JP2012126599A - カーボンナノチューブ配向集合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンナノチューブの触媒層を表面に有する基材上に、カーボンナノチューブの原料ガス、触媒賦活物質及び希釈ガスを含む原料ガス混合物を供給してカーボンナノチューブ配向集合体を成長させるカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法であって、成長炉内に上記基材を設置する工程と、上記触媒層に噴射部から上記原料ガス混合物を噴射する工程と、を含み、上記触媒層と上記噴射部との距離Hの4倍以上の幅Wを上記触媒層が有し、上記希釈ガスが窒素を含み、上記触媒賦活物質が二酸化炭素を含む。
【選択図】なし
Description
まず、本発明により得られるCNT配向集合体について説明する。
1.CNTの長手方向に平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とからX線を入射してX線回折強度を測定(θ−2θ法)した場合に、第2方向からの反射強度が、第1方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在し、且つ第1方向からの反射強度が、第2方向からの反射強度より大きくなるθ角と反射方位とが存在すること。
本発明に係るカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法(以下、「本発明に係る製造方法」という。)は、表面に触媒層を有する基材上に、カーボンナノチューブの原料ガス、触媒賦活物質及び希釈ガスを含む原料ガス混合物を供給してカーボンナノチューブ配向集合体を成長させるカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法であって、成長炉内に上記基材を設置する工程と、上記触媒層に噴射部から原料ガス混合物を噴射する工程と、を含み、上記触媒層と上記噴射部との距離Hの4倍以上の幅Wを上記触媒層が有し、上記希釈ガスが窒素を含み、上記触媒賦活物質が二酸化炭素を含む。触媒層の幅Wが噴射部と触媒層との距離Hの4倍以上という関係を満たす大きな触媒層であっても、希釈ガスが窒素を含み、触媒賦活物質が二酸化炭素を含むことによって、より均一な密度でCNT配向集合体を製造することができる。
基材の構成としては、その表面にCNTの成長の触媒を担持することのできる部材であればよく、400℃以上の高温でも形状を維持できるものが好ましい。CNTの製造に使用可能な材質としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金、ニオブ、タンタル、鉛、亜鉛、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、及びアンチモンなどの金属、並びにこれらの金属を含む合金及び酸化物、又はシリコン、石英、ガラス、マイカ、グラファイト、及びダイヤモンドなどの非金属、並びにセラミックなどが挙げられる。金属材料はシリコン及びセラミックと比較して、低コストであるから好ましく、特に、Fe−Cr(鉄−クロム)合金、Fe−Ni(鉄−ニッケル)合金、Fe−Cr−Ni(鉄−クロム−ニッケル)合金などは好適である。
基材には、その表面及び裏面の少なくともいずれか一方に、浸炭防止層が形成されてもよい。表面及び裏面の両面に浸炭防止層が形成されていることが望ましい。この浸炭防止層は、カーボンナノチューブの生成工程において、基材が浸炭されて変形してしまうのを防止するための保護層である。
触媒基板において、基材上(基材上に浸炭防止層を備える場合には当該浸炭防止層の上)には、触媒が担持されている。触媒としては、CNTの製造が可能であればよく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、並びに、これらの塩化物及び合金、またこれらが、さらにアルミニウム、アルミナ、チタニア、窒化チタン、酸化シリコンと複合化、また層状になっていてもよい。例えば、鉄−モリブデン薄膜、アルミナ−鉄薄膜、アルミナ−コバルト薄膜、及びアルミナ−鉄−モリブデン薄膜、アルミニウム−鉄薄膜、アルミニウム−鉄−モリブデン薄膜などを例示することができる。触媒の存在量としては、例えば、CNTの製造が可能な範囲であればよく、鉄を用いる場合、製膜厚さは、0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.5nm以上5nm以下がさらに好ましく、0.8nm以上2nm以下が特に好ましい。
