JP2012127064A - 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁 - Google Patents

鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁 Download PDF

Info

Publication number
JP2012127064A
JP2012127064A JP2010277370A JP2010277370A JP2012127064A JP 2012127064 A JP2012127064 A JP 2012127064A JP 2010277370 A JP2010277370 A JP 2010277370A JP 2010277370 A JP2010277370 A JP 2010277370A JP 2012127064 A JP2012127064 A JP 2012127064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforced concrete
bar
main
concrete beam
bars
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010277370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5689667B2 (ja
Inventor
Hisaichi Hoshino
寿市 星野
Yusuke Hoshino
祐介 星野
Yoshiki Hiraoka
芳樹 平岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAN EI TRADING CO Ltd
SAN-EI TRADING CO Ltd
Original Assignee
SAN EI TRADING CO Ltd
SAN-EI TRADING CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAN EI TRADING CO Ltd, SAN-EI TRADING CO Ltd filed Critical SAN EI TRADING CO Ltd
Priority to JP2010277370A priority Critical patent/JP5689667B2/ja
Publication of JP2012127064A publication Critical patent/JP2012127064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5689667B2 publication Critical patent/JP5689667B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Rod-Shaped Construction Members (AREA)

Abstract

【課題】シングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁の上面および側面における割裂ひび割れを抑制すること。
【解決手段】鉄筋コンクリート梁1における組立鉄筋ユニット3の上下端に沿って一定間隔で異形棒鋼4を固定する。各異形棒鋼4は鉄筋コンクリート梁1の幅方向に水平に延びており、その中央部分が組立鉄筋ユニット3の上端主筋5aあるいは下端主筋6bに溶接されている。実大寸法の鉄筋コンクリート梁を用いた確認試験により、異形棒鋼4を上端主筋5aあるいは下端主筋6bに溶接したことによる鉄筋コンクリート梁の上面および側面における割裂ひび割れの抑制効果、および、最大せん断耐力および限界変形性能の改善効果について確認できた。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の小規模な建築物における布基礎などの構造躯体を構築するための鉄筋コンクリート梁に関し、特に、せん断耐力の高い鉄筋コンクリート梁を形成することが可能な鉄筋コンクリート梁におけるシングル配筋構造に関する。
住宅建築等の基礎に用いられる鉄筋コンクリート製の基礎梁などにおいては、基礎梁の上端側および下端側に配置した上下の梁主筋に一定のピッチであばら筋を取り付けたシングル配筋構造のものが知られている。また、このようなシングル配筋構造に用いる組立鉄筋ユニットを、上下の梁主筋にあばら筋の上下の端部をそれぞれ溶接する溶接組立鉄筋工法により形成することが知られている。特許文献1には、この種の組立鉄筋ユニットを用いたシングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁が開示されている。
