JP2012106331A - 非接触吸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コアンダ効果を活用し、吸着面の全周にわたり高速空気流を包囲することにより、効率的な吸着面を形成する。
【解決手段】ワーク表面と一定の間隙を介して対向する底面を有するとともに、その中央部に該底面に向けて拡開する開口部が形成された本体と、この開口部の内部に配設された中間部材とを有し、中間部材の底面が、開口部の底面より上方に位置して、開口部の内周面との間で全周にわたりスリットを形成する。このスリットを介して、開口部の内周面に沿い、その底面の外周縁の全周に向けて空気を噴出させ、コアンダ効果により、該外周縁の全周から本体の底面に沿って、外周に向かう高速空気流を形成して、中間部材の底面とワークの表面との間で形成される空間を、その全周にわたり包囲して、中間部材の底面を吸着面とする。
【選択図】図3

Description

半導体製造や液晶パネル製作の現場で、ワークを非接触で吸着して搬送する非接触吸着装置に関する。
最近の半導体製造工程や液晶製造工程において、ワークを吸着して次の製造工程へ搬送する際、真空吸着によるものが最も一般的であるが、吸着部がワークに直接接触するため、ワーク表面に損傷を与える可能性が高い。
そこで、こうした製造工程においては、吸着部がワークに直接接触することのない、非接触吸着装置を採用することが主流である。
こうした非接触吸着装置として、下記特許文献1ないし3にみられるように、吸着面との間に高速の空気流を形成し、負圧を発生させ、この負圧により、ワークの吸着を行うベルヌーイ法が広く知られている。
なお、ベルヌーイ法のほか、吸着面の間に渦を作り、これにより、ワークとの間に負圧を発生させて吸着するボルテックス法も知られている。
特開2008−284671号公報 特開2007−329375号公報 特開2006−114640号公報
ここで、上記特許文献1のものを例にすると、図1にみられるように、本体dには、ワークcに向けて拡開するテーパ部gを設け、テーパ部gの内部に、その底面が本体dの底面と略同一平面を形成するバルブ形状のスタッド部eを設けている。
これにより、本体dの底面には、テーパ部gの内周とスタッド部eの外周との間に隙間が形成され、テーパ部gの上方から、圧縮空気aを供給すると、圧縮空気aは、この隙間からワークcの外周に向けて噴出することになる。噴出された圧縮空気aは、本体dの底面とワークcの表面の間に高速空気流を形成し、ベルヌーイの原理で発生する負圧により、ワークcの非接触吸着を実現している。
しかし、このようなベルヌーイ法による吸着は非常に効率が悪く、十分な吸着力を発生させるために、圧縮空気aの圧力を非常に高いものとする必要があり、大容量のポンプが必要となりコストアップを招くとともに、騒音レベルも非常に高い。
さらに、テーパ部gの内周とスタッド部eの外周との間に隙間から、本体d底面の外周縁までの面積が、ベルヌーイの原理により発生する負圧による吸着面として作用することから、吸着面を確保するため、本体dを大型化せざるを得ず、小さなワークの吸着が困難である。
そこで、本発明は、このような課題を解決するため、コアンダ効果を活用し、吸着面の全周にわたり高速空気流を包囲することにより、効率的な吸着面を形成することを目的としている。
