JP2012109210A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動回路の駆動周波数を上昇または低下させた際の出力電圧の増減に基づき、当該駆動周波数が、共振周波数より低い進相領域の周波数であるか否かを検知し、進相領域16の周波数である場合、当該駆動周波数が共振周波数より高い遅相領域15の周波数となるように駆動回路を制御するものである。
【選択図】図3
Description
そのため、個々の加熱コイルの共振特性が変化しやすく、インバータ回路の動作周波数が共振周波数を下回り、電力制御に適している遅相領域の周波数範囲から外れて適切な電力制御ができなくなる、という問題点があった。
しかしながら、入力部に複数の加熱コイルが接続された構成の場合、検知される電力は入力部に接続される全加熱コイルでの消費電力の合算値となるため、特定の加熱コイルの駆動周波数が電力制御に適さない進相領域の周波数範囲にあることを検知できない、という問題点があった。
図1はこの発明の実施の形態1を示す誘導加熱調理器の上面図である。
1はトッププレートである。トッププレート1は、耐熱性を有し、鍋などの被加熱物が載置される。また、トッププレート1には、鍋などの被加熱物の載置位置を示すための加熱口を3つ備えている。本実施の形態では、例えば図1に示すように、手前右側に設けた右加熱口2と、手前左側に設けた左加熱口3と、奥側中央に設けた中央加熱口4を有している。
トッププレート1の下方には、各加熱口に対応する位置に加熱コイル5、6および7が設置されている。加熱コイル5、6および7は、それぞれ高周波電流が供給されることにより高周波磁界を発生し、対応する加熱口の上部に載置された被加熱物を誘導加熱する。
また、複数の加熱口のうち任意の加熱口について、輻射によって加熱する輻射型熱源を用いる電気ヒーター(例えばニクロム線やハロゲンヒーター、ラジェントヒーター等)を用いるようにしても良い。
この操作・表示部8は、各加熱口ごとに設けられる場合や、各加熱口分を一括して操作部と表示部を設ける場合など、特に限定するものではない。
図2に示すように、本実施の形態1では、右加熱口2の下方に配置された加熱コイル5は、それぞれ直径が異なり、同心円状に配置された、主コイル5aと補助コイル5bとにより構成されている。主コイル5aは、補助コイル5bより直径の小さい円形コイルである。補助コイル5bは、主コイル5aより直径の大きい円形コイルである。
なお、本実施の形態1では、1つの加熱口に対応して2つの加熱コイルを同心円状に配置した場合を説明するが、本発明はこれに限るものではない。例えばそれぞれ径の異なる3つ以上の加熱コイルを同心円状に配置するようにしても良い。
また、本実施の形態1では、右加熱口2に対応して複数の加熱コイルを配置した場合を説明するが本発明はこれに限るものではない。例えば中央加熱口4、左加熱口3の何れかまたは全てについて複数の加熱コイルを配置するようにしても良い。
加熱コイル5を構成する主コイル5aおよび補助コイル5bは、それぞれ別の駆動回路9および10に接続されている。
また、主コイル5aおよび補助コイル5bには、それぞれ共振コンデンサ(図示せず)が接続されている。
駆動回路9、10は、ハーフブリッジ方式もしくはフルブリッジ方式の周波数制御型インバータにより構成される。
駆動回路9は、主コイル5aに高周波電流を流して高周波電力を供給(出力)する。
駆動回路10は、補助コイル5bに高周波電流を流して高周波電力を供給(出力)する。
電力検知手段11は、駆動回路9および10の出力電力をそれぞれ検知する。すなわち、電力検知手段11は、主コイル5aおよび補助コイル5bにより鍋などの被加熱物に投入される電力を個別に検知し、検知結果を制御回路13に出力する。
この負荷検知手段12は、例えば駆動回路9、10から主コイル5a、補助コイル5bに供給された電流をそれぞれ検知して、主コイル5a、補助コイル5bの上方に被加熱物が載置されているか否かを検出する。
なお、負荷検知手段12の検知方法はこれに限るものではなく、任意の検知方法を用いることができる。例えば各加熱コイル間に照度センサ等を設け、照度センサ等の検知結果により各加熱コイルの上方に被加熱物が載置されているか否かを検出するようにしても良い。
なお、「制御回路13」は、本実施の形態における「制御手段」に相当する。
図4(A)に示すように、主コイル5aと同等程度の直径を有する被加熱物20が載置された場合、主コイル5aのみが被加熱物20によって覆われることとなる。
