JP2012105114A - 長距離光伝送装置、及び長距離光伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】長距離伝送路区間における通信速度がより高速化しても、比較的簡素な構成で安定した通信を実現する。
【解決手段】40Gbpsで通信を行うメディアコンバータ6,8は、光トランシーバ20、フレーム処理部22、FEC24〜30、長距離TR32〜38、及び波長フィルタ40を備えている。また、これらの間では、電気信号を4本のレーンでパラレル転送する。FEC24〜30、及び長距離TR32〜38は10Gbpsの通信速度に対応しており、各レーン別に転送された電気信号に対してFECを生成し、電気信号を光信号に変換する。
【選択図】図2
【解決手段】40Gbpsで通信を行うメディアコンバータ6,8は、光トランシーバ20、フレーム処理部22、FEC24〜30、長距離TR32〜38、及び波長フィルタ40を備えている。また、これらの間では、電気信号を4本のレーンでパラレル転送する。FEC24〜30、及び長距離TR32〜38は10Gbpsの通信速度に対応しており、各レーン別に転送された電気信号に対してFECを生成し、電気信号を光信号に変換する。
【選択図】図2
Description
本発明は、長距離伝送区間での通信に適した長距離光伝送装置、及び長距離光伝送システムに関するものである。
近年、情報通信の利便性に対する要求を反映して、多数の国間や地域間に跨った長距離伝送区間を10Gbps(Gigabit per second)もの通信速度域で結ぶ長距離ネットワークが普及してきている。また、より高速な40Gbpsや100Gbpsの速度域で長距離伝送区間での通信を可能とする規格がIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.1baにより標準化された。
例えば従来、上記の長距離伝送区間において10Gbpsの速度域でフレームを伝送する先行技術として、ITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector)の勧告 G.709に規定されたOTN(Optical Transport Network)のデジタルラッパフレームを用いて光信号を送受信するフレーム伝送装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記の先行技術は、受信したMACフレームをデジタルラッパフレームに変換して長距離伝送路区間へ送信する過程で、64bit単位に転送されたMACフレームに2bitのヘッダ情報を付加し、これを符号化する処理(64B/66B符号化)を行っている。また先行技術では、このとき2bitのヘッダ情報を1bitのヘッダ情報に変換したMACフレームを生成し、このMACフレームをデジタルラッパフレームのペイロード領域に格納している。これにより、デジタルラッパフレーム全体としてのデータ量を1bit分削減できるため、その分、デジタルラッパフレームの処理速度を抑制できると考えられる。
また、上記の先行技術が用いるデジタルラッパフレームにはFEC(Foward Error Correction:順方向誤り訂正)領域が設けられており、この領域には誤り訂正用の符号が格納されている。このため、先行技術のフレーム伝送装置において、長距離区間を転送されたデジタルラッパフレームを受信した場合、上記の誤り訂正符号に基づいて、例えば光損失によりデジタルラッパフレームに生じたデータの誤りを訂正することにより、長距離伝送区間においても比較的安定した通信を実現することができると考えられる。
上述した先行技術の手法は、特定の通信速度(10Gbps)域でのフレーム伝送に合わせて最適化されており、1bit付加フレームの生成やデジタルラッパフレームの生成、誤り訂正符号の挿入といった処理を全て専用の光伝送デバイス(トランスポンダ)内で実現するものである。
しかしながら、IEEE802.3baで標準化された40Gbpsや100Gbpsといった通信規格に準拠して長距離ネットワークを構築しようとした場合、先行技術のフレーム伝送手法をそのまま適用しようとすると、専用デバイスのハードウエア構成もそれぞれの通信速度域(40Gbps/100Gbps)に合わせて見直す必要があり、その開発コストや手間が大きな負担となるという問題がある。
例えば、40Gbpsに対応したデバイスでフレーム伝送を行おうとする場合、先行技術の速度域(10Gbps)に対応した光伝送デバイスと比較すると、単純に4倍の処理能力を有した専用デバイスが新たに必要となる。また、デバイスの処理能力を向上させるには、一般的に既存のデバイスよりもさらに高度な技術を用いてハードウエア構成を実現する必要があるため、その分、デバイスの製造コストが上昇し、それを組み込んだ長距離光伝送装置(メディアコンバータ等)の価格も高騰する。このようなハードウエア構成の高度化や価格の高騰は、IEEE802.3baに準拠した長距離光伝送ネットワークの普及に対して大きな障害となる。
