JP2012114038A - 光電極およびその製造方法、ならびに色素増感太陽電池 - Google Patents

光電極およびその製造方法、ならびに色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質金属電極に存在する開き目部での集電ロスを抑制し、かつ、生産性を向上することができる光電極を提供する。
【解決手段】色素増感太陽電池用光電極は、多孔質金属電極と、増感色素を担持した多孔質金属酸化物層と、多孔質金属電極と多孔質金属酸化物層との間に設けられた多孔質中間層とを備える。多孔質中間層が、導電体微粒子を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電極およびその製造方法、ならびに色素増感太陽電池に関する。詳しくは、色素を担持した多孔質金属酸化物層を用いた色素増感太陽電池に関する。
一般的な色素増感太陽電池の光電極には、FTO(Fluorine doped tin oxide)膜やITO(Indium Tin Oxide)膜などのTCO(Transparant conducting oxide)膜が用いられるため、材料コストの削減が望まれている。また、TCO膜は金属に比して抵抗が高いため、セルの大型化が困難である。
そこで、受光面側に電極がない、いわゆるバックコンタクト型色素増感太陽電池が提案されている。この電池では、構造上電極が透明である必要がないため、光電極の電極材料としてTCOに代えて金属を使用でき、低コスト化が可能となる。また、金属が低抵抗であるため、セル大型化が可能となる。従来、バックコンタクト型色素増感太陽電池としては、例えば以下の技術が提案されている。
特許文献1、2、非特許文献1では、SUSメッシュなどの多孔質金属電極上に、TiO2層などの多孔質金属酸化物層を形成する技術が提案されている。また、非特許文献2では、多孔質金属酸化物層にTiO2、バックコンタクト電極にSUS316メッシュ(線径25μm、開き目25μm)を使用し、SUS316メッシュ表面にTi層(200nm厚)とTiOX層(200nm厚)とを積層することにより、変換効率を改善する技術が提案されている。
特表2006−523369号公報 特開2010−21091号公報
Xing Fan,et al. Appl.Phys.Lett.2007,90,073501. Yoshikazu Yoshida,et al. Appl.Phys.Lett.2009,94,093301.
しかしながら、特許文献1、2、非特許文献1にて提案されている技術では、メッシュの開き目部に形成された多孔質金属酸化物層からの光電流が多孔質金属電極であるメッシュまで届かずに変換効率が劣化してしまう。また、電解液の中のイオンの移動は多孔質金属電極の開き目が大きければ大きいほどスムーズになるが、それに伴い上記効率劣化が顕著になる。また、非特許文献2にて提案されている技術では、開き目の小さなメッシュが必須であり、コストが非常に高くなってしまう。
したがって、本発明の目的は、多孔質金属電極に存在する開き目部での集電ロスを抑制し、かつ、生産性を向上することができる光電極およびその製造方法、ならびに色素増感太陽電池を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
多孔質金属電極と、
増感色素を担持した多孔質金属酸化物層と、
多孔質金属電極と多孔質金属酸化物層との間に設けられた多孔質中間層と
を備え、
多孔質中間層が、導電体微粒子を含んでいる色素増感太陽電池用光電極である。
第2の発明は、
光電極と、
光電極層と対向して設けられた対極と、
光電極と対極との間に設けられた電解質層と
を備え、
光電極は、
多孔質金属電極と、
増感色素を担持した多孔質金属酸化物層と、
多孔質金属電極と多孔質金属酸化物層との間に設けられた多孔質中間層と
を備え、
多孔質中間層が、導電体微粒子を含んでいる色素増感太陽電池である。
第3の発明は、
多孔質金属電極、多孔質中間層および多孔質金属酸化物層が積層された積層体を形成する工程と、
積層体を焼成する工程と、
多孔質金属酸化物層に増感色素を吸着させる工程と
を備え、
積層体の形成工程では、導電体微粒子を含む多孔質中間層形成用組成物を多孔質金属電極または多孔質金属酸化物層に塗布または印刷することにより、多孔質中間層を形成する色素増感太陽電池用光電極の製造方法である。
本発明では、多孔質金属電極と多孔質金属酸化物層との間に多孔質中間層を設けているので、多孔質金属電極に存在する開き目部での集電ロスを抑制することができる。したがって、多孔質金属電極を用いた場合に発生する変換効率の劣化を抑制することができる。さらには、コストが安い開き目部の大きな多孔質金属電極を用いることが可能となるため、コストを低減することができる。導電体微粒子を含む多孔質中間層は、導電体微粒子を含む多孔質中間層形成用組成物を用いてウエットプロセスにより形成できるので、生産性を向上し、かつ、コストを低減することができる。さらに多孔質金属酸化物層もウエットプロセスにより作製した場合には、光電極をウエットプロセスのみで作製可能となるので、さらなる生産性の向上および低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、多孔質金属電極を用いた場合に起こる集電ロスを抑制することができるので、色素増感太陽電池の変換効率を向上できる。また、導電体微粒子を含む多孔質中間層はウエットプロセスにより作製できるので、生産性の向上および低コスト化を実現できる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光電極の構成の一例を示す断面図である。図1Bは、図1に示した光電極を備える色素増感太陽電池の構成の一例を示す断面図である。 図2A〜図2Cは、本発明の第1の実施形態に係る光電極の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図3A〜図3Dは、本発明の第2の実施形態に係る光電極の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図4は、実施例2および比較例2の色素増感太陽電池の電流−電圧特性曲線を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
<1.第1の実施形態>
[光電極の構成]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光電極の構成の一例を示す断面図である。図1Aに示すように、この光電極11は、多孔質金属電極(以下バックコンタクト電極と称する。)31と、色素が担持された多孔質金属酸化物層33と、バックコンタクト電極31と多孔質金属酸化物層33との間に設けられた多孔質中間層32とを備える。また、光電極11が、必要に応じて、バックコンタクト電極31の両主面のうち、多孔質中間層33が設けられている側とは反対の主面に多孔質絶縁層34をさらに備えるようにしてもよい。この光電極11は、バックコンタクト型色素増感太陽電池用光電極として用いて好適なものである。
[色素増感太陽電池の構成]
図1Bは、図1Aに示した光電極を備える色素増感太陽電池の構成の一例を示す断面図である。この色素増感太陽電池は、いわゆるバックコンタクト型色素増感太陽電池であり、図1Bに示すように、光電極基材1と、この光電極基材1に対向配置された対極基材2と、光電極基材1および対極基材2の間に介在された電解質層3とを備える。光電極基材1は、基材12と、この基材12の一主面に形成された光電極11とを備え、光電極11が対極基材2と対向するように配置される。対極基材1は、基材22と、この基材22の一主面に形成された対極21とを備え、対極21が光電極基材1と対向するように配置される。基材12、22により挟まれた領域の外周部が、例えば封止材4により封止される。光電極基材1および対極基材2が、例えば、リード線などの線状部材を介して負荷5に対して電気的に接続される。
以下、本発明の第1の実施形態に係る色素増感型太陽電池を構成するバックコンタクト電極31、多孔質中間層32、多孔質金属酸化物層33、対極21、基材12、22、色素、電解質層3、多孔質絶縁層34について順次説明する。