操作・表示部8の操作によって加熱開始指示が使用者から入力されると、負荷検知手段12は、負荷検知動作を開始する。
補助コイル5bが覆われないような小径の被加熱物20の場合、負荷検知手段12は、主コイル5aの上方には被加熱物が載置されている(負荷有り)と判断し、補助コイル5bの上方には被加熱物が載置されていない(負荷無し)と判断する。
制御回路13は、負荷検知手段12からの検知結果に基づき、上方に被加熱物が載置された主コイル5aの駆動回路9を駆動させ、被加熱物が載置されていない補助コイル5bの駆動回路10の加熱動作を行わない(動作停止状態)。
操作・表示部8の操作によって加熱開始指示が使用者から入力されると、負荷検知手段12は、負荷検知動作を開始する。
主コイル5aと補助コイル5bとが共に覆われる被加熱物21の場合、負荷検知手段12は、主コイル5aと補助コイル5bとの両方の上方に被加熱物が載置されている(負荷有り)と判断する。制御回路13は、負荷検知手段12からの検知結果に基づき、上方に被加熱物が載置された主コイル5aの駆動回路9と補助コイル5bの駆動回路10をそれぞれ駆動させる。
また、駆動回路9と駆動回路10とを交互に駆動させるようにしても良い。
このような制御の詳細を次に説明する。
ここでは、例えば駆動回路9の電力制御について説明する。
図5において、14は駆動回路9の駆動周波数と出力電力との関係を示す曲線である。
fr1は主コイル5aを単独で駆動した場合の共振周波数(共振のピーク)である。
また図5において、15は駆動周波数が共振周波数fr1より高い遅相領域を示し、16は駆動周波数が共振周波数fr1より低い進相領域を示している。
また、駆動回路9は、予め駆動周波数の範囲が設定されており、faは駆動周波数の範囲の下限、fbは駆動周波数の範囲の上限である。
制御回路13は、駆動開始時には、上限fbの駆動周波数により駆動回路9を動作させる。
そして、制御回路13は、電力検知手段11で検知された駆動回路9の出力電力が、目標出力電力Paとなるまで、駆動周波数を上限fbから徐々に下げていく。
電力検知手段11で検知された駆動回路9の出力電力が、目標出力電力Paとなった場合、目標出力電力Paとなる駆動周波数fsを維持させる。
制御回路13は、電力検知手段11で検知された駆動回路9の出力電力が、変更後の目標出力電力Pbとなるまで駆動周波数を下げる制御を行う。
このように、通常の電力制御においては、遅相領域15で駆動周波数を変動させることで駆動回路9の出力電力を変動制御する。
進相領域16においては、図5に示すように、駆動回路9の駆動周波数と出力電力の関係は、遅相領域15とは逆の関係になる。このため、進相領域16で動作している状態では、遅相領域15と同じ制御方法で制御をすることができない。
また、進相領域16で駆動回路9を動作させると、駆動回路9を構成しているスイッチング素子の損失が大きくなり、前記スイッチング素子の破壊に至ることがある。
本実施の形態では、主コイル5aと補助コイル5bとが同心円状に近接して配置されているため、補助コイル5bから発生した磁界が主コイル5aのループ内に進入する。
このため、補助コイル5bの通電状態により、主コイル5aから見た被加熱物のインダクタンスが変化して、式(1)で表される共振周波数が変動する。
図6において、14および14’は駆動回路9の駆動周波数と出力電力との関係を示す曲線であり、14は主コイル5aを単独駆動した状態を示し、14’は主コイル5aと補助コイル5bとを同時に駆動した状態を示している。
このため、主コイル5aを単独駆動した状態から、主コイル5aと補助コイル5bとを同時に駆動した状態に移行した場合、図6に示すように、曲線14の共振周波数fr1は曲線14’の共振周波数fr2に上昇する。
このような動作の詳細を次に説明する。
これにより、駆動回路9の駆動周波数は進相領域16から抜け出して、共振周波数fr2より高い遅相領域15の周波数とすることができる。
以降、駆動回路9の出力電力が設定された火力に相当する電力となるように、電力検知手段11の検知結果に基づき電力フィードバック制御を行う。
このため、複数の加熱コイルを備える構成において、個々の加熱コイルを駆動する駆動回路の駆動周波数が共振周波数より高い遅相領域の周波数となるように制御することができる。
また、複数の加熱コイルの電力制御を、それぞれ遅相領域の駆動周波数で行うことができる。
また、進相領域での駆動を検知した場合、駆動周波数が遅相領域の周波数となるように駆動回路を制御するため、駆動回路のスイッチング素子の損失が大きい進相領域での駆動を行わないよう制御することができ、また、駆動回路を構成するスイッチング素子の破損を抑制することができる。
