JP2012128499A - 触覚デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】触覚フィードバックの応答性を向上させる。
【解決手段】検出回路108は、タッチセンサ100への接触を検出したとき、発振周波数にて検出信号S1を生成する。触覚回路110は、駆動周波数にて駆動信号S2を生成することにより、圧電アクチュエータ116を振動させる。触覚回路110は、検出信号S1を駆動信号S2に変換することにより、検出信号S1から駆動信号S2を直接的に生成する。発振周波数が駆動周波数よりも高周波数の場合には、触覚回路は発振周波数を低下させることにより、駆動周波数を生成する。
【選択図】図3
【解決手段】検出回路108は、タッチセンサ100への接触を検出したとき、発振周波数にて検出信号S1を生成する。触覚回路110は、駆動周波数にて駆動信号S2を生成することにより、圧電アクチュエータ116を振動させる。触覚回路110は、検出信号S1を駆動信号S2に変換することにより、検出信号S1から駆動信号S2を直接的に生成する。発振周波数が駆動周波数よりも高周波数の場合には、触覚回路は発振周波数を低下させることにより、駆動周波数を生成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、触覚デバイスに関し、特に、触覚フィードバックの応答性を向上させる技術に関する。
携帯情報端末やデジタルカメラ、現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)、カーナビゲーションシステムなど、タッチパネルを搭載する電子機器は多い。タッチパネルは、厚さが数mm程度であるため、電子機器を小型化する上で好適である。
機械式ボタンを押すときには、ボタンからの反発力が伝わるため、ユーザは入力の受け付けを触感により確信できる。しかし、タッチパネルにはストローク感がない。そこで、人工的に触感を作り出すためのさまざまな方法が提案されている。その中でも、圧電アクチュエータによる触感生成方法は広く採用されている。圧電アクチュエータを交流電圧によって振動させることにより、人工的な触感を生成できる。
通常、タッチパネルへの接触を示す検出信号はCPU、いいかえれば、ソフトウェアによって処理される。しかし、ソフトウェアが接触を認識して圧電アクチュエータを振動させる場合、触覚フィードバックの応答性が悪くなるという問題点がある。これは、ソフトウェア処理に特有のオーバーヘッドに起因する。また、触覚フィードバック制御機能をソフトウェアとして実装しなければならないという開発負担もある。
本発明は、上記課題に鑑みて完成された発明であり、その主たる目的は、触覚デバイスにおける触覚フィードバックの応答性を向上させることである。
本発明に係る触覚デバイスは、タッチセンサと、タッチセンサへの接触を検出し、発振周波数にて検出信号を生成する検出回路と、駆動周波数にて駆動信号を生成することにより、圧電アクチュエータを振動させる触覚回路を備える。触覚回路は、検出信号を駆動信号に変換することにより、検出信号から駆動信号を直接的に生成する。
ここでいう「触覚デバイス」とは、触覚フィードバック機能を備える装置であればよく、また、それ自体が独立した製品である必要はない。たとえば、所定装置のうち触覚フィードバック機能を担うモジュールや機能ブロックであってもよい。交流信号である検出信号から圧電アクチュエータを振動させるための駆動信号を直接的に生成するため、ソフトウェア等の介在がなくても触覚フィードバック機能を実現できる。この結果、触覚フィードバックの応答性を向上させやすくなる。
発振周波数は駆動周波数よりも高周波数であってもよい。触覚回路は、発振周波数を低下させることにより、駆動周波数の駆動信号を生成してもよい。触覚回路は、分周回路により、検出信号を駆動信号に変換してもよい。
このデバイスは、駆動信号の生成を開始および停止させる制御回路、を更に備えてもよい。制御回路は、分周回路に含まれるフリップフロップをクリアすることにより、駆動信号の生成を停止させてもよい。また、制御回路は、所定の境界値よりも低い発振周波数にて検出信号が生成されたとき、駆動信号の生成を許可するとしてもよい。
タッチセンサは、押下によって静電容量が変化する静電容量式のタッチセンサであってもよい。そして、検出回路は、タッチセンサの静電容量の変化量に応じて発振周波数を変化させてもよい。また、触覚回路は、タッチセンサの静電容量の変化量に応じて駆動周波数を変化させてもよい。押下量に応じて駆動周波数等を変化させることにより、押下量に応じて触感を変化させることができる。
タッチセンサには、押下力に抗する弾性体が挿入されてもよい。
