JP2012111485A - 自己膨脹タイヤを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己膨脹タイヤ組立体を構築する方法を提供する。
【解決手段】未加硫のタイヤカーカスウォール内にあり、アクセス開口41と、1次の内部溝チャンバ39と、内部溝チャンバに隣接して通じている2次の膨脹溝チャンバ40とを有する空気チューブ受け入れ用の溝38を成形するステップを有する。溝の部分的な通路42は所定の溝出口位置に溝38と一緒に成形され、溝38からタイヤカーカスウォールを通ってタイヤキャビティ30に向けて部分的に延びる。部分的な通路42とタイヤキャビティ30との間の断面が薄いタイヤカーカスウォールバリア44は、硬化後の工程において溝38からタイヤキャビティ30までの貫通穴を構成するように取り外される。ポンプ組立体はポンプ組立体出口装置から貫通穴を通って延びるタイヤキャビティ30までの出口通路チューブとともに硬化後の作業においてチューブ受け入れ用の溝38内へ挿入される。
【選択図】図8A

Description

本発明は、概して自己膨脹タイヤに関し、特に自己膨脹タイヤを製造する方法に関する。
通常の空気の拡散は、時間の経過と共にタイヤ圧を低下させる。タイヤの通常の状態は、膨脹している状態である。そのため、ドライバはタイヤの圧力を維持するための作業を繰り返し行わなければならず、そうしないと、燃費が悪化し、タイヤの寿命が短くなり、車輌の制動および操縦の性能が低下する。タイヤ圧力が顕著に低下したときにドライバに警告するタイヤ圧力監視装置が提案されている。
しかし、このような装置は、依然として、タイヤを推奨圧力まで再膨脹させるように警告されたときにドライバが是正処置を講じることに依存している。したがって、時間の経過と共にタイヤの圧力が低下するのをドライバの介入を必要とせずに補償するために、タイヤを自己膨脹させる自己膨脹機能をタイヤ内に組み込むことが望ましい。
本発明の一実施態様によれば、自己膨脹タイヤ組立体を構築する方法は、未加硫タイヤカーカスを製造するステップと、所定の半径方向位置の未加硫のタイヤカーカスウォール内にあり、アクセス開口と、1次の内部溝チャンバと、空気ポンプチューブの平坦な延長部分を動作時に受け入れるように内部溝チャンバに隣接して通じている2次の膨脹溝チャンバとを有する空気チューブ受け入れ用の溝を成形するステップと、空気チューブ受け入れ用の溝に沿った所定の溝出口位置に位置している溝の不完全な通路であって、溝からタイヤカーカスウォールを通ってタイヤキャビティに向けて部分的に延びているとともにタイヤカーカスウォールに関して断面厚さが薄い取り外し可能なタイヤカーカスバリヤによって前記タイヤの内側ライナから分離された軸線方向内側の終端を有する通路を溝と一緒に成形するステップと、未加硫のタイヤカーカスを硬化させて硬化したタイヤカーカスを形成するステップと、硬化後作業において溝からタイヤキャビティまでの貫通穴を構成するようにタイヤカーカスバリヤを取り外すステップと、を有する。
さらなる態様によれば、本方法は、空気チューブと、空気チューブに沿って配置された入口装置と、入口装置の反対側に空気チューブに沿って配置された出口装置と、を有するポンプ組立体を構成するステップと、出口装置を溝の溝出口位置内に配置してポンプ組立体をチューブ受け入れ用の溝内に挿入するステップと、を有する。さらなる態様によれば、本方法は、少なくとも1つの出口通路チューブを出口装置から貫通穴を通してタイヤキャビティまで突き出すステップを有する。他の態様において本方法は、密封剤被覆をチューブ受け入れ用の溝内に塗布するステップと、環状のポンプ組立体をチューブ受け入れ用の溝に挿入する前に出口装置の出口通路チューブに栓装置で栓をするステップとを有する。さらなる態様において、ポンプ組立体にわたって2次密封剤被覆が望ましい場合、タイヤをリムに取り付けて膨脹させてもよい。2次密封剤被覆を塗布し、硬化させることができる。それから、タイヤを収縮させてリムから取り外す。環状に構成されたポンプ組立体を受け入れるように構成された環状の形態で溝をタイヤ内に成形してもよい。
(定義)
タイヤの「アスペクト比」は、タイヤの断面幅(SW)に対するタイヤの断面高さ(SH)の比に100%を掛けて百分率で表した値である。
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面つまり赤道面EPに関して対称的ではないトレッドパターンを有するトレッドを意味する。
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転軸に平行なラインまたは方向を意味する。
