JP2012114336A - 発光装置および照明装置 - Google Patents

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剛生 内田
Ryota Matsumoto
亮太 松本
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Abstract

【課題】発光素子からの光を外部に良好に取り出しつつも、発光素子を封止する樹脂部材のような実用上の周辺部材の特性の劣化を抑制することが求められている。
【解決手段】絶縁性基体3と、絶縁性基体3の上面の中央部に配設された反射層5と、反射層5の上面に配設された発光素子7と、絶縁性基体3の上面であって反射層5の側方に位置するとともに発光素子7に電気的に接続された電極部材9と、絶縁性基体3の上面であって反射層5、発光素子7および電極部材9を囲むように配設された枠体11と、絶縁性基体3および枠体11を接合する接合部材13とを備え、反射層5の反射率が、絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高い発光装置1とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光素子を備えた発光装置および照明装置に関するものである。発光装置および照明装置は、例えば、電子ディスプレイ用のバックライト電源、蛍光ランプに好適に用いることができる。
近年、発光素子を有する発光装置の開発が進められている。発光装置としては、例えば、特許文献1に記載された構成が知られている。特許文献1に記載の発光装置は、基体(第1の絶縁性樹脂)と、基体の上面に配設された反射層と、反射層上に配設された発光素子(半導体発光素子)と、樹脂などの接合部材を介して基体の上面に接合され、半導体発光素子からの光を上方に反射する枠体(第2の絶縁性樹脂)とを備えている。また、反射層は、半導体発光素子と電気的に接続されることによって電極としても用いられている。特許文献1に記載の発光装置は、発光素子から下方に向かって進む光を反射層で反射させることによって、発光強度を高めている。
特開2007−201420号公報
特許文献1に記載の発光装置においては基体の上面の略全体に反射層が形成されている。このような反射層を備えている場合、反射層の反射率が高くなる程に、この反射層の表面であって発光素子が載置される領域の近くに入射する光を外部に良好に取り出すことができる。
しかしながら、発光素子が載置される領域から離れた領域に入射する光は、基体の上面となす角が小さいため、基体の上方よりも側方に向かって反射されやすくなるので外部に取り出しにくくなる。そして、発光素子が載置される領域から離れた領域に入射する光の多くは、外部に取り出されることなく、例えば、基体と枠体とを接合する接合部材に吸収される。そのため、反射層の反射率が高くなる程に、接合部材の特性がより変化しやすくなる。
特に発光素子として紫外から青色の光を発生させる発光ダイオードを用いている場合、発光ダイオードから放射される光は、波長が短いことから物質に吸収されやすく、高エネルギーであることから上記の周辺部材の特性をより劣化させやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、発光素子からの光を外部に良好に取り出しつつも、接合部材の特性の劣化を抑制することのできる発光装置および照明装置を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様に基づく発光装置は、絶縁性基体と、該絶縁性基体の上面の中央部に配設された反射層と、該反射層の上面に配設された発光素子と、前記絶縁性基体の上面であって前記反射層の側方に位置するとともに前記発光素子に電気的に接続された電極部材と、前記絶縁性基体の上面であって前記反射層、前記発光素子および前記電極部材を囲むように配設された枠体と、前記絶縁性基体および前記枠体を接合する接合部材とを備え
ている。また、前記反射層の反射率が、前記絶縁性基体および前記電極部材の反射率よりも高い。
上記の態様に基づく発光装置では、発光素子が上面に配設される反射層の反射率が、絶縁性基体および電極部材の反射率よりも高いことから、発光素子が配設される領域の近くに入射する光を反射層で良好に反射させることができる。また、電極部材が、絶縁性基体の上面であって反射層の側方に位置するとともに反射率が反射層の反射率よりも小さい。そのため、発光素子が配設される領域から離れている、反射層の側方に位置する電極部材に入射する光の電極部材における反射を相対的に抑制することができるので、外部に取り出されることなく接合部材に吸収される光の量を小さくすることができる。従って、発光装置および照明装置を構成する接合部材の特性が変化する可能性を小さくすることができる。
