙げることができる。
ピロメリット酸エステル系可塑剤としては、例えば、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等を挙げることができる。
グリコレート系可塑剤としては、例えば、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を挙げることができる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を挙げることができる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による対物レンズ15の着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリトリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス−(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
[耐光安定剤]
耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明においては、対物レンズ15の透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤を用いるのが好ましい。ヒンダードアミン系耐光安定剤(以下、HALSと記す。)の中でも、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いたGPCにより測定したポリスチレン換算のMnが1,000〜10,000であるものが好ましく、2,000〜5,000であるものがより好ましく、2,800〜3,800であるものが特に好ましい。Mnが小さすぎると、該HALSをブロック共重合体に加熱溶融混練して配合する際に、揮発のため所定量を配合できず、射出成形等の加熱溶融成形時に発泡やシルバーストリークが生じるなど加工安定性が低下する。また、ランプを点灯させた状態で対物レンズ15を長時間使用する場合に、対物レンズ15から揮発性成分がガスとなって発生する。逆にMnが大き過ぎると、ブロック共重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下し、耐光性改良の効果が低減する。したがって、本発明においては、HALSのMnを上記範囲とすることにより加工安定性、低ガス発生性、透明性に優れた対物レンズ15が得られる。
このようなHALSの具体例としては、N,N′,N″,N′″−テトラキス−〔4,6−ビス−{ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ}−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物などの、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALS等が挙げられる。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物などのMnが2,000〜5,000のものが好ましい。
[成形方法]
前記の有機無機複合材料を用いた光学素子(対物レンズ15)の成形方法としては、格別制限されるものはないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成形物を得る為には溶融成形が好ましい。溶融成形法としては、例えば、市販のプレス成形、市販の押し出し成形、市販の射出成形等が挙げられるが、射出成形が成形性、生産性の観点から好ましい。
成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば、射出成形における樹脂組成物(有機無機複合材料単独の場合または有機無機複合材料と添加物との混合物の両方がある。)の温度は、成形時に適度な流動性を有機無機複合材料に付与して成形品のヒケやひずみを防止し、有機無機複合材料中の樹脂材料の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、更に、成形物の黄変を効果的に防止する観点から、150℃〜400℃の範囲が好ましく、200℃〜350℃の範囲が更に好ましく、200℃〜330℃の範囲が特に好ましい。
(C)光ピックアップ装置の特性
光ピックアップ装置1は、その特性として、下記式(1.1),(2),(3)の組合せの関係をすべて満たすか、下記式(1.2),(2),(3)の組合せの関係をすべて満たすか、又は下記式(1.1),(1.2),(2),(3)の関係をすべて満たすようになっている。
1.0<d/f<1.5 … (1.1)
55°<θ0.9<65° … (1.2)
ΔW<0.07λrms … (2)
ΔW<0.07λrms … (3)
式(1.1)中、「d」は対物レンズ15の軸上厚であり、「f」は対物レンズ15の焦点距離である。
式(1.2)中、「θ0.9」は対物レンズ15の光源側の光学面における瞳径の0.9倍に相当する位置の見込角である。
式(2)中、「ΔW」は、BD10に対して記録及び/又は再生を行う場合に、対物レンズ15の周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。
式(3)中、「ΔW」は、BD10に対して記録及び/又は再生を行う場合に、第1光束L1の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。
本発明に係る光ピックアップ装置1では、上記式(1.1),(1,2)の関係については[発明が解決しようとする課題]の項目で記載した通りのものであって、これらの関係のもとで上記式(2),(3)の関係を満たすことが注目すべき特性となっている。
