JP5975692B2 - 光源装置および照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置および照明装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されているような光源装置が知られている。図1は特許文献1の光源装置を示す図である。図1を参照すると、この光源装置100は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源105と、該固体光源105からの励起光により励起され該固体光源105の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層102と、該蛍光体層102の前記励起光が入射する側の面とは反対の面側に設けられる放熱基板106とを備え、前記蛍光体層102は実質的に樹脂成分を含まず、前記固体光源105と前記蛍光体層102とが空間的に離れて配置されており、前記蛍光体層102の面のうち励起光が入射する側の面とは反対側に設けられた反射面による反射を用いて蛍光を取り出すようになっている。
特開2011−129354号公報
しかしながら、図1に示すような光源装置100では、蛍光体層102からの発光は、図2(a)に示すように、180°の範囲にわたる。すなわち、蛍光体層102からの発光の配光特性(指向性)は、図2(b)に示すように180°の範囲にわたる。このため、蛍光体層102からの発光を一方向に出射させるように制御するのにリフレクタなどの集光手段を用いる場合、リフレクタなどの集光手段を小型化することが難しいという問題があった。
また、図1に示すような光源装置100では、蛍光体層102の1つの面だけしか放熱基板106に接していないことから、蛍光体層102の放熱を十分に行うことができず、蛍光体層102の温度が上昇したときに蛍光体層102の蛍光強度が低下する温度消光によって、蛍光体層102からの発光色度が変化してしまうという問題もあった。
本発明は、蛍光体層(蛍光部材)からの発光の配光特性(指向性)を従来に比べて約半分に狭めることができて、リフレクタなどの集光手段を小型化することが可能であり、かつ、蛍光体層(蛍光部材)の放熱を十分に行うことができて、蛍光体層(蛍光部材)の温度消光をも防止することの可能な光源装置および照明装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する導光手段とを備え、
前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記導光手段の端面は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zにおける前記蛍光部材の中央位置であって、前記L字型の放熱部材の互いに直交する内壁面が交わる交線部分の近傍に設けられていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する少なくとも1つの固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記少なくとも1つの固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する複数の導光手段とを備え、
前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記複数の導光手段の端面は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zに均等な間隔で少なくとも一列に配置されたものとなっていることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記導光手段の端面と前記蛍光部材との間には、空洞部が設けられていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記固体光源は、半導体レーザーであることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記蛍光部材は、直方体形状、または、1/4球体形状のものであることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置である。
請求項1、請求項3乃至請求項6記載の発明によれば、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する導光手段とを備え、
前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記導光手段の端面の位置は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zにおける前記蛍光部材の中央位置であって、前記L字型の放熱部材の互いに直交する内壁面が交わる交線部分の近傍に設けられるので、
蛍光部材からの発光の配光特性(指向性)を従来に比べて約半分に狭めることができて、リフレクタなどの集光手段を小型化することができ、かつ、蛍光部材の放熱を十分に行うことができて、蛍光部材の温度消光をも防止することができる。
また、請求項2乃至請求項6記載の発明によれば、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する少なくとも1つの固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記少なくとも1つの固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する複数の導光手段とを備え、