一実施形態の発光装置を示す分解斜視図である。 図1に示す発光装置のA−A断面における断面図である。 図1に示す発光装置の変形例を示す分解斜視図である。 図3に示す発光装置のB−B断面における断面図である。 本発明の一実施形態にかかる照明装置を示す斜視断面図である。
以下、本発明の各実施形態の発光装置および照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る発光装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図1,2に示すように、第1の実施形態の発光装置1は、絶縁性基体3と、絶縁性基体3の上面の中央部に配設された反射層5と、反射層5の上面に配設された発光素子7と、絶縁性基体3の上面であって反射層5の側方に位置するとともに発光素子7に電気的に接続された電極部材9と、絶縁性基体3の上面であって反射層5、発光素子7および電極部材9を囲むように配設された枠体11と、絶縁性基体3および枠体11を接合する接合部材13とを備えている。また、反射層5の反射率が、絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高い。
このように本実施形態の発光装置1においては、発光素子7が上面に配設される反射層5の反射率が、絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高いことから、発光素子7が配設される領域の近くに入射する光を反射層5で良好に反射させることができる。また、電極部材9が、反射層5とは独立して別途配設されているので、反射層5において光を良好に反射しつつも発光素子7に良好に通電することができる。
また、本実施形態の発光装置1においては、絶縁性基体3の反射率が、電極部材9の反射率よりも高い。これにより、絶縁性基体3に入射する光は拡散反射されるので、水平方向に反射される光は小さくされつつ上方向に反射される光は発光装置1の出力光として利用される。
さらに、電極部材9が、絶縁性基体3の上面であって反射層5の側方に位置するとともに反射率が反射層5の反射率よりも小さい。これにより、発光素子7が配設される領域か
ら離れている、反射層5の側方に位置する電極部材9に入射する光の電極部材9における反射を相対的に抑制することができる。そのため、絶縁性基体3および枠体11を接合する接合部材13に入射する光の量を少なくすることができるので、外部に取り出されることなく、接合部材13に吸収される光の量を少なくすることができる。従って、接合部材13の特性が変化する可能性を小さくすることができる。以上の通り、本実施形態の発光装置1は、発光素子7からの光を外部に良好に取り出しつつも、接合部材13の特性が劣化することを抑制できる。
本実施形態の発光装置1は、平板形状の絶縁性基体3を備えている。絶縁性基体3としては、例えば、アルミナおよびムライトに代表されるセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料が挙げられる。また、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料を用いてもよい。また、絶縁性基体3の材料として、金属酸化物の微粒子を分散させた高分子樹脂を用いることができる。上記の微粒子が分散されていることにより、絶縁性基体3の熱膨張を調整することが容易となるとともに、熱伝導率を調整することが容易となる。
絶縁性基体3の上面の中央部には反射層5が配設されている。また、反射層5の上面に発光素子7が配設されている。このように発光素子7が上面に配設される反射層5を備えていることによって、発光素子7から下方に向かう光のうち、絶縁性基体3の上面となす角が相対的に大きく発光装置1の発光効率の向上に寄与する光を反射層5で良好に反射させることができる。
反射層5としては、例えば、アルミニウム、銀、金、銅およびプラチナのような金属材料を用いることができる。とくに、発光素子7として紫外光を発する発光ダイオードを用いている場合には、この紫外光に対する反射率の高いアルミニウムまたは銀を用いることが好ましい。また、反射層5として、例えば、アルミナ(Al)のような反射率の高いセラミックスを用いてもよい。なお、本実施形態における反射層5は、単層からなる構造であるが、反射層5が複数の層からなる積層構造であってもよい。
