JP2012126782A - 携帯情報端末用ハウジング - Google Patents

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Abstract

【構成】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、特定の光学特性を有する有機系黒色染料(B)0.05〜1.0重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5.0重量部、有機金属塩化合物(D)0.01〜2.0重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)0.05〜2.0重量部からなるポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる携帯情報端末用ハウジング。
【効果】本発明の携帯情報端末用ハウジングは、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた衝撃強度、耐熱性、熱安定性等性能を維持したまま、美麗かつ重厚で品位の高いピアノブラック様の外観を有し、かつ難燃性にも優れている。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性のみならず漆黒性に優れたポリカーボネート樹脂製の携帯情報端末用ハウジングに関する。更に詳しくは、ポリカーボネート樹脂の特徴である耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等を保持したまま、優れた難燃性および漆黒性を有する携帯情報端末用ハウジングに関する。また、本発明の携帯情報端末用ハウジングは美麗かつ重厚で品位の高い外観を有する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。一方、携帯情報端末用の用途では、当該樹脂が有するこれらの優れた性能を活かしつつ、得られた成形品の意匠面やデザイン上の観点から優れた漆黒性を有する(ピアノブラックとも称される)外観が望まれ、さらに難燃性をも求められている。
ポリカーボネート樹脂組成物に漆黒性を付与させる手法として、従来から隠蔽性の高いカーボンブラックを添加する手法(特許文献1)、シリコーンオイルを添加する手法(特許文献2)などが提案されてきた。しかしながら、カーボンブラック系の顔料を添加した場合、隠蔽性は向上するものの高い漆黒性を発現することは困難であり、一方、シリコーンオイルの添加は成形時に白化するという問題があった。
一方、ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れ、かつ自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、高漆黒を保持し、かつ、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価においてV−0相当のより一層高い難燃性を備えた携帯情報端末用ハウジングが求められている。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与させる手法として、従来、難燃剤として塩素や臭素系化合物、あるいはリン系化合物を配合する方法が採用されている。しかし、塩素や臭素系難燃剤は、優れた難燃効果を示すものの、射出成形時に成形機スクリューや製品金型を腐食させる等の問題があった。また、リン系難燃剤は縮合リン酸エステル系難燃剤を中心に使用されているが、耐熱性あるいは衝撃強度の極端な低下が発生するという問題があった。これら著しい物性低下や環境面への配慮から、臭素や塩素等のハロゲン系化合物およびリン系化合物を含有しない難燃剤の使用が望まれている。
上記難燃剤を使用せず難燃化する方法として、芳香族スルホン酸金属塩を添加する方法(特許文献3)やパーフルオロアルカンスルホン酸カリウムを添加する方法(特許文献4)、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩とフッ素化ポリオレフィンを添加する方法(特許文献5)、又、シリコーン樹脂を添加する方法(特許文献6)などの提案がされてきた。これらの手法を用いることにより、UL94試験に準拠した難燃性の評価において、燃焼時間の減少効果および燃焼時における樹脂の滴下(ドリッピング)抑制効果はある程度認められるものの、より一層優れた難燃性を有する材料の開発が求められている。
特開2003−96286号公報 特開2004−210889号公報 特開昭50−98546号公報 特公昭47−40445号公報 特開昭51−45159号公報 特開平10−139964号公報
本発明の目的は、上記従来技術における問題点、すなわち、カーボンブラックやシリコーンオイルを使用した場合における漆黒性の低下や白化という欠点を克服し、従来技術では達成しえなかった優れた漆黒性を有する(ピアノブラック様の外観を有する)と共に、優れた難燃性をも備えたポリカーボネート樹脂製の携帯情報端末用ハウジングを提供することことにある。
本発明者は、かかる目的に鑑み鋭意研究を行った結果、透明性を有するポリカーボネート樹脂に特定の光学性能を有する有機系黒色染料を配合することにより、得られた成形品の漆黒性が向上し、ピアノブラック様の外観を得られ、さらに特定の難燃剤、難燃助剤を併用することで上記課題を解決できる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる携帯情報端末用ハウジングであって、
(1)前記ポリカーボネート樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、有機系黒色染料(B)0.05〜1.0重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5.0重量部、有機金属塩化合物(D)0.01〜2.0重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)0.05〜2.0重量部を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなり、
(2)前記有機系黒色染料(B)の光学特性が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(B)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において50%以上の光線透過率を有し、かつ
(3)前記ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる厚さ1.5mmの試験片を用いてUL94試験方法(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に基づき燃焼試験を行ったとき、V−0等級を有する、
ことを特徴とする携帯情報端末用ハウジングを提供するものである。
本発明の携帯情報端末用ハウジングは、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた衝撃強度、耐熱性、熱安定性等性能を維持したまま、美麗かつ重厚で品位の高いピアノブラック様の外観を有し、かつ難燃性にも優れている。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは14000〜30000、さらに好ましくは16000〜26000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂(A)を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じ使用することができる。