また、複数の加熱コイル間の磁界の影響により個々の加熱コイルの共振特性が変化しやすい構成であっても、進相領域の周波数での駆動を防止することができる。
このため、各駆動回路の出力電力の検知結果に基づいて、各駆動回路の駆動周波数が進相領域の周波数であるか否かを検知することができる。また、複数の加熱コイルを備える構成において、各駆動回路の駆動周波数が遅相領域となるようにそれぞれ個別に制御することが可能となる。
このため、駆動回路のスイッチング素子の損失が大きい進相領域での駆動を行わないよう制御することができ、また、駆動回路を構成するスイッチング素子の破損を抑制することができる。
このため、同一加熱口に近接して設けられた複数の加熱コイルの電力を、個別に制御することができる。
このため、被加熱物が載置されていない加熱コイルには通電を行わないため、効率の良い加熱を行うことができる。
また、被加熱物の載置状態に応じて各加熱コイルの通電状態が変化して、加熱コイルの共振特性が変化しやすい場合であっても、駆動周波数が遅相領域の周波数とすることができる。
本実施の形態2では、複数の加熱コイルを同時に駆動した場合に生じる干渉音を抑制する形態について説明する。
なお、本実施の形態2の構成および電力制御動作は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
本実施の形態2において、駆動回路10の下限の駆動周波数が、駆動回路9の上限の駆動周波数より、可聴周波数以上高く設定されている。
例えば、主コイル5aを駆動する駆動回路9は、駆動周波数の範囲が20kHzから40kHzの範囲に設定し、補助コイル5bを駆動する駆動回路10は、駆動周波数の範囲が55kHzから80kHzの範囲に設定する。つまり、駆動回路10の下限の駆動周波数が、駆動回路9の上限の駆動周波数より、15kHz高く設定されている。
ここで、15kHz以上とするのは、一般に、人間の可聴周波数域は20kHz以下とされるが、15kHz以上の周波数であれば大半の人が聞き取ることができないとされているからである。
このワイドバンドギャップ半導体としては、これに限らず、例えば窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドなどでも良い。
また耐熱性も高いため、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化が可能であるので、半導体モジュールの一層の小型化が可能になる。
さらに、電力損失が低いため、スイッチング素子の高効率化が可能であり、延いては半導体モジュールの高効率化が可能になる。
このため、複数の加熱コイルのうちの一部の加熱コイルから放射された磁束が、他の加熱コイルへ誘導されても、その周波数の差が可聴周波数範囲以上であるため使用者には干渉音として認識されず、干渉音の発生を抑制することが可能である。よって、複数の加熱コイルを同時に誘導加熱させる場合に、干渉音の発生を抑制することができる。
このため、動作周波数を可聴周波数以上高く駆動した場合であっても、従来のシリコンベースの半導体素子(IGBT)で構成した場合に比べて、より高い周波数での駆動が容易になるため、干渉音抑制のため他の駆動回路との動作周波数差をつけやすく容易に干渉音対策が可能となる。
また、ワイドバンドギャップ半導体を用いることにより、高効率・低損失な駆動回路とすることが可能になり、放熱構造の簡素化や誘導加熱調理器内の冷却装置小型化が可能になるという効果を奏する。
このようにワイドバンドギャップ半導体を用いた任意の駆動回路について、高効率・低損失な駆動回路とすることが可能になり、放熱構造の簡素化や誘導加熱調理器内の冷却装置小型化が可能になるという効果を奏する。
上記実施の形態1では、右加熱口2に主コイル5aおよび補助コイル5bを同心円状に配置した場合の電力制御について説明した。
本実施の形態3では、右加熱口2を構成する加熱コイルの配置が別の配置の場合の形態について説明する。
図7に示すように、本実施の形態3では、右加熱口2の下方に配置された加熱コイル5は、加熱口の中央部に配置された主コイル5aと、その周囲に配置された6個の補助コイル5b1〜5b6とにより構成されている。すなわち、主コイル5aおよび補助コイル5b1〜5b6はそれぞれ円心位置が互いに異なるように配置されている。
主コイル5aは、補助コイル5b1〜5b6より直径の大きい円形コイルである。補助コイル5b1〜5b6は、主コイル5aより直径の小さい円形コイルである。