本実施形態の発光装置1においては、反射層5の反射率が、絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高い。そのため、上述の通り発光素子7からの光を外部に良好に取り出しつつも、接合部材13の特性が劣化することを抑制できる。また、電極部材9が、反射層5とは独立して別途配設されていることから、反射層5において導電性を考慮せずに反射率を調整することができる。
反射率は、部材の表面の平坦性および部材を構成する材料の物性に依存している。そのため、絶縁性基体3を構成する材料および電極部材9を構成する材料よりも反射層5として反射特性の良好な材料を用いることによって反射層5の反射率を絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高くすることができる。その結果、発光素子7が配設される領域の近くに入射する光は、反射層5で良好に反射される。
また、反射層5の表面粗さを絶縁性基体3および電極部材9の表面粗さよりも小さくすることによっても、反射層5の反射率を絶縁性基体3および電極部材9の反射率よりも高くすることができる。また、発光素子7が配設される領域の近くに入射する光は、発光装置1の照射方向に良好に反射され、発光装置1の出力光として利用される。即ち、反射層5で水平方向に反射される光は抑制されつつ、絶縁性基体3の鉛直方向に反射される光は増加される。
発光素子7は、反射層5の上面に配設される。反射層5として金属部材のような導電材料を用いている場合には、発光素子7と反射層5の絶縁性を確保するため、反射層5と発
光素子7との間に絶縁部材(不図示)を配設することが好ましい。なお、本実施形態の発光装置1では、一つの発光素子7を備えた構成となっているが、複数の発光素子7を備えた構成であっても何ら問題ない。
発光素子7は、透光性基体と、透光性基体上に形成される光半導体層とを有している。透光性基体は、有機金属気相成長法または分子線エピタキシャル成長法等の化学気相成長法を用いて、光半導体層を成長させることが可能なものであればよい。透光性基体に用いられる材料としては、例えば、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、シリコンカーバイド、シリコンまたは二ホウ化ジルコニウム等を用いることができる。なお、透光性基体の厚みは、例えば50μm以上1000μm以下である。
光半導体層は、透光性基体上に形成される第1半導体層と、第1半導体層上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2半導体層とから構成されている。
第1半導体層、発光層および第2半導体層は、例えば、III族窒化物半導体、ガリウム燐またはガリウムヒ素等のIII−V族半導体、あるいは、窒化ガリウム、窒化アルミニウムまたは窒化インジウム等のIII族窒化物半導体などを用いることができる。なお、第1半導体層の厚みは、例えば1μm以上5μm以下であって、発光層の厚みは、例えば25nm以上150nm以下であって、第2半導体層の厚みは、例えば50nm以上600nm以下である。また、このように構成された発光素子7では、例えば370nm以上420nm以下の波長範囲の励起光を発する素子を用いることができる。
絶縁性基体3の上面であって反射層5の側方には発光素子7に電気的に接続された電極部材9が位置している。電極部材9と発光素子7とは、例えば、ワイヤーボンディングによって電気的に接続することができる。本実施形態における電極部材9は、絶縁性基体3の上面であって反射層5の側方に位置するとともに反射率が反射層5および絶縁性基体3の反射率よりも小さい。そのため、上述したように、発光素子7が配設される領域から離れている、反射層5の側方に位置する電極部材9に入射する光の電極部材9における反射を抑制することができる。即ち、発光素子7から絶縁性基体3の上面と水平方向に反射される光は、電極部材9の光吸収によって抑制される。
電極部材9としては、アルミニウム、タングステン、モリブデン、マンガンおよび銅のような金属材料を用いることができる。電極部材9は、例えば、粉末状の上記金属材料に有機溶剤を添加して得た金属ペーストを、絶縁性基体3となるセラミックグリーンシートに所定パターンで印刷して焼成することにより得られる。なお、電極部材9の表面には、酸化防止のためにニッケルまたは金等のめっき層が被着されていてもよい。
また、反射層5の表面粗さが、絶縁性基体3および電極部材9の表面粗さよりも小さいことが好ましい。反射層5の表面粗さが相対的に小さいことによって、反射層5に入射する光を良好に反射させることができる。また、絶縁性基体3および電極部材9の表面粗さが相対的に大きいことによって、反射層5に入射する光と比較して相対的に入射角が小さい、絶縁性基体3および電極部材9に入射する光を絶縁性基体3および電極部材9の表面において拡散反射させることができる。そのため、外部に取り出されることなく接合部材13に吸収される光の量を小さくすることができる。
