JP2012120250A - 波形生成方法及び波形生成装置 - Google Patents
波形生成方法及び波形生成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012120250A JP2012120250A JP2010264789A JP2010264789A JP2012120250A JP 2012120250 A JP2012120250 A JP 2012120250A JP 2010264789 A JP2010264789 A JP 2010264789A JP 2010264789 A JP2010264789 A JP 2010264789A JP 2012120250 A JP2012120250 A JP 2012120250A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveform
- inverter
- pulse mode
- mode
- motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Abstract
【課題】電動機を駆動するインバータの出力電圧波形として、低次高調波を消去しつつ基本波成分の出力電圧の増大を図った電圧波形を生成すること。
【解決手段】電動機をインバータ駆動する際のインバータ電圧波形として、nパルスモードでは、スイッチ角α1〜αnが、正規化した高調波損失を正規化した基本波電力で除した値が最小となる値とする。
【選択図】図2
【解決手段】電動機をインバータ駆動する際のインバータ電圧波形として、nパルスモードでは、スイッチ角α1〜αnが、正規化した高調波損失を正規化した基本波電力で除した値が最小となる値とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、インバータ電圧波形を生成する波形生成方法等に関する。
現在、電気車や電気自動車等の自走式の移動体の駆動システムには、インバータ駆動の誘導電動機が多く用いられている。特に、電気車用のインバータには電圧形インバータが用いられ、誘導電動機は、インバータの出力電圧が低い低速域では非同期PWMで駆動され、高い電圧が必要な中高速域では、最大電圧モードである1パルスモード(矩形波通電)で駆動されるのが一般的であった。しかし、1パルスモードでは、誘導電動機に流れる電流に多くの低次高調波が含まれ、この高調波成分によって、誘導電動機で多くの損失が発生するという問題あった。
そこで、インバータにおけるスイッチング回数を増やしてパルスモードを変更することで特定の低次高調波を消去する特定高調波消去(SHE:Selected Harmonic Elimination)法が提案されている。具体的には、1パルスモードにおいては、5次高調波及び7次高調波が特に顕著に現れるが、5次高調波及び7次高調波を消去する「3パルスモード」が提案されている(例えば、非特許文献1)。また、SHE法を用いることで、5次高調波を消去する「2パルスモード」の波形も導出できる。
図2に、「2パルスモード」におけるインバータ電圧波形を示し、図3に、「3パルスモード」におけるインバータ電圧波形を示す。図2(a),図3(a)は、相電圧波形であり、図2(b),図3(b)は、このときの相間電圧波形である。
F.G.TURNBULL、「Selected Harmonic Reduction in Static D-C-A-C Inverters」、IEEE Trans. Commun. Electron.、1964、vol.83、pp.374-378
FRANZ C.ZACH、HANS ERTL、「Efficiency Optimal Control for AC Drives with PWM Inverters」、IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS、1985、VOL.IA-21、NO.4、pp.987-1000
ところが、このSHE法では、特定の低次高調波の完全な消去が可能であるが、消去した次数以外の高調波は増加することが知られている。移動体の電気的推進装置として誘導電動機を用いる場合、最終的には、推進装置としての全体的な高効率が求められる。そのため、特定の低次高調波を必ずしも完全に消去する必要はない。
一方、インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを最小化する波形を選択する方法が提案されている(例えば、非特許文献2)。具体的には、図2,図3に示したインバータ電圧波形において、スイッチ角α(α1,α2,・・)が、次式(1)で与えられる、正規化された高調波損失PHが最小となるように定められる波形である。
上式(1)において、「k」は、高調波の次数であり、k=6i±1(但し、i=1,2,・・・)、を満たす。また、「W」は、電動機定数であり、次式(2)で与えられる。
この式(2)から、5次高調波を消去する「2パルスモード(k=5)」では、スイッチ角α1=12°、が得られる。また、5次高調波及び7次高調波を消去する「3パルスモード(k=5,7)」では、スイッチ角α1=16°,α2=22°、が得られる。