上記の粘度平均分子量は、塩化メチレンを溶媒として0.5重量%のポリカーボネート樹脂溶液とし、キャノンフェンスケ型粘度管を用い温度20℃で比粘度(ηsp)を測定し、濃度換算により極限粘度〔η〕を求め下記のSCHNELLの式から算出した。
〔η〕=1.23×10−40.83
本発明にて使用される有機系黒色染料(B)としては、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾ系、メチン系、キリノン系等の有機染料の混合物などが挙げられる。とりわけ、アントラキノン系、ペリノン系の有機染料が好適に使用され、アントラキノン系有機染料としては青、紫、緑など、ペリノン系有機染料としては赤、オレンジなどの有機染料が好ましい。
本発明の有機系黒色染料(B)は、その光学特性として、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(B)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において80%以上の光線透過率を有することを要件とする。当該光線透過率は、ASTM D−1003に準拠して測定される。
前記の光線透過率が50%未満である場合は、優れた漆黒性(ピアノブラック様)の外観が得られないので好ましくない。好ましい光線透過率は60%以上、より好ましくは80%以上である。
また、有機系黒色染料(B)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.05〜1.0重量部である。この配合量が0.05重量部未満では漆黒性および隠蔽性に劣り、また1.0重量部を超えるとポリカーボネート樹脂(A)の熱安定性が劣り、さらには成形時の発生ガス量が多くなるので好ましくない。より好ましい配合量は、0.1〜0.5重量部、さらに好ましくは0.2〜0.3重量部の範囲である。
本発明にて使用されるシリコーン化合物(C)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
Figure 2012126782
ここで、R1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(C)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(C)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。
シリコーン化合物(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜5.0重量部である。配合量が0.01重量部未満であると難燃性に劣り、配合量が5.0重量部を越えると成形品表面に表層剥離が発生し外観に劣るので好ましくない。好ましくは0.05〜2.0重量部、より好ましくは0.05〜1.0重量部の範囲である。
本発明にて使用される有機金属塩化合物(D)としては、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられる。金属の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3`−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が使用出来る。
有機金属塩化合物(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜2.0重量部である。配合量が0.01重量部未満では、難燃性が低下するので好ましくない。また、2.0重量部を越えると、難燃性の低下や機械的強度が低下するといった問題が発生するので好ましくない。好ましくは0.02〜1.0重量部、より好ましくは0.02〜0.8重量部である。
本発明にて使用される、繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中で繊維構造(フィブリル状構造)を形成するものがよく、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.05〜2.0重量部である。配合量が0.05重量部未満では、燃焼時のドリッピング防止効果に劣るので好ましくない。また2.0重量部を越えると造粒が困難となる事から安定生産に支障をきたすので好ましくない。この配合量は、好ましくは、0.05〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部の範囲である。この範囲では、難燃性、成形性のバランスが一層良好になる。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)、(D)、および(E)の配合方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で容易に溶融混練することができる。また、これらの配合順序についても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系熱安定剤、染顔料、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。充填剤としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク粉、クレー粉、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉等が挙げられる。マイカとしては、白雲母、黒雲母、金雲母、人工金雲母などが挙げられ、形状は薄片状をなすものが好適である。
本発明の携帯情報端末用ハウジングの製造方法としては、射出成形、射出圧縮成形および射出プレス成形などの方法が採用できる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、特に断りのない限り重量基準に基づく。
使用した配合成分の詳細は、以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂:
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(住友ダウ社製 カリバー200−20(粘度平均分子量:19000)
以下、PCと略記)
有機系黒色染料:
Sumiplast Black HB
(住化ケムテックス社製、以下、着色剤1と略記)
波長800〜900nmの領域における光線透過率:85%
Sumiplast Black HLG
(住化ケムテックス社製、以下、着色剤2と略記)
波長800〜900nmの領域における光線透過率:55%
カーボンブラック:
ファーネス型カーボンブラック
(キャボット社製XC−305、以下、着色剤3と略記)
波長800〜900nmの領域における光線透過率: 1%未満
シリコーン化合物:(以下シリコーン化合物と略記)
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
有機金属塩化合物
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(ランクセス社製Bayowet C−4)
繊維形成型の含フッ素ポリマー:
ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン社製FA500C、以下PTFEと略記)
前述の各種原料を表2および表3に示す配合比率にて一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度280℃にて混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
(1)造粒性
各種原料を二軸押出機にて造粒する際の造粒機先端ダイ部から押し出されるストランドの押出性に関し、造粒性を評価した。安定したストランドが得られた場合を合格とした。
(2)難燃性
得られた各種ペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100SAIIを用いて250℃、射出圧力2500kg/cmにて難燃試験用試験片(127×12.7×1.5mm)を成形し、得られた試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置した後、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。1.5mm厚み試験片の難燃性としてV−0を満足するものを合格とした。
Figure 2012126782
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。V−0を満足するものを合格とした。
(3)衝撃強度
得られた各種ペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100SAIIを用いて280℃、射出圧力1600kg/cmにて衝撃試験用試験片(63.5×12.7×3.2mm)を成形しASTM D−256に準拠したノッチ付きアイゾット衝撃強度の評価を行った。ノッチ付きアイゾット衝撃強度が30KJ/m2以上を合格とした。
(4)漆黒性の評価
漆黒性の評価は、得られた平板にLED光源のライト(GEMTOS社製GTR−32T、明るさ26.6ルーメン)を照射し(平板とLED光源のライトの距離は10cm)、目視にて漆黒性の程度を評価した。
尚、評価基準は以下のとおり:
良好(◎):LED光源を照射しても、黒く光る。
良 (○):LED光源を照射しても、黒く光るが、若干白っぽく見える。
不良(×):LED光源を照射すると、白っぽく光る。
(5)光学特性の評価
得られた各種樹脂組成物のペレットを120℃×4時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製J100E−C5)にてシリンダー温度280℃、金型温度100℃の条件下、平板(90×50×2mm)し、その平板を紫外可視分光光度計(日本分光社製V−570)により、波長800nmと900nmの光線透過率を測定することで評価した。光線透過率が何れの波長においても50%以上を合格とした。
上記の評価の結果を表2および表3に示した。
Figure 2012126782
(*): 5試料の全残炎時間(秒)
○: 合格 ×:不合格
Figure 2012126782
(*): 5試料の全残炎時間(秒)
○: 合格 ×:不合格
NR: 何れの等級にも属さない。
ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を全て満足する場合(実施例1〜6)にあっては、全ての評価項目にわたり良好な結果を示した。
一方、ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、有機系黒色染料の配合量が規定量よりも少ないため、漆黒性に劣っていた。
比較例2は、有機系黒色染料の配合量が規定量よりも多いため、樹脂が劣化することによる衝撃強度が見られた。
比較例3は、本発明の有機系黒色染料の代わりにカーボンブラックを使用しているために、漆黒性および光学特性に劣っていた。
比較例4は、シリコーン化合物の配合量が規定量より少ない場合で、難燃性に劣っていた。
比較例5は、シリコーン化合物の配合量が規定量より多い場合で、衝撃強度、漆黒性および光学特性に劣っていた。
比較例6は、有機金属塩化合物の配合量が規定量より多い場合で、難燃性および漆黒性に劣っていた。
比較例7は、PTFEの配合量が規定量より多い場合で、造粒が困難であった。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる携帯情報端末用ハウジングであって、
    (1)前記ポリカーボネート樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、有機系黒色染料(B)0.05〜1.0重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5.0重量部、有機金属塩化合物(D)0.01〜2.0重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)0.05〜2.0重量部を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなり、
    (2)前記有機系黒色染料(B)の光学特性が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(B)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において50%以上の光線透過率を有し、かつ
    (3)前記ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる厚さ1.5mmの試験片を用いてUL94試験方法(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に基づき燃焼試験を行ったとき、V−0等級を有する、
    ことを特徴とする携帯情報端末用ハウジング。
  2. 有機系黒色染料(B)の光学特性が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(B)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において80%以上の光線透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末用ハウジング。
  3. 有機系黒色染料(B)の光学特性が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(B)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において85%以上の光線透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末用ハウジング。
  4. 有機金属塩化合物(D)が、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3`−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩の群から選択される1種もしくは2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末用ハウジング。
JP2010277928A 2010-12-14 2010-12-14 携帯情報端末用ハウジング Pending JP2012126782A (ja)

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