「チェーファー」は、リムとの接触による磨耗および切断からコードプライを保護し、かつたわみをリムの上方に分散させるために、タイヤビードの外側の周りに配置された材料の細長いストリップである。
「周方向の」は、軸線方向に垂直な環状トレッドの表面の周囲に沿って延びるラインまたは方向を意味する。
「赤道中心面(CP)」は、タイヤの回転軸に垂直であり、かつトレッドの中心を通過する平面を意味する。
「フットプリント」は、速度が零でかつ標準荷重および標準圧力下で平坦な表面と接触するタイヤトレッドの接触部分または領域を意味する。
「溝」はタイヤウォールの周囲を円周方向つまり横方向に延びていることもあるタイヤウォール内の長い空の領域を意味する。「溝の幅」はその長さにわたってその平均幅と等しい。溝は空気チューブを収容するために前述のように大きさが設定されている。
「インボード側(Inboard side)」は、タイヤが車輪に取り付けられ、かつ車輪が車輌に取り付けられときの、タイヤの、車輌に最も近い側を意味する。
「横方向」は、軸線方向を意味する。
「横方向縁部」は、標準荷重およびタイヤ膨張時に測定された軸線方向で最も外側のトレッド接触部分すなわちフットプリントに接し、赤道中心面に平行であるラインを意味する。
「正味接触面積」は、トレッドの全周を囲んだ横方向縁部同士の間の地面に接触するトレッド部材の総面積を、横方向縁部同士の間のトレッド全体の総面積で割った値である。
「非方向性トレッド」は、好適な進行方向を有していないトレッドであって、特定の車輪位置、またはトレッドパターンが好適な進行方向に揃うようにする位置で車輌に配置さする必要のないトレッドを意味する。逆に、方向性トレッドパターンは、特定の車輪位置を必要とする好適な進行方向を有している。
「アウトボード側(Outboard side)」は、タイヤが車輪に取り付けられ、かつ車輪が車輌に取り付けられたときの、タイヤの、車輌から最も遠く離れている側を意味する。
「ぜん動(peristaltic)」は、管状通路に沿って、空気のような閉じ込められた物質を送る波状の収縮による動作を意味する。
「半径方向の(ラジアル)」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸へ向かって放射状に延びる方向、あるいは回転軸から離れるように放射状に延びる方向を意味する。
「リブ」は、少なくとも1つの周方向溝と、同等の第2のそのような溝または横方向縁部のいずれかとによって画定された、トレッド上を周方向に延びるゴムのストリップであって、完全な深さの溝によって横方向に分割されていないゴムのストリップを意味する。
「サイプ」は、トレッド表面を再分割し、トラクションを改善する、タイヤのトレッド部材内に形成された小さいスロットを意味する。サイプは、一般に幅が狭く、タイヤのフットプリント内で開いたままである溝とは対照的に、タイヤのフットプリント内で閉じている。
「トレッド部材」または「トラクション部材」は、隣接する溝の形状を有することによって画定されたリブまたはブロック部材を意味する。
「トレッドアーク幅」は、トレッドの横方向縁部同士の間で測定された、トレッドの円弧長を意味する。
タイヤ、リム、およびぜん動チューブ組立体の分解等角図である。 タイヤのサイドウォール内にぜん動チューブ組立体を備えたタイヤの側面図である。 ぜん動チューブ組立体の拡大透視図である。 チューブ組立体の入口装置部品の透視図である。 内部チューブの位置および構成を示す、入口装置部品の一部が想像線で描かれた透視図である。 入口装置の筒状体を想像線で示している入口装置部品の断面図である。 4D−4Dに沿った図4Bの断面図である。 4E−4Eに沿った図4Cの断面図である。 チューブ組立体の出口装置部品の透視図である。 図5Aの5B−5Bに沿った出口装置の断面図である。 出口装置の代替の構成の図である。 タイヤ、リムおよびチューブ組立体の断面図である。 図6Aの特定された領域の拡大断面図であって、タイヤ内のチューブ組立体の位置を示している図である。 出口装置の配置を示すタイヤとリムの組立体の断面図である。 図7Aの領域7Bの拡大図である。 タイヤを通った出口装置の挿入を説明する模式的分解図である。 出口装置の挿入が完了した状態を示す模式図である。
本発明を、実施例として、添付図面を参照して説明する。
図1,2,3,6B,7A,8Aおよび8Bを参照すると、タイヤ組立体10はタイヤ12、ぜん動ポンプ組立体14およびタイヤリム16を有している。タイヤ12は従来の方法で外側リムフランジ20に隣接する1対のリム取付表面18に取り付けられている。リムフランジ20は半径方向外向きの表面22を有している。タイヤ12は、従来の構成であり、対向しているビード領域26からクラウンつまりタイヤトレッド領域28まで延びている1対のサイドウォール24を有している。タイヤ12およびリム16はタイヤキャビティ30を取り囲んでいる。タイヤカーカスは、ビード領域26でビードコア34に巻き付いている1つまたは2つ以上のプライ層32によって補強されている。カーカスプライ32はビードコア34の上方の半径方向外側の端部を有するターンアップ36を構成している。