下記に上記式(2),(3)の関係についての技術的根拠を示す。
上述のように、光ピックアップ装置1の対物レンズ15の基材として樹脂材料を用いた場合、対物レンズ15の周辺温度が変化すると樹脂材料の屈折率が変化し、球面収差量が変化することが知られている。従って、対物レンズ15を特定の温度で無収差となるように設計しても、温度変化により球面収差量が変化することにより集光スポットに波面収差が発生する。
本発明に係る光ピックアップ装置1において、第1光情報記録媒体としてのBD10の記録及び/又は再生を良好に行うためには、対物レンズ15の周辺温度が30℃変化した場合の波面収差の変化量ΔWが、ΔW<0.07λrmsを満たす必要がある。波面収差の変化量ΔWが、0.07λrms以上の場合、対物レンズ15の周辺温度が30℃変化した場合の波面収差の変化量がマレシャルの許容値を超えるため、基準温度において無収差である光ピックアップ装置1であっても、温度変化により光情報の記録及び/又は再生に問題が発生する恐れがある。他方、波面収差の変化量ΔWが、0.07λrmsより小さい場合には、温度変化による対物レンズ15の材料の屈折率変化により発生する波面収差量がマレシャルの許容値を超えないため、温度変化が生じても光情報の記録及び/又は再生を良好に行うことができる。
温度変化による波面収差の変化は、主に対物レンズ15の基材の屈折率が変化することにより対物レンズ15の球面収差が変化することに起因するが、本発明者らの鋭意検討の結果、温度変化による波面収差の変化量は、対物レンズ15の基材の温度変化による屈折率の変化量(dn/dt)だけではなく、対物レンズ15の基材の屈折率自体とも関連することを見出した。更なる検討の結果、同スペックで、かつ、材料特性の異なる対物レンズにおいては、対物レンズ15の周辺温度が30℃変化した場合の波面収差の変化量ΔWは、対物レンズ15の基材の温度変化による屈折率の変化量dn/dt(/℃)及び対物レンズ15の基材の屈折率Nの関数である下記式(4)で表されることを見出した。
ΔW=k・f(dn/dt)/(N ) … (4)
式(4)中、「k」及び「m」は、対物レンズ15の像側開口数NA及び対物レンズ15の形状等により決まる係数であり、「f」は対物レンズ15の焦点距離を表す。
即ち、温度変化による波面収差の変化量ΔWは、対物レンズ15の基材の温度変化による屈折率の変化量であるdn/dtを、対物レンズ15の基材の屈折率のm乗で割った値に比例する。
例えば、光学面に回折構造等の位相構造を設けていない両面屈折面の対物レンズにおいては、図8に示すように、対物レンズ15の像側開口数NA3が0.42〜0.52(図8では約0.45)であるCD30用の光ピックアップ装置1の集光スポットにおける温度変化による波面収差の変化量ΔWを調べた結果、当該変化量ΔWは(dn/dt)/(N )に比例するという結果が得られた。
また、図9に示すように、対物レンズ15の像側開口数NA2が0.60〜0.70(図9では約0.65)であるDVD20用の光ピックアップ装置1の集光スポットにおける温度変化による波面収差の変化量ΔWは、(dn/dt)/(N 6.7)に比例するという結果が得られた。
さらに、図10に示すように、対物レンズ15の像側開口数NA1が0.75〜0.87(図10では約0.85)であるBD10用のピックアップ装置1の集光スポットにおける温度変化による波面収差の変化量ΔWは、(dn/dt)/(N )に比例するという結果が得られた。
従って、温度変化による集光スポットの波面収差の変化量ΔWTを抑えるためには、温度変化による対物レンズ15の基材の屈折率の変化を抑えるだけでなく、対物レンズ15の基材の屈折率も考慮する必要があることが判明した。
温度変化による波面収差の変化量ΔWを抑えるため、対物レンズ15の基材の温度変化による屈折率変化量dn/dt及び屈折率Nを制御する方法としては、対物レンズ15の基材の樹脂材料を適宜選択することが最も容易な方法である。すなわち、dn/dtが小さい材料を選択するか、屈折率が高い材料を選択するか、もしくはその両方の特性を満たす材料を選択することが挙げられる。
しかしながら、上記で列記したような光ピックアップ装置用の光学素子に用いられている従来の樹脂材料では、対物レンズの像側開口数NAが0.75〜0.87の光ピックアップ装置において、集光スポットの波面収差の変化量ΔWを、0.07λrmsより小さくすることはできなかった。
例えば、従来、光ピックアップ装置用の光学素子の材料として用いられる樹脂材料(ポリオレフィン樹脂:日本ゼオン製ZEONEX340R)を対物レンズ用の材料として用いた光ピックアップ装置を作製したところ、比較的開口数の小さいCD用及びDVD用の光ピックアップ装置においては、温度変化による集光スポットの波面収差の変化量ΔWは0.07λrms以下となり、問題は発生しなかった。しかしながら、対物レンズの像側開口数NAが0.75〜0.87のBD用の光ピックアップ装置においては、温度変化による集光スポットの波面収差の変化量ΔWがおよそ0.1λrmsとなり、マレシャルの許容値を超えるため、光情報の記録及び/又は再生に支障をきたす場合があることが判明した。また、従来の光学材料のうち、ポリカーボネート樹脂の中には比較的屈折率の高い材料もあるが、ポリカーボネート樹脂は複屈折が大きい傾向にあり、高精度な光ピックアップ装置用の光学素子の材料としては適していなかった。
屈折率が高く、複屈折の小さい材料としては、特開平6−25398号公報や特開2007−57916号公報に記載のフルオレン誘導体を基本骨格に有するポリカーボネート樹脂は本発明の光学素子の材料として好ましく用いることができる。具体的には、下記一般式(1)及び(2)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂が挙げられる。