特開2002−285678号公報
ここで、本発明者らは組立鉄筋ユニットがシングル配筋された鉄筋コンクリート梁について各種の試験を行い、この種の鉄筋コンクリート梁がせん断荷重を受ける場合のせん断耐力および破壊の過程について検討した。その結果、シングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁におけるせん断耐力は、梁側面における斜め方向の割裂ひび割れ(せん断ひび割れ)の拡大を引き金として、梁上面の割裂ひび割れが急速に発生・進展することで決まることが多いとの知見を得た。そして、シングル配筋構造では、あばら筋によるコンクリートの拘束効果が弱いことから、このような割裂ひび割れが主因となった破壊形式となることを考慮して、梁上面および梁側面における割裂ひび割れ抑制対策を施すことにより、シングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁におけるせん断耐力の増大が期待できるとの着想を得た。
本発明の課題は、上記の点に鑑みて、シングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁において、梁上面および梁側面における割裂ひび割れの発生・進展に対する抑制効果が得られるシングル配筋構造、および、このようなシングル配筋構造を備える鉄筋コンクリート梁を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、
所定間隔で平行に延びる上下の梁主筋と、
当該上下の梁主筋の軸線方向に所定のピッチで配列され、前記上下の梁主筋に上下の端部がそれぞれ溶接されている複数本のあばら筋と、
前記上下の梁主筋における少なくとも上方側の梁主筋に所定のピッチで溶接された複数本の異形棒鋼とを有し、
各異形棒鋼は、溶接相手である前記梁主筋と交差する方向に延びていることを特徴としている。
本発明は、このように、梁主筋と交差する方向に延びる異形棒鋼が少なくとも上方側の梁主筋に沿って配置されているため、少なくとも上方側の梁主筋の周囲のコンクリートを拘束できる。しかも、コンクリートを拘束するための異形棒鋼を梁主筋に直接溶接して強固に固定しているため、梁主筋の周囲に鉄筋や金網などを単に配置したり、結束線などで簡易に固定したにすぎない場合と比べてコンクリートの拘束力が著しく高い。従って、鉄筋コンクリート梁の梁上面における主筋に沿った割裂ひび割れの発生・拡大を効果的に抑制することができる。また、梁側面における付着割裂ひび割れの発生・拡大を効果的に抑制することができる。従って、鉄筋コンクリート梁のせん断耐力を向上させることができる。
ここで、各異形棒鋼は、前記上下の梁主筋および前記あばら筋を内蔵する鉄筋コンクリート梁の幅方向に延びていることが望ましい。このようにすると、鉄筋コンクリート梁の上面に沿って梁幅方向に延びる異形棒鋼を一定ピッチで配列した構成となるため、シングル配筋構造でありながら、梁上面に沿った部分のコンクリートの拘束効果を著しく高めることができる。従って、梁上面の割裂ひび割れの発生・進展を抑制できる。
また、この場合に、各異形棒鋼は、前記梁主筋と各あばら筋との溶接位置において前記梁主筋に溶接されていることが望ましい。このようにすると、より強固に異形棒鋼を固定することができる。従って、コンクリートの拘束力をより高めることができる。
本発明において、前記異形棒鋼を、前記上下の梁主筋のそれぞれに所定のピッチで溶接することが望ましい。このようにすると、鉄筋コンクリート梁の下端側のコンクリートまでも強固に拘束されるため、下側の梁主筋に沿った割裂ひび割れの発生・拡大についても効果的に抑制できる。従って、梁側面における付着割裂ひび割れの拡大をより効果的に抑制でき、鉄筋コンクリート梁のせん断耐力を更に向上させることができる。
次に、本発明は、上記のシングル配筋構造を備える鉄筋コンクリート梁である。
本発明によれば、異形棒鋼が配置された少なくとも上側の梁主筋付近のコンクリートを拘束できる。しかも、コンクリートを拘束するための異形棒鋼を梁主筋に直接溶接して強固に固定しているため、梁主筋の周囲に鉄筋や金網などを単に配置したり、結束線などで簡易に固定したにすぎない場合と比べてコンクリートの拘束力が著しく高い。従って、鉄筋コンクリート梁の梁上面における主筋に沿った割裂ひび割れの発生・拡大を効果的に抑制することができる。また、梁側面における付着割裂ひび割れの発生・拡大を効果的に抑制することができる。従って、鉄筋コンクリート梁のせん断耐力を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の平面構成および側面構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の断面図(図1(b)のA−A断面図)である。 確認実験に用いる試験体の平面構成および側面構成を示す説明図である。 試験体の断面構成を示す説明図である。 正負交番載荷が±8サイクル終了した時点における各試験体の破壊状況である。 各試験体のせん断荷重−相対変位関係である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るシングル配筋構造の鉄筋コンクリート梁を説明する。
