JP2012121261A - 熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、高い機械的強度、低い線膨張係数などの優れた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの特性を維持しながら、十分な破断伸びを有し、よって複雑な形状に賦形できる熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の熱成形品の製造方法は、 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて一次延伸したのち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とする熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明の熱成形品の製造方法は、 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて一次延伸したのち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とする熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法に関する。
本出願人は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度近傍の温度で引抜延伸した後、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸する延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法を提案した。(特許文献
1)。
1)。
上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法によれば、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをガラス転移温度近傍の温度で引抜延伸することにより、高度に延伸できること、更に、引抜延伸後にロールの温度より高い温度で一軸延伸し、一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを一軸延伸温度以上の温度で熱固定することによって延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶化が図られ、引張強度、引張弾性率等の機械的特性に優れ、線膨張係数の小さな延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
しかしながら、上記製造方法で得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、上述の如き優れた物性を有しており、断面形状が一定な押出成形(延伸を含む)には適しているものの、高度にポリエステル系樹脂の結晶化が進むため、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを熱成形により複雑な形状に賦形しようとすると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが割れるなどの問題があり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの優れた特性を維持したまま、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを複雑な形状に成形することは困難であった。
本発明は、高い機械的強度、低い線膨張係数などの優れた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの特性を維持しながら、十分な破断伸びを有し、よって複雑な形状に賦形できる熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法を提供する。
本発明の熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて一次延伸したのち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とする。
先ず、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを一対の引抜ロール間に通して引抜延伸してなる延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを用意する。引抜延伸に用いられる原反となる熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレートなどが挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
原反となる熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.5〜4mmが好ましい。熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みが0.5mm未満では、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際しての強度が十分な大きさとならないことがあり、4mmを超えると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸が困難となることがあるからである。
非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが原反として用いられることが好ましく、その結晶化度は特に限定されるものではないが、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶化度は、密度法により測定されたものをいう。
熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを一対の引抜ロール間に通して引抜延伸する際の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの温度は、低温であると、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが白化し、或いは、硬すぎて裂けて引き抜くことができないことがあるので、引抜延伸する前に予め(熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30)℃以上に予熱することが好ましい。なお、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121−1987に準拠して測定されたものをいう。本発明において熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの温度とは、その表面温度をいう。
上記引抜延伸する際の一対の引抜ロールの温度は、低いと、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの温度が低下して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが白化し、高いと、引抜延伸の際の摩擦熱などにより樹脂温度が上昇して分子配向が緩和するので、(熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30)℃以上で且つ熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃未満であることが好ましく、(熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20)℃以上で且つ熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃未満がより好ましい。なお、引抜ロールの温度とは、引抜ロールの表面温度をいう。
又、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引き抜く際に、一対のロールをこれらの対向面が共に引抜方向となるように回転させることで引抜延伸の際の抵抗を低減して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの波うちの発生を抑えることができ好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの引抜延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、低すぎると引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られにくく、高いと延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、2〜9倍が好ましく、4〜8倍がより好ましい。なお、引抜延伸の延伸倍率は、延伸前のシートの断面積を延伸後のシートの断面積で除したものをいう。
本発明においては、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引抜延伸することによって得られた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをその熱成形性を阻害しない範囲内において上記引抜延伸と同一方向に一軸延伸してもよい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを一軸延伸する方法としてはロール延伸法が好適に用いられる。なお、ロール延伸法とは、一対のロールを所定間隔を存して配設してなるロール対を二組用意し、この二組のロール対を所定間隔を存して配設し、二組のロール対間に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを配設すると共に、各ロール対のロール間に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを挟持させ、一方のロール対の回転速度と、他方のロール対の回転速度とを相違させ、且つ、下流側のロール対の回転速度を上流側のロール対の回転速度より速くすることにより、加熱状態の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに引張力を加えて延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引っ張る方法であり一軸方向のみに強く分子配向させることができる。なお、ロール対間の速度比が一軸延伸の延伸倍率となる。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを一軸延伸する際の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの温度は、低いと、必要な一軸延伸の延伸倍率が得られないことがあり、高いと、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが溶融して切断されるので、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを構成している熱可塑性ポリエステル系樹脂を昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量分析によって測定して得られる示差走査熱量曲線において、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度の立ち上がり温度以上で且つ融解ピークの立ち上がり温度以下が好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は約130℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約255℃である。従って、延伸ポリエチレンテレフタレートシートを一軸延伸する際は130〜255℃で一軸延伸するのが好ましい。
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの一軸延伸の延伸倍率は、 上記一軸延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、1.1〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.2〜2倍である。また、一次延伸と一軸延伸の合計延伸倍率は、同様の理由で、2.5〜10倍が好ましい。
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートにおいては結晶化度が低いと耐熱性が低下し、また、高いと割れやすくなるので結晶化度は20〜50%が好ましく、30〜45%がより好ましい。