Figure 2012128943
(上記一般式(1)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基を表す。Aはアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を表す。n、m、o、pは、各々1〜4の整数を表し、qおよびrは各々0〜5の整数を表す。)
Figure 2012128943
(上記一般式(2)中、Bは、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
樹脂材料のdn/dt及び屈折率Nを調整する方法としては、樹脂材料に対して、使用波長(光ピックアップ装置用の光学素子の場合は、光源の波長)よりも十分小さな無機粒子を分散させる方法が考えられる。国際公開番号WO04/113963によれば、基材となる樹脂材料に無機粒子を分散させて有機無機複合材料とすることで、dn/dtを制御することができることが記載されている。また、使用波長よりも十分小さい微粒子を用いることで光散乱を抑制し、光学素子としての透過率を損なわずに基材の特性を制御することができる。同様に、基材の屈折率についても無機粒子を添加することで制御することができる。しかしながら、従来技術においては、光ピックアップ装置の集光スポットにおける温度変化による波面収差変化が対物レンズの基材のdn/dt及び屈折率Nの値と関係することは認識されておらず、上記の文献に記載の有機無機複合材料を対物レンズ用の基材として利用しても、対物レンズの像側開口数NAが0.75〜0.87の高密度記録用光ピックアップ装置においては、温度変化による集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWを十分に抑制することができなかった。
以下、樹脂材料である基材に対して無機粒子を添加することで、温度変化による集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWを制御する具体的な方法について説明する。
図10に示した光ピックアップ装置1のデータによれば、対物レンズ15の像側開口数NA1が0.75〜0.87の高密度記録用光ピックアップ装置1における波面収差の変化量ΔWを0.07λrms以下とするためには、(dn/dt)/(N )を約−1.50×10−6以上とする必要があることがわかる。上述した光ピックアップ素子用の樹脂材料(日本ゼオン製ZEONEX340R)に対して、無機粒子として、TiO、ZnO、Al、AlPO、SiOをそれぞれ添加した場合の(dn/dt)/(N )と、無機粒子の体積分率との関係を図11に示す。
図11より明らかなように、各無機粒子の添加量を調整することで所望の(dn/dt)/(N )に調整し、結果として波面収差の変化量ΔWを制御することができる。
添加する無機粒子は、(dn/dt)/(N )を所望の値とし、結果として波面収差の変化量ΔWを本発明の範囲内とできれば、特に限定はない。屈折率が低い無機粒子を用いる場合、(dn/dt)/(N )を所望の値とする為に、有機無機複合材料中に高い割合で無機粒子を添加することが必要となり、結果として粘度が増加して成型の難度が上がる恐れがある。
一方、無機粒子の屈折率が基材となる樹脂材料に比較して非常に高い場合、(dn/dt)/(N )を所望の値とする為に必要な量は比較的少なくて済むものの、基材となる樹脂材料との屈折率差が大きいため光の散乱が生じやすくなる場合がある。従って、添加する微粒子は光学素子として求められる性能を考慮して適宜選択することが望ましい。また、複数の無機粒子を併用することで所望の性能を得てもよい。
また、本発明における光ピックアップ装置においては、温度変化による集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWは0.02λrmsより大きいことが好ましい。
上述のように、本発明における波面収差の変化量ΔWは、(dn/dt)/(N )を制御することにより制御することができるが、当該波面収差の変化量ΔWを0.02λrms以下にしようとする場合、図10に示すように(dn/dt)/(N )を−5.00×10−7以上とする必要がある。
このとき、屈折率の比較的高い微粒子を添加して、(dn/dt)/(N )を−5.00×10−7以上とした場合、対物レンズ15の屈折率が高くなりすぎ、対物レンズ15がメニスカス形状となり、BD10側の光学面が凹形状となる為、BD10との距離をとることが困難となり、フォーカシングやトラッキングに必要となる作動距離を確保することが困難となる場合がある。また、屈折率の比較的低い無機粒子を添加して(dn/dt)/(N )を−5.00×10−7以上とした場合、高い混合比で無機粒子を添加する必要があり、透過率の低下を招く場合がある。
上記のように、本発明においては、温度変化による集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWは、0.02λrms<ΔW<0.07λrmsであることが好ましい。
また、基材となる樹脂材料に無機粒子を混ぜることで、(dn/dt)/(N )を制御することで結果として波面収差の変化量ΔWを制御する方法以外に、当該波面収差の変化量ΔWを制御する方法として、前述の背景技術や図2〜図7等に記載のように対物レンズ15の光学面に位相構造を設けることで、温度変化によって対物レンズ15で発生する球面収差の発生を抑える方法がある。