図1,7B,8Aおよび8Bを参照すると、環状の溝38は、後述のようにぜん動ポンプ組立体14を動作させるために非常に柔軟な領域のタイヤカーカス12内に配置されている。溝38の配置は、リムフランジ20の上側端部の上方、ビードコア34の半径方向上方、かつプライのターンアップ36の端部の半径方向上方の、半径方向の位置のビード領域26のサイドウォール24内であることが好ましい。そのような位置によって、ポンプ動作機構とリムとの間の接触を避けながら、ぜん動ポンプを作動させるのに必要な柔軟な特性が実現される。そのような位置は、プライのターンアップ36の端部も避けている。
溝38は概ねU字形状であり、サイドウォール24の外向きの側に開口しているアクセス開口41と、後述のぜん動ポンプチューブを密着して受け入れる大きさに合わせてかつ形作られた概ね円形断面の1次溝チャンバ39と、1次溝チャンバ39を囲んでいる膨脹チャンバ40と、を含むように断面の輪郭が設定されている。膨脹チャンバ40は、ぜん動ポンプチューブが、回転しているタイヤの屈曲によって徐々に平坦になるときに内部で膨脹可能な1次溝チャンバ39に隣接する空間を概ね構成している。膨脹チャンバ40は、図8Aと8Bに示されているように1次溝チャンバ39から軸線方向内側に部分的に配置されている。溝38は、非常に柔軟な位置でタイヤカーカス12を区画しており、タイヤ製造時にタイヤ12内に成形されることが好ましい。
溝38に沿った出口装置受け入れ位置では、溝38は、後述のように出口装置52を受け入れるような断面の輪郭を有するように成形されている。溝38に沿った出口装置受け入れ位置において、溝38は、膨脹チャンバ40からタイヤキャビティ30に向けて途中まで軸線方向内向きに延びているタイヤキャビティ向き通路42をさらに有するように成形されている。通路42は、分離された1対の平行な円柱状の通路区分42A,42B(図8Aと8Bでは42Aだけを示している)を実現するように構成されている。通路区分42A,42Bと溝チャンバ39,40は、タイヤ製造中に溝38内の所望の出口装置受け入れ位置のタイヤのサイドウォール24内に成形される。
成形されると、通路区分42A,42Bは、案内経路に相当し、膨脹チャンバ40からタイヤカーカス12のキャビティ30へ部分的に軸線方向内向きに延びる。通路区分42A,42Bは、溝38が内部に成形されているカーカスウォールに関連して減少した断面厚さ「D」を有するバリヤウォール44によって通路区分42A,42Bの終端48をタイヤキャビティ30から分離する距離サイドウォール24内に延びている。バリヤウォール44の厚さは、カーカスウォールを通して約60%延びている通路区分42Aおよび42Bを有するカーカスウォールの厚さの約40%である。サイドウォール24のバリヤウォール44は、溝38に沿った特定の出口装置受け入れ位置の製造後のタイヤカーカス内で通路区分42A,42Bの両終端48と内側ライナ46との間に位置している。バリヤウォール44はタイヤのサイドウォール24の組成と同じであり、ゴム組成であるので、断面が薄いバリヤウォール44は製造後の手順において容易に貫通可能でありタイヤカーカスから取り除かれる。バリヤウォール44がタイヤカーカスからいったん取り除かれると、通路区分42A,42Bは、膨張チャンバ40から軸線方向内向きにタイヤキャビティ30まで開口している貫通通路に相当する。
図1,3,4Aないし4D,5Aないし5Cおよび8Aないし8Bからわかるように、ぜん動ポンプ組立体14は環状の通路を囲んでいる環状の空気チューブ50を有している。空気チューブ50は、空気チューブ50が外力を受けて平坦な状態に変形し、そのような力がなくなったときに断面が概ね円形の元の状態に戻る繰り返される変形サイクルに耐えることが可能なプラスチックやゴム合成物などの弾力があって柔軟な材料で形成されている。空気チューブ50は、タイヤ動作中にタイヤ12を自己膨脹させる目的に対して十分な空気の体積を動作によって通過させるのに十分な直径を有している。空気チューブ50および溝38は、空気チューブ50がアクセス開口41を通して挿入されて1次溝チャンバ39内に密着して配置されるように、互換性のある状態で大きさが設定されて構成されている。溝38内の空気チューブ50は、前述のようにタイヤカーカス12の非常に柔軟な領域に配置されている。