(バックコンタクト電極)
バックコンタクト電極31の材料としては、多孔質であり導電性に優れた材料を用いることが好ましく、例えば、金属を用いることができるが、これに限定されるものではない。金属としては、例えば、Ti、W、Mo、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、CrおよびFeからなる群より選択される1種以上を用いることができる。具体的には例えば、金属としては、例えば、Ti、W、Mo、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、Cr、Feなどの単体、またはこれらを2種以上含む合金を挙げることができる。合金としては、ステンレス鋼(Stainless Used Steel:SUS)、NiCu合金、NiCr合金などのニッケル合金などを用いることが好ましい。ステンレス鋼としては、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS317L、SUS321、SUS347などを用いることが好ましい。
バックコンタクト電極31の構造としては、例えば、電解液をバックコンタクト電極表面に垂らしたとき、電解液が電極深さ方向に浸透して、裏面側まで到達することが可能な構造が好ましく、例えば、穴の開いたフィルム、シート、箔、基板などを用いることができる。より具体的には、メッシュ(例えば、平織、綾織、平畳織、綾畳織など)、多孔質体、不織布、繊維焼結体、エキスパンドメタル、パンチングメタル、エッチング加工などで穴を開けた箔などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。バックコンタクト電極31としては、プラスチック材料などからなる基材の表面を金属などの導電材料で被覆したものを用いるようにしてもよい。バックコンタクト電極31の厚みは、例えば、電解液中のイオンが効率的に移動し、これに伴う電子の移動が阻害されないようにすることを考慮すると、薄いほど好ましく、具体的には0.5mm以下であることが好ましい。
(多孔質中間層)
多孔質中間層32は、例えば、バックコンタクト電極31上に形成される。多孔質中間層32は、バックコンタクト電極31の厚み方向に浸透していてもよく、バックコンタクト電極31の裏側まで完全に浸透していてもよい。多孔質中間層32は、多孔質金属酸化物層33で発生した光電流をバックコンタクト電極31へとロス無く導くことで、変換効率を向上する。そのため多孔質中間層32は導電体でなければならない。変換効率を向上させるためには、多孔質金属酸化物層、多孔質中間層の各層のエネルギー準位をマッチングさせることが好ましい。多孔質中間層32は、変換効率の向上の観点からすると、バックコンタクト電極31と多孔質金属酸化物層32との間の界面全体に連続的に形成されていることが好ましいが、両層の界面に島状などに不連続的に分布していてもよい。
具体的には、後述する焼成工程後において多孔質中間層32と多孔質金属酸化物層33の仕事関数の差を、0.9eV以下の範囲内とすることが好ましい。0.9eVを超えると、光電変換効率が劣化する傾向があるからである。
これに対して、多孔質中間層32が形成されていない場合には、バックコンタクト電極31に存在する開き目部に存在する多孔質金属酸化物層33からの光電流をロスすることになる。開き目部が大きい場合に、多孔質中間層32の形成による集電ロスの抑制効果が特に顕著となる。
多孔質中間層32、および多孔質金属酸化物層33の各層の仕事関数は、例えば、各層まで形成したサンプルを個別に準備して、紫外光電子分光法、X線光電子分光法、またはオージェ電子分光法で評価する。或いは、光電極11をミクロトームなどでスライスしていき、各層について紫外光電子分光法、X線光電子分光法、またはオージェ電子分光法で評価する。或いは、光電極11の断面をミクロトームなどで作製し、これを試験片として、各層についてオージェ電子分光法で評価する。光電極11が色素担持されてある場合、光電極11から色素を脱離させた後に評価してもよい。色素の脱離は、例えば、色素担持された光電極11を10−4MのNaOHエタノール溶液に所定時間浸漬することにより行う。
多孔質中間層32は、導電体微粒子からなり、必要に応じて、バインダー(結着剤)をさらに含むようにしてもよい。バインダーとしては、例えば、有機バインダーおよび無機バインダーの少なくとも一種を用いることができる。無機バインダーとしては、例えば、金属アルコキシドまたはその加水分解体、金属塩などを用いることができ、有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。バインダーの種類はこれらに限定されるものではなく、また、これらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
金属アルコキシドまたはその加水分解体としては、例えば、下記一般式(1)で示されるものを用いることができる。
Figure 2012114038
上記一般式(1)中にて、金属アルコキシドまたはその加水分解体は、モノマー(m=0)、オリゴマー(m=1〜10)、およびポリマー(m>10)のいずれでもよく、2種類以上を混合して用いることもできる。Mは金属イオンであり、チタン(Ti)イオン、アルミニウム(Al)イオン、ケイ素(Si)イオン、バナジウム(V)イオン、ジルコニウム(Zr)イオン、ニオブ(Nb)イオン、タンタル(Ta)イオン、マグネシウム(Mg)イオン、ケイ素(Si)イオン、ホウ素(B)イオン、タングステン(W)イオン、スズ(Sn)イオン、およびストロンチウム(Sr)イオンからなる群から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基(n=1)、エトキシ基(n=2)、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基(以上、n=3)、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基(以上、n=4)、2−エチルヘキソキシ基、その他の低級および高級アルコール由来のアルコキシ基を用いることができる。また、アルコキシドがアセチルアセトンなどのβ−ジケトン類で修飾されていてもよい。アルコキシ基の一部がヒドロキシ基で置換されていてもよい。
導電体微粒子としては、例えば、金属を主成分とする金属微粒子、金属酸化物を主成分とする金属酸化物微粒子、および金属酸化物により被覆された金属酸化物被覆微粒子からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。具体的には例えば、導電体微粒子としては、金属微粒子、または金属酸化物微粒子もしくは金属酸化物被覆微粒子を用いることができる。金属微粒子としては2種以上の金属微粒子を用いるようにしてもよい。また、金属酸化物微粒子としては2種以上の金属酸化物微粒子を用いるようにしてもよい。金属酸化物被覆微粒子としては2種以上の金属酸化物微粒子を用いるようにしてもよい。金属微粒子の金属材料としては、例えば、Ti、W、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、Cu、CrおよびFeからなる群より選択される1種類以上からなるものを用いることができる。具体的には例えば、金属微粒子の金属材料としては、Ti、W、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、Cu、Cr、Feなどの単体、またはこれらを2種以上含む合金を用いることができる。合金としては、ステンレス鋼(Stainless Used Steel:SUS)、NiCu合金、NiCr合金などを用いることが好ましい。ステンレス鋼としては、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS317L、SUS321、SUS347などを用いることが好ましい。金属酸化物微粒子および金属酸化物被覆微粒子の金属酸化物材料としては、導電性金属酸化物を用いることが好ましく、例えば、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO2(FTO)、アンチモンドープSnO2(ATO)、SnO2、ZnO、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、アルミニウム−亜鉛複合酸化物(AZO)、およびガリウム−亜鉛複合酸化物(GZO)からなる群より選択される1種類以上からなるものを用いることができる。