しかしながら、本発明の光ピックアップ装置1のように波長380〜420nmの光源(半導体レーザ発振器LD1)を用い、対物レンズ15の像側開口数NA1が0.75〜0.87である高密度記録及び/又は再生用の光ピックアップ装置に採用した場合は、波面収差の変化量ΔWを十分に低減できないか、波面収差の変化量ΔWを低減した場合でも、波長特性が悪化し、光源の波長が設計波長からずれた場合の集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWが0.07λrmsを超えてしまう為、位相構造のみにより本発明の構成を達成することはできない。また、屈折率の高い材料を用いただけでは、ΔWを十分に低減できない場合や、微粒子を分散させて(dn/dt)/(N )を調整する場合でも、微粒子を添加することによる透過率の低下を抑えることが困難な場合がある。
そのため、基材として、屈折率の高い材料を選択したり、樹脂材料に無機粒子を添加した有機無機複合材料を用いたりした上に、位相構造を設けることで波面収差の変化量ΔWの制御を一部担う構成とすることは好ましい構成である。このような構成によれば、材料の選択や調整のみでは、波面収差の変化量ΔWを十分に低減できない場合も位相構造で一部の機能を担うことにより波面収差の変化量ΔWを低減することができる。また、位相構造は一部の機能を担うだけであるため、波面収差の変化量ΔWを全て位相構造で補正する場合に比べて波長特性の劣化は小さく、光源の波長が設計波長からずれた場合の集光スポットにおける波面収差の変化量ΔWを0.07λrms以下に抑えることが可能となる。また、波面収差の変化量ΔW低減の為の一部の機能を位相構造で担うことにより無機粒子の添加量を少なくすることができ、結果として粘度と脆弱性を下げて光学素子の成型を容易にすることができる。
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1、2、3、比較例1、2として、基板厚0.875mmのBlu−ray Disk専用の光ピックアップ装置を設計した。それぞれの光ピックアップ装置における仕様及び対物レンズのレンズデータを示す。なお、これ以降において、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、E(例えば、2.5E−3)を用いて表すものとする。
[実施例1]
実施例1の光ピックアップ装置の仕様を、下記の表2に示す。
Figure 2012128943
表2中、「di」は第i面から第(i+1)面までの間隔を表す。
対物レンズの入射面(光源側の光学面、第2面)、及び、出射面(光ディスク側の光学面、第3面)は、以下の数1式に、下記の表3に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
Figure 2012128943
ここで、「x」は光軸方向の軸(光の進行方向を正とする)、「κ」は円錐係数、「A2i」は非球面係数、「h」は光軸に垂直な方向の高さを表す。
Figure 2012128943
実施例1の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの基材としては、従来の光ピックアップ装置用の光学素子に好適に用いられる樹脂であるシクロオレフィン樹脂(三井化学製APEL)に、Alの微粒子を30重量%分散させることで、(dn/dt)/n(nは基材の屈折率)を、−1.31×10−6に調整した有機無機複合材料を用い、両面とも位相構造を設けない非球面屈折面を有する対物レンズとした。
当該対物レンズの基材の特性を下記表4に示す。
但し、下記表4中、「nd」、「n410nm」及び「n405nm」は、それぞれd線(587.6nm)、410nm及び405nmにおける基材の屈折率を表す。
Figure 2012128943
[実施例2]
実施例2の光ピックアップ装置の仕様を、下記の表5に示す。
Figure 2012128943
対物レンズの入射面(光源側光学面、第2〜第10面)、及び、出射面(光ディスク側の光学面、第11面)は、前記数1式に対し下記表6に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
Figure 2012128943
実施例2の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの基材としては、実施例1と同様(表4参照)の有機無機複合材料を用い、第2〜第10面(対物レンズの光源側光学面)に下記の表7に示す位相構造を設けた。
但し、「内周半径」は、各位相構造の内側(光源側)段差部の光軸からの距離を表し、「外周半径」は隣り合う外側の位相構造の内側段差部の光軸からの距離を表す。「輪帯の深さ」は、各位相構造の外側段差部の光軸方向の深さを表す。
Figure 2012128943
図12は、実施例2に示す対物レンズの断面を示す模式図である。図12に示すように、光源側光学面である上記の表5に示す第2〜第10面は、それぞれ上記の表7に示す第1〜第9輪帯に対応している。即ち、光源側に向いた第2〜第10面のうち、第2面は第1輪帯に対応し、第3面は第2輪帯に対応し、第4面は第3輪帯に対応し、以下同様にして第10面まで形成されている。第11面は光ディスク側の面である。また、Oは光軸である。
[実施例3]
実施例3の光ピックアップ装置の仕様を、下記の表8に示す。
Figure 2012128943
表8中、「di」は第i面から第(i+1)面までの間隔を表す。
対物レンズの入射面(光源側光学面、第2面)、及び、出射面(光ディスク側の光学面、第3面)は、前記の数1式に対し下記の表9に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。また、第2面には回折構造が付与されており、光路差関数は、以下の数2式で表される。
