JP2012117427A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸排気バルブを駆動するロッカーアーム103が収容され、オイル循環経路に形成されるロッカー室4を有し、ロッカー室4は、液状及びオイルミストを含んだ流体が流入する第1の開口部33aと、流体から分離された液状のオイルを排出する第2の開口部と、液状のオイル分離が分離された流体が排出される第3の開口部48aと、を有し、第1の開口部33a及び第2の開口部は、ロッカー室4の下面に形成され、第3の開口部48aは、ロッカー室4の上面から下面方向に延び、第1の開口部33aと第3の開口部48aとの間のロッカー室4の上面には、下面方向に延びる板状の壁部材45が形成され、壁部材45の下方位置にロッカーアーム103の回転中心となるシャフト107が配置される。
【選択図】図2
Description
また、このような構成を有することから、4サイクルエンジンの潤滑装置は、壁部材によって、液状のオイルをシャフトに供給し、潤滑することができる。
そして、この大面積化によって、オイルミストの流れから、液状のオイルを気液分離することをより高効率で行うことができる。
(請求項5)。
なお、図1は、ピストンが上死点に位置した状態にあるときの4サイクルエンジンを示している。
油溜室7は、クランクケース5と別個に設けられ、オイルA(以下、単に「オイルA」と記す。)を貯留する。
この動弁機構10のうちバルブ駆動ギヤ10a及びカムギヤ10bは、シリンダブロック3の頭部に形成されたロッカー室4と油溜室7とを連通する供給通路31の途中に設けられたバルブ駆動室32内に収容され、ロッカーアーム等の部品は、ロッカー室4内に設けられている。
吸入部35は、ゴム等の弾性材料により形成されて容易に撓むことができる管体35aと、管体35aの先端部に取り付けられた吸入口付きの錘35bとを有してなる。
吸入部35の錘35bは、重力により鉛直下側方向位置に移動可能に取り付けられており、これにより油溜室7が傾いても、規定量の範囲で貯留されるオイルAの油面下に吸入部35の吸入口を没入させることができる。
送油通路34のクランク室5a側に開口する開口端部34aの位置は、ピストン6が上死点近傍位置から上死点に向かって移動する間にピストン6の移動に伴って開口する位置に設けられ、上死点近傍位置に移動したピストン下部のスカート部6aの下死点方向側に位置している。
従って、送油通路34の開口端部34aは、ピストン6が上死点に達した時点では既に全開している。
連通路39のクランク室側に開口する開口端部39aにはリード弁40が設けられている。このリード弁40は、クランク室5aの圧力変化に応じて開閉可能に構成され、ピストン6が下死点側に移動するときのクランク室内の正圧によって開いて連通路39を連通状態にするように構成されている。
このためリード弁40が開いて連通路39が連通状態になると、クランク室5a内のオイルミスト及びオイルが連通路39を通って油溜室7内に送られる。
油溜室7の空間部7bは、ガスケットとしての機能をも有するバッフルプレート7cによって区分けされている。
バッフルプレート7cの上側方向位置に、供給通路31の開口端部31aが形成されている。
このため、連通路39の開口端部39bから吐出するオイルミストは、オイルの油面下に吹きつけられることでオイル内部を泡立てることはなく、穏やかに油溜室7に戻され、オイルミストの多くが液化される。
但し、開口端部39bから吐出するオイルミストの一部は油面上や壁面上で跳ね返って、油溜室7内の油面上側方向位置の空間部7a内に滞留する。このようにオイルAの油面上の位置に配置された連通路39の開口端部39bは、オイルミストを液化させる液化手段の一部として機能する。
即ち、開口端部39bにおける連通路39の延伸方向(一点鎖線で示した方向)に直交する平面に対し、供給通路31の開口端部31a及びその近傍が連通路39の基部側に配置されていれば、連通路39から吐出するオイルミストが直接に供給通路31の開口端部31aに入ることはない。
つまり油溜室7における供給通路31と連通路39の配置は、連通路39から吐出するオイルミストが直接に供給通路31の開口端部31aに流入するのを阻止する流入阻止部として機能している。
このため、供給通路31を流れるオイルミストの濃度は、送油通路34からクランク室5a内に供給されるオイルの濃度と比較して低くなる。供給通路31はバルブ駆動室32と接続される。
そして、このプッシュロッド通路33のロッカー室4側の第1の開口部33aは、ロッカー室4のシリンダブロック3側に開口している。このため、供給通路31を流れるオイルミストはバルブ駆動室32内の動弁機構10を潤滑し、プッシュロッド通路33を通過し、第1の開口部33aから吐出してロッカー室4内に供給されてロッカー室4内のロッカーアーム等を潤滑する。このようにプッシュロッド通路33は、供給通路31の一部として構成される。
また、プッシュロッド通路33をプッシュロッドが貫通して、プッシュロッド101がロッカー室4内のロッカーアーム103を駆動している。
