JP2012114040A - 光源装置および照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色再現性を高めることの可能な光源装置を提供する。
【解決手段】 紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源5と、固体光源5からの光が励起光として入射するとき、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する蛍光体部12とを備え、蛍光体部12は、複数種類の蛍光体材料で形成されており、固体光源5からの励起光の入射面側には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8が配置され、固体光源5からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8とは反対の側には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9が配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光源装置および照明装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、自動車用前照灯として、半導体発光素子からの光を励起光として蛍光体表面に集光・励起し、半導体発光素子からの励起光と蛍光体からの蛍光とを反射させる構造の灯具が提案されている。
また、例えば特許文献2には、蛍光体に複数の方向から光を照射して、蛍光体を発光させることを特徴とする光源及び自動車用前照灯が提案されている。
このように、半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせた光源は、在来のランプ光源よりも高効率であり、寿命が長いことから、自動車用前照灯として採用されている。また、自動車用の光源には、より小さいサイズで高輝度のものが求められており、半導体レーザーを用いて蛍光体を励起することで白色光を得る光源が提案されている。
特開2005−150041号公報 特開2004−241142号公報
しかしながら、上述したような従来の光源装置(半導体発光素子(固体光源)と蛍光体とを組み合わせた従来の光源装置)では、例えば、励起光源としての固体光源に青色半導体レーザーを用い、蛍光体に黄色系蛍光体を用い、青色半導体レーザーからの青色光と黄色系蛍光体からの黄色発光とを混色して用いているが、半導体レーザーの発光スペクトルが狭いため、青緑色部分や赤色部分の発光が少なく、色再現性が低いという問題があった。
本発明は、従来に比べて、色再現性を高めることの可能な光源装置および照明装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、該固体光源からの光が励起光として入射するとき、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する蛍光体部とを備え、前記蛍光体部は、複数種類の蛍光体材料で形成されており、前記固体光源からの励起光の入射面側には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料が配置され、前記固体光源からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料とは反対の側には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料が配置されることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光源装置において、前記蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、Ce3+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択されることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、セラミックプレートであることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の光源装置において、前記蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料は、Eu2+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択されることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置である。
請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、該固体光源からの光が励起光として入射するとき、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する蛍光体部とを備え、前記蛍光体部は、複数種類の蛍光体材料で形成されており、前記固体光源からの励起光の入射面側には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料(例えば、Ce3+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)が配置され、前記固体光源からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料とは反対の側には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料(例えば、Eu2+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)が配置されるので、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料(例えば黄色蛍光体)には高いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させ、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料(例えば青緑色蛍光体、橙色蛍光体)には低いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させることができ、高効率で(高輝度で)高演色の光源装置および照明装置を実現することができる。具体的に、本発明では、半導体発光素子(固体光源)と蛍光体とを組み合わせた従来の光源装置では不足していた青緑色部分や赤色部分の発光を補うことができ、これにより、高輝度でありながら色再現性の高い光源装置および照明装置を実現することができる。
