JP2012117990A - スリット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリット幅がごく狭く(サブミクロン、ナノレベル)、スリット長がスリット幅に比べて格段に長いスリット開口をもつX線に利用可能なスリット装置を提供する。
【解決手段】平坦性、平行性が保証された測定面11を下向きとして2個のブロックゲージ1B、1Cを支持体2Bに固定し、他の1個のブロックゲージ1Aを平坦性、平行性が保証された測定面11を上向きとして補助支持体3に取り付ける。補助支持体3は圧電素子により矢印方向に伸縮可能な可動機構4を介して支持体2Aに固定される。X線の入射方向から見て、ブロックゲージ1Aの測定面11とブロックゲージ1B、1Cの測定面11とをスリット幅方向の両開口端とするスリット開口が形成され、可動機構4によりブロックゲージ1Aを移動させることでスリット幅が零から所定範囲で可変である。
【選択図】図6

Description

本発明は、光やX線を含む短波長電磁波を用いた各種装置や該装置の調整・評価などに利用されるスリット装置に関する。
光やX線を用いた各種計測装置や加工装置などにおいては、光束やX線束の範囲を制限する等の目的でスリット装置が広く利用されている(特許文献1、2など参照)。
様々な分野における近年の精密加工技術、高密度実装技術等の進展に伴い、X線(又はさらに波長の短いγ線)を用いた計測装置では、X線のビーム幅をミクロンレベルからさらに狭いサブミクロンレベル、ナノレベルにすることが求められるようになってきている。こうした要求に応えるためには、スリット幅をサブミクロンレベル或いはナノレベルにまで小さくしたスリット装置が必要となるが、こうした装置は実用化されていない。
電子線などを扱う分野では、薄膜体に微細な孔を穿設したスリット装置が用いられているが、こうした薄膜体はX線に対しては半透明であって十分な遮蔽作用をもたないため、X線用のスリット装置としては利用することができない。また、こうした構造の微細孔によるスリットは、スリット幅(矩形状のスリット開口の短手方向の長さ)を小さくするとそれに応じてスリット長(矩形状のスリット開口の長手方向の長さ)も小さくせざるをえないため、測定感度が重視される計測装置などには不向きである。
特許第3471477号公報 特許第3708596号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的は、スリット幅がミクロン、サブミクロン、さらにはナノレベルのごく微小であって且つそのスリット幅と直交する方向のスリット長がスリット幅に比べて格段に大きなスリット開口を有するスリット装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るスリット装置は、複数のブロックゲージと、各ブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面(ゲージ面)又は該測定面が乗る仮想平面が平行になるようにそれらブロックゲージを保持する保持手段と、を備え、異なるブロックゲージの対向する測定面又は各測定面が乗る対向する仮想平面の離間距離をスリット幅としたスリット開口を有することを特徴としている。
周知のように、ブロックゲージ(Block Gauge)は、直方体形状であってその6面のうち1組の向かい合った2面が極めて高い平坦性、平行性を有する標準化された部品である。ブロックゲージの精度は、日本においては日本工業規格JIS B 7506に規定されており、国際的には国際規格ISO 3650に規定されている。
一般的にブロックゲージはその名称のように寸法測定の基準などとして用いられるものであるが、本願発明者はブロックゲージの対向する2面の平坦性、平行性が極めて高い点に着目し、これを従来とは全く別の分野で全く異なる使い方である、スリット装置の一部品として利用することに想到した。即ち、ブロックゲージにおいて平坦性、平行性が規定の精度以内であることが保証された測定面により、スリット開口のスリット幅を決める両開口端を規定するようにした。
