JP2012113542A - 感情推定装置、その方法、プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対象テキストデータの形態素解析結果と構文解析結果との少なくとも一方を用いて、対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定し、怒りの感情が表現されているか否かを示す教師信号付きの学習用テキストデータの明示性特徴量から予め学習された識別器を用いて、対象テキストデータ内に怒りの感情が表現されているか否かを、明示性推定部で推定された対象テキストデータの明示性特徴量から識別する。
【選択図】図1
Description
本発明では、対象音声データまたは対象テキストデータ内に表現されている怒りの感情を推定するために、文の明示性、特に、一般対話状況下での発話内容の明示性に着目する。なお、発話内容の明示性とは、発話において主語や対象の省略や「それ」、「これ」などの指示語への置換がどれだけ生じているかを指す。これら省略や置換が生じていない場合を「発話内容の明示性が高い」状態とする。これら省略や置換が多く生じている場合を「発話内容の明示性が低い」状態とする。
平常発話:「こぼしたの?」
怒り発話:「あなたが醤油こぼしたの?」
本発明はこの現象に着目する。発話内容の明示性として「発話中にどれだけ省略や指示語への置換が生じているか」を算出し、発話内容明示性が高い時には話者が怒っていると推定する。
図1及び図2を用いて実施例1に係る感情推定装置100を説明する。感情推定装置100は、テキスト解析部130と、明示性推定部140と、識別器生成部150と、感情識別部160と、を備える。このような構成により、感情推定装置100は、対象テキストデータから怒りの感情を推定する。なお、対象テキストデータ中の感情を推定しようとする単位を感情推定単位と呼ぶ。感情推定単位は1文でも良いし、複数文でも良いし、文中の特定の区間でも良い。以下、各部の詳細を説明する。
テキスト解析部130は、対象テキストデータを解析し、その対象テキストデータから得られる形態素解析結果と、その形態素解析結果に基づき対象テキストデータ内の係り受け関係を解析した構文解析結果と、を求める(s130)。例えば、テキスト解析部130は、形態素解析部131と構文解析部133を有する。以下、各部の詳細を説明する。
形態素解析部131は、対象テキストデータを入力とし、その対象テキストデータを形態素解析して、形態素解析結果を求め(s131)、それを構文解析部133と置換単語推定部143と明示単語検出部144へ出力する。なお、形態素とは言語的に意味を持つ最小単位のことであり、形態素解析とは、対象言語の文法の知識(文法のルールの集まり)や辞書(品詞等の情報付きの単語リスト)を情報源として用い、自然言語で書かれた文を形態素の列に分割し、それぞれの品詞を判別する作業である。なお、対象言語の文法の知識(文法のルールの集まり)や辞書(品詞等の情報付きの単語リスト)は図示しない記憶部に記憶されているものとする。形態素解析技術としては、従来技術(例えば、[長尾真(編)、「自然言語処理」、岩波講座ソフトウェア科学、第15巻、岩波書店、1996(以下「参考文献1」という)]記載の従来技術)を用いることができる。
構文解析部133は、形態素解析結果を入力とし、その形態素解析結果を構文解析して、構文解析結果を求め(s133)、省略格推定部141へ出力する。例えば、構文解析部133は、形態素解析結果から文節を求め、さらに、どの文節が主部であるとか、どの文節が述部であるとか、文節の係り受け関係を解析し、解析結果を形態素解析結果に付加して構文解析結果として求める。例えば、図3の形態素解析結果を構文解析すると、図4に示す構文解析結果(文節単位での係り受け関係及び主部/述部等を付加した形態素解析結果)が得られる。なお、構文解析技術としては、従来技術(例えば、参考文献1記載の従来技術)を用いることができる。
