JP2012105880A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光検出基板に対する光リセットを十分に行うことができると共に、放射線画像の画像ボケを抑制することができ、さらには、可視光に対する光検出基板の感度も向上させる。
【解決手段】放射線画像撮影装置(20、20A〜20D)では、光検出基板(72)、シンチレータ(74)、切換フィルタ(76)及びリセット光源(78)の順に配置され、切換フィルタ(76)は、リセット光源(78)からのリセット光を透過させる場合には、シンチレータ(74)を介して光検出基板(72)に該リセット光を照射させ、一方で、リセット光を透過させない場合には、少なくともシンチレータ(74)で放射線から変換された可視光を光検出基板(72)の方向に反射させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線を可視光に変換するシンチレータと、前記可視光を電気信号に変換する光検出基板とを有する放射線画像撮影装置に関する。
医療分野において、放射線源から被写体に放射線を照射し、該被写体を透過した前記放射線を放射線画像撮影装置で検出することにより、前記被写体の放射線画像を取得することが広汎に行われている。この場合、前記放射線画像撮影装置は、例えば、前記被写体を透過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、該可視光を電気信号に変換する光検出基板とを有し、該光検出基板は、前記可視光を検出可能なフォトダイオードを用いた光検出素子を備えている。
ところで、アモルファスシリコン(a−Si)等からなるフォトダイオードを用いて光検出基板を構成した場合、可視光から変換された電荷(電子)の一部がa−Siの不純物準位(欠陥)に一旦捕捉され、その後、動画撮影のような長時間の撮影による前記フォトダイオードの温度上昇等に起因して前記電荷が再放出されると、暗電流等の不要な電流が発生し、放射線画像のノイズの原因となる場合がある。そこで、放射線の非照射時(非撮影時)に前記フォトダイオードにリセット光を照射して、前記不純物準位に電荷を予め埋めておき、その後、放射線の照射時(撮影時)に可視光から変換された電荷が前記不純物準位に捕捉されないようにすることで、前記ノイズの低減を図る光リセット法が特許文献1及び2に提案されている。
特許文献1では、複数の細孔が設けられた反射層、シンチレータ及び光検出基板の順に配置され、リセット光は、前記各細孔及び前記シンチレータを介して前記光検出基板の光検出素子に照射される。また、特許文献2では、反射層、リセット光源、シンチレータ及び光検出基板の順に配置され、前記リセット光源から出力されたリセット光は、前記シンチレータを介して前記光検出基板の光検出素子に照射される。
特表2010−525359号公報 特開2007−225598号公報
特許文献1において、シンチレータで放射線から変換された可視光は、光検出基板に直接入射されるか、あるいは、反射層で反射した後に前記光検出基板に入射される。しかしながら、前記反射層には複数の細孔が設けられているので、前記反射層に到達した前記可視光の一部は、前記各細孔を通り抜けてしまう。この結果、前記光検出基板に入射される可視光の光量が減少して、該光検出基板の感度が低下する。
また、平面視で、前記各細孔と光検出素子との位置ずれが発生したり、あるいは、前記各細孔とは異なる位置に前記光検出素子が配置されていれば、前記各細孔を介して前記光検出素子にリセット光を照射しても十分なリセット効果(不純物準位への電荷の埋設)が得られない。そこで、十分なリセット効果を得る目的でリセット光の光量を大きくすれば、該リセット光を出力するリセット光源の発熱が問題となる。
このように、特許文献1の技術では、複数の細孔を備えた反射層を設けたことにより、高感度の放射線画像を取得できず、一方で、光リセットも十分に行うことができない。
一方、特許文献2において、シンチレータで放射線から変換された可視光は、光検出基板に直接入射されるか、あるいは、リセット光源を介して反射層で反射した後に該リセット光源及び前記シンチレータを介して前記光検出基板に入射される。しかしながら、前記反射層で反射する可視光は、前記リセット光源を通過するので、放射線画像の画像ボケの原因となりやすい。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、光検出基板に対する光リセットを十分に行うことができると共に、放射線画像の画像ボケを抑制することができ、さらには、可視光に対する光検出基板の感度も向上させることができる放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る放射線画像撮影装置は、
放射線を可視光に変換するシンチレータと、前記可視光を電気信号に変換する光検出基板と、該光検出基板にリセット光を照射するリセット光源と、前記リセット光の透過又は非透過を切換可能な切換フィルタとを有し、
前記光検出基板、前記シンチレータ、前記切換フィルタ及び前記リセット光源の順に配置され、
前記切換フィルタは、前記リセット光を透過させる場合には、前記シンチレータを介して前記光検出基板に該リセット光を照射させ、一方で、前記リセット光を透過させない場合には、少なくとも前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させることを特徴としている。
この構成によれば、前記リセット光に対して前記切換フィルタが透過状態に切り換わった場合、前記リセット光源は、前記切換フィルタ及び前記シンチレータを介して前記光検出基板に前記リセット光を照射することができる。これにより、前記光検出基板に対する光リセットを十分に行うことが可能となる。
一方、前記リセット光に対して前記切換フィルタが非透過状態に切り換わった場合、前記シンチレータで前記放射線から変換された前記可視光のうち、前記リセット光源の方向に向かう光は、前記切換フィルタで前記光検出基板の方向に反射するので、反射光は、前記リセット光源を介することなく前記シンチレータ内を進行して前記光検出基板に入射する。これにより、画像ボケのない高画質の放射線画像を取得することができると共に、前記光検出基板に入射する前記可視光の光量を増加させて、該可視光に対する前記光検出基板の感度を向上させることができる。
このように、本発明では、前記光検出基板、前記シンチレータ、前記切換フィルタ及び前記リセット光源の順に配置し、前記切換フィルタが前記リセット光に対して透過又は非透過に切換可能であるので、前記光検出基板に対する光リセットを十分に行うことが可能になると共に、前記放射線画像の画像ボケを抑制することができ、さらには、前記可視光に対する前記光検出基板の感度も向上させることができる。
ここで、前記シンチレータは、被写体を透過した前記放射線を前記可視光に変換し、前記光検出基板は、前記可視光を前記被写体の放射線画像を示す前記電気信号に変換し、前記切換フィルタは、前記被写体に対する前記放射線画像の撮影に関わる撮影オーダに基づいて、前記リセット光を透過させる透明状態(透過状態)、又は、前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させると共に前記リセット光を前記リセット光源の方向に反射させる鏡状態(非透過状態)に切換可能である。
これにより、前記被写体に対する撮影方法(静止画撮影、動画撮影等)に応じて、前記切換フィルタを前記透明状態又は前記鏡状態に維持するか、あるいは、適切な状態に切り換えることができるので、前記光検出基板に対する光リセットや、画像ボケの抑制された高画質で且つ高感度の放射線画像の取得を、確実に且つ効率よく行うことができる。また、前記鏡状態の前記切換フィルタが前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させることにより、前記光検出基板に入射する前記可視光の光量が増加するので、前記被写体に照射する前記放射線の線量を低下させて、該被写体の被曝線量を低減することも可能となる。
具体的に、前記放射線画像撮影装置では、前記撮影オーダに従って、下記[1]〜[9]のように、前記切換フィルタの状態を維持するか、又は、切り換えることが望ましい。
[1] 少なくとも1枚の静止画撮影を含む撮影オーダである場合、又は、フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、前記鏡状態を維持する。
これらの撮影では、高画質及び高感度の放射線画像の取得が特に要求されている。また、これらの撮影では、撮影間隔が比較的長いので、フォトダイオードの温度がそれ程上昇せず、従って、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが前記放射線画像に与える影響は大きくないものと想定される。
そこで、上述した撮影オーダの場合には、前記切換フィルタを前記鏡状態に維持することで光リセットを行わないようにし、一方で、前記シンチレータで前記放射線から変換された前記可視光を確実に前記光検出基板側に反射させて、該光検出基板に入射する前記可視光の光量を増加させるようにする。この結果、[1]の場合には、低ノイズで且つ画像ボケの抑制された高画質及び高感度の放射線画像を容易に取得することができる。
[2] 動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、前記透明状態を維持する。
前記動画撮影の場合には、撮影が長時間にわたることで、フォトダイオードの温度が上昇し、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが放射線画像に大きな影響を及ぼすことが想定される。従って、前記切換フィルタを透明状態に維持することにより、撮影と撮影との間の前記放射線の非照射時に光リセットを行うことが可能となり、この結果、放射線画像のノイズを低減することができる。
[3] 動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わる。
この場合、1フレーム中、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わるので、前記被写体に対する前記放射線の照射時には、前記切換フィルタが鏡状態に維持されて前記可視光を確実に前記光検出基板側に反射させることができ、前記光検出基板に入射する前記可視光の光量を増加させることができる。また、前記放射線の非照射時には、前記切換フィルタが透明状態に維持されるので、前記光検出基板に対する光リセットを十分に行うことができる。
このように、前記動画撮影において、1フレーム中、前記切換フィルタを前記鏡状態と前記透明状態とに交互に切り換えることで、高画質且つ高感度の放射線画像の取得と、該放射線画像のノイズの低減とを共に実現することができる。なお、このような、前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態は、前記動画撮影のフレームレートに対して十分に追従できるような切換時間を実現できる切換フィルタ(撮影と撮影との間の時間よりも該切換時間が短い切換フィルタ)であることが必要である。従って、前記切換時間が前記フレームレートに追従できないような切換フィルタでは、上記[2]の態様を採用すればよい。
[4] 動画撮影と少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合、前記切換フィルタは、前記動画撮影では前記透明状態を維持すると共に、前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで前記透明状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記透明状態に切り換わる。
このように、撮影方法(静止画撮影、動画撮影)が切り換わるタイミングで前記切換フィルタの状態を切り換えることで、該撮影方法に応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
[5] フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの動画撮影と、少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、一方で、前記動画撮影では、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わり、
前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態に切り換わる。
このような撮影オーダであっても、撮影方法が切り換わるタイミングで前記切換フィルタの状態が確実に切り換わるので、該撮影方法に応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
なお、前記フレームレート閾値とは、光リセットの要否を判断するための閾値であり、前記撮影オーダに含まれる前記動画撮影でのフレームレートが該フレームレート閾値よりも高ければ光リセットが必要と判断され、一方で、前記フレームレートが前記フレームレート閾値よりも低ければ光リセットが不要と判断される。
従って、光リセットが必要とされる前記フレームレート閾値よりも高いフレームレートの動画撮影であり、且つ、前記鏡状態と前記透明状態との切り換えが前記フレームレートに追従できるような切換フィルタである場合には、1フレーム中、前記鏡状態又は前記透明状態に順次切り換わることにより、撮影と撮影との間での前記放射線の非照射時に光リセットを確実に行うことが可能となる。
[6] フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの第1の動画撮影と、前記フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの第2の動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、前記第1の動画撮影では前記鏡状態を維持すると共に、前記第2の動画撮影では前記透明状態を維持し、前記第1の動画撮影から前記第2の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記透明状態に切り換わるか、あるいは、前記第2の動画撮影から前記第1の動画撮影に切り換わるタイミングで前記透明状態から前記鏡状態に切り換わる。
このように、フレームレートが途中で変更する撮影オーダであっても、フレームレートが切り換わるタイミングで前記切換フィルタの状態を切り換えれば、フレームレートに応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
[7] 前記第1の動画撮影及び前記第2の動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
前記第1の動画撮影では前記鏡状態を維持すると共に、前記第2の動画撮影では、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わり、
前記第1の動画撮影から前記第2の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態に切り換わるか、あるいは、前記第2の動画撮影から前記第1の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態から前記鏡状態に切り換わる。
フレームレートが途中で変更する[7]の撮影オーダであっても、[6]の場合と同様に、フレームレートが切り換わるタイミングで前記切換フィルタの状態を切り換えれば、フレームレートに応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
[8] 前記第1の動画撮影及び前記第2の動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
前記第1の動画撮影及び前記第2の動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、前記第1の動画撮影における所定のフレームまで前記鏡状態を維持した後に前記透明状態に切り換わり、切換後の残りのフレーム及び前記第2の動画撮影では前記透明状態を維持し、
一方で、前記第2の動画撮影及び前記第1の動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、前記第2の動画撮影及び前記第1の動画撮影における所定のフレームまで前記透明状態を維持した後に前記鏡状態に切り換わり、切換後の残りのフレームでは前記鏡状態を維持する。
前記鏡状態と前記透明状態との切り換えに時間がかかることにより、前記第1の動画撮影と前記第2の動画撮影との切り換えのタイミングで、前記鏡状態と前記透明状態との切り換えがスムーズに行えない場合もある。そこで、上記のように、フレームレートの低い前記第1の動画撮影において、撮影と撮影との間に、前記鏡状態と前記透明状態との切り換えを行うことにより、前記第2の動画撮影時に、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが放射線画像に重畳することを確実に回避することができる。
[9] 上記[6]〜[8]に示す前記撮影オーダが少なくとも1枚の静止画撮影をさらに含む場合に、前記切換フィルタは、前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで該動画撮影に応じた前記切換フィルタの状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記動画撮影に応じた前記切換フィルタの状態に切り換わる。
このように、前記静止画撮影が含まれる前記撮影オーダであっても、上記のように前記切換フィルタの状態を切り換えることにより、それぞれの撮影において、適切な放射線画像を容易に取得することができる。
そして、上述した放射線画像撮影装置において、前記光検出基板は、前記可視光を前記電気信号に変換する複数の光検出素子を備え、前記切換フィルタの一部には、前記リセット光を常時透過可能な窓部が形成され、前記リセット光源が前記窓部を介して該窓部に対向する光検出素子に前記リセット光を照射した場合に、前記リセット光が照射された光検出素子は、該リセット光に起因した暗電流信号を検出し、前記切換フィルタは、前記暗電流信号に応じた前記光検出素子の温度及び前記撮影オーダに基づいて、前記鏡状態又は前記透明状態に切り換わってもよい。
不純物準位に捕捉された電荷の再放出に起因するノイズのレベルは、a−Si等からなるフォトダイオードを用いた前記光検出素子の温度によって変化する。そこで、上述のように、前記暗電流信号に応じた温度及び前記撮影オーダに基づいて、前記切換フィルタを前記鏡状態又は前記透明状態に切り換えることにより、前記光検出素子の温度変化に応じて前記ノイズを効率よく低減することが可能となる。
また、前記切換フィルタは、前記リセット光の透過又は非透過を電気的に切換可能な調光ミラーフイルム層を備えることが望ましい。この場合、前記切換フィルタは、前記リセット光を透過可能な透明基材上に前記調光ミラーフイルム層を積層することにより構成され、前記調光ミラーフイルム層側に前記シンチレータを配置すると共に、前記透明基材側に前記リセット光源を配置すればよい。このように前記切換フィルタを構成することにより、該切換フィルタでの前記リセット光に対する透過状態又は非透過状態(鏡状態)を容易に且つ効率よく切り換えることができる。
また、前記リセット光源は、前記切換フィルタ及び前記シンチレータを介して前記光検出基板と対向するように配置された発光素子のアレイ、バックライト、又は、エレクトロルミネッセンス光源であればよい。