本発明の光源装置の一構成例を示す図である。 輝度飽和の見積もりを示す図である。 実施例に用いた構成(本発明の照明装置の構成例)を示す図である。 比較例に用いた構成を示す図である。 実施例と比較例の発光スペクトル(波長に対する発光強度)を示す図である。 実施例と比較例の演色評価数を示す図である。 蛍光体部の他の配置形態例を示す図である。 蛍光体部の他の配置形態例を示す図である。 本発明の光源装置の他の構成例を示す図である。 本発明の光源装置の他の構成例を示す図である。 本発明の光源装置の他の構成例を示す図である。。 透過方式の光源装置における他の配置例を示す図である。 本発明の照明装置の他の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の光源装置の一構成例を示す図である。図1を参照すると、この光源装置20は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源5と、該固体光源5からの光が励起光として入射するとき、該固体光源5からの励起光により励起され該固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する蛍光体部12と、蛍光体部12の前記励起光が入射する側の面とは反対の面側に設けられる光反射性基板(放熱基板)6とを備えている。
ここで、蛍光体部12と光反射性基板(放熱基板)6とを含めて蛍光体領域と呼ぶ(このように、蛍光体領域はより広義の用語であるが、以下では、説明の便宜上、蛍光体部12と蛍光体領域との用語を区別せずに用いている)。また、この光源装置20は、光反射性基板(放熱基板)6が用いられ、この光反射性基板(放熱基板)6によって固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光とを反射して出射することから、反射方式の光源装置と呼ばれる。すなわち、この光源装置20では、蛍光体部12の面のうち固体光源5からの励起光が入射する側の面とは反対側に設けられた反射面による反射を用いて蛍光などの光を取り出す方式(以下、反射方式と称す)が採用されている。
また、この光源装置20において、固体光源5には、紫外光から可視光領域に発光波長をもつ発光ダイオードや半導体レーザーなどが使用可能である。
より具体的に、固体光源5には、例えば、InGaN系の材料を用いた発光波長が約380nm乃至約400nmの近紫外光を発光する発光ダイオードや半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光体部12の蛍光体としては、波長が約380nm乃至約400nmの紫外光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、(Ca,Sr)AlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、KSiF:Mn4+、KTiF:Mn4+等が用いられ、黄色蛍光体には、(Sr,Ba)SiO:Eu2+、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等が用いられ、緑色蛍光体には、(Ba,Sr)SiO:Eu2+、BaSi12:Eu2+、(Si,Al)(O,N):Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、SrAl1425:Eu2+等が用いられ、青色蛍光体には、BaMgAl1017:Eu2+等を用いることができる。なお、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+が一般に言うαサイアロン蛍光体で、発光色は黄色〜橙色であるが、発光色(蛍光色)を長波長化(600nm)にするのが困難なので、本実施形態では、αサイアロン蛍光体として、
(Caα,Euβ)(Si,Al)12(O,N)16
(但し、1.5<α+β<2.2、0<β<0.2、O/N≦0.04)
で示されるものを用いている。なお、この場合も、Eu2+発光中心のαサイアロン蛍光体であることに変わりない。
また、固体光源5には、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nm程度の青色光を発光する発光ダイオードや半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光体部12の蛍光体としては、波長が約440nm乃至約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、(Ca,Sr)AlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、KSiF:Mn4+、KTiF:Mn4+等が用いられ、黄色蛍光体には、YAl12:Ce3+、(Sr,Ba)SiO:Eu2+、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等が用いられ、緑色蛍光体には、LuAl12:Ce3+、(Lu,Y)Al12:Ce3+、Y(Ga,Al)12:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、CaSc:Eu2+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+、BaSi12:Eu2+、(Si,Al)(O,N):Eu2+、SrAl1425:Eu2+等を用いることができる。なお、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+が一般に言うαサイアロン蛍光体で、発光色は黄色〜橙色であるが、発光色(蛍光色)を長波長化(600nm)にするのが困難なので、本実施形態では、αサイアロン蛍光体として、