明示性推定部140は、対象テキストデータから得られる形態素解析結果と、形態素解析結果に基づき対象テキストデータ中の係り受け関係を解析した構文解析結果と、を用いて、対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定する(s140)。例えば、明示性推定部140は省略格推定部141と、置換単語推定部143と、明示単語検出部144と、明示単語リスト記憶部144aと、明示性特徴量算出部145と、を有する。以下、各部の詳細を説明する。
省略格推定部141は、構文解析結果を用いて、対象テキストデータ内に本来あるべき省略されている格を省略格として推定し(s141)、省略格の種類と各省略格の省略回数を明示性特徴量算出部145へ出力する。
置換単語推定部143は、形態素解析結果を用いて、対象テキストデータ内に本来あるべき単語の代わりに存在する単語を置換単語として推定し(s143)、置換単語の種類と各置換単語の出現回数を明示性特徴量算出部145へ出力する。例えば、置換されて用いられる単語(つまり、「置換単語」)として指示語を用いる。指示語とは現場にあるものや文脈上の要素を指し示す表現であり、例えば「これ・それ・あれ」等であり、本来あるべき単語の代わりとして用いられる。
明示単語リスト記憶部144aは、平常発話において省略されやすい単語を予め記憶しておく。発明のポイントで説明したように、怒り発話時に偏って出現する単語が存在する。例えば、上述のように平常発話では一人称の「私」や「わたしら」二人称の「お宅」等が省略されやすいが、怒り発話では省略されづらい傾向がある。これらの傾向がある単語を明示単語として、予め明示単語リスト記憶部144aに記憶しておく(図7参照)。
なお、明示単語リスト記憶部144aに記憶する明示単語を代名詞(例えば人称代名詞「あなた」、「私」)等に限定してもよい。これは、代名詞等には、平常発話では省略されやすく、怒り発話では省略されづらい傾向があり、この傾向がドメイン等に影響されないためである。なお、ドメインとは、学習用テキストデータまたは対象テキストデータの取得される媒体(新聞、雑誌、コールセンタの通話の音声認識結果、TVの音声認識結果等)や分野(スポーツ記事、政治記事、経済記事、保険会社のコールセンタの通話の音声認識結果、通信会社のコールセンタの通話の音声認識結果等)等を意味する。この場合、代名詞等のみを対象とすることで、あらゆる単語を網羅する必要がなくなり、明示単語リストの作成のコストを削減できる。またドメイン別にリストを作るコストも削減される。
明示性特徴量算出部145は、省略格推定結果と置換単語推定結果と明示単語検出結果とを用いて、明示性特徴量を算出し(s145)、感情識別部160へ出力する。例えば、明示性特徴量算出部145は、省略格推定結果と置換単語推定結果と明示単語検出結果とを用いて得られる以下の値の何れか、または、それらの組合せを明示性特徴量として算出する。
(1)省略格毎の省略回数
(2)省略格毎の省略の有無(「0」「1」情報)
(3)省略格毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての省略格の合計省略回数
(4)感情推定単位における省略格の有無(「0」「1」情報)
(5)置換単語毎の出現回数
(6)置換単語毎の出現の有無(「0」「1」情報)
(7)置換単語毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての置換単語の合計出現回数
(8)感情推定単位における置換単語の出現の有無(「0」「1」情報)
(9)明示単語毎の出現回数
(10)明示単語毎の出現の有無(「0」「1」情報)
(11)明示単語毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての明示単語の合計出現回数
(12)感情推定単位における明示単語の出現の有無(「0」「1」情報)
なお、明示性特徴量として、(1)と(5)と(9)とのうちの何れか1つ以上の組合せを用いる場合には、省略格推定結果と置換単語推定結果と明示単語検出結果に対して、特別な処理を必要としないため、明示性特徴量算出部145を備えず、省略格推定部141、置換単語推定部143及び明示単語検出部144は、それぞれ省略格推定結果、置換単語推定結果及び明示単語検出結果を明示性特徴量として直接、感情識別部160へ出力する構成としてもよい。
