JP2012115993A - 加飾成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に多様な柄が形成され、しかも基材層の加飾層への滲み出し防止も可能な簡単な構成な加飾成形品を実現する。
【解決手段】加飾成形品40において、基材層2の上面に構成される目止め層3と加飾層4は、特定の形状に切り欠きされており、基材層2、目止め層3及び加飾層4が加圧成形により一体化された際に、この切り欠きされた切欠部5に、基材層2の成形材料6が押し出されて充填され、基材層2の成形材料6が表面に露出した基材表面部7と、切り欠きされていない加飾層4の加飾表面部8とによって柄が形成され、しかも基材表面部7と加飾表面部8は段差なく形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、浴室の洗い場の床等に使用される加飾成形品に関し、例えば、SMC(Sheet Molding Compound)材の基材層と加飾層の中間層として、無機鉱物を主成分とする目止め層(滲み出し防止シート)を用いて、基材層と加飾層をプレス成形する加飾成形品に関する。
従来技術として、SMC材と加飾シートをプレス成形して模様付き成形品を製造する方法は知られている(図6(a)参照)。そして、模様付き成形品の製造方法において、成形材料が模様層に流れ込まないようにポリエステル製などの不織布に熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化状態とした遮断マットを補強シートの表面に積層することは、知られている(特許文献1参照)。
石目加飾成形品の製造方法において、滲み出し防止シートとして無機鉱物を主成分とするセピオライト紙を用いる技術について、本願出願人はすで先行出願(特許文献2参照)に係る発明を提案している。
特許第3151365号公報 特開2010−264746号公報
従来技術では、基材層の材料であるSMC材等に、加飾シートを積層しプレスにより一体成形して、柄付きの加飾成形品が製造されている。また、先行出願に係る発明では、SMC材等の基材層に、滲み出し防止シートを介して加飾シートを積層しプレスにより一体成形して、柄付きの加飾成形品が製造されている。
ところで、近年、住宅設備や住空間の利便性の向上に伴い、意匠面においても美的向上が求められており、浴室の床等に使用される加飾成形品についても、加飾表面に多様の柄が求められている。
しかしながら、上記従来の先行出願に係る発明のような製造方法によると、加飾層へ基材層の材料であるSMC材が滲み出しすることを防止できるが、加飾層表面に付与される柄は、加飾層の材料が有する色や模様の範囲内で限定されてしまう。このような意匠性の向上という観点からは、さらに改良の余地がある。
本発明は、従来技術や先行発明における課題に鑑み、加飾成形品の表面の意匠性の向上を可能とし、しかも基材層のSMC材等の加飾層への滲み出し防止も可能とする加飾成形品を、簡単な構成、部材及び製造工程で実現可能とすることを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、基材層と目止め層と加飾層を備えた加飾成形品であって、基材層の上面に配置された目止め層と加飾層を特定の形状に切り欠き、加圧成形を行って一体成形されて成る構成であることを特徴とする加飾成形品を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、基材層と目止め層と加飾層を備えた加飾成形品であって、目止め層と加飾層が切り欠かれて基材層が表面に露出した基材表面部と、基材層の上面に加飾層が構成される加飾表面部とによって柄が形成され、基材表面部と加飾表面部は段差なく形成されていることを特徴とする加飾成形品を提供する。
加飾層と目止め層が複数積層されている構成としてもよい。
基材層はシートモールディングコンパウンド材から成る構成としてもよい。
加飾成形品は、その上面にコーティング層を備えているコーティング付き加飾成形品の構成としてもよい。
本発明に係る加飾成形品によると、基材層の材料を加飾層と目止め層の切欠部から加飾層と同じ表面に露出するまで押し出して充填するので、加飾層表面部で形成される柄に加えて、基材層の材料が切欠部から押し出されて成る基材層表面部によって形成される柄によって、より一層、多様化された柄を付与することができ、意匠性が向上可能である。
また、加飾層と基材層との間には目止め層が配置されており、また加飾層と目止め層との切欠部が形成されているから、加圧成形の際に、目止め層によって加飾層への滲み出しが防止され、圧縮された基材層のSMC等の材料が加飾層と目止め層の切欠部内に、比較的抵抗なく充填されるので、切欠部内の加飾層の側面へのSMC等の材料の押出力が小さくなり、加飾層の側面からの滲み出しも防止できる。