加えて、絶縁性基体3および電極部材9の表面において光を拡散反射させることができるので、絶縁性基体3の側方に進む光の一部が絶縁性基体3の上方に向かって拡散反射することになる。従って、外部に取り出される光の量を増加させることもできる。
反射層5としてセラミックスのような絶縁部材を用いている場合には、反射層5が電極部材9に接していてもよいが、反射層5として金属材料のような導電部材を用いている場合には、電気的な短絡を防ぐために電極部材9が反射層5から離れていることが求められる。
また、反射層5の厚みが、電極部材9の厚みよりも大きいことが好ましい。言い換えれば、電極部材9の厚みが反射層5の厚みよりも小さいことが好ましい。このような場合には、電極部材9に入射する光の量自体が少なくなるので電極部材9において反射する光の量を少なくすることができる。
また、電極部材9に入射する光の少なくとも一部は電極部材9に吸収される。このように発光素子7からの高エネルギーの光を吸収することによって電極部材9もまた劣化する可能性がある。そのため、電極部材9の導電性が低下する可能性がある。しかしながら、反射層5の厚みが、電極部材9の厚みよりも大きいことによって、電極部材9に入射する光の量自体が少なくなるので電極部材9が劣化する可能性を低減することができる。
本実施形態の発光装置1は、絶縁性基体3の上面であって反射層5、発光素子7および電極部材9を囲むように配設された枠体11を備えている。このような枠体11を備えていることによって、発光素子7から放射された光を枠体11の内周面で反射させることができるので、発光素子7から放射された光を集光して、所望の光出射方向へ放出することが容易となる。
電極部材9は、発光素子7と外部配線(不図示)とを電気的に接続するための部材であり、発光装置1を平面透視した場合に、枠体11で囲まれた領域の内から外に向かって引き出されている。そのため、発光装置1を平面透視した場合に、電極部材11の全体が枠体11で囲まれた領域内に位置している必要はなく、電極部材9の少なくとも一部が枠体11で囲まれた領域内に位置していればよい。
また、電極部材9は、反射層5を取り囲むように、反射層5の外周部に沿って形成されてもよい。その結果、発光素子7から放射される、絶縁性基体3の上面に対して入射角が小さい光は、発光素子7の周囲で一様に電極部材9によって拡散反射される。その結果、電極部材9で上方向に反射される光は、発光装置1から上方向に一様に出力されるとともに出力光として有効に活用できる。さらに、接合部材13の方向へ反射される光は小さくなり、接合部材13に吸収される発光素子7からの光の量が小さくなる。従って、発光装置1の光出力は向上しつつ、光エネルギーの吸収による接合部材13の特性劣化は抑制され、発光装置1の動作寿命はより長くなる。
本実施形態における枠体11は、平面視した場合に、内壁面の形状が発光素子7を中心とする円形となっている。このように、枠体11が配設されていることによって、発光素子7が発光する光を全方向に満遍なく反射させて外部に極めて均一に放出することができる。
枠体11としては、絶縁性基体3と同様の材料を用いることができ、例えば、アルミナおよびムライトに代表されるセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料を用いることができる。また、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料を用いてもよい。また、枠体11の材料として、金属酸化物の微粒子を分散させた高分子樹脂を用いてもよい。
枠体11は、接合部材13を介して絶縁性基体3に接合されている。また、本実施形態にかかる枠体11は、接合部材13を介して電極部材9にも接合されている。本実施形態
の発光装置では、絶縁性基体3および枠体11を接合する接合部材13に入射する光の量を少なくすることができるので、外部に取り出されることなく、接合部材13に吸収される光の量を少なくすることができる。従って枠体11が絶縁性基体3から剥離する可能性を小さくできる。
枠体11と絶縁性基体3とを接合する接合部材13としては、上記の接着剤と同様に、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂のような絶縁樹脂を用いることができる。なお、接合部材13としては、波長変換前の発光素子7からの放射光が直接に漏れることを抑制するため、黒色のような有色の部材とすることが好ましい。