そこで本発明は、長距離伝送路区間における通信速度がより高速化しても、比較的簡素な構成で安定した通信を実現できる技術の提供を課題とする。
上記の目的を達成するために本発明の長距離光伝送装置は、ネットワークケーブルを介して受信した光信号を電気信号に変換して転送する第1送受信部と、第1送受信部から転送された電気信号を複数のレーンに分割してパラレル転送するフレーム処理部と、フレーム処理部によりパラレル転送された電気信号を、各レーン別に所定の通信規格に準拠したフレームの形式に変換し、この変換後のフレームに対して誤り訂正符合を格納して各レーン別に引き続きパラレル転送する誤り訂正部と、誤り訂正部によりパラレル転送された電気信号を各レーン別に光信号に変換し、全レーンからの光信号を送信する第2送受信部とを備える。
また、上記の目的を達成するために本発明の長距離光伝送システムは、ネットワークケーブルに接続されており、ネットワークケーブルを介して所定の通信規格に準拠したフレームを光信号として送受信する長距離光伝送装置を備え、ネットワークケーブルを介して複数の長距離光伝送装置を相互に接続して構成される長距離光伝送システムであって、長距離伝送装置は、ネットワークケーブルを介して受信した光信号を電気信号に変換し、その電気信号を転送する第1送受信部と、第1送受信部から転送された電気信号を複数のレーンに分割してパラレル転送するフレーム処理部と、フレーム処理部によりパラレル転送された電気信号を、各レーン別に所定の通信規格に準拠したフレームの形式に変換し、この変換後のフレームに対して誤り訂正符合を格納して各レーン別に引き続き転送する誤り訂正部と、誤り訂正部によりパラレル転送された電気信号を各レーン別に光信号に変換し、全レーンからの光信号を送信する第2送受信部とを有する。
本発明の長距離光伝送装置及び長距離光伝送システムによれば、既存の10Gbpsで用いたデバイスを有効に活用しつつ10kmや40km、100km等の長距離区間において、より高い通信速度(例えば40Gbps/100Gbps)に対応した通信を簡素な構成で実現することができる。また簡素な構成であっても、フレーム中に誤り訂正符号を確実に挿入できるため、光信号が長距離に渡って転送される際に生じたデータの誤りを訂正して、安定した通信を行うことができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、長距離光伝送装置としての形態、及び複数の長距離光伝送装置により構成されたネットワークで実行される長距離光伝送システムとしての形態が含まれるものとする。また、長距離光伝送装置はその一例として、メディアコンバータを用いて説明する。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、長距離光伝送装置としての形態、及び複数の長距離光伝送装置により構成されたネットワークで実行される長距離光伝送システムとしての形態が含まれるものとする。また、長距離光伝送装置はその一例として、メディアコンバータを用いて説明する。
図1は、第1実施形態の長距離光伝送システムの構成を概略的に示す図である。なお、第1実施形態のメディアコンバータは、IEEE802.3baで標準化された40Gbps(Gigabit per second)の通信速度に準拠している。ネットワーク1は、ネットワーク2、ネットワーク4、及び図示しない複数のネットワークが接続されている。
〔長距離伝送システムの構成〕
ネットワーク1は、メディアコンバータ6、8、及び図示しない複数のメディアコンバータやSONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierachy)方式の伝送設備により構成されている。メディアコンバータ6、8及び各伝送設備は、例えば10kmや、40km、100km等の長距離区間を隔てて配置されており、光ファイバケーブル14を介して上記の長距離区間におけるデータの送受信を行っている。
ネットワーク1は、メディアコンバータ6、8、及び図示しない複数のメディアコンバータやSONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierachy)方式の伝送設備により構成されている。メディアコンバータ6、8及び各伝送設備は、例えば10kmや、40km、100km等の長距離区間を隔てて配置されており、光ファイバケーブル14を介して上記の長距離区間におけるデータの送受信を行っている。
ネットワーク2は、例えばレイヤ2スイッチや、レイヤ3スイッチ等のスイッチングハブにより構成されており、スイッチングハブ10や図示しない複数のスイッチングハブが相互に接続されている。また、ネットワーク4は、ネットワーク2と同様にスイッチングハブ12や図示しない複数のスイッチングハブにより構成されている。
