JP2012117892A - 変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラム - Google Patents

変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】センサ体の歪みによる誤差を小さくすることが可能な変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】変形センサ1は、弾性変形するセンサ体22と、センサ体22の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサ1であって、制御部は、時系列的に前後する、早期の検出時T8の検出値F30と、遅期の検出時T9の検出値F23と、を比較する検出値比較部と、センサ体22が弾性力を蓄積しながら変形する際の検出値F23の変化方向を正方向として、二つの検出値の比較の結果、遅期の検出時T9の検出値F23が、早期の検出時T8の検出値F30未満である場合、早期の検出時のセンサ体22の歪みによる誤差を小さくするために、遅期の検出時T9の検出値F23を補正する補正部と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、弾性変形するセンサ体を備える変形センサ、当該変形センサのキャリブレーションに用いられるキャリブレーション方法、当該変形センサのキャリブレーションに用いられるキャリブレーション用プログラムに関する。
特許文献1には、面圧測定装置のキャリブレーション方法が開示されている。面圧測定装置は、外側導電性線条材と内側導電性条材とを備えている。外側導電性線条材と内側導電性条材との間の電気抵抗は、外部から入力される荷重(面圧)によって変化する。面圧測定装置は、当該電気抵抗から、荷重を検出している。
同文献記載のキャリブレーション方法によると、キャリブレーションの実施を促すトリガーをきっかけに、膨張部材が膨張する。外側導電性線条材は、膨張部材により、内側導電性条材の方向に圧縮される。このため、外側導電性線条材と内側導電性条材との間に擬似的な荷重が加わる。当該荷重を基に圧力算出式が作成される。圧力算出式は、メモリ装置に格納される。なお、メモリ装置に古い圧力算出式が格納されている場合は、圧力算出式が更新される。
同文献記載のキャリブレーション方法によると、面圧測定装置の出荷後であっても、随時、キャリブレーションを行うことができる。このため、メーカーが、キャリブレーションのために、面圧測定装置を回収する必要がない。
特開2009−25228号公報
ところで、センサ体の変形量を基に、所望の検出値(荷重、変形、変位など)を得る変形センサの場合、変形量と検出値とが対応している。例えば、静電容量型の荷重センサの場合、荷重が加わるとセンサ体が圧縮される。つまり、変形量が大きくなる。このため、電極間距離が小さくなる。荷重センサの静電容量Cは、誘電率ε、電極面積S、電極間距離dから、下記の式(1)により求められる。
C=ε・S/d ・・・式(1)
式(1)から、電極間距離dが小さくなると、静電容量Cが大きくなることが判る。静電容量と荷重(検出値)とは対応している。よって、静電容量の変化から、荷重を検出することができる。
しかしながら、荷重を除いた後において、センサ体は速やかに元の状態に復元しない場合がある。図8に、センサ体の厚さの時系列的な変化の模式図を示す。なお、厚さ1.0が元の状態である。また、復元する際の厚さの時間変化は直線状でない場合がある。
図8に示すように、時刻t1に荷重が加えられると、センサ体は圧縮され、厚さが0.8(元の状態を100%とする場合の80%)になる。所定時間経過後の時刻t2に荷重が除かれると、蓄積された弾性復元力により、センサ体は元の状態に復元する。
ここで、図8に点線で示すように、センサ体が速やかに復元すれば、荷重を除いた後の時刻t3に荷重を測定しても、精度よく荷重を検出することができる。しかしながら、図8に実線で示すように、時刻t2まで加えられていた荷重の影響により、センサ体がゆっくりと元の状態に復元する場合がある。このため、時刻t3の時点で、センサ体が未だ元の状態に復元していない場合がある。つまり、センサ体が歪みa11を有している状態で、荷重の測定が行われてしまう場合がある。
本発明の変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、センサ体の歪みによる誤差を小さくすることが可能な変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の変形センサは、弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサであって、前記制御部は、時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較部と、前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正部と、を有することを特徴とする。
「変形センサ」とは、センサ体の変形量を基に所望の検出値を得るセンサをいう。「変形センサ」には、例えば、センサ体の変形量から荷重を測定する荷重センサ、センサ体の変形量から荷重の面方向の分布を測定する面圧分布センサ、センサ体の変形量から変位、変形を測定する変位センサなどが含まれる。
「歪み」には、弾性歪みのみならず塑性歪み(永久歪み、へたり)も含まれる。「検出値」には、最終的な検出値(例えば静電容量型の荷重センサの場合は荷重)のみならず、中間的な検出値(例えば静電容量型の荷重センサの場合は静電容量、静電容量に関連する電気量(電気抵抗、インピーダンス、位相など))も含まれる。「時系列的に前後する」には、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続する場合のみならず、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続しない場合も含まれる。
「センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の検出値の変化方向」とは、例えば、静電容量型のセンサの場合、静電容量が増加する方向をいう。また、抵抗増加型のセンサの場合、電気抵抗が増加する方向をいう。また、抵抗減少型のセンサの場合、電気抵抗が減少する方向をいう。すなわち、抵抗減少型のセンサの場合、電気抵抗が減少する方向が正方向となる。
本発明者は、時系列的に前後する二回の検出時の検出値の大小関係に着目した。以下、本発明の変形センサが、静電容量型の荷重センサである場合を例に挙げて説明する。荷重を加えると、センサ体は圧縮される。一方、荷重を除くと、センサ体は元の状態に復元する。
図8の歪みa11のように、遅期(例えば時刻t3)の検出時において、早期(例えば時刻t2)の検出時に加えられた荷重による歪みa11が、未だ残っている場合がある。
遅期の検出時に加えられた荷重が、早期の検出時に加えられた荷重以上の場合、センサ体の圧縮量(歪み)は、(遅期の圧縮量a13≧早期の圧縮量a10)となる。このため、たとえ早期の圧縮量a10に起因する歪みa11がセンサ体に残っていても、遅期の検出時に加えられた荷重に応じて、さらにセンサ体は圧縮されることになる。すなわち、早期の圧縮量a10に起因する歪みa11が残っているかいないかに因らず、センサ体は、遅期に加えられた荷重に対応する圧縮量a13だけ圧縮される。このため、遅期の検出時の検出値を補正する必要はない。
これに対して、遅期の検出時に加えられた荷重が、早期の検出時に加えられた荷重未満の場合、センサ体の圧縮量は、(遅期の圧縮量a14<早期の圧縮量a10)となる。しかしながら、センサ体には、早期の圧縮量に起因する歪みa11が残っている。このため、実際の圧縮量a14ではなく、早期の圧縮量a10に起因する歪みa11が、遅期の圧縮量として、検出されてしまう。したがって、電極間距離が小さく見積もられてしまう。言い換えると、静電容量が大きく見積もられてしまう。すなわち、実際に加えられた荷重に対して、圧縮量を基に変形センサが検出する荷重が、大きく見積もられてしまう。
このように、時系列的に前後する2回の検出時の検出値の大小関係が、(遅期の検出値≧早期の検出値)の場合、検出値に誤差が含まれるおそれが小さい。このため、検出値を補正する必要性は小さい。一方、時系列的に前後する2回の検出時の検出値の大小関係が、(遅期の検出値<早期の検出値)の場合、検出値に誤差が含まれるおそれが大きい。このため、検出値を補正する必要がある。本発明の変形センサは、上記検出特性に着目して完成されたものである。
本発明の変形センサによると、早期の検出時のセンサ体の歪みにより、遅期の検出時の検出値に誤差が含まれるおそれが大きい場合、遅期の検出時の検出値を補正することができる。このため、変形センサの測定精度を向上させることができる。
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、早期の検出時はN(Nは2以上の自然数)−1回目の検出時であって、遅期の検出時はN回目の検出時である構成とする方がよい。N回目の検出時の検出値には、N−1回目の検出時のセンサ体の歪みの影響が、最も発生しやすい。この点、本構成によると、当該歪みによる誤差を小さくすることができる。
(1−2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記早期の検出時まで、前記センサ体の前記変形量が略一定の変形継続時間が継続する場合、前記補正部は、該変形継続時間を考慮して、前記遅期の検出時の前記検出値を補正する構成とする方がよい。本構成によると、さらに変形センサの測定精度を向上させることができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記センサ体の前記変形量に関連する電気量は、該センサ体から前記制御部に、所定の頻度で自動的に伝送される構成とする方がよい。
本構成によると、自動的にサンプリングされる電気量を基に、検出値比較部は、前後する二つの検出値を比較することができる。また、補正部は、検出値の比較の結果に応じて、適宜、検出値を補正することができる。つまり、本構成によると、自動的にキャリブレーションを行うことができる。このため、特許文献1のキャリブレーション方法のように、キャリブレーション用に、何らかのトリガーを設定する必要がない。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記早期の検出時まで、前記センサ体の前記変形量が略一定の変形継続時間が継続する場合、該早期の検出時から前記遅期の検出時までの経過時間を考慮して、該遅期の検出時の前記検出値を補正する構成とする方がよい。
変形継続時間が終了すると、当該変形継続時間中の変形量に起因する歪みは、時間が経つに連れて徐々に小さくなる。この点、本構成によると、変形継続時間の終了時(=早期の検出時)から遅期の検出時までの経過時間を考慮して、検出値を補正することができる。このため、変形センサの測定精度を向上させることができる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記検出値比較部は、予め設定されたキャリブレーションデータを用いて、二つの該検出値を、各々、算出する構成とする方がよい。