具体的には、本発明の第1の態様として、前記ブロックゲージが2個であり、前記保持手段は、前記2個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面同士が平行性を保って対面するようにそれらブロックゲージを保持し、前記2個のブロックゲージの対面する測定面の間にスリット開口が形成される構成とすることができる。
上記第1の態様によるスリット装置では例えば、2個のブロックゲージの測定面の間に所定厚さでその均一性が高い薄膜体を挟んで両ブロックゲージを位置決めして保持手段により保持することで、所定のスリット幅(上記所定厚さとほぼ等しい)を有し、これに比べてスリット長が格段に長い(ブロックゲージのサイズに依存する)スリット開口を形成することができる。
また本発明の第2の態様として、前記ブロックゲージが3個であり、前記保持手段は、前記3個のブロックゲージのうちの2個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面が同一の仮想面上に位置し、他の1個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面と前記仮想面とが平行性を保って対面し、且つ該ブロックゲージをその測定面に直交する方向に移動させた場合に該ブロックゲージが前記2個のブロックゲージの間に挿入される位置関係となるようにそれらブロックゲージを保持し、前記仮想平面と前記他の1個のブロックゲージの測定面との間にスリット開口が形成される構成とすることができる。
上記第2の態様によるスリット装置では例えば、前記2個のブロックゲージの間にそれらと同サイズの別のブロックゲージをダミーとして一時的に配置して、該ダミーのブロックゲージと他の1個のブロックゲージとで対面する測定面同士の間隔を上記第1の態様と同じ手法で定めて各ブロックゲージの位置決めをし、その後にダミーを実質的に取り除けばよい。これにより、所定のスリット幅(上記所定厚さとほぼ等しい)を有し、これに比べてスリット長が格段に長い(ブロックゲージのサイズに依存する)スリット開口を形成することができる。
また本発明に係るスリット装置において、好ましくは、前記保持手段は、前記スリット開口をスリット幅方向に挟んで一方に位置する1乃至複数のブロックゲージを固定的に保持する第1保持手段と、前記スリット開口をスリット幅方向に挟んで他方に位置する1乃至複数のブロックゲージをスリット幅方向に移動可能に保持する第2保持手段と、を含む構成とするとよい。ここで、前記第2保持手段は、圧電素子により前記1乃至複数のブロックゲージをスリット幅方向に移動させるものとすることができる。
圧電素子を用いることによりナノレベルのごく微小の変位が実現可能であるので、スリット開口のスリット幅をごく小さなピッチで変えることが可能であり、スリット幅自体もブロックゲージの測定面の精度や保持手段による保持の位置精度などの許す範囲で極めて小さくすることができる。特に、上記第2の態様に上記構成を適用することにより、スリット幅を零、つまり入射するX線などを完全に遮断するようにすることもできる。
本発明に係るスリット装置によれば、スリット幅がミクロン、サブミクロン、さらにはナノレベルのごく微小であってスリット長がスリット幅に比べて格段に大きなスリット開口を実現することができる。また、ブロックゲージは標準部品であるから、これを利用してスリット装置を構成することにより、スリット幅を微小としながら装置コストを抑えることができる。
本発明に係るスリット装置で使用されるブロックゲージの一例を示す斜視図。 本発明の一実施例であるスリット幅固定型のスリット装置の概略構成図。 別の実施例によるスリット幅固定型のスリット装置の概略構成図。 別の実施例によるスリット幅固定型のスリット装置の作製手順及び概略構成図。 別の実施例によるスリット幅固定型のスリット装置の概略構成図。 本発明の別の実施例であるスリット幅可変型のスリット装置の概略構成図。 図6に示したスリット装置におけるスリット幅調整状態を示す概略図。 本発明に係るスリット装置におけるブロックゲージ配置の変形例を示す図。 図2に示したスリット幅固定型スリット装置の組立構造の一例を示す図。 図2に示したように2個のブロックゲージを用い、図6に示したように圧電素子によるスリット幅調整機構を設けた場合のスリット装置の組立構造の一例を示す図。 図6に示したように3個のブロックゲージを用いたスリット幅可変型スリット装置の組立構造の一例を示す図。 図6に示したように3個のブロックゲージを用いたスリット幅可変型スリット装置の組立構造の一例を示す図。