(Caα,Euβ)(Si,Al)12(O,N)16
(但し、1.5<α+β<2.2、0<β<0.2、O/N≦0.04)
で示されるものを用いている。なお、この場合も、Eu2+発光中心のαサイアロン蛍光体であることに変わりない。
蛍光体部12としては、これらの蛍光体粉末をガラス中に分散させたものや、ガラス母体に発光中心イオンを添加したガラス蛍光体、樹脂などの結合部材を含まない蛍光体セラミックス等を用いることができる。蛍光体粉末をガラス中に分散させたものの具体例としては、上に列挙した組成の蛍光体粉末をP、SiO、B、Alなどの成分を含むガラス中に分散したものが挙げられる。ガラス母体に発光中心イオンを添加したガラス蛍光体としては、Ce3+やEu2+を付活剤として添加したCa−Si−Al−O−N系やY−Si−Al−O−N系などの酸窒化物系ガラス蛍光体が挙げられる。蛍光体セラミックスとしては、上に列挙した組成の蛍光体組成からなり、樹脂成分を実質的に含まない焼結体が挙げられる。これらの中でも透光性を有する蛍光体セラミックスを使用することが望ましい。これは、焼結体中に光の散乱の原因となるポアや粒界の不純物がほとんど存在しないために透光性を有するに至った蛍光体セラミックスである。ポアや不純物は熱拡散を妨げる原因にもなるため、透光性セラミックスは高い熱伝導率を示す。このため蛍光体部として利用した場合には励起光や蛍光を拡散により失うことなく蛍光体部から取り出して利用でき、さらに蛍光体部で発生した熱を効率良く放散することができる。透光性を示さない焼結体でも出来るだけポアや不純物の少ないものが望ましい。ポアの残存量を評価する指標としては蛍光体セラミックスの比重の値を用いることができ、その値が計算される理論値に対して95%以上のものが望ましい。
ここで、青色励起の黄色発光蛍光体であるYAl12:Ce3+蛍光体を例に、透光性を有する蛍光体セラミックスの製造方法を説明する。蛍光体セラミックスは出発原料の混合工程、成形工程、焼成工程、加工工程を経て製造される。出発原料には、酸化イットリウムや酸化セリウムやアルミナ等、YAl12:Ce3+蛍光体の構成元素の酸化物や、焼成後に酸化物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いる。出発原料の粒径はサブミクロンサイズのものが望ましい。これらの原料を化学量論比となるように秤量する。このとき焼成後のセラミックスの透過率向上を目的として、カルシウムやシリコンなどの化合物を添加することも可能である。秤量した原料は、水もしくは有機溶剤を用い、湿式ボールミルにより十分に分散、混合を行う。次に混合物を所定の形状に成形する。成形方法としては、一軸加圧法、冷間静水圧法、スリップキャスティング法や射出成形法等を用いることができる。得られた成形体を1600〜1800℃で焼成する。これにより、透光性のYAl12:Ce3+蛍光体セラミックスを得ることができる。
以上のようにして作製した蛍光体セラミックスは、自動研磨装置などを用いて、厚さ数十〜数百μmの厚みに研磨し、さらに、ダイアモンドカッターやレーザーを用いたダイシングやスクライブにより、円形や四角形や扇形、リング形など任意の形状の板に切り出して使用する。
ここで、蛍光体セラミックスは、屈折率が約1.8と空気に対して屈折率が高く、さらに、内部にポアなどの散乱の原因となるものが少なく、光がセラミックス内部を導波するため、板状に成形した場合には側面から出射される発光成分が増加し、正面方向へ出射される発光成分が減少してしまう。この問題を解決するために、セラミックスの表面にエッチングにより凹凸の光取出し構造を設けたり、レンズを実装したり、側面に反射層を設けることで、正面方向へ出射される発光成分を増加させることも可能である。
また、この光源装置20において、光反射性基板(放熱基板)6は、光(固体光源5からの励起光によって励起された蛍光体部12からの発光(蛍光)と、蛍光体部12で吸収されなかった固体光源5からの励起光)に対する反射面の役割と、蛍光体部12から放散してきた熱を外部へ放散させる役割と、蛍光体部12の支持基板の役割も担うものである。このため、高い光反射特性、伝熱特性、加工性が求められる。この光反射性基板(放熱基板)6には、金属基板やアルミナなどの酸化物セラミックス、窒化アルミニウムなどの非酸化セラミックスなどが使用可能であるが、特に高い光反射特性、伝熱特性、加工性を併せ持つ金属基板が使用されるのが望ましい。金属としては、Al、Cu、Ti、Si、Ag、Au、Ni、Mo、W、Fe、Pdなどの単体や、それらを含む合金が使用可能である。また、光反射性基板(放熱基板)6の表面に増反射や腐食防止を目的としたコーティングを施しても良い。また、光反射性基板(放熱基板)6には、放熱性を高めるために、フィンなどの構造を設けても良い。また、蛍光体部12をさらにより一層冷却するため、さらに、ファン等を用いて空冷しても良いし、ペルチェ素子の様な熱電素子を用いて冷却しても良い。
ところで、本発明では、蛍光体部12は、複数種類の蛍光体材料(図1の例では、2種類の蛍光体材料8、9)で形成されており、固体光源5からの励起光の入射面側には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料(例えば、Ce3+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)8が配置され、固体光源5からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8とは反対の側には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料(例えば、Eu2+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)9が配置されることを特徴としている。