Figure 2012128943
Figure 2012128943
実施例3の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの基材としては、フルオレン構造を有するポリカーボネート樹脂を用いた。当該対物レンズの基材の特性を下記の表10に示す。但し、下記表4中、「nd」、「n410nm」及び「n405nm」は、それぞれd線(587.6nm)、410nm及び405nmにおける基材の屈折率を表す。
Figure 2012128943
[比較例1]
比較例1の光ピックアップ装置の仕様を下記の表11に示す。
Figure 2012128943
表11中、「di」は第i面から第(i+1)面までの変位を表す。
対物レンズの入射面(光源側光学面、第2面)、及び、出射面(光ディスク側の光学面、第3面)は、前記数1式に対し下記の表12に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
Figure 2012128943
比較例1の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの基材としては、シクロオレフィン樹脂(三井化学製APEL)を用い、(dn/dt)/n(nは基材の屈折率)は、−2.92×10−6であった。両面とも位相構造を設けない非球面屈折面を有する対物レンズとした。
当該対物レンズの基材の特性を下記の表13に示す。
但し、下記表10中、「nd」、「n410nm」及び「n405nm」は、それぞれd線(587.6nm)、410nm及び405nmにおける基材の屈折率を表す。
Figure 2012128943
[比較例2]
比較例2の光ピックアップ装置の仕様を下記の表14に示す。
Figure 2012128943
対物レンズの入射面(光源側光学面、第2〜第12面)、及び、出射面(光ディスク側の光学面、第13面)は、前記の数1式に対し下記の表15に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
Figure 2012128943
比較例2の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの基材としては、比較例1と同様のシクロオレフィン系樹脂(表13参照)を用い、第2〜第12面(対物レンズの光源側の光学面)に下記の表16に示す位相構造を設けた。
但し、「内周半径」は、各位相構造の内側(光源側)段差部の光軸からの距離を表し、「外周半径」は隣り合う外側の位相構造の内側段差部の光軸からの距離を表す。「輪帯の深さ」は、各位相構造の外側段差部の光軸方向の深さを表す。
Figure 2012128943
図13は、比較例2に示す対物レンズの断面を示す模式図である。図13に示すように、光源側光学面である上記の表15に示す第2〜第12面は、それぞれ上記の表16に示す第1〜第11輪帯に対応している。即ち、光源側に向いた第2〜第12面のうち、第2面は第1輪帯に対応し、第3面は第2輪帯に対応し、第4面は第3輪帯に対応し、以下同様にして第12面まで形成されている。第13面は光ディスク側の面である。また、Oは光軸である。
[結果と考察]
上記、実施例1、2、3、比較例1,2の光ピックアップ装置で記録再生を行う際に、設計温度及び設計波長で発生する波面収差(λrms)、対物レンズの周辺温度が設計波長30℃上昇した場合に発生する波面収差(λrms)、設計波長が設計波長より5nm大きくなった場合に発生する波面収差(λrms)をそれぞれシミュレーションにより求めた値をA、B、Cとして、下記の表17に示す。
Figure 2012128943
上記の表17に示されるように、温度上昇時及び波長変化時の波面収差の発生がマレシャルの許容値である0.07λrms以下である光ピックアップ装置が得られた。本発明によれば、記録密度の高い、開口数が大きく、短波長の光源を用いる光ピックアップ装置において必要とされる仕様を満足した上に、温度変化や波長変化が発生した場合でも読み取り不良等の問題の起こらない光ピックアップ装置を提供することができる。
1 光ピックアップ装置
15 対物レンズ
10 BD(第1光情報記録媒体)
20 DVD(第2光情報記録媒体)
30 CD(第3光情報記録媒体)
LD1 半導体レーザ発振器(第1光源)
LD2 半導体レーザ発振器(第2光源)
LD3 半導体レーザ発振器(第3光源)
L1 第1光束
L2 第2光束
L3 第3光束
上記課題を解決するため本発明の第1の形態は、
波長380〜420nmの第1光束を出射する第1光源と、
基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズとを有し、
前記対物レンズを介して、前記第1光束により第1光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
前記対物レンズの像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、
前記対物レンズの前記第1光情報記録媒体に対する作動距離が0.3mm以上であり、
下記式(1.1),(2),(3),(4.1)の関係をすべて満たすことを特徴とする。
1.0<d/f<1.5 … (1.1)
ΔW<0.07λrms … (2)
ΔW<0.07λrms … (3)
(dn/dt)/(N )≧−1.50×10 −6 … (4.1)