以下、本発明に係るスリット装置について、添付図面を参照していくつかの実施例を説明する。
図1は本発明に係るスリット装置で使用されるブロックゲージの一例を示す斜視図である。この例によるブロックゲージ1は、20mm×35mm×9mmの直方体形状であり、35mm×9mmのサイズの測定面11とこれに対向する測定面12とがそれぞれ極めて高い平坦度を有し、且つ両測定面11、12同士が極めて高い平行度を有している。ブロックゲージはその名称が示すように本来ゲージとして用いられるものであり、1個又は複数個の組み合わせで用いられる。複数のブロックゲージは、測定面同士(例えば異なるブロックゲージの測定面11同士)を合わせるとほぼ完全に密着する。例えば上記JIS規格では、ブロックゲージの上記平坦度及び平行度の精度は4つの等級により異なるから、ここではスリット装置の目的等に応じて適切な等級のものを選択すればよい。
図2は本発明の一実施例であるスリット幅固定型のスリット装置の概略構成図である。この実施例のスリット装置では、図1に示したようなブロックゲージを2個用い、その2個のブロックゲージ1A、1Bのそれぞれの測定面11同士を対面させ、それら対面する測定面11が平行になるようにブロックゲージ1A、1Bを高い剛性を有する水平支持体2A、2Bにより保持する。
なお、後述する実施例でも同様であるが、水平支持体2A、2B自体も複数個のブロックゲージを組み合わせて構成することにより、例えば水平支持体2A、2Bの対向する面について極めて高い平行性を容易に実現することができる。
上述したように、各ブロックゲージ1A、1Bにおいて測定面11とそれと対面する測定面12との平行度は高いから、ブロックゲージ1A、1Bをそれぞれ保持する水平支持体2A、2Bの対向面の平坦度・平行度が高ければ、両ブロックゲージ1A、1Bの測定面11同士は高い平行度をもつ。この両測定面11で挟まれる間隙がスリット開口であり、両測定面11の離間距離がスリット幅dとなる。また、スリット幅dに直交するスリット長はブロックゲージ1A、1Bのサイズで決まり、図1に示したブロックゲージを用いる場合には、スリット長は35mmとなる。
スリット幅dを所定の値Dにしたい場合には、例えば厚さがDである薄膜部材を両測定面11の間に挟んだ状態で、両ブロックゲージ1A、1Bの間隔を調整する。この調整のために、水平支持体2A、2Bに対するブロックゲージ1A又は1Bの位置を機械的に微調整できるようにしておくか、或いは後述するように圧電素子など電気的に微小位置の調整が可能な素子を用いた微調機構を用いるとよい。例えば薄膜部材としてステンレス鋼のリボン(SUS304H、5μm厚)を用いれば5μm又は10μm程度のスリット幅を容易に実現することができる。
図3は本発明の別の実施例であるスリット幅固定型のスリット装置の概略構成図である。この実施例のスリット装置では、図1に示したようなブロックゲージを3個用い、そのうちの1個のブロックゲージ1Aを第1水平支持体2Aに取り付け、他の2個のブロックゲージ1B、1Cを上記ブロックゲージ1Aがちょうど間に挿入されるような間隔だけ離して第2水平支持体2Bに取り付けるようにしている。ブロックゲージ1B、1Cの測定面11は同一の仮想面上に乗る。したがって、このスリット装置では、図2の構成とは異なり、全てのブロックゲージ1A、1B、1Cの測定面11はいずれも対面していないが、X線の入射方向から見たときに、同一面上に位置するブロックゲージ1B、1Cの測定面11とブロックゲージ1Aの測定面11との間にスリット幅がdであるスリット開口が形成される。換言すれば、ブロックゲージ1B、1Cの測定面11が乗る仮想平面とブロックゲージ1Aの測定面11との間にスリット幅がdであるスリット開口が形成される。
