JP2012126229A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動装置による車両の挙動に対する介入を抑制し、燃費の低下を抑制することが可能な車両挙動制御装置を提供する。
【解決手段】制御ユニット1は、車両100の走行状態に基づいて、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7を制御する装置制御部10と、装置制御部10から制御対象の装置に対する制御量を示す情報を取得する制御量取得手段111、及び制御量取得手段111が取得した情報に基づいて、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7の制御量を減少させる指令信号を出力する制御量調整手段112を有する協調制御部11とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、走行時における車両の挙動を制御する車両挙動制御装置に関する。
従来、車両の走行時における挙動を安定させるため、各車輪のブレーキ力を個々に制御する車両姿勢制御装置が知られている(特許文献1参照)。
この種の車両姿勢制御装置では、例えば車両の旋回時にアンダーステアが発生した場合に、運転者のブレーキペダルの操作によらずに旋回内側の車輪にブレーキ力を付与し、車両の挙動を安定させる制御が行われる。
特開平10−315940号公報
車輪にブレーキ力を付与して車両を安定化させる場合には、ブレーキによる摩擦によって車両の推進力が減少するので、運転者が加速しながら、あるいは定速で旋回することを意図してアクセルペダル等を操作していた場合でも、加速度が小さくなり、あるいは減速してしまう。また、摩擦による動力の損失が発生するので、燃費向上の要請にも反することとなる。
そこで、本発明は、制動装置による車両の挙動に対する介入を抑制し、燃費の低下を抑制することが可能な車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
[1]車両の走行状態に基づいて、各車輪に制動力を付与する制動装置及びその他の車両の挙動を変化させることが可能な機械装置をそれぞれ制御する装置制御部と、前記装置制御部から制御対象の装置に対する制御量を示す情報を取得する取得手段、及び前記取得した情報に基づいて、前記制動装置及び前記機械装置の制御量を減少させる指令信号を出力する制御量調整手段を有する協調制御部とを備えた車両挙動制御装置。
[2]前記機械装置は、駆動源側から車輪側への駆動力の伝達量を調節することが可能な駆動力伝達装置、操舵輪の操舵角を調節することが可能な操舵装置、及び車高を調節することが可能な懸架装置のうち少なくとも何れかを含む前記[1]に記載の車両挙動制御装置。
[3]前記協調制御部は、前記装置制御部の各制御量に応じた評価値をそれぞれ演算し、前記各評価値を合計した値に対する前記各評価値の割合に基づいて、前記制動装置及び前記機械装置の制御量を減少させる指令信号を出力する前記[1]又は[2]に記載の車両挙動制御装置。
本発明によれば、制動装置による車両の挙動に対する介入を抑制し、燃費の低下を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両挙動制御装置が搭載された車両の構成例を示す概略図である。 図2は、制御ユニットの概略の構成例を示すブロック図である。 図3は、協調制御部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る車両挙動制御装置が搭載された車両の構成例を示す概略図である。
この車両100は、四輪駆動車であり、駆動ユニット2と、駆動ユニット2からの駆動力が常に伝達される主駆動輪としての前輪側の右前輪3FR及び左前輪3FLと、車両の走行状態に応じて必要時に駆動ユニット2からの駆動力が伝達される補助駆動輪としての右後輪3RR及び左後輪3RLとを有している。
駆動ユニット2は、駆動源としてのエンジン20と、エンジン20の回転出力を変速するトランスミッション21と、トランスミッション21の出力の一部を後輪側へ伝達するトランスファ22とを有して構成されている。
右前輪3FR及び左前輪3FLには、トランスミッション21の出力が差動回転を許容して左右の前輪駆動シャフト31FR,31FLを介して伝達される。また、右後輪3RR及び左後輪3RLには、トランスファ22の出力が前側駆動軸5F,駆動力伝達装置5(後述),後側駆動軸5R,ディファレンシャル装置32,及び左右の後輪駆動シャフト31RR,31RLを介して伝達される。