図1(a)(b)は本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の平面構成および側面構成を示す説明図である。また、図2は本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の断面図(図1(b)のA−A断面図)である。鉄筋コンクリート梁1は、縦長の矩形断面形状をしたコンクリート部分2と、このコンクリート部分2の内部に配置されている組立鉄筋ユニット3と、組立鉄筋ユニット3の上端および下端に沿って一定間隔で配置された異形棒鋼4を有している。
組立鉄筋ユニット3は、上下に離れた各位置において水平に延びている上端主筋5および下端主筋6と、これらの各主筋の軸線方向に沿って一定のピッチで垂直に配置されている複数のあばら筋7を備えている。上端主筋5は2本の主筋5a、5bを上下に2段配筋して構成されている。また、下端主筋6も同様に、2本の主筋6a、6bを上下に2段配筋して構成されている。各あばら筋7は、主筋5a、5bおよび主筋6a、6bに側方から当接するように配置されている。各あばら筋7の上端および下端には、主筋5aおよび主筋6bが溶接により固定されている。また、主筋5bおよび主筋6aは、各あばら筋7との交差位置において各あばら筋7に溶接により固定されている。
組立鉄筋ユニット3は、SD295AあるいはSD345などの鋼材を用いて、予め設定した規格値以上の強度を有するように形成されている。主筋5a、5bおよび主筋6a、6bとしては、D10、D13、D16、D19、D22などの鉄筋を用いることができる。また、あばら筋としては、D10、D13などの鉄筋を用いることができる。
異形棒鋼4は、鉄筋コンクリート梁1の幅よりも所定寸法だけ短かい長さに切断された直線状の部材であり、主筋5aあるいは主筋6bに沿って一定間隔で配置されている。上端側の主筋5aに沿って配置された各異形棒鋼4は、その軸線方向の中央部分が主筋5aに上側から当接しており、主筋5aと直交し、且つ、鉄筋コンクリート梁1の幅方向と一致する方向に水平に延びている。一方、下端側の主筋6bに沿って配置された各異形棒鋼4は、その軸線方向の中央部分が主筋6bに下側から当接しており、主筋6bと直交し、且つ、鉄筋コンクリート梁1の幅方向と一致する方向に水平に延びている。各異形棒鋼4は、主筋5aあるいは主筋6bとの当接位置において、当接相手の各主筋に溶接によって固定されている。
この実施形態では、鉄筋コンクリート梁1の上面1aのすぐ下側において、主筋5aに沿って一定間隔で異形棒鋼4が配置されている。従って、主筋5a付近のコンクリートが、組立鉄筋ユニット3に強固に固定されている異形棒鋼4との付着によって高い拘束力で拘束され、上面1aにおける割裂ひび割れの発生および拡大が効果的に抑制される。また、鉄筋コンクリート梁1の側面においても、主筋5aに沿った部分の割裂ひび割れの発生および拡大が効果的に抑制される。また、主筋6bに沿った部分においても同様に異形棒鋼4が配置されているため、異形棒鋼4との付着によってコンクリートが拘束され、割裂ひび割れの発生および拡大が抑制される。従って、割裂ひび割れの発生及び急激な拡大によって鉄筋コンクリート梁1のせん断耐力が急速に喪失するのを効果的に抑制でき、せん断耐力を高めることができる。
(改変例)
上記実施形態では、主筋5aおよび主筋6bの両方に割裂ひび割れ抑制対策として異形棒鋼4を溶接しているが、主筋5aのみに異形棒鋼4を溶接した構成とすることもできる。このような構成でも、少なくとも鉄筋コンクリート梁の上面および上部側面における割裂ひび割れの発生および拡大を抑制できるため、鉄筋コンクリート梁のせん断耐力を高めることができる。なお、上記実施形態では上端主筋5および下端主筋6が2段配筋となっているが、上端主筋5および下端主筋6を構成する主筋の本数を1本あるいは3本以上としてもよい。また、上記実施形態では各異形棒鋼4と主筋5a、6bとの交差角度は直角であったが、この交差角度は直角に限定されるものではなく、直角方向に対してある程度傾いていてもよい。