すなわち、上述した種々の蛍光体のうち、高密度かつ高効率で蛍光発光する蛍光体材料は限定される。半導体レーザーの様に高いエネルギー密度で励起した場合、蛍光体材料によっては効率が著しく低下する場合がある。励起される際に発生する熱で蛍光体自体の効率が低下する現象があり、これを温度消光という。温度消光は蛍光体の母体結晶に起因すると考えられており、蛍光体の母体結晶の質や構成される元素、最近接の結晶構造で決まると言われている。結晶構造の強固な一部の酸化物や、窒化物、酸窒化物が一般的に温度特性に優れており、本発明に使用する蛍光体材料として有利である。
また、固体光源5からの励起光のエネルギー密度が一定の値を超えると、蛍光強度が励起光のエネルギー密度に伴って高くならない現象があり、これを輝度飽和という。輝度飽和は、蛍光体内部の発光中心が励起されてから蛍光発光に至るまで時間がかかるため、励起された発光中心の密度が高くなり、励起される発光中心が不足するために発生する。励起されてから蛍光発光に至る時間が短いほど、輝度飽和に至るエネルギー密度が高くなるため、高いエネルギー密度で励起しても高効率に蛍光することが可能である。蛍光体が励起されてから蛍光発光に至る時間を表す値として、蛍光寿命が一般的に用いられる。蛍光寿命は、蛍光体を十分に励起してから、励起を停止した時点の蛍光強度から1/e(e:ネイピア数)の値になるまでの時間である。蛍光寿命は、蛍光体の発光中心のイオンによって左右され、希土類イオンの中ではCe3+の発光準位がもっとも短く、10−8〜10−7秒である。具体的に、Ce3+発光中心のYAl12:Ce3+蛍光体の蛍光寿命は70n秒であるが、Eu2+発光中心のαサイアロン蛍光体の蛍光寿命は約800n秒である。
蛍光体の蛍光発光は、励起状態から基底状態への電子の移動によって発生する。蛍光体の輝度飽和の原因のうち最も単純なものは、基底状態にあるイオンの枯渇が考えられる。2準位の発光中心で連続励起の場合を考えると、下記の式(式1)から輝度飽和による効率低下率を見積もることができる(例えば、文献1「A.Bril,“On the saturation of fluorescence with cathode−ray excitation”,Physica 15,361−379(1949)」、文献2「D.B.M.Klaasen,T.G.M. van Rijn and A.T.Vink,J.Electrochem.Soc.,136[9]1732−2736 (1989)」を参照)。

η/η0={N/(N+gτ)} 式1
ここで、Nは発光中心濃度であり、
N=充填率×蛍光体層の体積×単位胞体積
で表される。
また、gは励起速度(体積・時間当たり)であり、
g=単位面積あたりの入力光エネルギー/励起波長エネルギー
で表される。
また、τは蛍光寿命であり、η0は輝度飽和が無い場合の効率、ηは輝度飽和がある場合の効率である。
YAG蛍光体プレートの場合を例に、式1にて蛍光寿命をパラメーターに計算を行った結果を図2に示す。図2から、蛍光寿命が100n秒までは、1W/mm入力時に効率比(輝度飽和による効率低下率)η/η0は95%以上あるが、蛍光寿命が130n秒になると1W/mm入力時に効率比(輝度飽和による効率低下率)η/η0は90%まで低下する。このことから、本願の発明者は、高いエネルギー密度での励起時に、輝度飽和によるエネルギーロスを10%以内に維持するには、蛍光寿命が100n秒未満(好ましくは、10n秒以上100n秒未満)の短いものでなければならないことを見出した。
したがって、高いエネルギー密度で励起される蛍光体材料として特に有利なものは、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料である。なお、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、例えばガーネット構造でCe3+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択され、具体的には例えば、YAl12:Ce3+、LuAl12:Ce3+、Y(Ga,Al)12:Ce3+、(Y,Gd)Al12:Ce3+などである(なお、(Y,Gd)Al12:Ce3+は、主に青色光(440〜470nmの波長)で励起される緑色〜黄橙色蛍光体である)。また、この場合、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、セラミックプレートであるのが好ましい。
一方、蛍光寿命が長い蛍光体材料(すなわち、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料は、輝度飽和によるエネルギーロスを少なくするために、低いエネルギー密度で励起される必要がある。なお、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料は、例えばEu2+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択され、具体的には、Eu2+イオンの発光中心を含む蛍光体材料としては、例えば青緑色蛍光体、橙色蛍光体などがある。