本発明に係る製造方法において、触媒基板に噴射する原料ガス混合物は、CNTの原料ガス、触媒賦活物質及び希釈ガスを含む。
本発明においてCNTの生成に用いる原料ガスとしては、例えば、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、プロピレン、及びアセチレンなどの炭化水素が好適である。この他にも、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、及び、アセトン、一酸化炭素などの低炭素数の含酸素化合物でもよい。これらの混合物も使用可能である。
本発明に係る製造方法で用いる希釈ガスは窒素を含めばよい。また、窒素のみを希釈ガスとして用いることが好ましいが、窒素以外の希釈ガスを混合してもよい。窒素以外の希釈ガスとしては、CNTが成長する温度で不活性であり、且つ成長するCNTと反応しないガスであればよく、触媒の活性を低下させないものが好ましい。例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン及びクリプトンなどの希ガス;水素;並びにこれらの混合ガスを例示できる。
本発明に係る製造方法で用いる触媒賦活物質は二酸化炭素を含めばよい。また、二酸化炭素のみを用いることが好ましいが、二酸化炭素以外の触媒賦活物質を混合してもよい。二酸化炭素以外の触媒賦活物質としては、酸素を含む物質であり、成長温度でCNTに多大なダメージを与えない物質が好ましく、例えば、水、酸素、オゾン、酸性ガス及び一酸化炭素などの低炭素数の含酸素化合物;エタノール、メタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;アルデヒド類;エステル類;硫化水素;並びにこれらの混合物が挙げられる。触媒賦活物質の添加によって、カーボンナノチューブの製造効率及び純度をより一層改善することができる。
成長炉とは成長工程を行なうための炉のことであり、基材上の触媒の周囲環境を原料ガス環境とすると共に、触媒及び原料ガスの少なくとも一方を加熱することで、基材上にCNT配向集合体を成長させるための炉である。
本発明に係る製造方法における、原料ガス混合物を噴射する工程では、成長炉内に触媒基板を設置した後に、噴射部から触媒層上に原料ガス混合物を噴射すればよい。ただし、このとき、触媒層と噴射部との距離Hの4倍以上の幅Wを触媒層が有するように、触媒基板の形状及び噴射部の位置を設定する必要がある。このような関係を満たした上で、希釈ガスが窒素を含み、触媒賦活物質が二酸化炭素を含むことによって、基材が大きくても基材の外縁部においてもCNTを十分に成長させることができ、その結果、基材上により均一な密度でCNTを成長させることができる。
次に、本発明に係る製造方法を実施するためのCNT配向集合体の製造装置の一例について、図1及び2を用いて説明する。図1は、本発明に係る製造方法を実施するための製造装置の一例である製造装置100の構成を模式的に示す図である。図2は、製造装置100が備える成長ユニット3に含まれる原料ガス混合物噴射部(噴射部)200の構成を概略的に示す図であり、図2の(a)は原料ガス混合物噴射部200の斜視図であり、図2の(b)は原料ガス混合物噴射部200の噴射面の構造を示す図である。
入口パージ部1とは触媒基板10の入口から製造装置100の有する炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。製造装置100内に搬送された触媒基板10の周囲環境をパージガスで置換する機能を有する。具体的には、パージガスを保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが設けられている。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など触媒基板10の入口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置入口から外気が混入することを防止することが好ましい。後述するガス混入防止手段11のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために入口パージ部1を備えていることが好ましい。