本構成によると、複数の検出時において、キャリブレーションデータが共用化されている。このため、特許文献1のキャリブレーション方法のように、圧力算出式が随時更新される場合と比較して、検出値の算出が簡単になる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記センサ体は、エラストマー製である構成とする方がよい。物性により弾性を発現するエラストマー(発泡体を含む)は、形状、構造により弾性を発現するスプリング、伸縮性を有する布(スプリング、布は、請求項1の「センサ体」に含まれる。)などと比較して、塑性歪みが残りやすい。このため、変形センサの測定精度が低下しやすい。この点、本発明の変形センサによると、センサ体がエラストマー製の場合であっても、測定精度を向上させることができる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記センサ体の表側に配置される表側電極と、該センサ体の裏側に配置される裏側電極と、表側または裏側から見て該表側電極と該裏側電極とが重複する部分に配置される検出部と、を備え、外部から入力される荷重により該表側電極と該裏側電極との間の電極間距離が変化し静電容量が変化することを利用して、該荷重の変化を検出する構成とする方がよい。本構成は、本発明の変形センサを静電容量型の荷重センサ、面圧分布センサとして用いるものである。本構成によると、荷重の測定精度を向上させることができる。
(6−1)好ましくは、上記(6)の構成において、前記検出部は複数配置されており、前記制御部は、検出部ごとに前記検出値を補正する構成とする方がよい。本構成は、本発明の変形センサを静電容量型の面圧分布センサとして用いるものである。検出部が複数配置されている場合、検出頻度が高い検出部と検出頻度が低い検出部とでは、センサ体のへたり具合が異なる。このため、複数の検出部間の測定精度のばらつきが大きくなりやすい。この点、本構成によると、前記制御部は、検出部ごとに前記検出値を補正する。このため、複数の検出部間の測定精度のばらつきを小さくすることができる。
(7)上記課題を解決するため、本発明のキャリブレーション方法は、弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサのキャリブレーション方法であって、時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較ステップと、前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正ステップと、を有することを特徴とする。
上記(1)に記載したように、「変形センサ」とは、センサ体の変形量を基に所望の検出値を得るセンサをいう。「歪み」には、弾性歪み、塑性歪みが含まれる。「検出値」には、最終的な検出値、中間的な検出値が含まれる。「時系列的に前後する」には、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続する場合のみならず、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続しない場合も含まれる。
「センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の検出値の変化方向」とは、例えば、静電容量型のセンサの場合、静電容量が増加する方向をいう。また、抵抗増加型のセンサの場合、電気抵抗が増加する方向をいう。また、抵抗減少型のセンサの場合、電気抵抗が減少する方向をいう。
本発明のキャリブレーション方法によると、早期の検出時のセンサ体の歪みにより、遅期の検出時の検出値に誤差が含まれるおそれが大きい場合、遅期の検出時の検出値を補正することができる。このため、変形センサの測定精度を向上させることができる。
(8)上記課題を解決するため、本発明のキャリブレーション用プログラムは、弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサのキャリブレーション用プログラムであって、所定のコンピューターを、時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較手段、前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正手段、として機能させることを特徴とする。
上記(1)に記載したように、「変形センサ」とは、センサ体の変形量を基に所望の検出値を得るセンサをいう。「歪み」には、弾性歪み、塑性歪みが含まれる。「検出値」には、最終的な検出値、中間的な検出値が含まれる。「時系列的に前後する」には、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続する場合のみならず、早期の検出時と遅期の検出時とが時系列的に連続しない場合も含まれる。
「センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の検出値の変化方向」とは、例えば、静電容量型のセンサの場合、静電容量が増加する方向をいう。また、抵抗増加型のセンサの場合、電気抵抗が増加する方向をいう。また、抵抗減少型のセンサの場合、電気抵抗が減少する方向をいう。
本発明のキャリブレーション用プログラムによると、早期の検出時のセンサ体の歪みにより、遅期の検出時の検出値に誤差が含まれるおそれが大きい場合、遅期の検出時の検出値を補正することができる。このため、変形センサの測定精度を向上させることができる。
本発明によると、センサ体の歪みによる誤差を小さくすることが可能な変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムを提供することができる。
本発明の変形センサの一実施形態である変形センサの上面透過図である。 同変形センサの表側積層体の上面図である。 同変形センサの裏側積層体の上面図である。 図1のIV−IV方向断面図である。 本発明のキャリブレーション方法の一実施形態であるキャリブレーション方法の模式図である。 同キャリブレーション方法に用いられる補正テーブルの模式図である。 センサ体に対して行った歪み回復実験の実験結果を示すグラフである。 センサ体の厚さの時系列的な変化の模式図である。