また、車両100には、各車輪の制動力をそれぞれ独立して制御することが可能な制動装置4が搭載されている。制動装置4は、右前輪3FRに対応して設けられた第1ブレーキ41FRと、左前輪3FLに対応して設けられた第2ブレーキ41FLと、右後輪3RRに対応して設けられた第3ブレーキ41RRと、左後輪3RLに対応して設けられた第4ブレーキ41RLと、ブレーキ油圧の供給源であるマスタシリンダ42とからなる。
制動装置4は、マスタシリンダ42から第1ブレーキ41FR,第2ブレーキ41FL,第3ブレーキ41RR,及び第4ブレーキ41RLに供給されるブレーキ油圧をそれぞれ独立して調節することが可能に構成されている。
また、車両100には、補助駆動輪側に伝達される駆動力を調節することが可能な駆動力伝達装置5が搭載されている。駆動力伝達装置5は、エンジン2側に連結された前側駆動軸5Fと、後輪側(補助駆動輪側)に連結された後側駆動軸5Rとの間に介在して設けられている。
この駆動力伝達装置5は、例えば、前側駆動軸5Fに連結された円筒状の外側回転部材と、後側駆動軸5Rに連結された軸状の内側回転部材と、外側回転部材及び内側回転部材の間に設けられた多板クラッチと、多板クラッチを押圧するカム機構と、カム機構のカム推力を制御する電磁クラッチとを備えている。この場合、駆動力伝達装置5による駆動力の伝達量は、電磁クラッチの電磁コイルに供給する電流によって調節することが可能である。
また、車両100には、運転者のステアリングホイール60の操舵操作量に対する操舵輪としての右前輪3FR及び左前輪3FLの操舵角の変化の割合、すなわちステアリングギヤ比を調節することが可能な操舵装置6が搭載されている。操舵装置6は、2分割された第1のステアリングシャフト61及び第2のステアリングシャフト62と、第1及び第2のステアリングシャフト61,62の間に介在する操舵角可変部63と、ステアリングギヤボックス64とを有している。
操舵角可変部63は、例えば、サーボモータ、及び歯数が異なる互いに噛み合った2個の差動式減速機を有し、サーボモータのトルクによって2個の差動歯車による差分だけ相対回転量(ACT角)を発生させる。この場合、サーボモータのトルクを制御することによってステアリングギヤ比を調節することが可能である。
また、ステアリングギヤボックス64は、図示しないラック・ピニオンギヤ等により、第2のステアリングシャフト62によって入力された回転力を、操舵輪である右前輪3FR及び左前輪3FLを操舵するタイロッド64R,64Lの車幅方向の運動に変換して出力する。
また、車両100には、バネ定数を調節することが可能な懸架装置7が搭載されている。懸架装置7は、右前輪3FRに対応して設けられた第1サスペンション71FRと、左前輪3FLに対応して設けられた第2サスペンション71FLと、右後輪3RRに対応して設けられた第3サスペンション71RRと、左後輪3RLに対応して設けられた第4サスペンション71RLとからなる。
第1〜第4サスペンション71FR,71FL,71RR,71RLは、例えばバネ定数を変更することが可能なエアスプリングを有し、このエアスプリングにエアタンクユニット72F,72Rから圧縮空気を流入出させることで、バネ定数を調節することが可能である。
また、車両100には、車両100の走行状態を検出する走行状態検出手段としてのセンサ群8が搭載されている。センサ群8は、例えば、車両100の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ、車幅方向の加速度を検出する横加速度センサ、上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、アクセル開度を検出するポテンショメータ、ステアリングホイール60の位相を検出する操舵角センサ、光学的な処理により走行路面の摩擦係数を検出する路面μセンサ、及び各車輪の回転速度を検出する回転速センサ等からなる。
また、車両100には、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7を制御する車両挙動制御装置としての制御ユニット1が搭載されている。制御ユニット1にはセンサ群8を構成する各種センサの検出値を示す信号が入力される。制御ユニット1は、これらの検出値に基づいて各装置を制御する。
(制御ユニット1の構成)
図2は、制御ユニット1の概略の構成例を示すブロック図である。制御ユニット1は、車両に搭載された各種の機械装置を制御する装置制御部10と、装置制御部10に指令信号を出力する協調制御部11とを有している。
(装置制御部10の構成及び処理内容)
装置制御部10は、制動装置4を制御する制動装置制御部14と、駆動力伝達装置5を制御する駆動力伝達装置制御部15と、操舵装置6を制御する操舵装置制御部16と、懸架装置7を制御する懸架装置制御部17とを有している。
