JP2012107119A - カーペット用軟質ポリウレタンフォーム - Google Patents

カーペット用軟質ポリウレタンフォーム Download PDF

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圭太 石橋
Hiroyuki Ito
浩幸 伊東
Naoya Yoshii
直哉 吉井
Yusuke Ibe
裕介 井邉
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Abstract

【課題】
接着性が良好であり、且つ、薄物のカーペットであっても底付き感を生じにくい十分な硬度を有するカーペット用軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】
ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)とポリオール成分(B)とを、触媒(C)、整泡剤(D)及び発泡剤(E)の存在下で混合して得られるカーペット用軟質ポリウレタンフォームであって、前記ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)が平均官能基数2.05〜2.30であり,
前記ポリオール成分(B)が、分子量2000〜8000である高分子量ポリオール(b1)と、架橋剤として分子量が60〜200かつ官能基数が2または3である活性水素基含有化合物(b2)、分子量が300〜400かつ公称平均官能基数が3である活性水素基含有化合物(b3)を含むことを特徴とする、カーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カーペット用途でフレームラミ加工ができる軟質ポリウレタンフォームに関するものである。更に詳しくは、製造した軟質ポリウレタンフォームと表皮材をフレームラミ加工により貼り合わせた際の接着性が良好であり、且つ、薄物のカーペットであっても底付き感を生じにくい十分な硬度を有する軟質ポリウレタンフォームに関するものである。
従来、軟質ポリウレタンフォームを製造する際の有機ポリイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネ−ト(以下TDIと略す)が広く使用されている。これはTDI系軟質ポリウレタンフォームが、一般に低密度化が可能であり、反発弾性率が高く、機械的強度が良好であることなどによる。しかしながら、TDIは蒸気圧が高くて揮発性が高いため、生産場所における作業者の健康への影響が懸念されるとともに、薄物であるカーペット用途では、底付き感を生じにくくするためにフォームを高硬度化する必要があり、TDI系の軟質ポリウレタンフォームでは十分に硬度を発現することができず、座り心地が悪い等の問題点がある。一方、有機ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)系イソシアネートを用いた軟質ポリウレタンフォームは近年広く知られているが、フレームラミ加工によるカーペットに適したフォームついては具体的な例は開示されていない。
これまで、TDI等のポリイソシアネートを用い、ポリオールの組成によってフレームラミ性を改善することを特徴とする特許(特許文献1)が出願されているが、薄物であるカーペット用途で座り心地の良い十分な硬度を有する軟質ポリウレタンフォームは未だ得られてない。
特許第4060612号
本発明は生産性、作業環境性に優れ、薄物であるカーペット用途であっても高硬度を有するため底付き感を生じにくく、フレームラミ性に優れた軟質ポリウレタンフォームを提供することを目的とした。
本発明者らは、上記の課題を解決することを目的として、フレームラミ性に優れ、薄物であっても座り心地のよい軟質ポリウレタンフォームを提供するため、軟質ポリウレタンフォームの主要原料である有機ポリイソシアネートやポリオールについて、また、発泡剤や整泡剤やその他の助剤について、あるいは重合条件や重合触媒について、さらには適正な密度と硬度範囲を持つ軟質ポリウレタンフォームを得ることなどについて、実験的な試行と多面的な考察を重ねた。
それらの過程において、上記の課題の解決のためには、1)MDI系イソシアネートを使用すること、2)特定の架橋剤を2種類以上使用すること,3)イソシアネートとポリオールの官能基数を制御する事により、高硬度でフレームラミネート加工による接着性が良好な軟質ポリウレタンフォームの製造を可能にした。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)に示されるものである。
(1) ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)とポリオール成分(B)とを、触媒(C)、整泡剤(D)及び発泡剤(E)の存在下で混合して得られるカーペット用軟質ポリウレタンフォームであって、前記ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)が平均官能基数2.05〜2.30であり,
前記ポリオール成分(B)が、分子量2000〜8000である高分子量ポリオール(b1)と、架橋剤として分子量が60〜200かつ官能基数が2または3である活性水素基含有化合物(b2)、分子量が300〜400かつ公称平均官能基数が3である活性水素基含有化合物(b3)を含むことを特徴とする、カーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
(2) ポリオール成分(B)の成分のうち、(b2)と(b3)の割合が、(b2)/(b3)=20/80〜50/50であることを特徴とする前記(1)に記載のカーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