前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記複数の導光手段の端面の位置は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zに均等な間隔で少なくとも一列に配置されたものとなっているので、
蛍光部材からの発光の配光特性(指向性)を従来に比べて約半分に狭めることができて、リフレクタなどの集光手段を小型化することができ、かつ、蛍光部材の放熱を十分に行うことができて、蛍光部材の温度消光をも防止することができる。
特許文献1の光源装置を示す図である。 図1の光源装置の蛍光体層からの発光の配光特性(指向性)を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の一構成例を示す斜視図である。 図3において蛍光部材を取り外した状態を示す斜視図である。 図3の断面図である。 図3の光源装置の蛍光部材からの発光の配光特性(指向性)を示す図である。 図3の光源装置の製造工程例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 本発明の第1の形態の光源装置の変形例を示す図である。 1mmの立方体形状の蛍光部材に対して、L字型の放熱部材6の垂直壁面の高さを変えた状態を示す図である。 1mmの立方体形状の蛍光部材に対して、L字型の放熱部材の垂直壁面の高さを変えて、蛍光部材からの発光の配光特性(指向性)を調べた結果を示す図である。 本発明の第2の形態の光源装置の一構成例を示す斜視図である。 図18において蛍光部材を取り外した状態を示す斜視図である。 図18の断面図である。 本発明の光源装置を用いた照明装置の一例を示す図である。 放熱部材に垂直壁面のない光源装置を用いた照明装置の一例を示す図である。 本発明の光源装置を用いた照明装置の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の第1の形態の光源装置の一構成例を示す斜視図である。また、図4は、図3において蛍光部材を取り外した状態を示す斜視図である。また、図5(a),(b)は、それぞれ図3のA−A線、B−B線における断面図である。
図3、図4、図5(a),(b)を参照すると、この光源装置20は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する固体光源5と、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材2と、蛍光部材2が搭載される断面がL字型の放熱部材6と、固体光源5から放熱部材6中を貫通して蛍光部材2まで延び、固体光源5からの励起光を蛍光部材2まで導光する導光手段(例えば光ファイバ)9とを備えている。
より詳細に、L字型の放熱部材6は、互いに直交する内壁面6a、6bを光反射面として有し、L字型の放熱部材6の互いに直交する内壁面6a、6bに接するように蛍光部材2が搭載されており、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bにおける導光手段9の端面9eは、L字型の放熱部材6の奥行方向Zにおける蛍光部材2の中央位置であって(蛍光部材2の奥行方向Zの幅をwとするとき、蛍光部材2の奥行方向Zの両端からそれぞれw/2の位置であって)、L字型の放熱部材6の互いに直交する内壁面6a、6bが交わる交線部分KRの近傍に設けられている。
また、図3の光源装置20において、固体光源5には、紫外光から可視光領域に発光波長をもつ半導体レーザーなどが使用可能である。
より具体的に、固体光源5には、例えば、InGaN系の材料を用いた発光波長が約380nmの近紫外光を発光する半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光部材2の蛍光体としては、波長が約380nmないし約405nmの紫外光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、LaS:Eu3+、KSiF:Mn4+、 KTiF:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体には、(Si,Al)(O,N):Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+等を用いることができ、青色蛍光体には、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POl2:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、LaAl(Si,Al)(N,O)10:Ce3+等を用いることができる。
また、固体光源5には、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光部材2の蛍光体としては、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、KSiF:Mn4+、KTiF:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体には、Y(Ga,Al)12:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、CaSc:Eu2+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+、BaSi12:Eu2+、(Si,Al)(O,N):Eu2+等を用いることができる。また、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、YAl12:Ce3+ (YAG)、(Sr,Ba)SiO:Eu2+、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等の黄色蛍光体を用いることができる。