断面視した場合の枠体11の内壁面は、下部から上部に向かって幅広に傾斜している。また、枠体11の傾斜する内壁面には、例えば、タングステン、モリブデン、銅または銀等から成る金属層と、金属層を被覆するニッケルまたは金等から成るめっき金属層が形成されてもよい。このめっき金属層は、発光素子7の発する光を反射させる機能を有する。
枠体11の内壁面の傾斜角度は、絶縁性基体3の上面に対して例えば55度以上70度以下の角度に設定されている。また、めっき金属層の表面粗さは、算術平均高さRaが例えば1μm以上3μm以下に設定されている。
本実施形態の発光装置1は、絶縁性基体3の上に位置して発光素子7を封止する透光性の封止樹脂15を備えている。このような封止樹脂15は発光素子7が外気に触れて劣化することを抑制するとともに発光素子7が発する光に起因した熱を吸収し、封止樹脂15の中にて拡散する機能を備えている。
封止樹脂15としては、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のような透光性の絶縁樹脂が用いられる。また、封止樹脂15の熱伝導率は、例えば0.14W/(m・K)以上0.21W/(m・K)以下に設定されている。
なお、本実施形態における封止樹脂11は上面が球曲面である形状となっているが、特にこれに限られるものではない。たとえば、図3,4に示すように、上面が平坦な形状であってもよい。
本実施形態の発光装置1は、枠体11および封止樹脂15の上に位置して封止樹脂15を被覆するように配設された波長変換部材16をさらに備えている。波長変換部材16は、発光素子7と対向する内側面(図2における下面)および内側面と反対側の外側面(図2における上面)を有している。波長変換部材16の内側面は凹状の曲面形状である。内側面が平坦である場合と比較して内側面が凹形状のドーム形状である場合には、発光素子7から出射して波長変換部材16に入射する光が波長変換部材16の内側面で反射しにくいので、より多くの光を波長変換部材16の中に入射させることができる。
波長変換部材16は、発光素子7から発せられる光が内部に入射して、内部に含有される蛍光体が励起されて、光を発するものである。波長変換部材16は、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂から成り、その樹脂中に、例えば430nm以上490nm以下の蛍光を発する青色蛍光体、例えば500nm以上560nm以下の蛍光を発する緑色蛍光体、例えば540nm以上600nm以下の蛍光を発する黄色蛍光体、例えば590nm以上700nm以下の蛍光を発する赤色蛍光体が含有されている。
また、蛍光体は、波長変換部材16の中に均一に分散するようにしている。なお、波長変換部材16の熱伝導率は、例えば0.10W/(m・K)以上0.30W/(m・K)以下に設定されている。また、波長変換部材16の厚みは、例えば最も厚みの大きい部分
が0.7mm以上であるとともに最も厚みの小さい部分が3mm以下に設定されている。
次に、上記実施形態にかかる発光装置の製造方法について説明する。
まず、絶縁性基体3および枠体11を準備する。絶縁性基体3および枠体11が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合して混合物を得る。そして、絶縁性基体3および枠体11の型枠内に、混合物を充填して乾燥させた後、焼結前の絶縁性基体3および枠体11を取り出す。
次に、アルミニウムまたは銀のような反射率の高い金属粉末を準備し、この粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合することで反射層5となる第1の金属ペーストを得る。また、タングステンまたはモリブデンのような導電性の良好な高融点金属粉末を準備し、この粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合することで電極部材9となる第2の金属ペーストを得る。
そして、取り出した絶縁性基体3となるセラミックグリーンシートの上面の中央部に第1の金属ペーストを所定パターンで印刷する。また、セラミックグリーンシートの上面であって反射層5となる第1の金属ペーストの側方に第2の金属ペーストを所定パターンで印刷する。このように第1の金属ペーストおよび第2の金属ペーストが印刷された、セラミックグリーンシートを焼成する。このようにして、絶縁性基体3、反射層5および電極部材9を作製することができる。