式(1.1)中、「d」は前記対物レンズの軸上厚であり、「f」は前記対物レンズの焦点距離である。式(2)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記対物レンズの周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(3)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記第1光束の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(4.1)中、「dn/dt」は、前記対物レンズの基材の温度変化による屈折率の変化量であり、「N 」は、前記対物レンズの基材の屈折率である。
本発明の第2の形態は、上記第1の形態の光ピックアップ装置において、
下記式(1.2)の関係を満たすことを特徴とする。
55°<θ0.9<65° … (1.2
(1.2)中、「θ0.9」は前記対物レンズの光源側の光学面における瞳径の0.9倍に相当する位置の見込角である

Claims (11)

  1. 波長380〜420nmの第1光束を出射する第1光源と、
    基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズとを有し、
    前記対物レンズを介して、前記第1光束により第1光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
    前記対物レンズの像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、
    前記対物レンズの前記第1光情報記録媒体に対する作動距離が0.3mm以上であり、
    下記式(1.1),(2),(3)の関係をすべて満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
    1.0<d/f<1.5 … (1.1)
    ΔW<0.07λrms … (2)
    ΔW<0.07λrms … (3)
    (式(1.1)中、「d」は前記対物レンズの軸上厚であり、「f」は前記対物レンズの焦点距離である。式(2)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記対物レンズの周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(3)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記第1光束の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。)
  2. 波長380〜420nmの第1光束を出射する第1光源と、
    基材の主成分が樹脂材料である単玉レンズからなる対物レンズとを有し、
    前記対物レンズを介して、前記第1光束により第1光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
    前記対物レンズの像側開口数NA1が0.75〜0.87であり、
    前記対物レンズの前記第1光情報記録媒体に対する作動距離が0.3mm以上であり、
    下記式(1.2),(2),(3)の関係をすべて満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
    55°<θ0.9<65° … (1.2)
    ΔW<0.07λrms … (2)
    ΔW<0.07λrms … (3)
    (式(1.2)中、「θ0.9」は前記対物レンズの光源側の光学面における瞳径の0.9倍に相当する位置の見込角である。式(2)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記対物レンズの周辺温度が30℃変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。式(3)中、「ΔW」は、前記第1光情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う場合に、前記第1光束の波長が設計波長から±5nm変化したときの集光スポットにおける波面収差の変化量を表す。)
  3. 請求の範囲第1項又は第2項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記対物レンズが、樹脂材料に無機粒子を分散させた有機無機複合材料から構成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記対物レンズの少なくとも一方の光学面に位相構造が設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記位相構造は、前記対物レンズの周辺温度の変化により前記対物レンズの基材の屈折率が変化することにより発生する球面収差成分の変化を、当該位相構造自体により打ち消す作用を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記位相構造が回折構造であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求の範囲第6項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記回折構造は、前記第1光情報記録媒体に対する記録又は再生を行う場合には、前記対物レンズの周辺温度の変化により前記対物レンズの基材の屈折率が変化することにより発生する球面収差成分の変化を、前記第1光源の周辺温度の変化により前記第1光束の波長が変化することにより発生する球面収差成分の変化により打ち消す作用を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 請求の範囲第4項〜第7項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記位相構造が、前記対物レンズの光軸に対して同心円状の複数の輪帯構造を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 請求の範囲第1項〜第8項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、