この目的を達成するため、より具体的には、本発明の非接触吸着装置は、ワーク表面と一定の間隙を介して対向する底面を有するとともに、その中央部に該底面に向けて拡開する開口部が形成された本体と、前記開口部の内部に配設された中間部材とを有し、該中間部材の端部底面の外周縁が、前記開口部の底面側外周縁より上方に位置して、前記開口部の内周面との間で全周にわたりスリットを形成し、前記開口部の上方から空気圧縮ポンプを介して供給された空気を、前記スリットを介して、前記開口部の内周面に沿い、その底面側の外周縁に向けて噴出させ、コアンダ効果により、該外周縁全周から前記本体の底面に沿って、外周に向かう高速空気流を形成して、前記中間部材の端部底面と前記ワークの表面との間で形成される空間を、その全周にわたり包囲することにより、該空間を負圧に維持し、前記中間部材の端部底面と前記ワークとの間に吸着空間を形成した。
また、上記の非接触吸着装置において、前記中間部材の外周面を、該中間部材の底面外縁が、前記開口部の内周面に徐々に近接するようにして、前記スリットに向けて空気通路を絞り、前記開口部の内周面に向けて高速の空気流を吹き付けるようにした。
さらに、前記本体に、前記開口部の底面側外周縁から底面に沿って外周に向かう高速空気流の噴出方向を変化させ、前記吸着空間の負圧を低減させて、前記ワークの吸着を解除する吸着解除装置を配設した。
本発明の非接触吸着装置によれば、中間部材の底面と前記ワークの表面との間で形成される空間を、コアンダ効果により、本体の底面外周縁の全周から底面に沿って、外周に向かう高速空気流で包囲することにより、少容量の空気ポンプでも、中間部材の底面とワークの間に形成される空間を吸着空間とすることができる。しかも、その外周に形成される高速空気流発生領域は、半径方向に必要最小限の幅を確保すればよいから、本体における開口部底面の外周縁と本体の底面外縁までの幅を小さくすることができ、非接触吸着装置をコンパクト化でき、例えば、ロボットハンドによる微細物品の吸着にも利用することが可能になり、また、吸着時に発生する騒音を大幅に低レベルにすることができる。
また、中間部材の外周面を、その底面外縁が、本体の開口部の内周面に徐々に近接するようにして、スリットに向けて空気通路を絞ることにより、空気流を高速化するとともに、本体の開口部の内周面に向けて吹き付けることになるので、コアンダ効果をより高めることができる。
さらに、前記開口部の底面側外周縁から底面に沿って外周に向かう高速空気流の噴出方向を変化させ、前記吸着空間の負圧を低減させて、前記ワークの吸着を解除する吸着解除装置を本体に設けることにより、ワークを搬送先の所定位置に位置決めする際、空気圧縮ポンプを停止させたり、空気圧縮ポンプから圧送される空気を遮断することなく、吸着解除を円滑かつ高レスポンスで行うことができる。
従来の非接触吸着装置を示す図。 実施例1の全体構成を示す図。 実施例1の要部拡大図を示す図。 実施例1の圧力分布を示す図。 実施例2のワーク表面における平均圧力分布、供給圧力に対する吸着力の変化を示す図。 実施例2の要部拡大図を示す図。 実施例2の動作を示す図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図2は、本発明の一実施例である非接触吸着装置の全体図を示し、本実施例では、本体1は略円筒形状をしており、上部部材1a、中央部材1b、下部部材1cの3つの部材からなり、これらが複数のボルト1dにより結合されて、本体1が構成される。
上部部材1a、中央部材1b、下部部材1cには、それぞれ空気供給通路が形成されており、これらがボルト1dで結合されることにより、上部部材1aの円筒状空間部から、軸方向に沿って大径円筒部、中央部材1bに形成された空気通路を経て、下部部材1cで円錐状に絞られ、さらに下部部材1cに形成された小径の円筒状空間部の下端から、本体1の底面に向けて略円錐状に拡開するテーパー状開口部2を備えている。なお、この実施例では、テーパー状開口部2は、平板状のワーク3の表面に対し水平な底面開口を形成する。
この空気通路には、上部部材1a上面に設けられた、周知のジョイント式パイプ脱着装置1eを介して、パイプ4が接続されており、このパイプ4には、圧力を一定にするためのアキュムレータ5を介して、空気圧縮ポンプ6に接続されている。