上記実施形態では、異形棒鋼4の配列ピッチとあばら筋7の配列ピッチとを無関係に設定していたが、主筋5aあるいは主筋6bとあばら筋7との溶接位置に、異形棒鋼4を溶接することもできる。例えば、異形棒鋼4とあばら筋7とを同一ピッチで配置した場合には、このような構成が可能である。また、配列ピッチが異なる場合においても、一部の異形棒鋼4をあばら筋7の溶接位置に溶接することが可能である。このようにすると、主筋5aあるいは主筋6bだけでなく、あばら筋7までも異形棒鋼4の溶接相手として利用することができるため、異形棒鋼4をより強固に固定できる。従って、コンクリートの拘束効果が更に高まり、割裂ひび割れ抑制効果が更に高まる。
(割裂ひび割れ抑制対策がせん断性能等に及ぼす影響の確認実験)
本発明者らは、実大寸法の鉄筋コンクリート梁を用いて、図1、2に示した異形棒鋼4による割裂ひび割れ抑制対策を施した鉄筋コンクリート梁1におけるせん断性能等の向上効果について確認した。また、比較例の割裂ひび割れ抑制対策を施した鉄筋コンクリート梁、および、割裂ひび割れ抑制対策を施していない他の比較例の鉄筋コンクリート梁のせん断性能等についても確認した。
(試験体)
図3(a)(b)は確認実験に用いる試験体の平面構成および側面構成を示す説明図、図4(a)〜(c)は試験体の断面構成を示す説明図である。また、表は、各試験体の構成を示す一覧表である。確認実験は、5種類の試験体20A1、20A2、20B、20C1、20C2を用いて行っている。図4(a)に示すように、試験体20A1、20A2は、本発明の実施形態を適用したものであり、コンクリート部分21の内部に配置された組立鉄筋ユニット22およびその上下端に固定された異形棒鋼23Aを備えている。組立鉄筋ユニット22および異形棒鋼23Aは、上記の組立鉄筋ユニット3および異形棒鋼4と同様に構成されている。
一方、試験体20Bは比較例の試験体であり、組立鉄筋ユニット22およびその上下端に固定された溶接金網23Bを備えている。この溶接金網23Bは、所定の直径の金属線を格子状に配置し、各交点を電気抵抗溶接などによって溶接した部材である。溶接金網23Bは帯状に形成されており、その幅方向の中央部分を組立鉄筋ユニット22の上下端の各梁主筋に当接させて水平に配置されている。各溶接金網23Bは、各梁主筋との当接位置において、結束線によって梁主筋に固定されている。また、試験体20C1、20C2は、コンクリート部分21の内部に組立鉄筋ユニット22のみが配置されており、割裂ひび割れ抑制対策を何も行っていない他の比較例の試験体である。
図3(a)(b)に示すように、各試験体は、図4(a)〜(c)に示す断面構成の基礎梁部24の両端に、試験体固定用のスタブ部25を形成したものである。各試験体における基礎梁部24の断面寸法はb×D(有効せい)=160×770(709)mmである。また、基礎梁部24のせん断スパンは1400mmであり、全長は2800mmである。基礎梁部24内に配置された組立鉄筋ユニット22は、D22(SD345)の鉄筋を2段配筋した上端主筋26および下端主筋27を備えており、基礎梁部24の引張鉄筋比は0.68%となっている。本実験では、このような主筋の選定および配置により、基礎梁部24の曲げ耐力とせん断耐力が極力均衡するように構成している。
組立鉄筋ユニット22のあばら筋28としてはD10(SD295A)を用いている。あばら筋の配置間隔は、試験体20A1、20B、20C1については200mmに設定しており、この場合の基礎梁部24のあばら筋比は0.223%となっている。一方、試験体20A2、20C2については、あばら筋28の配置間隔を150mmに設定しており、この場合のあばら筋比は0.297%となっている。このように、試験体20A1、20A2の相違点および試験体20C1、20C2の相違点は、あばら筋28の配置間隔のみである。
スタブ部25は、基礎梁部24に対して十分に剛となるように、その断面寸法が400×950mmに設定されている。また、スタブ部25における圧縮側および引張側の各主筋として、D22(SD345)の鉄筋をそれぞれ4段配筋している。また、スタブ部25のあばら筋は閉鎖型配筋であり、D13(SD295A)の鉄筋を100mm間隔で配置している。これにより、スタブ部25の引張鉄筋比は0.43%、あばら筋比は0.32%となっている。また、スタブ部25に基礎梁部24の主筋を定着するための定着長さを400mmに設定している。
試験体20A1、20A2において割裂ひび割れ抑制対策のために設けられた異形棒鋼23Aは、D10の異形棒鋼を長さ80mmに切断したものであり、上端主筋26を構成する2本の主筋26a、26bのうちの上側の主筋26a、および、下端主筋27を構成する2本の主筋27a、27bのうちの下側の主筋27bに100mm間隔で溶接されている。上述したように、あばら筋28の配置間隔は150mmまたは200mmであるため、異形棒鋼23Aは、1本おき、もしくは、2本おきに、あばら筋28の溶接位置に溶接されている。