    波長630〜660nmの第2光束を出射する第2光源と、
    波長770〜800nmの第3光束を出射する第3光源とを有し、
    前記対物レンズを介して、前記第2光束により第2光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行い、
    前記対物レンズを介して、前記第3光束により第3光情報記録媒体に記録及び/再生を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。
  10. 請求の範囲第9項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記第2光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う場合は、前記対物レンズの像側開口数NA2が0.60〜0.70であり、
    前記第3光情報記録媒体に記録及び/又は再生を行う場合は、前記対物レンズの像側開口数NA3が0.42〜0.52であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求の範囲第9項又は第10項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記第1〜第3光情報記録媒体がそれぞれ透明保護基板を有し、
    前記対物レンズが、少なくとも一方の光学面に、前記第1〜第3光情報記録媒体のうち、少なくとも2つの前記第1〜第3光情報記録媒体の透明保護基板の厚みの違いに起因する球面収差を補正する位相構造を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
JP2012026862A 2006-05-26 2012-02-10 光ピックアップ装置 Withdrawn JP2012128943A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012026862A JP2012128943A (ja) 2006-05-26 2012-02-10 光ピックアップ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006146747 2006-05-26
JP2006146747 2006-05-26
JP2012026862A JP2012128943A (ja) 2006-05-26 2012-02-10 光ピックアップ装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008517860A Division JPWO2007138924A1 (ja) 2006-05-26 2007-05-22 光ピックアップ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012128943A true JP2012128943A (ja) 2012-07-05

Family

ID=38778443

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008517860A Pending JPWO2007138924A1 (ja) 2006-05-26 2007-05-22 光ピックアップ装置
JP2012026862A Withdrawn JP2012128943A (ja) 2006-05-26 2012-02-10 光ピックアップ装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008517860A Pending JPWO2007138924A1 (ja) 2006-05-26 2007-05-22 光ピックアップ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JPWO2007138924A1 (ja)
WO (1) WO2007138924A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040073A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Hitachi Maxell Ltd 光ピックアップ光学系
JP2010153016A (ja) * 2008-11-19 2010-07-08 Hoya Corp 光情報記録再生装置用対物レンズ、および光情報記録再生装置
US8121012B2 (en) 2008-11-19 2012-02-21 Hoya Corporation Objective lens and optical information recording/reproducing apparatus
JP5363951B2 (ja) * 2008-11-19 2013-12-11 Hoya株式会社 光情報記録再生装置
JP4752906B2 (ja) 2008-12-12 2011-08-17 ソニー株式会社 光ピックアップ及び光ディスク装置