この場合、前記バックライトは、前記切換フィルタにおける前記シンチレータの反対側に配置された導光板と、該導光板の側部に配置された光源と、前記導光板及び前記光源を囲繞するように配置された反射シートと、前記導光板における前記切換フィルタ側の表面に配置された拡散シートとから構成され、前記光源は、前記導光板に光を入射し、前記導光板に入射した前記光は、該導光板内で前記反射シート及び前記拡散シートとの間で表面反射を繰り返した後に、前記拡散シートから前記切換フィルタに前記リセット光として出射する。
このように、前記バックライトを構成すれば、前記光源を前記放射線の非照射領域に配置することが可能となり、前記放射線による前記光源の劣化を回避することができる。なお、前記光源は、発光ダイオード又は冷陰極管であればよい。
また、前記エレクトロルミネッセンス光源を有機エレクトロルミネッセンス光源とすれば、前記リセット光源の薄型化を実現することができる。
さらに、上記の放射線画像撮影装置において、前記シンチレータ及び前記光検出基板を接着層を介して接着するか、前記シンチレータ及び前記光検出基板を粘着層を介して粘着するか、あるいは、前記光検出基板に前記シンチレータを直接成膜してもよい。
この場合、蒸着基板に前記シンチレータを成膜した後に、該シンチレータの先端部分と前記光検出基板とを前記接着層を介して接着するか、あるいは、前記粘着層を介して粘着してもよい。
ここで、前記蒸着基板が前記リセット光に対して非透過である場合、前記蒸着基板に剥離層を介して前記シンチレータを成膜した後に、該シンチレータの先端部分と前記光検出基板とを前記接着層を介して接着するか、あるいは、前記粘着層を介して粘着し、その後、前記シンチレータから前記剥離層及び前記蒸着基板を剥離して、前記シンチレータの剥離面に前記リセット光源を配置してもよい。
一方、前記蒸着基板が前記リセット光を透過可能である場合、該蒸着基板を介して前記リセット光源を配置可能としてもよい。
また、前記光検出基板は、前記可視光を前記電気信号に変換する光検出素子と、該光検出素子から前記電気信号を読み出すためのスイッチング素子とを備え、前記光検出素子は、有機光電変換材料又はアモルファス酸化物半導体から構成されると共に、前記スイッチング素子は、有機半導体材料、アモルファス酸化物半導体又はカーボンナノチューブから構成してもよい。これにより、前記光検出素子と前記スイッチング素子とを低温成膜により形成することが可能となる。
さらに、前記光検出基板と前記シンチレータとの間に、前記放射線の照射方向に対して斜め方向に進行する前記可視光又は前記リセット光をカットする斜入光カット層を介挿してもよい。これにより、前記可視光に対する前記光検出基板の感度の向上と、前記放射線画像の画像ボケの抑制とを共に実現することができる。
そして、前記放射線画像撮影装置は、前記放射線の照射方向に沿って、前記光検出基板、前記シンチレータ、前記切換フィルタ及び前記リセット光源の順に配置されるか、又は、前記リセット光源、前記切換フィルタ、前記シンチレータ及び前記光検出基板の順に配置される。
ここで、前記放射線の照射方向に沿って前記リセット光源、前記切換フィルタ、前記シンチレータ及び前記光検出基板が順に配置される場合に、前記切換フィルタは、少なくとも前記放射線の照射時には、前記リセット光を前記リセット光源の方向に反射させると共に前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させる鏡状態を維持すればよい。
本発明によれば、光検出基板、シンチレータ、切換フィルタ及びリセット光源の順に配置し、前記切換フィルタがリセット光に対して透過又は非透過に切換可能であるので、前記光検出基板に対する光リセットを十分に行うことが可能になると共に、放射線画像の画像ボケを抑制することができ、さらには、可視光に対する前記光検出基板の感度も向上させることができる。
本実施形態に係る電子カセッテ(放射線画像撮影装置)を用いた放射線画像撮影システムの構成図である。 図1に示す電子カセッテの斜視図である。 図3A及び図3Bは、図2の電子カセッテのIII−III線に沿った断面図である。 図4A及び図4Bは、図3Aの電子カセッテ(第1実施例及び第2実施例に係る電子カセッテ)における放射線検出器近傍の要部断面図である。 図5A及び図5Bは、図3Bの電子カセッテ(第3実施例及び第4実施例に係る電子カセッテ)における放射線検出器近傍の要部断面図である。 図6Aは、放射線検出器近傍の要部断面図であり、図6Bは、光検出基板近傍の要部断面図である。 図7A及び図7Bは、光検出基板近傍の要部断面図である。 光検出基板近傍の要部断面図である。 切換フィルタの説明図である。 図10A及び図10Bは、切換フィルタの透明状態を示す説明図である。 図11A及び図11Bは、切換フィルタの鏡状態を示す説明図である。 図12A及び図12Bは、切換フィルタ及びリセット光源の説明図である。 図13Aは、リセット光源の要部平面図であり、図13Bは、切換フィルタ及びリセット光源の説明図である。 切換フィルタ及びリセット光源の説明図である。 図1の電子カセッテの電気的な概略構成図である。 図1の放射線撮影システムの基本的な動作を示すフローチャートである。 図1の放射線撮影システムの基本的な動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値の変化を示すグラフである。 図21Aは、静止画撮影から動画撮影への切り換えを示すタイムチャートであり、図21Bは、動画撮影から静止画撮影への切り換えを示すタイムチャートであり、図21Cは、静止画撮影、低レート動画撮影及び高レート動画撮影の切り換えを示すタイムチャートである。 撮影オーダの判定動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 切換フィルタの切換動作及び光リセット動作を示すフローチャートである。 図27Aは、切換フィルタに形成された窓部を示す平面図であり、図27Bは、窓部を備えた切換フィルタの作用を示す説明図である。 図28Aは、蒸着基板へのシンチレータの成膜を示す断面図であり、図28Bは、防湿保護材の形成を示す断面図であり、図28Cは、光検出基板へのシンチレータの接着又は粘着を示す断面図である。 図29Aは、シンチレータから蒸着基板及び剥離層を剥離させた状態を示す断面図であり、図29Bは、シンチレータの基端部分を除去した状態を示す断面図である。 図30A及び図30Bは、第2実施例に係る電子カセッテの放射線検出器近傍の要部断面図である。 第2実施例に係る電子カセッテの放射線検出器近傍の要部断面図である。 図32Aは、第3実施例に係る電子カセッテの放射線検出器近傍の要部断面図であり、図32Bは、第4実施例に係る電子カセッテの放射線検出器近傍の要部断面図である。
本発明に係る放射線画像撮影装置の好適な実施形態について、図1〜図32Bを参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子カセッテ(放射線画像撮影装置)20を有する放射線画像撮影システム10の構成図である。
放射線画像撮影システム10は、ベッド等の撮影台12に横臥した患者等の被写体14に対して放射線16を照射する放射線出力装置18と、被写体14を透過した放射線16を検出して放射線画像に変換する電子カセッテ20と、放射線画像撮影システム10全体を制御すると共に、医師又は放射線技師(以下、医師ともいう。)の入力操作を受け付けるコンソール22と、撮影した放射線画像等を表示する表示装置24とを備える。
放射線出力装置18、電子カセッテ20、コンソール22及び表示装置24間では、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.11.a/b/g/n等の無線LAN、又は、ミリ波等を用いた無線通信により信号の送受信が行われる。なお、ケーブルを用いた有線通信により信号の送受信を行ってもよいことは勿論である。
コンソール22には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)26が接続され、RIS26には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)28が接続されている。
放射線出力装置18は、放射線16を照射する放射線源30と、放射線源30を制御する放射線制御装置32と、放射線スイッチ34とを備える。放射線源30は、電子カセッテ20に対して放射線16を照射する。放射線源30が照射する放射線16は、X線、α線、β線、γ線、電子線等であってもよい。放射線スイッチ34は、2段階のストロークを持つように構成され、放射線制御装置32は、放射線スイッチ34が医師によって半押されると放射線16の照射準備を行い、全押されると放射線源30から放射線16を照射させる。
なお、前述のように、放射線出力装置18、電子カセッテ20、コンソール22及び表示装置24間では、信号の送受信が可能であるため、放射線出力装置18は、放射線スイッチ34が半押状態となったときに照射準備を示す信号をコンソール22等に送信し、その後、放射線スイッチ34が全押状態となったときに放射線16の照射開始を示す信号をコンソール22等に送信してもよい。
図2は、図1に示す電子カセッテ20の斜視図であり、図3A及び図3Bは、図2に示す電子カセッテ20のIII−III線に沿った断面図である。
電子カセッテ20は、パネル部40と、該パネル部40上に配置された制御部42とを備える。なお、パネル部40の厚みは、制御部42の厚みよりも薄く設定されている。
パネル部40は、放射線16(図1参照)に対して透過可能な材料からなる略矩形状の筐体44を有し、パネル部40の表面(上面)である照射面46に放射線16が照射される。照射面46の略中央部には、被写体14の撮影領域及び撮影位置を示すガイド線48が形成されている。ガイド線48の外枠が、放射線16の照射野を示す撮影可能領域50になる。また、ガイド線48の中心位置(ガイド線48が十字状に交差する交点)は、撮影可能領域50の中心位置である。
筐体44の制御部42側の側面には、医師が把持可能な取手52が配設されている。医師は、取手52を把持することにより電子カセッテ20を所望の場所(例えば、撮影台12)に搬送することが可能となる。従って、電子カセッテ20は、可搬型の放射線画像撮影装置である。
制御部42は、放射線16に対して非透過性の材料からなる略矩形状の筐体54を有する。該筐体54は、照射面46の一端に沿って延在しており、照射面46における撮影可能領域50の外に制御部42が配設される。この場合、筐体54の上面には、撮影された放射線画像等を表示可能である一方で、医師が種々の情報を入力可能なタッチパネル方式の表示操作部56と、医師に対する各種の通知を音として出力するスピーカ58とが配設されている。また、筐体54の側面には、外部から充電を行うためのACアダプタの入力端子60と、外部機器(例えば、コンソール22等)との間で情報を送受信可能なインターフェース手段としてのUSB端子62とが設けられている。
そして、図3A及び図3Bに示すように、筐体44の内部には、放射線16を放射線画像に変換する放射線検出器70が収容されている。
放射線検出器70は、被写体14を透過した放射線16を可視光領域に含まれる蛍光(図11A及び図11Bに示す可視光130)に変換するシンチレータ74と、該可視光130を電気信号に変換する光検出基板72と、該光検出基板72にリセット光132(図10A〜図12B、図13B及び図14参照)を照射することにより光検出基板72を構成する光検出素子94(図6A〜図8参照)に対する光リセットを行うリセット光源78と、リセット光132の透過又は非透過を切換可能な切換フィルタ76とを有する。従って、放射線検出器70は、間接変換型の放射線検出器である。また、放射線検出器70は、基本的には、光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78の順に配置することにより構成される。
そして、本実施形態に係る電子カセッテ20は、放射線16の照射方向に対する光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78の配置順によって、下記の4つの実施例(第1〜第4実施例に係る電子カセッテ20A〜20D)に分類することができる。
図3Aに示す第1及び第2実施例に係る電子カセッテ20A、20Bは、それぞれ、放射線16の照射方向に沿って、光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78が順に配置された、表面読取方式としてのISS(Irradiation Side Sampling)方式の放射線検出器70を有する間接変換型の放射線画像撮影装置である。図3Bに示す第3及び第4実施例に係る電子カセッテ20C、20Dは、それぞれ、放射線16の照射方向に沿って、リセット光源78、切換フィルタ76、シンチレータ74及び光検出基板72が順に配置された、裏面読取方式としてのPSS(Penetration Side Sampling)方式の放射線検出器70を有する間接変換型の放射線画像撮影装置である。
次に、第1〜第4実施例に係る電子カセッテ20A〜20Dの基本構成について、図4A〜図5Bの要部断面図を参照しながら説明する。なお、図4A〜図5Bでは、筐体44内部における放射線検出器70近傍の要部断面図を図示している。
第1〜第4実施例に係る電子カセッテ20A〜20Dでは、いずれも、筐体44内部において、照射面46側(天板)と底面側の底板80との間に放射線検出器70が配置されている。但し、各電子カセッテ20A〜20Dは、下記の点に関し、互いに異なる構成を有する。
第1実施例に係る電子カセッテ20Aでは、図4Aに示すように、光検出基板72の底板80側にシンチレータ74が成膜されている。すなわち、シンチレータ74は、光検出基板72の底板80側に、例えば、CsI:Tl(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を真空蒸着法で短冊状の柱状結晶構造84として形成したものであり、シンチレータ74の光検出基板72側の基端部分は、非柱状結晶部分82とされている。
この場合、柱状結晶構造84を構成する各柱は、光検出基板72と略直交する方向(図4Aの上下方向であって放射線16の照射方向)に沿ってそれぞれ形成され、隣接する各柱の間には、ある程度の隙間が確保されている。また、CsI(CsI:Tl)のシンチレータ74は、柱状結晶構造84が湿度に弱く、非柱状結晶部分82が湿度に特に弱いという特性を有するので、ポリパラキシリレン樹脂(パリレン(登録商標))からなる光透過性の防湿保護材86で封止されている。なお、図4A以降の各図面では、説明の容易化のために、柱状結晶構造84における各柱間の隙間を誇張して図示する。
また、シンチレータ74が発する可視光130(図11A及び図11B参照)の波長域は、波長360nm〜830nmの可視光領域であることが好ましく、放射線検出器70によるモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。特に、CsI:Tlでは、放射線16の照射時における発光スペクトルが420nm〜600nmであると共に、可視光領域における発光ピーク波長が565nmである。
第2実施例に係る電子カセッテ20Bは、図4Bに示すように、シンチレータ74と光検出基板72とを、可視光130及びリセット光132(図10A〜図12B参照)を透過可能な接着層88a又は粘着層88bを介して密着させる点で、第1実施例に係る電子カセッテ20A(図4A参照)とは異なる。
この場合、例えば、後述する蒸着基板240(図28A参照)にシンチレータ74を蒸着形成した後に該シンチレータ74を防湿保護材86で封止し、次に、該蒸着基板240からシンチレータ74を分離し、柱状結晶構造84の先端部分側と光検出基板72とを接着層88a又は粘着層88bを介して密着させた後に、非柱状結晶部分82側を除去することで、図4Bのシンチレータ74を構成すればよい。なお、シンチレータ74を形成する際には、非柱状結晶部分82が形成されないような蒸着条件を決定した後に、該蒸着条件に従って蒸着基板240にシンチレータ74を蒸着形成してもよい。
また、前述した第1実施例では、光検出基板72とシンチレータ74との密着性を向上させるために、非柱状結晶部分82を積極的に形成しているが、第2実施例では、非柱状結晶部分82が存在しないシンチレータ74を形成することで、該非柱状結晶部分82での光散乱の発生を回避するようにしている。
なお、第2実施例に係る電子カセッテ20Bの具体的な製造方法については、後述する。
ここで、柱状結晶構造84の先端部分側と光検出基板72との密着性を高めて、電子カセッテ20Bの使用中でのシンチレータ74と光検出基板72との離間を回避したい場合には、接着層88aを用いて柱状結晶構造84の先端部分側と光検出基板72とを強固に接着すればよい。また、シンチレータ74又は光検出基板72の故障による少なくともいずれか一方の交換を考慮する場合には、接着層88a程度の接着性を必要としない粘着層88bを用いて柱状結晶構造84の先端部分側と光検出基板72とを粘着すればよい。
第3実施例に係る電子カセッテ20Cは、図5Aに示すように、第1実施例に係る電子カセッテ20A(図4A参照)と比較して、放射線検出器70を上下反転させた点で異なる。また、第4実施例に係る電子カセッテ20Dは、図5Bに示すように、第2実施例に係る電子カセッテ20B(図4B参照)と比較して、放射線検出器70を上下反転させた点で異なる。
なお、第1〜第4実施例に係る電子カセッテ20A〜20Dにおいて、筐体44内部での光検出基板72、切換フィルタ76及びリセット光源78の固定方法は、接着剤による接着、粘着剤による粘着、あるいは、固定手段による固定等、公知の固定方法により筐体44内に固定可能であることは勿論である。また、図4A〜図5Bでは、CsI:Tlからなるシンチレータ74を図示しているが、GOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)からなるシンチレータ74であってもよい。この場合、例えば、光検出基板72又は切換フィルタ76にGOSを塗布することでシンチレータ74を形成すればよい。
次に、光検出基板72、切換フィルタ76及びリセット光源78の具体的な構成について、図6A〜図14を参照しながら説明する。なお、図6A〜図14では、代表的に、第1実施例に係る電子カセッテ20Aにおける光検出基板72、切換フィルタ76及びリセット光源78の具体的な構成について説明するが、第2〜第4実施例に係る電子カセッテ20B〜20Dについても、図6A〜図14の構成を適宜変更して適用可能であることは勿論である。また、図6A〜図8は、光検出基板72の具体的構成を図示し、図9〜図11Bは、切換フィルタ76の具体的構成を図示し、図12A〜図14は、リセット光源78の具体的構成を図示している。そして、図6A〜図14では、説明の容易化のために、一部の構成要素を模式化して図示し、あるいは、誇張して図示する。
図6Aにおいて、光検出基板72は、基材90における底板80側の表面にスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)92のアレイを形成し、該TFT92のアレイ上にa−Si等からなるフォトダイオードを用いた複数の光検出素子94を配置した構造を有する。光検出素子94がa−Siを含めば、幅広い吸収スペクトルを持つことになり、シンチレータ74からの可視光130を効率よく吸収することができる。
この場合、光検出基板72の底板80側は、TFT92のアレイ上に複数の光検出素子94が配置されて凹凸状となるので、例えば、四フッ化エチレン樹脂膜による平坦化処理により平坦化膜96を形成しておくことが望ましい。従って、CsI:Tlのシンチレータ74は、平坦化膜96を介して光検出基板72に蒸着形成された後に、防湿保護材86が施される。このように、図6Aの構成では、放射線16の照射方向(図6Aの上方から下方に向かう方向)に沿って、基材90、TFT92、光検出素子94、平坦化膜96及びシンチレータ74が順に積層される。
