JP2012126671A - 育毛剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 新規な作用機序を有する、新規な育毛剤を提供することを課題とする。
【解決手段】 アセトアミノフェン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤であり、具体的には、含水アルコール溶液に、アセトアミノフェン誘導体を0.001〜10質量%の範囲内の濃度で溶解したことを特徴とする育毛剤である。
本発明の育毛剤は、毛嚢外毛根鞘の立毛筋付着部であるバルジ領域(毛隆起)にある毛根幹細胞を活性化させ、育毛を促すものであり、その安全性が高く、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 アセトアミノフェン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤であり、具体的には、含水アルコール溶液に、アセトアミノフェン誘導体を0.001〜10質量%の範囲内の濃度で溶解したことを特徴とする育毛剤である。
本発明の育毛剤は、毛嚢外毛根鞘の立毛筋付着部であるバルジ領域(毛隆起)にある毛根幹細胞を活性化させ、育毛を促すものであり、その安全性が高く、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アセトアミノフェンの新規な育毛作用に基づく育毛剤に関する。
脱毛症は、遺伝的な要因、男性ホルモンの影響、毛包の血流低下などの身体的な要因に加え、ストレスの増加や、ライフスタイルの変化などが複雑に絡み合って発生する。
一般に、育毛剤、発毛剤、発毛促進剤、養毛剤と称されるいわゆる育毛剤は、比較的長期間にわたり使用されることから、優れた育毛、発毛、発毛促進、養毛効果を発揮すると共に、頭皮に対して安全であることが要求されている。
一般に、育毛剤、発毛剤、発毛促進剤、養毛剤と称されるいわゆる育毛剤は、比較的長期間にわたり使用されることから、優れた育毛、発毛、発毛促進、養毛効果を発揮すると共に、頭皮に対して安全であることが要求されている。
従来の育毛剤、例えばペンタデカン酸グリセリド、カルプロニウム塩化物、アデノシン或いはミノキシジル等を主成分とする育毛剤は、主として毛根部に対する栄養補給、血行促進、細胞賦活化効果等を目的としたものである。
ペンタデカン酸グリセリドは、毛根細胞内の髪の元となるタンパク質「ケラチン」の合成に必要なエネルギーを供給し、毛の発育を促すものであるといわれているが、必ずしも満足する育毛効果が得られていない。
ペンタデカン酸グリセリドは、毛根細胞内の髪の元となるタンパク質「ケラチン」の合成に必要なエネルギーを供給し、毛の発育を促すものであるといわれているが、必ずしも満足する育毛効果が得られていない。
また、カルプロニウム塩化物には、頭皮・毛根の血管を拡張し、血流を増加させ、発毛を促進する効果があり、血流量が増えることで、毛根部に酸素と栄養分が送り込まれ、育毛・発毛効果が促進されるとされている。
さらに、DNAの構成成分であるアデノシンには、育毛や血行促進の効果があることが知られており、アデノシンの育毛効果により、男性型脱毛症のためにうぶ毛化してしまった毛髪を太くする効果があるとされている。
さらに、DNAの構成成分であるアデノシンには、育毛や血行促進の効果があることが知られており、アデノシンの育毛効果により、男性型脱毛症のためにうぶ毛化してしまった毛髪を太くする効果があるとされている。
さらに、本来は、血管拡張剤であったミノキシジルは、毛乳頭細胞に作用して、細胞成長因子の産生を促進し、毛根を保護する毛包細胞を活発化させる効果があることが知られている(非特許文献1)。
しかしながら、これらの育毛剤における育毛効果は、使用するヒトによって千差万別であり、必ずしも満足するものとなっていない。
しかしながら、これらの育毛剤における育毛効果は、使用するヒトによって千差万別であり、必ずしも満足するものとなっていない。
これらの点を解決するものとして、種々の植物抽出成分を配合した育毛剤も登場してきているが(例えば、特許文献1など)、未だ十分満足できる育毛効果を有しておらず、新規な作用機序を有する、新規育毛剤の開発が切に望まれていた。
J. Invest. Dermatol., Vol.117, 2001, pp1594-1600
したがって、本発明は、新規な作用機序を有する、新規な育毛剤を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するために本発明者は鋭意検討した結果、アセトアミノフェン誘導体には、従来の作用機序とは異なる優れた育毛効果があることを確認し、本発明を完成させるに至った。
かかる課題を解決するために本発明者は鋭意検討した結果、アセトアミノフェン誘導体には、従来の作用機序とは異なる優れた育毛効果があることを確認し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明は、具体的には以下の態様からなる育毛剤である。