各異形棒鋼23Aは、基礎梁部24の幅方向に延びる姿勢で、基礎梁部24の梁上面24aあるいは梁下面24bから50mmの位置に水平に配置されている。また、梁側面24c、24dから各異形棒鋼23Aの両端までの寸法は40mmに設定されている。各異形棒鋼23Aは、溶接相手の各主筋26a、27bと直交する方向に延びており、その軸線方向の中央部分を主筋26aまたは主筋27bに溶接することにより、組立鉄筋ユニット22の上端および下端に固定されている。
試験体20Bにおいて比較例の割裂ひび割れ抑制対策として設けられた溶接金網23Bは、φ6mmの丸鋼で構成された格子間隔50×50mmの溶接金網であり、幅80mmの帯状の部材である。溶接金網23Bは、上側の主筋26aおよび下側の主筋27bに沿って各主筋の軸線方向に連続的に配置されており、その幅方向の中央部分が主筋26aあるいは主筋27bに結束線によって固定されている。各溶接金網23Bは、基礎梁部24の梁上面24aあるいは梁下面24bから50mmの位置に水平に配置されており、梁側面24c、24dから各溶接金網23Bの側端までの寸法は40mmに設定されている。
表2は、本実験で用いたコンクリートの標準調合表およびフレッシュ性質である。試験体の作製に際しては、コンクリートの目標強度を18N/mm2、設計スランプを18cmとし、普通ポルトランドセメント、藤岡産の山砂(最大寸法:5mm、表乾密度:2.58g/cm3)、藤岡産の山砂利(最大寸法:25mm、表乾密度:2.61g/cm3)、瀬戸産の砕石(最大寸法:20mm、表乾密:2.72g/cm3)およびAE減水剤(標準形)を使用してコンクリートの調合を決定した。作製時には、基礎梁部24とスタブ部25のコンクリートを同時に打設してフレキシブルバイブレータと棒状バイブレータを用いて十分に締固めを行った。作製した各試験体は、材齢数日で脱型した後、実験室内で試験直前まで空中養生を行った。試験材齢は、あばら筋間隔が200mmの試験体20A1、20B、20C1については49〜64日、あばら筋間隔が150mmの試験体20A2、20C2については50〜63日であった。表3(a)〜(c)に、各試験体のコンクリートおよび鉄筋に関する材料試験結果を示す。表3(a)(b)はコンクリートの材料試験結果であり、表3(a)は試験体20A1、20B、20C1(1回目の打設日に打設した試験体)、表3(b)は20A2、20C2(2回目の打設日に打設した試験体)の場合である。また、表3(c)は鉄筋(主筋およびあばら筋)の材料試験結果である。
(載荷方法)
表4は試験体への載荷プログラムである。各試験体に対する加力は、この載荷プログラムに従い、変位制御による正負交番逆対称曲げせん断載荷により行った。そして、荷重、部材相対変位、部材回転角、主筋およびあばら筋のひずみ度を計測すると共に、各繰返しピーク荷重時にひび割れの発生・進展状況の観察を目視で行った。そして、断面分割法を用いて、試験体の基礎梁部24の断面解析を行った。
(試験結果:破壊状況)
図5(a)〜(c)は正負交番載荷が±8サイクル終了した時点における各試験体の破壊状況であり、図5(a)は試験体20A1、図5(b)は試験体20B、図5(c)は試験体20C1の破壊状況(試験体上面および側面に発生したひび割れの状況)を示している。この図によれば、割裂ひび割れ抑制対策を全く行っていない試験体20C1における最終的な破壊は、斜めせん断ひび割れが引き金となって試験体側面および上面に付着割裂ひび割れが瞬間的に発生・拡大することによって生じたものといえる。
これに対し、異形棒鋼23Aをあばら筋28の上下端部の主筋26a、27bに溶接して固定した本発明の実施形態に係る試験体20A1では、試験体上面に割裂ひび割れは発生しているものの、試験体20C1でみられたような試験体上面全域に拡大するひび割れは発生していない。また、試験体側面には、付着割裂ひび割れは明確には確認できない。このことから、異形棒鋼23Aによる顕著な割裂ひび割れ抑制効果が認められたといえる。
一方、溶接金網23Bをあばら筋28の上下端部の主筋26a、27bに結束線で固定した比較例の割裂ひび割れ抑制対策を施した試験体20Bでは、試験体上面の主筋に沿った割裂ひび割れは観察されない。しかしながら、溶接金網23Bは、主筋26a、27bに対して結束線で固定してあるだけのため、試験体側面の主筋に沿った付着割裂ひび割れの発生・拡大によって試験体の耐力が瞬間的に喪失した様子が認められる。従って、比較例の割裂ひび割れ抑制対策については、割裂ひび割れの抑制効果が十分であるとは認められず、主筋に対する固定方法を工夫する必要があると考えられる。
(試験結果:最大せん断耐力)