フォーメーションユニット2とは、フォーメーション工程を実現するための装置一式のことであり、触媒基板10の表面に形成された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒と還元ガスとの少なくとも一方を加熱する機能を有する。具体的には、還元ガスを保持するためのフォーメーション炉2a、還元ガスを噴射するための還元ガス噴射部2b、フォーメーション炉2a内のガスを排気するための排気フード2d、触媒及び還元ガスの少なくとも一方を加熱するためのヒーター2cなどが挙げられる。ヒーター2cとしては400℃から1100℃の範囲で加熱することができるものが好ましく、例えば、抵抗加熱ヒーター、赤外線加熱ヒーター、電磁誘導式ヒーターなどが挙げられる。
フォーメーション工程とは、触媒基板10上に担持された触媒の周囲環境を還元ガス環境とすると共に、触媒又は還元ガスの少なくとも一方を加熱する工程である。この工程により、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果が現れる。例えば、触媒がアルミナ−鉄薄膜である場合、鉄触媒は還元されて微粒子化し、アルミナ層上にナノメートルサイズの鉄微粒子が多数形成される。これにより触媒はCNT配向集合体の製造に好適な触媒に調製される。この工程を省略してもCNTを製造することは可能であるが、この工程を行なうことでCNT配向集合体の製造量及び品質を飛躍的に向上させることができる。
還元ガスは、一般的には、触媒の還元、触媒のCNTの成長に適合した状態の微粒子化促進、触媒の活性向上の少なくとも一つの効果を持つ、成長温度において気体状のガスである。還元ガスとしては、CNTの製造が可能なものを用いればよく、典型的には還元性を有したガスであり、例えば水素ガス、アンモニア、水蒸気及びそれらの混合ガスを適用することができる。また、水素ガスをヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスと混合した混合ガスでもよい。還元ガスは、フォーメーション工程で用いてもよく、適宜成長工程に用いてもよい。
成長ユニット3は、触媒基板10の周囲の環境を原料ガス環境に保持する炉である成長炉3a、原料ガス混合物を触媒基板10上に噴射するための原料ガス混合物噴射部200、成長炉3a内のガスを排気するための排気フード3c、触媒と原料ガスの少なくとも一方を加熱するためのヒーター3bを含んでいる。
ここで原料ガス混合物噴射部200の構成について図2を用いてより詳細に説明する。図2の(a)に示すように原料ガス混合物噴射部200はシャワーヘッド201、ガス流路202を備えている。
搬送ユニット6とは、少なくともフォーメーションユニット2から成長ユニット3まで触媒基板10を搬送するために必要な装置一式のことである。具体的には、ベルトコンベア方式におけるメッシュベルト6a、減速機付き電動モータを用いたベルト駆動部6bなどが挙げられる。
ガス混入防止手段11、12、13とは、外気と製造装置100の炉内のガスとが相互に混入すること、又は製造装置100内の炉(例えば、フォーメーション炉2a、成長炉3a、冷却炉4a)間でガス同士が相互に混入することを防止する機能を実現するための装置一式のことであり、触媒基板10の搬送のための出入口近傍、又は製造装置100内の空間と空間とを接続する接続部7、8、9に設置される。このガス混入防止手段11、12、13は、各炉における触媒基板10の入口及び出口の開口面に沿ってシールガスを噴出するシールガス噴射部11b、12b、13bと、主に噴射されたシールガス(及びその他近傍のガス)を各炉内に入らないように吸引して製造装置100の外部に排気する排気部11a、12a、13aとを、それぞれ少なくとも1つ以上を備えている。シールガスが炉の開口面に沿って噴射されることで、シールガスが炉の出入り口を塞ぎ、炉外のガスが炉内に混入することを防ぐ。また、当該シールガスを製造装置100外に排気することにより、当該シールガスが炉内に混入することを防ぐ。シールガスは不活性ガスであることが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。