以下、本発明の変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムの実施の形態について説明する。
<変形センサの構成>
まず、本実施形態の変形センサの構成について説明する。本実施形態の変形センサは、静電容量型の面圧分布センサである。図1に、本実施形態の変形センサの上面透過図を示す。図1においては、裏側電極を細線で示す。また、検出部にハッチングを施して示す。図2に、同変形センサの表側積層体の上面図を示す。図3に、同変形センサの裏側積層体の上面図を示す。なお、図3においては、裏側絶縁層を省略して示す。図4に、図1のIV−IV方向断面図を示す。なお、図4においては、上下方向の厚さを強調して示す。図1〜図4に示すように、本実施形態の変形センサ1は、表側積層体40と、裏側積層体41と、センサ体22と、制御部(図略)と、を備えている。
[表側積層体40]
表側積層体40は、表側基層23と、表側絶縁層25と、表側電極01X〜16Xと、表側配線01x〜16xと、表側配線用コネクタ50と、を備えている。表側基層23は、ウレタンゴム製であって、平板状を呈している。表側電極01X〜16Xは、表側基層23の下面に、合計16本配置されている。表側電極01X〜16Xは、表側基層23の下面に、印刷されている。表側電極01X〜16Xは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。表側電極01X〜16Xは、各々、帯状を呈している。表側電極01X〜16Xは、各々、左右方向に延在している。表側電極01X〜16Xは、前後方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
表側配線用コネクタ50は、表側基層23の左後隅に配置されている。表側配線用コネクタ50は、図示しない電気回路に接続されている。表側配線01x〜16xは、表側基層23の下面に、合計16本配置されている。表側配線01x〜16xは、表側基層23の下面に、印刷されている。表側配線01x〜16xは、各々、ポリウレタンと銀粒子とを含んで形成されている。表側配線01x〜16xは、各々、線状を呈している。表側配線01x〜16xは、各々、表側電極01X〜16Xと、表側配線用コネクタ50と、を接続している。
表側絶縁層25は、アクリルゴムを含んで形成されている。表側絶縁層25は、薄膜状を呈している。表側絶縁層25は、表側配線01x〜16xの下面、表側電極01X〜16Xの下面、表側基層23の下面に印刷されている。
[裏側積層体41]
裏側積層体41は、裏側基層24と、裏側絶縁層26と、裏側電極01Y〜16Yと、裏側配線01y〜16yと、裏側配線用コネクタ51と、を備えている。裏側基層24、裏側絶縁層26、裏側電極01Y〜16Y、裏側配線01y〜16y、裏側配線用コネクタ51の材質、構成は、上記表側基層23、表側絶縁層25、表側電極01X〜16X、表側配線01x〜16x、表側配線用コネクタ50の材質、構成と同様である。図4に示すように、裏側積層体41を構成する各層の積層順序は、表側積層体40を構成する各層の積層順序と、上下対称である。図1に示すように、表側電極01X〜16Xおよび裏側電極01Y〜16Yの中心を回転中心として、裏側積層体41は、表側積層体40に対して、水平面内において、時計回りに略90°回転して配置されている。このため、表側電極01X〜16Xと裏側電極01Y〜16Yとは、略直交している。
[センサ体22]
センサ体22は、ウレタンフォーム製である。ウレタンフォームは、本発明の「エラストマー」の概念に含まれる。センサ体22は、表側積層体40と裏側積層体41との間に介装されている。検出部A0101〜A1616は、図1にハッチングで示すように、表側電極01X〜16Xと裏側電極01Y〜16Yとが上下方向(表裏方向)に交差する部分に配置されている。
検出部A0101〜A1616の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、表側電極01X〜16Xの上二桁の数字に対応している。下二桁の「△△」は、裏側電極01Y〜16Yの上二桁の数字に対応している。
検出部A0101〜A1616は、各々、表側電極01X〜16Xの一部と、裏側電極01Y〜16Yの一部と、センサ体22の一部と、を備えている。検出部A0101〜A1616は、合計256個(=16個×16個)配置されている。検出部A0101〜A1616は、センサ体22の略全体に亘って、略等間隔に配置されている。
[制御部]
制御部は、電源回路と、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を備えている。制御部は、本発明の「コンピューター」の概念に含まれる。CPUは、本発明の「検出値比較部」、「補正部」の概念に含まれる。
制御部は、表側配線用コネクタ50、裏側配線用コネクタ51に電気的に接続されている。電源回路は、検出部A0101〜A1616に、正弦波状の交流電圧を印加する。具体的には、あたかも走査するように、表側電極01X〜16Xと裏側電極01Y〜16Yとの間に、順番に交流電圧を印加する。RAMには、所定のタイミングで、検出部A0101〜A1616から、インピーダンス、位相が入力される。インピーダンス、位相は、RAMに一時的に格納される。
ROMには、予め、検出部A0101〜A1616の静電容量と、検出部A0101〜A1616の変形量つまり面圧(荷重)と、の対応を示す検量線が格納されている。検量線は、本発明の「キャリブレーションデータ」に含まれる。また、補正テーブルが格納されている。また、本実施形態のキャリブレーション用プログラムが格納されている。