しかしながら、上述の高調波損失を正規化した値PHを最小化する波形を選択する方法は、比較的出力電圧が低い場合を想定しており、基本波成分の出力電圧が最大化されていない。1パルスモードが用いられている高い電圧が必要とされる領域では、高調波損失を最小化すると同時に基本波成分の出力電圧を最大化した波形が必要とされる。以上、誘導電動機について説明したが、同期電動機についても同様なのは勿論である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電動機を駆動するインバータの出力電圧波形として、低次高調波を消去しつつ基本波成分の出力電圧の増大を図った電圧波形を生成することを目的としている。
上記課題を解決するための第1の形態は、
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法である。
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法である。
また、他の形態として、
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置を構成しても良い。
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、最大電圧モード用のインバータ電圧波形として、損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形が生成される。詳細な原理は後述するが、この第1の形態等のインバータ電圧波形によれば、電動機に流れる電流に含まれる低次高調波を消去することができ、損失低減を図ることができる。また、損失比率rHは、高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した値であり、高調波損失が同じであれば、基本波成分の大きい波形がインバータ電圧波形として生成されることになる。このため、電動機の高効率化を図ることができる。
この場合、第2の形態として、
前記損失比率rHは、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を1とした場合の値である、
波形生成方法を構成することとしても良い。
前記損失比率rHは、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を1とした場合の値である、
波形生成方法を構成することとしても良い。
第3の形態は、
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法である。
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法である。
また、他の形態として、
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置を構成しても良い。
電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置を構成しても良い。
この第3の形態等によれば、最大電圧モード用のインバータ電圧波形として、損失比率rHに電動機定数Wを乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形が生成される。詳細な原理は後述するが、この第3の形態等のインバータ電圧波形によれば、電動機に流れる電流に含まれる低次高調波を消去することができ、損失低減を図ることができる。また、損失比率rHは、高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した値であり、高調波損失が同じであれば、基本波成分の大きい波形がインバータ電圧波形として生成されることになる。このため、電動機の高効率化を図ることができる。
第4の形態として、第1〜3の何れかの形態の波形生成方法であって、
前記nパルスモードとして、2パルスモードの波形を生成する、
波形生成方法を構成しても良い。
前記nパルスモードとして、2パルスモードの波形を生成する、
波形生成方法を構成しても良い。
また、第5の形態として、第1〜3の何れかの形態の波形生成方法であって、
前記nパルスモードとして、3パルスモードの波形を生成する、
波形生成方法を構成しても良い。
前記nパルスモードとして、3パルスモードの波形を生成する、
波形生成方法を構成しても良い。
この場合、第6の形態として、
前記条件は、0より大きく0.001以下である、
波形生成方法を構成しても良い。
前記条件は、0より大きく0.001以下である、
波形生成方法を構成しても良い。
この第6の形態によれば、3パルスモードの波形は、損失比率rH、或いは、損失比率rHに電動機定数Wを乗じた値が満たすべき条件が、0より大きく0.001以下となるスイッチ角の波形として生成される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[原理]
先ず、本実施形態の原理となる、電動機の高効率化を最適とする制御方法(以下、「EOC(Efficiency Optimal Control)法」という)におけるインバータ電圧波形について説明する。但し、電動機は三相誘導電動機とし、インバータは、三相交流電圧を電動機に出力(印加)することとする。