多孔質中間層32の厚みは、例えば、10nm以上500μm以下であるが、上記機能を奏すことができる厚さであればよく、特に限定されるものではない。導電体微粒子の粒子径は、例えば、1nm以上100μm以下であるが、特に限定されるものではなく、粒子径の異なる導電体微粒子を2種類以上混合して使用してもよい。また、有機物のみから構成される有機フィラーまたは有機化合物を、多孔質中間層形成用組成物に添加することが好ましい。後述する焼成工程で焼き飛ばすことによって多孔質中間層32の多孔質性をアップすることができる。これにより電解液中のイオンがよりスムーズに動けるようになり、変換効率が向上する。添加する有機フィラーとしては、例えば、粒径が100nm以上20μm以下のPMMA(ポリメチルメタアクリレート)フィラー、ポリスチレンフィラーなどを用いることができる。有機化合物としては、例えば、エチルセルロースなどを用いることができる。
(多孔質金属酸化物層)
多孔質金属酸化物層33は、例えば、多孔質中間層32上に形成される。多孔質中間層表面の一部が多孔質金属酸化物層33から露出していてもよい。また、多孔質金属酸化物層33が多孔質中間層32の厚み方向に一部浸透していてもよい。一般に、多孔質金属酸化物層33の厚さが増し、単位投影面積当たりに含まれる金属酸化物微粒子の数が増加するほど、実表面積が増加し、単位投影面積あたりに保持できる色素量が増加するので、入射光に対する光吸収率が高くなる。一方、多孔質金属酸化物層33の厚さが増加すると、増感色素から多孔質金属酸化物層33に移行した電子が多孔質中間層32に達するまでに拡散する距離が増加するため、多孔質金属酸化物層33内での電荷再結合による電子のロスも大きくなる。したがって、多孔質金属酸化物層33には好ましい厚さが存在するが、一般的には0.1μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm以上30μm以下の範囲内である。
多孔質金属酸化物層33は、例えば、金属酸化物微粒子からなり、必要に応じて、バインダーをさらに含むようにしてもよい。バインダーとしては、例えば、有機バインダーおよび無機バインダーの少なくとも一種を用いることができる。無機バインダーとしては、例えば、金属アルコキシドまたはその加水分解体、金属塩などを用いることができ、有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。バインダーの種類はこれらに限定されるものではなく、また、これらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
金属アルコキシドまたはその加水分解体は、例えば、下記一般式(2)で示されるものを用いることができる。
Figure 2012114038
上記一般式(2)中にて、金属アルコキシドまたはその加水分解体は、モノマー(m=0)、オリゴマー(m=1〜10)、およびポリマー(m>10)のいずれでもよく、これらの2種類以上を混合して用いることもできる。Mは金属イオンであり、チタン(Ti)イオン、アルミニウム(Al)イオン、ケイ素(Si)イオン、バナジウム(V)イオン、ジルコニウム(Zr)イオン、ニオブ(Nb)イオン、タンタル(Ta)イオン、マグネシウム(Mg)イオン、ケイ素(Si)イオン、ホウ素(B)イオン、タングステン(W)イオン、スズ(Sn)イオン、およびストロンチウム(Sr)イオンからなる群から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基(n=1)、エトキシ基(n=2)、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基(以上、n=3)、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基(以上、n=4)、2−エチルヘキソキシ基、その他の低級および高級アルコール由来のアルコキシ基を用いることができる。アルコキシドがアセチルアセトンなどのβ−ジケトン類で修飾されていてもよい。アルコキシ基の一部がヒドロキシ基で置換されていてもよい。
金属酸化物粒子は、半導体粒子であることが好ましい。半導体微粒子の材料として、例えば、シリコンに代表される元素半導体のほかに、各種の化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などを用いることができる。これらの半導体は、光励起下で伝導帯電子がキャリアとなり、アノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。このような半導体は、具体的に例示すると、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタンストロンチウム(SrTiO3)、および酸化スズ(SnO2)などであり、これらの中でもアナターゼ型の酸化チタン(TiO2)が特に好ましい。半導体の種類はこれらに限定されるものではなく、また、これらの2種以上を混合して用いることもできる。
金属酸化物粒子の形状としては、球状、楕円体状、針状、板状、鱗片状、チューブ状、棒状、不定形状などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。金属酸化物粒子の粒子径は、多孔質金属酸化物層33の比表面積を大きくするため、一次粒子の平均粒子径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。多孔質金属酸化物層33に光拡散機能を付与するため、一次粒子の平均粒子径が100nmよりも大きく10000nm以下である微粒子を含有してもよい。多孔質金属酸化物層33の導電性を向上させるため、一次粒子の粒子形状が針状であって、その平均短軸径が、好ましくは0.1μmよりも大きく1μm以下であり、またその平均長軸長が、好ましくは1μm以上10μm以下である微粒子を含有してもよい。また、有機物のみから構成される有機フィラーまたは有機化合物を、多孔質金属酸化物層形成用組成物に添加することが好ましい。後述する焼成工程で焼き飛ばすことによって多孔質金属酸化物層33の多孔質性をアップすることができる。これにより電解液中のイオンがよりスムーズに動けるようになり、変換効率が向上する。添加する有機フィラーとしては、例えば、粒径が100nm以上20μm以下のPMMAフィラー、ポリスチレンフィラーなどを用いることができる。有機化合物としては、例えば、エチルセルロースなどを用いることができる。
(対極)
対極21は導電性物質であれば任意のものを用いることができるが、絶縁性の物質でも、光電極11に面している側に導電性の触媒層が設置されていれば、これも使用可能である。ただし、対極21の材料としては電気化学的に安定である材料を用いることが好ましく、具体的には、白金、金、カーボン、導電性ポリマーなどを用いることが望ましい。また、酸化還元の触媒効果を向上させる目的で、光電極11に面している側は微細構造で表面積が増大していることが好ましく、例えば、白金であれば白金黒状態に、カーボンであれば多孔質状態になっていることが望まれる。白金黒状態は白金の陽極酸化法、白金化合物の還元処理などによって、また多孔質状態のカーボンは、カーボン微粒子の焼結や有機ポリマーの焼成などの方法により形成することができる。また、透明導電性基板上に白金など酸化還元触媒効果の高い金属を配線するか、表面に白金化合物を還元処理することにより、透明な対極として使用することもできる。
(基材)