この実施例によるスリット装置と図2に示した実施例によるスリット装置との最大の相違は、後者は最小のスリット幅が測定面11の平坦度・平行度やブロックゲージ1A、1Bの保持精度などに依存しており、スリット幅を零にすることは実際上不可能であるのに対し、前者、即ち図3に示した構成ではスリット幅零を実現できることである。これについては後述する。
図4は本発明の別の実施例であるスリット幅固定型のスリット装置の作製手順及び概略構成図である。図2、図3に示した実施例ではいずれもブロックゲージをそのまま用いたが、この実施例のスリット装置ではブロックゲージを加工して用いる。
即ち、図4(a)に示すように、ブロックゲージ1の測定面11と他の面(図1の例ではサイズが35mm×20mmである面)とがなす角部を切り落とすように、ブロックゲージ1の一部を切断面Aで切断する。これにより、測定面11の一部の測定面11’が残る。通常、こうした切断を行うと測定面11’の角部Bにかえりが発生するため、面取り処理を行ってこれを除去する。
図4(b)は、図2に示した構成と同様に、上記のように加工した2個のブロックゲージ1’A、1’Bの測定面11’同士を対面させたものである。これにより、両測定面11’の離間距離がスリット幅dとなる。
図5は図4に示したスリット装置の変形例を示す概略構成図である。図5(a)は上記のように加工したブロックゲージ1’Aと加工していないブロックゲージ1Bとを組み合わせたものである。図5(b)、(c)はブロックゲージ1の測定面11とそれに隣接する他の2面(図1の例ではサイズが35mm×20mmである面)とがなす2つの角部を切り落とすように加工したブロックゲージを用いた構成例である。このような構成としても、スリット開口のスリット幅dの精度は主として元のブロックゲージ1の測定面11、12の平坦度及び平行度により決まる。
上記各実施例はいずれも複数のブロックゲージの測定面が完全に(精度が許す限り)平行になるようにブロックゲージを配置した例であるが、実用的には図8に示すように、一方の又は両方のブロックゲージを、測定面と平行な面上でX線の入射軸に直交する方向(図8では紙面に直交する方向)に延びる軸を中心に回転させることで少し傾けても構わない。ブロックゲージのエッジの直線性精度は保証されてはいないものの、実際には、平坦性・平行性が保証された測定面とそれに隣接する他の一面とのなすエッジの直線性はかなり高く、数(4〜5)μm程度のスリット幅を実現する際には問題がない。特に、このように少なくとも一方のブロックゲージを少し傾けると、X線がスリット開口内を通過する際の該開口内部でのX線全反射の問題が起こりにくいという利点がある。
上記実施例はいずれもスリット幅が固定のスリット装置であるが、図6はスリット幅可変型のスリット装置の一実施例の概略構成図である。これは、図3に示した構成のスリット装置のスリット幅を調整可能としたものである。
このスリット装置では、2個のブロックゲージ1B、1Cは高い剛性を有する第2水平支持体2Bに固定され、他の1個のブロックゲージ1Aは高い剛性を有する補助支持体3に固定され、この補助支持体3と第1水平支持体2Aとの間にはその間隔を調整するための圧電素子を含む可動機構4が挿設されている。図示しない駆動回路から可動機構4に内蔵される圧電素子に印加する電圧を変化させると、可動機構4は図中に矢印で示す方向に伸縮し、それに伴ってブロックゲージ1Aは同じ矢印方向に微動する。したがって、図7(a)に示すように、ブロックゲージ1B、1Cの測定面11が乗る平面とブロックゲージ1Aの測定面との間の距離がスリット幅dとなる。
前述のように、3個のブロックゲージ1A、1B、1Cは、1個のブロックゲージ1Aが2個のブロックゲージ1B、1Cの間にちょうど挿入されるように位置決めされている。そのため、可動機構4によりブロックゲージ1Aを上方に移動させると、図7(b)に示すようにブロックゲージ1Aの上端部は2個のブロックゲージ1B、1Cの下端部の間にちょうど嵌合する。これにより、X線の入射方向から見たときに、ブロックゲージ1Aの上端部とブロックゲージ1B、1Cの下端部とはごく僅かにオーバーラップし、スリット幅dは零となる。