表5は、各試験体の最大せん断耐力(eQmax)、最大せん断耐力時の相対変位(δmax)、主筋およびあばら筋の最大ひずみ度(tεs、εst)、並びに限界相対変位(δu)を正負交番載荷における+側加力時および−側加力時のそれぞれについて示した一覧表である。なお、表5中には、荒川min.式(普通コンクリート梁の試験体1200個に対する1方向単調加力試験の結果に基づく推定式)を用いて算定したせん断耐力(cQsu)、e関数式により算定した引張縁主筋降伏時のせん断荷重(cQmu1)、引張内側主筋降伏時のせん断荷重(cQmu2)および最大曲げ耐力時のせん断荷重(cQmu3)も併示してある。
本試験で用いた各試験体は、全て主筋の曲げ降伏が先行した。また、曲げ降伏後には、試験体20A2を除く4種類の試験体ではせん断破壊に至り、試験体20A2では材端部圧壊に至った。表5によれば、各試験体の最大せん断耐力は、あばら筋28の配置間隔に関わらず、割裂ひび割れ抑制対策を行っていない試験体(試験体20C1、20C2)→異形棒鋼23Aによる割裂ひび割れ抑制を行った試験体(試験体20A1、20A2)→溶接金網23Bによる割裂ひび割れ抑制を行った試験体(試験体20B)の順に増大している。このことから、本発明の割裂ひび割れ抑制部材(異形棒鋼23A、溶接金網23B)を用いたことにより、せん断耐力の改善効果が認められたといえる。
(試験結果:荷重−変位関係)
図6(a)〜(e)は各試験体のせん断荷重−相対変位関係であり、図6(a)は試験体20A1、図6(b)は試験体20B、図6(c)は試験体20C1、図6(d)は試験体20A2、図6(e)は試験体20C2のせん断荷重−相対変位関係である。また、上記の表5には、これらの図から読み取れる限界相対変位+δu、−δuの値を示している。この結果によれば、あばら筋28の配置間隔に関わらず、異形棒鋼23Aによる割裂ひび割れ抑制対策を行った試験体20A1、20A2では、割裂ひび割れ抑制対策を行っていない試験体20C1、20C2と比較して、最大耐力後の耐荷性能が著しく向上しているのがわかる。
例えば、+側載荷時の限界相対変位(+δu)についてみると、試験体20C1では49.2mm(部材変形角:1/57rad)であるのに対し、試験体20A1では59.5mm(部材変形角:1/47rad)に増大している。また、−側載荷時の相対変位についても、試験体20C1では39.2mm(部材変形角:1/71rad)であるのに対し、試験体20A1では55.8mm(部材変形角:1/50rad)に増大している。同様に、試験体20C2と試験体20A2の比較においても、+側載荷時には38.4mm→58.6mm(部材変形角:1/73rad→1/48rad)、−側載荷時には35.3mm→50.7mm(部材変形角:1/79rad→1/55rad)となっており、限界相対変位が増大している。このことから、異形棒鋼23Aによる本発明の割裂ひび割れ抑制対策を行った場合には、割裂ひび割れ抑制対策無しの場合と比べて、靭性性能が向上しているといえる。
一方、溶接金網23Bによる比較例の割裂ひび割れ抑制対策を行った試験体20Bにおける限界相対変位は、+側載荷時が41.3mm(部材変形角:1/68rad)、−側載荷時が34.2mm(部材変形角:1/82rad)となっている。この値は、割裂ひび割れ対策を行っていない試験体20C1と同程度の靭性性能に留まっている。試験体20Bの靭性性能を向上させるためには、試験体側面の主筋に沿った付着割裂ひび割れ抑制について対策を講ずることが必要である。具体的には、上述したように、溶接金網23Bと主筋26a、27bとの固定方法を改善することが有効と考えられる。
(確認試験のまとめ)
(1)D10の異形棒鋼23Aによる本発明の割裂ひび割れ抑制対策は、鉄筋コンクリート梁の上面および側面に発生・拡大する付着割裂ひび割れに対する抑制効果が認められ、最大せん断耐力および限界変形性能の改善が期待できる。
(2)φ6mmの丸鋼をベースとする溶接金網23Bによる比較例の割裂ひび割れ抑制対策は、鉄筋コンクリート梁上面における割裂ひび割れ抑制効果は一応見られるものの、脆性的な破壊に繋がる鉄筋コンクリート梁側面における付着割裂ひび割れ発生・進展に対する抑制効果が小さい。従って、最大耐力後の靭性性能を向上させるための改善を試みることが望ましい。
1 鉄筋コンクリート梁
1a 上面
2 コンクリート部分
3 組立鉄筋ユニット
4 異形棒鋼
5 上端主筋
5a、5b 主筋
6 下端主筋
6a、6b 主筋
7 あばら筋
20A1 試験体
20A2 試験体
20B 試験体
20C1 試験体
20C2 試験体
21 コンクリート部分
22 組立鉄筋ユニット
23A 異形棒鋼
23B 溶接金網
24 基礎梁部
24a 梁上面
24b 梁下面
24c、24d 梁側面
25 スタブ部
26 上端主筋
26a、26b 主筋
27 下端主筋
27a、27b 主筋
28 あばら筋

Claims (5)

  1. 所定間隔で平行に延びる上下の梁主筋と、
    当該上下の梁主筋の軸線方向に所定のピッチで配列され、前記上下の梁主筋に上下の端部がそれぞれ溶接されている複数本のあばら筋と、