光電極用の基材12としては、透明性を有するものであればよく特に限定されるものではなく種々の基材を用いることができ、例えば、透明性を有する無機基材またはプラスチック基材を用いることができる。これらの基材の中でも、加工性、軽量性などを考慮すると、透明プラスチック基板を用いるのが好ましい。基材の形状としては、例えば、透明性を有するフィルム、シート、基板などを用いることができる。この基材の材料としては、色素増感太陽電池外部から侵入する水分やガスなどの遮断性、耐溶剤性、耐候性などに優れるものが好ましい。無機基材の材料としては、例えば、石英、サファイア、ガラスなどが挙げられる。プラスチック基材の材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)などがあげられる。これらの無機基材の材料およびプラスチック基材の材料の中でも特に可視光領域の透過率が高い基材を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、基材12の厚さは特に制限されず、光の透過率、色素増感太陽電池の内部と外部との遮断性などによって自由に選択することができる。具体的には、基材12としてプラスチック基材を用いる場合には、その厚さは、生産性の観点から38〜500μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
対極用の基材22としては、透明性を有するものに特に限定されるものではなく、不透明性のものを用いることができ、例えば、不透明性または透明性を有する無機基材またはプラスチック基材などの種々の基材を用いることができる。無機基材またはプラスチック基材の材料としては、例えば、上述の光電極用の基材12の材料として例示したものを同様に用いることができるが、それ以外にも金属基材などの不透明な基材を用いることも可能である。
(色素)
多孔質金属酸化物層33に担持させる色素としては、増感作用を示すものであれば特に制限はないが、例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシンなどのキサンテン系色素、メロシアニン、キノシアニン、クリプトシアニンなどのシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルーなどの塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリンなどのポルフィリン系化合物が挙げられ、その他のものとしてはアゾ色素、フタロシアニン化合物、クマリン系化合物、Ruビピリジン錯化合物、Ruターピリジン錯化合物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素、スクアリリウムなどが挙げられる。これらの中でも、Ruビピリジン錯化合物は量子収率が高く特に好ましい。ただし、増感色素はこれらのものに限定されるものではなく、また、これらの増感色素を2種類以上混合して用いてもよい。
色素の多孔質金属酸化物層33への吸着方法に特に制限はないが、上記の増感色素を例えばアルコール類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキシド、アミド類、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケトン類、炭化水素、水などの溶媒に溶解させ、これに多孔質金属酸化物層33を浸漬させたり、色素溶液を多孔質金属酸化物層33上に塗布したりすることができる。また、酸性度の高い色素を用いる場合には、色素分子同士の会合を低減する目的でデオキシコール酸などを添加してもよい。増感色素を吸着させた後に、過剰に吸着した増感色素の除去を促進する目的で、アミン類を用いて多孔質金属酸化物層33の表面を処理してもよい。アミン類の例としてはピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンなどが挙げられ、これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
(電解質層)
電解質層3は、例えば、多孔質金属酸化物層33と対極21との間に設けられるが、多孔質金属酸化物層33および対極21に電解質層3を含浸させてもよい。電解質層3は、例えば、電解質および溶媒からなる電解液により構成される。電解質は、ヨウ素(I2)と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との組み合わせ、臭素(Br2)と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み合わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/キノンなどを用いることができる。上記金属化合物のカチオンとしてはLi、Na、K、Mg、Ca、Csなど、上記有機化合物のカチオンとしてはテトラアルキルアンモニウム類、ピリジニウム類、イミダゾリウム類などの4級アンモニウム化合物が好ましいが、これらに限定されるものではなく、また、これらを2種類以上混合して用いることもできる。この中でも、I2とLiI、NaIやイミダゾリウムヨーダイドなどの4級アンモニウム化合物とを組み合わせた電解質層3が好ましい。電解質塩の濃度は溶媒に対して0.05〜5Mが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3Mである。I2やBr2の濃度は0.0005〜1Mが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.3Mである。また、開放電圧を向上させる目的で4−tert−ブチルピリジンに代表されるアミン系化合物からなる添加剤を加えてもよい。
上記溶媒としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸エステル類、リン酸トリエステル類、複素環化合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、炭化水素などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらを2種類以上混合して用いることもできる。さらに、溶媒としてテトラアルキル系、ピリジニウム系、イミダゾリウム系4級アンモニウム塩のイオン液体を用いることも可能である。
色素増感太陽電池の漏液、電解質層3の揮発を低減する目的で、上記電解液へゲル化剤、ポリマー、架橋モノマーなどを溶解させるほか、無機セラミック粒子を分散させてゲル状電解質として使用することも可能である。ゲルマトリクスと電解質液との比率は、電解液が多ければイオン導電率は高くなるが、機械的強度は低下し、逆に電解液が少なすぎると機械的強度は大きいがイオン導電率は低下するため、電解液はゲル状電解質の50〜99質量%が好ましく、80〜97質量%がより好ましい。また、上記電解質液と可塑剤とをポリマーに溶解させ、可塑剤を揮発除去することで全固体型の色素増感太陽電池を実現することも可能である。
(多孔質絶縁層)
多孔質絶縁層34は、対極21に対しての絶縁機能を果す。多孔質絶縁層34は、多孔質中間層32と多孔質金属酸化物層33とを積層した側とは反対側のバックコンタクト電極31上に形成される。多孔質絶縁層34は、バックコンタクト電極31の厚み方向に一部浸透していてもよい。多孔質絶縁層34は、例えば、酸化物微粒子からなり、必要に応じて、バインダーをさらに含むようにしてもよい。バインダーとしては、例えば、有機バインダーおよび無機バインダーの少なくとも一種を用いることができる。無機バインダーとしては、例えば、金属アルコキシドまたはその加水分解体、金属塩などを用いることができ、有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。バインダーの種類はこれらに限定されるものではなく、また、これらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
金属アルコキシドまたはその加水分解体としては、例えば、下記一般式(3)で示されるものを用いることができる。
Figure 2012114038