基材90は、シンチレータ74を蒸着形成する際の熱に耐えられる程度の耐熱性を有する薄肉の基板であればよい。この場合、基材90として、通常は、ガラス基板を採用すればよいが、他の材料を用いてもよい。
すなわち、有機光電変換材料又はアモルファス酸化物半導体(例えば、a−Si)から光検出素子94を構成すると共に、有機半導体材料(例えば、フタロシアニン化合物、ペンタセン又はバナジルフタロシアニン)、アモルファス酸化物半導体(例えば、a−IGZO(InGaZnO))、又は、カーボンナノチューブからTFT92を構成する場合には、TFT92及び光検出素子94を低温成膜により形成することが可能であるため、ポリイミドフイルム、ポリアリレートフイルム、二軸延伸ポリスチレンフイルム、アラミドフイルム又はバイオナノファイバのような可撓性を有するプラスチックフイルムを、基材90として採用することができる。
ここで、基材90として採用され得るプラスチックフイルムについてさらに具体的に説明すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を基材90として採用することが好ましい。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることができ、例えば、電子カセッテ20(20A)の持ち運び等に有利となる。
なお、基材90には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
また、アラミドフイルムを用いて基材90を構成する場合、アラミドは、200℃以上の高温プロセスが適用可能であるため、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化することができ、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応することができる。また、アラミドは、ITO(Indium Tin Oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。さらに、アラミドは、ガラス基板等と比べて基材90を薄く形成することができる。なお、超薄型のガラス基板とアラミドとを積層して基材90を形成してもよい。
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂とを複合したものである。この場合、セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光130の波長に対して1/10のサイズであり、且つ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることにより、繊維を60%〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。また、バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3ppm−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、且つ、フレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて基材90を薄く形成することができる。
一方、光検出素子94については、有機光電変換材料を含むことにより、可視光130の領域にシャープな吸収スペクトルを持つことになり、可視光130以外の電磁波が光検出素子94に吸収されることがほとんどなく、放射線16が光検出素子94に吸収されることで発生するノイズを効果的に抑制することができる。
また、有機光電変換材料は、可視光130を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ74の発光ピーク波長に近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長と可視光130の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければ、可視光130を十分に吸収することが可能である。具体的に、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、可視光130との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えば、キナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えば、キナクリドンの可視光領域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ74の材料としてCsI:Tlを用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光検出素子94で発生する電荷量を略最大にすることができる。
また、TFT92を有機半導体材料、アモルファス酸化物半導体又はカーボンナノチューブから構成すれば、放射線16を吸収せず、あるいは、吸収しても極めて微量に留まるため、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。特に、TFT92をカーボンナノチューブで構成すれば、TFT92のスイッチング速度を高速化することができると共に、可視光130及びリセット光132に対する吸収度合の低いTFT92を形成することができる。なお、カーボンナノチューブでTFT92を構成する場合、極微量の金属性不純物を混入するだけで、TFT92の性能が著しく低下するため、遠心分離等により極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
そして、図6Aの構成において、被写体14を透過した放射線16が筐体44の照射面46(天板)及び光検出基板72を透過してシンチレータ74に至ると、該シンチレータ74の柱状結晶構造84では、放射線16を可視光領域の蛍光(可視光130)に変換し、変換された可視光130は、柱状結晶構造84の柱状部分を進行し、非柱状結晶部分82及び平坦化膜96を介して各光検出素子94に至る(図11A及び図11B参照)。また、一部の可視光130は、切換フィルタ76に向かって進行するが、該切換フィルタ76の後述する調光ミラーフイルム層122により光検出基板72の方向に反射されるので、該一部の可視光130(反射光)もシンチレータ74及び平坦化膜96を介して各光検出素子94に至る。従って、各光検出素子94は、これらの可視光130を電気信号(アナログ信号)に変換し、電荷としてそれぞれ蓄積する。TFT92は、各光検出素子94に蓄積された電荷を画像信号として読み出す。
図6Bの構成は、基材90にTFT92と光検出素子94とが交互に形成されている点で図6Aの構成とは異なる。この場合、隣接する1つのTFT92と1つの光検出素子94とによって1画素分の領域が構成される。図6Bの構成でも、光検出基板72のTFT92及び光検出素子94側は、凹凸状である可能性もあるので、光検出基板72に蒸着形成されるシンチレータ74の該光検出基板72に対する密着性を高めるために、平坦化膜96を形成することが好ましい。
図7Aの構成は、基材90にa−SiからなるTFT92のアレイと、アルミニウム等からなる金属の反射層98と、複数の光検出素子94とを順に積層し、光検出基板72の光検出素子94側に平坦化膜96を形成する点で、図6A及び図6Bの構成とは異なる。この場合、各光検出素子94は、可視光130を電気信号に変換するフォトダイオードの光検出部94aを2つの電極94b、94cで上下方向にそれぞれ挟み込んだ構造とされている。
そして、図7Aの構成では、TFT92のアレイに反射層98を設けることにより、シンチレータ74からの可視光130又はリセット光源78からのリセット光132が光検出基板72に入射した場合には、これらの光は、反射層98で光検出素子94側に全て反射されるので、可視光130又はリセット光132の入射に起因したTFT92でのスイッチングノイズの発生を回避することができる。また、反射層98が可視光130又はリセット光132を反射することにより、これらの反射光が光検出素子94の光検出部94aに入射されるので、光検出部94aに入射される可視光130又はリセット光132の光量が増加する。この結果、可視光130に対する光検出部94aの感度が向上すると共に、リセット光132による光検出素子94の光リセットを効率よく行うことができる。
なお、図7Aでは、TFT92のアレイに反射層98を積層した場合を図示しているが、この構成に代替して、各光検出素子94と重なるように、該各光検出素子94とTFT92のアレイとの間に反射層98を形成してもよい。この場合、1つの光検出素子94を1画素とする画素単位で、該光検出素子94と略同じ面積の反射層98を形成することになるので、該反射層98での可視光130又はリセット光132の反射に起因した各画素間でのクロストークの発生を回避することができる。
図7Bの構成は、基材90にa−SiからなるTFT92とa−Siからなるフォトダイオードを用いた光検出素子94とが交互に形成されると共に、各TFT92の底板80側に遮光層100が形成され、さらに、光検出基板72の遮光層100及び光検出素子94側に平坦化膜96が形成される点で、図6A〜図7Aの構成とは異なる。
この場合、TFT92に遮光層100を形成することにより、シンチレータ74からの可視光130やリセット光源78からのリセット光132が光検出基板72に入射しても、光検出素子94に向かって進行する光は、該光検出素子94に入射される一方で、TFT92に向かって進行する光は、遮光層100で全て吸収される。従って、図7Bの構成では、可視光130又はリセット光132を効率よく光検出素子94に入射させると共に、可視光130又はリセット光132の入射によるTFT92でのスイッチングノイズの発生を確実に回避することができる。
図8の構成は、平坦化膜96とシンチレータ74との間に、放射線16の照射方向に対して斜め方向に進行する可視光130やリセット光132をカットする斜入光カット層102が介挿されている点で、図6A〜図7Bの構成とは異なる。斜入光カット層102は、可視光130又はリセット光132を透過する物質(例えば、シリコン樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂)からなる光透過部104と、可視光130又はリセット光132に対する吸収率の高い物質(例えば、暗色の金属酸化物、顔料又は染料)からなる遮光部106とを、平坦化膜96の表面(水平方向)に沿って交互に配列することにより構成される。
この場合、放射線16の照射方向に対して所定角度以内で進行してきた可視光130又はリセット光132は、光透過部104を透過して光検出基板72に入射する。一方、前記所定角度を越えて斜め方向に傾いて進行してきた可視光130又はリセット光132は、遮光部106で全て吸収され、光検出基板72への入射が阻止される。この結果、可視光130に対する光検出素子94の感度が向上すると共に、リセット光132による光検出素子94の光リセットを確実に且つ効率よく行うことができ、さらには、斜め方向に入射した光に起因した放射線画像の画像ボケの発生を抑制することができる。
なお、図6A〜図8の構成は、一例であり、これらの構成を適宜組み合わせて光検出基板72等を構成してもよい。例えば、図6B〜図7Bの各構成において、平坦化膜96の表面とシンチレータ74との間に斜入光カット層102を介挿してもよい。
切換フィルタ76は、図9に示すように、リセット光源78からシンチレータ74の方向に向かって、透明基材110、透明導電膜112、イオン貯蔵層114、固体電解質層116、バッファ層118、触媒層120及び調光ミラーフイルム層122の順に積層することにより構成される。この場合、透明導電膜112と調光ミラーフイルム層122とには、電源124及びスイッチ126が電気的に接続されている。
透明基材110は、リセット光源78側に配置された切換フィルタ76の蒸着基板であり、該リセット光源78から出力されたリセット光132(図10A及び図10B参照)を透過可能なガラス基板又はプラスチック基板である。透明導電膜112は、リセット光132を透過可能なITOからなる透明電極である。イオン貯蔵層114は、水素イオン(H)を蓄積可能なWO(酸化タングステン)からなる薄膜である。固体電解質層116は、Ta(酸化タンタル)からなる薄膜である。バッファ層118は、Al(アルミニウム)の金属膜である。触媒層120は、Pd(パラジウム)からなる薄膜である。調光ミラーフイルム層122は、Mg・Ni(マグネシウム・ニッケル)系合金薄膜からなり、スイッチ126のオンによる電源124から透明導電膜112及び調光ミラーフイルム層122への電圧印加に起因して、リセット光132をリセット光源78の方向に反射させると共にシンチレータ74で変換された可視光130(図11A及び図11B参照)を光検出基板72の方向に反射させる鏡状態(非透過状態)、あるいは、リセット光132を透過させシンチレータ74を介して光検出基板72の光検出素子94に照射させる透明状態(透過状態)に切り換わる。
ここで、調光ミラーフイルム層122における鏡状態又は透明状態の切り換えについて具体的に説明する。
調光ミラーフイルム層122の表面は、通常、Mg・Ni系合金薄膜の金属光沢に起因して、可視光130及びリセット光132を反射可能な鏡の状態(鏡状態)となっている。
調光ミラーフイルム層122がこのような鏡状態である場合に、図10Aに示すように、スイッチ126をオンにして、調光ミラーフイルム層122が負極性になると共に透明導電膜112が正極性となるように、切換フィルタ76に電圧(数ボルトの直流電圧)を印加すると、調光ミラーフイルム層122は、鏡状態から透明状態に切り換わる。これは、イオン貯蔵層114に蓄えられている水素イオン(H)が、固体電解質層116、バッファ層118及び触媒層120を介して調光ミラーフイルム層122に移動することにより、金属状態のMg・Ni系合金が水素化されて非金属状態になり、透明化するためである。
このように調光ミラーフイルム層122が一旦透明状態になった場合、図10Bに示すように、スイッチ126をオフにして電源124から切換フィルタ76への電圧印加(通電)を停止しても、調光ミラーフイルム層122の透明状態は維持される。
調光ミラーフイルム層122が透明状態にあり、且つ、被写体14に対する放射線16の非照射時(非撮影時)である場合に、リセット光源78が切換フィルタ76に向けてリセット光132を出力すると、該リセット光132は、透明導電膜112及び調光ミラーフイルム層122を通過してシンチレータ74に入射し、さらに、シンチレータ74から平坦化膜96を介して光検出素子94に入射する。このように、a−Si等からなるフォトダイオードを用いた光検出素子94にリセット光132が照射されることにより、該フォトダイオードの不純物準位に電荷を予め埋めておいて、放射線16の照射時(撮影時)に光検出素子94で可視光130から変換される電荷が前記不純物準位に捕捉されないようにする光リセットを行うことができる。
一方、調光ミラーフイルム層122が透明状態である場合に、図11Aに示すように、スイッチ126をオンにして、調光ミラーフイルム層122が正極性になると共に透明導電膜112が負極性となるように、切換フィルタ76に図10Aに示す電圧極性とは逆極性の電圧(数ボルトの直流電圧)を印加すると、調光ミラーフイルム層122は、透明状態から鏡状態に切り換わる。これは、調光ミラーフイルム層122に一旦移動した水素イオンが、前記逆極性の電圧の印加に起因して、触媒層120、バッファ層118及び固体電解質層116を介してイオン貯蔵層114に戻ることにより、調光ミラーフイルム層122が元の金属状態に変化するためである。
このように調光ミラーフイルム層122が鏡状態に戻った場合、図11Bに示すように、スイッチ126をオフにして電源124から切換フィルタ76への電圧印加を停止しても、調光ミラーフイルム層122の鏡状態は維持される。
そして、調光ミラーフイルム層122が鏡状態であり、且つ、被写体14に対する放射線16の照射(放射線撮影)が行われる場合には、シンチレータ74において放射線16から変換された可視光130のうち、調光ミラーフイルム層122に向かって進行する光は、該調光ミラーフイルム層122で光検出基板72の方向に反射される。これにより、光検出素子94では、シンチレータ74で変換され平坦化膜96を介して直接入射される光(可視光130)に加え、調光ミラーフイルム層122で反射されてシンチレータ74及び平坦化膜96を介して入射される反射光(可視光130)も電気信号として検出することができる。この結果、可視光130に対する光検出素子94の感度を容易に向上させることができる。
なお、撮影時には、リセット光源78への放射線16の照射に起因してリセット光132が発生したり、リセット光源78を誤って駆動させてリセット光132を出力させてしまうことも想定される。しかしながら、撮影中は、シンチレータ74において、大部分の放射線16が可視光130に変換されるので、シンチレータ74を透過して切換フィルタ76に到達する放射線16は極めて少ない。また、撮影中は、調光ミラーフイルム層122が鏡状態(金属状態)であるため、切換フィルタ76に到達した放射線16を金属状態の調光ミラーフイルム層122が吸収することにより、該放射線16がリセット光源78に到達することを阻止することができる。仮に、放射線16がリセット光源78に到達して、該リセット光源78からリセット光132が出力されても、鏡状態の調光ミラーフイルム層122でリセット光132をリセット光源78の方向に反射させることができるので、シンチレータ74及び光検出基板72へのリセット光132の進行を阻止することができる。
このように、ISS方式の電子カセッテ20A、20Bでは、筐体44内部において、放射線16の照射方向に沿って、光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78が順に配置されているので、シンチレータ74に到達する放射線16の線量を減少させることなく、上述した作用及び効果を奏することができる。
なお、上述のように、ISS方式の場合には、ほとんどの放射線16がシンチレータ74で可視光130に変換され、該シンチレータ74を透過して切換フィルタ76に到達する放射線16は極めて少ないため、放射線16の照射中、切換フィルタ76を透明状態に維持することも可能である。この場合でも、上記の問題は発生しないか、あるいは、発生しても放射線画像に大きな影響を及ぼさないものと考えられる。
リセット光源78は、図12A〜図14に示すように、切換フィルタ76及びシンチレータ74を介して光検出基板72と対向するように配置された発光素子142のアレイ(図12A参照)、バックライト(図12B〜図13B参照)、又は、エレクトロルミネッセンス光源(図14参照)から構成される。
図12Aのリセット光源78は、筐体44の底板80に配置された基板140上に、発光ダイオード(LED)等の複数の発光素子142のアレイを配置することにより構成される。従って、調光ミラーフイルム層122が透明状態である場合に、各発光素子142からリセット光132を一斉に出力すれば、リセット光源78は、面発光光源として機能し、切換フィルタ76、シンチレータ74及び平坦化膜96を介し各光検出素子94にリセット光132を均一に照射して光リセットを行うことができる。
なお、図12Aのリセット光源78は、各光検出素子94に対向する発光素子142のみ駆動させてリセット光132をそれぞれ出力することにより、各光検出素子94に対してピンポイントで光リセットを行うことも可能である。
