JP2012121813A - 皮膚塗布剤 - Google Patents

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聡 東條
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Abstract

【課題】液体成分として陰イオン性界面活性剤であるN−アシルグルタミン酸又はその塩を含有しながら、二酸化炭素をより高濃度で溶存してなり、容器から吐出した後においても高濃度の二酸化炭素を供給することができる皮膚塗布剤を提供する。
【解決手段】耐圧容器内に、(A)アシル基の炭素数が8〜18であるN−アシルグルタミン酸又はその塩 0.05〜15.0質量%、(B)融点25℃以上で炭素数14〜20の高級アルコール、及び(C)二酸化炭素を含む液体を含有し、成分(A)に対する成分(B)のモル比((B)/(A))が0.1以上であり、耐圧容器内の液体中に二酸化炭素が500〜25,000ppm溶存してなり、かつ耐圧容器内の内圧が25℃で0.7MPa未満となるように充填してなる皮膚塗布剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化炭素を溶存してなる皮膚塗布剤に関する。
二酸化炭素(炭酸ガス)が皮膚に作用すると皮膚の血行が促進されることから、二酸化炭素を含有させた化粧料に、噴射剤として液化石油ガス(LPG)や圧縮ガス等を併用してエアゾールフォームとすることにより、有効成分を簡便かつ効果的に塗布することができるフォーム剤が提案されている。このようなフォーム剤は、使用方法や目的に応じて多様なフォーム性能(泡質、泡もちや安定性、塗布性等)が要求され、各種検討がなされている。特に、液化石油ガスは引火性が強く、低温時の発泡性に劣るという問題があるため、この点も加味しながら内圧や原液組成の設計をする必要がある。
例えば、特許文献1には、水及び界面活性剤を含有する水性原液に、液化石油ガスと圧縮ガスとして炭酸ガスを併用することにより、火気に対する安全性が高く、低温時でも発泡性に差がみられないエアゾールフォーム組成物が開示されている。さらに、炭酸ガスを使用した血行促進作用を目的としたエアゾール剤として二酸化炭素にイソペンタン、n−ペンタン等の特定の炭化水素を用いてフォーム剤の泡持続性を改善した発泡性皮膚血行促進剤(特許文献2)が知られている。
一方、エアゾールフォーム組成物においては、一般に、上記ガス組成に加えて原液組成もフォーム性能に影響を与えるものである。また、原液に配合されている界面活性剤は、配合量や種類によっては刺激性を生じる場合があるものの、陰イオン性界面活性剤の一種であるN−アシルアミノ酸類は、肌への刺激性が少ないため、これを配合したフォーム剤も開発されている(特許文献3)。かかるフォーム剤は、使用時の刺激性が少なく、血行促進効果にも優れ、良好な泡沫を保持することのできるものである。
特開2001−72543号公報 特許3929936号公報 特開2010−248098号公報
しかしながら、容器内で高濃度の二酸化炭素をより安定に溶存させつつ、容器から吐出した後にも長時間に亘って高濃度の二酸化炭素を皮膚に供給するには、依然として液体成分の組成を改善する必要がある。
従って、本発明の課題は、斯かる実情に鑑み、容器から吐出した直後から高濃度の二酸化炭素を長時間に亘って皮膚に供給することができる皮膚塗布剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく種々検討した結果、耐圧容器内の液体中に溶存する二酸化炭素量を500〜25,000ppmとし、かつ、特定の炭素数のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩と、特定の高級アルコールとを特定のモル比で含有させることにより、容器から吐出した直後から高濃度の二酸化炭素を長時間に亘って皮膚に供給できる皮膚塗布剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、耐圧容器内に、次の成分(A)〜(C):
(A)アシル基の炭素数が8〜18であるN−アシルグルタミン酸又はその塩 0.05〜15.0質量%、
(B)融点25℃以上で炭素数14〜20の高級アルコール、及び
(C)二酸化炭素
を含む液体を含有し、成分(A)に対する成分(B)のモル比((B)/(A))が0.1以上であり、耐圧容器内の液体中に二酸化炭素が500〜25,000ppm溶存してなり、かつ耐圧容器内の内圧が25℃で0.7MPa未満となるように充填してなる皮膚塗布剤を提供するものである。