蛍光部材2としては、これらの蛍光体粉末を樹脂(例えばシリコーン樹脂)やガラス中に分散させたものや、ガラス母体に発光中心イオンを添加したガラス蛍光体、樹脂などの結合部材を含まない蛍光体セラミックス等を用いることができる。蛍光体粉末をガラス中に分散させたものの具体例としては、上に列挙した組成の蛍光体粉末をP、SiO、B、Alなどの成分を含むガラス中に分散したものが挙げられる。ガラス母体に発光中心イオンを添加したガラス蛍光体としては、Ce3+やEu2+を付活剤として添加したCa−Si−Al−O−N系やY−Si−Al−O−N系などの酸窒化物系ガラス蛍光体が挙げられる。蛍光体セラミックスとしては、上に列挙した組成の蛍光体組成からなり、樹脂成分を実質的に含まない焼結体が挙げられる。これらの中でも透光性を有する蛍光体セラミックスを使用することが望ましい。これは、焼結体中に光の散乱の原因となるポアや粒界の不純物がほとんど存在しないために透光性を有するに至った蛍光体セラミックスである。ポアや不純物は熱拡散を妨げる原因にもなるため、透光性セラミックスは高い熱伝導率を示す。このため蛍光部材として利用した場合には励起光や蛍光を拡散により失うことなく蛍光部材から取り出して利用でき、さらに蛍光部材で発生した熱を効率良く放散することができる。透光性を示さない焼結体でも出来るだけポアや不純物の少ないものが望ましい。ポアの残存量を評価する指標としては蛍光体セラミックスの比重の値を用いることができ、その値が計算される理論値に対して95%以上のものが望ましい。
ここで、青色励起の黄色発光蛍光体であるYAl12:Ce3+蛍光体を例に、透光性を有する蛍光体セラミックスの製造方法を説明する。蛍光体セラミックスは出発原料の混合工程、成形工程、焼成工程、加工工程を経て製造される。出発原料には、酸化イットリウムや酸化セリウムやアルミナ等、YAl12:Ce3+蛍光体の構成元素の酸化物や、焼成後に酸化物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いる。出発原料の粒径はサブミクロンサイズのものが望ましい。これらの原料を化学量論比となるように秤量する。このとき焼成後のセラミックスの透過率向上を目的として、カルシウムやシリコンなどの化合物を添加することも可能である。秤量した原料は、水もしくは有機溶剤を用い、湿式ボールミルにより十分に分散、混合を行う。次に混合物を所定の形状に成形する。成形方法としては、一軸加圧法、冷間静水圧法、スリップキャスティング法や射出成形法等を用いることができる。得られた成形体を1600〜1800℃で焼成する。これにより、透光性のYAl12:Ce3+蛍光体セラミックスを得ることができる。
以上のようにして作製した蛍光体セラミックスは、自動研磨装置などを用いて、厚さ数十〜数百μmの厚みに研磨し、さらに、ダイアモンドカッターやレーザーを用いたダイシングやスクライブにより、所定の形状に切り出して使用することができる。
また、図3の光源装置20において、放熱基板6は、光(固体光源5からの励起光によって励起された蛍光部材2からの発光(蛍光))に対する反射面の役割と、蛍光部材2から放散してきた熱を外部へ放散させる役割と、蛍光部材2の支持基板の役割も担うものである。このため、高い光反射特性、伝熱特性、加工性が求められる。この放熱基板6には、金属基板やアルミナなどの酸化物セラミックス、窒化アルミニウムなどの非酸化セラミックスなどが使用可能であるが、特に高い光反射特性、伝熱特性、加工性を併せ持つ金属基板が使用されるのが望ましい。金属としては、Al、Cu、Ti、Si、Ag、Au、Ni、Mo、W、Fe、Pdなどの単体や、それらを含む合金が使用可能である。また、放熱基板6の表面に増反射や腐食防止を目的としたコーティングを施しても良い。また、放熱基板6には、放熱性を高めるために、フィンなどの構造を設けても良い。
また、図3の光源装置20において、蛍光部材2は、放熱基板6に例えば透明接着剤で接着されて固定される。
このような構成の光源装置20では、蛍光部材2から、蛍光(例えば黄色光)と蛍光部材2に吸収されなかった励起光(例えば青色光)との混色光(例えば白色光)を出射光として出射させることができる。
この際、図3の光源装置20では、蛍光部材2からの発光(蛍光、および、蛍光部材2に吸収されなかった励起光)は、図6(a)に示すように、90°の範囲に狭められる。すなわち、蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)は、図6(b)に示すように90°の範囲に狭められる。このため、蛍光部材2からの発光を一方向に出射させるように制御するのにリフレクターなどの集光手段を用いる場合、リフレクターなどの集光手段を小型化することが可能となる。
また、図3の光源装置20では、蛍光部材2の2つの面が放熱基板6に接しているので、蛍光部材2の放熱を十分に行うことができ、これにより、蛍光部材2の温度の上昇を抑え、蛍光部材2の温度消光をも防止できる。
また、図3の光源装置20では、L字型の放熱部材6を用いているので、後述のように、天井と壁など、直角のところに配置すれば、コーナー照明にも応用できる。