図12Bのリセット光源78は、エッジライト式のバックライトであり、筐体44の底板80と切換フィルタ76との間に導光板150が配置されると共に、該導光板150の側部には冷陰極管(光源)152が配置されている。この場合、冷陰極管152の配置箇所は、放射線16の非照射領域とされている。また、導光板150と切換フィルタ76との間には拡散シート154が介挿されると共に、導光板150及び冷陰極管152を囲繞するように反射シート156が配置されている。ここで、冷陰極管152から導光板150に光が入射すると、導光板150に入射した前記光は、該導光板150内で反射シート156及び拡散シート154との間で表面反射を繰り返した後、該拡散シート154から切換フィルタ76にリセット光132として出射される。
なお、図12Bでは、1本のリセット光132のみ図示されているが、実際に冷陰極管152から導光板150に入射した光は、前記表面反射を繰り返して導光板150全体に広がり、拡散シート154から面発光のリセット光132として出射される。従って、バックライト方式のリセット光源78も面発光光源として機能し、切換フィルタ76、シンチレータ74及び平坦化膜96を介し各光検出素子94に均一にリセット光132を照射して光リセットを行うことができる。
図13A及び図13Bのリセット光源78もエッジライト式のバックライトであるが、冷陰極管152に代替して、LED等の複数の発光素子(光源)162が一列に(アレイ状に)配列された基板160を配置している点で、図12Bの構成とは異なる。従って、この場合でも、各発光素子162及び基板160の配置箇所は、放射線16の非照射領域である。そして、各発光素子162から導光板150に光がそれぞれ入射すると、導光板150に入射した前記各光は、反射シート156及び拡散シート154との間で表面反射を繰り返して導光板150全体に広がった後に、拡散シート154から切換フィルタ76に面発光のリセット光132として出射される。これにより、リセット光源78は、切換フィルタ76、シンチレータ74及び平坦化膜96を介し各光検出素子94に均一にリセット光132を照射して光リセットを行うことができる。なお、図13Bでも1本のリセット光132のみ図示している。
図14のリセット光源78は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)光源又は無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)光源であり、有機EL材料又は無機EL材料からなる発光層170を、リセット光132を透過可能なITOからなる透明電極172と、該リセット光132に対して非透過な金属電極174とで狭持した構造を有する。透明電極172と金属電極174とは、スイッチ176及び電源178と電気的に接続されている。従って、調光ミラーフイルム層122が透明状態である場合に、スイッチ176をオンにして、電源178から透明電極172と金属電極174との間に電圧(例えば、透明電極172が正極性になると共に金属電極174が負極性になる電圧)を印加すれば、発光層170から透明電極172を介して切換フィルタ76に面発光のリセット光132を出力することができる。
このように、有機EL光源又は無機EL光源のリセット光源78においても、切換フィルタ76、シンチレータ74及び平坦化膜96を介して各光検出素子94に均一にリセット光132を照射することにより光リセットを行うことができる。
図15は、図1に示す電子カセッテ20(20A〜20D)の電気的な概略構成図である。
電子カセッテ20(20A〜20D)の光検出基板72は、基材90(図6A〜図8参照)にアレイ状(行列状)に光検出素子94及びTFT92を配置した構造を有する。なお、以下の説明では、光検出素子94を画素190ともいう。
行列状に配置された各画素190は、駆動回路部180のバイアス電源192からバイアス電圧が供給されることにより駆動し、シンチレータ74において放射線16から変換された可視光130を光電変換することで発生した電荷を蓄積する。各画素190に蓄積された電荷は、各列毎にTFT92を順次オンすることにより、各信号線196を介してアナログ信号の画素値(電荷信号、電気信号)として読み出すことができる。なお、図15では便宜上、画素190及びTFT92を、縦4個×横4個の配列としているが、所望の個数の配列としてもよいことは勿論である。
各画素190に接続されるTFT92には、行方向に延びるゲート線194と、列方向に延びる信号線196とが接続されている。各ゲート線194は、駆動回路部180を構成するゲート駆動部198に接続され、各信号線196は、チャージアンプ200を介して、駆動回路部180を構成するマルチプレクサ部202に接続される。マルチプレクサ部202には、アナログ信号の電気信号をデジタル信号の電気信号に変換するAD変換部204が接続されている。AD変換部204は、デジタル信号に変換した電気信号(デジタル信号の画素値、以下、デジタル値という場合もある)をカセッテ制御部182に出力する。なお、駆動回路部180は、パネル部40又は制御部42(図2参照)に配置されている。また、カセッテ制御部182は、制御部42に配置されている。
カセッテ制御部182は、電子カセッテ20(20A〜20D)全体の制御を行う。この場合、コンピュータ等の情報処理装置に所定のプログラムを読み込ませることによって、コンピュータをカセッテ制御部182として機能させることができる。
カセッテ制御部182には、メモリ184及び通信部186が接続されている。メモリ184は、デジタル信号の画素値を記憶し、通信部186は、コンソール22との間で信号の送受信を行う。この場合、通信部186は、複数の画素値が行列状に配置されて構成される1枚の画像(1フレームの画像)をコンソール22にパケット送信する。電源部188は、カセッテ制御部182、メモリ184及び通信部186等に電力を供給すると共に、バイアス電源192にも供給する。なお、メモリ184、通信部186及び電源部188も制御部42に収容されている。
カセッテ制御部182は、撮影オーダ判定部210、温度検出部212、光リセット動作判定部214、フィルタ制御部216及び光源制御部218を有する。
撮影オーダ判定部210は、被写体14に対する放射線16の照射(放射線画像の撮影)に関わるオーダ情報(撮影オーダ)をコンソール22から受信した際に、撮影オーダに含まれる撮影方法を特定(判定)する。なお、オーダ情報(撮影オーダ)とは、RIS26又はHIS28において、医師により作成されるものであり、被写体14の氏名、年齢、性別等、被写体14を特定するための被写体情報に加えて、撮影に使用する放射線出力装置18及び電子カセッテ20の情報や、被写体14の撮影部位や撮影での手技、撮影方法(静止画撮影、動画撮影)等が含まれる。
また、リセット光源78から光検出素子94(画素190)にリセット光132を照射して光リセットを行う場合、光検出素子94は、リセット光132に応じた電気信号(暗電流信号)を検出し、電荷として蓄積する。暗電流信号のレベルは、光検出素子94であるフォトダイオードの温度によって変化する。そこで、温度検出部212は、TFT92を順次オンすることにより、各信号線196を介して読み出された暗電流信号(の画素値)に基づいて、各光検出素子94の温度を検出する。
光リセット動作判定部214は、撮影オーダ判定部210において特定された撮影方法と、温度検出部212において検出された各光検出素子94の温度とに基づいて、各光検出素子94に対して光リセットを行うべきか否かを判定する。
フィルタ制御部216は、前述した電源124及びスイッチ126(図9〜図11B参照)の機能を有し、切換フィルタ76に電圧を印加することにより、調光ミラーフイルム層122の鏡状態又は透明状態の切り換えを制御する。光源制御部218は、前述したスイッチ176及び電源178(図14参照)の機能を有し、リセット光源78からのリセット光132の出力を制御する。
なお、撮影オーダ判定部210での撮影方法の特定結果(判定結果)、温度検出部212での検出結果、光リセット動作判定部214での判定結果、フィルタ制御部216による切換フィルタ76の制御の状況、及び、光源制御部218によるリセット光源78の制御の状況は、表示操作部56で画面表示され、スピーカ58を介して音として出力され、さらには、通信部186から無線通信によりコンソール22に送信(通知)される。
本実施形態に係る電子カセッテ20(20A〜20D)を有する放射線画像撮影システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について、図16〜図26を参照しながら説明する。
図16〜図26の説明では、第1実施例に係る電子カセッテ20Aを使用した場合の放射線画像撮影システム10の動作について説明するが、第2〜第4実施例に係る電子カセッテ20B〜20Dを使用した場合でも、同様に適用可能であることは勿論である。
ここでは、撮影オーダの内容に従って、下記[1]〜[7]のケースに分けて説明する。
[1] 被写体14に対する少なくとも1枚の静止画撮影(被写体14に対する少なくとも1回の放射線撮影)、又は、フレームレート閾値Fthよりも低いフレームレートでの動画撮影(低レート動画撮影、第1の動画撮影)を含む撮影オーダに従った放射線撮影(図16及び図17参照)。
これらの放射線撮影は、いずれも、光検出素子94に対する光リセットを行わない場合での撮影である。
なお、光リセットを行わない場合とは、光検出素子94に対する光リセット動作を行わなくても、不純物準位に捕捉された電荷の再放出に起因した暗電流信号によるノイズが、医師による放射線画像の読影診断を妨げない程度に低い場合をいう。
また、フレームレート閾値Fthとは、光リセットの要否を判断するための閾値(図20参照)であり、動画撮影でのフレームレートが該フレームレート閾値Fthよりも高ければ光リセットが必要と判断され、一方で、フレームレートがフレームレート閾値Fthよりも低ければ光リセットが不要と判断される。
また、低レート動画撮影とは、フレームレート閾値Fth(通常は、Fth=Fth0)よりも低いフレームレートでの動画撮影をいう。また、以下の説明では、フレームレート閾値Fthよりも高いフレームレートでの動画撮影を、高レート動画撮影(第2の動画撮影)という。
先ず、図16のステップS1において、コンソール22(図1参照)は、医師がRIS26又はHIS28において作成したオーダ情報(撮影オーダ)を取得する。ステップS2において、医師は、コンソール22が取得したオーダ情報に基づき、被写体14の撮影条件を設定する。なお、撮影条件とは、例えば、放射線源30の管電圧や管電流、放射線16の曝射時間等、被写体14の撮影部位に対して放射線16を照射させるために必要な各種の条件である。
ステップS3において、医師は、所定の保管場所に保管されている電子カセッテ20(20A)の取手52(図2及び図3A参照)を把持して該電子カセッテ20Aを搬送し、撮影台12上に設置する。次のステップS4において、医師は、被写体14の撮影部位が撮影可能領域50に納まるように該被写体14を撮影台12及び電子カセッテ20A上に横臥させて、撮影可能領域50に対する前記撮影部位のポジショニングを行う。
この場合、電源部188(図15参照)は、カセッテ制御部182、通信部186及び表示操作部56に対しては、電力を常時供給している。そして、被写体14のポジショニングが完了した後に、医師が表示操作部56を操作して、電子カセッテ20Aの起動を指示すると、カセッテ制御部182は、電源部188から駆動回路部180及びスピーカ58への電力供給を開始させる。これにより、バイアス電源192は、各画素190(光検出素子94)に対するバイアス電圧の供給を開始するので、該各画素190は、電荷蓄積が可能な状態となる。また、スピーカ58は、カセッテ制御部182からの信号を音として外部に出力することが可能な状態に至る。この結果、電子カセッテ20Aは、スリープ状態から起動状態に切り替わる。
そして、カセッテ制御部182は、通信部186を介して無線によりコンソール22に撮影オーダや撮影条件の送信を要求する送信要求信号を送信する。コンソール22は、前記送信要求信号を受信すると、電子カセッテ20Aに対して前記撮影オーダ及び前記撮影条件を無線により送信すると共に、放射線出力装置18に対して前記撮影条件を無線により送信する。これにより、放射線出力装置18では、受信された前記撮影条件が放射線制御装置32に登録される。また、電子カセッテ20Aでは、受信された前記撮影オーダ及び前記撮影条件がカセッテ制御部182に登録される。なお、カセッテ制御部182は、前記オーダ情報及び前記撮影条件を受信すると、これらの情報を表示操作部56に表示させてもよい。
ステップS5において、カセッテ制御部182の撮影オーダ判定部210は、撮影オーダに含まれる撮影方法を判定する。前述したように、撮影方法は、少なくとも1枚の静止画撮影、又は、フレームレート閾値Fth(Fth0)(図20参照)よりも低いフレームレートでの動画撮影(低レート動画撮影)であるため、撮影オーダ判定部210は、撮影方法の判定結果を光リセット動作判定部214に通知すると共に、表示操作部56にも表示させる。
光リセット動作判定部214は、撮影オーダ判定部210から通知された判定結果に基づいて、各画素190(各光検出素子94)に対する光リセットを行うべきか否かを判定する。この場合、少なくとも1枚の静止画撮影又は低レート動画撮影を示す判定結果であるため、光リセット動作判定部214は、各画素190に対する光リセット動作は不要と判定し(ステップS6)、光リセット動作が不要との判定結果を、フィルタ制御部216及び光源制御部218に通知すると共に、表示操作部56にも表示させる。さらには、スピーカ58から前記判定結果を示す音を出力してもよい。
フィルタ制御部216は、光リセット動作判定部214から通知された判定結果に基づいて、切換フィルタ76への電圧印加を禁止し、一方で、光源制御部218は、前記判定結果に基づいて、リセット光源78の駆動を禁止する。これにより、切換フィルタ76の調光ミラーフイルム層122は鏡状態を維持すると共に、リセット光源78からのリセット光132の出力も行われない(ステップS7)。
なお、ステップS5、S6の各判定結果が表示操作部56に表示されるので、医師は、該表示操作部56の表示内容を視認することにより、各画素190に対する光リセット動作が行われないことを把握することができる。また、ステップS5、S6の各判定結果を示す音をスピーカ58から出力すれば、医師は、前記音を聞くことにより、各画素190に対する光リセット動作が行われないことを理解することができる。
さらに、前記各判定結果を通信部186から無線通信によりコンソール22に送信してもよい。この場合、コンソール22は、受信した前記各判定結果を無線通信により表示装置24に転送して、該表示装置24に表示させることができるので、医師は、各画素190に対する光リセット動作が行われないことを確実に把握することができる。
このようにして撮影準備が行われた後の図17のステップS8において、医師が放射線スイッチ34(図1参照)を半押すると、放射線制御装置32は、放射線16の照射準備を行うと共に、照射準備を通知する通知信号をコンソール22に無線により送信する。コンソール22は、放射線源30からの放射線16の照射と同期させるための同期制御信号を無線により電子カセッテ20Aに送信する。電子カセッテ20Aのカセッテ制御部182は、前記同期制御信号を受信すると、照射準備に入ったことを示す情報を表示操作部56(図2及び図15参照)に表示させると共に、スピーカ58を介して外部に音として通知してもよい。
その後、医師が放射線スイッチ34を全押すると、放射線制御装置32は、放射線源30から放射線16を前記撮影条件で設定された所定時間だけ被写体14の撮影部位に照射する(ステップS9)。この場合、放射線制御装置32は、放射線16の照射開始と同時に、照射開始を通知する通知信号を無線によりコンソール22に送信してもよい。コンソール22は、受信した前記通知信号を電子カセッテ20Aに転送し、該電子カセッテ20Aのカセッテ制御部182は、前記通知信号を受信すると、照射中であることを情報を表示操作部56に表示させると共に、スピーカ58を介して外部に音として通知してもよい。
そして、放射線16が被写体14の撮影部位を透過して電子カセッテ20Aの放射線検出器70に至ったステップS10において、該放射線検出器70は、図3A及び図4Aに示すISS方式の放射線検出器であるため、放射線16は、光検出基板72を介してシンチレータ74の柱状結晶構造84に至る。
柱状結晶構造84は、放射線16の強度に応じた強度の可視光130(図11A及び図11B参照)を発光し、可視光130は、柱状結晶構造84の柱状部分から非柱状結晶部分82に向かって進行し、光検出基板72に入射する。なお、一部の可視光130は、柱状結晶構造84の柱状部分から先端部分に向かって進行する場合もあるが、切換フィルタ76の調光ミラーフイルム層122が鏡状態にあるため(図11A及び図11B参照)、光検出基板72の方向に反射され、その反射光(一部の可視光130)は、柱状結晶構造84及び非柱状結晶部分82を介して光検出基板72に入射する。従って、光検出基板72には、柱状結晶構造84で変換された後に直接入射した可視光130に加え、鏡状態の調光ミラーフイルム層122で反射した反射光(可視光130)も入射するので、可視光130に対する光検出基板72の各画素190(各光検出素子94)の感度を容易に向上させることができる。
そして、各画素190は、平坦化膜96を介して入射された上述の可視光130を電気信号に変換し、電荷として蓄積する。次いで、各画素190に保持された被写体14の撮影部位の放射線画像である電荷情報は、カセッテ制御部182(図15参照)からゲート駆動部198に供給される駆動信号に従って読み出される。
すなわち、ゲート駆動部198は、ゲート線194を0行目から順次選択し、選択したゲート線194にゲート信号を供給して、該ゲート信号が供給されたTFT92をオンにすることで、各画素190に蓄積された電荷を0行目から行単位で順次読み出す。各画素190から行単位で順次読み出された電荷は、各信号線196を介して各列のチャージアンプ200に入力され、その後、マルチプレクサ部202及びAD変換部204を介して、デジタル信号の電気信号としてメモリ184に記憶される(ステップS11)。つまり、メモリ184には、行単位で得られた1行分の画像データが順次記憶される。
メモリ184に記憶された放射線画像は、電子カセッテ20Aを識別するためのカセッテID情報と共に、通信部186を介して無線によりコンソール22(図1参照)に送信される。コンソール22は、受信された放射線画像及びカセッテID情報を表示装置24に表示させる(ステップS12)。また、カセッテ制御部182は、放射線画像及びカセッテID情報を共に表示操作部56に表示させてもよい。
医師は、表示装置24又は表示操作部56の表示内容を視認して放射線画像が得られたことを確認した後に、撮影オーダに登録された全ての撮影が完了したのであれば(ステップS13:YES)、被写体14をポジショニング状態から解放する(ステップS14)。
次に、医師は、表示操作部56を操作して、電子カセッテ20Aの停止を指示すると、カセッテ制御部182は、電源部188から駆動回路部180及びスピーカ58への電力供給を停止させる。これにより、バイアス電源192から各画素190へのバイアス電圧の供給も停止する。この結果、電子カセッテ20Aは、起動状態からスリープ状態に移行する。
ステップS15において、医師は、表示操作部56の表示が消えて電子カセッテ20Aがスリープ状態に移行したことを確認した後に、該電子カセッテ20Aの取手52(図2及び図3A参照)を把持して、電子カセッテ20Aを所定の保管場所にまで搬送する。
なお、ステップS13において、低レート動画撮影を含む撮影オーダであって、全ての動画撮影が完了していない場合には(ステップS13:NO)、放射線制御装置32は、次の動画撮影(2枚目以降の放射線撮影)を実行し、前記撮影条件に従って被写体14の撮影部位に放射線16を再度照射する(ステップS9)。