以上のことから、本発明では、固体光源5からの励起光の入射面側(すなわち、励起光の高いエネルギー密度側)には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料(例えば、Ce3+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)8を配置し、固体光源5からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側(すなわち、励起光の低いエネルギー密度側))には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料(例えば、Eu2+イオンの発光中心を含む蛍光体材料)9を配置することで、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8(例えば黄色蛍光体)には高いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させ、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9(例えば青緑色蛍光体、橙色蛍光体)には低いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させることができ、両方の蛍光体材料8、9を高効率で励起することが可能となることから、高効率で(高輝度で)高演色の光源装置を実現することができる。
実際、本願の発明者は、下記のように、実施例、比較例で、本発明についての検証を行った。
図3は実施例に用いた構成を示す図であり、図3において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図3を参照すると、実施例では、固体光源(発光素子)5として、波長445nmの青色光を励起光として出射する、1A入力時、出力約1Wの半導体レーザーを12個用い、光反射性基板(放熱基板)6として、厚さ3mmの銅基板の表面を鏡面研磨し、その上に銀を200nmの厚さ、更にその上面にAlとTiOを各35nmの厚さに蒸着したものを用意した。そして、この光反射性基板(放熱基板)6上に、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9として、熱硬化型シリコーン樹脂にSrAl1425:Eu2+蛍光体(蛍光寿命が約700n秒で、蛍光色が青緑色(ピーク波長495nm))とαサイアロン蛍光体(蛍光寿命が約800n秒で、蛍光色が橙色(ピーク波長600nm))とを2:1の配合比で混合したものを厚さ40μmで塗布し、この上に、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8として、Ce濃度を3%に調整したYAl12:Ce3+蛍光体のセラミック板を、面積1mm×0.3mm、厚さ40μmに加工したものを接着、固定した。このような構成で、固体光源(発光素子)5からの青色光を45度の角度で蛍光体部12(8、9)に入射し、蛍光体部12が放射する蛍光と固体光源(発光素子)5からの青色光の散乱光をリフレクタ15で反射し、アクロマートレンズ16で投影して、発光スペクトルを求めた。
また、図4は比較例に用いた構成を示す図であり、図4において図3と同様の箇所には同じ符号を付している。図4を参照すると、比較例では、固体光源(発光素子)5として、波長445nmの青色光を励起光として出射する、1A入力時、出力約1Wの半導体レーザーを12個用い、光反射性基板(放熱基板)6として、厚さ3mmの銅基板の表面を鏡面研磨し、その上に銀を200nmの厚さ、更にその上面にAlとTiOを各35nmの厚さに蒸着したものを用意した。そして、この光反射性基板(放熱基板)6上に、Ce濃度を3%に調整したYAl12:Ce3+蛍光体のセラミック板を、面積1mm×0.3mm、厚さ80μmに加工したものを1個(すなわち、1個の蛍光体セラミック)2(8)を、熱硬化型シリコーン樹脂で接着、固定した。このような構成で、固体光源(発光素子)5からの青色光を45度の角度で蛍光体セラミック2(8)に入射し、蛍光体セラミック2(8)が放射する蛍光と固体光源(発光素子)5からの青色光の散乱光をリフレクタ15で反射し、アクロマートレンズ16で投影して、発光スペクトルを求めた。
図5には、このようにして求めた実施例と比較例の発光スペクトル(波長に対する発光強度)が示されている。また、図6には、図5の発光スペクトルから求められた実施例と比較例の演色評価数が示されている。
図5、図6を参照すると、比較例の場合、固体光源(青色半導体レーザー)5の発光スペクトルが非常に狭いため、固体光源(青色半導体レーザー)5の発光スペクトル(青色)とYAl12:Ce3+蛍光体の蛍光スペクトル(黄色)との間に、青緑色の波長帯の発光が無い。このため、比較例の光源装置の演色評価数は、Ra=61と非常に悪い。一方、実施例の光源装置の発光スペクトルは、黄色光に青緑色と橙色の蛍光体を付加した発光スペクトルとなるため、演色評価数はRa=76と比較的良好なものとなる。
緑色蛍光体と橙色蛍光体は共にEu2+イオンの発光であり、蛍光寿命が800〜700n秒と比較的長いため、高いエネルギー密度で励起すると、効率が低下する。この様な効率の低下を防止するためには、低いエネルギー密度で励起する必要があるが、この場合には高輝度の光源とすることができなくなってしまう。これを解決するために、本発明では、上記実施例のように、黄色蛍光体のYAl12:Ce3+蛍光体を固体光源5からの励起光の入射面側に配置し、蛍光寿命の長い蛍光体(緑色蛍光体、橙色蛍光体)を黄色蛍光体のYAl12:Ce3+蛍光体とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置する。この配置方法をとることで、黄色蛍光体には高いエネルギー密度の励起光を照射し、緑色蛍光体、橙色蛍光体には弱いエネルギー密度の励起光を照射することができ、高効率で(高輝度で)高演色の光源装置を実現することができる。すなわち、本発明(実施例)では、半導体発光素子(固体光源)と蛍光体とを組み合わせた従来の光源装置では不足していた青緑色部分や赤色部分の発光を補うことができ、これにより、高輝度でありながら色再現性の高い光源装置および照明装置を実現することができる。換言すれば、高輝度の光源を実現するためには、できる限り高密度のエネルギーで蛍光体を励起し、その蛍光と励起光の散乱光で小さい光源を作る必要があるが、高密度のエネルギーで励起して高効率で蛍光する蛍光体は限られており、1種類の蛍光体材料だけで高演色の光源装置および照明装置を実現することは難しい。これに対し、本発明では、発光の少ない部分の波長帯を補う蛍光体材料を配置、励起することで、発光スペクトルの形状を改善することができ、結果として、高演色の光源装置および照明装置を実現することができる。