(3) フォーム密度が40〜60kg/m3 、CSC2硬度が40〜80であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のカーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは有機ポリイソシアネートとして蒸気圧が低くて揮発性が低いMDIのみを使用しているため、作業環境が改善される。また、本発明の軟質ポリウレタンフォームを使用することにより、フレームラミ性が良好であるため表皮材への接着力が増加し、底付き感を生じにくく座り心地に優れたカーペットを提供することが可能となる。
本発明に用いられるジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)は、具体的には例えば、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2´−ジフェニルメタンジイソシアネートのモノメリックMDI(2核体)、モノメリックMDIと3核体以上の各成分の混合物からなるポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下PMDIと略す)、これらのウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビュウレット変性体などの各種変性体も使用し得る。なお、特に、上記したモノメリックMDI、PMDIを用いるとにより良質の軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。本発明に用いられるジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)の平均官能基数は、2.05〜2.30の範囲であり、2.10〜2.20の範囲にあることが好ましい。平均官能基数が2.05未満だと、圧縮残留歪みの悪化や貯蔵安定性が悪化する等の問題が生じ、2.30を超えるとフレームラミ性が悪化する等の問題が生じる。また、モノメリックMDIの含有量は40〜70質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましい。40質量%未満だと得られる軟質ポリウレタンフォームの機械的強度が悪くなるといった問題が生じ、70質量%を超えると貯蔵安定性が悪くなるといった問題が生じる。
本発明にかかるポリオール成分(B)としては、分子量2,000〜8,000の高分子量ポリオール(b1)と架橋剤として分子量が50〜200、官能基数が2または3である活性水素基含有化合物(b2)と分子量が300〜400、官能基数が3である活性水素基含有化合物(b3)が挙げられる。
高分子量ポリオール(b1)としては、分子量が2,000〜8,000の公知のポリオールの1種又は2種以上のものが使用でき、例えば、(数平均)分子量700未満の低分子量ポリオール類、低分子量ポリアミン類、低分子量アミノアルコール類等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等を付加させて得られる公称平均官能基数が2〜4であるものが挙げられる。開始剤としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、かかる分子量が前記下限未満では得られる軟質ポリウレタンフォームの機械的強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると得られる軟質ポリウレタンフォームは十分な硬度を発現できない。公称平均官能基数が2未満ではフォームの成形を良好、且つ安定して行うことができないといった問題が生じ、4を超えると得られる軟質ポリウレタンフォームは十分な柔軟性を発現できないといった問題が生じる。なお、「公称平均官能基数」とは、ポリオールを得る際に用いられる開始剤の(数平均)官能基数をいう。
また、硬さ調整を目的として、ポリオール中でビニル系モノマーを通常の方法で重合せしめて製造したポリマーポリオールを更に併用することができる。このようなポリマーポリオールとしては、前記と同様のポリエーテルポリオールを用い、ラジカル開始剤の存在下でビニル系モノマーを重合させ、安定分散させたものが挙げられる。また、ビニル系モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル、メタアクリレート、アルキルメタアクリレートが挙げられ、中でもアクリロニトリル、スチレンが好ましい。このようなポリマーポリオールの具体例としては、旭硝子ウレタン社製のEL−910、EL−923、三洋化成工業社製のFA−728R等が挙げられる。
架橋剤(b2)としては、分子量が60〜200かつ官能基数が2又は3である1種又は2種以上のものを使用する。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。架橋剤(b2)の分子量が200を超える場合に得られるポリウレタンフォームは十分な硬度を発現できない。また、官能基数が2又は3以外だとフレームラミ加工時の接着性が悪くなるといった問題が生じる。
架橋剤(b3)としては、分子量が300〜400かつ公称平均官能基数が3である1種又は2種以上のものを使用する。グリセリンを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させて得られるものが挙げられる。架橋剤(b3)の分子量が300未満の場合に得られるポリウレタンフォームは独泡が強くシュリンクしやすくなり、分子量が400を超える場合に得られるポリウレタンフォームは十分な硬度を発現できない。また、公称平均官能基数が3以外だとフレームラミ加工時の接着性が悪くなるといった問題が生じる。
ポリオール成分(B)の成分のうち、(b2)と(b3)の割合は、(b2)/(b3)=20/80〜50/50が好ましく、(b2)/(b3)=20/80〜45/55であることがより好ましい。(b2)の割合が上限を超えるとスコーチが生じるといった問題が発生し、(b2)の割合が下限を超えると硬度が十分に発現しないといった問題が生じる。