上記一般式(3)にて、金属アルコキシドまたはその加水分解体は、モノマー(m=0)、オリゴマー(m=1〜10)、およびポリマー(m>10)のいずれでもよく、2種類以上を混合して用いることもできる。Mは金属イオンであり、チタン(Ti)イオン、アルミニウム(Al)イオン、ケイ素(Si)イオン、バナジウム(V)イオン、ジルコニウム(Zr)イオン、ニオブ(Nb)イオン、タンタル(Ta)イオン、マグネシウム(Mg)イオン、ケイ素(Si)イオン、ホウ素(B)イオン、タングステン(W)イオン、スズ(Sn)イオン、およびストロンチウム(Sr)イオンからなる群から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基(n=1)、エトキシ基(n=2)、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基(以上、n=3)、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基(以上、n=4)や、2−エチルヘキソキシ基、その他の低級および高級アルコール由来のアルコキシ基を用いることができる。また、アルコキシドがアセチルアセトンなどのβ−ジケトン類で修飾されていてもよい。アルコキシ基の一部がヒドロキシ基で置換されていてもよい。
酸化物微粒子の材料として、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)、および酸化ホウ素(B23)からなる群より選択される少なくとも1種類を用いることができる。また、酸化物微粒子の材料として、多孔質金属酸化物層33の材料として例示した金属酸化物材料を同様に用いてもよい。酸化物微粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体状、針状、板状、鱗片状、チューブ状、棒状、不定形状などが挙げられるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。酸化物微粒子の粒子径は、例えば、1nm以上100μm以下の範囲内とすることができるが、特にこの範囲に限定されるものではい。粒子径の異なる微粒子を2種類以上混合して使用してもよい。
多孔質絶縁層34の厚みは、対極21に対しての絶縁機能を果せる限り、特に限定されない。通常、10nm以上500μm以下である。多孔質絶縁層34は、絶縁機能を果たせればよく、バックコンタクト表面を完全に被覆していなくてもよい。また、有機物のみから構成される有機フィラーまたは有機化合物を、多孔質絶縁層形成用組成物に添加することが好ましい。後述する焼成工程で焼き飛ばすことによって多孔質絶縁層34の多孔質性をアップすることができる。これにより電解液中のイオンがよりスムーズに動けるようになり、変換効率が向上する。添加する有機フィラーとしては、例えば、粒径が100nm以上20μm以下のPMMAフィラー、ポリスチレンフィラーなどを用いることができる。有機化合物としては、例えば、エチルセルロースなどを用いることができる。多孔質絶縁層34の形成を省略するようにしてもよい。このように多孔質絶縁層34の形成を省略する場合には、対極21とバックコンタクト電極31との接触を避けるため、バックコンタクト電極31上にセパレータを配置する、または、電解質層3中にスペーサフィラーを添加することが好ましい。
[光電極の製造方法]
次に、図2A〜図2Cを参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る光電極の製造方法の一例について説明する。
(多孔質中間層の形成)
まず、導電体微粒子を溶媒中に分散させて、多孔質中間層形成用組成物である導電体微粒子分散液を調製する。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどの炭素数が4以下の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族グリコール、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルエチルアミンなどのアミン類などが単独または2種以上混合して用いることができるが、特にこれに限定されるものではない、特にこれに限定されるものではない。分散方法としては、例えば、公知の方法を用いることができ、具体的には例えば、攪拌処理、超音波分散処理、ビーズ分散処理、混錬処理、ホモジナイザー処理などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
次に、必要に応じて、導電体微粒子分散液にバインダー、および有機物フィラーまたは有機化合物を混合して、バインダーなどを含む導電体微粒子分散液を調製する。次に、調製された導電体微粒子分散液をバックコンタクト電極31の両面のうち一方の面上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図2Aに示すように、多孔質中間層32がバックコンタクト電極31の一方の面上に形成される。塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。また、印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
(多孔質金属酸化物層の形成)
まず、金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させて、多孔質金属酸化物層形成用組成物である金属酸化物微粒子分散液を調製する。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどの炭素数が4以下の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族グリコール、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルエチルアミンなどのアミン類などが単独または2種以上混合して用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。分散方法としては、例えば、公知の方法を用いることができ、具体的には例えば、攪拌処理、超音波分散処理、ビーズ分散処理、混錬処理、ホモジナイザー処理などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
次に、必要に応じて、金属酸化物微粒子分散液にバインダー、および有機物フィラーまたは有機化合物を混合して、バインダーなどを含む金属酸化物微粒子分散液を調製する。粘度調整のために、ポリビニルアルコールなどの粘度調整剤をさらに添加するようにしてもよい。但し、粘度調整剤を添加する場合、後工程である焼成プロセスにて粘度調整剤を焼きとばすことが好ましい。
次に、調製された金属酸化物微粒子分散液を多孔質中間層32上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図2Bに示すように、多孔質金属酸化物層33が多孔質中間層32上に形成される。塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。また、印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
(多孔質絶縁層の形成)
まず、酸化物微粒子を溶媒中に分散させて、多孔質絶縁層形成用組成物である酸化物微粒子分散液を調製する。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどの炭素数が4以下の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族グリコール、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルエチルアミンなどのアミン類などが単独または2種以上混合して用いることができるが、特にこれに限定されるものではない、特にこれに限定されるものではない。分散方法としては、例えば、公知の方法を用いることができ、具体的には例えば、攪拌処理、超音波分散処理、ビーズ分散処理、混錬処理、ホモジナイザー処理などを用いることができるが、特に限定されるものではない。