CPUは、RAMに格納されたインピーダンス、位相を基に、検出部A0101〜A1616の静電容量を算出する。そして、ROMに格納された検量線により、静電容量から、検出部A0101〜A1616各々の面圧を算出する。また、検出部A0101〜A1616全体の面圧分布を算出する。
<キャリブレーション方法>
次に、本実施形態のキャリブレーション方法について説明する。キャリブレーション方法は、検出部A0101〜A1616の各々に対して、個別に実行される。また、キャリブレーション方法は、ROMに格納されたキャリブレーション用プログラムにより実行される。
本実施形態のキャリブレーション方法は、検出値比較ステップと、補正ステップと、を有している。図5に、本実施形態のキャリブレーション方法の模式図を示す。なお、変形センサに実際に加えられる面圧を面圧実測値という。また、制御部により算出される面圧を面圧検出値という。面圧検出値は、本発明の「検出値」の概念に含まれる。また、厚さ1.0が元の状態である。また、復元する際の厚さ、面圧検出値の時間変化は、直線状でない場合がある。
図5に示すように、変形センサ1の任意の検出部A0101〜A1616に加えられる面圧実測値は、F0(無負荷)→F20→F30→F10→F0の順に変化する。なお、面圧実測値の大小関係は、F0<F10<F20<F30となっている。これに対応して、変形センサ1のセンサ体22の厚さは、面圧実測値F0の状態を1.0として、1.0(F0)→0.8(F20)→0.7(F30)→0.9(F10)→1.0(F0)の順に変化する。すなわち、面圧実測値が大きくなるのに従ってセンサ体22は圧縮される。このため、面圧実測値が大きくなるのに従ってセンサ体22の厚さは薄くなる。
面圧実測値と厚さとを比較すると、面圧実測値が大きくなる場合(例えば、時刻T1→時刻T2)、厚さは、面圧実測値の変化速度と略同じ変化速度で、速やかに薄くなることが判る。その理由は、荷重物(図略)により押圧されて、センサ体22が圧縮されるからである。
これに対して、面圧実測値が小さくなる場合(例えば、時刻T8→時刻T9)、厚さは、面圧実測値の変化速度よりも遅い変化速度で、厚くなることが判る。その理由は、センサ体22自身に蓄積された弾性復元力により、センサ体22が伸張するからである。
[検出値比較ステップ]
本ステップにおいては、CPUが、時系列的に前後する、N(Nは2以上の自然数)−1回目の検出時の面圧検出値と、N回目の検出時の面圧検出値と、を比較する。面圧検出値の検出は、時刻T1〜T14の際に行われる。なお、各検出時の面圧検出値は、ROMに格納された検量線により算出される。
[補正ステップ]
本ステップにおいては、CPUが、所定の場合に面圧検出値の補正を行う。二つの面圧検出値の比較の結果、N回目の検出時の面圧検出値が、N−1回目の検出時の面圧検出値以上である場合は、CPUは、N回目の検出時の面圧検出値を補正しない。例えば、時刻T2の検出時の面圧検出値F20は、時刻T1の検出時の面圧検出値F0よりも大きい。このため、CPUは、時刻T2の面圧検出値F20を補正しない。また、時刻T3の検出時の面圧検出値F20は、時刻T2の検出時の面圧検出値F20と等しい。このため、CPUは、時刻T3の面圧検出値F20を補正しない。このような状態は、時刻T1〜T8(つまりN=8)まで続く。
これに対して、二つの検出値の比較の結果、N回目の検出時の面圧検出値が、N−1回目の検出時の面圧検出値未満である場合は、CPUは、N回目の検出時の面圧検出値を補正する。
図6に、本実施形態のキャリブレーション方法に用いられる補正テーブルの模式図を示す。図6中、補正量−LL、−L、−M、−S、−SSの大小関係は、−LL<−L<−M<−S<−SSとなっている。補正テーブルは、ROMに格納されている。補正テーブルは、検出部A0101〜A1616に対応して、合計256個用意されている。図6に示すように、面圧検出値が大きいほど、補正量の絶対値が大きくなる。また、負荷レベルが大きいほど、補正量の絶対値が大きくなる。
ここで、負荷レベルとは、時刻T8までのセンサ体22の圧縮量0.3(=1−0.7)が継続した変形継続時間Ta(=時刻T6〜時刻T8間)、変形継続時間Taにおける面圧検出値F30、変形継続時間Taが終了した時刻T8から所定の検出時の時刻(例えば時刻T9、T10)までの経過時間Tb1、Tb2などを基に算出される、負荷に関するパラメータである。
例えば、時刻T9の検出時の面圧検出値F23は、時刻T8の検出時の面圧検出値F30よりも小さい。このため、CPUは、時刻T9の面圧検出値F23を補正する。すなわち、図5に点線で示すように、時刻T9の面圧実測値F10に対応するセンサ体22の厚さは、本来0.9である。しかしながら、変形継続時間Taの面圧実測値F30により、経過時間Tb1(=時刻T8〜時刻T9間)後の時刻T9において、センサ体22には未だ歪みa1が残っている。このため、センサ体22の厚さは、0.9よりも薄くなっている。したがって、面圧実測値F10に対して、面圧検出値F23は、大きく見積もられている。よって、補正する必要がある。
CPUは、図6に示す補正テーブルをROMから読み込んで、面圧検出値F23を補正する。面圧検出値F23は、F20以上F30未満の範囲に含まれている。このため、例えば、負荷レベルが3の場合、補正量=−LLが面圧検出値F23に加算される。すなわち、補正後の面圧検出値f23=F23−LLとなる。補正後の面圧検出値f23は、補正前の面圧検出値F23よりも、補正量=−LLだけ小さくなる。このため、補正後の面圧検出値f23は、補正前の面圧検出値F23よりも、面圧実測値F10に近くなる。
また、時刻T10の検出時の面圧検出値F12は、時刻T9の検出時の面圧検出値F23よりも小さい。このため、CPUは、時刻T9の面圧検出値F23同様に、時刻T10の面圧検出値F12を補正する。