先ず、本実施形態の原理となる、電動機の高効率化を最適とする制御方法(以下、「EOC(Efficiency Optimal Control)法」という)におけるインバータ電圧波形について説明する。但し、電動機は三相誘導電動機とし、インバータは、三相交流電圧を電動機に出力(印加)することとする。
図1は、従来の1パルスモードでの電圧波形である。図1(a)は、インバータの出力電圧波形(相電圧波形)を示し、(b)は、このときの相間電圧波形を示している。また、図2(a)は、本実施形態のEOCを用いた2パルスモード(2パルスEOC)での電圧波形である。図2(a)は、インバータ電圧波形(相電圧波形)を示し、図2(b)は、このときの相間電圧波形を示している。2パルスモードでは、スイッチ角α1を適切に設定することで、1つの高調波を消去することができる。また、図3(a)は、本実施形態のEOCを用いた3パルスモード(3パルスEOC)での電圧波形である。図3(a)は、インバータ電圧波形(相電圧波形)を示し、図3(b)は、このときの相間電圧波形を示している。3パルスモードでは、スイッチ角α1,α2を適切に設定することで、2つの高調波を消去することができる。なお、図1〜図3では、相電圧としてU相の電圧波形を示し、相間電圧としてU−V相間電圧波形を示している。
本実施形態のEOC法では、nパルスモード(n=2,3,・・・)において、インバータ電圧波形におけるスイッチ角α1〜αnは、式(3)で与えられる損失比率rHが最小となる値が最適値となる。
式(3)に示すように、損失比率rHは、正規化された高調波損失PHを、正規化された基本波電力で除した値である。すなわち、基本波電力に対する高調波損失の比率を表しており、損失比率rHを最小化することで効率を最大化できる。式(3)において、「k」は、高調波の次数である。また、「W」は、電動機定数であり、上式(2)で与えられる。
図4は、3パルスモードにおけるスイッチ角α1,α2の算出結果であり、スイッチ角α1,α2に対する損失比率rHをプロットした等値線図である。図4(a)は、力率が53%の場合を示し、図4(b)は、力率が80%の場合を示している。
図4(a),(b)を比較すると、力率が異なると、電動機定数Wが異なるために損失比率rHは異なる。しかし、力率が異なっていても、損失比率rHの分布を表す等値線図の形状はほぼ同じである。例えば、損失比率rHが0より大きく0.002以下の範囲でスイッチ角を定めれば一定の効果が得られることを示していると言える。そして、式(3)で定められる損失比率rHが最小となるスイッチ角α1,α2はほぼ等しく、α1=8.5,α2=13.8、付近の値となる。
また、図5は、3パルスモードにおける、スイッチ角α1,α2に対する、電動機定数W×損失比率rHをプロットした等値線図であり、一般的な電動機の力率の範囲である53%〜80%の範囲で力率を変化させた場合の等値線図を重ねて示している。
図5によれば、力率が異なっていても、電動機定数W×損失比率rHの分布を表す等値線図は、その値も形状もほぼ同じとなっている。すなわち、損失比率rHに電動機定数Wを乗じた値が、少なくとも0より大きく0.002以下の範囲においては、ほぼ同じ特性を示していると言える。実際、損失比率rHを最小化するスイッチ角αは、何れの力率においてもほぼ同じ値であった。なお、電動機の力率を一定値とすると、式(3)から、電動機定数Wも一定値となり、従って、損失比率rHが最小となるスイッチ角α1,α2と、W×rHが最小値となるスイッチ角α1,α2とは同じとなる。
また、図5によれば次の論理が成り立つ。すなわち、電動機定数W×損失比率rHの値は、電動機定数Wに依存しないことである。そこで、電動機定数Wを一定値、具体的には、W=1、とすると電動機定数W×損失比率rHの値は、次式(4)となる。これは、式(3)で与えられる損失比率rHを、電動機定数W=1、とした場合に相当する。
そして、図6は、W=1の場合のW×rHの値の分布を表す等値線図である。図5と比較すると、値もその分布の形状も、ほぼ同じである。従って、式(4)で求まる値が0より大きく0.002以下の範囲でスイッチ角αを定めることとすればよい。このことは、電動機(より詳細にはその電動機の力率)が何れであっても、スイッチ角は一意に定めることができることを意味する。
また、図4,図5は「3パルスモード」の場合を示しているが、スイッチ角α1=0、とした場合が「2パルスモード」に相当する。この場合、損失比率rHを最小とするスイッチ角α2(2パルスモードにおけるスイッチ角α1に該当)は、α2=9、となる。
続いて、本実施形態のEOC法による電動機の発生損失の低減について、説明する。図7は、電動機の発生損失を示すグラフである。図7では、従来の1パルスモードと、従来のSHE法による2パルスモード(2パルスSHE法)及び3パルスモード(3パルスSHE法)と、本実施形態のEOC法による2パルスモード(2パルスEOC法)及び3パルスモード(3パルスEOC法)とのそれぞれについて、電動機入力に対する発生損失の割合を示している。
図7によれば、従来の1パルスモードに対して、本実施形態のEOC法では損失の割合が減少している。つまり、本実施形態のEOC法では、従来の1パルスモードに比較して高効率化が図れていることがわかる。
また、従来のSHE法と本実施形態のEOC法とを比較すると、図7においては、ほぼ同じ効果が示されている。損失低減は、主に低次高調波の削減により達成されるため、入力に対する損失の割合を示した図7においては、SHE法もEOC法も大差なく、何れも、損失の低減に有効であることが分かる。