ネットワーク1に配置されたメディアコンバータ6及びメディアコンバータ8は、光ファイバケーブル14を介して接続されている。メディアコンバータ6,8は相互に、例えば10kmや、40km、100km離れた長距離区間を光ファイバケーブル14を介して光信号で通信する。また、メディアコンバータ6、8は、ネットワークケーブル16,18を介してスイッチングハブ10,12にそれぞれ接続されている。
例えば、ネットワーク2からネットワーク4へデータを転送する際、スイッチングハブ10から送信されたデータはこれに接続されているメディアコンバータ6及びメディアコンバータ8を介してスイッチングハブ12へ転送される。
メディアコンバータ6は、スイッチングハブ10から送信されたデータを受信すると、このデータをITU−T G.709勧告に規定されているOTNフレームでカプセル化するとともに、FEC符号を生成し、これをOTNフレームに格納する。そして、メディアコンバータ6は、このOTNフレームを光信号としてメディアコンバータ8へ転送する。
メディアコンバータ8は、上記のOTNフレームを光信号として受信すると、OTNフレームに格納されたFEC符号に基づいてデータの誤りを訂正する。そして、OTNフレームをデカプセル化したうえで他のネットワーク4に配置されたスイッチングハブ12へ転送する。
このように、ネットワーク1は複数のネットワークを繋ぐバックボーンとして長距離区間に渡るデータの転送を可能としている。また、ネットワーク1内でデータはOTNフレームにカプセル化された形式で転送され、OTNフレームを受信したメディアコンバータでは、FECに基づいて、例えば、長距離伝送路区間で光信号を転送する際に生じたデータの誤りを訂正する。このため、ネットワーク1内では、データの誤りを抑制し安定した通信を行うことができる。なお、メディアコンバータ6,8で実行されるデータの転送処理については、図2〜図4を参照してさらに詳しく後述する。
〔メディアコンバータ〕
図2は、第1実施形態のメディアコンバータ6,8の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。なお、図2ではメディアコンバータ6を用いてその機能的な構成を説明するが、メディアコンバータ8もメディアコンバータ6と同様に構成されている。また、図2中に実線で示す矢印はデータの転送方向を示している。また、データの転送方向でみた左右方向の矢印は一対ごとに各レーンに振り分けられたデータの送信方向及び受信方向を示している。
図2は、第1実施形態のメディアコンバータ6,8の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。なお、図2ではメディアコンバータ6を用いてその機能的な構成を説明するが、メディアコンバータ8もメディアコンバータ6と同様に構成されている。また、図2中に実線で示す矢印はデータの転送方向を示している。また、データの転送方向でみた左右方向の矢印は一対ごとに各レーンに振り分けられたデータの送信方向及び受信方向を示している。
メディアコンバータ6は、光トランシーバ(第1送受信部)20、フレーム処理部22、FEC(誤り訂正部)24,26,28,30、長距離TR(トランシーバ)32,34,36,38、及び波長フィルタ40により構成されている。また、図示しないCPU(Central Processing Unit)及び、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを備えている。
光トランシーバ20及びフレーム処理部22は、データの方向に対して並列に配置されている4本のレーンを介して相互に接続されている。また、フレーム処理部22とFEC24,26,28,30との間にも、4本のレーンが並列に配置されており、FEC24,26,28,30は、各レーンにそれぞれ接続されている。また、各FEC24,26,28,30は、レーンを介して長距離TR32,34,36,38にそれぞれ接続されている。長距離TR32,34,36,38と波長フィルタ40との間にも、4本のレーンが並列に配置されており、長距離TR32,34,36,38は各レーンにそれぞれ接続されている。
光トランシーバ20は、フレーム処理部22へデータを電気信号として転送する際、この電気信号を4本のレーンでパラレル転送する。また、フレーム処理部22は、光トランシーバ20から4本のレーンでパラレル転送された電気信号を整列させて合流させる。そして、フレーム処理部22は、合流させた電気信号を4本のレーンに分割し、各レーンを介してFEC24〜30へパラレル転送する。各FEC24〜30は、各レーン別に電気信号を長距離TR32〜38へ転送する。また、長距離TR32〜38及び波長フィルタ40は、相互に、光信号を4本のレーンでパラレル転送する。このとき、上記の各レーンを転送される電気信号及び光信号は、1レーンあたり10Gbpsの通信速度で転送されている。