ぜん動ポンプ組立体14は、環状の空気チューブ50の円周内で約180度分離された入口装置54の位置および出口装置52の位置をさらに有している。L字形状の出口チューブ84,86が延びておりそれから外に出ている長い胴体73を有する出口装置72は、出口位置52に配置されている。胴体73は、成形されたプラスチック構成にあり、対向する上側の両側部の保持フランジ74,76と、保持フランジ74,76の下方の対向する長い側部に沿った保持溝78と、円柱状の下側の胴体部分80と、を実現することが好ましい。1対のかえり尾根82が胴体の保持溝78に隣接している胴体73の各端部に配置されている。出口チューブ84,86は、プラスチッチまたはステンレス鋼材料で構成されて端部から端部まで延びている軸線方向の貫通通路を有していることが好ましい。出口チューブ84,86は出口装置の胴体73の対向している端部内に収容されている。そのように配置されることで、L字形状の出口チューブ84,86とその中の軸線方向の両通路は入口端部88,90から出口端部92,94まで延びる。出口端部92,94がタイヤキャビティ30内に延びて空気をタイヤキャビティ30内に向けているのに対して、チューブの入口端部88,90は環状の空気チューブ50の両端部に結合されるように直径方向の寸法が設定されている。環状の空気チューブ50への入口端部88,90の結合や、タイヤキャビティ30内の圧力調整弁/装置などの装置や器械(不図示)への出口端部92,94の結合を助けるようにチューブの端部88,90,92および94のいくつかまたは全てに保持リブ95が構成されていてもよい。出口チューブ84は、必要に応じてまたは望ましい場合に、環状の空気チューブ50からタイヤキャビティ30内への空気(有向矢印96)、およびタイヤキャビティ30から空気チューブ50内へ戻りかつその外部への空気(有向矢印98)の通路用の導管を実現している。
図1,3および4Aないし4Dに示しているように、入口装置54は、出口装置72とは反対の入口装置位置でチューブ50に接続されている。入口装置54は、周辺の空気がチューブ胴体56を通して軸線方向の通路に流入できるように、円柱状のチューブ胴体56と、チューブ胴体56を貫通して延びる貫通穿孔つまり開口58の配列とを有している(図4Aないし4D)。空気を通過させるが好ましくない粒子を遮断するような密度の多孔質セル状材料で形成されたフィルタスリーブ60がチューブ胴体56の中間部分を取り囲んでいる。フィルタスリーブ60は、1対の外向きに延びているローブ凸部62,64と、それぞれのローブ凸部62,64に隣接している1対のチャネル65と、1対のローブ凸部62,64と共に1対のチャネル65を定めているフィルタスリーブ60の対向している両側の1対のかえり尾根66と、を有して形成されている。チューブ胴体56の周囲に位置しているフィルタスリーブ60は、フィルタスリーブ60および穿孔58を通してチューブ胴体56内に通過する方向61の流入気流を濾過する。チューブ胴体56は、フィルタスリーブ60に覆われずに外向きに突き出している対向した端部68,70を有している。端部68,70は、環状の空気チューブ50への端部68、70の取付けを促進する外部に形成された抜け止めのかえり、つまり尾根を備えていてもよい。チューブ胴体56の直径は、チューブ胴体56と空気チューブ50の両方がタイヤのサイドウォール24内に形成された環状の溝38内に直列に揃って嵌るように空気チューブ50の直径に概ね等しい。さらに、チューブ胴体56を囲んでいる、穴が開けられたスリーブ胴体部分67は、スリーブ胴体部分67が溝38内にチューブ胴体56を嵌めるのに必要な程度に圧縮されてもよいようにセル状材料つまり泡状材料で形成されている。1対のかえり尾根66は、入口装置54をタイヤの溝38内に機械的に取り付けるように挿入時にタイヤの溝38の両側部と係合する。所望であれば、入口装置54を溝38内に固定するように接着剤などの取付けのための追加の手段を採用してもよい。図2は、チューブ50に取り付けられ、タイヤカーカスの溝38内に取り付けられた入口装置54および出口装置52を有するぜん動チューブ組立体14を示している。
入口のフィルタスリーブ60は、空気を通過させ、かつチューブ胴体56内へおよびポンプチューブ50からチューブ胴体56へ入る流体を遮断する多孔質の薄膜などの材料で構成されていることが好ましい。本発明を限定するわけではないが、適切な材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。したがってフィルタスリーブ60は、自己浄化作用があり、チューブ胴体56への大容量の空気の流入を可能にする。フィルタスリーブ60は、チューブ胴体56への機械的な保護をさらに実現し、チューブ56と50に直列に揃うように配置されている。入口装置54は、チューブ50への取付けのために両入口端部68,70の位置に継ぎ手を備えている1つの組立体として組み立てられていてもよい。その結果、構成要素の最小化とより高い信頼性が得られる。