図2に示した2個のブロックゲージ1A、1Bの測定面11同士を対面させた構成の場合、両測定面11を当接させたとしてもスリット幅を零にすることはかなり難しい。何故なら、両測定面11の平行度が極めて高いとしても、測定面11の平坦度や平行度の精度誤差は必ず存在するからである。これに対し、図3の構成及びこれを可変スリット幅構造とした図6の構成では、測定面11の平坦度や平行度の精度誤差が存在してもスリット幅零を実現することが可能であり、入射X線を完全に遮断することも可能となる。
本願発明者の試作・実験によれば、図6に示した構成でもって、スリット幅が0〜10μmの範囲で5nmステップで可変であるようなスリット装置を実現することができた。
次に、上述したいくつかの実施例によるスリット装置について、具体的な組立構造の例を以下に示す。
図9は図2に示したスリット幅固定型スリット装置の組立構造の一例である。この装置は、ブロックゲージ1A、1Bを位置決めするために、水平支持体2A、2Bを含む支持剛体2と、水平支持体2A、2Bにそれぞれ固定されている断面コ字形状のコ字形状支持体5A、5Bとを備える。
組立手順としては、下方のコ字形状支持体5Bの中空部に一方のブロックゲージ1Bを入れ、コ字形状支持体5Bに螺入した水平止めねじ6を締め付けてブロックゲージ1Bをコ字形状支持体5Bに対して固定する。そのあと、ブロックゲージ1B上面(測定面11)長手方向の両端に上述したような適当な薄膜部材8を載せ、他方のブロックゲージ1Aを載せる。そして、水平支持体2Aに形成された開口に露出するコ字形状支持体5Aに螺入した垂直止めねじ7でブロックゲージ1Aを下方に押しながら、コ字形状支持体5Aに螺入した水平止めねじ6を締め付けてブロックゲージ1Aをコ字形状支持体5Aに対して固定する。図9(b)このスリット装置をX線入射方向から見たものである。ブロックゲージ1A、1Bの間隙の左右端部に薄膜部材8があるが、その間の中央部にはスリット開口が形成されている。図1に示したブッロクゲージを用いた、スリット長20mm程度のスリット開口を容易に作製可能である。
図10は図2に示したように2個のブロックゲージを用い、図6に示したように圧電素子によるスリット幅調整機構を設けた場合のスリット装置の組立構造の一例である。
この装置では、水平支持体2Bの上面に圧電素子を含む可動機構4の基部を固定し、可動機構4の上面にコ字形状支持体5Bを固定する。そして、コ字形状支持体5Bの中空部にブロックゲージ1Bを入れ、水平止めねじ6によりブロックゲージ1Bをコ字形状支持体5Bに対して固定する。そのあと、ブロックゲージ1Bの上面に他方のブロックゲージ1Aを直接載せ、垂直止めねじ7で下方に押しながら水平止めねじ6によりブロックゲージ1Aをコ字形状支持体5Aに対して固定する。そして、可動機構4を作動させてブロックゲージ1Bを僅かに下降させれば、スリット幅がごく微小であるスリット開口が形成される。例えば5nmステップで20μmストロークの可動機構4を用いれば、5μm程度から15μm程度までの5nmステップ可変スリットが可能である。
なお、上述したように、ブロックゲージ1A、1Bの対向する測定面は非常に優れた平坦性・平行性を有してはいるものの、その両測定面の間隔を限りなく零に近づけるのは困難であるので、このスリット装置は数μmのサイズのスリット幅をもつスリット開口を作製するのに有効である。
図11及び図12は図6に示したように3個のブロックゲージを用いたスリット幅可変型スリット装置の組立構造の一例である。
組立手順としては、図11(a)に示すように、3個の同サイズのブロックゲージ1B、1D、1Cを別のブロックゲージ1E(ダミー)の上に並べる。このとき、ブロックゲージ1B、1D、1Cの平坦性・平行性が保障されている測定面とブロックゲージ1Eの測定面が接するように各ブロックゲージを置く。またブロックゲージ1Bと1D、1Dと1Cとは、互いに触れない範囲でできるだけ近い距離とする。そして、ブロックゲージ1B、1D、1Cの上にコ字形状支持体5Cを被せ、垂直止めねじ7で各ブロックゲージ1B、1D、1Cをブロックゲージ1Eに押さえつけながら水平止めねじ6を締めて各ブロックゲージ1B、1D、1Cをコ字形状支持体5Cに対し固定する(図11(b)参照)。そうしてブロックゲージ1Eを離すと図11(c)に示すように、3個のブロックゲージ1B、1D、1Cの測定面が完全に一つの仮想平面上に並んだ状態となる。