また、ロッカー室4内には壁部材45が形成されている。
この吸引管43は、第2の開口部43aによってロッカー室4と連通している。
そして、吸引管43と吸引通路42が接続されている。吸引通路42はロッカー室4のクランク室5aとは反対側に設けられ、吸引管43はこれに連通してロッカー室4内のクランク室側へ延びるように設けられ、吸引管43の先端は開口している。
吸引管43の開口先端部は、ロッカー室4内のクランク室側底面からオイルを吸い上げるために、ロッカー室4のクランク室側底面の近傍位置に配置されている。
そして、吸引管43はロッカー室4の隅部に配置されて、ロッカー室4が上側方向位置に位置する状態で4サイクルエンジン1が傾いても、いずれかの吸引管43を介してロッカー室4内に溜まるオイルが吸引されるようになっている。
直通通路46のクランク室側の開口端部46aの位置は、送油通路34の開口端部34aと同様に、ピストン6が上死点近傍位置から上死点に向かって移動する間にピストン6の移動に伴って開口する位置に設けられ、上死点近傍位置に移動したピストン下部のスカート部6aの下死点方向側に位置している。
従って、直通通路46の開口端部46aは、ピストン6が上死点に達した時点では既に全開している。
このようにすることで、クランク室5aからロッカー室4へオイルやオイルミストが逆流することを確実に防止することができる。
ブリーザ通路48は、オイルミストに混入するブローバイガスを燃焼室へ排出することを目的として設けられている。ロッカー室4内のオイルミストやブローバイガスは、ブリーザ通路48を介してエアクリーナ50に送られ、エアクリーナ50に設けられたオイルセパレータ51により液化されたオイルとブローバイガスに気液分離される。
第3の開口部48aは、ロッカー室4の略中央部に開口するので、ロッカー室4にオイルが多く滞留しても、容易にそのオイルを吸い込むことはない。このブリーザ通路48には逆止弁が設けられ、この逆止弁によりエアクリーナ50からロッカー室4側へのブローバイガスやオイルミストの逆流を防止している。
クランク室5aの正圧時には、リード弁40が開き、クランク室5aと油溜室7が連通状態になる。クランク室5a内のオイルミストとオイルは断面積の大きな連通路39を流れ、戻し通路54はオイルで栓がされた状態になるので、クランク室5aからバルブ駆動室32へオイルが逆流することは殆どない。本実施例では、連通路39の内径をφ9mm、戻し通路54の内径をφ2mmとしている。
また、戻し通路54内に、クランク室側へのオイルの流れを許容し、バルブ駆動室32側へのオイルの流れを規制する逆止弁を設けてもよい。このようにすると、クランク室5a内からバルブ駆動室32側へのオイルの逆流を確実に防止することができる。
流量調整通路56がバルブ駆動室32内の空気を吸い込むことで、送油通路34を介してクランク室5aに供給されるオイルの流量が調整される。
この空気の吸い込み量が多ければ、送油通路34を介して供給されるオイルの流量は減少する。なお、流量調整通路56は、バルブ駆動室32の底部から離し、バルブ駆動室32に滞留するオイルを吸い込みにくい位置に設けるのが良い。
このため、逆止弁37によりオイルの供給を遮断すると、逆止弁37よりも油溜室側の送油通路34内にはオイルが溜まり、流量調整通路56と送油通路34の接続部位にはオイルが溜まった状態になる。
これによって、流量調整通路56から送油通路34が空気を吸い込むタイミングで、空気だけが送油通路34を流れることはなく、バルブ駆動室32から送り込まれた空気とともに送油通路34内のオイルがクランク室5aに送られる。
流量絞り57を調整してバルブ駆動室32から吸い込まれる空気の量を調整することで、送油通路34を介してクランク室5aに供給されるオイルの流量を調整することができる。つまり、流量調整通路56の内径を気にせず、流量絞り57の設計のみで容易にオイルの流量調整ができる。
4サイクルエンジン1が傾いても送油通路34の吸入部35は、油溜室7のオイルAの油面下に没した状態にあり、油溜室7からオイルAが吸い込まれてクランク室5a内に送られる。開口端部34aは、ピストン6が上死点位置に達した時点では既に全開となっているので、クランク室5a内の負圧を充分に送油通路34に作用させることができる。
そのため、油面下より汲み上げられるオイルAをクランク室5a内に充分に供給することができる。
油溜室7内で衝突して跳ね返ることで残ったオイルミストの濃度は、クランク室5a内での濃度よりも低くなる。
なお、クランク室5aが正圧になると、逆止弁37の作用によりクランク室5aから油溜室7へのオイルが逆流しないよう送油通路34が遮断され、次いで開口端部34aがピストン6により閉じられる。
油溜室7からロッカー室4にオイルミストを送る過程で、供給通路31に設けられたバルブ駆動室32内の動弁機構10の各部品は潤滑される。この際オイルミストの一部は液化する。
このため、バルブ駆動室32でオイルが過度に滞留することを抑止でき、ロッカー室4にオイルが流出することを抑止できる。またオイルが供給通路31を塞ぐ事を防止できる。