また、ステップS13において、複数枚の静止画撮影を含む撮影オーダであって、全ての静止画撮影が完了していない場合には(ステップS13:NO)、医師は、次の静止画撮影(2枚目以降の放射線撮影)を実行すべく、ステップS8の処理を再度実行する。
このように、各光検出素子94(各画素190)に対して光リセットを行わない撮影(少なくとも1枚の静止画撮影、低レート動画撮影)では、切換フィルタ76の調光ミラーフイルム層122を鏡状態に維持した状態で被写体14に対する放射線撮影が実行される。
[1]に示す光リセットを行わない場合での放射線撮影については、以上の通りである。
次に、各光検出素子94(各画素190)に対する光リセット動作を伴う放射線撮影([2]〜[7])について、図18〜図26を参照しながら説明する。
ここで、これらの放射線撮影について順に説明する前に、光リセット動作の必要性について説明する。
a−Si等からなるフォトダイオードを用いた光検出素子94(図6A〜図8、図10A〜図12B及び図13B〜図15参照)では、可視光130から変換された電荷の一部がa−Siの不純物準位に一旦捕捉され、その後、高レート動画撮影のような長時間撮影によるフォトダイオードの温度上昇等に起因して前記電荷が再放出されると、暗電流等の不要な電流が発生し、放射線画像のノイズの原因となる場合がある。そこで、[背景技術]の項目でも記載したように、従来は、放射線16の非照射時(非撮影時)にフォトダイオードにリセット光132を照射して、前記不純物準位に電荷を予め埋めておき、その後、放射線16の照射時に可視光130から変換された電荷が前記不純物準位に捕捉されないようにすることで、前記ノイズの低減を図るようにしている。
しかしながら、従来の方法では、比較的浅く電荷を埋め込むため、フォトダイオードの温度が高くなると、ほとんどの電荷が不純物準位から吐き出されてしまい、ノイズ低減の効果が得られなくなる。また、高レート動画撮影では、長時間にわたり撮影が繰り返し行われることによりフォトダイオードの温度が上昇するので、撮影間隔(フレームレート)と不純物準位からの電荷の吐出時間とがコンパラブルになれば、不純物準位からの電荷の吐き出しが顕著になると共に、各フレーム間での電荷の吐き出し量がばらつくおそれがある。
従って、本実施形態では、不純物準位に電荷を予め十分に埋めておき、フォトダイオードの温度上昇に起因した各フレーム間での電荷の吐き出し量のばらつきを解消すると共に、一定の電荷の吐き出し量に起因したノイズを放射線画像から画像処理によって除去(補正)する必要がある。
一方、暗電流のレベルもフォトダイオードの温度によって変化する。特に、前記温度が上昇すると暗電流のレベルは大きくなる。従って、フォトダイオードが高温になると、放射線画像のノイズを無視できなくなる。従って、動画撮影ばかりでなく、静止画撮影でも撮影間隔が短い場合や、動画撮影から静止画撮影に切り換えたり、あるいは、静止画撮影から動画撮影に切り換えて撮影を続行する場合等、長時間にわたり放射線撮影を行う場合には、フォトダイオードが高温になりやすく、暗電流信号によるノイズが無視できない。
このように、フォトダイオードの温度によってノイズが無視できないようになると、図20に示すように、例えば、フォトダイオードの温度が閾値温度Tcよりも高ければ、フレームレート閾値Fthを当初のFth0(初期値)から引き下げて、撮影オーダに示す低レート動画撮影又は高レート動画撮影の別に関わり無く、フォトダイオードの温度を考慮した光リセット動作の要否判定を行う必要も出てくる。
そこで、図18〜図26での光リセット動作を必要とする撮影では、a−Si等のフォトダイオードを用いた光検出素子94の温度も考慮して、光リセット動作の要否判定を行う。
次に、光リセット動作を伴う放射線撮影について、[2]〜[7]に分けて説明する。
[2] 静止画撮影又は低レート動画撮影を含む撮影オーダに従った放射線撮影であって、撮影前の光リセット動作を少なくとも1回行う場合(図18参照)。
これは、高画質の放射線画像が要求されるため、撮影前に光リセット動作を少なくとも1回行って、ノイズの少ない放射線画像を取得する場合を想定している。すなわち、[1]で説明した撮影オーダであっても、より高画質の放射線画像を取得するために、撮影前に光リセットを少なくとも1回行う場合を想定している。
先ず、ステップS5(図16参照)後の図18のステップS21において、光リセット動作判定部214(図15参照)は、撮影オーダ判定部210から通知された判定結果が、少なくとも1枚の静止画撮影又は低レート動画撮影であることを示す判定結果であることから、撮影開始前に少なくとも1回の光リセット動作が必要と判断し、撮影開始前に光リセット動作が必要である旨の判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、前記判定結果を表示操作部56に表示する。また、スピーカ58は、前記判定結果を示す音を外部に出力してもよい。
フィルタ制御部216は、光リセット動作判定部214から通知された判定結果に基づいて、切換フィルタ76(図3A、図4A、図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換える(ステップS21)。また、光源制御部218は、前記判定結果に基づいて、リセット光源78を駆動してリセット光132の出力を開始させる。
これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過し、シンチレータ74を介して光検出基板72に入射する。この結果、各光検出素子94(各画素190)に対する光リセットが行われる(ステップS22)。その後、光源制御部218は、リセット光源78からのリセット光132の出力を停止させて、光リセット動作を終了させる。
一方、フィルタ制御部216は、光リセット動作判定部214から通知された判定結果に基づいて、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に戻す必要がある場合には(ステップS23:NO)、ステップS21での電圧極性とは逆極性の電圧を切換フィルタ76に供給して調光ミラーフイルム層122を透明状態から鏡状態に切り換える(ステップS24)。また、フィルタ制御部216は、前記判定結果に基づいて、調光ミラーフイルム層122の透明状態を維持する必要があると判断した場合には(ステップS23:YES)、切換フィルタ76への電圧供給は行わず、前記透明状態を維持させる。
このようにして、光リセット動作が終了した後に、放射線画像撮影システム10では、図17のステップS8の処理が行われる。
なお、図18のステップS23において、切換フィルタ76の透明状態を維持すべきか否かの判定は、例えば、下記の基準(1)又は(2)に従って判定すればよい。
(1)1枚の静止画撮影では、撮影前に光リセットを1回行えば、ノイズの少ない放射線画像が得られる。また、撮影中、切換フィルタ76が鏡状態であれば、該切換フィルタ76に向かって進行する可視光130を光検出基板72の方向に反射させることができるので、光検出素子94の感度を容易に向上させることができる。さらに、複数枚の静止画撮影又は低レート動画撮影においては、撮影間隔が比較的長ければ、フォトダイオードの温度はそれ程上昇しないことが予想されるので、2枚目以降の撮影の直前に光リセットを行わなくても、高画質の放射線画像が得られるものと思われる。従って、フィルタ制御部216は、これらの撮影については、高感度且つ高画質の放射線画像の取得を目的として、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に戻す旨の判定をすればよい。
(2)複数枚の静止画撮影又は低レート動画撮影であっても、撮影間隔が比較的短い撮影では、撮影回数を重ねていくと、フォトダイオードが高温になってくるので、2枚目以降の撮影では、撮影の直前に光リセットを行わないと、暗電流によるノイズが放射線画像に影響を与えることが想定される。また、調光ミラーフイルム層122における鏡状態及び透明状態の切り換えに要する時間が、撮影間隔よりも長ければ、切換フィルタ76での切り換えが動画撮影のフレームレートに追従できない可能性もある。このような場合に、フィルタ制御部216は、光リセットを確実に行ってノイズの少ない放射線画像を取得する目的で、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に戻さず、透明状態を維持すべき旨の判定をすればよい。
なお、前述したように、ISS方式の電子カセッテ20A(又は電子カセッテ20B)では、放射線16の照射方向に沿って、光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78の順に配置されているので、ほとんどの放射線16は柱状結晶構造84で可視光130に変換され、切換フィルタ76及びリセット光源78にまで放射線16が到達する可能性は極めて低い。従って、ISS方式の場合、放射線16の照射による切換フィルタ76及びリセット光源78の劣化を防止することができると共に、放射線16の照射中、調光ミラーフイルム層122を透明状態に維持しても、該放射線16の照射によってリセット光源78でリセット光132が誤発生するおそれを回避することができる。
また、[2]のケースでは、撮影開始前に光リセットを少なくとも1回実行する。光リセット後、静止画撮影の撮影オーダにあっては、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に維持して静止画撮影が行われる。一方で、低レート動画撮影の撮影オーダにあっては、調光ミラーフイルム層122を鏡状態にして動画撮影が行われるか、あるいは、透明状態にして動画撮影が行われる。
[3] 複数枚の撮影(静止画撮影又は動画撮影)を含む撮影オーダに従った放射線撮影であって、撮影と撮影との間に光リセット動作を行う場合(図19参照)。
これは、複数枚の静止画撮影、低レート動作撮影、又は、高レート動画撮影のように、連続撮影中に光リセット動作を行う場合を想定している。
ステップS13(図17参照)において、全ての撮影が完了していないと判定された後(ステップS13:NO)の図19のステップS25において、光リセット動作判定部214(図15参照)は、撮影オーダ判定部210から通知された判定結果が、複数枚の撮影(複数枚の静止画撮影、動画撮影)であることを示す判定結果であることから、撮影と撮影との間に光リセット動作を行うことが必要と判断し(ステップS25:YES)、撮影と撮影との間での光リセット動作が必要である旨の判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、前記判定結果を表示操作部56に表示する。この場合でも、スピーカ58は、前記判定結果を示す音を外部に出力してもよい。
フィルタ制御部216は、光リセット動作判定部214から判定結果が通知されると、調光ミラーフイルム層122(図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)が現在鏡状態であるか否かを確認し(ステップS26)、調光ミラーフイルム層122が鏡状態であれば(ステップS26:YES)、ステップS21(図18参照)の場合と同様に、切換フィルタ76に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換える(ステップS27)。
また、光源制御部218は、前記判定結果に基づいて、ステップS22の場合と同様に、リセット光源78を駆動してリセット光132の出力を開始させる。これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過してシンチレータ74を介して光検出基板72に入射するので、各光検出素子94(各画素190)に対する光リセットを行うことができる(ステップS28)。
その後、光源制御部218は、リセット光源78からのリセット光132の出力を停止させ、一方で、フィルタ制御部216は、ステップS27で切換フィルタ76に供給した電圧とは逆極性の電圧を切換フィルタ76に供給して調光ミラーフイルム層122を透明状態から鏡状態に再度切り換える(ステップS29)。その後、放射線画像撮影システム10では、図17のステップS9の処理に戻り、次の撮影が行われる。
このように、[3]のケースでは、複数枚の静止画撮影、低レート動作撮影、又は、高レート動画撮影を含む撮影オーダにおいて、撮影と撮影との間に、ステップS25〜S29の処理が実行されることで、(1フレーム中、)調光ミラーフイルム層122の状態が鏡状態又は透明状態に交互に切り換わり、前記透明状態の時間内に光リセット動作を行うことができる。
なお、ステップS26において、調光ミラーフイルム層122が透明状態であれば(ステップS26:NO)、すなわち、前記透明状態を維持しながら動画撮影を行っている場合には、フィルタ制御部216は、切換フィルタ76に対する電圧供給は行わず、透明状態を引き続き維持させると共に、光源制御部218は、リセット光源78を駆動させて、ステップS22、S28と同様に、各画素190に対する光リセット動作を行わせる(ステップS30)。その後、リセット光源78からのリセット光132の出力が停止され、次に、放射線画像撮影システム10では、ステップS9の処理に戻り、次の撮影を行う。
このように、[3]のケースでは、調光ミラーフイルム層122が透明状態を維持している場合には、撮影と撮影との間に光リセット動作を行い、その後は、鏡状態に戻すことなく、前記透明状態を維持させることも可能である。特に、高レート動画撮影を含む撮影オーダの場合には、調光ミラーフイルム層122での切換時間が高レート動画撮影のフレームレートに追従できないこともあり得るので、調光ミラーフイルム層122を透明状態に維持し続けることにより、撮影と撮影との間で光リセットを確実に行うことが可能となる。
また、ステップS25において、光リセット動作判定部214は、複数枚の撮影を示す判定結果であっても、撮影と撮影との間に光リセット動作を行わなくてもよいと判断した場合には(ステップS25:NO)、光リセット動作が不要の判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、前記判定結果を表示操作部56に表示し、あるいは、スピーカ58から音として出力してもよい。その後、放射線画像撮影システム10では、ステップS9の処理に戻り、次の撮影が行われる。
なお、光リセット動作判定部214は、ステップS25において、上述の撮影方法(複数枚の静止画撮影又は動画撮影)に加え、光検出素子94の温度も考慮して、光リセット動作の要否判定を行ってもよい。
例えば、前回の撮影において各画素190から読み出された電気信号の画素値のうち、放射線16が照射されていない箇所に配置された画素190から読み出された電気信号の画素値は、暗電流に応じた画素値であると想定される。そこで、温度検出部212は、当該画素190から読み出された電気信号(暗電流)の画素値に基づいて、画素190(フォトダイオード)の温度を検出し、その検出結果を光リセット動作判定部214に出力すればよい。
この場合、光リセット動作判定部214は、ステップS25において、温度検出部212が検出した前記温度に対応するフレームレート閾値Fthを図20から特定し、特定したフレームレート閾値Fthと、撮影オーダ判定部210で判定された撮影方法でのフレームレートとを比較し、前記フレームレートが前記温度に応じたフレームレート閾値Fthよりも高ければ、光リセット動作が必要と判定し(ステップS25:YES)、一方で、フレームレートが該フレームレート閾値Fthよりも低ければ光リセット動作が不要と判定してもよい(ステップS25:NO)。
なお、温度検出部212で検出した温度が閾値温度Tcよりも低く、フレームレート閾値が初期値としてのFth0である場合に、光リセット動作判定部214は、前記温度を考慮した判定処理を行わず、前記撮影方法でのフレームレートとフレームレート閾値Fth0との比較のみによって、光リセット動作の要否を判定すればよい。
上述した[2]及び[3]のケースでは、少なくとも1枚の静止画撮影、低レート動画撮影、又は、高レート動画撮影のうち、いずれか1つの撮影を含む撮影オーダに従って、被写体14の放射線撮影を行う場合について説明した。
しかしながら、撮影オーダには、上述の1種類の撮影に限らず、例えば、図21A〜図21Cに示すように、2種類以上の撮影を行うような撮影オーダもある。すなわち、図21Aは、静止画撮影を行った後に動画撮影を行う場合を図示し、図21Bは、動画撮影を行った後に静止画撮影を行う場合を図示し、図21Cは、静止画撮影を行った後に低レート動画撮影及び高レート動画撮影の順に撮影を行う場合を図示している。
このような2種類以上の撮影が含まれる撮影方法では、撮影方法を切り換えるタイミング(時間T)で調光ミラーフイルム層122の状態を切り換えたり(図21A及び図21B参照)、あるいは、前記タイミングで調光ミラーフイルム層122の状態を切り換えようとしても切り換えに時間がかかるために(動画撮影のフレームレートに追従できないために)、撮影間隔が比較的長いときに前もって調光ミラーフイルム層122の状態を切り換える場合がある(図21C参照)。
次に、このような2種類以上の撮影が含まれる撮影オーダでの放射線撮影及び光リセット動作([4]〜[7]のケース)について、図22〜図26を参照しながら説明する。
[4] 少なくとも1枚の静止画撮影及び動画撮影の順に撮影が行われる撮影オーダであって、静止画撮影から動画撮影への切り換えのタイミングで切換フィルタ76の状態も切り換える場合(図21A参照)。
ここでは、静止画撮影においては調光ミラーフイルム層122(図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)が鏡状態であり、静止画撮影から動画撮影に切り換わる時間Tの後、動画撮影では、フレームレートによって、調光ミラーフイルム層122が鏡状態を維持するか、透明状態を維持するか、あるいは、1フレーム中、鏡状態又は透明状態に交互に切り換わる場合について説明する。従って、調光ミラーフイルム層122は、時間Tのタイミングで、その状態が切り換わる。また、[4]において動画撮影とは、低レート動画撮影又は高レート動画撮影である。
先ず、図16のステップS5後のステップS31(図22参照)において、撮影オーダに含まれる撮影方法が静止画撮影及び動画撮影の順に行われる撮影であれば(ステップS31:YES)、ステップS7(図16参照)以降の処理が行われ、調光ミラーフイルム層122を鏡状態にして静止画撮影が行われる。
その後、ステップS13(図17参照)において、全ての撮影が完了していないと判定された後(ステップS13:NO)、光リセット動作判定部214は、ステップS41(図23参照)において、撮影オーダ判定部210(図15参照)から通知された判定結果が、静止画撮影及び動画撮影の順に行われることを示す判定結果である場合には(ステップS41:YES)、次に、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングであるか否かを判定する(ステップS42)。
ステップS42において、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングではない、すなわち、次の撮影も静止画撮影であると判定した場合(ステップS42:NO)、光リセット動作判定部214は、その判定結果を表示操作部56に表示する。これにより、医師は、表示操作部56の表示内容を確認し、図17のステップS8の処理を再度行って、次の静止画撮影を実行する。
一方、ステップS42において、時間T内であり、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングであれば(ステップS42:YES)、光リセット動作判定部214は、光リセット動作を行うべきか否かを判定する(ステップS43)。