制動装置制御部14は、センサ群8からの検出値に基づいて、第1ブレーキ41FR,第2ブレーキ41FL,第3ブレーキ41RR,及び第4ブレーキ41RLに付与するブレーキ油圧を制御する。この制動装置制御部14は、例えば車両100の旋回時においてアンダーステアが発生した場合に、左右輪のうち旋回の内側にあたる車輪に制動力を付与して車両の姿勢を安定化させる制御を行う。また、車両100の旋回時においてオーバーステアが発生した場合には、左右輪のうち旋回の外側にあたる車輪に制動力を付与して車両の姿勢を安定化させる制御を行う。
制動装置制御部14は、予め記憶された制動力マップに基づいて制動力を決定する。この制動力マップは、アンダーステア又はオーバーステアの大きさに応じて制動力が増大するとともに、アクセル開度の増大に応じて制動力が減少し、また路面の摩擦係数の低下に応じて制動力が増大するように設定されている。
アクセル開度の増大に応じて制動力を減少させるのは、アクセル開度が比較的大きい場合は運転者が加速を意図しているために、制動力を抑制することが望ましことを考慮したものである。また、路面の摩擦係数の低下に応じて制動力を増大させるのは、路面の摩擦係数が小さい場合には他の機械装置による車両挙動の安定化制御が十分には期待できないとともに、路面の摩擦係数が小さい場合には車両100を減速させることによる影響も比較的小さいことを考慮したものである。
制動装置制御部14は、このようにして決定した制動力の大きさを示す情報を、制御量情報として協調制御部11に出力する。
駆動力伝達装置制御部15は、センサ群8からの検出値に基づいて、駆動力伝達装置5による前側駆動軸5Fと後側駆動軸5Rとの間の駆動力の伝達量を制御する。この駆動力伝達装置制御部15は、予め記憶されたトルクマップに基づいて駆動力伝達量を決定する。このトルクマップは、車両100の旋回時においてアンダーステアが発生した場合に駆動力伝達量を増大させ、オーバーステアが発生した場合には駆動力伝達量を減少させるとともに、車速の増大に応じて駆動力伝達量が減少するように設定されている。
アンダーステアが発生した場合に駆動力伝達量を増大させるのは、左右後輪3RR,3RLに伝達される駆動力を増大させて左右後輪3RR,3RLの横力を減少させ、左右後輪3RR,3RLを旋回外側に流すことによってアンダーステアを解消することを意図したものである。オーバーステアが発生した場合には駆動力伝達量を減少させるのは、左右後輪3RR,3RLに伝達される駆動力を減少させて左右後輪3RR,3RLの横力を増大させ、オーバーステアを解消することを意図したものである。また、車速の増大に応じて駆動力伝達量を減少させるのは、高速旋回時には駆動力伝達量の制御よりも他の機械装置の制御によって挙動を安定化させた方が効率的だからである。
駆動力伝達装置制御部15は、このようにして決定した駆動力伝達量を示す情報を、制御量情報として協調制御部11に出力する。
操舵装置制御部16は、センサ群8からの検出値に基づいて、操舵装置6のステアリングギヤ比を制御する。この操舵装置制御部16は、予め記憶されたギヤレシオマップに基づいてステアリングギヤ比を決定する。このギヤレシオマップは、車両100の旋回時においてアンダーステアが発生した場合にステアリングギヤ比を減少させ、オーバーステアが発生した場合にはステアリングギヤ比を増大させるとともに、車両100の加速度の大きさに応じてステアリングギヤ比を減少させ、車両100の減速度の大きさに応じてステアリングギヤ比を増大させるように設定されている。
アンダーステアが発生した場合にステアリングギヤ比を減少させるのは、既に左右前輪3FR,3FLのグリップ力が限界であると考えられるので、操舵装置6の制御による挙動安定化の効果が大きくは期待できないためである。オーバーステアが発生した場合にはステアリングギヤ比を増大させるのは、いわゆるカウンターステアを適切に行わせてオーバーステアを解消することを意図したものである。
また、車両100の加速度の大きさに応じてステアリングギヤ比を減少させるのは、加速時には左右前輪3FR,3FLの荷重が定速走行時に比較して小さくなるため、ステアリングギヤ比の制御による挙動安定化の効果が大きくは期待できないためである。車両100の減速度の大きさに応じてステアリングギヤ比を増大させるのは、減速時には左右前輪3FR,3FLの荷重が定速走行時に比較して大きくなるため、ステアリングギヤ比の制御による挙動安定化の効果が見込めるためである。
操舵装置制御部16は、このようにして決定したステアリングギヤ比を示す情報を、制御量情報として協調制御部11に出力する。
懸架装置制御部17は、センサ群8からの検出値に基づいて、懸架装置7のバネ定数を制御する。この懸架装置制御部17は、予め記憶されたバネ定数マップに基づいて懸架装置7のバネ定数を決定する。このバネ定数マップは、車速の増大に応じてバネ定数を大きくするとともに、車高の時間当たりの変化量の大きさに応じてバネ定数を小さくするように設定されている。車高の時間当たりの変化量としては、例えば所定時間前から処理時までの間における車高の変化量の積分値を用いることができる。