シールガス噴射部11b、12b、13bと排気部11a、12a、13aの配置としては、1つのシールガス噴射部に隣接して1つの排気部を配置してもよいし、メッシュベルトを挟んでシールガス噴射部に対面するように排気部を配置してもよいが、ガス混入防止手段の全体の構成が、炉長方向に対称な構造となるようにシールガス噴射部及び排気部を配置することが好ましい。例えば、図1に示すように、1つの排気部の両端にシールガス噴射部を2つ配置し、排気部を中心にして炉長方向に対称な構造とするとよい。また、シールガス噴射部11b、12b、13bから噴射される全ガス流量と排気部から排気される全ガス流量はほぼ同量であることが好ましい。これによって、ガス混入防止手段11、12、13を挟んだ両側の空間からのガスが相互に混入することを防止するとともに、シールガスが両側の空間に流出することも防止することが可能になる。このようなガス混入防止手段12、13を成長炉3aの両端に設置することで、シールガスの流れと成長炉3a内のガスの流れが相互に干渉することを防止できる。また、シールガスの成長炉3a内流入によるガス流れの乱れも防止されている。よって、CNT配向集合体の連続製造に好適な製造装置100を実現できる。
原料ガスがフォーメーション炉2a内空間に混入すると、CNTの成長に悪影響を及ぼす。フォーメーション炉2a内還元ガス環境中の炭素原子個数濃度を5×1022個/m3以下、より好ましくは1×1022個/m3以下に保つように、ガス混入防止手段11、12により原料ガスのフォーメーション炉2a内への混入を防止すると良い。ここで炭素原子個数濃度は、還元ガス環境中の各ガス種(i=1、2、・・・)に対して、濃度(ppmv)をD1、D2・・・、標準状態での密度(g/m3)をρ1、ρ2・・・、分子量をM1、M2・・・、ガス分子1つに含まれる炭素原子数をC1、C2・・・、アボガドロ数をNAとして下記数式(1)で計算している。
各ユニットの炉内空間を空間的に接続し、触媒基板10がユニットからユニットへ搬送される時に、触媒基板10が外気に曝されることを防ぐための装置一式のことである。具体的には、触媒基板10の周囲環境と外気を遮断し、触媒基板10をユニットからユニットへ通過させることができる炉又はチャンバなどが挙げられる。
冷却ユニット4とは、CNT配向集合体が成長した触媒基板10を冷却するために必要な装置一式のことである。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、触媒基板10の酸化防止と冷却とを実現する機能を有する。具体的には、冷却ガスを保持するための冷却炉4a、水冷式の場合は冷却炉内空間を囲むように配置した水冷冷却管4c、空冷式の場合は冷却炉内空間に冷却ガスを噴射する冷却ガス噴射部4bなどが挙げられる。また、水冷方式と空冷方式とを組み合わせてもよい。
冷却工程とは、成長工程後にCNT配向集合体、触媒、基材を冷却ガス下に冷却する工程である。成長工程後のCNT配向集合体、触媒、基材は高温状態にあるため、酸素存在環境下に置かれると酸化してしまうおそれがある。それを防ぐために冷却ガス環境下でCNT配向集合体、触媒、基材を例えば400℃以下、さらに好ましくは200℃以下に冷却する。冷却ガスとしては不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。
出口パージ部5とは触媒基板10の出口から装置炉内へ外気が混入することを防止するための装置一式のことである。触媒基板10の周囲環境をパージガス環境にする機能を有する。具体的には、パージガス環境を保持するための炉又はチャンバ、パージガスを噴射するための噴射部などが挙げられる。パージガスは不活性ガスが好ましく、特に安全性、コストなどの点から窒素であることが好ましい。ベルトコンベア方式など触媒基板10の出口が常時開口している場合は、パージガス噴射部としてパージガスを上下からシャワー状に噴射するガスカーテン装置とし、装置出口から外気が混入することを防止することが好ましい。ガス混入防止手段13のみでも炉内への外気混入を防止することは可能であるが、装置の安全性を高めるために出口パージ部5を備えていることが好ましい。