この空気通路の内部には、やはり軸方向に沿って断面が略円形の中間部材7が、同心軸上に中央部材1bの中央に取り付けられており、空気通路下方の小径の円筒上空間部をその中心軸に沿って延び、下端に向けて拡開する略円錐形状の端部7aが形成されている。
中間部材7の端部7a底面は、テーパー状開口部2の底面より上方に位置しており、その外周縁がテーパー状開口部2の内周面に対向している。なお、略円錐形状の端部底面7aも、テーパー状開口部2の底面開口と段差をもって、ワーク3に対し水平に位置し、後述するように、略円錐形状の端部7a底面がワーク3を保持する吸着面を構成することになる。
本実施例では、図3に示されるように、中間部材7の略円錐形状の端部7a外側面が、徐々にテーパー状開口部2の内周面に近接するようにしているので、空気圧縮ポンプ6から供給された空気は、テーパー状開口部2の内周面に向けて、徐々に絞られて高速化し、中間部材7の端部7a底面の外縁とテーパー状開口部2の内周面との間に形成される円環状のスリットを介して、テーパー状開口部2の下方内周面に沿って噴出することになる。
そして、円環状のスリットから噴出した空気流は、中間部材7の端部7a底面が、テーパー状開口部2の底面より上方に位置しているので、流量面積が急速に拡がることにより、流速が低下し、コアンダ効果により、中心に向けて内側に屈曲することも、ワーク3に直接衝突することなく、テーパー状開口部2の下方内周面に沿って流れ、その内周壁に吸い寄せられるように流れ、テーパー状開口部2の底面外縁部に到り、本体1の底面に沿って方向を転換して、外側に流れることになる。これにより、テーパー状開口部2の底面開口の外縁部の全周から、本体1底面の外縁全周にかけて、ワーク3表面との間で円環状の高速空気流が形成されることになり、中間部材7の底面とワーク3の表面との間で形成される空間には、圧縮ポンプ6からの空気が流れることはない。
なお、実験によれば、空気圧縮ポンプ6からの空気圧力を0.3MPa、スリット幅を0.2mm、中間部材7の端部7a底面とテーパー状開口部2の底面開口との段差を1mmとした場合、円環状のスリットを出た瞬間の速度は、圧力測定結果によると、300m/s程度と推測されたが、テーパー状開口部2の底面開口に到ると流速は約1/3程度に減速した。
図4に、本体1底面の外縁の半径をR、半径方向の距離をrとしたときの中間部材7の上面からみた、ワーク表面の圧力分布を示し、図4左側の図に示されているように、供給圧力を0.3MPa、ワーク表面との隙間を0.2mmとしたとき、中間部材7の端部7a底面に対応する中央付近には、−50Pa〜−40Paの負圧領域が形成されていることが確認できる。なお、図4右側の図は、等圧線分布を示している。
また、図5左側の図は、r/Rを横軸とした平均圧力(kPa)を示し、図5右側の図は、供給圧力Pr(MPa)を横軸とした吸着力F(N)を示している。
このとき、図3に示されるように、中間部材7の略円錐形状の端部7aの側面と、テーパー状開口部2の内周面との間に形成される空気通路の、ワーク3表面の外周方向となす角θ1は、64度未満とすることが好ましく、64度以上ではコアンダ効果が十分に作用せず、空気の噴流がワーク3表面に衝突して、中間部材6の端部底面に対応する空間に圧力上昇を招くと推測される。
このように、圧縮ポンプから供給された空気は減速され、コアンダ効果により、テーパー状開口部2の内周壁に吸い寄せられるように流れ、その底面開口の外縁部から、本体1底面の外縁全周に向けて外側に流れることになるので、中間部材7の端部7a底面とワーク3の表面との間で形成される空間には、空気圧縮ポンプからの空気が供給されることがなく、しかもその全周にわたり、本体1底面の外縁に向かう高速空気流で包囲されているため、その内部の空気が連行されて吸い出され、この空間内の負圧が確実に維持されることになる。