図8Aおよび8B、並びに図5Aないし5Cに示しているように、出口装置52は入口装置54の反対側で空気チューブ50に接続されている。出口装置52の入口端部88,90および入口装置54の端部68,70は空気チューブ50の端部に結合され、図1と3のぜん動ポンプ組立体14を構成している。入口装置の端部68,70および出口装置の入口端部88,90は、結合を促進するように空気チューブ50と概ね同じ直径方向の寸法である。その後、ぜん動ポンプ組立体14は硬化後の工程においてタイヤ12に組み付けられる。タイヤ12は、環状の溝38に沿って溝チャンバ39,40、および出口装置の位置に部分通路42A,42Bを有するように成形された溝38を有するように前述のように構成されている。ぜん動ポンプ組立体14は、出口装置52が溝38の出口装置の位置に対向している状態でタイヤ12の溝38に揃えられる。その後、チューブ50、入口装置54および出口装置52が溝38内に押し込まれる。入口装置のセル状のフィルタスリーブ60は、押し込みを促進するように圧縮される。完全に挿入された位置で、空気チューブ50は溝38の1次溝チャンバ39内に位置しており、入口装置54および出口装置52は38に沿ったそれぞれの入口装置の位置および出口装置の位置に位置している。入口装置54の外形構成は1対のかえり尾根66としてチャネル65内で溝38を定めている両縁を捕らえており、ローブ凸部62,64はそれらの間で溝の両縁を反映している。図8A,8Bに示しているように、出口装置52の構成も両尾根82と保持フランジ74,76との間で溝38を定めている両縁を同様に反映している。
組立体14のタイヤ12への取り付けは、成形されたバリヤウォール44が加工と硬化後の穿孔工程においてタイヤ12から取り除かれた後に行われることに注意されたい。いったんバリヤウォール44が取り除かれると、出口装置52の脚部84,86は1次溝チャンバ39、隣接している膨脹チャンバ40、および2つの平行な通路42A,42Bを通してタイヤキャビティ30内に突き出すことができる。いったん完全に挿入されると、空気チューブ50からの通路は、出口チューブ84,86の2つの通路42A,42Bを通してタイヤキャビティ30に通じる。出口チューブ84,86の端部90、92は、キャビティ圧力が事前に設定されているレベルよりも下がったときにタイヤキャビティ30内への気流(方向96)、または圧力が推奨レベルを超えた場合にタイヤキャビティ30から出る気流(方向98)を許容するタイヤキャビティ30内の圧力調整器機構(不図示)と結合されてもよい。
図2からわかるように、入口装置54および出口装置52は概ね180度離れて円形の空気チューブ50内に位置している。タイヤ12は動作モードで回転し、タイヤ接触地面に対して接触してフットプリントが形成される。図7Aに示しているような圧縮力は、フットプリントからタイヤ12内に向けられており、タイヤ12が回転すると空気チューブ50を区分ごとに平らにするように作用する。空気チューブ50が区分ごとに平坦になることに起因する空気チューブ50の膨脹している部分100は、図7Aに示しているように膨脹溝チャンバ40内に収容されている。図7Aは、溝38の膨脹チャンバ40内に移動している空気チューブ50の膨脹部分100を示している。空気チューブ50が区分毎に平らになると、周辺の空気がフィルタスリーブ60で濾過されて空気チューブ50内に入口装置54を通して吸い込まれ、そして空気はチューブ通路に沿って出口装置52に向けて、そして出口装置52内に押し込まれる。出口装置52から、空気は出口チューブ84,86およびタイヤのサイドウォール24を通してタイヤキャビティ30内に押し込まれる。対象としている型のぜん動ポンプは、参照により本明細書に援用される、2009年12月21日に出願され同時係属中の米国特許出願第12/643176号明細書において開示され説明されている。