次に、必要に応じて、酸化物微粒子分散液にバインダー、および有機物フィラーまたは有機化合物を混合して、バインダーなどを含む酸化物微粒子分散液を調製する。次に、調製された酸化物微粒子分散液を、バックコンタクト電極31の両面のうち多孔質中間層32と多孔質金属酸化物層33とを積層した側とは反対側の他方の面上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図2Cに示すように、多孔質絶縁層34がバックコンタクト電極31の他方の面上に形成される。塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。また、印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
(焼成)
次に、上述のようにして作製された積層体を焼成し、多孔質金属酸化物層33における金属酸化物微粒子間の電子的な接続を向上させる。温度が高すぎるとバックコンタクト電極31が熱で劣化することもあるため、焼成温度は、好ましくは40〜1000℃であり、より好ましくは40〜600℃程度であるのが、特にこの温度範囲に限定されるものではない。また、焼成時間は、好ましくは30秒間〜10時間程度であるが、特にこの時間範囲に制限されるものではない。
積層体を構成する多孔質中間層32、および多孔質金属酸化物層33の少なくとも1層、または多孔質中間層32、多孔質金属酸化物層33、および多孔質絶縁層34の少なくとも一層に、有機物のみから構成される有機フィラーまたは有機化合物を添加しておくことが好ましい。本焼成工程で焼き飛ばすことによって、有機フィラーまたは有機化合物を含む層の多孔質性をアップすることができる。これにより電解液中のイオンがよりスムーズに動けるようになり、変換効率が向上する。
(色素担持)
次に、例えば、多孔質金属酸化物層33に増感色素を吸着させる。増感色素を吸着させる方法としては、例えば、色素分子を溶解させた溶液を調製し、積層体を色素溶液に浸漬するか、または、多孔質金属酸化物層33上に色素溶液を塗布、噴霧、または滴下するなどして、多孔質金属酸化物層33に色素溶液をしみこませた後、溶媒を蒸発させる方法が挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。多孔質中間層32および/または多孔質絶縁層34に増感色素が吸着されてもよい。
以上により、目的とする光電極11が得られる。
[色素増感太陽電池の動作]
次に、この色素増感太陽電池の動作について説明する。
光電極用の基材12側から入射した光Lは、基材12を透過し、多孔質金属酸化物層33の色素により吸収される。光を吸収した色素は励起状態となり、電子を放出できる状態となる。色素から放出された電子は、速やかに色素から多孔質金属酸化物層33の金属酸化物微粒子のコンダクションバンドに注入され、その後多孔質中間層32を介してバックコンタクト電極31に向かう。次に、電子はバックコンタクト電極31を通り、負荷5を経由して対極21に向かう。そして、電解質層3に含まれるイオンが電子を受け取る一方、電子を失った色素は、電解質層3のイオンから電子を受け取り、電子を放出したイオンは、再び対極21の表面で電子を受け取る。この一連の反応により、光電極11と対極21との間に起電力が発生する。こうして光電変換が行われる。
第1の実施形態によれば、光電極11においてバックコンタクト電極31と多孔質金属酸化物層33との間に、多孔質中間層32を形成しているので、バックコンタクト電極31に存在する開き目部での集電ロスを抑制することができる。上記構成の光電極11を色素増感太陽電池に適用した場合には、変換効率を向上することができる。
また、多孔質中間層32および多孔質金属酸化物層33は塗布プロセスにより形成可能である。すなわち、上記構成を有する光電極は塗布製造プロセス、具体的には例えばRoll to Rollの塗布製造プロセスにより作製可能である。したがって、光電極11をすべてウエットプロセスにより形成可能となるので、色素増感太陽電池の生産性向上および低コスト化を実現できる。
<2.第2の実施形態>
図3A〜図3Dは、本発明の第2の実施形態に係る光電極の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、金属酸化物微粒子分散液を、基材12の一方の面に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図3Aに示すように、多孔質金属酸化物層33が基体12の一方の面上に形成される。次に、導電体微粒子分散液を、多孔質金属酸化物層33上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図3Bに示すように、多孔質中間層32が多孔質金属酸化物層33上に形成される。次に、図3Cに示すように、例えば、バックコンタクト電極31を、多孔質中間層32が形成された基材12の一方の面に対して圧着する。
次に、必要に応じて、金属酸化物微粒子分散液を、バックコンタクト電極31上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、図3Dに示すように、多孔質絶縁層34がバックコンタクト電極31上に形成される。次に、得られた積層体を焼成した後、多孔質金属酸化物層33に増感色素を担持させる。
以上により、目的とする光電極11が得られる。
上記以外のことは、第1の実施形態に係る光電極の製造方法と同様である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
Ti多孔質中間層は以下のようにして作製した。
まず、粒子径45μmのTi粉(東邦チタニウム株式会社製、商品名:TS−450)をペイントシェーカーとφ3mmのSUSビーズを使用して、Ti粉の含有率が30質量%となるようにイソプロピルアルコール(IPA)中に分散させた。ビーズ分散処理時間は24時間とした。次に、これにブトキシチタンダイマー(三菱ガス化学株式会社製、商品名:DBT)を、Ti粉とブトキシチタンダイマーとの重量比が1:1となるように混合し、攪拌して均一にした。これにより、Ti微粒子分散液が調製された。次に、バックコンタクト電極としてSUS316メッシュ(太陽金網株式会社製、400メッシュ、綾織、線径30μm、開き目34μm)を準備した。次に、調製したTi微粒子分散液を、SUS316メッシュ上に番手44のコイルバーで塗布した後、大気中150℃で30分間加熱した。これにより、SUS316メッシュ上にTi多孔質中間層が形成された。
TiO2多孔質層は以下のようにして作製した。
まず、第1のTiO2微粒子(デグサ社製、商品名:P25、アナターゼ型結晶(80%)とルチル型結晶(20%)の混合物、一次粒子の平均粒径:約21nm)を、TiO2微粒子の含有率が30質量%になるようにエタノールと混合し、アジターと直径0.65mmのジルコニアビーズとを用いて24時間ビーズ分散処理を行って第1のTiO2分散液を調製した。次に、第2のTiO2微粒子(富士チタン工業株式会社製、商品名:TA−300、アナターゼ型結晶、一次粒子の平均粒径:約390nm)を、酸化チタン含有率が20質量%になるようにエタノールと混合し、アジターと直径0.65mmのジルコニアビーズとを用いて24時間ビーズ分散処理を行って第2のTiO2分散液を調製した。次に、第1のTiO2分散液と、第2のTiO2分散液と、ブトキシチタンダイマー(三菱ガス化学株式会社製、商品名:DBT)と、エタノールとを混合し、均一になるように攪拌してTiO2微粒子分散液を調製した。第1のTiO2微粒子(P25)の濃度は8.75質量%、第2のTiO2微粒子(TA−300)の濃度は8.75質量%、ブトキシチタンダイマー(DBT)の濃度は2.5質量%とした。次に、調製したTiO2微粒子分散液を、Ti多孔質中間層上に番手44のコイルバーで塗布した後、大気中80℃で2分乾燥した。これにより、Ti多孔質中間層上にTiO2多孔質層が形成された。
TiO2多孔質絶縁層は以下のようにして作製した。
まず、上記TiO2多孔質層の形成工程と同様にして、TiO2微粒子分散液を調製した。次に、調製したTiO2微粒子分散液を、Ti多孔質中間層とTiO2多孔質層とを積層した側とは反対側のSUS316メッシュ上に、番手44のコイルバーで塗布した後、大気中80℃で2分乾燥することにより、TiO2多孔質絶縁層を形成した。