触媒(C)としては当該分野において公知である各種ウレタン化触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N′,N′, N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUと略す)、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応性アミン、又は、これらの有機酸塩、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。フォームの成形を良好、且つ安定して行うために触媒(C)の好ましい添加量は、ポリオール成分(B)に対して、0.01〜10質量%である。
整泡剤(D)としては当該分野において公知である有機珪素系界面活性剤が使用可能であり、例えば、エボニック社製のB−8742LF2、B−8737LF2、B−8724LF2、B−8715LF2、モメンティブ社製のL−5309、L−3151、Y−10366、L−3622、L3620、L−3630、L−3640、東レ・ダウコーニング社製のSH−192、SH−190、SRX−280A、SRX−274C、SF−2962、SF−2964、エアープロダクツ社製のDC−5169、DC−193、信越化学工業社製のF−122、F−220、F−341等が挙げられる。フォームの成形を良好、且つ安定して行うために整泡剤(D)の好ましい添加量は、ポリオール成分(B)に対して、0.1〜10質量%である。
発泡剤(E)としては、イソシアネート基と水との反応で発生する炭酸ガスを用いることができるが、付加的に少量のシクロペンタンやノルマルペンタン、イソペンタン、HFC−245fa等の低沸点有機化合物を併用することや、ガスローディング装置を用いて原液中に空気、窒素ガス、液化二酸化炭素等を混入溶解させて成形することもできる。本発明の好ましい発泡剤は水である。発泡剤(E)の好ましい添加量は得られる製品の設定密度によるが、通常、ポリオール成分(B)に対して、0.5〜15質量%である。
上記(A)〜(E)の他に、添加剤として、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を使用することができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素基を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームを製造するに際しては、通常の軟質ポリウレタンスラブフォームの場合と同様、低圧発泡機等を用いて、上記各成分を混合することができる。スラブフォームの製造方法は、原料混合用として当業界で公知のローター回転式又は、高圧衝突混合式の混合ヘッドを有する多成分型の発泡機を用い、ヘッドにて全ての成分を混合した後、混合液を発泡用容器又は連続的にベルトコンベア上に供給して発泡する方法、又はバッチ式の混合槽で全ての成分を混合した後、発泡用容器にこれを流し込んで発泡する、バッチブロックと呼ばれる方法が挙げられる。ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は必要に応じてポリイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することが一般的であり、それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留し必要量を適宜使用してもよい。その他の成分の混合は必要に応じて適宜その混合の組み合わせ、混合順序、混合後の貯留時間等を決定することができる。低圧発泡機を用いる場合には、2種を超える成分の混合が可能であるため、ポリオール系、発泡剤系、ポリイソシアネート系等に分割して混合することもできる。
また、混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。発泡直前で実施される混合や物理発泡剤等のガス状成分と液状成分の混合はスタティックミキシングで、貯留可能成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。
イソシアネートインデックス(イソシアネート基/活性水素基×100)は50〜150、好ましくは70〜130の範囲である。範囲以外ではキュア性が悪くなるなど成形性が悪化する問題が生じる。混合液はその後、所定の金型に注入され又はコンベアー上に吐出され、発泡・硬化して軟質ポリウレタンフォームが製造される。その際に硬化を均一に、かつ十分な発泡倍率を得るために、金型は30〜80℃の範囲で調節されていることや、コンベアーの進路上に30〜80℃に調整されたオーブンが設置されていることが望ましい。脱型時間は短い方が生産効率の面から好ましく、本発明では注入後3〜8分間で脱型できるが、不良率削減のために生産設備の条件に適した脱型時間を任意に設定することもできる。脱型後の製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮又は減圧下でセルを破壊し、製品の外観、寸法を安定化させることもできる。
本願発明により得られる軟質ポリウレタンフォームはフォーム密度が40〜60kg/m3 、CSC2硬度(アスカーゴム硬度計CSC2型を使用して測定した硬度)が40〜80であるため、底付き感が少ないカーペット用軟質ポリウレタンフォームを得ることが可能となる。フォーム密度及びCSC2硬度が上記範囲外だと底付き感を生じる等により、座り心地が悪くなるといった問題が生じる。
本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において、「部」は全て「質量部」を意味し、「%」は全て「質量%」を意味する。
(ポリオールプレミックスの調整)