前回の撮影が比較的大線量の静止画撮影であると共に、次の動画撮影は比較的低線量での撮影である場合に、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が必要と判定し(ステップS43:YES)、光リセット動作の実行を指示する判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。また、スピーカ58は、前記判定結果を示す音を外部に出力してもよい。
フィルタ制御部216は、切換フィルタ76(図3A、図4A、図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換える(ステップS44)。一方、光源制御部218は、リセット光源78を駆動させてリセット光132を出力させる。これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過し、シンチレータ74を介して光検出基板72に入射する。これにより、各画素190に対する光リセットが行われる(ステップS45)。その後、光源制御部218は、リセット光源78からのリセット光132の出力を停止させて、光リセットを終了させ、一方で、フィルタ制御部216は、次に行われる動画撮影が低レート動画撮影であるか否かを判定する(ステップS46)。
低レート動画撮影は、比較的低いフレームレートでの動画撮影であるため、撮影間隔が比較的長く、フォトダイオードはそれ程高温にはならず、従って、光リセットは必須でない場合がある。また、撮影間隔が比較的長いため、光リセットを行う場合には、撮影と撮影との間に切換フィルタ76の状態を切り換えるだけの時間を確保することも可能である。
そこで、次に行われる動画撮影が低レート動画撮影であれば(ステップS46:YES)、フィルタ制御部216は、ステップS44での電圧極性とは逆極性の電圧を切換フィルタ76に供給して、透明状態から鏡状態に切り換える(ステップS47)。ステップS47後、図17のステップS9の処理が実行され、低レート動画撮影が開始される。
なお、ステップS43において、図21Aの時間Tが比較的長時間であるため、フォトダイオードがそれ程高温にならない場合、光リセット動作を行わなくても、暗電流によるノイズの影響が少ない場合、あるいは、前回の撮影が比較的小線量の静止画撮影である場合には、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が不要と判定し(ステップS43:NO)、その判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。その後、フィルタ制御部216は、ステップS46の判定処理を実行する。
また、ステップS46において、次の撮影が高レート動画撮影である場合に(ステップS46:NO)、フィルタ制御部216は、調光ミラーフイルム層122の透明状態を維持することを決定する(ステップS48)。その後、図17のステップS9の処理が実行され、高レート動画撮影が開始される。
なお、ステップS43において否定的な判定結果であった場合に(ステップS43:NO)、調光ミラーフイルム層122の現在の状態が鏡状態である可能性もあり得る。そこで、フィルタ制御部216は、ステップS46において高レート動画撮影と判定した場合には(ステップS46:NO)、切換フィルタ76に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換えばよい(ステップS48)。
また、静止画撮影に続く動画撮影(低レート動画撮影)においても鏡状態を維持するか、あるいは、[3]で説明したように、動画撮影(例えば、高レート動画撮影)において、1フレーム中、調光ミラーフイルム層122を鏡状態又は透明状態に交互に切り換えて光リセット動作を行う場合には、図23で破線で示すように、ステップS46の判定処理を省略してステップS47の処理を実行し、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に切り換えてもよい。
さらに、動画撮影(例えば、高レート動画撮影)においても透明状態を維持するか、あるいは、フレームレートと比較して、調光ミラーフイルム層122の切換時間が長い場合には、ステップS46、S47の処理を省略してもよい。
[5] 動画撮影及び少なくとも1枚の静止画撮影の順に撮影が行われる撮影オーダであって、動画撮影から静止画撮影への切り換えのタイミングで切換フィルタ76の状態も切り換える場合(図21B参照)。
ここでは、動画撮影において、調光ミラーフイルム層122(図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)が鏡状態を維持するか、透明状態を維持するか、あるいは、1フレーム中、鏡状態又は透明状態に交互に切り換わり、動画撮影から静止画撮影に切り換わる時間Tの後、静止画撮影においては調光ミラーフイルム層122が鏡状態を維持する場合について説明する。従って、動画撮影から静止画撮影に切り換わる時間Tに、調光ミラーフイルム層122は、その状態が切り換わる。また、[5]においても、動画撮影とは、低レート動画撮影又は高レート動画撮影とする。
先ず、図16のステップS5後のステップS31(図22参照)において、撮影オーダに含まれる撮影方法が動画撮影及び静止画撮影の順に行われる撮影である場合であって(ステップS31:NO、ステップS32:YES)、動画撮影が低レート動画撮影であれば(ステップS33:YES)、調光ミラーフイルム層122を鏡状態としたままで低レート動画撮影が行われる(ステップS7以降の処理)。
一方、動画撮影が高レート動画撮影であれば(ステップS33:NO)、図18のステップS21〜S24の処理が実行されて、撮影前の光リセット動作が行われた後に図17のステップS8以降の処理が行われる。
その後、ステップS13(図17参照)において、全ての撮影が完了していないと判定された後(ステップS13:NO)、光リセット動作判定部214(図15参照)は、図23のステップS41において、撮影オーダ判定部210から通知された判定結果が、動画撮影及び静止画撮影の順に行われることを示す判定結果であるため(図23のステップS41:NO、図24のステップS51:YES)、次に、動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミングであるか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52において、動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミング、すなわち、時間T内にあって、次の撮影は静止画撮影であると判定した場合(ステップS52:YES)、光リセット動作判定部214は、次に、光リセット動作が必要であるか否かを判定する(ステップS53)。
静止画撮影において、ノイズの少ない放射線画像を取得したい場合、あるいは、フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値Fth(図20参照)よりも動画撮影のフレームレートが高かった場合には、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が必要と判定し(ステップS53:YES)、光リセット動作の実行を指示する判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。また、スピーカ58は、前記判定結果を音として外部に出力してもよい。
フィルタ制御部216は、切換フィルタ76に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換える(ステップS54)。一方、光源制御部218は、リセット光源78を駆動させてリセット光132を出力させる。これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過し、シンチレータ74を介して光検出基板72に入射するので、各画素190に対する光リセットが行われる(ステップS55)。光リセット後、図16のステップS7の処理が行われ、調光ミラーフイルム層122は鏡状態に切り換わる。その後、図17のステップS8以降の処理、すなわち、静止画撮影が実行される。
一方、ステップS52において、動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミングではない場合、すなわち、次の撮影も動画撮影である場合(ステップS52:NO)、光リセット動作判定部214は、引き続き行われる動画撮影が低レート動画撮影であるか否かを判定する(ステップS56)。
低レート動画撮影であれば(ステップS56:YES)、図17のステップS9の処理が実行され、一方で、高レート動画撮影であれば(ステップS56:NO)、図19のステップS25の処理が実行される。
また、ステップS53において、時間Tが長時間であり、光リセット動作を実行しなくても、静止画撮影においてノイズの少ない高画質の放射線画像が取得されることが予想される場合、あるいは、フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値Fthよりも動画撮影のフレームレートが低い場合には、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が不要と判定し(ステップS53:YES)、その判定結果を表示操作部56に表示させ、その後、図17のステップS8以降の静止画撮影が実行される。
さらに、動画撮影中、調光ミラーフイルム層122が透明状態に維持されている場合には、図24に破線で示すように、ステップS54の処理を省略して、ステップS55の光リセット動作を直ちに実行してもよい。
なお、ステップS53において、フォトダイオードの温度に基づいて光リセット動作の要否を判定する場合には、[3]でも説明したように、放射線16が照射されていない画素190から読み出された画素値よりフォトダイオードの温度を検出し、検出した温度に応じたフレームレート閾値Fth(又はFth0)と動画撮影のフレームレートとに基づいて、光リセット動作の要否を判定すればよい。
[6] フレームレートの異なる2種類の動画撮影が行われる撮影オーダの場合(図21Cの一部)。
この場合、低レート動画撮影及び高レート動画撮影の順に撮影が行われるか、あるいは、高レート動画撮影及び低レート動画撮影の順に撮影が行われる。
なお、[4]又は[5]の場合とは異なり、[6]の場合には、フォトダイオードの温度や撮影間隔等によっては、フレームレートが途中で切り換わっても(低レート動画撮影から高レート動画撮影への切り換え、又は、高レート動画撮影から低レート動画撮影への切り換え)、調光ミラーフイルム層122(図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)が透明状態を維持し続けたり、あるいは、1フレーム中での調光ミラーフイルム層122での鏡状態又は透明状態の交互の切り換えを維持し続ける場合があり得る。
先ず、図16のステップS5後のステップS31(図22参照)において、撮影オーダに含まれる撮影方法が2種類の動画撮影が順に行われる撮影であって(ステップS31:NO、ステップS32:NO)、低レート動画撮影から撮影が開始される撮影オーダであれば(ステップS34:YES)、調光ミラーフイルム層122を鏡状態にして低レート動画撮影が行われる(図16のステップS7以降の処理)。
一方、高レート動画撮影から撮影が開始される撮影オーダであれば(ステップS34:NO)、図18のステップS21〜S24の処理が実行されて、撮影前の光リセット動作が行われた後に図17のステップS8以降の処理が行われる。
その後、ステップS13において、全ての撮影が完了していないと判定された後(ステップS13:NO)、光リセット動作判定部214(図15参照)は、撮影オーダ判定部210から通知された判定結果が、2種類の動画撮影が順に行われることを示す判定結果であり(図23のステップS41:NO、図24のステップS51:NO)、且つ、低レート動画撮影及び高レート動画撮影の順に撮影が行われる判定結果であれば(図25のステップS61:YES)、次に、調光ミラーフイルム層122を透明状態に切り換えるべきか否かを判定する(ステップS62)。
すなわち、低レート動画撮影と比較して高レート動画撮影は、撮影間隔が短いので、1フレーム中に調光ミラーフイルム層122における鏡状態又は透明状態の切り換えを交互に行おうとしても、その切換時間が撮影間隔よりも長ければ、光リセット動作を行うことが困難になる。
そこで、高レート動画撮影のフレームレートに対して調光ミラーフイルム層122での鏡状態又は透明状態の切り換えが追従できない場合には、図21Cに示すように、撮影間隔が比較的長い低レート動画撮影中に鏡状態から透明状態に切り換えることが望ましい。
そこで、図25のステップS62において、光リセット動作判定部214は、調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換えるべきと判定した場合(ステップS62:YES)、その判定結果をフィルタ制御部216に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。フィルタ制御部216は、切換フィルタ76(図3A、図4A、図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換える(ステップS63)。
次に、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が必要であるか否かを判定する(ステップS64)。
フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値Fth(図20参照)よりも低レート動画撮影のフレームレートが高い場合には、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が必要と判定し(ステップS64:YES)、光リセット動作の実行を指示する判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。この場合も、スピーカ58は、前記判定結果を音として外部に出力してもよい。
フィルタ制御部216は、調光ミラーフイルム層122の透明状態を維持し、一方で、光源制御部218は、リセット光源78を駆動させてリセット光132を出力させる。これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過し、シンチレータ74を介して光検出基板72に入射するので、各画素190に対する光リセットを行うことができる(ステップS65)。光リセットの終了後、調光ミラーフイルム層122は透明状態を維持し、次に、図17のステップS9以降の処理、すなわち、低レート動画撮影が引き続き実行される。
一方、ステップS62において、光リセット動作判定部214は、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に維持すべきと判定した場合(ステップS62:NO)、すなわち、高レート動画撮影のフレームレートに対して調光ミラーフイルム層122での鏡状態又は透明状態の切り換えが十分に追従できる場合や、低レート動画撮影から高レート動画撮影への切り換えまで時間があるので、鏡状態を維持し続けた方がよい場合には、ステップS63〜S65の処理は行われず、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に維持したままで、ステップS9以降の処理が引き続き実行される。
また、ステップS64において、調光ミラーフイルム層122を透明状態に切り換えても、光リセット動作判定部214が光リセット動作は不要と判定した場合(ステップS64:NO)、調光ミラーフイルム層122を透明状態に維持したままで、ステップS9以降の処理が引き続き実行される。
さらに、前回以前の動画撮影において既に調光ミラーフイルム層122が透明状態になっている場合には、ステップS61での肯定的な判定処理後、ステップS62、63の処理を省略して、ステップS64の判定処理を実行すればよい。
ところで、ステップS61において、高レート動画撮影及び低レート動画撮影の順に撮影が行われる判定結果であれば(ステップS61:NO)、光リセット動作判定部214は、次に、光リセット動作が必要であるか否かを判定する(図26のステップS71)。
フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値Fthよりも動画撮影のフレームレートが高い場合に、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が必要と判定し(ステップS71:YES)、光リセット動作の実行を指示する判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。この場合でも、スピーカ58は、前記判定結果を音として外部に出力する。
フィルタ制御部216は、切換フィルタ76に電圧を供給して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態を切り換える。一方、光源制御部218は、リセット光源78を駆動させてリセット光132を出力させる。これにより、リセット光132は、調光ミラーフイルム層122を通過し、シンチレータ74を介して光検出基板72に入射するので、各画素190に対する光リセットが行われる(ステップS72)。その後、光源制御部218は、リセット光源78の駆動を停止させて光リセットを終了させる。次に、フィルタ制御部216は、調光ミラーフイルム層122を鏡状態を切り換えるべきか否かを判定する(ステップS73)。
高レート動画撮影のフレームレートに対して調光ミラーフイルム層122での鏡状態又は透明状態の切り換えが十分に追従できる場合には(ステップS73:YES)、フィルタ制御部216は、ステップS72での電圧極性とは逆極性の電圧を切換フィルタ76に供給して調光ミラーフイルム層122を透明状態から鏡状態に切り換える(ステップS74)。その後、図17のステップS9以降の処理が引き続き実行される。
一方、高レート動画撮影のフレームレートに対して調光ミラーフイルム層122での鏡状態又は透明状態の切り換えが追従できない場合には(ステップS73:NO)、フィルタ制御部216は、調光ミラーフイルム層122の透明状態を維持し、その後、図17のステップS9以降の処理が引き続き実行される。
また、ステップS71において、フォトダイオードの温度に応じたフレームレート閾値Fthよりも動画撮影のフレームレートが低い場合には、光リセット動作判定部214は、光リセット動作が不要と判定し(ステップS71:NO)、その判定結果をフィルタ制御部216及び光源制御部218に出力すると共に、表示操作部56にも表示させる。
[7] フレームレートの異なる2種類の動画撮影と少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダの場合(図21C参照)。
この場合、例えば、図21Cに示すように、静止画撮影、低レート動画撮影及び高レート動画撮影の順に撮影が行われていくので、静止画撮影から低レート動画撮影への切り換えに関しては、[4]のケースをそのまま適用すればよい。
また、低レート動画撮影から高レート動画撮影への切り換えに関しては、[6]のケースをそのまま適用すればよい。すなわち、高レート動画撮影に切り換わった後に、調光ミラーフイルム層122(図6A、図9〜図12B、図13B及び図14参照)の状態を、1フレーム中、鏡状態又は透明状態に切り換える場合に、切換時間がフレームレートに追従できない可能性もある。そこで、図21Cに示すように、低レート動画撮影における撮影と撮影との間に調光ミラーフイルム層122の状態を予め鏡状態から透明状態に切り換え、高レート動画撮影中は透明状態を維持しておくことで、光リセットを確実に実行することができる。特に、被写体14(図1参照)の関心領域(ROI)に対する高レート動画撮影においては、透明状態を維持しつつ光リセットを適宜行うことで、放射線画像のノイズを確実に低減することができる。