(1)アセトアミノフェン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤、
(2)含水アルコール溶液に、アセトアミノフェン誘導体を0.001〜10質量%の範囲内の濃度で溶解したことを特徴とする育毛剤、
(3)含水アルコール溶液が20%以上のアルコール含有溶液であり、該アルコールがエタノールであることを特徴とする育毛剤、
(4)アセトアミノフェン誘導体が、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)またはo−ヒドロキシアセタミドである育毛剤、
である。
(1)アセトアミノフェン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤、
(2)含水アルコール溶液に、アセトアミノフェン誘導体を0.001〜10質量%の範囲内の濃度で溶解したことを特徴とする育毛剤、
(3)含水アルコール溶液が20%以上のアルコール含有溶液であり、該アルコールがエタノールであることを特徴とする育毛剤、
(4)アセトアミノフェン誘導体が、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)またはo−ヒドロキシアセタミドである育毛剤、
である。
本発明により、従来から提供されている育毛剤とはその育毛システムの作用機序が異なる新規な育毛剤が提供される。
本発明が提供する育毛剤は、後記するように、毛嚢外毛根鞘の立毛筋付着部であるバルジ領域(毛隆起)にある毛根幹細胞を活性化させ、育毛を促すものであり、その育毛効果は極めて特異的なものである。
その上、有効成分であるアセトアミノフェン誘導体のなかでも、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)は、従来から解熱鎮痛薬として広く使用されている局方品でもあり、その安全性が高いことから、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
本発明が提供する育毛剤は、後記するように、毛嚢外毛根鞘の立毛筋付着部であるバルジ領域(毛隆起)にある毛根幹細胞を活性化させ、育毛を促すものであり、その育毛効果は極めて特異的なものである。
その上、有効成分であるアセトアミノフェン誘導体のなかでも、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)は、従来から解熱鎮痛薬として広く使用されている局方品でもあり、その安全性が高いことから、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
本発明が提供する育毛剤において有効成分として含有されるアセトアミノフェン誘導体としては、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)またはo−ヒドロキシアセタミドを挙げることができる。
そのなかでも、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)は、別名:パラセタモールとも称され、解熱鎮痛薬の一つであり、今日では、軽い発熱や、悪寒、頭痛などの症状を抑える解熱剤、鎮痛剤として広く用いられる薬物の一つとなっている。
また、一般に解熱剤は禁忌とされるインフルエンザの治療に際しても、解熱剤としてしばしば用いられるなど、標準的な服用法において非常に安全な薬物である。
しかしながら、このアセトアミノフェノンに優れた育毛効果があることは、一切知られておらず、本発明者の検討により新規に見出された効果であり、その点で本発明は極めて特異的なものである。
そのなかでも、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)は、別名:パラセタモールとも称され、解熱鎮痛薬の一つであり、今日では、軽い発熱や、悪寒、頭痛などの症状を抑える解熱剤、鎮痛剤として広く用いられる薬物の一つとなっている。
また、一般に解熱剤は禁忌とされるインフルエンザの治療に際しても、解熱剤としてしばしば用いられるなど、標準的な服用法において非常に安全な薬物である。
しかしながら、このアセトアミノフェノンに優れた育毛効果があることは、一切知られておらず、本発明者の検討により新規に見出された効果であり、その点で本発明は極めて特異的なものである。
ところで本発明者は、先にアセトアミノフェン誘導体は、癌幹細胞(stem cell)の分化を誘導し、抗癌作用を発揮すると共に、抗癌剤の抗癌作用を増強させるものであることを見出した。
すなわち、癌細胞の一部を占めている癌幹細胞は、抗癌剤に対して抵抗性を示し、既存の抗癌剤が有効に作用しないため、抗癌剤の効果を増強させるためには癌幹細胞の分化を誘導する必要があるが、アセトアミノフェン誘導体は、この癌幹細胞の分化を誘導する作用があることを見出した(その点は、既に特許出願済みである)。