本発明の皮膚塗布剤によれば、二酸化炭素を高濃度に安定して溶存してなる液体が充填されてなり、容器から吐出した直後の泡沫も二酸化炭素を高濃度に含有し、かかる泡沫に長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を保持しながら皮膚に供給することが可能であるため、皮膚上で良好な血行促進効果を発揮することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる(A)N−アシルグルタミン酸又はその塩は、耐圧容器内の液体中に含まれ、アシル基が炭素数8〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有しており、このようなアシル基としては、例えばカプリロイル基、エチルヘキサノイル基、カプリノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレオイル基、リノレオイル基、ココイル基(ヤシ油脂肪酸アシル基)、パーム油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基、牛脂脂肪酸アシル基、直鎖及び分岐合成脂肪酸アシル基等が挙げられる。アシル基の炭素数が上記範囲内であると、弾力性の高い泡を形成して二酸化炭素を泡沫内部に気体として保持するのみならず、泡沫の液体部分に充分に二酸化炭素を溶存させ、かかる液体部分から大気へ揮散する二酸化炭素を有効に抑制し、高濃度の二酸化炭素を皮膚に供給することが可能である。なかでも、上記効果に優れる観点から、炭素数12〜18のアシル基が好ましく、炭素数14〜16のアシル基がより好ましい。具体的には、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ココイル基、パーム油脂肪酸アシル基が好ましい。また、(A)N−アシルグルタミン酸又はその塩におけるグルタミン酸部分としては、D体、L体あるいはD体とL体の混合物のいずれでもよいが、L体が好ましい。
(A)N−アシルグルタミン酸又はその塩は、酸、それらの塩、或いは一部が塩の状態で用いられてもよい。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の無機塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等の有機アミン塩、あるいはアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸塩等の有機塩が挙げられる。なかでも、二酸化炭素保持性及び安定性の観点や、入手の容易性、取り扱い性等の観点から、アルカリ金属塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が好ましく、特にナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩が好ましい。
具体的には、N−カプリロイル−L−グルタミン酸、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ミリストイル−L−グルタミン酸、N−パルミトイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ココイル−L−グルタミン酸、N−パーム油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−牛脂脂肪酸アシル−L−グルタミン酸等が挙げられ、更にこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。なかでも、二酸化炭素保持性や起泡性、低温安定性等の観点から、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸カリウム、N−パーム油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−パーム油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウムが好ましい。
本発明において(A)N−アシルグルタミン酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてよい。成分(A)は、二酸化炭素保持性や安定性の観点から、耐圧容器内の液体全量中における含有量が0.05〜15.0質量%であり、0.1〜5.0質量%が好ましい。
本発明で用いる(B)高級アルコールは、耐圧容器内の液体中に含まれ、融点25℃以上であり、かつ炭素数が14〜20のものである。このような成分(B)であると、上記成分(A)と、高濃度に溶存する成分(C)二酸化炭素とが相まって、泡沫内部に気体として存在する二酸化炭素を保持するのみならず、さらに泡沫の液体部分に溶存する二酸化炭素を堅固に保持して、該液体部分から大気へ揮散する二酸化炭素を吐出直後から有効に防止するとともに、泡膜の薄化を遅らせることができる。このような成分(B)としては、具体的には、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール等が挙げられる。なかでも、二酸化炭素保持性と耐圧容器内の液体の安定性の観点から、炭素数14〜18のものが好ましく、炭素数14〜16のものがより好ましい。なお、本発明において融点25℃以上とは、融点に幅がある場合その下限値を意味する。