本発明によれば、高い応答性にて触覚フィードバック機能を提供しやすくなる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、タッチセンサ100の原理を説明するための模式図である。図2は、タッチセンサ100の等価回路図である。タッチセンサ100は、いわゆる静電容量式であり、第1電極102および第2電極104が対向するキャパシタとして形成される。タッチセンサ100の基本的な静電容量、いいかえれば、非接触時の静電容量をCpとする。第2電極104は、グランド電位となる。
第1電極102に指が接触すると、第1電極102とグランドの間に人体の静電容量Cbが発生する。この結果、図2に示すように、CpとCbの並列回路が形成され、タッチセンサ100の全体としての静電容量CがCpからCp+Cbに増加する。
タッチセンサ100を発振回路につなぐと、その発振周波数ftはタッチセンサ100の静電容量Cによって変化する。第1電極102に指が接触すると静電容量Cが増加するので、発振周波数ftは低下する。この発振周波数ftの低下を検出することにより、接触・非接触の判定が可能となる。タッチパネルは、このようなタッチセンサ100を大量に敷き詰めたシートとして形成される。
[第1実施形態]
図3は、第1実施形態における触覚デバイス106の回路図である。触覚デバイス106は、検出回路108と触覚回路110を含む。触覚回路110は分周回路112を含む。また、検出回路108は発振回路114を含む。本実施形態における発振回路114としては、テキサス・インスツルメンツ社のNE555を採用している。発振回路114にはタッチセンサ100が接続される。発振回路114から出力される検出信号S1は、発振周波数ftの交流信号である。タッチセンサ100に指が接触すると発振周波数ftは低下する。本実施形態においては、非接触時の発振周波数ft0は5.38kHz、接触時の発振周波数ft1は2.14kHzとなる。検出信号S1は、分周回路112に入力される。
図3は、第1実施形態における触覚デバイス106の回路図である。触覚デバイス106は、検出回路108と触覚回路110を含む。触覚回路110は分周回路112を含む。また、検出回路108は発振回路114を含む。本実施形態における発振回路114としては、テキサス・インスツルメンツ社のNE555を採用している。発振回路114にはタッチセンサ100が接続される。発振回路114から出力される検出信号S1は、発振周波数ftの交流信号である。タッチセンサ100に指が接触すると発振周波数ftは低下する。本実施形態においては、非接触時の発振周波数ft0は5.38kHz、接触時の発振周波数ft1は2.14kHzとなる。検出信号S1は、分周回路112に入力される。
分周回路112においては、4つのDフリップフロップDFF1〜DFF4が縦続接続される。分周回路112の目的は、検出信号S1の発振周波数ftを低下させることにより、駆動周波数fdを生成することである。分周回路112は、4つのDフリップフロップDFFを含むため、駆動周波数fdは発振周波数ftの1/16となる。したがって、接触時における駆動周波数fdは、2.14kHz÷16=約134Hzとなる(図4参照)。こうして、分周回路112からは駆動周波数fdの駆動信号S2が出力される。
駆動信号S2により、トランジスタTrのオン・オフが繰り返され、圧電アクチュエータ116が振動する。圧電アクチュエータ116の振動をタッチパネル等に伝えることにより、触覚フィードバックが実現される。
一般的に、タッチセンサの静電容量や人体の静電容量は数100(pF)以下である。このような小さな静電容量に対応する発振回路114を構成した場合、圧電アクチュエータ116を振動させるには発振周波数ftが高くなりすぎるため、人間が触覚を認識するには不向きである。人間が触覚を感じるためには、通常、圧電アクチュエータ116を10〜700Hzの範囲で振動させる必要がある。そこで、本実施形態における触覚デバイス106では、発振周波数ftを分周回路112により低下させることにより、高周波数帯の発振周波数ftを低周波数帯の駆動周波数fdに変換している。検出信号S1から駆動信号S2を直接的に生成するため、ソフトウェアによる制御は不要である。この結果、触覚フィードバックの応答性を格段に向上させることができる。もちろん、触覚フィードバック制御のための機能をソフトウェアとして実装する必要もなくなる。