また、主コイル5aに対応した駆動回路9と、補助コイル5b1〜5b6にそれぞれ対応する駆動回路10(b1〜b6)とを備えている。
また、主コイル5aおよび補助コイル5b1〜5b6には、それぞれ共振コンデンサ(図示せず)が接続されている。
負荷検知手段12は、主コイル5aおよび補助コイル5b1〜5b6のそれぞれの上方に、鍋などの被加熱物が載置されているか否かを検出し、検知結果を制御回路13に出力する。
なお、その他の構成については上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
以下の説明では、図8に示すように右加熱口2には楕円の被加熱物22(鍋)が載置されているものとする。
制御回路13は、負荷検知手段12からの検知結果に基づき、上方に被加熱物が載置された主コイル5aの駆動回路9と補助コイル5b1〜5b4の駆動回路10(b1〜b4)を駆動させ、被加熱物が載置されていない補助コイル5b5、5b6の駆動回路10(b5、b6)の加熱動作を行わない(動作停止状態)。
例えば、主コイル5aを駆動する駆動回路9は、駆動周波数の範囲が20kHzから40kHzの範囲に設定し、補助コイル5b1〜5b6を駆動する駆動回路10(b1〜b6)は、駆動周波数の範囲が55kHzから80kHzの範囲に設定する。つまり、駆動回路10(b1〜b6)の下限の駆動周波数が、駆動回路9の上限の駆動周波数より、15kHz高く設定されている。
このとき制御回路13は、補助コイル5b1〜5b6を駆動する駆動回路10(b1〜b6)の駆動周波数を同一に制御する。
なお、駆動回路10(b1〜b6)の電力制御について、駆動周波数の増減による電力制御と、デューティ比の増減による電力制御とを併用して電力フィードバック制御を行うようにしても良い。
このように、近接する加熱コイルの駆動周波数を同一に制御することで、近接する加熱コイルを同時に駆動した場合に生じる干渉音の発生を抑制することができる。
なお、進相領域16の周波数であるか否かの検知の動作は、上記実施の形態1と同様である。
また、1つの加熱口に対し、複数の加熱コイルが、円心位置が互いに異なるように配置されているので、被加熱物の載置状態に適した効率の良い加熱を行うことができる。
このため、主コイル5aと補助コイル5b1〜5b6との間で発生する干渉音を使用者に聞こえにくくすることができる。
以上の実施の形態1から3では、駆動回路9、10の出力電力が目標出力電力に対してある程度離れた状態にある場合に、動作周波数が進相領域にあることを検知して遅相領域に戻す動作について説明した。
本実施の形態4では、駆動回路9、10の出力電力が目標出力電力(目標電力)近傍にある場合に、動作周波数が進相領域16にあることを検知して遅相領域15に戻す形態について説明する。
なお、本実施の形態4の構成および目標電力に到達するまでの電力制御動作は実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
図9において、14および14’は駆動回路9の駆動周波数と出力電力との関係を示す曲線であり、14は主コイル5aを単独駆動した状態を示し、14’は主コイル5aと補助コイル5bとを同時に駆動した状態を示している。
また、fr1は主コイル5aを単独で駆動した場合の共振周波数、fr2は主コイル5aと補助コイル5bとを同時に駆動した場合の共振周波数、fsは駆動回路9の駆動周波数を示す。また、Pcは駆動回路9の目標電力、P1は駆動回路9を駆動周波数fsで駆動した際の出力電力を示す。
そのため、前述のようなケースでは、制御回路13は進相領域16での駆動を検知することができず、駆動回路9は進相領域16での駆動を継続することとなる。進相領域16での駆動はスイッチング素子の発熱が大きいため、進相領域16での駆動が継続すると、スイッチング素子の破損を引き起こしてしまうことがある。
このような動作の詳細を次に説明する。
図10において、fpは駆動回路9の出力電力P1が目標電力Pc近傍となった駆動周波数、fkは予め定められた一定値である。
制御回路13は、駆動回路9を出力電力P1が目標電力Pcとなるように電力フィードバック制御する。
そして、制御回路13は、駆動回路9の出力電力P1が目標電力Pc近傍となり、駆動周波数fpでの駆動状態が一定期間Ta継続した場合、一定期間Tbの間、当該駆動周波数fpを一定値fkだけ上昇させる。このように、本実施の形態4における制御回路13は、駆動周波数fpで一定期間Ta駆動する動作と、駆動周波数fp+fkで一定期間Tb駆動する動作とを交互に繰り返す制御を行う。