図8は、電動機の高調波損失及び出力電圧基本波成分を示す図である。図8では、従来の1パルスモードと、従来のSHE法による2パルスモード(2パルスSHE法)及び3パルスモード(3パルスSHE法)と、本実施形態のEOC法による2パルスモード(2パルスEOC法)及び3パルスモード(3パルスEOC法)とのそれぞれにおける、出力電圧基本波成分、及び、電動機入力に対する高調波損失の割合(高調波損失/入力)を示している。
図8によれば、高調波損失は、2パルスモード及び3パルスモードともに、本実施形態のEOC法の方が、従来のSHE法より小さい。それに加えて、出力電圧基本波成分は、2パルスモード及び3パルスモードともに、本実施形態のEOC法の方が従来のSHE法よりも5%以上向上している。このように、本実施形態のEOC法では、従来のSHE法に比較して、より多くの基本波成分を含みながらより多くの高調波成分を低減しており、電動機全体の高効率化が図れている。
本実施形態のEOC法の特徴を最大限発揮するためには、損失比率rHが最小となるスイッチ角αでインバータ電圧波形を生成することが望まれるが、制御上の精度の観点から、損失比率rHが最小となるスイッチ角αとすることは困難である場合もある。その場合には、損失比率rHに電動機定数Wを乗じた値、或いは、式(4)の値が0より大きく0.002以下の範囲となるよう、より好適には、0より大きく0.001以下の範囲となるよう、スイッチ角αを定めると良い。
[適用例]
続いて、本実施形態のEOC法の適用例として、電気車の駆動システムに適用した場合を説明する。図9は、本実施形態のEOC法を適用した電気車の主回路構成の概略図である。この電気車は、直流電化区間を走行する直流電気車であり、その主回路は、入力フィルタ回路20と、インバータ30と、電動機40と、制御装置50とを備えて構成される。
続いて、本実施形態のEOC法の適用例として、電気車の駆動システムに適用した場合を説明する。図9は、本実施形態のEOC法を適用した電気車の主回路構成の概略図である。この電気車は、直流電化区間を走行する直流電気車であり、その主回路は、入力フィルタ回路20と、インバータ30と、電動機40と、制御装置50とを備えて構成される。
入力フィルタ回路20は、フィルタリアクトル22及びフィルタコンデンサ24から成る。
インバータ30は、3相のVVVFインバータであり、直流側に入力フィルタ回路20が接続され、交流側に電動機40が接続されている。そして、インバータ30の直流側には、パンタグラフ10によって集電された直流電力が入力フィルタ回路20を介して供給され、直流側に印加された直流電圧を、制御装置50から入力されるスイッチング信号に従って三相交流電圧に変換して、電動機40に印加(出力)する。
電動機40は、インバータ30から交流電力が供給されることで車軸を回転駆動する主電動機(メインモータ)であり、例えば、三相誘導電動機で実現される。
制御装置50は、CPUや各種メモリ(ROMやRAM等)から構成されるコンピュータや各種の電子回路等によって実現され、例えば、制御ボードとして実装されたり、或いは、インバータ30を含めて一体的にインバータ装置として構成される。
また、制御装置50は、インバータ30に対する駆動指令を生成する駆動指令生成部60を有する。この駆動指令生成部60は、nパルス波形生成部62と、PWM波形生成部64とを有し、入力される電圧指令に従って、インバータ30を構成する各スイッチ素子を制御するスイッチング信号を、駆動指令として生成する。具体的には、入力される速度指令に従って、低速域では、PWM波形生成部64によって生成されたPWM波形に基づいてスイッチング信号を生成し、中高速域では、nパルス波形生成部62によって生成されたnパルス波形に基づいて、スイッチング信号を生成する。
nパルス波形生成部62は、本実施形態のEOC法によるnパルスモード(n=2,3,・・・)のインバータ電圧波形を生成する。すなわち、「2パルスモード(n=2)」で制御する場合には、図2(a)に示した相電圧波形であって、位相が互いに120°(2/3π)ずつずれた三相(U,V,W相)の電圧波形を生成する。また、「3パルスモード(n=3)」で制御する場合には、図3(a)に示した相電圧波形であって、位相が互いに120°(2/3π)ずつずれた三相(U,V,W相)の電圧波形を生成する。
このとき、スイッチ角α1〜αnは、電動機40の力率に応じて予め定められている。具体的には、図5において、「電動機定数W×損失比率rH」が所定値範囲となるスイッチ角αとする。例えば、3パルスモードでは、「電動機定数W×損失比率rH」が「0.001以下」となる範囲のスイッチ角α1,α2とする。また、2パルスモードでは、「電動機定数W×損失比率rH」が「0.002以下」となるスイッチ角α2とする。
PWM波形生成部64は、インバータ30をPWM制御するためのPWM波形を生成する。
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、電動機をインバータ駆動する駆動システムにおいて、基本波成分を大きくしつつ高調波成分を可能な限り低減し、電動機全体の高効率化が図れるインバータ電圧波形を生成することができる。