図7(a),(b),(c),(d)は、図3の光源装置20の製造工程例を示す図である。図7(a),(b),(c),(d)の製造工程例では、アルミニウム、セラミックなどの熱伝導性の高い部材で断面がL字型になるように切削または金型加工されたものをL字型の放熱部材6とする(図7(a))。なお、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bは、光反射性を高めるために研磨(機械加工、電解加工)されている。次に、L字型の放熱部材6の所定の位置に導光手段(例えば光ファイバ)9を導入する穴を形成し、この穴に導光手段(例えば光ファイバ)9を固定する(図7(b))。なお、導光手段(例えば光ファイバ)9の端面9eは、予め鏡面に加工することもできるし、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bの研磨加工と同時に鏡面加工することもできる。次いで、蛍光部材2(例えば、予め断面がL字型の形状に加工された蛍光体セラミックスなど)を透明接着剤でL字型の放熱部材6の内壁面6a、6bに固定する(図7(c))。最後に、ダイシング装置にて所定間隔にカットして、図3に示す個々の光源装置20のユニットを作製することができる(図7(d))。なお、図7(c)の状態で複数の固体光源5と組み合わせることで、バー状の発光装置とすることも可能である。
なお、図3の例では、蛍光部材2は、直方体形状(立方体形状も含む)のものであって、L字型の放熱部材6の互いに直交する内壁面6a、6bの導光手段9の端面9eにも接するようになっているが、蛍光部材2が導光手段9の端面9eに接するように設けられる場合には、導光手段9の端面9eからの励起光の一部が蛍光部材2によって反射された背面反射光を光取り出し方向に導くことができないという問題がある。
このような問題を解決するため、図8、図9(a),(b)に示すように、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bにおける導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間には、空洞部12が設けられているのが好ましい。なお、図8は斜視図、図9(a),(b)は、それぞれ図8のA−A線、B−B線における断面図である。
L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bにおける導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に、空洞部12が設けられていることによって、導光手段9の端面9eからの励起光の一部が蛍光部材2によって反射された背面反射光を、L字型の放熱部材6の内壁面(光反射面)6aによって反射して光取り出し方向に導くことができ、励起光による励起効率を向上させることができる。さらに、導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に空洞部12が設けられていることによって、蛍光部材2の励起光入射部の発熱を導光手段(例えば光ファイバ)9側に伝えない断熱効果をもたらすことができ、これにより、導光手段(例えば光ファイバ)9の熱劣化を防止できるという効果もある。
また、上述の各例では、蛍光部材2は、直方体形状(立方体形状も含む)のものとなっているが、図10、図11(a),(b)に示すように、球体を1/4にカットした形状(1/4球体形状)のものにすることもできる。なお、図10は斜視図、図11(a),(b)は、それぞれ図10のA−A線、B−B線における断面図である。
また、蛍光部材2を図10、図11(a),(b)のように1/4球体形状のものにする場合にも、図8、図9(a),(b)において説明したと同様の理由で、図12、図13(a),(b)に示すように、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bにおける導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間には、空洞部12が設けられているのが好ましい。なお、図12は斜視図、図13(a),(b)は、それぞれ図12のA−A線、B−B線における断面図である。
なお、図10、図11(a),(b)、あるいは、図12、図13(a),(b)に示す1/4球体形状の蛍光部材2は、球体状の焼結体をダイシング装置などで切断するか、または、研磨装置なので研磨加工することで、作製することができる。
また、上述の各例では、導光手段9の端面9eは、L字型の放熱部材6の内壁面6a、すなわちL字型の放熱部材6の水平壁面に設けられているが、図14に示すように、導光手段9の端面9eを、L字型の放熱部材6の内壁面6b、すなわちL字型の放熱部材6の垂直壁面に設けても良い。あるいは、導光手段9の端面9eを、L字型の放熱部材6の内壁面6a、6bの両方に、すなわちL字型の放熱部材6の水平壁面、垂直壁面の両方に設けても良い。
また、図15に示すように、蛍光部材2に対して、L字型の放熱部材6の水平壁面および垂直壁面の長さ(高さ)を延ばすこともでき、この場合には、蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)をより一層確実に狭めることができる。
本願の発明者は、実際に、図16(a),(b),(c)に示すように、1mmの立方体形状の蛍光部材2に対して、L字型の放熱部材6の垂直壁面の高さを変えて、蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)を調べた。図17は、その結果を示す図であり、図17から、L字型の放熱部材6の垂直壁面の高さを高くすることで、蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)を片側に制御できることを確認できた。