なお、図1の例では、蛍光体部12は、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8と蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9との2つの層(プレート)が積層されたものとして構成されているが、蛍光体部12の構成としては、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料が固体光源5からの励起光の入射面側に配置され、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料が励起光の入射面とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置されるものであれば(換言すれば、蛍光寿命の短い蛍光体を励起光の高いエネルギー密度側に配置し、蛍光寿命の長い蛍光体を励起光の低いエネルギー密度側に配置するものであれば)、図1の例に限らず、任意の構成、配置形態をとることができる。
例えば、図7に示すように、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8の層(プレート)に溝を形成し、この溝内に蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9を配置しても良いし、あるいは、図8に示すように、例えば、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料を符号9、10のように2層にして配置しても良い。蛍光体部12の構成、配置形態としては、さらにこれらとは異なる配置、配置形態も可能である。
また、上述した例では、光反射性基板(放熱基板)6を用いることで、光源装置20が、蛍光体領域からの出射光(固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光との反射光)を反射方式で取り出すように構成されているが、例えば図9に示すように(なお、図9は蛍光体部12が図1と同じ構成のものになっている)、光反射性基板(放熱基板)6のかわりに、光透過性基板26が用いられている。
ここで、蛍光体部12と光透過性基板26とを含めて蛍光体領域と呼ぶ(このように、蛍光体領域はより広義の用語であるが、以下では、説明の便宜上、蛍光体部12と蛍光体領域との用語を区別せずに用いている)。また、図9の光源装置30では、光透過性基板26が用いられ、この光透過性基板26によって固体光源5からの励起光と蛍光体部12(8、9)からの蛍光とを透過して出射することから、透過方式の光源装置と呼ばれる。すなわち、この光源装置30では、蛍光体部12(8、9)の面のうち固体光源5からの励起光が入射する側の面とは反対側に蛍光などの光を取り出す方式(以下、透過方式と称す)が採用されている。
この光源装置30においても、固体光源5、蛍光体部12(8、9)の構成は、図1の光源装置20におけるのと全く同様である。
この光源装置30において、図1の光源装置20と相違するのは、光反射性基板(放熱基板)6ではなく、光透過性基板26が用いられていることである。
すなわち、この光源装置30において、光透過性基板26には、励起光に対する透過率が85%以上のもの、特に90%以上のものを使用するのが望ましい。また、この光透過性基板26は、蛍光体層2から放散してきた熱を外部へ放散させる役割と、蛍光体層2の支持基板の役割も担うものである。このため高い光透過特性、伝熱特性が求められる。光透過性基板26には、プラスチックやガラス、単結晶もしくは多結晶体からなる透光性セラミックスなどが使用可能であるが、特に光透過特性と伝熱特性を併せ持つサファイアなどの単結晶の透光性セラミックスを使用するのが望ましい。また、蛍光体層2をさらにより一層冷却するため、光透過性基板26の側面から排熱する構造を光透過性基板26に持たせることができる。この際、光透過性基板26の横方向への放熱性を向上させるために、光透過性基板26上に透明導電膜を配置することもできる。さらに、蛍光体層2をより一層冷却するため、ファン等を用いて空冷しても良いし、ペルチェ素子の様な熱電素子を用いて冷却しても良い。
この光源装置30においても、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8が固体光源5からの励起光の入射面側に配置され、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9が励起光の入射面とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置されているので、図1の光源装置20と同様に、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8(例えば黄色蛍光体)には高いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させ、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9(例えば青緑色蛍光体、橙色蛍光体)には低いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させることができ、両方の蛍光体材料8、9を高効率で励起することが可能となることから、高効率で(高輝度で)高演色の光源装置を実現することができる。