本発明に係る加飾成形品の実施例1を説明する図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。(c)は実施例1の変形例1の加飾成形品を示す断面図であり、(d)実施例1の変形例2の加飾成形品を示す断面図である。 実施例1の加飾成形品の製造工程を説明する断面図である。 (a)は実施例1の加飾成形品の加飾層の構成を示す断面図であり、(b)はこの加飾成形品の製造方法を説明する図である。 (a)〜(d)は実施例2の加飾成形品の製造工程を説明する断面図であり、(e)は実施例2の加飾成形品の構成を説明する断面図である。 (a)、(b)は実施例3の加飾成形品の製造工程を説明する断面図であり、(c)は実施例2の加飾成形品の構成を説明する断面図である。 (a)、(b)は従来技術を説明する断面図であり、(c)、(d)は先行出願に係る発明を説明する断面図である。
本発明に係る加飾成形品を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
本発明に係る加飾成形品の実施例を説明する前に、本発明に係る加飾成形品の特徴的な構成を説明する。本発明に係る加飾成形品は、加飾成形品について従来問題であった滲み出しを解決しようとする解決手段とは、ある意味では、逆行する発想に基づく構成とした、きわめて新規な構成である。
図6(a)、(b)は、従来の加飾成形品60を製造するための従来技術を示す。この従来技術では、図6(a)に示すように、成形型61上の加飾層62の上に、基材層63となるSMC材等の成形材料64を積み重ね、プレスヘッド65によって、加飾層62と成形材料64を成形型61に向けて押圧して加圧成形する。これにより、図6(b)に示すように、基材層63と加飾層62が一体となった加飾成形品60が形成される。
しかし、このような従来技術によると、加圧成形の際に加熱され溶融し流動化した成形材料64が、加飾層62内に滲み出して加飾層62の表面を破って破損などが生じたり、或いはその破れた表面からSMC材が表面に表出したりするという問題が生じ易い。
そこで、このような課題を解決するために、引用文献1記載の発明が提案されているが、引用文献1記載のものは、模様層(加飾層)を補強シートでカバーし遮断マットを積層しているが、補強シート及び遮断マットの部材を必要とし、さらに製造においてもこれらの2部材を配置したりしなくてはならないので、製造工程が複雑となる等の問題がある。
そこで、本願出願人は、前記のとおり先行出願(特願2009−282760参照)に係る発明を提案している。この先行出願に係る発明の概要を、図6(c)、(d)で説明する。但し、図6(c)、(d)記載の符号は、本明細書記載の符号に沿うように先行出願で付した符号と異なった符号を付した。
先行出願に係る発明では、図6(c)に示すように、加飾シート70の上に、滲み出し防止シートとして無機鉱物を主成分とするセピオライト紙71を積み重ねてから、その上に基材層72の成形材料73を積み重ねる。
このように積層した加飾シート70、セピオライト紙71及び基材層72の成形材料73を、上方からプレスヘッド74によって、成形型75に向けて押圧し加圧成形する。これによって、基材層72の表面にセピオライト紙71を介して加飾シート70を一体に貼り付けて、図6(d)に示すような加飾成形品69を形成する。
以上のとおり、従来技術1による滲み出しの問題を解決するために、引用文献1では、補強シートでカバーして滲み出しを防止しようとするものであり、また、先行出願に係る発明では、滲み出し防止シート(セピオライト紙71)により滲み出しを防止しようとするものである。
ところが、本発明に係る加飾成形品では、目止め層(本発明では、「滲み出し防止シート」を「目止め層」という。)を設けているが、目止め層の一部及び該一部に対応する加飾層(加飾シート)の部分が切り欠かれており、加圧成形の際に、切り欠かれた部分(切欠部)に、基材層の成形材料が押し出され表面に露出して加飾表面部と段差なく基材表面部が形成されている。これにより、本発明に係る加飾成形品では、切り欠きされていない加飾層の加飾表面部に加えて、加飾層とは異なる色合いの基材表面部から成る模様が形成されている。
要するに、本発明では、加圧成形の際に滲み出し防止しようとして設けた目止め層(滲み出し防止シート)を、むしろ全く逆の発想で、部分的に切り欠いて除去し、成形材料の滲み出しどころか積極的に押出しを誘引して、加飾表面部の柄に加え、基材層の成形材料による柄を加える構成としている。以下、実施例において本発明をより具体的に説明する。