車速の増大に応じてバネ定数を大きくするのは、高速走行時にはバネ定数を大きくすることで車両100の挙動を安定化させることができるためである。また、車高の時間当たりの変化量の大きさに応じてバネ定数を小さくするのは、走行路面の凸凹が激しい場合には、バネ定数を小さくすることで車両100の挙動を安定化させることができるためである。
懸架装置制御部17は、このようにして決定したバネ定数を示す情報を、制御量情報として協調制御部11に出力する。
(協調制御部11の構成及び処理内容)
図2に示すように、協調制御部11は、制御量情報取得手段111及び制御量調整手段112を有している。
制御量情報取得手段111は、装置制御部10の制動装置制御部14,駆動力伝達装置制御部15,操舵装置制御部16,及び懸架装置制御部17から制御量情報を取得する。
制御量調整手段112は、制御量情報取得手段111が取得した制御量情報に基づいて、装置制御部10に制御量を減少させる指令信号を出力する。
図3は、協調制御部11の処理手順の一例を示すフローチャートである。協調制御部11は、CPU(Central Processing Unit)が予め記憶されたプログラムに従って動作することにより制御量情報取得手段111及び制御量調整手段112として機能し、このフローチャートに示す処理を所定の制御周期で繰り返し実行する。
制御量情報取得手段111は、センサ群8からの検出値に基づいて、車両100の挙動の乱れがあるか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、例えば前後加速度センサ、横加速度センサ、上下加速度センサ、又はヨーレートセンサの検出値が所定の閾値を超えたか否かによって行うことができる。この判定の結果、挙動の乱れがない(S1:No)場合には、この処理を終了する。
制御量情報取得手段111は、挙動の乱れがある(S1:Yes)場合には、制動装置制御部14,駆動力伝達装置制御部15,操舵装置制御部16,及び懸架装置制御部17から制御量情報を取得する(ステップS2)。
次に、制御量調整手段112は、ステップS2で取得した制御量情報に基づいて、制御量に応じた評価値を演算する(ステップS3)。より詳細には、ステップS2で取得した制御量情報に示される各制御量に所定の係数を乗じて、それぞれの評価値を演算する。この係数は、制御対象の装置ごとに予め定められた固定値でもよく、例えばセンサ群8からの検出値を引数とする関数値であってもよい。
なお、これらの係数は、それぞれ単位等が異なる各制御量に対して加算等の演算処理を行うためのものであり、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7の制御量に対応して、これら機械装置の協調制御が適切に実行されるように勘案して設定された固定値又は関数値である。
次に、制御量調整手段112は、ステップS3で演算した各制御量の評価値を合計した値を演算する(ステップS4)。
次に、制御量調整手段112は、ステップS3で演算した各制御量の評価値を、ステップS4で演算した各評価値の合計値で除した商を演算する(ステップS5)。以下、この商を分担係数という。
次に、制御量調整手段112は、ステップS2で取得した各制御量情報に示される制御量に分担係数を乗じた積を制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7について演算する(ステップS6)。以下、この積を修正制御量という。
次に、制御量調整手段112は、制動装置制御部14,駆動力伝達装置制御部15,操舵装置制御部16,及び懸架装置制御部17にステップS6で求めた修正制御量の情報を含む指令信号を出力し(ステップS7)、協調制御部11の処理を終了する。
制動装置制御部14,駆動力伝達装置制御部15,操舵装置制御部16,及び懸架装置制御部17は、協調制御部11から出力された指令信号を受け付け、その指令信号に含まれる修正制御量に基づいて各機械装置の制御を行う。例えば、ステップS5で求めた分担係数が0.5であった場合、修正制御量は制御量の50%となるので、各制御部14,15,16,17がセンサ群8からの検出値に基づいて決定した制御量の半分の制御量となるように、各機械装置が制御されることとなる。
より具体的に、例えば制動装置制御部14,駆動力伝達装置制御部15,操舵装置制御部16,及び懸架装置制御部17がセンサ群8からの検出値及びマップに基づいて決定した制御量の評価値がそれぞれ20,12,8,10であった場合、評価値の合計値は50であるので、各機械装置に対応する分担係数はそれぞれ0.4,0.24,0.16,0.2となる。