またロッカー室4内に供給されたオイルミストが液化して滞留してもクランク室5a内の強い負圧が作用して、クランク室5a内にオイルを送ることができ、ロッカー室4でオイルが滞留することを抑止できる。
図2(a)は、本実施形態のロッカー室4の説明図であり、図2(b)は、比較例である。
なお、図2(a)及び図2(b)は、ロッカー室4を中央から切断した部分の説明図であるが、図2(a)は説明のためにプッシュロッド通路33部分を切断した断面としている。なお、本来は、図2(b)の様な断面形状となる。
この上側方向は使用状態において4サイクルエンジン1が最も長く使用される状態における鉛直上側方向と略一致する。この上側方向とは反対方向を下側方向という(図2において、紙面下側)。
また、プッシュロッド101が配置されている側をプッシュロッド側方向と定義する(図2において、紙面右方向)。このプッシュロッド側方向と反対の方向を反プッシュロッド側方向という(図2において、紙面左方向)。
プッシュロッド101は吸気用及び排気用の2本からなるが、この2本のプッシュロッド101を手前とした場合の、右手方向を奥側方向(図2において、紙面奥方向)と定義する。この奥側方向と反対側の方向を手前側方向(図2において、紙面手前方向)と定義する。
図1において用いた方向も上記定義に基づいている。
プッシュロッド通路33内には、プッシュロッド101が配置されている。
プッシュロッド101は、ロッカーアーム103とプッシュロッドナット101aで接続されている。
ロッカーアーム103は、ロッカーアーム103の中央部付近でシャフト107によって回転自在、つまりシーソのような構造、で支持されている。
このロッカーアーム103の一端側(プッシュロッド側方向)で、プッシュロッド101とプッシュロッドナット101aによって接続されている。また、他端(反プッシュロッド側方向)の下側方向の面が給排気弁109の上側方向の端部と接触している。
その結果、プッシュロッド101が上側方向に移動すると、ロッカーアーム103もプッシュロッド側方向の部材が上側方向に移動する。そうすると、ロッカーアーム103の反プッシュロッド側方向の部材が下側方向に移動し、ばね力に打ち勝って給排気弁109を下側方向に押し進める。これによって、給排気弁109が燃焼室内に進出し、給排気管と動弁室とを連通させる。
逆に、プッシュロッド101が下側方向に移動すると、ロッカーアーム103もプッシュロッド側方向の部材が下側方向に移動する。そうすると、ロッカーアーム103の反プッシュロッド側方向の部材が上側方向に移動し、給排気弁109が上側方向にばね力によって戻ることを許容する。これによって、給排気弁109が燃焼室内の給排気口位置に戻り、給排気管と動弁室との連通を遮断する。
図2のように、ロッカー室4のプッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向において、プッシュロッド側方向の面から、全長の約1/5の位置に、プッシュロッド通路33は配置されている。また、図2のように、ロッカー室4のプッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向において、反プッシュロッド側方向の面から、全長の約1/5の位置に、給排気弁109は配置されている。
ロッカーアーム103は、プッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向に伸びて形成されている。
なお、上記位置関係は適宜変更可能であることは言うまでもない。
このロッカー室4を構成する中空空間の下側の面を下面とし、上側の面を上面とする。
そして、ロッカー室4の上側方向の面から、下側方向にブリーザ通路48が伸びている。
このブリーザ通路48は、手前側方向及び奥側方向においては、ロッカー室4の中央に位置している。
また、このブリーザ通路48は、プッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向において、反プッシュロッド側に偏って設置されている。具体的には、図2のように、ロッカー室4のプッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向の全長の、反プッシュロッド側の面から約1/3の位置に、このブリーザ通路48は配置されている。
また、ブリーザ通路48がロッカー室4に開口する開口部分である第3の開口部48aは、ロッカー室4の中心付近に位置し、かつ、下側方向を向いて開口している。具体的には、図2のように、ロッカー室4の上側方向及び下側方向の全長の約1/2の位置に、第3の開口部48aは配置されている。
なお、上記位置関係は適宜変更可能であることは言うまでもない。また、第3の開口部48aの位置は、例えば、より反プッシュロッド側方向位置に変更することも可能である。さらに、第3の開口部48aの開口している方向も、下側方向の向きでなければならない必然性はなく、例えば、プッシュロッド側方向、反プッシュロッド側方向側及びその中間方向を向いていてもよい。他にも、第3の開口部48aの位置及び第3の開口部48aの付近位置に、何らかの、オイル分離部材を設けてもよい。