すなわち、癌細胞の一部を占めている癌幹細胞は、抗癌剤に対して抵抗性を示し、既存の抗癌剤が有効に作用しないため、抗癌剤の効果を増強させるためには癌幹細胞の分化を誘導する必要があるが、アセトアミノフェン誘導体は、この癌幹細胞の分化を誘導する作用があることを見出した(その点は、既に特許出願済みである)。
その点を勘案して、育毛のメカニズムを検討すると、毛包は皮膚の中で毛髪を支え、毛髪を産み出している重要な部分である。特に毛包下部の毛乳頭では成長期になると活発に細胞分裂が繰り返され毛髪の元となる細胞を作り出しており、毛乳頭で作り出された細胞は新しい細胞によって押し上げられ上方に移動していき、やがて角化して硬くて丈夫な毛を作り出している。
このように、皮膚毛包は育毛にとって極めて重要な組織であるが、皮膚毛包には毛包再生を司る幹細胞(stem cell)が存在することが考えられており、最近になって、毛包の毛隆起(バジル領域)に分布する毛包幹細胞が多分化能を有していることが明らかにされている。
このように、皮膚毛包は育毛にとって極めて重要な組織であるが、皮膚毛包には毛包再生を司る幹細胞(stem cell)が存在することが考えられており、最近になって、毛包の毛隆起(バジル領域)に分布する毛包幹細胞が多分化能を有していることが明らかにされている。
本発明者は、アセトアミノフェノン誘導体が、この毛包幹細胞の分化を誘導し、その結果毛包組織の再生を促し、毛包下部の毛乳頭における細胞分裂を活発に繰り返し、髪の元となる細胞を作り出すのではないかと考えた。
係る考え方に立脚して、ICRヌードマウス、或いはC3Hマウスを用いてアセトアミノフェンの作用を検討したところ、その含水アルコール溶液の塗布により、ICRヌードマウスにおいて、極めて効果的な育毛の発現が認められ、また、除毛したC3Hマウスにおいても、アエトアミノフェンを含有する含水アルコール溶液の塗布により毛の伸長が認められた。
係る考え方に立脚して、ICRヌードマウス、或いはC3Hマウスを用いてアセトアミノフェンの作用を検討したところ、その含水アルコール溶液の塗布により、ICRヌードマウスにおいて、極めて効果的な育毛の発現が認められ、また、除毛したC3Hマウスにおいても、アエトアミノフェンを含有する含水アルコール溶液の塗布により毛の伸長が認められた。
ICRヌードマウスは、foxn1遺伝子の欠損により成熟した毛母細胞(ケラチノサイト)への分化が異常をきたしているマウスであり、また、C3Hマウスは、7−10週齢で各固体での毛周期(ヘアサイクル)が休止期へと同調しやすい系統として知られており、育毛作用の評価に使用される実験動物である。
この両者を用いた検討において、アセトアミノフェンン誘導体、中でもアセトアミノフェンンの塗布により毛の伸長が認められたことは、アセトアミノフェノンが、この毛包幹細胞の分化を誘導し、その結果毛包組織の再生を促し、毛包下部の毛乳頭における細胞分裂を活発に繰り返し、髪の元となる細胞を作り出していることに他ならない。
したがって、本発明は従来の育毛の作用機序とは全く異なる、新規な育毛剤として、極めて特異的なものである。
この両者を用いた検討において、アセトアミノフェンン誘導体、中でもアセトアミノフェンンの塗布により毛の伸長が認められたことは、アセトアミノフェノンが、この毛包幹細胞の分化を誘導し、その結果毛包組織の再生を促し、毛包下部の毛乳頭における細胞分裂を活発に繰り返し、髪の元となる細胞を作り出していることに他ならない。
したがって、本発明は従来の育毛の作用機序とは全く異なる、新規な育毛剤として、極めて特異的なものである。
本発明が提供する育毛剤にあっては、その有効成分としてのアセトアミノフェン誘導体、なかでもアセトアミノフェノンは、好ましくは、溶媒に溶解させた育毛組成物として提供される。
使用される溶媒としては、具体的には、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール;水等を使用することができ、なかでもエタノールと水の含有アルコールが好ましい。
含水アルコールとした場合のアルコールの含有量は特に限定されるものではないが、20%前後のアルコール含有溶液であるのが好ましい。しかしながら、あまりアルコール含有量が高いものにあっては、アルコールの刺激を感じ好ましいものではない。
使用される溶媒としては、具体的には、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール;水等を使用することができ、なかでもエタノールと水の含有アルコールが好ましい。
含水アルコールとした場合のアルコールの含有量は特に限定されるものではないが、20%前後のアルコール含有溶液であるのが好ましい。しかしながら、あまりアルコール含有量が高いものにあっては、アルコールの刺激を感じ好ましいものではない。
本発明が提供する育毛剤中のアセトアミノフェン誘導体の含有量は、0.001〜10質量%の範囲が好ましい。0.001質量%未満であると育毛効果が乏しい場合があり、また、10質量%を超えると効果の増加は実質上認められないのに加え、アセトアミノフェノン誘導体の析出により毛穴が塞がれてしまう場合があり、好ましいものではない。