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール成分(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、発泡剤(E)をそれぞれ、表1〜3に記載した量仕込み、均一に混合した。
(イソシアネートの調整)
[合成例1] 攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、モノメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24M)を529g、三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−703を112g,三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−103を106g仕込み、これらを撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行った。その後、この反応液中にPMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24MR)273gを加え30分攪拌させた後,反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP−508)0.1gを添加し、50℃で1時間停止反応を行った。
この反応により、NCO含量25.0質量%、平均官能基数=2.14のポリイソシアネート「a−1」を得た。
[合成例2]
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、モノメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24M)を332g、三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−703を112g,三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−103を106g仕込み、これらを撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行った。その後、この反応液中にPMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24MR)533gを加え30分攪拌させた後,反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP−508)0.1gを添加し、50℃で1時間停止反応を行った。この反応により、NCO含量25.0質量%、平均官能基数=2.30のポリイソシアネート「a−3」を得た。
[合成例3]
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、モノメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24M)を719g、三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−703を112g,三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−103を106g仕込み、これらを撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行った。その後,反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP−508)0.1gを添加し、50℃で1時間停止反応を行った。この反応により、NCO含量25.0質量%、平均官能基数=2.02のポリイソシアネート「a−4」を得た。
[合成例4]
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、モノメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24M)を167g、三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−703を112g,三洋化成工業株式会社製サンニックスFA−103を106g仕込み、これらを撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行った。その後、この反応液中にPMDI(日本ポリウレタン工業社製:MF−24MR)760gを加え30分攪拌させた後,反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP−508)0.1gを添加し、50℃で1時間停止反応を行った。この反応により、NCO含量25.0質量%、平均官能基数=2.50のポリイソシアネート「a−5」を得た。
ポリイソシアネートの平均官能基数は、GPC測定による数平均分子量から求めた。測定機器、測定条件については以
下に示す。
測定機器:HLC−8220(GPC、東ソー製)
測定条件:カラム TSKgel G3000HXL ×TSKgel G2000HX

× G1000HXL(3本)
THF流速 1.000ml/min
検出機 RI
測定温度 40℃(カラムオーブン、インジェクション、検出機)
検量線 ポリスチレン

官能基数の計算方法 NCO含量/4.2/1000×数平均分子量
実施例1〜9,比較例1〜15
(フリー発泡)
表1〜3に示した原料のうち、ポリイソシアネート化合物以外の全原料の混合物(ポリオールプレミックス)の液温を25℃±1℃に調整し、ポリイソシアネート化合物を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにポリイソシアネート化合物を所定量加えて、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し、室温状態で上部が開放になっている縦250mm、横250mm、高さ250mmで内部にビニールシートを敷きつめたアクリルボックスに注入し、得られた軟質ポリウレタンフォームの物性を測定した。