感情識別部160は、明示性特徴量を入力とし、後述する識別器生成部150において、予め学習された識別器を用いて、対象テキストデータ内に怒りの感情が表現されているか否かを、明示性推定部140で推定された対象テキストデータの明示性特徴量から識別する(s160)。
識別器生成部150は、教師信号付きの学習用テキストデータの明示性特徴量を用いて識別器を生成する(図9のs150)。教師信号とは、対応する学習用テキストデータに怒りの感情が表現されているか否かを示す情報である。なお、人が各学習用テキストデータを見て、怒りの感情が表現されているか否かを判断し、各学習用テキストデータに教師信号を付加する。
図8及び図9を用いて識別器生成部150で用いる学習用テキストデータの明示性特徴量の算出方法を説明する。
このような構成とすることにより、単語の意味情報を記録したデータベース(例えば感情関係語DB)を用いずに怒りの感情を推定することができる。よって、感情関係語DB等の作成コストを削減でき、未知語及び文脈等に影響されずに対象テキストデータ内に表現されている怒りの感情を頑健に推定することができる。
別装置等で対象テキストデータに対して予め形態素解析、構文解析等を済ませておき、感情推定装置100に対して、対象テキストデータの形態素解析結果と構文解析結果とが入力される場合には、感情推定装置100はテキスト解析部130を備えなくともよい。
図10及び図11を用いて実施例2に係る感情推定装置200を説明する。なお、実施例1と異なる部分のみ説明する。感情推定装置200は、音声認識部210と、テキスト解析部130と、明示性推定部240と、識別器生成部150と、感情識別部160と、を備える。テキスト解析部130、識別器生成部150及び感情識別部160の処理内容は実施例1と同様である。但し、テキスト解析部130で扱う対象テキストデータには後述する認識信頼度が付加されており、テキスト解析部130は認識信頼度付きの構文解析結果と形態素解析結果を出力する(図10参照)。また、識別器生成部150及び感情識別部160において処理する明示性特徴量は、この認識信頼度を利用して求められた値である。
音声認識部210は、対象音声データを入力とし、対象音声データに対して音声認識処理を行い、対象テキストデータへ変換する。音声認識部210は、対象音声データから得られる対象テキストデータと、その対象テキストデータ内に含まれる単語毎の認識結果の信頼性を示す認識信頼度と、を求め(s210)、認識信頼度付きの対象テキストデータをテキスト解析部130へ出力する。なお、認識信頼度とは認識結果の尤もらしさの信頼性を示す値である。認識信頼度が高ければ認識結果が正しいと推測され、低ければ認識結果が誤っていると推測される。なお、音声認識技術としては、従来技術(例えば、[古井貞煕著、「音響・音声工学 (電子・情報工学入門シリーズ)」、近代科学社、1992(以下「参考文献3」という)]記載の従来技術)を用いることができる。対象音声データが話者別にステレオ録音されている場合はモノラル録音されている場合よりも音声認識が容易である。なお、モノラル録音の場合は、話者別に音声を識別するための手段と併用する。話者識別技術としては、従来技術(例えば、参考文献3記載の従来技術)を用いることができる。例えば、音声スペクトルを特徴量とし、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いる方法などがある。
明示性推定部240は、認識信頼度付きの形態素解析結果と認識信頼度付きの構文解析結果との少なくとも一方を用いて、対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定する(s240)。明示性推定部240は省略格推定部241と、置換単語推定部243と、明示単語検出部244と、明示性特徴量算出部245と、を有する。以下、詳細を説明する。
省略格推定部241は、認識信頼度付きの構文解析結果を入力とし、これを用いて、対象テキストデータ内に本来あるべき省略されている格を省略格として推定し(s141)、省略格推定結果を明示性特徴量算出部145へ出力する。
(2)置換単語推定部243は、省略格の種類と、その省略格に対する動詞の認識信頼度の値の和を置換単語推定結果として出力する。この場合、(「対象格」、0.8)、(「動作主格」、0.2)を出力する。