従って、制動装置制御部14はセンサ群8からの検出値及びマップに基づいて決定した制動力を40%に低減して制動装置4の制御を行う。以下同様に、駆動力伝達装置制御部15は駆動力伝達量を24%に低減して駆動力伝達装置5の制御を行う。操舵装置制御部16はステアリングギヤ比を16%に低減して操舵装置6の制御を行う。懸架装置制御部17は、バネ定数を20%に低減して懸架装置7の制御を行う。
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下に示す作用及び効果が得られる。
(1)制動装置制御部14がセンサ群8からの検出値及び制動力マップに基づいて設定した制動力よりも実際の制御に適用される制動力が減少するので、車両挙動制御における制動装置4による介入量を抑制し、燃費の低下を抑制することが可能となる。
(2)制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7のそれぞれの制御量が調整されるので、車両の挙動制御が過制御となることを抑制し、適切に車両の姿勢や走行状態を安定化させることができる。
(3)上記の処理手順に示すように、修正制御量は比較的容易な計算手順で求めることができるので、演算負荷を低減するとともに、演算処理を短時間で実行することができる。
(4)制動装置制御部14は、アクセル開度の増大に応じて制動力を減少させるので、加速時における挙動制御のための制動装置4の作動によって車両100が減速又は加速度が小さくなることを抑制することができる。
以上、本発明の車両挙動制御装置を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、車両100は、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7の全てを備えたものに限らず、制動装置4と、駆動力伝達装置5,操舵装置6,及び懸架装置7の少なくとも何れかとを備えていれば、本発明を適用することが可能である。
また、車両100は、制動装置4,駆動力伝達装置5,操舵装置6,懸架装置7以外の車両の挙動を変化させることが可能な機械装置を含んでもよい。例えば、エンジンのトルクを運転者のアクセル操作に関わらず制御することが可能な装置を搭載した車両にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、前輪及び後輪を駆動することが可能な四輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、前輪のみ又は後輪のみを駆動する二輪駆動車に本発明を適用してもよい。
1…制御ユニット、2…エンジン、3FL…左前輪、3FR…右前輪、3RL…左前輪、3RR…右後輪、4…制動装置、5…駆動力伝達装置、5F…前側駆動軸、5R…後側駆動軸、6…操舵装置、7…懸架装置、8…センサ群、10…装置制御部、11…協調制御部、14…制動装置制御部、15…駆動力伝達装置制御部、16…操舵装置制御部、17…懸架装置制御部、20…エンジン、21…トランスミッション、22…トランスファ、31FR,31FL…前輪駆動シャフト、31RR,31RL…後輪駆動シャフト、32…ディファレンシャル装置、41FL,41FR,41RL,41RR…ブレーキ、42…マスタシリンダ、60…ステアリングホイール、61,62…ステアリングシャフト、63…操舵角可変部、64…ステアリングギヤボックス、64R,64L…タイロッド、71FR,71FL,71RR,71RL…サスペンション、72F,72R…エアタンクユニット、100…車両、111…制御量情報取得手段、111…制御量取得手段

Claims (3)

  1. 車両の走行状態に基づいて、各車輪に制動力を付与する制動装置及びその他の車両の挙動を変化させることが可能な機械装置をそれぞれ制御する装置制御部と、
    前記装置制御部から制御対象の装置に対する制御量を示す情報を取得する取得手段、及び前記取得した情報に基づいて、前記制動装置及び前記機械装置の制御量を減少させる指令信号を出力する制御量調整手段を有する協調制御部と
    を備えた車両挙動制御装置。
  2. 前記機械装置は、駆動源側から車輪側への駆動力の伝達量を調節することが可能な駆動力伝達装置、操舵輪の操舵角を調節することが可能な操舵装置、及び車高を調節することが可能な懸架装置のうち少なくとも何れかを含む請求項1に記載の車両挙動制御装置。
  3. 前記協調制御部は、前記装置制御部の各制御量に応じた評価値をそれぞれ演算し、前記各評価値を合計した値に対する前記各評価値の割合に基づいて、前記制動装置及び前記機械装置の制御量を減少させる指令信号を出力する請求項1又は2に記載の車両挙動制御装置。
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