図1(a)、(b)は、本発明に係る加飾成形品の実施例1を説明する平面図及び断面図である。この実施例1の加飾成形品1は、図1(b)に示すように、基材層2と、目止め層3と、加飾層4とを備えている。
この加飾成形品1においては、基材層2の上面に形成される目止め層3と加飾層4は、特定の形状に切り欠きされている。基材層2、目止め層3及び加飾層4が、加圧成形により一体化される工程で、この切り欠きされた切欠部5内に、基材層2の成形材料6が押し出されて充填され、加飾層4の表面と略面一となるように表面に露出する。
この結果、加飾成形品1は、基材層2の成形材料6が表面に露出した基材表面部7と、切り欠きされていない加飾層4の加飾表面部8とによって柄が形成され、しかも基材表面部7と加飾表面部8は、段差なく形成されたものとなる。
この実施例1の加飾成形品1の表面には、基材表面部7と加飾表面部8によって、格子状の柄が形成されているが、目止め層3と加飾層4の切欠部5を、平面視において所望の形状にすることで、基材層2及び加飾層4のそれぞれの色や模様と相まって、加飾成形品1の表面に、基材表面部7と加飾表面部8から成る所望の柄を付与することが可能である。
図2(a)〜(d)は、実施例1の加飾成形品1の製造工程を示す図であり、以下、図2(a)〜(d)を参照して、製造工程を説明することで、加飾成形品1の特徴的な構成をより明確にする。
本発明の加飾成形品1を製造するためには、まず、加飾層4を製造する。加飾層4は、柄入りの樹脂シートや印刷したシート等であり、基材層2と同材料もしくは異なる材料で形成され、機能付与(例えば、抗菌剤を混入させて抗菌機能を付与する等)も可能である。なお、加飾層4については、その構成及び製造方法については、その概要を後記する。
次に、図2(a)に示すように、加飾層4の上面に、目止め層3を積層する。目止め層3としては、無機鉱物を主成分とするセピオライト紙等を使用する。
次に、図2(a)に示す加飾層4の上面に目止め層3が積層されたものについて、図2(b)に示すように、目止め層3と加飾層4を、切欠加工によって部分的に切り欠いて除去した切欠部5と切り欠いていない部分とで、図示はしないが平面視で所望の柄を付与するようにする。
この切欠加工は、例えば、トムソン型の打抜刃を、目止め層3側又は加飾層4側から押し当てて加圧して打ち抜く打ち抜き加工により行う。或いは、カッター等を用いて切り抜くようにしてもよい。
次に、上記のように部分的に切り欠きされた加飾層4と目止め層3から成る積層体9を、図2(c)に示すように、成形型10内に入れてから、その上に基材層2の成形材料6を積み重ねる。成形材料6としては、SMC材、BMC材(Bulk Molding Compound)、プリプレグ等のFRP樹脂材料を使用する。
そして、このように積層した加飾層4、目止め層3及び成形材料6を、上方からプレスヘッド11によって、成形型10に向けて押圧し加圧成形する。これによって、図2(d)に示すように、基材層2の成形材料6を、加飾層4及び目止め層3の切欠部5内に押し出して、表面に露出するまで充填しながら、加飾層4、目止め層2及び基材層2を一体になるように成形する。
このようにして、図1(a)、(b)に示すような実施例1の加飾成形品1が形成される。この加飾成形品1は、上記のとおり、基材層2の成形材料6が、加飾層4と目止め層3の切欠部5から、加飾層4と同じ表面になるまで押し出され充填されているので、加飾層表面部8の色や模様に加えて、基材層2の材料が切欠部5から露出した基材層表面部7の色や模様によって、例えば幾何学模様や花柄等、多様化された色や模様から成る柄が付与可能となる。
また、加飾層4と基材層2との間には目止め層3が配置されており、しかも加飾層4と目止め層3の切欠部5が形成されているから、加圧成形の際に、目止め層3によって加飾層4への滲み出しが防止されるとともに、圧縮された基材層2の成形材料6が、比較的抵抗なく切欠部5内に充填されるので、切欠部5における加飾層4の側面への成形材料6の押し込み力が小さくなり、加飾層4の側面への滲み出しも防止される。
(実施例1の変形例)
図1(c)は、実施例1の加飾成形品の変形例1を示す図である。この変形例1の加飾成形品15は、実施例1の加飾成形品1において、その上面(表面)にコーティング層16が形成されているものである。
コーティング層16は、加圧成形に際して、透明又は半透明な樹脂層を加飾層4及び切欠部5を覆うようにして配置し、加圧成形することにより、加飾成形品15の表面に形成される。或いは、実施例1の加飾成形品1が成形された後に、透明又は半透明な樹脂液を塗布して硬化するようにしてもよい。
図1(d)は、実施例1の加飾成形品の変形例2を示す図である。この変形例2の加飾成形品17は、成形型10表面に所望の凹凸模様を形成する凹凸面を形成しておくことで、基材表面部7と加飾表面部8の両方又はいずれかに凹凸模様18を備えた、意匠性に富む加飾成形品として形成されたものである。