ぜん動ポンプ組立体14のタイヤ12への硬化後の組み付けは、溝38(1次溝チャンバ39を含む)と、チューブの膨脹チャンバ40と、部分的な通路42A,42Bとが内部に成形された後である。この手順の利点は、そのような組み立てにはプライコードの切断が必要ないか最小であることである。さらに、空気チューブ50と出口装置52と入口装置54の完全性がよりよく補償される可能性のあることである。したがって、一様な空気チューブ50の形状、位置および通路の完全性が達成され、その結果、タイヤ製造において使用される工場の能力が変わったり減少したりすることがない。膨脹チャンバ40は溝38内に成形されている。通路区分42Aおよび42Bは、タイヤ12内でポンプチューブ50と同じ半径方向位置にある。通路区分42A,42Bは、錐や他の装置を使用したドリル加工またはパンチ加工によってタイヤのサイドウォール24のバリヤウォール44を取り除くことによってタイヤキャビティ30に向けて開口される。通路42A,42Bは、タイヤ製造中にプレス成形ブラダをパンクさせないように案内経路としてできるだけ深く成形されている。バリヤウォール44は、カーカスウォールの厚さの35から45%の範囲内の断面厚さを有する寸法が設定されていることが好ましい。
部分的な通路42Aと42Bは、成型されたりドリル加工されたりしていてもよいことに注意されたい。タイヤ12とぜん動ポンプ組立体14の製造の手順は以下のとおりである。
未加硫のタイヤカーカス12は、従来の手段によって、タイヤ内側レイヤ46、並びにそれぞれ第1および第2のタイヤビード領域26からタイヤトレッド領域28へと延びている第1および第2のサイドウォール24によって画定されタイヤキャビティ30を有するように製造される。
空気チューブ受け入れ用の溝38は、ビード領域ウォール27内などの規定されている半径方向位置に未加硫タイヤカーカスウォール内の未加硫タイヤカーカス内に成型される。溝38は、アクセス開口41、1次内部溝チャンバ39、および内部溝チャンバ39に隣接し通じている2次膨脹溝チャンバ40を有している1つの形態で環状構造に成形されている。膨脹溝チャンバ40は、空気ポンプチューブの平坦な延長部分を動作時に受け入れる。
溝38は、空気チューブ受け入れ溝38に沿った所定の溝出口位置に位置している部分的な案内通路42A,42Bを実現している。部分的な案内通路42A,42Bは、膨張溝チャンバ40からタイヤカーカスウォール27を通ってタイヤキャビティ30に向けて途中まで延びており、タイヤカーカスウォール27に関連して断面厚さが減少している、取り除くことが可能なタイヤカーカスバリヤ44によってタイヤ内側ライナから分離されている軸線方向内側の終端92,94を有している。
未加硫のタイヤカーカスは硬化したタイヤカーカスを形成するように硬化し、タイヤカーカスバリヤ44は溝38の出口装置受け入れ位置で溝38からタイヤキャビティ30への貫通穴を構成するように硬化後作業において取り除かれる。それとは別に、ぜん動ポンプ組立体14は、空気チューブ50と、空気チューブ50に沿って配置され、空気チューブ50内へ空気を流入させるための入口開口58を有する入口装置54と、空気チューブ50に沿って入口装置54に対向して配置され出口装置52と、を有するように組み立てられる。
バリヤウォール44はドリル加工またはパンチ加工によって取り除かれる。出口通路チューブ84,86は、ごみの進入を防止するために両出口端部92,94の位置で栓がされている。チューブ受け入れ用の溝38内には密封剤が導入されている。ぜん動ポンプ組立体14は、出口装置52が溝38の所定の出口受け入れ位置で溝38内に合わせられてチューブ受け入れ用の溝38内に挿入される。出口通路チューブ84,86は出口装置52からバリヤウォール44を取り除くことによって作られた貫通穴42A,42Bを通してタイヤキャビティ30まで延びている。
溝38内の密封剤は硬化させることができる。2次密封剤つまり被覆層が望ましい場合、タイヤ12およびぜん動ポンプ組立体14がリムに取り付けられてタイヤ12が膨脹してもよい。それから2次被覆をぜん動ポンプ組立体14上に塗りつけ、硬化させてもよい。それから、タイヤ12は収縮されてリムから取り去られる。
それから栓を出口通路チューブ84,86、および出口装置52の出口端部92,94に取り付けられている圧力調整逆止弁組立体から取り外してもよい。逆止弁組立体(不図示)は、設定済みの所望のキャビティ膨脹圧力に基づいてタイヤキャビティ30への空気の流入と流出とを調整するように動作する。そのような調整器は、ミシガン州ノバイにあるEmerson/ASCO Pneumaticsや、ミシガン州サウスフィールドにあるEaton社、ミシガン州オツィーゴにあるParker社などの調整器の供給者から取得可能な型である。
ぜん動ポンプ組立体14は、構成要素50,52および54の直列の構成になっていることがさらに理解されるであろう。そのような構成は、入口装置54を通して空気チューブ50内へ、そして空気チューブ50に沿って、さらに出口装置52内への吸気の効率を向上させる。空気の流れに対する構造上の障害が回避され、図3に示しているような、妨害となる突起や構造上の障害のない直列の環状組立体全体は比較的容易に溝38内に挿入される。さらに、入口装置54の筐体と、フィルタスリーブ60および胴体73の構成の出口装置52の筐体は、望ましいそれぞれの入口と出口の装置受け入れ位置で装置52,54を溝38内に係合させ保持する保持尾根を有している。さらに、フィルタスリーブ60は、入口空気フィルタ、開口を外部由来のゴミから保護する入口開口58の被覆、および出口装置54を溝38内で保持する保持機構としての役割を果たす多面的な機能を発揮することが理解されるであろう。