本発明において、耐圧容器内の液体中の上記成分(A)に対する成分(B)のモル比((B)/(A))は、0.1以上であり、0.1〜5.0であるのが好ましく、0.2〜3.0であるのがより好ましく、0.3〜1.5であるのが特に好ましい。((B)/(A))が上記範囲内であることにより、成分(A)と成分(B)と高濃度に溶存する成分(C)二酸化炭素が相まって、上述のとおり、長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を保持することができる。
また、成分(A)のアシル基の炭素数と成分(B)の炭素数との差は、0〜6であるのが好ましく、0〜4であるのがより好ましい。これらの炭素数の差が上記範囲内であると、二酸化炭素保持効果を充分に発揮しやすく、長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を保持することができる。
本発明において(B)高級アルコールは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(B)は、二酸化炭素保持性や安定性の観点から、耐圧容器内の液体全量中における含有量は0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
成分(C)の二酸化炭素は、本発明では、容器から吐出して皮膚に塗布した直後から高濃度の二酸化炭素を充分に供給する点から、耐圧容器内の液体中に500〜25,000ppm溶存するように、上記成分(A)及び成分(B)とともに気体として耐圧容器内に充填する。その溶存量は1,000〜20,000ppmが好ましく、3,000〜18,000ppmがより好ましい。なお、成分(C)の二酸化炭素は、本発明の皮膚塗布剤の有効成分であり、また噴射剤としても機能する成分であって、これを皮膚に適用したとき発泡する。そして、皮膚上において、泡沫内部の気体状の二酸化炭素及び液体部分に溶存している二酸化炭素は、皮膚の血行を促進する作用を有する。なお、耐圧容器内の液体中に溶存している二酸化炭素の測定方法は、25℃雰囲気下で耐圧容器から吐出し、全吐出物中に含まれる二酸化炭素濃度を測定した数値とする。炭酸ガス測定器は、Orion社製、二酸化炭素電極モデル9502BNを用いた。
本発明では、更に成分(D)炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれる炭化水素混合物を含有するのが好ましい。かかる成分(D)は、本発明の皮膚塗布剤を皮膚に適用するとき、二酸化炭素とともに発泡する作用を有する。(D)炭化水素混合物は、本発明の塗布剤が耐圧容器内の内圧において25℃で0.7MPa未満を維持し、かつ容器から吐出した直後から高濃度の二酸化炭素を長時間に亘って皮膚に供給して充分な血行促進効果を発現する観点から、35℃における蒸気圧が0.1MPa以上0.5MPa未満の飽和炭化水素が60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、さらにまた90〜100質量%、特に95〜100質量%であるのが好ましい。かかる35℃における蒸気圧が0.1MPa以上0.5MPa未満の飽和炭化水素としては、具体的には、イソブタン、ノルマルブタン、ネオペンタン、イソペンタン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、低温における泡が良好となる点でイソブタン、ノルマルブタンが好ましく、経済性を考慮するとノルマルブタンとイソブタンとを併用することが特に好ましい。また、炭素数5の炭化水素としては、イソペンタンが好ましい。
なお、通常の場合、液化石油ガス(LPG)はプロパン及びブタンの混合物であって、目的に応じてこれらの比率を調整した混合ガスとして流通している。本発明においては、耐圧容器内を低圧下にし、容器から吐出した直後から長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を皮膚に供給するために、35℃における蒸気圧が高い炭化水素の含有量が少ないことが好ましい。そのため、プロパンは実質的に配合しないことが好ましいが、工業的な入手性を考慮すると、LPGに含まれるノルマルブタン及び/又はイソブタン:プロパン(質量比)は、60:40〜100:0であることが好ましく、さらに70:30〜100:0、特に90:10〜99.5:0.5であることが好ましい。
耐圧容器内の上記(C)二酸化炭素と(D)炭化水素混合物との含有量の質量比((C):(D))は、20:80〜100:0であるのが好ましく、30:70〜95:5であるのがさらに好ましく、特に35:65〜90:10であるのが好ましい。かかる成分(D)を成分(C)との間で上記質量比となる量で含有することにより、本発明の皮膚塗布剤が耐圧容器内の内圧において25℃で0.7MPa未満を維持させる作用を発揮するとともに、容器から吐出した直後から高濃度の二酸化炭素を保持する効果を促進するので、良好な血行促進効果を発揮することができる。また、成分(B)が耐圧容器内でゲル化して、充分な効果が発揮できなくなるのを有効に防止することもできる。