    前記上下の梁主筋における少なくとも上方側の梁主筋に所定のピッチで溶接された複数本の異形棒鋼とを有し、
    各異形棒鋼は、溶接相手である前記梁主筋と交差する方向に延びていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造。
  2. 請求項1において、
    各異形棒鋼は、前記上下の梁主筋および前記あばら筋を内蔵する鉄筋コンクリート梁の幅方向に延びていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造。
  3. 請求項1または2において、
    各異形棒鋼は、前記梁主筋と各あばら筋との溶接位置において前記梁主筋に溶接されていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの項において、
    前記異形棒鋼は、前記上下の梁主筋のそれぞれに所定のピッチで溶接されていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれかの項に記載のシングル配筋構造を備える鉄筋コンクリート梁。
JP2010277370A 2010-12-13 2010-12-13 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁 Active JP5689667B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010277370A JP5689667B2 (ja) 2010-12-13 2010-12-13 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010277370A JP5689667B2 (ja) 2010-12-13 2010-12-13 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012127064A true JP2012127064A (ja) 2012-07-05
JP5689667B2 JP5689667B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=46644397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010277370A Active JP5689667B2 (ja) 2010-12-13 2010-12-13 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5689667B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109128444A (zh) * 2018-09-12 2019-01-04 广西建工集团第安装有限公司 防止蒸汽头板焊接变形的焊接方法及装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS624518U (ja) * 1985-03-12 1987-01-12
JPH0976082A (ja) * 1995-09-14 1997-03-25 Japan Steel & Tube Constr Co Ltd 交差棒鋼の接合方法及び接合装置
JP2005083122A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Shitomi Koichi 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造
JP2006241747A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 St Newtech Kenkyukai:Kk 低層住宅用シングル配筋基礎の構築方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS624518U (ja) * 1985-03-12 1987-01-12
JPH0976082A (ja) * 1995-09-14 1997-03-25 Japan Steel & Tube Constr Co Ltd 交差棒鋼の接合方法及び接合装置
JP2005083122A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Shitomi Koichi 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造