同様に、空気チューブ50に沿って配置されている出口装置52は直列であり、出口装置52は筒状出口胴体73、および空気チューブ50と直列の軸線方向の通路を実現している。胴体73はL字状の出口チューブ84,86を収容しており、出口装置52を溝38内に保持するように動作する。通路42A,42Bは、成形された構成では閉じているが、バリヤウォール44が取り除かれるとタイヤキャビティ30に開口する。そのため、通路42A,42Bは、硬化後の組み立て手順で出口チューブ84,86を受け入れるようにバリヤウォール44が取り除かれて開くまでごみのないままに維持される。
本発明の変形例が本明細書に示している説明の観点から可能である。対象としている発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態と詳細とを示しているが、当業者には対象としている発明の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更と修正が可能であることが明らかになるであろう。そのため、当然のことながら、添付の特許請求の範囲で定めている本発明の意図した完全な範囲において、説明している特定の実施形態の変更が可能である。
10 タイヤ組立体
12 タイヤ
14 ぜん動ポンプ組立体
16 タイヤリム
18 リム取付表面
20 リムフランジ
22 半径方向外向きの表面
24 サイドウォール
26 ビード領域
28 タイヤトレッド領域
30 タイヤキャビティ
32 カーカスプライ層
34 ビードコア
36 ターンアップ
38 溝
39 1次内部溝チャンバ
40 2次膨脹溝チャンバ
41 アクセス開口
42A,42B 通路区分
44 バリヤウォール
46 内側ライナ
48 通路区分の終端
50 環状の空気チューブ
52 出口装置
54 入口装置
56 チューブ体
58 穿孔
60 フィルタスリーブ
62,64 ローブ凸部
65 チャネル
66 かえり尾根
68,70 端部
72 出口装置
74,76 保持フランジ
78 保持溝
80 胴体部分
82 かえり尾根
84,86 出口チューブ(脚部)
88,90 出口装置の入口端部
92,94 出口装置の出口端部
96 タイヤキャビティ内への気流の方向
98 タイヤキャビティ外への気流の方向
100 膨脹部分

Claims (13)

  1. タイヤの内側ライナと、第1および第2のタイヤビード領域からタイヤトレッド領域にそれぞれ延びている第1および第2のサイドウォールとによって画定されたタイヤキャビティを有する未加硫のタイヤカーカスを製造するステップと、
    所定の半径方向位置の未加硫のタイヤカーカスウォール内にあり、アクセス開口と、1次の内部溝チャンバと、運転状態で平坦にされた空気ポンプチューブの延長部分を受けるように前記内部溝チャンバに隣接して該内部溝チャンバに連通している2次の膨脹溝チャンバとを有する空気チューブ受け入れ用の溝を成形するステップであって、前記溝は前記空気チューブ受け入れ用の溝に沿った所定の溝出口位置に位置している部分的な通路を有しており、前記部分的な通路は前記溝から前記タイヤカーカスウォールを通って前記タイヤキャビティに向けて部分的に延び、前記タイヤカーカスウォールに比べて断面厚さが薄い取り外し可能なタイヤカーカスバリヤによって前記タイヤの内側ライナから分離された軸線方向内側の終端を有する、空気チューブ受け入れ用の溝を成形するステップと、
    未加硫のタイヤカーカスを硬化させて硬化したタイヤカーカスを形成するステップと、
    硬化後の工程で、前記溝から前記タイヤキャビティまでの貫通穴を構成するように前記タイヤカーカスバリヤを取り外すステップと、
    を有することを特徴とする、自己膨脹タイヤ組立体を構築する方法。
  2. 空気チューブと、空気を前記空気チューブに流入させるための入口開口を有する前記空気チューブに沿って配置された入口装置と、前記空気チューブに沿って前記入口装置の反対側に配置された出口装置と、を有するポンプ組立体を構成するステップと、