すなわち、図5に点線で示すように、時刻T10の面圧実測値F10に対応するセンサ体22の厚さは、本来0.9である。しかしながら、変形継続時間Taの面圧実測値F30により、経過時間Tb2(=時刻T8〜時刻T10間)後の時刻T10において、センサ体22には未だ歪みa2が残っている。このため、センサ体22の厚さは、0.9よりも薄くなっている。したがって、面圧実測値F10に対して、面圧検出値F12は、大きく見積もられている。よって、補正する必要がある。
CPUは、図6に示す補正テーブルをROMから読み込んで、面圧検出値F12を補正する。面圧検出値F12は、F10以上F20未満の範囲に含まれている。このため、例えば、負荷レベルが1の場合、補正量=−Sが面圧検出値F12に加算される。すなわち、補正後の面圧検出値f12=F12−Sとなる。補正後の面圧検出値f12は、補正前の面圧検出値F12よりも、補正量=−Sだけ小さくなる。このため、補正後の面圧検出値f12は、補正前の面圧検出値F12よりも、面圧実測値F10に近くなる。
このように、本ステップにおいては、二つの検出値の比較の結果、N回目の検出時の面圧検出値が、N−1回目の検出時の面圧検出値未満である場合、CPUが、N回目の検出時の面圧検出値を補正する。
<作用効果>
次に、本実施形態の変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムの作用効果について説明する。時系列的に前後する2回の検出時の面圧検出値の大小関係が、(遅期の面圧検出値>早期の面圧検出値)の場合(例えば、図5に示す、時刻T2の面圧検出値F20>時刻T1の面圧検出値F0の場合)、または(遅期の面圧検出値=早期の面圧検出値)の場合(例えば、図5に示す、時刻T3の面圧検出値F20=時刻T2の面圧検出値F20の場合)、面圧検出値に誤差が含まれるおそれが小さい。このため、面圧検出値を補正する必要性は小さい。一方、時系列的に前後する2回の検出時の検出値の大小関係が、(遅期の検出値<早期の検出値)の場合(例えば、図5に示す、時刻T9の面圧検出値F23<時刻T8の面圧検出値F30の場合)、面圧検出値F23に誤差が含まれるおそれが大きい。このため、面圧検出値F23を補正する必要がある。
本実施形態によると、早期の検出時(例えば、図5に示す時刻T8)のセンサ体22の歪みにより、遅期の検出時(例えば、図5に示す時刻T9)の面圧検出値F23に誤差が含まれるおそれが大きい場合、遅期の検出時の面圧検出値F23を補正することができる。このため、変形センサ1の測定精度を向上させることができる。
また、N回目の検出時(例えば、図5に示す時刻T9)の面圧検出値F23には、N−1回目の検出時(例えば、図5に示す時刻T8)のセンサ体22の歪みの影響が、最も発生しやすい。この点、本実施形態によると、当該歪みによる誤差を小さくすることができる。
また、本実施形態によると、図6に示す補正テーブルの負荷レベルには、変形継続時間Ta、変形継続時間Taにおける面圧検出値F30、経過時間Tb1、Tb2が反映されている。すなわち、CPUは、変形継続時間Ta、面圧検出値F30、経過時間Tb1、Tb2を考慮して、遅期の検出時(例えば、図5に示す時刻T9)の面圧検出値F23を補正している。このため、センサ体22の復元状況を考慮して、面圧検出値F23、F12を補正することができる。したがって、変形センサ1の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態によると、RAMには、所定のタイミングで、検出部A0101〜A1616から、インピーダンス、位相が自動的に入力される。このため、自動的にキャリブレーションを行うことができる。したがって、特許文献1のキャリブレーション方法のように、キャリブレーション用に、何らかのトリガーを設定する必要がない。
また、本実施形態によると、全検出時(時刻T1〜T14)において、検量線が共用化されている。このため、特許文献1のキャリブレーション方法のように、圧力算出式が随時更新される場合と比較して、検出値の算出が簡単になる。
また、センサ体22は、ウレタンフォーム製である。すなわち、エラストマー製である。このため、塑性歪みが残りやすい。この点、本実施形態によると、センサ体22がエラストマー製の場合であっても、測定精度を向上させることができる。
また、センサ体22のへたり具合は、全面的に一様ではない。よく荷重が加えられる部分(例えば中央部)は、あまり荷重が加えられない部分(例えば周縁部)よりも、センサ体22がへたりやすい。このため、全ての検出部A0101〜A1616を一律に補正しても、検出部A0101〜A1616間の測定精度のばらつきを小さくすることは困難である。この点、本実施形態によると、制御部は、検出部A0101〜A1616ごとに、個別に検出値を補正している。このため、検出部A0101〜A1616間の測定精度のばらつきを小さくすることができる。
<その他>
以上、本発明の変形センサ、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、変形センサ1の制御部によりキャリブレーションを行ったが、変形センサ1とは別体のキャリブレーション装置によりキャリブレーションを行ってもよい。
上記実施形態においては、静電容量型のセンサとして本発明の変形センサを具現化したが、抵抗変化型のセンサとして本発明の変形センサを具現化してもよい。すなわち、本発明の変形センサを、変形量が大きくなるのに従って抵抗が増加する抵抗増加型のセンサや、変形量が大きくなるのに従って抵抗が減少する抵抗減少型のセンサとして、具現化してもよい。また、センサ体22の変形量から変位、変形を測定する変位センサとして、本発明の変形センサを具現化してもよい。