このように、本実施形態によれば、電動機をインバータ駆動する駆動システムにおいて、基本波成分を大きくしつつ高調波成分を可能な限り低減し、電動機全体の高効率化が図れるインバータ電圧波形を生成することができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)適用車両
例えば、上述の実施形態では、本実施形態のEOC法の適用例として、電気車に適用した場合を説明したが、電気車に限らず、電気的推進装置として電動機が用いられる電気自動車等の自走式車両の何れにも適用可能である。
例えば、上述の実施形態では、本実施形態のEOC法の適用例として、電気車に適用した場合を説明したが、電気車に限らず、電気的推進装置として電動機が用いられる電気自動車等の自走式車両の何れにも適用可能である。
(B)電動機
また、上述の実施形態では、誘導電動機に適用した場合を説明したが、同期電動機にも同様に適用可能である。
また、上述の実施形態では、誘導電動機に適用した場合を説明したが、同期電動機にも同様に適用可能である。
(C)適用速度域
また、上述の電気車への適用例では、中高速域において本実施形態のEOC法を適用することにしたが、低速域等の他の速度域でも適用可能である。要は、従来の1パルスモードが適用されていた最大電圧モードであれば良く、速度には無関係である。
また、上述の電気車への適用例では、中高速域において本実施形態のEOC法を適用することにしたが、低速域等の他の速度域でも適用可能である。要は、従来の1パルスモードが適用されていた最大電圧モードであれば良く、速度には無関係である。
30 インバータ、40 電動機
50 制御装置
60 駆動指令生成部
62 nパルス波形生成部、64 PWM波形生成部
50 制御装置
60 駆動指令生成部
62 nパルス波形生成部、64 PWM波形生成部
Claims (8)
- 電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法。 - 前記損失比率rHは、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を1とした場合の値である、
請求項1に記載の波形生成方法。 - 電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成方法であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成方法。 - 前記nパルスモードとして、2パルスモードの波形を生成する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の波形生成方法。 - 前記nパルスモードとして、3パルスモードの波形を生成する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の波形生成方法。 - 前記条件は、0より大きく0.001以下である、
請求項5に記載の波形生成方法。 - 電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHが、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置。 - 電動機に最大限の電圧を印加する最大電圧モード用のインバータ電圧波形を生成する波形生成装置であって、
前記インバータ電圧波形の高調波損失を正規化した値PHを、正規化した基本波電力で除した損失比率rHに、電動機力率から定まる電動機定数W(=tan(arccos(力率)))を乗じた値が、0より大きく0.002以下の条件を満たすスイッチ角のnパルスモード(nは2以上の整数)の波形を、前記最大電圧モード用のインバータ電圧波形として生成する波形生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010264789A JP2012120250A (ja) | 2010-11-29 | 2010-11-29 | 波形生成方法及び波形生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010264789A JP2012120250A (ja) | 2010-11-29 | 2010-11-29 | 波形生成方法及び波形生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012120250A true JP2012120250A (ja) | 2012-06-21 |
Family
ID=46502475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010264789A Pending JP2012120250A (ja) | 2010-11-29 | 2010-11-29 | 波形生成方法及び波形生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012120250A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2713502A1 (en) | 2012-09-28 | 2014-04-02 | Hitachi Ltd. | Ac motor drive system and motor vehicle |