発振周波数ftが充分に低い場合には、分周回路112による分周を行わずに、発振周波数ftをそのまま駆動周波数fdとして利用してもよい。なお、圧電アクチュエータ116以外にも高分子アクチュエータや低周波数電流等により、触覚フィードバックを実現してもよい。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態における触覚デバイス106の回路図である。第2実施形態においては、圧電アクチュエータ116の振動可否を制御するための制御回路118を追加している。具体的には、検出信号S1の伝送経路に挿入されるスイッチSWを制御回路118により制御している。制御回路118は、CPUおよびソフトウェアにより構成されてもよい。第2実施形態においてはソフトウェア制御が導入されることになるが、スイッチSWのオン・オフを制御するだけならば、実質的にはほとんど遅延要因とはならない。制御回路118により、異常時や非接触時において圧電アクチュエータ116の振動を停止させることができる。
図5は、第2実施形態における触覚デバイス106の回路図である。第2実施形態においては、圧電アクチュエータ116の振動可否を制御するための制御回路118を追加している。具体的には、検出信号S1の伝送経路に挿入されるスイッチSWを制御回路118により制御している。制御回路118は、CPUおよびソフトウェアにより構成されてもよい。第2実施形態においてはソフトウェア制御が導入されることになるが、スイッチSWのオン・オフを制御するだけならば、実質的にはほとんど遅延要因とはならない。制御回路118により、異常時や非接触時において圧電アクチュエータ116の振動を停止させることができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態における触覚デバイス106の回路図である。第3実施形態においては、制御回路118は各DフリップフロップDFFのクリア端子CLRと接続される。また、検出信号S1は、分周回路112だけでなく制御回路118にも入力される。制御回路118は、クリア信号CLをアサートすることにより、各DフリップフロップDFFをクリアし、触覚回路110を停止させることができる。制御回路118は、検出信号S1の発振周波数ftが所定の境界値よりも高いときにはクリア信号CLをアサートする。これにより、非接触または接触不十分で発振周波数ftが高いときには圧電アクチュエータ116は振動しなくなる。タッチセンサ100への接触により発振周波数ftが境界値以下となると、クリア信号CLをネゲートすることにより、触覚回路110を活性化させる。
図6は、第3実施形態における触覚デバイス106の回路図である。第3実施形態においては、制御回路118は各DフリップフロップDFFのクリア端子CLRと接続される。また、検出信号S1は、分周回路112だけでなく制御回路118にも入力される。制御回路118は、クリア信号CLをアサートすることにより、各DフリップフロップDFFをクリアし、触覚回路110を停止させることができる。制御回路118は、検出信号S1の発振周波数ftが所定の境界値よりも高いときにはクリア信号CLをアサートする。これにより、非接触または接触不十分で発振周波数ftが高いときには圧電アクチュエータ116は振動しなくなる。タッチセンサ100への接触により発振周波数ftが境界値以下となると、クリア信号CLをネゲートすることにより、触覚回路110を活性化させる。
発振回路114はNE555に限らず静電容量の変化により発振周波数ftが変化する回路であればよい。また、発振回路114に付属する抵抗(調整素子)等の設定値を変更すれば発振条件を調整できる。非接触時の静電容量では発振できないように発振条件を設定しておけば、制御回路118を介在させることなく駆動回路110をオン・オフ制御することも可能である。
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態における触覚デバイス106の回路図である。回路構成は、第3実施形態と同じである。第4実施形態においては、タッチセンサ100にばね120が挿入される。ばね120は、ばね性を有したものであればよい。その材質は金属である必要はなく、エラストマーなどの弾力性のある他の物質であってもよい。第1電極102の押下量により、タッチセンサ100の静電容量Cは連続的に変化する。
図7は、第4実施形態における触覚デバイス106の回路図である。回路構成は、第3実施形態と同じである。第4実施形態においては、タッチセンサ100にばね120が挿入される。ばね120は、ばね性を有したものであればよい。その材質は金属である必要はなく、エラストマーなどの弾力性のある他の物質であってもよい。第1電極102の押下量により、タッチセンサ100の静電容量Cは連続的に変化する。
図8(a)は、非接触時におけるタッチセンサ100の模式図である。タッチセンサ100のもともとの静電容量をCp1とすると、C=Cp1となる。図8(b)は、接触時におけるタッチセンサ100の模式図である。このときには、図1に関連して説明したようにC=Cp1+Cbとなる。図8(c)は、押下時におけるタッチセンサ100の模式図である。押下により、第1電極102と第2電極104の距離が縮まるため、静電容量C(=Cp2+Cb,Cp2>Cp1)は更に増加する。