製造装置100におけるフォーメーション炉2a、還元ガス噴射部2b、フォーメーションユニット2の排気フード2d、成長炉3a、原料ガス混合物噴射部200、成長ユニット3の排気フード3c、メッシュベルト6a、ガス混入防止手段11、12、13のシールガス噴射部11b、12b、13b及び排気部11a、12a、13a、接続部7、8、9の炉、排気流量安定化部20などの各部品は還元ガス又は原料ガスに曝される。それら部品の材質としては、高温に耐えられ、加工の精度と自由度、コストの点から耐熱合金が好ましい。耐熱合金としては、耐熱鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金などが挙げられる。Feを主成分として他の合金濃度が50%以下のものが耐熱鋼と一般に呼ばれる。また、Feを主成分として他の合金濃度が50%以下であり、Crを約12%以上含有する鋼は一般にステンレス鋼と呼ばれる。また、ニッケル基合金としては、NiにMo、Cr及びFeなどを添加した合金が挙げられる。例えば、SUS310、インコネル600、インコネル601、インコネル625、インコロイ800、MCアロイ、Haynes230アロイなどが耐熱性、機械的強度、化学的安定性、低コストなどの点から好ましい。
次に、製造装置100全体の処理の流れを説明する。
比表面積とは液体窒素の77Kでの吸脱着等温線を測定し、この吸脱着等温曲線からBrunauer,Emmett,Tellerの方法から計測した値のことである。比表面積は、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製HM model−1210)を用いて測定した。
本実施例においては、顕微レーザラマンシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製Nicolet Almega XR)を用い、基材中心部付近および基材の4つの角付近のCNT配向集合体をそれぞれ剥離し、CNT配向集合体の基材から剥離された面にレーザーを当てて、ラマンスペクトルを測定し、G/D比を求めた。
触媒基板の製作条件を以下に説明する。基材として150mm角(W=150mm)、厚さ0.3mmのFe−Ni−Cr合金YEF426(日立金属株式会社製、Ni42%、Cr6%)を使用した。レーザー顕微鏡を用いて表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRa≒2.1μmであった。この基材の表裏両面にスパッタリング装置を用いて厚さ20nmのアルミナ膜を製膜し、次いで表面のみにスパッタリング装置を用いて、表面の片側全体に厚さ1.0nmの鉄膜(触媒層)を製膜した。
・パージガス:窒素90sLm
フォーメーションユニット2
・炉内温度:830℃
・還元ガス:窒素19sLm、水素28sLm
・排気フード2d排気量:47sLm
・処理時間:28分
成長ユニット3
・炉内温度:830℃
・原料ガス混合物:窒素24.6sLm、エチレン3sLm、
二酸化炭素2.4sLm
・排気フード3c排気量:30sLm
・処理時間:11分
冷却ユニット4
・冷却水温度:30℃
・不活性ガス:窒素15sLm
・冷却時間:30分
出口パージ部5
・パージガス:窒素75sLm
ガス混入防止手段11
・排気部11a排気量:30sLm
・シールガス噴射部11b:窒素30sLm
ガス混入防止手段12
・排気部12a排気量:38sLm
・シールガス噴射部12b:窒素38sLm
ガス混入防止手段13
・排気部13a排気量:30sLm
・シールガス噴射部13b:窒素30sLm
還元ガス噴射部2b及び原料ガス混合物噴射部200で噴射するガス量は、炉の体積に比例させてCNT配向集合体の製造に好適なガス量に設定した。また、フォーメーション炉2aと成長炉3aのガスの相互混入を強く防止するため、3つのガス混入防止手段11、12、13の中でガス混入防止手段12のシールガス量及び排気量は最も多く設定した。
実施例1と同じ触媒基板10と同様の製造装置100を用い、各条件を以下のように設定してCNT配向集合体の製造を行った。
・パージガス:窒素90sLm
フォーメーションユニット2
・炉内温度:830℃
・還元ガス:窒素19sLm、水素28sLm
・排気フード2d排気量:47sLm
・処理時間:28分
成長ユニット3
・炉内温度:830℃
・原料ガス混合物:窒素25.7sLm、エチレン3sLm、
二酸化炭素1.2sLm
水蒸気含有窒素0.13sLm(水分量16000ppmv)
・排気フード3c排気量:30sLm
・処理時間:11分
冷却ユニット4
・冷却水温度:30℃
・不活性ガス:窒素15sLm
・冷却時間:30分
出口パージ部5
・パージガス:窒素75sLm
ガス混入防止手段11
・排気部11a排気量:30sLm