上記実施形態においては、図6に示す補正テーブルにより、面圧検出値F23、F12を補正したが、検量線を更新することにより、面圧検出値F23、F12を補正してもよい。上記実施形態においては、時刻T1〜T14に面圧の検出を行ったが、検出回数、検出頻度は特に限定しない。上記実施形態においては、センサ体22の弾性歪みによる誤差を小さくしたが、塑性歪みによる誤差を小さくしてもよい。
上記実施形態においては、センサ体22をウレタンフォーム製としたが、他のエラストマーの発泡体製としてもよい。また、他のエラストマー製としてもよい。また、伸縮性を有する布製としてもよい。エラストマーを用いる場合、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムから選ばれる一種以上を含んでいてもよい。こうすると、センサ体22の比誘電率が高くなる。このため、静電容量を大きくすることができる。布を用いる場合、天然繊維、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース系繊維、ポリウレタンから選ばれる一種以上を含む繊維から形成されている方がよい。具体的には、東レ(株)製の「プログレスキン」、「トリンティ(登録商標)」、「C100」等を用いることができる。また、セーレン(株)製「FH13−50」等、予め表面に被覆処理が施された伸縮布を使用してもよい。布は、伸縮性を有するものであれば、織布、編み布、不織布のいずれであってもよい。
また、表側電極01X〜16Xと、裏側電極01Y〜16Yと、の間に、多数のエラストマー製の柱や、多数のスプリングを介装することにより、センサ体22を作製してもよい。変形センサ1の製造方法は特に限定しない。基層に電極、配線を、順に印刷してもよい。印刷法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷、リソグラフィー、ディスペンサー等を用いてもよい。また、まず、基層、電極、センサ体などの各部材を各々成形し、次に各部材を接着してもよい。
以下、静電容量型の変形センサ(感圧センサ)に対して行った歪み回復実験について説明する。実施例1−1〜1−3については、同じ変形センサを用いた。また、実施例2−1〜2−3については、同じ変形センサを用いた。実施例1−1〜1−3、2−1〜2−3の六つの変形センサのセンサ体は、いずれもウレタンフォーム製である。なお、変形センサに実際に加えられる圧力を実測圧力と表現する。また、制御部により算出される圧力を検出圧力という。
[実施例1−1]
実施例1−1の歪み回復実験の実験方法について説明する。まず、20mmHg(=約2.7kPa <40mmHg)の基準実測圧力を、変形センサに加えた。次に、変形センサの検出圧力を測定した。それから、変形センサから基準実測圧力を除いた。次に、40mmHg(=約5.3kPa)の初期実測圧力を、1時間だけ、変形センサに加えた。それから、変形センサから初期実測圧力を除いた。
1回目の測定は、40mmHgの初期実測圧力を除いた後、直ちに行った。まず、20mmHgの測定実測圧力を変形センサに加えた。次に、変形センサの検出圧力、および上昇率を算出した。それから、変形センサから測定実測圧力を除いた。まず40mmHgの初期実測圧力を加え、次に20mmHgの測定実測圧力を加えたのは、(遅期の圧縮量<早期の圧縮量)という状態を擬似的に作り出すためである。
なお、変形センサの検出圧力の上昇率Zは、基準となる変形センサの検出圧力Z0(20mmHgの基準実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力)、測定時の変形センサの検出圧力Z1から、下記の式(2)により求めた。
Z=((Z1−Z0)/Z0)×100 ・・・式(2)
2回目の測定は初期実測圧力を除いてから1時間経過後に、3回目の測定は初期実測圧力を除いてから2時間経過後に、4回目の測定は初期実測圧力を除いてから3時間経過後に、5回目の測定は初期実測圧力を除いてから24時間経過後に、それぞれ行った。2回目〜5回目の測定方法は、1回目の測定方法と同様である。
[実施例1−2]
実施例1−2の実験方法と、実施例1−1の実験方法と、の相違点は、1回目〜5回目の測定の際に加える測定実測圧力が、20mmHgではなく、70mmHg(=約9.3kPa >40mmHg)である点である。また、基準実測圧力が、20mmHgではなく、70mmHgである点である。その他の条件は、実施例1−1の実験方法と同様である。まず40mmHgの初期実測圧力を加え、次に70mmHgの測定実測圧力を加えたのは、(遅期の圧縮量>早期の圧縮量)という状態を擬似的に作り出すためである。
[実施例1−3]
実施例1−3の実験方法と、実施例1−1の実験方法と、の相違点は、40mmHgの初期実測圧力を変形センサに加えた時間が、1時間ではなく、2時間である点である。他の条件は、実施例1−1の実験方法と同様である。
[実施例2−1〜2−3]
実施例2−1の実験方法は実施例1−1の実験方法と、実施例2−2の実験方法は実施例1−2の実験方法と、実施例2−3の実験方法は実施例1−3の実験方法と、各々同様である。
実験結果を表1、図7に示す。
Figure 2012117892
表1、図7中、「基準」とは、基準実測圧力が加えられる時をいう。「1回目〜5回目」とは、圧力の測定時をいう。図7における、「基準」と「1回目」との間に、初期実測圧力が加えられる。
実施例1−1、1−3、2−1、2−3の場合、変形センサに加えた基準実測圧力、測定実測圧力は、共に20mmHgである。このため、本来、基準実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力と、測定実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力と、は等しくなるはずである。