JPWO2011013339A1 (ja) * 2009-07-27 2013-01-07 日立マクセル株式会社 光ピックアップレンズ
JP5979846B2 (ja) * 2011-10-26 2016-08-31 大塚化学株式会社 反射板用樹脂組成物および反射板

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3794229B2 (ja) * 1999-01-22 2006-07-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 光ピックアップ装置、この光ピックアップ装置を備えた記録再生装置、情報の記録再生方法、及び光ピックアップ装置用対物レンズ
JP4817035B2 (ja) * 2001-05-09 2011-11-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 対物レンズ、光ピックアップ装置、及び記録・再生装置
JP4817036B2 (ja) * 2001-06-20 2011-11-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 対物レンズ、光ピックアップ装置及び記録・再生装置
JP4120788B2 (ja) * 2001-10-12 2008-07-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 光ピックアップ装置、対物レンズ、回折光学素子、光学素子及び記録・再生装置
JP5002118B2 (ja) * 2003-06-18 2012-08-15 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 光ピックアップ装置用の光学素子、及び光ピックアップ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2007138924A1 (ja) 2009-10-01
WO2007138924A1 (ja) 2007-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012128943A (ja) 光ピックアップ装置
JP4187054B2 (ja) 光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置
JP2006161000A (ja) 熱可塑性複合材料及び光学素子
JP4992107B2 (ja) 光学部品の製造装置
WO2007102316A1 (ja) 光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置
JPWO2005117001A1 (ja) 対物光学系、光ピックアップ装置、及び光ディスクドライブ装置
WO2006046465A1 (ja) 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光ディスクドライブ装置
JPWO2006061982A1 (ja) 熱可塑性複合材料の製造方法並びに熱可塑性複合材料及び光学素子
JP2006160992A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び光学素子
JP2006328261A (ja) 無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子
JP2007161980A (ja) マスターバッチ、光学素子、マスターバッチの製造方法及び光学素子の製造方法
JP2006188677A (ja) 熱可塑性樹脂及び光学素子
JP2009009674A (ja) 光ピックアップ装置及び対物光学素子
JP2006273991A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び光学素子
JP2006299032A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び光学素子
JPWO2006049015A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた光学素子
JP2006213759A (ja) 光学材料及び光学素子
JP2006299033A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物並びに光学素子
JP2007139971A (ja) 光学素子及び光学素子の製造方法
JP2007314646A (ja) 無機微粒子分散樹脂組成物及びそれを用いた光学素子
JP2006040351A (ja) 光学素子及び光ピックアップ装置
JP2007070564A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び光学素子
JP2007077271A (ja) 熱可塑性複合材料の製造方法及び光学素子
JP2007197551A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法とそれを用いた光学素子
JP2007217659A (ja) 樹脂組成物及び光学素子

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130416

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20130612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130621