つまり、制御回路13は、駆動回路9の出力電力P1が目標電力Pcとなっても、駆動周波数fsを駆動周波数fcで維持することなく、意図的に一定間隔で変動させるよう制御を行う。
なお、「一定期間Tb」は、本発明における「第2の所定期間」に相当する。
なお、「一定値fk」は、本発明における「所定の周波数」に相当する。
また、制御回路13は、駆動回路9の駆動周波数が進相領域16にある場合、駆動回路9の動作を停止させた後、駆動周波数の範囲の上限fbの駆動周波数により、当該駆動回路9を動作させる。
これにより、駆動回路9の駆動周波数は進相領域16から抜け出して、共振周波数fr2より高い遅相領域15の周波数とすることができる。
以降、駆動回路9の出力電力が設定された火力に相当する電力となるように、電力検知手段11の検知結果に基づき電力フィードバック制御を行う。
図11において、上段は駆動回路9の駆動周波数を示し、下段は駆動回路10の駆動周波数を示している。
図11において、fpは駆動回路9の出力電力が目標電力近傍となった駆動周波数、fp’は駆動回路10の出力電力が目標電力近傍となった駆動周波数、fkは予め定められた一定値である。
制御回路13は、駆動回路9および駆動回路10をそれぞれの目標電力となるように電力フィードバック制御する。
そして、制御回路13は、駆動回路9の出力電力が目標電力近傍となり、駆動周波数fpでの駆動状態が一定期間Ta継続した場合、一定期間Tbの間、当該駆動周波数fpを一定値fkだけ上昇させる。また、制御回路13は、駆動回路10の出力電力が目標電力近傍となり、駆動周波数fp’での駆動状態が一定期間Ta継続した場合、一定期間Tbの間、当該駆動周波数fp’を一定値fkだけ上昇させる。
このとき制御回路13は、図11に示すように、駆動回路9と駆動回路10の一定期間Taおよび一定期間Tbが同期するように制御する。このように駆動周波数を上昇させる一定期間Tbは、同一の加熱口に備えられた加熱コイルの駆動回路間で同期させるよう制御を行う。
このため、1つの加熱口に配置された加熱コイルを駆動する駆動回路では、上記周波数の変動期間(Ta、Tb)をそれぞれの駆動回路間で同期させることにより加熱コイル間で発生する干渉音を抑制する。
このため、進相領域16に移行した際の駆動回路の出力電力が目標電力近傍の場合でも、進相領域16での駆動を検知することができる。
また、進相領域16の周波数である場合、当該駆動周波数が共振周波数より高い遅相領域15の周波数となるように駆動回路9、10を制御することで、駆動回路のスイッチング素子の損失が大きい進相領域16での駆動を行わないよう制御することができる。よって、駆動回路を構成するスイッチング素子の破損を抑制することができる。
このため、設定火力が大きく逸脱した電力とならず、使用者が火力の変動を感じないようにすることができる。
このため、複数の駆動回路において駆動周波数を変動させる場合であっても、駆動周波数の差分に相当する干渉音の発生を抑制することができる。
Claims (15)
- 被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、前記被加熱物を誘導加熱する複数の加熱コイルと、
前記各加熱コイル毎に設けられ、それぞれ前記加熱コイルに接続された共振コンデンサと、
前記各加熱コイル毎に設けられ、それぞれ前記加熱コイルに高周波電力を出力する駆動回路と、
前記各駆動回路の出力電力をそれぞれ検知する電力検知手段と、
前記電力検知手段の検知結果に基づき前記駆動回路の駆動周波数を上昇または低下させ、前記各駆動回路の出力電力をそれぞれ制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記駆動回路の駆動周波数を上昇または低下させた際の前記出力電圧の増減に基づき、当該駆動周波数が、共振周波数より低い進相領域の周波数であるか否かを検知し、
進相領域の周波数である場合、当該駆動周波数が共振周波数より高い遅相領域の周波数となるように前記駆動回路を制御する
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記駆動回路の駆動周波数を上昇させた際、前記出力電力が増加した場合、または、前記駆動回路の駆動周波数を低下させた際、前記出力電力が減少した場合、
当該駆動回路の駆動周波数が前記進相領域の周波数であると検知する
ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 前記駆動回路は、予め駆動周波数の範囲が設定され、