なお、上記の製造方法においては金属ペーストを印刷することによって反射層5および電極部材9を作製していたが、特にこれに限られるものではない。たとえば、金属材料を絶縁性基体3の上面に蒸着させることによって、反射層5および電極部材9を作製しても何ら問題ない。また、絶縁性基体3の上面に配設された電極部材9の表面に、酸化防止用にめっき層を形成してもよい。
そして、発光素子7を反射層5上に配設するとともに発光素子7と電極部材9とをワイヤーボンディングによって電気的に接続する。
枠体11は、所望の温度で焼結されて多孔質の焼結体とされるとともに、シリコーン樹脂から成る接合部材13によって絶縁性基体3の上面に発光素子7を取囲むように接着される。そして、枠体11で囲まれた領域に、例えばシリコーン樹脂を充填して、シリコーン樹脂を硬化させることで、封止樹脂15を形成する。
次に、波長変換部材16を準備する。波長変換部材16は、未硬化の樹脂に蛍光体を混合して、例えば、未硬化の波長変換部材16を型枠に充填し、硬化して取り出すことによって、得ることができる。
上記の方法によって作製された波長変換部材16を枠体11の上に接着剤を介して接着する。その後、接着剤を硬化させることにより、接着剤を介して波長変換部材16を封止樹脂15または枠体11の上に接着させることができる。以上により、上述の実施形態の発光装置1を作製することができる。
次に、本発明の一実施形態にかかる照明装置について説明する。
図5に示すように、本実施形態の照明装置17は、上記の実施形態に代表される発光装置1と、発光装置1が搭載される搭載板19と、発光装置1に通電する電気配線21と、
発光装置1から出射される光を反射する光反射手段23とを備えている。
本実施形態の照明装置17における発光装置1は搭載板19の上に載置される。このとき、図5に示すように、本実施形態の照明装置17は、下方を照明するように形成されているため、発光装置1は発光素子7が絶縁性基体3よりも下方に位置するようにして、搭載板19上に載置される。本実施形態の照明装置17においては、電気配線21を通じて発光装置1に通電することにより、発光素子7が光を射出する。そして、光反射手段23により、上記射出された光を反射させることで所望の方向を照らす照明装置17として機能する。
本実施形態における発光装置1は、電極部材9における光の反射を抑制することができることから、接合部材13が変性することを抑制できる。そのため、耐久性の高い発光装置1とすることができる。そして、本実施形態の照明装置17は、このような発光装置1を備えていることから、耐久性を向上させることができる。
照明装置17は、発光装置1を一つのみ備えていてもよく、また、図5に示すように、複数備えていても良い。また、発光装置1を複数備えている場合には、各発光装置1を電気配線21により、直列配置としても、並列配置としても良い。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何ら差し支えない。
1・・・発光装置
3・・・絶縁性基体
5・・・反射層
7・・・発光素子
9・・・電極部材
11・・・枠体
13・・・接合部材
15・・・封止樹脂
16・・・波長変換部材
17・・・照明装置
19・・・搭載板
21・・・電気配線
23・・・光反射手段

Claims (5)

  1. 絶縁性基体と、
    該絶縁性基体の上面の中央部に配設された反射層と、
    該反射層の上面に配設された発光素子と、
    前記絶縁性基体の上面であって前記反射層の側方に位置するとともに前記発光素子に電気的に接続された電極部材と、
    前記絶縁性基体の上面であって前記反射層、前記発光素子および前記電極部材を囲むように配設された枠体と、
    前記絶縁性基体および前記枠体を接合する接合部材とを備え、
    前記反射層の反射率が、前記絶縁性基体および前記電極部材の反射率よりも高いことを特徴とする発光装置。
  2. 前記反射層の表面粗さが、前記絶縁性基体および前記電極部材の表面粗さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記反射層が、金属部材からなるとともに前記電極部材から離れていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記反射層の厚みが、前記電極部材の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の発光装置と、該発光装置が搭載される搭載板と、前記発光装置に通電する電気配線と、前記発光装置から出射される光を反射する光反射手段とを備えた照明装置。
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