なお、[7]では、図21Cの場合のみならず、高レート動画撮影、低レート動画撮影及び静止画撮影の順に撮影が行われる場合や、低レート動画撮影と高レート動画撮影との間に静止画撮影が実行される場合もある。これらの撮影についても、前述した[4]〜[6]のケースを適宜適用すればよいことは勿論である。
また、本実施形態では、フレームレートやフォトダイオードの温度に基づき光リセットの要否を判定し、光検出素子94に対して光リセットを行う場合には、フォトダイオードの不純物準位に電荷が十分埋まるように光リセットを行うことで、該フォトダイオードの温度上昇に起因した各フレーム間での電荷の吐き出し量のばらつきを解消している。そのため、動画撮影等の複数枚の撮影では、各フレームにおいて、不純物準位から吐き出される電荷の吐き出し量が一定量となる。従って、[2]〜[7]のケースにおいて、光リセットが行われる複数枚の撮影では、例えば、ステップS12において、カセッテ制御部182又はコンソール22は、一定の電荷の吐き出し量に起因したノイズを各放射線画像から除去(補正)する画像処理を行えばよい。このようにすれば、ノイズが除去された高画質の放射線画像を表示操作部56や表示装置24に表示させることができる。
本実施形態に係る電子カセッテ20を有する放射線画像撮影システム10の動作は、以上説明した通りである。
次に、電子カセッテ20(20A〜20D)に関する変形例や、第2〜第4実施例に係る電子カセッテ20B〜20Dに関し、より詳細に説明する。
図27A及び図27Bは、フォトダイオードの温度検出をより正確且つ効率よく行うための切換フィルタ76の構成である。
すなわち、調光ミラーフイルム層122の一部にリセット光132が常時通過可能な窓部230が形成されている。この場合、窓部230は、温度が上がりやすい領域に配置された光検出素子94と対向する位置に設けられていることが望ましい。より望ましくは、放射線16が照射されない領域に配置された光検出素子94と対向する位置に窓部230を設ける。
ここで、調光ミラーフイルム層122が鏡状態にある場合、リセット光源78がリセット光132を出力すると、リセット光132の大部分は鏡状態の調光ミラーフイルム層122でリセット光源78の方向に反射されるが、窓部230に向かって進行するリセット光132は、該窓部230を通過してシンチレータ74に入射し、さらに、平坦化膜96を介して該窓部230に対向する光検出素子94(放射線16が照射されないフォトダイオード)に照射される。
リセット光132が照射された光検出素子94では、該リセット光132を検出して電荷として蓄積する。前述したように、この光検出素子94は、放射線16が照射されない箇所に配置されたフォトダイオードであるため、蓄積された電荷を電気信号として読み出すと、当該電気信号の画素値は、暗電流信号に応じた画素値となる。従って、温度検出部212(図15参照)は、前記暗電流に応じた画素値に基づいて、前記フォトダイオードの温度を検出し、光リセット動作判定部214は、検出された温度に応じたフレームレート閾値Fth(図20参照)を特定し、特定したフレームレート閾値Fthと、動画撮影のフレームレートとの比較に基づいて、光リセット動作をすべきか否かを判定することができる。従って、光リセット動作が必要と判定した場合には、フィルタ制御部216を介して調光ミラーフイルム層122を鏡状態から透明状態に切り換えることができる。
図28A〜図29Bは、第2実施例に係る電子カセッテ20Bの製造工程を図示したものである。
先ず、図28Aに示すように、蒸着基板240に剥離層242を介してシンチレータ74を成膜する。次に、図28Bに示すように、CVD法(化学気相成長法)によって、柱状結晶構造84における各柱をポリパラキシリレン樹脂で被覆するように、シンチレータ74を防湿保護材86で封止する。次に、図28Cに示すように、光検出基板72を転写体として、シンチレータ74の先端部分と光検出基板72とを接着層88aにより接着させるか、あるいは、粘着層88bにより粘着させる。なお、転写体としての光検出基板72に対するシンチレータ74等の接着又は粘着(転写)は、公知の転写技術を利用して行えばよい。
次に、剥離層242に図示しないレーザ光を照射することにより、図29Aに示すように、シンチレータ74に対して蒸着基板240及び剥離層242を剥離させる。その後、図29Bに示すように、シンチレータ74の非柱状結晶部分82側を除去し、さらに、図4Bに示す順に、筐体44内部に光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78を組み込むことにより、図30Aのように筐体44内に放射線検出器70が収容される。
なお、蒸着基板240がリセット光132に対して非透過性の材料からなる場合には、図28A〜図29Aに示すように、剥離層242を介してシンチレータ74を成膜させる必要がある。
これに対して、リセット光132に対して透過性を有する蒸着基板244では、図30Bに示すように、剥離層242を介することなく、該蒸着基板244にシンチレータ74を直接成膜してもよい。この場合、非柱状結晶部分82は、可視光130を散乱又は反射させる性質を有するので、リセット光源78の方向に進行してきた可視光130を、鏡状態の調光ミラーフイルム層122と共に、光検出基板72の方向に効率よく反射させることができる。
なお、リセット光132に対して透過性を有する蒸着基板244としては、ガラス基板の他にも、光透過性を有するポリイミドフイルム、ポリアリレートフイルム、二軸延伸ポリスチレンフイルム、アラミドフイルム又はバイオナノファイバのような可撓性を有するプラスチックフイルムであればよい。
また、図31に示すように、蒸着基板244を省略して、非柱状結晶部分82と切換フィルタ76とを接触させてもよい。このようにすれば、上記の可視光130の反射を一層効率よく行うことができる。
なお、上述した第2実施例に係る電子カセッテ20Bは、図4B及び図30A〜図31に示すように、光検出基板72とシンチレータ74とを接着層88aを介して接着させるか、あるいは、粘着層88bを介して粘着させる点以外は、第1実施例に係る電子カセッテ20A(図6A参照)と略同様の構成であるため、前述した[1]〜[7]のケースをそのまま適用することが可能である。
また、図28A〜図31の説明では、非柱状結晶部分82を有するシンチレータ74を形成する場合について説明したが、第2実施例では、非柱状結晶部分82が形成されないような蒸着条件を決定した後に、該蒸着条件に従って蒸着基板240にシンチレータ74を蒸着形成してもよい。このようにすれば、該非柱状結晶部分82での光散乱の発生を回避することができる。
図32A及び図32Bは、第3及び第4実施例に係る電子カセッテ20C、20Dの放射線検出器70近傍の要部断面図であり、第1及び第2実施例に係る電子カセッテ20A、20B(図6A及び図30A参照)と比較して、放射線検出器70を上下反転させて配置した点で異なる。
なお、第3及び第4実施例に係る電子カセッテ20C、20Dの場合、被写体14(図1参照)を透過した放射線16は、リセット光源78及び切換フィルタ76を介してシンチレータ74に到達し、シンチレータ74は、放射線16を可視光130(図11A及び図11B参照)に変換し、光検出基板72は、可視光130を電気信号に変換する。この場合、リセット光源78が筐体44内の照射面46側に配置されているので、放射線16の照射によってリセット光源78からリセット光132が誤発生するおそれがある。
そこで、第3及び第4実施例に係る電子カセッテ20C、20Dでは、少なくとも、放射線16の照射中、切換フィルタ76の調光ミラーフイルム層122を鏡状態にしておけば、誤発生したリセット光132が調光ミラーフイルム層122でリセット光源78の方向に反射するので、該リセット光132の光検出基板72への到達を確実に阻止して、放射線画像の画像ボケの発生を防止することができる。また、調光ミラーフイルム層122を鏡状態にすることで、リセット光源78の方向に進行する可視光130を光検出基板72の方向に反射させることができ、この結果、光検出基板72の光検出素子94における可視光130の感度を向上させることができる。
従って、第3及び第4実施例に係る電子カセッテ20C、20Dでは、少なくとも放射線16の照射中は、調光ミラーフイルム層122を鏡状態としておく必要があるため、[1]〜[7]のケースのうち、放射線16の照射中、調光ミラーフイルム層122を鏡状態に維持できる動作についてのみ、適用可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る電子カセッテ20(20A〜20D)によれば、リセット光132に対して切換フィルタ76が透過状態に切り換わった場合、リセット光源78は、切換フィルタ76及びシンチレータ74を介して光検出基板72にリセット光132を照射することができる。これにより、光検出基板72に対する光リセットを十分に行うことが可能となる。
一方、リセット光132に対して切換フィルタ76が非透過状態に切り換わった場合、シンチレータ74で放射線16から変換された可視光130のうち、リセット光源78の方向に向かう光は、切換フィルタ76で光検出基板72の方向に反射するので、その反射光(可視光130)は、リセット光源78を介することなくシンチレータ74内を進行して光検出基板72に入射する。これにより、画像ボケのない高画質の放射線画像を取得することができると共に、光検出基板72に入射する可視光130の光量を増加させて、該可視光130に対する光検出基板72の感度を向上させることができる。
このように、本実施形態では、光検出基板72、シンチレータ74、切換フィルタ76及びリセット光源78の順に配置し、切換フィルタ76がリセット光132に対して透過又は非透過に切換可能であるので、光検出基板72に対する光リセットを十分に行うことが可能になると共に、放射線画像の画像ボケを抑制することができ、さらには、可視光130に対する光検出基板72の感度も向上させることができる。
また、切換フィルタ76は、撮影オーダに基づいて、リセット光132を透過させる透明状態(透過状態)、又は、可視光130を光検出基板72の方向に反射させると共にリセット光132をリセット光源78の方向に反射させる鏡状態(非透過状態)に切換可能であるので、被写体14に対する撮影方法(静止画撮影、動画撮影等)に応じて、切換フィルタ76を透明状態又は鏡状態に維持するか、あるいは、適切な状態に切り換えることができ、光検出基板72に対する光リセットや、画像ボケの抑制された高画質で且つ高感度の放射線画像の取得を、確実に且つ効率よく行うことができる。また、鏡状態となった切換フィルタ76が可視光130を光検出基板72の方向に反射させることにより、光検出基板72に入射する可視光130の光量が増加するので、被写体14に照射する放射線16の線量を低下させて、該被写体14の被曝線量を低減することも可能となる。
具体的に、少なくとも1枚の静止画撮影を含む撮影オーダである場合、又は、フレームレート閾値Fth(又はFth0)よりも低いフレームレートでの動画撮影(低レート動画撮影)を含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、鏡状態を維持すればよい。
これらの撮影では、高画質及び高感度の放射線画像の取得が特に要求されている。また、これらの撮影では、撮影間隔が比較的長いので、フォトダイオードの温度がそれ程上昇せず、従って、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが放射線画像に与える影響は大きくないものと想定される。
そこで、上述した撮影オーダの場合には、切換フィルタ76を鏡状態に維持することで光リセットを行わないようにし、一方、シンチレータ74で放射線16から変換された可視光130を確実に光検出基板72側に反射させて、該光検出基板72に入射する可視光130の光量を増加させるようにする。この結果、低ノイズで且つ画像ボケの抑制された高画質及び高感度の放射線画像を容易に取得することができる。
また、動画撮影(特に高レート動画撮影)を含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、透明状態を維持すればよい。
動画撮影の場合には、撮影が長時間にわたることで、フォトダイオードの温度が上昇し、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが放射線画像に大きな影響を及ぼすことが想定される。従って、切換フィルタ76を透明状態に維持することにより、撮影と撮影との間の放射線16の非照射時に光リセットを行うことが可能となり、この結果、放射線画像のノイズを低減することができる。
また、動画撮影(特に高レート動画撮影)を含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、各フレームにおいて、被写体14に対する放射線16の照射時には鏡状態を維持すると共に、非照射時には透明状態を維持することにより、鏡状態及び透明状態に順次切り換わればよい。
この場合、1フレーム中、鏡状態及び透明状態に順次切り換わるので、被写体14に対する放射線16の照射時には、切換フィルタ76が鏡状態に維持されて可視光130を確実に光検出基板72側に反射させることができ、光検出基板72に入射する可視光130の光量を増加させることができる。また、放射線16の非照射時には、切換フィルタ76が透明状態に維持されるので、光検出基板72に対する光リセットを十分に行うことができる。
このように、動画撮影において、1フレーム中、切換フィルタ76を鏡状態と透明状態とに交互に切り換えることで、高画質且つ高感度の放射線画像の取得と、該放射線画像のノイズの低減とを共に実現することができる。なお、このような、鏡状態及び透明状態の順次切換状態は、動画撮影のフレームレートに対して十分に追従できるような切換時間を実現できる切換フィルタ76(撮影と撮影との間の時間よりも該切換時間が短い切換フィルタ76)であることが必要である。従って、切換時間がフレームレートに追従できないような切換フィルタ76では、透明状態を維持すればよい。
さらに、動画撮影(高レート動画撮影、低レート動画撮影)と少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合、切換フィルタ76は、動画撮影では透明状態を維持すると共に、静止画撮影では鏡状態を維持し、動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミングで透明状態から鏡状態に切り換わるか、あるいは、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態から透明状態に切り換わればよい。
このように、撮影方法が切り換わるタイミングで切換フィルタ76の状態を切り換えることで、撮影方法に応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
さらにまた、高レート動画撮影と少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、静止画撮影では鏡状態を維持し、一方で、高レート動画撮影では、各フレームにおいて、被写体14に対する放射線16の照射時には鏡状態を維持すると共に、非照射時には透明状態を維持することにより、鏡状態及び透明状態に順次切り換わり、高レート動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態及び透明状態の順次切換状態から鏡状態に切り換わるか、あるいは、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態から鏡状態及び透明状態の順次切換状態に切り換わってもよい。
このような撮影オーダであっても、撮影方法が切り換わるタイミングで切換フィルタ76の状態が確実に切り換わるので、撮影方法に応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
また、低レート動画撮影と高レート動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、低レート動画撮影では鏡状態を維持すると共に、高レート動画撮影では透明状態を維持し、低レート動画撮影から高レート動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態から透明状態に切り換わるか、あるいは、高レート動画撮影から低レート動画撮影に切り換わるタイミングで透明状態から鏡状態に切り換わればよい。
このように、フレームレートが途中で変更する撮影オーダであっても、フレームレートが切り換わるタイミングで切換フィルタ76の状態を切り換えれば、フレームレートに応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
また、低レート動画撮影と高レート動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、低レート動画撮影では鏡状態を維持すると共に、高レート動画撮影では、各フレームにおいて、被写体14に対する放射線16の照射時には鏡状態を維持すると共に、非照射時には透明状態を維持することにより、鏡状態及び透明状態に順次切り換わり、低レート動画撮影から高レート動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態から鏡状態及び透明状態の順次切換状態に切り換わるか、あるいは、高レート動画撮影から低レート動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態及び透明状態の順次切換状態から鏡状態に切り換わってもよい。
フレームレートが途中で変更する撮影オーダであっても、フレームレートが切り換わるタイミングで切換フィルタ76の状態を切り換えれば、フレームレートに応じた最適な放射線画像を確実に取得することができる。
また、低レート動画撮影と高レート動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、低レート動画撮影及び高レート動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、低レート動画撮影における所定のフレームまで鏡状態を維持した後に透明状態に切り換わり、切換後の残りのフレーム及び高レート動画撮影では透明状態を維持し、一方で、高レート動画撮影及び低レート動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、高レート動画撮影及び低レート動画撮影における所定のフレームまで透明状態を維持した後に鏡状態に切り換わり、切換後の残りのフレームでは鏡状態を維持してもよい。
鏡状態と透明状態との切り換えに時間がかかることにより、低レート動画撮影と高レート動画撮影との切り換えのタイミングで、鏡状態と透明状態との切り換えがスムーズに行えない場合もある。そこで、上記のように、低レート動画撮影の途中で鏡状態と透明状態との切り換えを行うことにより、高レート動画撮影時に、不純物準位に捕捉される電荷の再放出に起因したノイズが放射線画像に重畳することを確実に回避することができる。
2種類の動画撮影に加え、少なくとも1枚の静止画撮影をさらに含む撮影オーダである場合に、切換フィルタ76は、静止画撮影では鏡状態を維持し、動画撮影から静止画撮影に切り換わるタイミングで該動画撮影に応じた切換フィルタ76の状態から鏡状態に切り換わるか、あるいは、静止画撮影から動画撮影に切り換わるタイミングで鏡状態から動画撮影に応じた切換フィルタ76の状態に切り換わればよい。