次に、図12(a)に示すように、上記のように3個のブロックゲージ1B、1D、1Cを保持するコ字形状支持体5Cを、水平支持体2B上に固定された可動機構4の上に固定する。この際、中央のブロックゲージ1Dを押していた垂直止めねじ7を抜いておく(なお、水平止めねじ6があるため、ブロックゲージ1Dの測定面は上述した仮想平面上に保たれる)。そのブロックゲージ1Dの測定面の上に、別のブロックゲージ1Aを直接置き、垂直止めねじ7でこのブロックゲージ1Aを下方に押さえながら水平止めねじ6でブロックゲージ1Aをコ字形状支持体5Aに対し固定する。ブロックゲージ1Dを固定していた水平止めねじ6を緩めるとブロックゲージ1Dが直上のブロックゲージ1Aから離れて、ブロックゲージ1Aがブロックゲージ1Bと1Cとの間に入りこむ空間が形成される(図12(b)参照)。これにより、ブロックゲージ1Bと1Cとの測定面が乗る仮想平面とブロックゲージ1Aの測定面との距離をマイナスとすることが可能となり、スリット幅の完全零を実現できる構造となる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例であるから、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正又は追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1、1A、1B、1C、1D、1E…ブロックゲージ
11、12…測定面
2…支持剛体
2A、2B…水平支持体
3…補助支持体
4…可動機構
5A、5B、5C…コ字形状支持体
6…水平止めねじ
6…垂直止めねじ
8…薄膜部材
A…切断面
B…角部

Claims (5)

  1. 複数のブロックゲージと、各ブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面又は該測定面が乗る仮想平面が平行になるようにそれらブロックゲージを保持する保持手段と、を備え、異なるブロックゲージの対向する測定面又は各測定面が乗る対向する仮想平面の離間距離をスリット幅としたスリット開口を有することを特徴とするスリット装置。
  2. 請求項1に記載のスリット装置であって、
    前記ブロックゲージは2個であり、前記保持手段は、前記2個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面同士が平行性を保って対面するようにそれらブロックゲージを保持し、前記2個のブロックゲージの対面する測定面の間にスリット開口が形成されることを特徴とするスリット装置。
  3. 請求項1に記載のスリット装置であって、
    前記ブロックゲージは3個であり、前記保持手段は、前記3個のブロックゲージのうちの2個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面が同一の仮想面上に位置し、他の1個のブロックゲージの平坦性及び平行性が保証された測定面と前記仮想面とが平行性を保って対面し、且つ該ブロックゲージをその測定面に直交する方向に移動させた場合に該ブロックゲージが前記2個のブロックゲージの間に挿入される位置関係となるようにそれらブロックゲージを保持し、前記仮想平面と前記他の1個のブロックゲージの測定面との間にスリット開口が形成されることを特徴とするスリット装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスリット装置であって、
    前記保持手段は、前記スリット開口をスリット幅方向に挟んで一方に位置する1乃至複数のブロックゲージを固定的に保持する第1保持手段と、前記スリット開口をスリット幅方向に挟んで他方に位置する1乃至複数のブロックゲージをスリット幅方向に移動可能に保持する第2保持手段と、を含むことを特徴とするスリット装置。
  5. 請求項5に記載のスリット装置であって、
    前記第2保持手段は、圧電素子により前記1乃至複数のブロックゲージをスリット幅方向に移動させるものであることを特徴とするスリット装置。
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