置換単語推定部243は、認識信頼度付きの形態素解析結果を用いて、対象テキストデータ内に本来あるべき単語の代わりに存在する単語を置換単語として推定し(s243)、置換単語推定結果を明示性特徴量算出部145へ出力する。
(2)置換単語推定部243は、置換単語の種類と、その置換単語の認識信頼度の値の和を置換単語推定結果として出力する。この場合、(「それ」、1(=0.8+0.2))を出力する。
(明示単語検出部244)
明示単語検出部244は、認識信頼度付きの形態素解析結果を用いて、明示単語リスト記憶部144aを参照し、対象テキストデータ内に存在する明示単語を検出し(s244)、明示単語検出結果を明示性特徴量算出部145へ出力する。
(2)明示単語検出部244は、明示単語の種類と、その明示単語の認識信頼度の値の和を明示単語検出結果として出力する。この場合、(「あなた」、1(=0.8+0.2))を出力する。
明示性特徴量算出部245は、省略格推定結果と置換単語推定結果と明示単語検出結果とを用いて、明示性特徴量を算出し(s245)、感情識別部160へ出力する。例えば、明示性特徴量算出部245は、省略格推定結果と置換単語推定結果と明示単語検出結果とを用いて得られる以下の値の何れか、または、それらの組合せを明示性特徴量として算出する。
(2)省略格毎の省略の有無(「0」「1」情報)
(3’)省略格毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての省略格の合計省略回数、または、感情推定単位中に含まれる全ての省略格に対応する動詞の認識信頼度の値の和
(4)感情推定単位における省略格の有無(「0」「1」情報)
(5’)置換単語毎の出現回数、または、置換単語毎の認識信頼度の値の和
(6)置換単語毎の出現の有無(「0」「1」情報)
(7’)置換単語毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての置換単語の合計出現回数、または、感情推定単位中に含まれる全ての置換単語の認識信頼度の値の和
(8)感情推定単位における置換単語の出現の有無(「0」「1」情報)
(9’)明示単語毎の出現回数、または、明示単語毎の認識信頼度の値の和
(10)明示単語毎の出現の有無(「0」「1」情報)
(11’)明示単語毎でなく、感情推定単位中に含まれる全ての明示単語の合計出現回数、または、感情推定単位中に含まれる全ての明示単語の認識信頼度の値の和
(12)感情推定単位における明示単語の出現の有無(「0」「1」情報)
なお、(1’)、(3’)、(5’)、(7’)、(9’)、(11’)を用いる点が、明示性特徴量算出部145と異なる。
図12及び図13を用いて識別器生成部150で用いる学習用テキストデータの明示性特徴量の算出方法を説明する。
このような構成により実施例1と同様の効果を得ることができる。さらに、認識信頼度を利用することで、誤りを含む音声認識結果に対しても頑健に明示性の推定が可能となる。
図10及び図11を用いて実施例3に係る感情推定装置300を説明する。なお、実施例2と異なる部分のみ説明する。感情推定装置300は、音声認識部210と、テキスト解析部130と、明示性推定部240と、識別器生成部350と、感情識別部360とに加え、さらに図10及び図12中、破線で示す韻律的特徴量算出部320と、を備える。音声認識部210と、テキスト解析部130、明示性推定部240の処理内容は実施例2と同様である。
韻律的特徴量算出部320は、対象音声データを用いて、その韻律的特徴量を算出する(図11中、破線で示すs320)。韻律的特徴量を算出する技術としては、従来技術(例えば、参考文献3記載の従来技術)を用いることができる。韻律的特徴量としてピッチ(声の高さ)やパワー(声の大きさ)等を利用する。例えば、以下の値の何れか、または、それらの組合せを韻律的特徴量として算出する。
(A):ピッチの平均値
(B):ピッチの最大値
(C):ピッチの分散値
(D):パワーの平均値
(E):パワーの最大値
(F):パワーの分散値
(G):(A)〜(F)の何れかの増分Δ
(H):(G)の増分ΔΔ