また、図18は、本発明の第2の形態の光源装置の一構成例を示す斜視図である。また、図19は、図18において蛍光部材を取り外した状態を示す斜視図である。また、図20(a),(b)は、それぞれ図18のA−A線、B−B線における断面図である。なお、図18、図19、図20(a),(b)において、図3、図4、図5(a),(b)と同様の箇所または対応する箇所には同じ符号を付している。
図18、図19、図20(a),(b)を参照すると、この光源装置30は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する少なくとも1つの固体光源5と、該固体光源5からの励起光により励起され該固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材2と、該蛍光部材2が搭載されるL字型の放熱部材36と、前記少なくとも1つの固体光源5から前記放熱部材32中を貫通して前記蛍光部材2まで延び、前記固体光源5からの励起光を前記蛍光部材2まで導光する複数の導光手段(例えば複数の光ファイバ)9とを備えている。
より詳細に、L字型の放熱部材36は、互いに直交する内壁面36a、36bを光反射面として有し、L字型の放熱部材36の互いに直交する内壁面36a、36bに接するように蛍光部材2が搭載されており、L字型の放熱部材36の内壁面36a、36bにおける複数の導光手段9の端面9eは、L字型の放熱部材36の奥行方向Zに均等な間隔で少なくとも一列に配置されたものとなっている。
具体的に、図18、図19、図20(a),(b)の例では、複数の導光手段9の端面9eは、L字型の放熱部材36の内壁面36a、すなわちL字型の放熱部材36の水平壁面に設けられており、蛍光部材2の奥行方向Zの幅をwとするとき、蛍光部材2の奥行方向Zに例えばw/4の間隔で一列に3つ配置され、蛍光部材2の横方向Xの幅をuとするとき、蛍光部材2の横方向Xに例えばu/3の間隔で2列に配置されている。なお、図20(a),(b)の例では、複数の導光手段9に対して1つの固体光源5だけが設けられている場合が示されているが(1つの固体光源5からの励起光を分岐によって複数の導光手段9に導光させるようになっているが)、複数の導光手段9のそれぞれに対応させて固体光源5を設けることもできる。すなわち、複数の固体光源5を設けることもでき、この場合には、後述のように、光量を増加させることができる。
このように、L字型の放熱部材36の内壁面36aに、複数の導光手段9の端面9eを、蛍光部材2の奥行方向Zに均等な間隔で少なくとも一列に配置することで、励起光を蛍光部材2に均等な間隔で照射することができ、蛍光部材2が導光手段9の1つの端面9eに比べて非常に大きいときなどの場合に、第1の形態に比べて、色ムラなどを低減でき、さらには光量を増加させることもできる。ここで、色ムラ低減および光量増加の度合いは、固体光源5の個数、導光手段(例えば光ファイバ)9の分岐数およびバンドル数、複数の導光手段9の端面9eの配置位置などで、制御することができる。具体的には、蛍光部材2の蛍光強度に応じて励起位置を特定して複数の導光手段9の端面9eの位置を決め、それぞれの導光手段9の励起光光量は、固体光源5の数量と、例えば光ファイバー素線のバンドル数(束ねる数量)で決める。このようにすることで、蛍光部材2全体の色混合割合を均一にすることができ、かつ、複数の固体光源5を用いることにより光量を増加させることができる。
なお、この第2の形態の光源装置30においても、第1の形態の光源装置20と同様に、固体光源5には、紫外光から可視光領域に発光波長をもつ半導体レーザーなどが使用可能である。
また、この第2の形態の光源装置30においても、第1の形態の光源装置20と同様に、放熱基板36は、光(固体光源5からの励起光によって励起された蛍光部材2からの発光(蛍光))に対する反射面の役割と、蛍光部材2から放散してきた熱を外部へ放散させる役割と、蛍光部材2の支持基板の役割も担うものである。このため、高い光反射特性、伝熱特性、加工性が求められる。この放熱基板36には、金属基板やアルミナなどの酸化物セラミックス、窒化アルミニウムなどの非酸化セラミックスなどが使用可能であるが、特に高い光反射特性、伝熱特性、加工性を併せ持つ金属基板が使用されるのが望ましい。金属としては、Al、Cu、Ti、Si、Ag、Au、Ni、Mo、W、Fe、Pdなどの単体や、それらを含む合金が使用可能である。また、放熱基板36の表面に増反射や腐食防止を目的としたコーティングを施しても良い。また、放熱基板36には、放熱性を高めるために、フィンなどの構造を設けても良い。
また、この第2の形態の光源装置30においても、L字型の放熱部材36の内壁面36a、36bにおける複数の導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に、空洞部を設けることができる。
L字型の放熱部材36の内壁面36a、36bにおける複数の導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に空洞部が設けられていることによって、導光手段9の端面9eからの励起光の一部が蛍光部材2によって反射された背面反射光を、L字型の放熱部材36の内壁面(光反射面)36aによって反射して光取り出し方向に導くことができ、励起光による励起効率を向上させることができる。さらに、導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に空洞部が設けられていることによって、蛍光部材2の励起光入射部の発熱を導光手段(例えば光ファイバ)9側に伝えない断熱効果をもたらすことができ、これにより、導光手段(例えば光ファイバ)9の熱劣化を防止できるという効果もある。
また、上述の例では、蛍光部材2は、直方体形状(立方体形状も含む)のものとなっているが、球体を1/4にカットした形状(1/4球体形状)のものにすることもできる。