本発明において上記成分(D)の含有量は、良好な二酸化炭素保持性及び血行促進効果の両者を満足させるうえで、耐圧容器内の液体全量中、好ましくは0.1〜4.0質量%であり、より好ましくは0.2〜3.0質量%であり、特に好ましくは0.3〜2.5質量%である。
本発明では、耐圧容器内の液体中に、更に、成分(E)の糖型非イオン性界面活性剤を含むのが好ましく、耐圧容器内の液体全量中における含有量は、好ましくは0.01〜25.0質量%であり、より好ましくは0.5〜12.0質量%であり、更に好ましくは1.0〜8.0質量%である。かかる成分(E)としては、アルキルサッカライド型非イオン性界面活性剤、糖アミド型非イオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルサッカライド型非イオン性界面活性剤としては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
1−O−(R2O)t−(G)p
[式中、R1は炭素数6〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルケニル又はアルキルフェニル基を示し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6の還元糖を示し、tは0〜10の数を示し、pは1〜10の数を示す。]
なかでも、高温での安定性の点から、アルキルポリグルコシドが好ましく、特に炭素数8〜16のアルキルポリグルコシドが好ましい。成分(E)を上記範囲内で含有すると、上記成分(B)高級アルコールをより安定した状態で良好に分散させることができ、吐出後の二酸化炭素の保持性が向上する。
なお、糖アミド型非イオン性界面活性剤としては、N−ラウリン酸メチルグルカミドなどのN−アルキルメチルグルカミド等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤としては、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、ショ糖脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記(A)N−アシルグルタミン酸又はその塩と(E)糖型非イオン性界面活性剤との含有量の質量比((A):(E))は、20:80〜80:20であり、好ましくは25:75〜75:25であり、より好ましくは40:60〜75:25である。また、上記(B)高級アルコールと(E)糖型非イオン性界面活性剤との含有量の質量比((B):(E))は、20:80〜85:15であり、好ましくは25:75〜80:20であり、より好ましくは45:55〜75:25である。成分(E)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の含有量との間で上記範囲内の質量比を有することにより、耐圧容器内で高温環境下での安定性が向上し、ゲル化による吐出不良を抑制することができる。
本発明の皮膚塗布剤において、耐圧容器内に封入する原液のpHは、二酸化炭素を高濃度に溶存させて、優れた血行促進効果を得る点から、2.5〜7、特に4〜6.5が好ましい。これらの範囲にpHを調整する際のpH調整剤として、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、あるいはリン酸又はそれらの塩等が利用できる。
本発明の皮膚塗布剤において、耐圧容器内に封入する原液の粘度は、皮膚上に塗布した際に泡沫の二酸化炭素を保持し良好な血行促進効果及び良好な使用感(良好な塗布性・べたつかない)を満足させるため、又は必要に応じて配合される上記成分(D)の分散あるいは乳化状態を安定に保つために、100〜3,000mPa・sであるのが好ましく、200〜2,500mPa・sであるのがより好ましく、特に250〜2,000mPa・sであるのが好ましい。特に、耐圧容器内で上記成分(D)が分離して良好に二酸化炭素を保持できなくなるのを防止するためには、100mPa・s以上とすることが好ましい。
本発明では、耐圧容器内の液体中に、更に(F)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含むのが好ましく、耐圧容器内の液体全量中における含有量は、0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。かかる成分(F)として、具体的には、Lubrizol Advanced Materials,Inc.のPEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2、カーボポール1382、カーボポールETD2020、カーボポールUltrez20、カーボポールULTREZ21等の市販品を使用できる。成分(F)を上記範囲内で含有すると、上記成分(B)高級アルコールをより安定した状態で良好に分散させることができ、吐出後の二酸化炭素の保持性が向上する。