以上により、TiO2多孔質絶縁層、SUSメッシュ、Ti多孔質中間層およびTiO2多孔質層からなる積層体が得られた。
上述のようにして得られた積層体を大気中500℃で30分間焼成した。これを、増感色素(三菱製紙株式会社製、商品名:D358)の溶液(濃度:0.5mM、溶媒:アセトニトリル/t−ブタノール=1/1(v/v))に12時間浸漬することにより、光電極を作製した。
(比較例1)
まず、実施例1のTiO2多孔質層の形成工程と同様にして、TiO2微粒子分散液を調製した。バックコンタクト電極には、実施例1と同様のSUS316メッシュ(400メッシュ、綾織、線径30μm、開き目34μm)を準備した。次に、調製したTiO2微粒子分散液をSUS316メッシュ上に番手44のコイルバーで塗布した後、大気中80℃で2分間乾燥させ、TiO2多孔質層を形成した。乾燥工程にて、分散液がSUS316メッシュの裏側に回り込み、TiO2多孔質絶縁層が同時に形成された。
上述のようにして得られた積層体を大気中500℃で30分間焼成した。これを、増感色素(三菱製紙株式会社製、商品名:D358)の溶液(濃度:0.5mM、溶媒:アセトニトリル/t−ブタノール=1/1(v/v))に12時間浸漬した。これにより、目的とする光電極を作製した。
<各層の仕事関数評価>
実施例1と比較例1の光電極の各層の仕事関数を以下のように求めた。
まず、上述の実施例1と比較例1の光電極の各層(Ti多孔質中間層およびTiO2多孔質層)までに形成したサンプルを個別に準備し、これらを試験片とした。次に、これらの各試験片の各層の表面から無作為に選び出された5箇所で、Omicron社製ESCAPROBEを用いて紫外光電子分光法により仕事関数を測定した。以下にその測定条件を示す。
光源:21.2eV(He I共鳴線)
測定温度:室温
試料バイアス電圧:−8V
測定領域:数mmΦ
真空度:1×10-9Torr
エネルギー分解能:140meV
次に、測定した仕事関数を各層毎に単純に平均(算術平均)して仕事関数の平均値を求めた。その結果を表1に示す。
表1は、実施例1の各層の仕事関数の評価結果を示す。
Figure 2012114038
(実施例2)
まず、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極をハサミを用いて15mm×25mmのサイズにカットした。次に、対向電極として、ガラス基板に予めスパッタリング法によって厚さ50nmのクロム(Cr)層と厚さ100nmの白金(Pt)層とを順次積層したものを準備した。次に、7mm×10mmの四角穴の開いた、厚さ50μmのシリコーンゴムシートをPt層上に貼った。次に、電解質として、3−メトキシプロピオニトリルに0.6Mのヨウ化(1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム)と0.1Mのヨウ素とを溶解させた溶液とSiO2微粒子(デグサ社製、商品名:R805、BET比表面積150±25m2/g)とを92:8の重量比で混合したゲル電解質を準備した。これをシリコーンゴムシートの四角穴のPt層上に適量盛った。次に、光電極をPt層上のシリコーンゴムシートの四角穴を覆うように配置した。ここで、TiO2多孔質絶縁層とPt層とを向かい合わせた。光電極のTiO2多孔質層上にガラス基板を被せ、該ガラス基板と対向電極のガラス基板とをクリップ留めした。これにより、目的とするバックコンタクト型色素増感太陽電池が得られた。
(比較例2)
まず、比較例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例3)
バックコンタクト電極にチタンメッシュ(石川金網株式会社製、100メッシュ、綾織、線径100μm、開き目154μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(比較例3)
バックコンタクト電極にチタンメッシュ(石川金網株式会社製、100メッシュ、綾織、線径100μm、開き目154μm)を使用したこと以外は、比較例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例4)
バックコンタクト電極にインコネルメッシュ(石川金網株式会社製、100メッシュ、平織、線径100μm、開き目154μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(比較例4)
バックコンタクト電極にインコネルメッシュ(石川金網株式会社製、100メッシュ、平織、線径100μm、開き目154μm)を使用したこと以外は、比較例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例5)
Ti微粒子分散液にブトキシチタンダイマーに対して10質量%になるようにPMMAの微粒子(積水化成品工業株式会社製テクノポリマー、粒径8μm)を追加で添加し、攪拌して均一にした。これ以外のことは、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例6)
TiO2多孔質層形成用のTiO2微粒子分散液に塗料全量に対して1質量%になるように和光純薬工業株式会社製エチルセルロースを追加で添加し、攪拌して均一にした。これ以外のことは、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例7)
Ti微粒子分散液にブトキシチタンダイマーに対して10質量%になるようにPMMAの微粒子(積水化成品工業株式会社製テクノポリマー、粒径8μm)を追加で添加し、攪拌して均一にした。さらにTiO2多孔質層形成用のTiO2微粒子分散液にもブトキシチタンダイマーに対して1質量%になるように和光純薬工業株式会社製エチルセルロースを追加で添加し、攪拌して均一にした。これ以外のことは、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例8)
アンチモンドープSnO2(ATO)で被覆された導電性酸化チタン粒子を用いた多孔質中間層は以下のようにして作製した。
まず、導電性酸化チタン粉(石原産業株式会社製、商品名:FT−2000)を含有率が20質量%になるようにエタノールと混合し、アジターと直径0.65mmのジルコニアビーズとを用いて15時間ビーズ分散処理を行って中間層形成用分散液を調製した。次に、これにブトキシチタンダイマー(三菱ガス化学株式会社製、商品名:DBT)を、導電性酸化チタン粉とブトキシチタンダイマーとの重量比が1:1となるように混合し、攪拌して均一にした。これにより、導電性酸化チタン微粒子分散液が調製された。この分散液を用いて中間層を形成した。これ以外のことは、実施例1と同様にして光電極を作製した。次に、作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(実施例9)
Mo粒子を用いた多孔質中間層は以下のようにして作製した。
まず、Mo粉(東芝マテリアル株式会社製、商品名:M−12)を含有率が30質量%になるようにエタノールと混合し、ペイントシェイカーと直径3mmのステンレスビーズとを用いて24時間ビーズ分散処理を行って中間層形成用分散液を調製した。次に、これにブトキシチタンダイマー(三菱ガス化学株式会社製、商品名:DBT)を、Mo粉とブトキシチタンダイマーとの重量比が1:1となるように混合し、攪拌して均一にした。これにより、Mo粒子分散液が調製された。この分散液を用いて中間層を形成した。これ以外のことは、実施例1と同様にして光電極を作製した。
次に、実施例1と同様にして光電極の各層の仕事関数を求めた。その結果を表7に示す。
(実施例10)
実施例9で作製した光電極を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
<色素増感型太陽電池の評価>
4.5mm×4.5mmの四角穴の開いた正方形マスクを用いて擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm2)を照射しながら、作製したバックコンタクト型色素増感太陽電池の開放電圧VOC、短絡電流密度JSC、フィルファクタFF、光電変換効率Eff.および直列抵抗Rs.を24℃にて評価した。その結果を表2〜6および図4に示す。