ロッカーカバー114は、ロッカー室4の内部側に配置されるインナーカバー113とロッカー室の外部側に配置されるアウターカバー111によって構成される。
シリンダヘッド3aは、シリンダ3bの上側方向位置に形成されている正方形の底面と、その底面の各辺の約1/6の高さを有する側面と、から構成される正方形のお盆状の形状を有する。
ロッカーカバー114は、正方形の底面と、その底面の各辺の約1/3の高さを有する側面と、から構成される正方形のお盆を伏せた形状を有する。
また、アウターカバー111に形成されているブリーザ通路48が、図2のようにインナーカバー113を貫通して形成されている。
このように、ブリーザ通路48が挿入されるために、インナーカバー113には貫通穴113aが形成されている。
壁部材45は、上側方向及び下側方向において、ロッカー室4の全長の約1/4程度の高さを有している。
壁部材45は、プッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向において、ロッカー室4のプッシュロッド側の面から約2/5程度の位置に配置されている。
壁部材45は、プッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向において、第1の開口部33aと第3の開口部48aとの間の位置に配置されているということもできる。
なお、壁部材45の位置は適宜変更可能であることは言うまでもない。つまり、オイルミストの流れF01を衝突させることができる位置であれば適宜変更可能である。
そこで、本実施形態では、図2(a)のように、壁部材45を設けて、第3の開口部48aへオイルミストが直接送られなくし、オイルが消費されにくくしている。
より具体的には、図2(a)のように流体を流れF01のように壁部材45やシャフト107に衝突させることによって、オイルミストを壁部材45やシャフト107に付着させる。
そして、濃度の低下したオイルミストをエアクリーナに送り、さらに、オイルセパレータ51で分離する。
したがって、その成型方法が自由に選べるとは限らず複雑な形状とするのに適切ではない。
他方、インナーカバー113は、アウターカバー111程の強度は必要ないため、比較的複雑な形状とすることができる。
そこで、本実施形態では壁部材45をインナーカバー113と一体的に形成している。
これによって、複雑な形状の壁部材45を容易に作成することが可能となるという効果がある。
また、シャフトホルダ105は、シャフト107を、ロッカー室4のプッシュロッド側方向及び反プッシュロッド側方向におけるほぼ中心位置、かつ、上側方向及び下側方向におけるほぼ中心位置に位置するように保持している。
シャフトホルダ105は、シャフト107の軸が手前側方向及び奥側方向に伸びるように、シャフト107を保持している。
なお、シャフト107は円形の断面形状を有している。
そこで、本実施形態では、シャフト107の上部側位置に壁部材45を配置している。これによって、オイルミストがシャフトに直接送られるので、シャフト107とロッカーアーム103との間の潤滑を行うオイルとしての役割を果たすことになる。
図3(a)は、本実施形態のインナーカバー113の説明図であり、図3(b)は、壁部材45が無い場合の比較例である。
また、四隅に下側方向に伸びる吸引管43が形成されている。この吸引管43の先端部には下側方向を向いた第2の開口部43aが形成されている。
この第2の開口部43aは、ロッカー室4に溜まった液状のオイルを、吸引する方法でロッカー室4から排出する。排出されたオイルは、直通通路46を通じてクランク室5aに還流される(図1も参照)。
なお、第2の開口部43aは、このような形状に構成されている必然性は無い。例えば、ロッカー室4の下面に直接形成されて、クランク室5aと連通するように形成されていてもよい。
そして、壁部材45は、ロッカーアーム103が配置されている部分に該当する部分であるロッカーアーム対応部分45a、壁部材の中央位置に位置する中央部分45b及びロッカー室4の側面部分に接する側面部分45cを有している。
ロッカーアーム対応部分45aは、ロッカーアーム103が上側方向位置に張り出して配置されているため、このロッカーアーム103と接触しない様に、壁部材45を切り欠くように形成されている。
そして、図4のように、プッシュロッド通路33を通過してくる流体は、第1の開口部33aからロッカー室4に流入する。この流体は、2つのプッシュロッド101からそれぞれ流入する。
他方、流体の一部を排出するブリーザ通路48の第3の開口部48aは、手前側方向及び奥側方向の中央位置、かつ、反プッシュロッド側方向位置、に形成されているのであるから、ロッカー室4に流入した流体は壁部材45に衝突する。
特に、中央部分45bには多くの流体が衝突することが予想される。
また、この流体から多くのオイルミスト及び当初から液状のオイルを分離するためには、この壁部材45はできるだけ下面側に伸びて、より多くの流体を衝突させることが適切である。