したがって、空気圧縮ポンプの容量を小さくしても、中間部材7の端部7a底面に対応する部分を強力な負圧に高効率で維持することができ、しかも、全周にわたる円環状の空気流により、本体1の底面が直接接触することなく、ワーク3を強力に吸着する吸着面とすることができる。
[実施例2]
以上のように、実施例1によれば、空気圧縮ポンプの容量を小さくしても、中間部材7の端部7a底面に対応する部分を強力な負圧に高効率で維持し、無接触でワーク3を強力に吸着することができる。そして、ワーク3を吸着して所定位置に搬送して、吸着を解除して位置決めする際には、吸着力を空気圧縮ポンプを停止したり、パイプ4等に設けた遮断弁を作動させて、高速空気流を停止すればよい。
しかし、空気圧縮ポンプを停止しても、空気圧縮ポンプの慣性や、アキュムレータ5、パイプ4の影響により、空気流が実際に停止して、吸着力が減少するまでに相応の時間を要する。さらに、次工程で吸着を行うため、空気圧縮ポンプを再起動しても、吸着が可能となる高速空気流が発生するまでに所要の時間を要するため、高速のワーク搬送、位置決めが求められる半導体製造工程や液晶製造工程には適していない。また、遮断弁を作動させると、急激な圧力変動により、本体1の底面がワーク3の表面に接触して損傷を与えたり、機械的な衝撃が発生して、装置全体の耐久性を低下させたり、騒音発生の原因となる。
そこで、この実施例では、図6に示されるように、吸着を解除する際、本体1の下部部材1cの外周に吸着解除装置8を設け、ワーク3の表面方向に突出させたり、引き上げて、テーパー状開口部2の底面側外縁部の全周から下部部材1cの底面外縁にかけて、ワーク3表面との間に形成される円環状の高速空気流を制御するようにした。
すなわち、この実施例では、本体1の下部部材1cの外周に、テーパ状開口部2の底面開口縁に達する位置まで、所定の高さの円環状の凹部1dが形成され、下部部材1cの下端は先鋭化している。この凹部1dは、中間部材7の軸方向に平行で、下端がテーパ状開口部2の底面開口に位置する円筒面1eと、これに垂直な円環状平面1fとを有し、円筒面1eの外周に小ピッチのネジ溝1gが形成されている。
一方、吸着解除装置8は、凹部1dの円筒面1eに形成されたネジ溝1gに螺合するネジ溝が内周面に形成された小円筒部8aと、円環状平面1fの下面に取り付けられた円環状の出力部を備えたステップモータ8bと、このステップモータ8bの出力部に接続され、小円筒部8aに形成された所定深さの孔の内部に挿入されるロッド8cから構成されている。したがって、ステップモータ8bを駆動することにより、小円筒部8aを回転させ、小円筒部8aの底面をワーク3の表面側に近接させたり、ステップモータ8bを逆回転させて、ワーク3から引き上げることができるようになっている。なお、小円筒部8aの下端は、凹部1dの円筒面1eに摺接する面(中間部材7の軸方向に平行な面)と、その下端から、実施例1と同様に断面が1/4円形状としたり、多角面とした外周面を備えている。
したがって、吸着操作を行う際は、図7(a)に示すように、ステップモータ8bを駆動して、小円筒部8aの下端を、本体1の下部部材1cに形成された凹部1dの円筒面1e下端と一致した状態にすれば、実施例1と同様に、テーパー状開口部2の内周面との間に形成される空気通路の、ワーク3表面の外周方向となす角θが64度未満を維持したまま、本体1の下部部材1cの下端に達した空気流が小円筒部8aの外周面に沿って円滑に流れ、コアンダ効果により、中間部材7の端部7a底面周辺に発生した吸着空間に強力は負圧を発生させ、強力な吸着力Fを発生させることができる。