また、蛍光部材2を1/4球体形状のものにする場合にも、L字型の放熱部材36の内壁面36a、36bにおける複数の導光手段9の端面9eと蛍光部材2との間に空洞部12を設けることができる。
また、上述の例では、複数の導光手段9の端面9eは、L字型の放熱部材36の内壁面36a、すなわちL字型の放熱部材36の水平壁面に設けられているが、複数の導光手段9の端面9eを、L字型の放熱部材36の内壁面36b、すなわちL字型の放熱部材36の垂直壁面に設けても良い。あるいは、複数の導光手段9の端面9eを、L字型の放熱部材36の内壁面36a、36bの両方に、すなわちL字型の放熱部材36の水平壁面、垂直壁面の両方に設けても良い。
また、この第2の形態の光源装置30においても、蛍光部材2に対して、L字型の放熱部材36の水平壁面および垂直壁面の長さ(高さ)を延ばすことができ、この場合には、蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)をより一層確実に狭めることができる。
図21(a)は本発明の光源装置を用いた照明装置の一例を示す図である。なお、図21(a)の例では、光源装置には、第1の形態の光源装置20を用いた場合が示されており、また、光学系(集光部)として、リフレクタ41と、レンズ42とが用いられている。また、図21(b)には、第1の形態の光源装置20の蛍光部材2からの発光の配光特性(指向性)が示されている。
また、比較のため、図22(a)には、放熱部材206に垂直壁面のない光源装置200を用いた照明装置の一例が示されている。なお、図22(a)の例では、光学系(集光部)として、リフレクタ221と、レンズ222とが用いられている。また、図22(b)には、放熱部材206に垂直壁面のない光源装置200の蛍光体層202からの発光の配光特性(指向性)が示されている。
図21(b)を図22(b)と比べればわかるように、本発明の光源装置では、放熱部材206に垂直壁面のない光源装置200に比べて、発光の配光特性(指向性)を約半分に狭めることができるので、リフレクタ41などの大きさをリフレクタ221などに比べて小さくでき、これにより、照明装置の小型化を図ることができる。
また、図23は本発明の光源装置を用いた照明装置の他の例を示す図である。なお、図23の例では、光源装置には、第1の形態の光源装置20を用いた場合が示されており、第1の形態の光源装置20を、天井51と壁52などの、直角のところに配置して、コーナー照明とした状態が示されている。
このように、本発明の光源装置は、特別な用途などにも適用できる。
本発明は、車両用灯具(自動車前照灯など)、室内照明、一般照明などに利用可能である。
2 蛍光部材
5 固体光源
6、36 放熱基板
9 導光手段(例えば光ファイバ)
9e 導光手段の端面
12 空洞部
20、30 光源装置
41 リフレクタ
42 レンズ
51 天井
52 壁

Claims (6)

  1. 紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する導光手段とを備え、
    前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
    前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記導光手段の端面は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zにおける前記蛍光部材の中央位置であって、前記L字型の放熱部材の互いに直交する内壁面が交わる交線部分の近傍に設けられていることを特徴とする光源装置。
  2. 紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を励起光として発光する少なくとも1つの固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され該固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光部材と、該蛍光部材が搭載されるL字型の放熱部材と、前記少なくとも1つの固体光源から前記放熱部材中を貫通して前記蛍光部材まで延び、前記固体光源からの励起光を前記蛍光部材まで導光する複数の導光手段とを備え、
    前記L字型の放熱部材は、互いに直交する内壁面を光反射面として有し、前記L字型の放熱部材の互いに直交するそれぞれの内壁面に接するように前記蛍光部材が搭載されており、
    前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記複数の導光手段の端面は、前記L字型の放熱部材の奥行方向Zに均等な間隔で少なくとも一列に配置されたものとなっていることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記L字型の放熱部材の前記内壁面における前記導光手段の端面と前記蛍光部材との間には、空洞部が設けられていることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記固体光源は、半導体レーザーであることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記蛍光部材は、直方体形状、または、1/4球体形状のものであることを特徴とする光源装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置。
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