JP2006241747A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 St Newtech Kenkyukai:Kk 低層住宅用シングル配筋基礎の構築方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109128444A (zh) * 2018-09-12 2019-01-04 广西建工集团第安装有限公司 防止蒸汽头板焊接变形的焊接方法及装置
CN109128444B (zh) * 2018-09-12 2023-08-15 广西建工集团第一安装工程有限公司 防止蒸汽头板焊接变形的焊接方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5689667B2 (ja) 2015-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Röhm et al. Behaviour of fibre reinforced beam-column sub-assemblages under reversed cyclic loading
US20140068946A1 (en) Fire-resistance enhancing method for the high strength concrete structure
JP2016102323A (ja) プレストレストコンクリート大梁の設計方法
JP2007297882A (ja) コンクリート補強ネットおよびコンクリート構造体
Al-Aghbari et al. Structural performance of two types of wall slab connection under out-of-plane lateral cyclic loading
JP2003041708A (ja) 構造用部材
JP5689667B2 (ja) 鉄筋コンクリート梁のシングル配筋構造および鉄筋コンクリート梁
JP6253058B2 (ja) 鉄筋部材、及び、その鉄筋部材を使用した鉄筋コンクリート構造
JP4819605B2 (ja) 端部と中央部とで強度の異なる緊張材を用いたプレキャストプレストレストコンクリート梁
JP5182929B2 (ja) 既設コンクリート構造物の補強方法
JP2006233671A (ja) 低層住宅用シングル配筋既設基礎の補強工法
KR101224141B1 (ko) 섬유보강 콘크리트 보
Afefy et al. Behavior of strengthened composite castellated beams pre-stressed with external bars: Experimental study
JP2015232217A (ja) コンクリート構造
KR200406190Y1 (ko) 와이어를 이용한 철근의 구속구조
JP2981151B2 (ja) 鉄筋コンクリート杭
KR100911113B1 (ko) 콘크리트와의 결합력이 우수한 나선 판형 철근
KR102608129B1 (ko) Pc강선을 이용한 콘크리트 전주
JP6590192B2 (ja) 高性能孔あき鋼板ジベルの耐力評価方法および設計方法
Jabbar Composite reinforced concrete beam of embedded double skin steel plates
Fodzi et al. Structural Effect of Using Steel Fiber Reinforcement on the Punching Shear of Self-Compacting Fiber Reinforced Concrete (SCFRC) Ribbed Slabs
Mohamed et al. Evaluation of GFRP-reinforced shear walls
Shajil et al. An innovative approach to achieve re-centering and ductility of cement mortar beams through randomly distributed pseudo-elastic shape memory alloy fibers
Gowri et al. A review on structural properties of concrete with ferro cement
JP2006249916A (ja) 構造物および構造物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5689667

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250