・シールガス噴射部11b:窒素30sLm
ガス混入防止手段12
・排気部12a排気量:38sLm
・シールガス噴射部12b:窒素38sLm
ガス混入防止手段13
・排気部13a排気量:30sLm
・シールガス噴射部13b:窒素30sLm
本実施例によって製造される、CNT配向集合体のG/D比分布を図4に示す。基板の中心部で生成したCNTのG/D比は6.2、4つの角で生成したCNTのG/D比はそれぞれ3.5、5.4、3.4、7.7となった。なお、その他の特性としては、密度:0.03g/cm3、平均外径:2.9nm(半値幅:2nm)、炭素純度:99.9%、ヘルマンの配向係数:0.7、収量:2.0mg/cm2、基板の中心部で生成したCNTのBET比表面積:1100m2/gであった。
実施例1と同様の触媒基板10と同様の製造装置100を用い、各条件を以下のように設定してCNT配向集合体の製造を行った。
・パージガス:窒素90sLm
フォーメーションユニット2
・炉内温度:830℃
・還元ガス:窒素19sLm、水素28sLm
・排気フード2d排気量:47sLm
・処理時間:28分
成長ユニット3
・炉内温度:830℃
・原料ガス混合物:窒素26.7sLm、エチレン3sLm、
水蒸気含有窒素0.3sLm(水分量16000ppmv)
・排気フード3c排気量:30sLm
・処理時間:11分
冷却ユニット4
・冷却水温度:30℃
・不活性ガス:窒素15sLm
・冷却時間:30分
出口パージ部5
・パージガス:窒素75sLm
ガス混入防止手段11
・排気部11a排気量:30sLm
・シールガス噴射部11b:窒素30sLm
ガス混入防止手段12
・排気部12a排気量:38sLm
・シールガス噴射部12b:窒素38sLm
ガス混入防止手段13
・排気部13a排気量:30sLm
・シールガス噴射部13b:窒素30sLm
本比較例によって製造される、CNT配向集合体のG/D比分布を図5に示す。基板の中心部で生成したCNTのG/D比は6.0、4つの角で生成したCNTのG/D比はそれぞれ1.2、2.6、1.2、1.2となった。なお、その他の特性としては、密度:0.03g/cm3、平均外径:2.9nm(半値幅:2nm)、炭素純度:99.9%、ヘルマンの配向係数:0.7、収量:2.0mg/cm2、基板の中心部で生成したCNTのBET比表面積:1100m2/gであった。
3a 成長炉
10 触媒基板(触媒層を表面に有する基材)
200 原料ガス混合物噴射部(噴射部)
201 シャワーヘッド
201’ 噴出孔
Claims (5)
- カーボンナノチューブの成長の触媒の層である触媒層を表面に有する基材上に、カーボンナノチューブの原料ガス、触媒賦活物質及び希釈ガスを含む原料ガス混合物を供給してカーボンナノチューブ配向集合体を成長させるカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法であって、
成長炉内に上記基材を設置する工程と、
上記触媒層に噴射部から上記原料ガス混合物を噴射する工程と、
を含み、
上記触媒層と上記噴射部との距離Hの4倍以上の幅Wを上記触媒層が有し、
上記希釈ガスが窒素を含み、
上記触媒賦活物質が二酸化炭素を含むことを特徴とするカーボンナノチューブ配向集合体の製造方法。 - 上記噴射部として、複数の噴出孔を備えるシャワーヘッドを用いることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 上記幅Wが、100mm以上である請求項1又は2記載の製造方法。
- 上記原料ガス混合物中の二酸化炭素の濃度が、0.2〜70体積%である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- カーボンナノチューブの成長の触媒の層である触媒層を表面に有する基材上に、該基材上の触媒層から成長させた複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ配向集合体であって、
上記触媒層の幅Wが100mm以上の矩形であり、
該基材上の触媒層の角部のカーボンナノチューブのG/D比は、その中心部のカーボンナノチューブのG/D比の50%以上であることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体。
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