同様に、実施例1−2、2−2の場合、変形センサに加えた基準実測圧力、測定実測圧力は、共に70mmHgである。このため、本来、基準実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力と、測定実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力と、は等しくなるはずである。
表1、図7に示すように、実施例1−1、1−3、2−1、2−3については、40mmHgの初期実測圧力により、基準実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力に対して、1回目〜5回目の測定時の検出圧力は、概ね上昇した。また、時間の経過と共に、概して検出圧力の上昇率が小さくなった。すなわち、40mmHgの初期実測圧力よりも、1〜5回目の測定時に加えた20mmHgの測定実測圧力が小さい場合は、初期実測圧力による歪みの影響が、測定時に残りやすいことが判った。また、時間の経過と共に、初期実測圧力による歪みの影響が小さくなることが判った。
このことから、遅期の検出時の検出値(1〜5回目の測定時に加えた20mmHgの測定実測圧力に対応)が、早期の検出時の検出値(40mmHgの初期実測圧力に対応)未満である場合、早期の検出時のセンサ体の歪みによる誤差を小さくするために、遅期の検出時の検出値を補正する必要があることが判った。
これに対して、実施例1−2、2−2については、40mmHgの初期実測圧力を加えても、基準実測圧力を加えた際の変形センサの検出圧力に対して、1回目〜5回目の測定時の検出圧力は、あまり変化しなかった。また、時間が経過しても検出圧力の上昇率があまり変化しなかった。すなわち、40mmHgの初期実測圧力よりも、70mmHgの測定実測圧力が大きい場合は、初期実測圧力による歪みの影響が、測定時に残りにくいことが判った。
このことから、遅期の検出時の検出値(1〜5回目の測定時に加えた70mmHgの測定実測圧力に対応)が、早期の検出時の検出値(40mmHgの初期実測圧力に対応)以上である場合、遅期の検出時の検出値を補正する必要がないことが判った。
1:変形センサ、01X〜16X:表側電極、01Y〜16Y:裏側電極、01x〜16x:表側配線、01y〜16y:裏側配線、22:センサ体、23:表側基層、24:裏側基層、25:表側絶縁層、26:裏側絶縁層、40:表側積層体、41:裏側積層体、50:表側配線用コネクタ、51:裏側配線用コネクタ、A0101〜A1616:検出部、T1〜T14:時刻、Ta:変形継続時間、Tb1:経過時間、Tb2:経過時間。

Claims (8)

  1. 弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサであって、
    前記制御部は、
    時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較部と、
    前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正部と、
    を有することを特徴とする変形センサ。
  2. 前記センサ体の前記変形量に関連する電気量は、該センサ体から前記制御部に、所定の頻度で自動的に伝送される請求項1に記載の変形センサ。
  3. 前記早期の検出時まで、前記センサ体の前記変形量が略一定の変形継続時間が継続する場合、
    該早期の検出時から前記遅期の検出時までの経過時間を考慮して、該遅期の検出時の前記検出値を補正する請求項1または請求項2に記載の変形センサ。
  4. 前記検出値比較部は、予め設定されたキャリブレーションデータを用いて、二つの該検出値を、各々、算出する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の変形センサ。
  5. 前記センサ体は、エラストマー製である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の変形センサ。
  6. 前記センサ体の表側に配置される表側電極と、該センサ体の裏側に配置される裏側電極と、表側または裏側から見て該表側電極と該裏側電極とが重複する部分に配置される検出部と、を備え、外部から入力される荷重により該表側電極と該裏側電極との間の電極間距離が変化し静電容量が変化することを利用して、該荷重の変化を検出する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の変形センサ。
  7. 弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサのキャリブレーション方法であって、
    時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較ステップと、
    前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正ステップと、
    を有することを特徴とするキャリブレーション方法。
  8. 弾性変形するセンサ体と、該センサ体の変形量に対応する検出値を算出する制御部と、を備える変形センサのキャリブレーション用プログラムであって、
    所定のコンピューターを、
    時系列的に前後する、早期の検出時の該検出値と、遅期の検出時の該検出値と、を比較する検出値比較手段、
    前記センサ体が弾性力を蓄積しながら変形する際の該検出値の変化方向を正方向として、二つの該検出値の比較の結果、該遅期の検出時の該検出値が、該早期の検出時の該検出値未満である場合、該早期の検出時の該センサ体の歪みによる誤差を小さくするために、該遅期の検出時の該検出値を補正する補正手段、
    として機能させることを特徴とするキャリブレーション用プログラム。
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