このように、静止画撮影も含まれる撮影オーダであっても、上記のように切換フィルタ76の状態を切り換えることにより、それぞれの撮影において適切な放射線画像を容易に取得することができる。
そして、上述した電子カセッテ20において、光検出基板72は、可視光130を電気信号に変換する複数の光検出素子94を備え、切換フィルタ76の一部には、リセット光132を常時透過可能な窓部230が調光ミラーフイルム層122に形成され、リセット光源78が窓部230を介して該窓部230に対向する光検出素子94にリセット光132を照射した場合に、リセット光132が照射された光検出素子94は、該リセット光132に起因した暗電流信号を検出し、切換フィルタ76は、暗電流信号に応じた光検出素子94の温度及び撮影オーダに基づいて、鏡状態又は透明状態に切り換わってもよい。
不純物準位に捕捉された電荷の再放出に起因するノイズのレベルは、フォトダイオードを用いた光検出素子94の温度によって変化する。従って、光検出素子94の温度に応じてフレームレート閾値Fthを変化させることが望ましい。そこで、上述のように、暗電流信号に応じた温度及び撮影オーダに基づいて、切換フィルタ76を鏡状態又は透明状態に切り換えることにより、光検出素子94の温度変化に応じてノイズを効率よく低減することが可能となる。
つまり、本実施形態では、従来の方法とは異なり、フレームレートやフォトダイオードの温度に基づいて光リセットの要否を判定し、光リセットを行う場合には、不純物準位に電荷を予め十分に埋めておくことで、フォトダイオードの温度上昇に起因した各フレーム間での電荷の吐き出し量のばらつきを解消するようにしている。この結果、一定の電荷の吐き出し量に起因したノイズを放射線画像から画像処理によって除去(補正)して、より高画質の放射線画像を得ることが可能となる。
また、切換フィルタ76は、リセット光132の透過又は非透過を電気的に切換可能な調光ミラーフイルム層122を備え、調光ミラーフイルム層122側にシンチレータ74を配置すると共に、透明基材110側にリセット光源78を配置することで、該切換フィルタ76でのリセット光132に対する透過状態又は非透過状態(鏡状態)を容易に且つ効率よく切り換えることができる。
また、リセット光源78は、切換フィルタ76及びシンチレータ74を介して光検出基板72と対向するように配置された発光素子142のアレイ、バックライト、又は、エレクトロルミネッセンス光源である。
この場合、バックライト式のリセット光源78では、冷陰極管152や発光素子162を放射線16の非照射領域に配置することが可能であるため、放射線16による冷陰極管152や発光素子162の劣化を回避することができる。また、リセット光源78が有機エレクトロルミネッセンス光源であれば、リセット光源78の薄型化を実現することができる。
また、光検出基板72を構成する光検出素子94を有機光電変換材料又はアモルファス酸化物半導体から構成し、一方で、TFT92を有機半導体材料、アモルファス酸化物半導体又はカーボンナノチューブから構成すれば、光検出素子94及びTFT92を低温成膜により形成することが可能となる。
さらに、光検出基板72とシンチレータ74との間に斜入光カット層102を介挿することにより、可視光130に対する光検出基板72の感度の向上と、放射線画像の画像ボケの抑制とを共に実現することができる。
なお、本実施形態では、上記の説明に限定されることはなく、下記の方法を適用可能であることは勿論である。
すなわち、上記の[1]〜[7]の説明において、光リセット動作判定部214は、フレームレート閾値Fthに対するフレームレートの大きさに従って光リセットの要否を判定していたが、下記(1)〜(3)の方法により光リセットの要否判定を行ってもよい。
(1)光リセット動作判定部214は、動画撮影中、画像取得枚数(撮影枚数)が所定の閾値を越えたら光リセットが必要と判定する。
(2)光検出素子94の温度上昇に伴って放射線画像のノイズレベルも大きくなるため、光リセット動作判定部214は、取得した放射線画像のノイズレベルが所定の閾値を越えたら光リセットが必要と判定してもよい。
(3)上述した[6]のうち、高レート動画撮影及び低レート動画撮影の順に撮影が行われる場合(高フレームレートから低フレームレートに途中変更する動画撮影の場合)には、低フレームレートであるから光リセットが不要とは必ずしも言えない。すなわち、高レート動画撮影中、光検出素子94に対して光リセットを繰り返し行うことにより、光検出素子94が温度上昇する可能性がある。そこで、光リセット動作判定部214は、高レート動画撮影の影響を排除するために、低レート動画撮影においても光リセットが必要と判定してもよい。
従って、光リセット動作判定部214は、フレームレートに基づく光リセットの要否判定に代替して、これら(1)〜(3)により要否判定を行ってもよい。また、光リセット動作判定部214は、フレームレートに基づく光リセットの要否判定と、(1)〜(3)のいずれか1つの方法とを併用して光リセットの要否判定を行ってもよい。さらに、光リセット動作判定部214は、フレームレートに基づく光リセットの要否判定と、(1)〜(3)の全ての方法とを併用して光リセットの要否判定を行ってもよい。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…放射線画像撮影システム
14…被写体
16…放射線
20、20A〜20D…電子カセッテ
70…放射線検出器
72…光検出基板
74…シンチレータ
76…切換フィルタ
78…リセット光源
88a…接着層
88b…粘着層
92…TFT
94…光検出素子
102…斜入光カット層
110…透明基材
112…透明導電膜
122…調光ミラーフイルム層
130…可視光
132…リセット光
142、162…発光素子
150…導光板
152…冷陰極管
154…拡散シート
156…反射シート
180…駆動回路部
182…カセッテ制御部
190…画素
210…撮影オーダ判定部
212…温度検出部
214…光リセット動作判定部
216…フィルタ制御部
218…光源制御部
230…窓部
240、244…蒸着基板
242…剥離層

Claims (26)

  1. 放射線を可視光に変換するシンチレータと、前記可視光を電気信号に変換する光検出基板と、該光検出基板にリセット光を照射するリセット光源と、前記リセット光の透過又は非透過を切換可能な切換フィルタとを有し、
    前記光検出基板、前記シンチレータ、前記切換フィルタ及び前記リセット光源の順に配置され、
    前記切換フィルタは、前記リセット光を透過させる場合には、前記シンチレータを介して前記光検出基板に該リセット光を照射させ、一方で、前記リセット光を透過させない場合には、少なくとも前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記シンチレータは、被写体を透過した前記放射線を前記可視光に変換し、
    前記光検出基板は、前記可視光を前記被写体の放射線画像を示す前記電気信号に変換し、
    前記切換フィルタは、前記被写体に対する前記放射線画像の撮影に関わる撮影オーダに基づいて、前記リセット光を透過させる透明状態、又は、前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させると共に前記リセット光を前記リセット光源の方向に反射させる鏡状態に切換可能であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    少なくとも1枚の静止画撮影を含む撮影オーダである場合、又は、フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、前記鏡状態を維持することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  4. 請求項2記載の装置において、
    動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、前記透明状態を維持することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  5. 請求項2記載の装置において、
    動画撮影を含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  6. 請求項2記載の装置において、
    動画撮影と少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合、前記切換フィルタは、前記動画撮影では前記透明状態を維持すると共に、前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで前記透明状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記透明状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  7. 請求項2記載の装置において、
    フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの動画撮影と、少なくとも1枚の静止画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
    前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、一方で、前記動画撮影では、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わり、
    前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  8. 請求項2記載の装置において、
    フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの第1の動画撮影と、前記フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの第2の動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
    前記第1の動画撮影では前記鏡状態を維持すると共に、前記第2の動画撮影では前記透明状態を維持し、前記第1の動画撮影から前記第2の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記透明状態に切り換わるか、あるいは、前記第2の動画撮影から前記第1の動画撮影に切り換わるタイミングで前記透明状態から前記鏡状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  9. 請求項2記載の装置において、
    フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの第1の動画撮影と、前記フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの第2の動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
    前記第1の動画撮影では前記鏡状態を維持すると共に、前記第2の動画撮影では、各フレームにおいて、前記被写体に対する前記放射線の照射時には前記鏡状態を維持すると共に、非照射時には前記透明状態を維持することにより、前記鏡状態及び前記透明状態に順次切り換わり、
    前記第1の動画撮影から前記第2の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態に切り換わるか、あるいは、前記第2の動画撮影から前記第1の動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態及び前記透明状態の順次切換状態から前記鏡状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  10. 請求項2記載の装置において、
    フレームレート閾値よりも低いフレームレートでの第1の動画撮影と、前記フレームレート閾値よりも高いフレームレートでの第2の動画撮影とを含む撮影オーダである場合に、前記切換フィルタは、
    前記第1の動画撮影及び前記第2の動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、前記第1の動画撮影における所定のフレームまで前記鏡状態を維持した後に前記透明状態に切り換わり、切換後の残りのフレーム及び前記第2の動画撮影では前記透明状態を維持し、
    一方で、前記第2の動画撮影及び前記第1の動画撮影の撮影順を含む撮影オーダであるとき、前記第2の動画撮影及び前記第1の動画撮影における所定のフレームまで前記透明状態を維持した後に前記鏡状態に切り換わり、切換後の残りのフレームでは前記鏡状態を維持することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の装置において、
    前記撮影オーダが少なくとも1枚の静止画撮影をさらに含む場合に、前記切換フィルタは、前記静止画撮影では前記鏡状態を維持し、前記動画撮影から前記静止画撮影に切り換わるタイミングで該動画撮影に応じた前記切換フィルタの状態から前記鏡状態に切り換わるか、あるいは、前記静止画撮影から前記動画撮影に切り換わるタイミングで前記鏡状態から前記動画撮影に応じた前記切換フィルタの状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  12. 請求項2〜11のいずれか1項に記載の装置において、
    前記光検出基板は、前記可視光を前記電気信号に変換する複数の光検出素子を備え、
    前記切換フィルタの一部には、前記リセット光を常時透過可能な窓部が形成され、
    前記リセット光源が前記窓部を介して該窓部に対向する光検出素子に前記リセット光を照射した場合に、前記リセット光が照射された光検出素子は、該リセット光に起因した暗電流信号を検出し、
    前記切換フィルタは、前記暗電流信号に応じた前記光検出素子の温度及び前記撮影オーダに基づいて、前記鏡状態又は前記透明状態に切り換わることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置において、
    前記切換フィルタは、前記リセット光の透過又は非透過を電気的に切換可能な調光ミラーフイルム層を備えることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  14. 請求項13記載の装置において、
    前記切換フィルタは、前記リセット光を透過可能な透明基材上に前記調光ミラーフイルム層を積層することにより構成され、
    前記調光ミラーフイルム層側に前記シンチレータが配置されると共に、前記透明基材側に前記リセット光源が配置されることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置において、
    前記リセット光源は、前記切換フィルタ及び前記シンチレータを介して前記光検出基板と対向するように配置された発光素子のアレイ、バックライト、又は、エレクトロルミネッセンス光源であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  16. 請求項15記載の装置において、
    前記バックライトは、前記切換フィルタにおける前記シンチレータの反対側に配置された導光板と、該導光板の側部に配置された光源と、前記導光板及び前記光源を囲繞するように配置された反射シートと、前記導光板における前記切換フィルタ側の表面に配置された拡散シートとから構成され、
    前記光源は、前記導光板に光を入射し、
    前記導光板に入射した前記光は、該導光板内で前記反射シート及び前記拡散シートとの間で表面反射を繰り返した後に、前記拡散シートから前記切換フィルタに前記リセット光として出射することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  17. 請求項16記載の装置において、
    前記光源は、発光ダイオード又は冷陰極管であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  18. 請求項15記載の装置において、
    前記エレクトロルミネッセンス光源は、有機エレクトロルミネッセンス光源であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置において、
    前記シンチレータ及び前記光検出基板を接着層を介して接着するか、前記シンチレータ及び前記光検出基板を粘着層を介して粘着するか、あるいは、前記光検出基板に前記シンチレータを直接成膜することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  20. 請求項19記載の装置において、
    蒸着基板に前記シンチレータを成膜した後に、該シンチレータの先端部分と前記光検出基板とを前記接着層を介して接着するか、あるいは、前記粘着層を介して粘着することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  21. 請求項20記載の装置において、
    前記蒸着基板が前記リセット光に対して非透過である場合、前記蒸着基板に剥離層を介して前記シンチレータを成膜した後に、該シンチレータの先端部分と前記光検出基板とを前記接着層を介して接着するか、あるいは、前記粘着層を介して粘着し、その後、前記シンチレータから前記剥離層及び前記蒸着基板を剥離して、前記シンチレータの剥離面に前記リセット光源を配置することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  22. 請求項20記載の装置において、
    前記蒸着基板が前記リセット光を透過可能である場合、該蒸着基板を介して前記リセット光源を配置可能であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  23. 請求項19記載の装置において、
    前記光検出基板は、前記可視光を前記電気信号に変換する光検出素子と、該光検出素子から前記電気信号を読み出すためのスイッチング素子とを備え、
    前記光検出素子は、有機光電変換材料又はアモルファス酸化物半導体から構成されると共に、前記スイッチング素子は、有機半導体材料、アモルファス酸化物半導体又はカーボンナノチューブから構成されることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置において、
    前記光検出基板と前記シンチレータとの間には、前記放射線の照射方向に対して斜め方向に進行する前記可視光又は前記リセット光をカットする斜入光カット層が介挿されていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置において、
    前記放射線の照射方向に沿って、前記光検出基板、前記シンチレータ、前記切換フィルタ及び前記リセット光源の順に配置されるか、又は、前記リセット光源、前記切換フィルタ、前記シンチレータ及び前記光検出基板の順に配置されることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  26. 請求項25記載の装置において、
    前記放射線の照射方向に沿って前記リセット光源、前記切換フィルタ、前記シンチレータ及び前記光検出基板が順に配置される場合に、前記切換フィルタは、少なくとも前記放射線の照射時には、前記リセット光を前記リセット光源の方向に反射させると共に前記可視光を前記光検出基板の方向に反射させる鏡状態を維持することを特徴とする放射線画像撮影装置。
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