本発明の皮膚塗布剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、水、低級アルコール類、油剤、上記成分(B)以外の高級アルコール、保湿剤、上記成分(A)及び(E)以外の界面活性剤、上記成分(F)以外の増粘剤、香料、植物エキス類、殺菌・防腐剤、キレート剤等を含有させることができる。
本発明の皮膚塗布剤は、上記成分(A)〜(C)及び必要に応じて成分(D)〜(F)を含有するが、具体的には、上記成分(A)及び(B)、並びに必要に応じて成分(E)及び/又は成分(F)を含有する液体(原液)と、成分(C)及び必要に応じて成分(D)とを、耐圧容器内に内圧が0.7MPa未満(25℃)となるように封入して得られるものである。これにより、上記成分を封入した後の耐圧容器内の液体中に、高濃度の二酸化炭素が溶解することとなる。
耐圧容器としては、内容液を泡状にして吐出できる形態であればよく、例えば、通常の単室構造の缶が使用でき、また、容器材質としてはアルミニウム、ブリキ等の金属製容器のみならず、アセタール系樹脂、ポリカーボネート系の樹脂等の合成樹脂容器、ガラス等の容器も圧力限界内であれば利用できる。特に工業的に1回で高圧の二酸化炭素を充填する場合には、アルミニウムの容器肉厚を調整したインパクト缶等が好ましい。また、耐圧容器内に内袋をもつ二重容器も利用できる。二重容器の場合、本発明の皮膚塗布剤は内袋の中に充填され、耐圧容器と内袋との間に別に噴射ガスが充填される。この噴射ガスは、一般的にエアゾールにて用いられるガスであれば使用することができる。
耐圧容器内の圧力は、25℃において0.7MPa未満であるが、液体中に高濃度の二酸化炭素を溶存させる点から、0.4MPa以上0.7MPa未満、さらに0.45MPa以上0.7MPa未満、特に0.5〜0.68MPaであることが好ましい。
本発明の皮膚塗布剤は皮膚上に適用し、生じた泡を皮膚上に拡げることにより使用するのが好ましい。ここで皮膚上への適用手段としては、所望の皮膚上に直接吐出して、その場で二酸化炭素による泡を形成させてもよいが、手に吐出してかかる泡を形成させ、その泡を所望の皮膚上に塗布してもよい。本発明の皮膚塗布剤に高濃度で溶存された二酸化炭素は、皮膚上に拡げる操作や軽いマッサージ等を行っても、長時間安定に保持されてなることから、高濃度の二酸化炭素が皮膚に長時間有効に作用し、優れた血行促進効果を奏する。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、所望の物性については、以下の方法に従って測定した。
《粘度》
原液の粘度は、BM型粘度計(東機産業(株))を用いて、測定温度を25℃とし、常圧にて30rpm、1分間の測定条件により測定した(ロータNo.は原液の粘度に合わせて選定した)。
《pH》
原液のpHは、pHメータ((株)堀場製作所製F−52)を用いて、測定温度を25℃とし、測定した。
《耐圧容器内の内圧》
デジタル圧力ゲージPG−208(日本電産コパル電子(株))を用い、25℃の耐圧容器内の平衡圧力を測定した。
《炭酸ガス濃度及び炭酸ガス保持性》
25℃雰囲気下で耐圧容器から塗布剤を吐出し、吐出直後から炭酸ガス濃度が50ppm以下になるまで1分経過ごとに測定した。炭酸ガス測定器は、東亜ディーケーケー社製、ポータブルイオン・pH計IM−32P(炭酸ガス電極CE−2041)を用いた。炭酸ガス保持性は、初期の炭酸ガス濃度を基準として所定の時間経過後における炭酸ガスの残存率(%)により評価した。
[実施例1〜17、比較例1〜6]
表1〜2に記載の処方に従って、成分(C)及び成分(D)以外の成分を含む原液を調製して、耐圧容器(アルミニウム製の単層缶、武内プレス工業社製)に充填した後、炭化水素混合物(D)、二酸化炭素(C)の順に充填し、皮膚塗布剤を得た。得られた塗布剤の各物性の測定結果を表1〜2に示す。このとき、得られたものの耐圧容器内の内圧は全て25℃で0.7MPa未満であり、耐圧容器内の液体中に溶存する二酸化炭素の量は全て500〜25,000ppmであった。
Figure 2012121813
※1:アミソフト LS-11(F)、平均分子量355、味の素(株)製
※2:アミソフト CS-11(F)、平均分子量359、味の素(株)製
※3:アミソフト MS-11、平均分子量383.5、味の素(株)製
※4:アミノサーファクトAEMS-P2、平均分子量404(計算値)、旭化成ケミカルズ(株)製
※5:アミソフト GS-11、平均分子量420、味の素(株)製
※6:アミソフト HS-11、平均分子量432、味の素(株)製
※7:カルコール 4098、融点37〜40℃、花王(株)製
※8:カルコール 6098、融点48〜51℃、花王(株)製
※9:カルコール 8098、融点57〜60℃、花王(株)製
※10:カルコール 220-80、融点67〜73℃、花王(株)製
※11:カルコール 200GD、融点-13℃、花王(株)製
※12:カルコール 2098、融点23.5〜26.5℃、花王(株)製
※13:PEMULEN TR-1、Lubrizol Advanced Materials, Inc.