したがって、毛穴が塞がれずに、本発明が目的とする新規な作用機序による育毛効果が発揮できるという観点から、含有量は0.001〜10質量%の範囲、特に、0.1〜5質量%が好ましい。
したがって、毛穴が塞がれずに、本発明が目的とする新規な作用機序による育毛効果が発揮できるという観点から、含有量は0.001〜10質量%の範囲、特に、0.1〜5質量%が好ましい。
本発明が提供得する育毛剤にあっては、その効果を阻害しない限り、医薬品、化粧品等において一般的に用いられる各種成分を適宜配合することができる。そのような成分としては、具体的には、水性成分、油性成分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色素、香料、抗酸化剤、美白剤、抗老化剤、血流促進剤等を挙げることができる。
さらに、本発明が提供する育毛剤にあっては、既に育毛、発毛、発毛促進、羊毛効果を有する公知の成分を適宜配合することもできる。
そのような成分としては、例えば、各種生薬抽出エキス、ペンタデカン酸グリセリド、カルプロニウム塩化物、アデノシン或いはミノキシジル等を挙げることができる。
これらの成分は、本発明の育毛剤に単独で加えても良く、また2種以上を組み合わせ加えても良い。
そのような成分としては、例えば、各種生薬抽出エキス、ペンタデカン酸グリセリド、カルプロニウム塩化物、アデノシン或いはミノキシジル等を挙げることができる。
これらの成分は、本発明の育毛剤に単独で加えても良く、また2種以上を組み合わせ加えても良い。
本発明の育毛剤の形態は、特に制限されるものではないが、液状製剤、ペースト状製剤、ジェル状製剤、フォーム状製剤、クリーム状製剤等の形態を採ることができ、これらの製剤は、一般的に医薬品、或いは化粧品の分野で採用されている公知の製剤化技術により行うことができる。
なかでも、育毛効果を効率的に発揮しうる観点から、液状製剤が好ましい。
また、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアトニック、へクリーム、ヘアリキッドなどに配合しても良い。
なかでも、育毛効果を効率的に発揮しうる観点から、液状製剤が好ましい。
また、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアトニック、へクリーム、ヘアリキッドなどに配合しても良い。
本発明が提供する育毛剤は、具体的には育毛、発毛、発毛促進、または養毛用に使用される。したがって、本発明が提供する育毛剤の効能・効果としては、育毛、発毛、薄毛、毛生促進、発毛促進、脱毛(抜け毛)防止、病後・産後の脱毛、円形脱毛症、発毛不全、若禿(壮年製脱毛症)、及び老人禿等を挙げることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1:ICRヌードマウスを用いた育毛効果の確認
ICRヌードマウス(5週齢)の背部に、アセトアミノフェノンの20%エタノール溶液を600mg/kg当たりの用量で皮下投与し、その後の状態を観察した。
その結果、皮下投与30日目において背部の全面に亘って産毛の発毛が認められた。
ICRヌードマウスは、foxn1遺伝子の欠損により成熟した毛母細胞(ケラチノサイト)への分化が異常をきたしているマウスであるにもかかわらず、アセトアミノフェノンの皮下投与により育毛が認められた事実は、
ICRヌードマウス(5週齢)の背部に、アセトアミノフェノンの20%エタノール溶液を600mg/kg当たりの用量で皮下投与し、その後の状態を観察した。
その結果、皮下投与30日目において背部の全面に亘って産毛の発毛が認められた。
ICRヌードマウスは、foxn1遺伝子の欠損により成熟した毛母細胞(ケラチノサイト)への分化が異常をきたしているマウスであるにもかかわらず、アセトアミノフェノンの皮下投与により育毛が認められた事実は、
実施例2:C3Hマウスを用いた育毛効果の確認
7週齢のC3H/He系雄性マウス(日本チャールス・リバーより購入)を実験に供した。すなわち、ヘアサイクルが休止期にある7週齢のC3H/He系雄性マウスの背部被毛を電気バリカンで刈り込んだ後、更にヒト用の電気シェーバーにて皮膚を傷つけないように、完全に皮膚が見えるまでに刈り込んだ。
その後3〜5日飼育し、傷及び残毛のないマウスを選択し、一群3〜4匹に群分けし、マウスの剃毛部に試験液剤を、毎日約200μL/日/マウス当たり均一に塗布し、育毛作用について評価した。
7週齢のC3H/He系雄性マウス(日本チャールス・リバーより購入)を実験に供した。すなわち、ヘアサイクルが休止期にある7週齢のC3H/He系雄性マウスの背部被毛を電気バリカンで刈り込んだ後、更にヒト用の電気シェーバーにて皮膚を傷つけないように、完全に皮膚が見えるまでに刈り込んだ。