なお、図9の例では、蛍光体部12は、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8と蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9との2つの層(プレート)が積層されたものとして構成されているが、蛍光体部12の構成としては、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料が固体光源5からの励起光の入射面側に配置され、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料が励起光の入射面とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置されるものであれば(換言すれば、蛍光寿命の短い蛍光体を励起光の高いエネルギー密度側に配置し、蛍光寿命の長い蛍光体を励起光の低いエネルギー密度側に配置するものであれば)、図9の例に限らず、例えば図7、図8に示したような任意の構成、配置形態をとることができる。
また、本発明の光源装置を図10(a),(b)、あるいは、図11(a),(b)のように構成することもできる。なお、図10(a)、図11(a)は全体図、図10(b)、図11(b)は蛍光体領域の平面図である。また、図10(a),(b)、図11(a),(b)は、蛍光体部12の構成が図1、図9と同様のものとなっているとし、図10(a),(b)、図11(a),(b)において、図1、図9と同様の箇所には同じ符号を付している。
図10(a),(b)は、光反射性基板(放熱基板)6が用いられ、図1に対応した反射方式の光源装置40であるのに対し、図11(a),(b)は、光透過性基板26が用いられ、図9に対応した透過方式の光源装置50である。
ここで、蛍光体部12と光反射性基板6(または光透過性基板26)とを含めて蛍光体領域と呼ぶ(このように、蛍光体領域はより広義の用語であるが、以下では、説明の便宜上、蛍光体部12と蛍光体領域との用語を区別せずに用いている)。図10(a),(b)、図11(a),(b)の光源装置40、50では、蛍光体領域(すなわち、リング状(環状)に配置された蛍光体部12と光反射性基板6(または光透過性基板26))が所定の回転軸Xの周りに例えばモーター4等によって回転する蛍光回転体1(または21)として構成されている点で、図1、図9の光源装置20、30と構成を異にしている。すなわち、図10(a),(b)、図11(a),(b)の光源装置40、50では、蛍光体領域は、蛍光体部12を回転軸Xの周りに回転させる(モーター4等によって回転させる)反射型蛍光回転体1(または透過型蛍光回転体21)として構成されている。なお、光反射性基板6(または光透過性基板26)の形状は、円盤状や四角形などが考えられる。また回転の安定性を確保するために、円盤の一部を切り欠いたり、逆におもりをつけた形状とすることも可能である。
この光源装置40、50においても、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8が固体光源5からの励起光の入射面側に配置され、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9が励起光の入射面とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置されているので、図1、図9の光源装置20、30と同様に、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8(例えば黄色蛍光体)には高いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させ、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9(例えば青緑色蛍光体、橙色蛍光体)には低いエネルギー密度の励起光を照射して蛍光発光させることができ、両方の蛍光体材料8、9を高効率で励起することが可能となることから、高効率で(高輝度で)高演色の光源装置を実現することができる。
さらに、光源装置40、50では、蛍光体部12を回転軸Xの周りに回転させる(モーター4等によって回転させる)反射型蛍光回転体1(または透過型蛍光回転体21)として構成することにより、すなわち、固体光源5に対して蛍光体部12を回転させることにより、固体光源5からの励起光が当たる場所を分散させ、光照射部での発熱を抑えることができ(この蛍光回転体1(または21)を用いることで、そもそも蛍光体の発熱を抑えることができ)、これにより、より一層の高輝度化が可能となる。
なお、図10、図11の例では、蛍光体部12は、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8と蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9との2つの層(プレート)が積層されたものとして構成されているが、蛍光体部12の構成としては、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料が固体光源5からの励起光の入射面側に配置され、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料が励起光の入射面とは反対の側(励起光の入射面とは遠い側)に配置されるものであれば(換言すれば、蛍光寿命の短い蛍光体を励起光の高いエネルギー密度側に配置し、蛍光寿命の長い蛍光体を励起光の低いエネルギー密度側に配置するものであれば)、図10、図11の例に限らず、例えば図7、図8に示したような任意の構成、配置形態をとることができる。
また、図1(図7、図8)、図9、図11、図12の光源装置20、30、40、50の例では、固体光源5からの励起光を蛍光体部12に直接入射させているが、固体光源5と蛍光体部12との間に、ミラーを設け、固体光源5からの励起光をミラーを介して蛍光体部12に入射させることもできる。
また、上述の各例において、励起光源である固体光源(半導体発光素子)5の個数は、1つでも良いし、必要に応じて複数でも良い。