表2および図4は、実施例2、比較例2のバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表3は、実施例3、4、比較例3、4のバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表4は、実施例5〜7のバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表5は、実施例8のバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表6は、実施例10のバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表7は、実施例9の各層の仕事関数の評価結果を示す。
Figure 2012114038
表2および図4から以下のことがわかる。
SUSメッシュとTiO2多孔質層との間にTi多孔質中間層を形成することで、それらの間にTi多孔質中間層を形成しない場合に比して顕著に集電ロスを抑制することができる。したがって、バックコンタクト型色素増感太陽電池の性能を向上できる。具体的には、光電変換効率を1.91%から4.09%に向上できる。
表3から以下のことがわかる。
SUSメッシュ以外にもチタンやニッケル合金メッシュ(インコネル)を用いた場合にも多孔質中間層は有効に機能している。また、多孔質中間層の集電機能により100メッシュという開き目の大きなメッシュを用いた場合でもバックコンタクト型色素増感太陽電池を作製できる。このことはコストの安い低メッシュを使用できることを示しており、製造コスト削減に大きく寄与する。
表4から以下のことがわかる。
有機フィラーまたは有機化合物を多孔質中間層形成用組成物(例えばTi微粒子分散液)、または多孔質金属酸化物層形成用組成物(例えばTiO2微粒子分散液)に添加することで、光電変換効率を向上できる。
表5から以下のことがわかる。
多孔質中間層を形成する導電体微粒子としては、金属を含む金属微粒子のみならず、導電性金属酸化物を含む金属酸化物微粒子も使用可能である。
表6、表7から以下のことがわかる。
酸化チタン多孔質層と多孔質中間層の仕事関数差が0.9eVを超える場合には、光電変換効率は劣化する傾向にある。
(実施例11)
光電極および対向電極のサイズを10cm×10cmまで拡大し、8cm×8cm四角穴の開いた、厚さ50μmのシリコーンゴムシートを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてバックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
(比較例5)
光電極および対向電極のサイズを10cm×10cmまで拡大し、8cm×8cm四角穴の開いた、厚さ50μmのシリコーンゴムシートを用いたこと以外は、比較例2と同様にしてバックコンタクト型色素増感太陽電池を得た。
<色素増感型太陽電池の評価>
8cm×8cmの四角穴のあいた正方形マスクを用いたこと以外は、実施例2および比較例2と同様にして、作製したバックコンタクト型色素増感太陽電池の評価を行った。その結果、実施例11および比較例5ともに、サイズを大きくしたことによる光電変換特性の劣化は認められなかった。
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、形状、材料および数値などを用いてもよい。
1 光電極基材
2 対極基材
3 電解質層
4 封止材
5 負荷
11 光電極
12、22 基材
21 対極
31 バックコンタクト電極
32 多孔質中間層
33 多孔質金属酸化物層
34 多孔質絶縁層

Claims (12)

  1. 多孔質金属電極と、
    増感色素を担持した多孔質金属酸化物層と、
    上記多孔質金属電極と上記多孔質金属酸化物層との間に設けられた多孔質中間層と
    を備え、
    上記多孔質中間層が、導電体微粒子を含んでいる色素増感太陽電池用光電極。
  2. 上記多孔質金属酸化物層と上記多孔質中間層との仕事関数の差が、0.9eV以下の範囲内である請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  3. 上記導電体微粒子は、金属微粒子である請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  4. 上記金属微粒子は、Ti、W、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、Cu、CrおよびFeからなる群より選択される1種類以上を主成分として含んでいる請求項3記載の色素増感太陽電池用光電極。
  5. 上記導電体微粒子は、金属酸化物を含む金属酸化物微粒子、または金属酸化物により被覆された被覆微粒子である請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  6. 上記金属酸化物は、インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム−亜鉛複合酸化物、アルミニウム−亜鉛複合酸化物、およびガリウム−亜鉛複合酸化物からなる群より選択される1種類以上を含んでいる請求項5記載の色素増感太陽電池用光電極。
  7. 上記多孔質金属電極は、Ti、W、Mo、Ta、Nb、Zr、Zn、Ni、CrおよびFeからなる群より選択される1種以上を主成分として含んでいる多孔質金属である請求項3または5に記載の色素増感太陽電池用光電極。
  8. 上記多孔質金属電極、上記多孔質中間層、および上記多孔質金属酸化物層は、焼成されている請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  9. 上記多孔質中間層は、金属アルコキシドまたはその加水分解体をさらに含んでいる請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  10. 光電極と、
    上記光電極と対向して設けられた対極と、
    上記光電極と上記対極との間に設けられた電解質層と
    を備え、
    上記光電極は、
    多孔質金属電極と、
    増感色素を担持した多孔質金属酸化物層と、
    上記多孔質金属電極と上記多孔質金属酸化物層との間に設けられた多孔質中間層と
    を備え、
    上記多孔質中間層が、導電体微粒子を含んでいる色素増感太陽電池。
  11. 多孔質金属電極、多孔質中間層および多孔質金属酸化物層が積層された積層体を形成する工程と、
    上記積層体を焼成する工程と、
    上記多孔質金属酸化物層に増感色素を吸着させる工程と
    を備え、
    上記積層体の形成工程では、導電体微粒子を含む多孔質中間層形成用組成物を上記多孔質金属電極または上記多孔質金属酸化物層に塗布または印刷することにより、上記多孔質中間層を形成する色素増感太陽電池用光電極の製造方法。
  12. 上記積層体の形成工程では、上記多孔質中間層および多孔質金属酸化物層の少なくとも一層に有機フィラーまたは有機化合物を含ませる請求項11記載の色素増感太陽電池用光電極の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012157773A1 (ja) * 2011-05-18 2012-11-22 ソニー株式会社 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池用光電極
KR101472661B1 (ko) * 2013-02-25 2014-12-15 경북대학교 산학협력단 태양광 충방전 복합산화물 반도체 제조 및 이를 활용한 야간 수처리
JP2018157147A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 積水化学工業株式会社 固体接合型光電変換素子

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