Figure 2012107119
Figure 2012107119
Figure 2012107119
[使用原料]
<ポリオール成分>
ポリオールP−1:公称平均官能基数=3.0、平均分子量=5000、水酸基価=34(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
ポリオールP−2:公称平均官能基数=3.0、平均分子量=6000、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
ポリオールP−3:公称平均官能基数=3.0、平均分子量=3000、水酸基価=56(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
<ポリイソシアネート成分>
ポリイソシアネートa−1:NCO含量=25.0%、平均官能基数=2.14のMDI系ポリイソシアネート
ポリイソシアネートa−2:TDI系イソシアネート、日本ポリウレタン工業株式会社製T−80
ポリイソシアネートa−3:NCO含量=25.0%、平均官能基数=2.30のMDI系ポリイソシアネート
ポリイソシアネートa−4:NCO含量=25.0%、平均官能基数=2.02のMDI系ポリイソシアネート
ポリイソシアネートa−5:NCO含量=25.0%、平均官能基数=2.50のMDI系ポリイソシアネート
<触媒>
触媒c−1:トリエチレンジアミンのセバシン酸塩、60%エチレングリコール溶液、東ソー株式会社製TOYOCAT−NCT
触媒c−2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー株式会社製TOYOCAT−ET
触媒c−3:エアープロダクツジャパン株式会社製T−9
<整泡剤>
整泡剤d−1:シリコーン系整泡剤、エボニック デグサ ジャパン株式会社製B−8737LF2
整泡剤d−2:シリコーン系整泡剤、東レダウコーニング社製SRX−280A
[成形性]
表中、成形性「○」の評価は以下に示すように現象が生じることなくフォームが成形できることを意味する。
陥没:生成したフォームが最高の高さに達した後に大きく沈んでいく状態。
シュリンク:生成したフォームが発泡直後またはキュア後に収縮する現象。
スコーチ:フォーム内部と特に中央部が、黄・褐色となり焼ける状態。
[ポリウレタンフォームの物性の測定方法]
密度についてはJIS K7222、25%CLDについては、JIS K6400−2,圧縮残留ひずみについては,JIS K6400−4に準じて測定を行った。
[接着性]
接着性は以下に示すフレームラミ試験でポリウレタンフォームとポリエステル製の表皮材を接着させた後、手で引き剥がすことにより評価を行った。接着性は5段階の官能評価(1:悪い→5:良い)で行った。
[フレームラミ試験の試験方法]
各ポリウレタンフォームより、フォーム片(長さ100mm:、幅50mm、厚み6mm)を切り取り、各フォーム片をガス流量110ml/minに調整したガスバーナーの炎の先端から3cm離したところに12秒間放置し表面を溶融させた後、溶融面に表皮材を重ね合わせ、直ぐに18kgの重りを載せて40秒間圧着させた。
参考例1にはTDI系ベースの軟質ポリウレタンフォームの代表例を示す。実施例及び比較例にMDI系フォームの特性を示すが、高分子量ポリオール(b1)を使用しなかった場合(比較例2、6)及び、架橋剤(b2)を使用しなかった場合(比較例3、7)には生成したフォームはシュリンクし、架橋剤(b3)を使用しなかった場合には、フォームの硬度を十分発現させようとするとフォームが陥没する結果となった(比較例4、5、8、9)。またイソシアネートの平均官能基数が2.02の場合には圧縮残留歪みが悪化し(比較例10、11、12、13),イソシアネートの平均官能基数が2.50の場合には接着性が悪化する結果となった(比較例14、15)。

Claims (3)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)とポリオール成分(B)とを、触媒(C)、整泡剤(D)及び発泡剤(E)の存在下で混合して得られるカーペット用軟質ポリウレタンフォームであって、前記ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート(A)が平均官能基数2.05〜2.30であり,
    前記ポリオール成分(B)が、分子量2,000〜8,000である高分子量ポリオール(b1)と、架橋剤として分子量が60〜200かつ官能基数が2または3である活性水素基含有化合物(b2)、分子量が300〜400かつ公称平均官能基数が3である活性水素基含有化合物(b3)を含むことを特徴とする、カーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
  2. ポリオール成分(B)の成分のうち、(b2)と(b3)の割合が、(b2)/(b3)=20/80〜50/50であることを特徴とする請求項1に記載のカーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
  3. フォーム密度が40〜60kg/m3 、CSC2硬度が40〜80であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のカーペット用軟質ポリウレタンフォーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104927020A (zh) * 2014-03-21 2015-09-23 现代自动车株式会社 用于火焰复合的阻燃块状聚氨酯泡沫组合物

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