※14:20℃での蒸気圧 0.15MPa、ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=71:28:1質量%
※15:テ゛イクエスト 2010CS、サーモフォスジャパン(株)製
Figure 2012121813
※1〜※15は表1と同じ。
表1〜2によれば、実施例1〜17は、成分(B)を含有しない比較例1〜2、炭素数14未満の高級アルコールを含有する比較例5〜6、炭素数が20を超える高級アルコールを含有する比較例3、及び融点が25℃未満の高級アルコールを含有する比較例4に比して、容器から吐出した直後から長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を保持できることがわかる。
[実施例18〜27、比較例7〜8]
表3に記載の処方に従って、実施例1と同様にし、皮膚塗布剤を得た。得られた塗布剤の各物性の測定結果を表3に示す。このとき、得られたものの耐圧容器内の液体中に溶存する二酸化炭素の量は全て500〜25,000ppmであった。
Figure 2012121813
※1〜※15は表1と同じ。
※16:20℃での蒸気圧 0.20MPa、ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=66:26:8質量%
※17:20℃での蒸気圧 0.44MPa、ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=40:16:44質量%
※18:マイト゛ール10、花王(株)製
表3によれば、実施例18〜27は、成分(B)を含有しない比較例7〜8に比して、容器から吐出した直後から長時間に亘り高濃度の二酸化炭素を保持できることがわかる。
[実施例28〜46]
表4〜5に記載の処方に従って、耐圧容器をアルミニウム製の単層缶からガラス製へ変更した以外は実施例1と同様にし、皮膚塗布剤を得た。得られた塗布剤を50℃で1か月間保存し、保存後における安定性について、以下の基準に従って評価した。結果を表4〜5に示す。このとき、得られたものの耐圧容器内の内圧は全て、25℃で0.7MPa未満であり、耐圧容器内の液体中に溶存する二酸化炭素の量は全て500〜25,000ppmであった。
《50℃1か月安定性》
5:変化なし
4:増粘傾向にあるが、流動性あり。
3:ゲル化し、流動性が低下するが、容器から吐出可能。
2:ゲル化し、容器から吐出しづらい。
1:ゲル化し、容器から吐出できない。
Figure 2012121813
※1〜※18は表3と同じ。
Figure 2012121813
※1〜※18は表3と同じ。
表4〜5によれば、実施例28〜46は、高温環境下の安定性に優れており、吐出性に問題がなかった。

Claims (6)

  1. 耐圧容器内に、次の成分(A)〜(C):
    (A)アシル基の炭素数が8〜18であるN−アシルグルタミン酸又はその塩 0.05〜15.0質量%、
    (B)融点25℃以上で炭素数14〜20の高級アルコール、及び
    (C)二酸化炭素
    を含む液体を含有し、成分(A)に対する成分(B)のモル比((B)/(A))が0.1以上であり、耐圧容器内の液体中に二酸化炭素が500〜25,000ppm溶存してなり、かつ耐圧容器内の内圧が25℃で0.7MPa未満となるように充填してなる皮膚塗布剤。
  2. 成分(A)のアシル基の炭素数と成分(B)の炭素数との差が0〜6である請求項1記載の皮膚塗布剤。
  3. 成分(A)及び(B)を含有する原液と、成分(C)とを耐圧容器内の内圧が25℃で0.7MPa未満となるように封入して得られるものである請求項1又は2に記載の皮膚塗布剤。
  4. 原液の25℃における粘度が、100〜3,000mPa・sである請求項3に記載の皮膚塗布剤。
  5. 原液のpHが、2.5〜7.0である請求項3又は4に記載の皮膚塗布剤。
  6. 更に、(D)炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれる混合物であり、前記混合物中に35℃における蒸気圧0.1MPa以上0.5MPa未満の飽和炭化水素が70〜100質量%含まれる炭化水素混合物を含有し、かつ成分(C)と成分(D)との含有量の質量比((C):(D))が、35:65〜95:5である請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚塗布剤。
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