もっとも、ロッカーアーム103が存在するために、下面側に伸びることができない部分がある。このような部分は、下面側に突出を少なく形成したロッカーアーム対応部分45aによって形成し、他の部分である中央部分45b及び側面部分45cは下面側に突出を多く形成する。
特に中央部分45bは、流体の衝突割合が多いと考えられるため高く構成している。このように、中央部分45bを高く構成したことによって、オイルの分離がより高効率で可能となるという効果がある。
したがって、本実施形態では、壁部材45は、上側方向及び下側方向において、ロッカー室4の全長の約1/4程度の高さを有している。
そして、落下したオイルは、吸引管43の第2の開口部43aを介してロッカー室4から排出される。
また、シャフト107の上側部分に壁部材45が配置されていることによって、分離したオイルをシャフト107とロッカーアーム103の潤滑に使用することが可能となる。
具体的には、図5(b)のように、壁部材の第1の開口部33a側の面に、シャフト107側に傾斜した直線状に面取りされた直線面取り部45dを形成する。
もしくは、図5(c)のように、壁部材の第1の開口部33a側の面に、シャフト107側に徐々に傾斜する円状の円状面取り部45eを形成する。
このように構成したことによって、壁部材45がシャフト107よりも第1の開口部33a側に近い場合であっても、より確実に、シャフト107にオイルを供給することができる。
具体的には、図6(b)のように、壁部材の第1の開口部33a側の面に、シャフト107側に傾斜した直線状に面取りされた直線突出部45fを形成する。
もしくは、図6(c)のように、壁部材の第1の開口部33a側の面に、シャフト107側に徐々に傾斜する円状の円状突出部45gを形成する。
このように構成したことによって、壁部材45がシャフト107よりも第1の開口部33aよりも遠い場合であっても、より確実に、シャフト107にオイルを供給することができる。
具体的には、ロッカーアーム対応部分45aの直線面取り部45c−1の傾斜と、高さの高い中央部45b及び側面部45cの直線面取り部45c−2傾斜とを異ならせる。ロッカーアーム対応部分45aの直線面取り部45c−1の傾斜を、高さの高い中央部45b及び側面部45cの直線面取り部45c−2傾斜よりも、上側方向側に角度大きい傾斜とする。
換言すると、ロッカーアーム対応部分45aの直線面取り部45c−1の延長線、及び、高さの高い中央部45b及び側面部45cの直線面取り部45c−2の延長線をシャフト107の軸の付近と重なるように形成する。
このように構成したことによって、壁部材45の高さが異なっていても確実にシャフト107にオイルを供給することが可能となる。
このような課題を解決するため、4サイクルエンジン1の潤滑装置は、吸排気バルブを駆動するロッカーアーム103が収容され、オイル循環経路に形成されるロッカー室4を有している。
また、ロッカー室4は、オイルミストを含んだ流体が流入する第1の開口部33aと、流体から気液分離された液状のオイルを排出する第2の開口部43aと、液状のオイルが排出される第3の開口部48aと、を有している。
そして、第1の開口部33a及び第2の開口部43aは、ロッカー室4の下面に形成され、第3の開口部48aは、ロッカー室4の上面から下面方向に延びている。
さらに、第1の開口部33aと第3の開口部48aとの間のロッカー室4の上面には、下面方向に延びる板状の壁部材45が形成され、壁部材45の下方位置にロッカーアーム103のシャフト107が配置される。
このような構成要件、特に、4サイクルエンジンの潤滑装置が壁部材を有することによって、4サイクルエンジンの潤滑装置は、流体(4サイクルエンジンのオイル循環経路に存在する空気成分、オイルミスト、当初から液状のオイル、ブローバイガス等のうち少なくともオイルミストを含んだものをいう)から、気液分離されたオイルミストが液化したオイル、及び、当初から液状のオイルを分離することをより高効率で行うことができる。
また、このような構成を有することから、4サイクルエンジンの潤滑装置は、壁部材によって、液状のオイルを、シャフト107に供給し、潤滑する。
このような構成要件を有することから、4サイクルエンジン1の潤滑装置は、第1の開口部33aから流入する流体を当てる壁部材45を大面積化することが可能となる。
そして、この大面積化によって、オイルミストの流れから液化したオイルを気液分離することをより高効率で行うことができる。
このような構成要件を有することから、4サイクルエンジンの潤滑装置は、壁部材45によって、液状のオイルをシャフト107に効率よく供給し、潤滑することができる。
このような構成要件を有することから、4サイクルエンジンの潤滑装置は、壁部材45によって、液状のオイルをシャフト107に効率よく供給し、潤滑することができる。
このような構成要件を有することから、壁部材等が複雑な構造を有していても、インナーカバー113だけをそのような複雑な構造に製造すれば済むという利点がある。
第1の開口部、第2の開口部及び第3の開口部は、実施形態の位置及び方向に限定されるものではない。