図9は、発振周波数ftと駆動周波数fdの関係を示す図である。上述したように、発振周波数ftは駆動周波数fdに比べると格段に高周波数である。非接触時の発振周波数ft=ft0、接触時の発振周波数ft=ft1であるとする。また、押下により発振周波数ftはft2まで低下させることができる。制御回路118は、発振周波数ft<ft1となったとき、クリア信号CLをネゲートし、触覚回路110を動作させる。いいかえれば、タッチセンサ100への接触を条件として、触覚回路110を動作させる。したがって、発振周波数ftは、制御時においてはft2〜ft1の間で変化する。
発振周波数ft1、ft2は、それぞれ駆動周波数fd1、fd2に対応する。押下量によって発振周波数ftは連続的に変化し、それに対応して駆動周波数fdも連続的に変化する。すなわち、押下量に応じて触感を微妙に変化させることができる。
以上、各実施形態に基づいて触覚デバイス106の構成を説明した。本実施形態における触覚デバイス106によれば、ソフトウェアによる触覚フィードバック制御を実質的に不要化できるため、触覚フィードバックの応答性を向上させることができる。また、制御回路118により、圧電アクチュエータ116の振動を制御できる。ばね120により、第1電極102と第2電極104の距離を可変とすることにより、押下量に応じて触感を微妙に変化させることができる。この結果、ソフトウェア制御に頼らずに、多様な触感を実現できる。
本実施形態においては単一の触覚デバイス106を対象として説明したが、複数のタッチセンサ100を複数の発振回路114に接続することにより、各発振回路114から出力される複数の検出信号S1の波形に基づいてタッチパネルを振動させてもよい。なお、指の位置検出は一般的な静電容量タッチパネルと同等の方式にて実現すればよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
100 タッチセンサ、102 第1電極、104 第2電極、106 触覚デバイス、108 検出回路、110 触覚回路、112 分周回路、114 発振回路、116 圧電アクチュエータ、118 制御回路、120 ばね、S1 検出信号、S2 駆動信号、DFF Dフリップフロップ。
Claims (9)
- タッチセンサと、
前記タッチセンサへの接触を検出し、発振周波数にて検出信号を生成する検出回路と、
駆動周波数にて駆動信号を生成することにより、圧電アクチュエータを振動させる触覚回路と、を備え、
前記触覚回路は、前記検出信号を前記駆動信号に変換することにより、前記検出信号から前記駆動信号を直接的に生成することを特徴とする触覚デバイス。 - 前記発振周波数は、前記駆動周波数よりも高周波数であって、
前記触覚回路は、前記発振周波数を低下させることにより、前記駆動周波数の前記駆動信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の触覚デバイス。 - 前記触覚回路は、分周回路により、前記検出信号を前記駆動信号に変換することを特徴とする請求項2に記載の触覚デバイス。
- 前記駆動信号の生成を開始および停止させる制御回路、を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の触覚デバイス。
- 前記駆動信号の生成を開始および停止させる制御回路、を更に備え、
前記制御回路は、前記分周回路に含まれるフリップフロップをクリアすることにより、前記駆動信号の生成を停止させることを特徴とする請求項3に記載の触覚デバイス。 - 前記制御回路は、所定の境界値よりも低い発振周波数にて前記検出信号が生成されたとき、前記駆動信号の生成を許可することを特徴とする請求項4に記載の触覚デバイス。
- 前記タッチセンサは、押下によって静電容量が変化する静電容量式のタッチセンサであって、
前記検出回路は、前記タッチセンサの静電容量の変化量に応じて前記発振周波数を変化させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の触覚デバイス。 - 前記触覚回路は、前記タッチセンサの静電容量の変化量に応じて前記駆動周波数を変化させることを特徴とする請求項7に記載の触覚デバイス。
- 前記タッチセンサには、押下力に抗する弾性体が挿入されることを特徴とする請求項7または8に記載の触覚デバイス。
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2010
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