WO2015125586A1 (en) | 2014-02-20 | 2015-08-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Power converter control apparatus and motor system having the same |
-
2010
- 2010-11-29 JP JP2010264789A patent/JP2012120250A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2713502A1 (en) | 2012-09-28 | 2014-04-02 | Hitachi Ltd. | Ac motor drive system and motor vehicle |
WO2015125586A1 (en) | 2014-02-20 | 2015-08-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Power converter control apparatus and motor system having the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5866065B2 (ja) | 交流電動機の制御装置 | |
US8030874B2 (en) | Power converting apparatus | |
EP3528383A1 (en) | Control device and control method for alternating current motor, and alternating current motor driving system | |
JPH05227796A (ja) | 電力変換器の制御装置 | |
JP2014226035A (ja) | 電力変換装置 | |
AU2016205951A1 (en) | Power-conversion method and device and vehicle comprising such a device | |
Shriwastava et al. | Simulation analysis of three level diode clamped multilevel inverter fed PMSM drive using carrier based space vector pulse width modulation (CB-SVPWM) | |
JP2016189648A (ja) | インバータの制御装置 | |
CN112997398A (zh) | 旋转电机的驱动装置 | |
Jones et al. | A simple multi-level space vector modulation algorithm for five-phase open-end winding drives | |
JP2014087105A (ja) | 電力変換装置 | |
JP3755089B2 (ja) | 電気車の制御装置 | |
JP2012120250A (ja) | 波形生成方法及び波形生成装置 | |
WO2014203373A1 (ja) | インバータ制御装置、及びインバータ制御方法 | |
JP2005348597A (ja) | 電気車の制御装置 | |
Lei et al. | An improved beatless control method of AC drives for railway traction converters | |
JP3747259B2 (ja) | 電気車の制御装置 | |
Jyothi et al. | Modeling and Simulation of Five-phase Induction Motor Fed with Five-phase Inverter Topologies | |
JP3760248B2 (ja) | 電気車の制御装置 | |
JP4517762B2 (ja) | スイッチング制御方法、整流装置及び駆動システム | |
Nishizawa et al. | Reduction of DC-link current harmonics for three-phase VSI over wide power factor range using single-carrier-comparison discontinuous PWM | |
JPH05308778A (ja) | 電気自動車駆動用インバータ | |
JP3873221B2 (ja) | 電気車の制御装置 | |
Ghosh et al. | Comparative Analysis Based on Simulation and Design Aspects of Three-Phase Four Switch Inverter for Industrial Applications | |
Lai et al. | Common-mode voltage reduction PWM technique for wide speed range control of induction motor drives fed by inverter with diode front end |