一方、ワーク3を吸着し、所定位置に搬送後、吸着を解除して位置決めする際には、ステップモータ8bを一方向に駆動して、吸着解除装置8の小円筒部8aを回転させることにより、図7(b)に示されるように、小円筒部8a下端を、下部部材1cの下端面(ワーク3側の端面)より突出させる。これにより、中間部材7の端部7a底面の外縁とテーパー状開口部2の内周面との間に形成される円環状のスリットから、テーパー状開口部2の下方内周面に沿って外方に噴出される高速空気流が阻害され、ワーク3の表面方向に向きが変わり、高速空気流は、ワーク3に衝突しながら外方に噴出する。すなわち、小円筒部8a下端に向かう空気流がワーク3の表面に対しほぼ90度となるため、小円筒部8aの外周面に沿って流れなくなる。その結果、コアンダ効果が発生せず、吸着空間に発生していた負圧が急激に減少して、小円筒部8aの下端がワーク3の表面に接する前に、吸着力が瞬時に低下し、ワーク3の吸着を解除して搬送位置に位置決めすることが可能となる。
吸着を解除させる際は、図7(b)に示すように、小円筒部8aをワーク表面側に突出させるたけでなく、図7(c)に示すように、小円筒部8aをワーク表面側から引き上げるようにしてもよい。この場合でも、本体1の下部部材1cの下端に達した空気流は、先鋭化した下部部材1cの下端を回り込むことができず、やはり、ワーク3の表面方向に向きが変わるので、高速空気流はワーク3に衝突しながら外方に噴出し、コアンダ効果により吸着空間に発生していた負圧が急激に減少することになる。
このように、この実施例によれば、空気圧縮ポンプを停止させたり、パイプ4に遮断弁を設けることなく、吸着解除装置8をワーク3方向に上昇あるいは下降させることにより、瞬時にワーク3の吸着を解除することができ、また、吸着解除から次工程で新たなワーク3の吸着を行う際は、吸着位置に移動するまでの間に、吸着解除装置8を上方に引き込むことにより、そのままワーク3を吸着することが可能となる。
この実施例では、吸着解除装置8の小円筒部8a下端で、空気流を全周にわたり阻害したが、吸着解除装置8を円周方向に分割し、個々に稼動させ、急激な吸着解除を防止して、位置決め精度を高めるようにしてもよい。
また、吸着解除装置8を移動させる機構として、ステップモータ8bとロッド8cを使用したが、さまざまな移動機構を採用することができる。
例えば、凹部1dの円筒面1eに小円筒部8aをスプライン結合し、小円筒部8a上方に形成した直線上のギヤと、モータ駆動されるギヤとを組み合わせ、小円筒部8aを直接上下動作させたり、電磁アクチュエータや、空気圧縮ポンプからの空気圧を利用した空気アクチュエータを周方向に等間隔に配置して、吸着位置、吸着解除位置に駆動するようにしてもよい。
本実施例によれば、例えば、ワーク3の搬送をロボットアームで行う場合、搬送作業のシーケンスに同期して、吸着解除装置8を吸着位置、吸着解除位置に駆動することにより、搬送作業を非常にスムースかつ高レスポンスで行うことが可能となる。
以上の実施例では、本体1を略円筒状とし、その底面も中間部材7の端部7a底面も、ワーク3に対し平行な平面とし、中間部材7の端部7a底面に円環状の空気流に包囲された略円形の吸着面を形成したが、中間部材7の端部7a底面は、吸着空間を形成するものであるから、例えば、凹面形状にしてもよい。
要は、中間部材7の端部7a底面が、ワークの被吸着面との間に負圧となる吸着空間を形成し、その吸着面の外周がコアンダ効果による空気流により隙間なく、全周にわたり包囲されていれば、吸着面の形状にかかわらず、中間部材7の下方に強力な吸着面を形成することができる。
また、例えば、ワーク3の形態に応じて、中間部材7の端部7a底面の形状を楕円形や三角形、四角形等、様々な多角形あるいはこれらを組み合わせた形状とすることもできる。この場合、本体1底面の形状、テーパー状開口部2の形状もこれに合わせて、例えば三角錐形状等とし、中間部材7の端部7a底面外周に、その全周にわたり、コアンダ効果による必要最小限の幅を有する空気流が、本体1の底面外縁に向けて確実に形成されるようにすればよい。