なお、(G)や(H)を用いることで急峻な立ち上がりなど変動の大きさを捉えることができる。明示性特徴量と同様に、韻律的特徴量の要素数を増やすと後述する感情識別部360における識別の精度は上がるが、計算量も増える。よって、実験等により韻律的特徴量の要素を予め決定しておいてもよい。
感情識別部360は、学習用テキストデータの明示性特徴量に加え、学習用テキストデータに対応する学習用音声データの韻律的特徴量から予め学習された識別器を用いて、対象音声データ内に怒りの感情が表現されているか否かを、明示性推定部240で推定された明示性特徴量と韻律的特徴量算出部320で推定された韻律的特徴量とから識別し(s360)、識別結果を感情推定装置300の推定結果として出力する。
識別器生成部350は、教師信号付きの学習用テキストデータの明示性特徴量に加え、教師信号付きの学習用テキストデータに対応する学習用音声データの韻律的特徴量から識別器を学習し、生成する(図13のs350)。なお、教師信号とは、対応する学習用テキストデータ及び学習用音声データに怒りの感情が表現されているか否かを示す情報である。実施例3では、明示性特徴量に加え、韻律的特徴量を考慮するため、人が各学習用音声データを聴き、さらに、人が学習用テキストデータを見て、学習用テキストデータ及び学習用音声データに怒りの感情が表現されているか否かを総合的に判断し、各学習用テキストデータに教師信号を付加する。
図12及び図13を用いて識別器生成部350で用いる学習用音声データの韻律的特徴量と学習用テキストデータの明示性特徴量の算出方法を説明する。
このような構成により、韻律的特徴量を考慮することができ、さらに識別性能を向上させることが可能になる。
実施例3において韻律的特徴量算出部320において、対象音声データの韻律的特徴量を算出しているが、音声認識処理の過程において、韻律的特徴量を算出できる場合には、別途、韻律的特徴量算出部320を設けずに、音声認識部210の一部としてもよい。
図14に示すようにモニタリングシステム400は、前述の感情推定装置200と、入力部480と、出力部490と、を備える。モニタリングシステム400は、コールセンタ等に設置され、顧客からコールセンタへの着信や、コールセンタから顧客への発信をモニタリングし、クレーム通話を検出する。
このような構成とすることによって、コールセンタの管理者等は、リアルタイムでオペレータの応対状況を監視することができ、クレームの発生を迅速に検出して対応することができる。
<モニタリングシステム500>
図16に示すようにモニタリングシステム500は、前述の感情推定装置200と、入力部580と、出力部590と、を備える。モニタリングシステム500は、コールセンタ等に設置され、顧客からコールセンタへの着信や、コールセンタから顧客への発信を通話データベース2から取得し、通話記録等からクレーム通話を検出する。
大量の通話記録を聴き起こしながらクレーム通話を探索する作業は非常に大きな人的コストがかかるが、このような構成により、自動的にクレーム通話を検出することができ、出力結果に基づき、通話データベースから容易にクレーム通話を探索することができる。このように探索したクレーム通話を分析することで、顧客の強い要望や不満、商品・サービスの不具合や問題点の発見につながる。またクレーム通話を引き起こすようなオペレータ応対の問題点の発見につながる。
感情推定装置として、実施例3の感情推定装置300や実施例1の感情推定装置の前段に音声認識部を設けた装置を用いてもよい。
上述した感情推定装置やモニタリングシステムは、コンピュータにより機能させることもできる。この場合はコンピュータに、目的とする装置(各実施例で図に示した機能構成をもつ装置)として機能させるためのプログラム、またはその処理手順(各実施例で示したもの)の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラムを、CD−ROM、磁気ディスク、半導体記憶装置などの記録媒体から、あるいは通信回線を介してそのコンピュータ内にダウンロードし、そのプログラムを実行させればよい。
91 学習用音声コーパス
100,200,300 感情推定装置
210 音声認識部
320 韻律的特徴量算出部
130 テキスト解析部
131 形態素解析部
133 構文解析部
140,240 明示性推定部