その後3〜5日飼育し、傷及び残毛のないマウスを選択し、一群3〜4匹に群分けし、マウスの剃毛部に試験液剤を、毎日約200μL/日/マウス当たり均一に塗布し、育毛作用について評価した。
試験製剤:
本発明の液剤:アセトアミノフェノンを20%エタノール溶液に溶解し、その含有量がそれぞれ、0.01質量%、0.1質量%、1.0質量%及び5.0質量%となる液剤。
対照製剤:
ミノキシジルを20%エタノール溶液に溶解し、その含有量が1質量%となる液剤。
コントロール群:
コントロール群として、20%エタノール溶液のみを塗布した群をおいた。
本発明の液剤:アセトアミノフェノンを20%エタノール溶液に溶解し、その含有量がそれぞれ、0.01質量%、0.1質量%、1.0質量%及び5.0質量%となる液剤。
対照製剤:
ミノキシジルを20%エタノール溶液に溶解し、その含有量が1質量%となる液剤。
コントロール群:
コントロール群として、20%エタノール溶液のみを塗布した群をおいた。
判定スコア
下記表1に記載した症状を基準にスコア化した。
下記表1に記載した症状を基準にスコア化した。
結果:
塗布開始1週間後、2週間後及び3週間後の剃毛部の症状を観察し、上記表1に示した基準によりスコア化し、その結果を図1に示した。
図1に示した結果からも判明するように、本発明の育毛剤は、コントロール群に比較して良好な発毛効果が認められ、その効果は、発毛作用物質として製品化されているミノキシジルの効果に匹敵するものであった。
なお、塗布した部位の皮膚には、炎症等の有害な変化は観察されなかった。
塗布開始1週間後、2週間後及び3週間後の剃毛部の症状を観察し、上記表1に示した基準によりスコア化し、その結果を図1に示した。
図1に示した結果からも判明するように、本発明の育毛剤は、コントロール群に比較して良好な発毛効果が認められ、その効果は、発毛作用物質として製品化されているミノキシジルの効果に匹敵するものであった。
なお、塗布した部位の皮膚には、炎症等の有害な変化は観察されなかった。
以下に、本発明の製剤例を示す。
処方例1:
下記に示す配合により、育毛溶液製剤を調製した。
アセトアミノフェノン 1000mg
20%エタノール 100mL
全 量 100mL
処方例1:
下記に示す配合により、育毛溶液製剤を調製した。
アセトアミノフェノン 1000mg
20%エタノール 100mL
全 量 100mL
処方2:
下記に示す配合により、育毛溶液製剤を調製した。
アセトアミノフェノン 1000mg
20%エタノール 80mL
グリセリン 20mL
全 量 100mL
下記に示す配合により、育毛溶液製剤を調製した。
アセトアミノフェノン 1000mg
20%エタノール 80mL
グリセリン 20mL
全 量 100mL
以上記載のように、本発明により、従来から提供されている育毛剤とはその育毛システムの作用機序が異なる、新規な育毛剤が提供される。
本発明の育毛剤における有効成分であるアセトアミノフェンは、従来から解熱鎮痛薬として広く使用されている局方品でもあり、その安全性が高いことから、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
本発明の育毛剤における有効成分であるアセトアミノフェンは、従来から解熱鎮痛薬として広く使用されている局方品でもあり、その安全性が高いことから、副作用のない、安全な育毛剤が提供される利点を有している。
Claims (4)
- アセトアミノフェン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤。
- 含水アルコール溶液に、アセトアミノフェン誘導体を0.001〜10質量%の範囲内の濃度で溶解したことを特徴とする請求項1に記載の育毛剤。
- 含水アルコール溶液が20%以上のアルコール含有溶液であり、該アルコールがエタノールである請求項1又は2に記載の育毛剤。
- アセトアミノフェン誘導体が、アセトアミノフェン(p−ヒドロキシアセタミド)またはo−ヒドロキシアセタミドである請求項1、2又は3に記載の育毛剤。
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WO2022181785A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | 株式会社アジュバンホールディングス | 育毛剤 |
WO2022181786A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | 株式会社アジュバンホールディングス | 育毛剤 |
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WO2022181785A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | 株式会社アジュバンホールディングス | 育毛剤 |
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