第2の開口部の開口方向及び位置は、本実施形態のものに限定されない。例えば、実施形態の第1の開口部33aと同様に、シリンダヘッド115の下側方向の位置に、上側方向を向いた開口部が形成されていてもよい。さらに、その他の位置及び方向に形成されていてもよい。
また、第3の開口部の位置及び方向も、実施形態の位置及び方向に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
なお、第1の開口部は、第2の開口部及び第3の開口部ほどの自由度はないものの、適宜位置及び方向を変更可能である。
また、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、様々な変化した構造、構成を有していて良い。
Claims (5)
- 吸排気バルブを駆動するロッカーアームが収容され、オイル循環経路に形成されるロッカー室を有し、
前記ロッカー室は、
オイルミストを含んだ流体が流入する第1の開口部と、
前記流体から気液分離された液状のオイルを排出する第2の開口部と、
前記液状のオイルが分離された流体が排出される第3の開口部と、を有し、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、前記ロッカー室の下面に形成され、
前記第3の開口部は、前記ロッカー室の上面から下面方向に延び、
前記第1の開口部と前記第3の開口部との間の前記ロッカー室の上面には、下面方向に延びる板状の壁部材が形成され、
前記壁部材の下方位置に前記ロッカーアームのシャフトが配置されることを特徴とする
4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 前記壁部材は、
前記ロッカーアームの上側方向部分では、突出を少なく形成し、
前記ロッカーアームの上側方向以外の部分では、突出を多く形成していることを特徴とする
請求項1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 前記壁部材は、
前記ロッカー室の上面位置で、前記シャフトよりも前記第1の開口部の側に形成され、前記シャフトに向けて延びていることを特徴とする
請求項1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 前記壁部材は、
前記ロッカー室の上面位置で、前記シャフトよりも前記第3の開口部の側に形成され、前記シャフトに向けて延びていることを特徴とする
請求項1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 前記ロッカー室の上側部分は、
前記第3の開口部が形成されるアウターカバーと、
前記第3の開口部に挿入する為の貫通穴を有し、前記壁部材が形成されるインナーカバーと、から構成される
請求項1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
Priority Applications (1)
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JP2010266867A JP2012117427A (ja) | 2010-11-30 | 2010-11-30 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5654645B1 (ja) * | 2013-07-24 | 2015-01-14 | 株式会社工進 | エンジンの潤滑装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02161119A (ja) * | 1988-12-13 | 1990-06-21 | Kubota Ltd | 頭上弁式エンジンの動弁機構潤滑装置 |
JPH08100621A (ja) * | 1994-10-04 | 1996-04-16 | Ishikawajima Shibaura Mach Co Ltd | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
JP2007263069A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Makita Numazu Corp | 携帯型4サイクルエンジン及びこれを搭載した作業機 |
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JP2008297938A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関のオイルセパレータ |
-
2010
- 2010-11-30 JP JP2010266867A patent/JP2012117427A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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