本発明においては、一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、耐熱性を向上させるために熱固定するのが好ましい。
熱固定温度は、引抜延伸温度より低いと熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化が進まないので耐熱性が向上せず、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度より高くなると熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶解して延伸(配向)が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、引抜延伸温度〜熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度以下が好ましい。
なお、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度は、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での測定値である。
なお、熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度は、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での測定値である。
又、熱固定する際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸され、張力がかかっていないか、非常に小さい状態では収縮するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが実質的に変化しない状態で行うことが好ましく、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。
即ち、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1になるように熱固定するのが好ましい。
熱固定する際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。
熱固定する時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さや熱固定温度により異なるが、一般に10秒〜10分が好ましい。
本発明の熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法は、上記一軸延伸され、必要に応じて熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とする。
上記アニールすることにより、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは適度な緩和が生じ、線膨張係数を低く抑えることができるだけでなく、十分な破断伸びを有し、よって複雑な形状に賦形できる熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートとなる。
なお、アニールする際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに実質的に張力がかからない状態でアニールを行う。
即ち、アニールされた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールするのが好ましい。
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。
又、短尺シートをアニールする際には、荷重がかからないよう両端部を開放して行うのが好ましい。
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。
アニールする時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜5分であり、更に好ましくは1〜2分である。
本発明の熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて一次延伸したのち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とするので、線膨張係数を低く抑えることができるだけでなく、十分な破断伸びを有し、よって複雑な形状に賦形できる熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートとなる。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製 商品名「NEH2070」、極限粘度:0.88)を押出機に供給して溶融混練しTダイから押出すことによって厚さ3.5mmで且つ幅600mmの長尺状である非晶状態のポリエチレンテレフタレートシートを得た。なお、ポリエチレンテレフタレートシートの結晶化度は3%であった。
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製 商品名「NEH2070」、極限粘度:0.88)を押出機に供給して溶融混練しTダイから押出すことによって厚さ3.5mmで且つ幅600mmの長尺状である非晶状態のポリエチレンテレフタレートシートを得た。なお、ポリエチレンテレフタレートシートの結晶化度は3%であった。
なお、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度は76.7℃、ポリエチレンテレフタレートを昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量分析によって測定して得られた示差走査熱量曲線において、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は130℃で、融解ピークの立ち上がり温度は255℃であった。
一対の直径が500mmの引抜ロールを用意し、この引抜ロールをその対向面間の距離(隙間)が0.7mmとなるように配設した。そして、ポリエチレンテレフタレートシートAに温風を吹き付けて65℃に予熱した後、このポリエチレンテレフタレートシートを70℃に保持された引抜ロール間に通して10m/分の速度で引き抜いて引抜延伸を行って延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸倍率は5倍であった。なお、引抜ロールは、これら引抜ロールの対向面が共に引抜方向となるように回転速度1m/分にて回転していた。
次に、熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を140℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定して約6倍にロール延伸し、更に一軸延伸されたポリエチレンテレフタレートシートの前後をそれぞれ一対のロールを、回転数を等しくし、延伸ポリエチレンテレフタレートシートの長さが変化しない状態とし、その両面に200℃の熱風を3分間吹付けて熱固定して、延伸倍率が約6倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートを、210℃で1分間、荷重がかからないよう両端部を開放してアニールを行い、熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
(実施例2)
アニール温度を240℃としたこと以外は実施例1と同様にして熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
(比較例1)
アニールを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートを、210℃で1分間、荷重がかからないよう両端部を開放してアニールを行い、熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
(実施例2)
アニール温度を240℃としたこと以外は実施例1と同様にして熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
(比較例1)
アニールを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
実施例1,2で得られた熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート、比較例で得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシート(以下単に「延伸シート」と記す)を以下の試験に供した。
(線膨張係数)
延伸シートを23℃50%RHで24時間調整した後、延伸シートの延伸方向に80mmの直線を描いた。しかる後、熱成形品を73℃にて30秒間に亘って加熱した後、描いた直線の長さL(mm)を測定し、下記式に基づいて線膨張係数(%)を算出した。
線膨張係数(%)=(L−80)/80/50
(引張破断伸び)
延伸シートの延伸方向の引張破断伸びをJIS K7113に準拠し引張破断伸びを測定した。
(引張弾性率)
延伸シートの延伸方向の引張弾性率をJIS K7113に準拠し引張破断伸びを測定した。
以上の結果を表1に纏めて示した。
(線膨張係数)
延伸シートを23℃50%RHで24時間調整した後、延伸シートの延伸方向に80mmの直線を描いた。しかる後、熱成形品を73℃にて30秒間に亘って加熱した後、描いた直線の長さL(mm)を測定し、下記式に基づいて線膨張係数(%)を算出した。
線膨張係数(%)=(L−80)/80/50
(引張破断伸び)
延伸シートの延伸方向の引張破断伸びをJIS K7113に準拠し引張破断伸びを測定した。
(引張弾性率)
延伸シートの延伸方向の引張弾性率をJIS K7113に準拠し引張破断伸びを測定した。
以上の結果を表1に纏めて示した。
Claims (1)
- 非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−30℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を通して引き抜いて一次延伸したのち、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂温度の融点の温度で、張力をかけない状態でアニールすることを特徴とする熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法。
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JP2010274860A JP2012121261A (ja) | 2010-12-09 | 2010-12-09 | 熱成形用延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3943276A4 (en) * | 2019-03-22 | 2022-11-23 | Kaneka Corporation | POLY(3-HYDROXYBUTYRATE) RESIN SHEET FOR HOT MOLDING, MOLDED BODY THEREOF AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF |
-
2010
- 2010-12-09 JP JP2010274860A patent/JP2012121261A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3943276A4 (en) * | 2019-03-22 | 2022-11-23 | Kaneka Corporation | POLY(3-HYDROXYBUTYRATE) RESIN SHEET FOR HOT MOLDING, MOLDED BODY THEREOF AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF |
US12209167B2 (en) | 2019-03-22 | 2025-01-28 | Kaneka Corporation | Poly(3-hydroxybutyrate) resin sheet for thermoforming, molded body formed from the sheet, and methods for producing the sheet and molded body |
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