なお、上記変形例1に示す加飾成形品の表面にコーティング層を設ける構成は、後記する実施例2〜3の成形品のいずれにも適用可能である。同様に、上記変形例2に示す加飾成形品1において、基材表面部7と加飾表面部8の両方又はいずれかに凹凸模様を備える構成は、後記する実施例2〜3の成形品のいずれにも適用可能である。
(加飾層)
本実施例で使用する加飾層4の構成及び製造方法の概要を以下、図3(a)、(b)において説明する。本発明の「加飾層」は、上記先行出願に係る発明の「加飾シート」と同じであるが、用語においては、先行出願に係る発明の「加飾シート」及び「加飾層」を、本明細書では「加飾層」及び「加飾材」として記載する。
加飾層4は、図3(a)に示すように、ガラスマット20及び加飾材21が積層されて成るものである。ガラスマット20は、チョップドストランドマット22上にサーフェイスマット23が積層されて形成される。
加飾材21は、加飾用BMC(Bulk Molding Compound)が使用される。チョップドストランドマット22は、ガラス繊維が極く細い糸状になったものがシート状に形成されたものであり、市販されているチョップドストランドマット#300を利用する。サーフェイスマット23は、ガラス繊維をポリエステルのバインダで固めて構成され薄い不織布からなる強化材であり、通常は、マット目を隠したり、平滑面を得るために使用される。本実施例では、市販されているサーフェイスマット#30を利用する。
なお、加飾層4の製造直後には、加飾層4の下面及び上面は、それぞれ保護フィルムである下部キャリアフィルム24及び上部キャリアフィルム25でカバーされているが、加飾成形品の製造に供与されるに際して、下部キャリアフィルム24及び上部キャリアフィルム25は引き剥がされる。
このような構成の加飾層4の製造方法を、図3(b)において説明する。チョップドストランドマット22を、下部キャリアフィルムを介し搬送用のガラス基板26上に載置し、ローラコンベア27で加飾材21を供給するステージに向けて搬送する。
その搬送過程において、チョップドストランドマット22の表面に、スプレー28によってMMA(Methyl methacrylate:メタクリル酸メチル)モノマー29を噴霧する。そして、チョップドストランドマット22上にサーフェイスマット23を供給して積層し、ガラスマット20を形成する。
ガラス基板26上のガラスマット20は、駆動ローラ30と圧延ローラ31の間に搬送される。圧延ローラ31に巻き込まれるように上部キャリアフィルム25を供給するが、この上部キャリアフィルム25上に加飾材21である加飾用BMC(Bulk Molding Compound)32を載置し、ドクターブレード(堰板)33で適切な厚さに整形して圧延ローラ31からサーフェイスマット23上に供給する。
サーフェイスマット23上に供給した加飾用BMC32を、サーフェイスマット23上で圧延ローラ31により圧延するとともに、上部キャリアフィルム25をその表面に貼り付ける。このようにして、図3(a)に示す加飾層4が形成される。
図4は、本発明に係る加飾成形品の実施例2を説明する図である。図4(e)に示す実施例2の加飾成形品40は、実施例1の加飾成形品1と基本的には同じ構成であるが、相違する実施例2の加飾成形品40の特有の構成は、加飾層及び目止め層を複数層積層して成る積層構造である。この実施例2の加飾成形品40の構成を、以下説明する。
図4(a)は、実施例1における図2(a)と同じ、部分的に切り欠きされた加飾層4及び目止め層3の積層体9を示す図である。本実施例2では、図4(b)に示すように、積層体9において切欠部5が形成されていない加飾層4の一部の上に、別の加飾層41と目止め層42が積層されて成る部片43を載置して積層する。この部片43の加飾層41は、切り欠きされていない加飾層4とは異なる色や模様が付与されているものである。
そして、図4(c)、(d)に示すように、積層体9に部片43を重ねたものを成形型10内に入れて、基材層2の成形材料6を重ね、プレスヘッド11によって加圧成形することで、図4(e)に示すような加飾成形品40が成形される。
実施例2の加飾成形品40は、図4(e)に示すように、基材層2の材料が表面に露出した基材表面部7と、切り欠きされていない加飾層4の加飾表面部8と、部片43の加飾層41が表面に露出した別の色柄の別の加飾層表面部44とから成る柄が形成されており、しかも基材表面部7と、加飾表面部8と、加飾層表面部44は段差なく形成されている。基材表面部7、加飾表面部8及び加飾層表面部44のそれぞれの色や配置によって、表面に所望の色や模様から成る意匠性に富んだ柄を有する加飾成形品40が得られる。