前記制御手段は、
前記駆動回路の駆動周波数が進相領域の周波数である場合、
当該駆動回路の動作を停止させた後、前記駆動周波数の範囲の上限の駆動周波数により当該駆動回路を動作させ、
前記電力検知手段の検知結果に基づき前記駆動回路の駆動周波数を制御する
ことを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。 - 前記トッププレートに形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口を備え、
1つの前記加熱口に対し、径の異なる複数の前記加熱コイルが同心円状に配置された
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記トッププレートに形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口を備え、
1つの前記加熱口に対し、複数の前記加熱コイルが、円心位置が互いに異なるように配置された
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記各加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置されているか否かを検出する負荷検知手段を備え、
前記制御手段は、
前記負荷検知手段の検知結果に基づき、上方に前記被加熱物が載置された前記加熱コイルの前記駆動回路を動作させる
ことを特徴とする請求項4または5記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記駆動回路の出力電力が目標電力となるように、前記駆動回路の駆動周波数を上昇または低下させ、
前記駆動回路の出力電力と目標電力とが略一致し、前記駆動回路の駆動周波数が一定の状態が所定期間継続した場合、第2の所定期間の間、当該駆動周波数を上昇または低下させる
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記第2の所定期間の間、前記駆動周波数を所定の周波数だけ上昇または低下させる
ことを特徴とする請求項7記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
複数の前記駆動回路において、出力電力と目標電力とが一致した場合、
当該複数の駆動回路の前記所定期間および前記第2の所定期間が同期するように制御する
ことを特徴とする請求項7または8記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
1つの前記加熱口に配置された複数の前記加熱コイルのうち、少なくとも一部の加熱コイルの前記駆動回路の駆動周波数を同一に制御する
ことを特徴とする請求項4〜9の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 予め駆動周波数の範囲が設定された前記駆動回路のうち、少なくとも1つの駆動回路の下限の駆動周波数が、他の駆動回路の上限の駆動周波数より、可聴周波数以上高く設定された
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 予め駆動周波数の範囲が設定された前記駆動回路のうち、少なくとも1つの駆動回路の下限の駆動周波数が、他の駆動回路の上限の駆動周波数より、15kHz以上高く設定された
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記複数の駆動回路の少なくとも1つは、スイッチング素子およびダイオード素子の少なくとも一方が、ワイドバンドギャップ半導体により形成された
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記複数の駆動回路のうち、少なくとも、下限の駆動周波数が他の駆動回路の上限の駆動周波数より高く設定された前記駆動回路は、スイッチング素子およびダイオード素子の少なくとも一方が、ワイドバンドギャップ半導体により形成された
ことを特徴とする請求項11または12記載の誘導加熱調理器。 - 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドである
ことを特徴とする請求項13または14記載の誘導加熱調理器。
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