さらに、ワーク3が平板形状ではなく、例えば球のような曲面を有する場合には、本体1の底面を、ワーク3の曲面との間で均一な間隙が形成されるような凹曲面とすればよい。
いずれの場合でも、本発明にしたがって、中間部材7の端部7a底面外周に、その全周にわたり、ワーク表面との間で、本体1の底面外縁に向かう、必要最小限の半径方向の幅を有する空気流を確実に形成するためには、ワークの形態や重量に応じて、次のような観点で設計を行い、コアンダ効果による本体1の底面外縁方向の空気流を確実に形成する必要がある。
(1)空気圧縮ポンプから供給される空気圧、空気量。
(2)中間部材の端部外側面と、テーパー状開口部の内周面との間に形成される空間形状と、ワーク外周方向とでなす傾斜角度。
(3)中間部材の端部底面の外縁とテーパー状開口部の内周面との間に形成されるスリットの形状及びその隙間の大きさ。
(4)テーパー状開口部に対する中間部材の端部底面との段差の大きさ、すなわち、中間部材の底面下方に形成される吸着空間の高さ。
(5)本体1のテーパー状開口部の底面外縁から外方に向けて形成されるワーク表面との空間形状。
以上(1)〜(5)を、ワークの形態や重量に応じて、最適に設計すれば、どのようなワークに対しても、コンパクトで強力な吸着力を発揮する非接触吸着装置を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、小容量の空気圧縮ポンプでも、吸着面に強力な負圧を作用させることが可能になり、非接触吸着装置をコンパクト化、低騒音化、さらには省エネルギー化を実現できるので、半導体製造工程や液晶製造工程のみならず、ロボットハンドによる微細物品の吸着など、様々な分野に広く利用されることが期待できる。
1 本体
2 テーパ状開口部
3 ワーク
4 パイプ
5 アキュムレータ
6 空気圧縮ポンプ
7 中間部材
8 吸着解除装置

Claims (3)

  1. ワーク表面と一定の間隙を介して対向する底面を有するとともに、その中央部に該底面に向けて拡開する開口部が形成された本体と、
    前記開口部の内部に配設された中間部材とを有し、
    該中間部材の端部底面の外周縁が、前記開口部の底面側外周縁より上方に位置して、前記開口部の内周面との間で全周にわたりスリットを形成し、
    前記開口部の上方から空気圧縮ポンプを介して供給された空気を、前記スリットを介して、前記開口部の内周面に沿い、その底面側外周縁全周に向けて噴出させ、
    コアンダ効果により、該底面側外周縁全周から前記本体の底面に沿って、外周に向かう高速空気流を形成して、前記中間部材の端部底面と前記ワークの表面との間で形成される空間を、その全周にわたり包囲することにより、該空間を負圧に維持し、前記中間部材の端部底面と前記ワークとの間に吸着空間を形成したことを特徴とする非接触吸着装置。
  2. 前記中間部材の外周面を、該中間部材の底面外縁が、前記開口部の内周面に徐々に近接するようにして、前記スリットに向けて空気通路を絞り、前記開口部の内周面に向けて高速の空気流を吹き付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の非接触吸着装置。
  3. 前記本体に、前記開口部の底面側外周縁から底面に沿って外周に向かう高速空気流の噴出方向を変化させ、前記吸着空間の負圧を低減させて、前記ワークの吸着を解除する吸着解除装置を配設したことを特徴とする請求項1または2記載の非接触吸着装置。

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