図5は、本発明に係る加飾成形品の実施例3を説明する図である。図5(c)に示す実施例3のこの加飾成形品50は、実施例1の加飾成形品1と基本的には同じ構成であるが、相違する実施例3の加飾成形品50の特有の構成は、加飾層4と目止め層3の切欠部5の一部に対応して、異なる色柄の別の加飾層表面部51を備える点である。この実施例3の構成を、以下説明する。
本実施例3では、図5(a)に示すように、加圧成形する際に、加飾層4と目止め層3の切欠部5の一部に対応して、別の加飾層51と目止め層52が積層されて成る部片53を配置する。この部片53の加飾層51は、切り欠きされていない加飾層4とは異なる色や模様が付与されているものである。この部片53は、平面視で、切欠部5の大きさとほぼ同じ面積を有するものであることが望ましい。
そして、図5(a)、(b)に示すように、積層体9に部片53を重ねたものに基材層2の成形材料6を重ね、プレスヘッド11によって加圧成形することで、図5(c)に示すような実施例3の加飾成形品50が成形される。
このようにして成形された加飾成形品50は、切欠部5の形成されていない加飾層4の加飾表面部8と、基材層2の成形材料6が表面に露出した基材表面部7と、部片53が表面に露出した異なる色柄の加飾表面部54とによって形成される柄を有する。基材表面部7、加飾表面部8及び加飾層表面部54のそれぞれの色や配置によって、表面に所望の色や模様から成る意匠性に富んだ柄を有する加飾成形品50が得られる。
なお、加圧成形する際に、加飾層4と目止め層3の切欠部5の一部に対応して部片53ではなく、基材層2と同じ材料であるが異なる色柄の成形材料片を配置し加圧成形し、その成形材料片が表面に露出して成る異なる色柄の基材層表面部を形成するようにしてもよい。
このようにすることで、切欠部5の形成されていない加飾層4の加飾表面部8と、基材層2の成形材料6が表面に露出した基材表面部7と、別の成形材料片が表面に露出した異なる色柄の別の基材層表面部とによって形成される柄を有する加飾成形品が得られる。
以上、本発明に係る加飾成形品の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る加飾成形品は上記のような構成であるから、浴室、洗面所などの床や壁等の材料として適用可能である。
(実施例1)
1 加飾成形品
2 基材層
3 目止め層
4 加飾層
5 切欠部
6 成形材料
7 基材表面部
8 加飾表面部
9 積層体
10 成形型
11 プレスヘッド
15 加飾成形品
16 コーティング層
17 加飾成形品
18 凹凸模様
20 ガラスマット
21 加飾材
22 チョップドストランドマット
23 サーフェイスマット
24 下部キャリアフィルム
25 上部キャリアフィルム
26 ガラス基板
27 ローラコンベア
28 スプレー
29 MMAモノマー
30 駆動ローラ
31 圧延ローラ
32 加飾用BMC
33 ドクターブレード(堰板)
(実施例2)
40 加飾成形品
41 加飾層
42 目止め層
43 部片
44 加飾層表面部
(実施例3)
50 加飾成形品
51 加飾層
52 目止め層
53 部片
54 加飾表面部
(従来技術等)
60 加飾成形品
61 成形型
62 加飾層
63 基材層
64 成形材料
65 プレスヘッド
69 加飾成形品
70 加飾シート
71 セピオライト紙
72 基材層
73 成形材料
74 プレスヘッド
75 成形型

Claims (5)

  1. 基材層と目止め層と加飾層を備えた加飾成形品であって、基材層の上面に配置された目止め層と加飾層を特定の形状に切り欠き、加圧成形を行って一体成形されて成る構成であることを特徴とする加飾成形品。
  2. 基材層と目止め層と加飾層を備えた加飾成形品であって、目止め層と加飾層が切り欠かれて基材層が表面に露出した基材表面部と、基材層の上面に加飾層が構成される加飾表面部とによって柄が形成され、基材表面部と加飾表面部は段差なく形成されていることを特徴とする加飾成形品。
  3. 請求項1又は2に記載の加飾成形品であって、加飾層と目止め層が複数積層されていることを特徴とする加飾成形品。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の加飾成形品であって、基材層はシートモールディングコンパウンド材から成ることを特徴とする加飾成形品。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の加飾成形品の上面にコーティング層を備えていることを特徴とするコーティング付き加飾成形品。
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