また、図9、図11の例では、励起光を蛍光体部12側から入射させたが、図12に示すように、蛍光体部12と光透過性基板26との配置を図9、図11に示すものとは逆にして、励起光を光透過性基板26側から入射させることもできる。この場合には、図12に示すように、蛍光体部12における蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料8と蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料9との光透過性基板26上での配置を、図9、図11に示すものとは逆にする必要がある。
また、本発明の上述した種々の光源装置20、30、40、50等を、リフレクタやレンズなどの光学部品と組み合わせることで、高効率で(高輝度で)高演色の照明装置を提供できる。
具体的に、例えば図1の光源装置20をリフレクタ、レンズと組み合わせて、前述した図3に示したような照明装置60を提供できる。すなわち、この照明装置60では、蛍光体領域からの出射光(固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光との反射光)を反射するリフレクタ15と、リフレクタ15からの出射光を照明光として外部に出力するレンズ16とが、光学系として、固体光源5側に設けられている。
このように、この照明装置60では、蛍光体領域からの出射光(固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光との反射光)を反射方式で取り出して、照明光として用いることができる。
また、例えば図9の光源装置30をリフレクタ、レンズと組み合わせて、図13に示すような照明装置70を提供できる。すなわち、この照明装置70では、蛍光体領域からの出射光(固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光との透過光)を反射するリフレクタ15と、リフレクタ15からの出射光を照明光として外部に出力するレンズ16とが、光学系として、固体光源5とは反対の側に設けられている。
このように、この照明装置70では、蛍光体領域からの出射光(固体光源5からの励起光と蛍光体部12からの蛍光との透過光)を透過方式で取り出して、照明光として用いることができる。
なお、図3、図13の照明装置60、70では、蛍光体領域からの出射光をリフレクタ15で反射させてレンズ16に入射させたが、リフレクタ15を用いずに、蛍光体領域からの出射光をレンズに直接入射させるように構成することもできる。
以上のように、本発明は、高輝度で高演色の光源装置を実現することができ、光源サイズを小さくすることができるため、産業上のメリットが大きい。また、照明装置としては、小型軽量の照明装置を実現することができるため、持ち運びが容易であり、設置場所を選ばないなど、小型化による使用環境の制限が少なくなる。
また、本発明を自動車用前照灯に用いる場合には、小型化によるデザインの自由度が高まり、設置するスペースが小さくなるため、低燃費に貢献する空気抵抗を低減するようなデザインにも対応することができる。また、高演色性であるため、道路の標識、対向する人物などを照らした際により鮮やかに観察することが出来るため、視認性が向上し安全性も高まる効果が期待できる。
このように、本発明の光源装置、照明装置は、高効率で(高輝度で)高演色の照明光を出射できて、自動車用照明装置や自動車前照灯モジュール等の車両用照明や一般照明などに幅広く利用できる。
本発明は、ヘッドランプ等の車両用照明や一般照明などに利用可能である。
1(21) 蛍光回転体
4 モーター
5 固体光源
6 光反射性基板(放熱基板)
12 蛍光体部
26 光透過性基板
8、9、10 蛍光体材料
15 リフレクタ
16 レンズ
20、30、40、50 光源装置
60、70 照明装置

Claims (5)

  1. 紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、該固体光源からの光が励起光として入射するとき、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する蛍光体部とを備え、前記蛍光体部は、複数種類の蛍光体材料で形成されており、前記固体光源からの励起光の入射面側には、蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料が配置され、前記固体光源からの励起光の入射面側に配置される蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料とは反対の側には、蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料が配置されることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1記載の光源装置において、前記蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、Ce3+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択されることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記蛍光寿命が10n秒以上100n秒未満の範囲の蛍光体材料は、セラミックプレートであることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1記載の光源装置において、前記蛍光寿命が100n秒以上1000n秒以下の範囲の蛍光体材料は、Eu2+イオンを発光中心とする蛍光体の中から少なくとも1つ選択されることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置。
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