    前記出口装置を前記溝の所定の出口位置で前記溝内に合わせて前記ポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝内に挿入するステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの出口通路チューブを前記出口装置から前記貫通穴を通して前記タイヤキャビティまで突き出すステップをさらに有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポンプ組立体を前記溝に挿入する前に前記出口装置の前記出口通路チューブに栓装置で栓をするステップと、
    環状の前記ポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝内に挿入する前に密封剤被覆を前記空気チューブ受け入れ用の溝内に塗布するステップと、
    前記空気チューブ受け入れ用の溝への前記環状のポンプ組立体の挿入後に前記密封剤被覆を硬化させるステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記タイヤをリムに取り付けるステップと、
    前記タイヤを膨張させるステップと、
    前記ポンプ組立体を被覆する2次密封剤を付着させるステップと、
    前記2次密封剤被覆を硬化させるステップと、
    前記タイヤを収縮させるステップと、
    前記タイヤを前記リムから取り外すステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記タイヤを前記リムから取り外した後、前記栓装置を前記出口通路チューブから取り外すステップと、
    圧力調整逆止弁組立体を前記出口通路チューブの内向きの端部に取り付けるステップと
    をさらに有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. 未加硫のタイヤカーカスウォール内の所定の半径方向位置に前記空気チューブ受け入れ用の溝を前記未加硫のタイヤカーカスウォールを区画する環状の形態に成形するステップをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 前記空気チューブ受け入れ用の溝を前記未加硫のタイヤのビード領域の近くの前記未加硫のタイヤカーカスウォール内に成形するステップと、をさらに有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 空気チューブと、空気を前記空気チューブへ流入させるための入口開口を有する前記空気チューブに沿って配置された入口装置と、前記空気チューブに沿って前記入口装置の反対側に配置された出口装置とを有するポンプ組立体を構成するステップと、
    前記出口装置を前記溝の前記溝出口位置に配置して前記ポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝内に挿入するステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの出口通路チューブを前記出口装置から前記貫通穴を通して前記タイヤキャビティまで突き出すステップをさらに有することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝に挿入する前に、前記出口装置の前記出口通路チューブに栓装置で栓をするステップと、
    環状の前記ポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝内に挿入する前に密封剤被覆を前記チューブ受け入れ溝内に塗布するステップと、
    前記環状のポンプ組立体を前記空気チューブ受け入れ用の溝への挿入後に前記密封剤被覆を硬化させるステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記タイヤをリムに取り付けるステップと、
    前記タイヤを膨張させるステップと、
    前記ポンプ組立体を被覆する2次密封剤を付着させるステップと、
    前記2次密封剤被覆を硬化させるステップと、
    前記タイヤを収縮させるステップと、
    前記タイヤを前記リムから取り外すステップと、
    をさらに有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記タイヤを前記リムから取り外した後、前記栓装置を前記出口通路チューブから取り外すステップと、
    圧力調整逆止弁組立体を前記出口通路チューブの内向きの端部に取り付けるステップと、
    をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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