141,241 省略格推定部
143,243 置換単語推定部
144,244 明示単語検出部
144a 明示単語リスト記憶部
145,245 明示性特徴量算出部
150,350 識別器生成部
160,360 感情識別部
400,500 モニタリングシステム
480,580 入力部
490,590 出力部
Claims (10)
- 対象テキストデータの形態素解析結果と構文解析結果との少なくとも一方を用いて、前記対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定する明示性推定部と、
怒りの感情が表現されているか否かを示す教師信号付きの学習用テキストデータの明示性特徴量から予め学習された識別器を用いて、前記対象テキストデータ内に怒りの感情が表現されているか否かを、前記明示性推定部で推定された前記対象テキストデータの明示性特徴量から識別する感情識別部と、を備える、
感情推定装置。 - 請求項1記載の感情推定装置であって、
前記明示性推定部は、
前記構文解析結果を用いて、前記対象テキストデータ内に本来あるべき省略されている格を推定する省略格推定部を有する、
感情推定装置。 - 請求項1または請求項2記載の感情推定装置であって、
前記明示性推定部は、
前記形態素解析結果を用いて、前記対象テキストデータ内に本来あるべき単語の代わりに存在する単語を推定する置換単語推定部を有する、
感情推定装置。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の感情推定装置であって、
前記明示性推定部は、
平常発話において、省略されやすい単語を予め記憶しておく明示単語リスト記憶部と、
前記形態素解析結果を用いて、前記明示単語リスト記憶部を参照し、前記対象テキストデータ内に存在する明示単語を検出する明示単語検出部と、を有する、
感情推定装置。 - 請求項2から請求項4の何れかに記載の感情推定装置であって、
前記明示性推定部は、
省略格推定部の推定結果と、置換単語推定部の推定結果と、明示単語検出部の検出結果とのうち少なくとも1つを用いて、前記明示性特徴量を算出する明示性特徴量算出部をさらに有する、
感情推定装置。 - 請求項1から請求項5の何れかに記載の感情推定装置であって、
対象音声データに対して音声認識処理を行い、その対象音声データから得られる対象テキストデータと、その対象テキストデータ内に含まれる単語毎の認識結果の信頼性を示す認識信頼度と、を求める音声認識部をさらに備え、
前記明示性推定部は、前記認識信頼度付きの前記対象テキストデータの前記形態素解析結果と前記構文解析結果との少なくとも一方を用いて、前記対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定する、
感情推定装置。 - 請求項6に記載の感情推定装置であって、
前記対象音声データを用いて、その韻律的特徴量を算出する韻律的特徴量算出部をさらに備え、
前記感情識別部は、前記学習用テキストデータの明示性特徴量に加え、前記学習用テキストデータに対応する学習用音声データの韻律的特徴量を利用して予め学習された識別器を用いて、前記対象音声データ内に怒りの感情が表現されているか否かを、前記明示性推定部で推定された明示性特徴量と前記韻律的特徴量算出部で算出された韻律的特徴量とから識別する、
感情推定装置。 - 対象テキストデータの形態素解析結果と構文解析結果との少なくとも一方を用いて、前記対象テキストデータ内にどの程度その意味内容が明示されているかを表す明示性特徴量を推定する明示性推定ステップと、
怒りの感情が表現されているか否かを示す教師信号付きの学習用テキストデータの明示性特徴量から予め学習された識別器を用いて、前記対象テキストデータ内に怒りの感情が表現されているか否かを、前記明示性推定ステップで推定された前記対象テキストデータの明示性特徴量から識別する感情識別ステップと、を備える、
感情推定方法。 - 請求項1から請求項8の何れかに記載の感情推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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