〔光トランシーバ〕
光トランシーバ20は、例えばQSFP(Quad Small Form−Factor Pluggable)を用いた40Gbps用の光トランシーバであり、図1に示すネットワークケーブル16を介してスイッチングハブ10に接続されている。光トランシーバ20は、スイッチングハブ10からパラレル転送された光信号を受信すると、これを電気信号に変換したうえで、4本のレーンに分割してフレーム処理部22へパラレル転送する。一方、フレーム処理部22から転送された電気信号を光信号に変換して上記のスイッチングハブ10へパラレル転送する。
光トランシーバ20は、例えばQSFP(Quad Small Form−Factor Pluggable)を用いた40Gbps用の光トランシーバであり、図1に示すネットワークケーブル16を介してスイッチングハブ10に接続されている。光トランシーバ20は、スイッチングハブ10からパラレル転送された光信号を受信すると、これを電気信号に変換したうえで、4本のレーンに分割してフレーム処理部22へパラレル転送する。一方、フレーム処理部22から転送された電気信号を光信号に変換して上記のスイッチングハブ10へパラレル転送する。
また、光トランシーバ20は、例えば、マルチモードで光信号を各レーン別にパラレル伝送するインターフェースにより構成されている。このインターフェースに接続されたネットワークケーブル16も光トランシーバ20と同様に、上記のマルチモードに対応したインターフェースにより構成されている。具体的には、光トランシーバ20及びネットワークケーブル16は、それぞれ40Gbpsで実行される通信速度を10Gbpsごとの4レーンに分けて光信号を相互にパラレル伝送する。なお、光トランシーバ20及びネットワークケーブル16のインターフェースの転送モードは、40Gbpsのシリアルモードであってもよい。
〔フレーム処理部〕
フレーム処理部22は、LSI(Large Scale Integration)を用いた40Gbpsに対応した集積回路により構成されており、上記の光トランシーバ20の他に、FEC24,26,28,30に接続されている。フレーム処理部22は、光トランシーバ20から4本のレーンを介してパラレル転送された電気信号を受信すると、各レーン別に転送された電気信号を整列させて(スキュー調整)、これらの電気信号を一度合流させる。そして、フレーム処理部22は、合流させた電気信号を4本のレーンに分割して各レーン別に接続されたFEC24,26,28,30にパラレル転送する。
フレーム処理部22は、LSI(Large Scale Integration)を用いた40Gbpsに対応した集積回路により構成されており、上記の光トランシーバ20の他に、FEC24,26,28,30に接続されている。フレーム処理部22は、光トランシーバ20から4本のレーンを介してパラレル転送された電気信号を受信すると、各レーン別に転送された電気信号を整列させて(スキュー調整)、これらの電気信号を一度合流させる。そして、フレーム処理部22は、合流させた電気信号を4本のレーンに分割して各レーン別に接続されたFEC24,26,28,30にパラレル転送する。
またフレーム処理部22は、各FEC24,26,28,30から各レーン別にパラレル転送された電気信号に対しても、各レーン別に転送された電気信号を合流させて、スキューを調整したうえで再び4本のレーンに分割して、各レーン別に接続されたトランシーバ20に対してパラレル転送する。
〔FEC(誤り訂正部)〕
FEC24,26,28,30はそれぞれ、10Gbpsに対応した集積回路(図示しない)により構成されている。また、FEC24,26,28,30は、フレーム処理部22の他に、長距離TR32,34,36,38にそれぞれレーンを介して接続されている。
FEC24,26,28,30はそれぞれ、10Gbpsに対応した集積回路(図示しない)により構成されている。また、FEC24,26,28,30は、フレーム処理部22の他に、長距離TR32,34,36,38にそれぞれレーンを介して接続されている。
各FEC24,26,28,30は、それぞれフレーム処理部22からレーンごとにパラレル転送されたフレームのデータをOTNフレームのペイロード領域に格納する。また、同時に、各FEC24,26,28,30は、FEC符号を生成し、OTNフレームのFEC領域に格納する。そして、各FEC24,26,28,30は、OTNフレームをそれぞれに接続された長距離TR32,34,36,38へ転送する。
また、各FEC24,26,28,30は、長距離TR32,34,36,38から転送されたOTNフレームを受信すると、これに格納されたFEC符号を参照して、データの誤りを訂正する。そして、各FEC24,26,28,30は、OTNフレームのペイロード領域からフレームのデータを取り出し、取り出したデータをフレーム処理部22へ転送する。
〔長距離TR及び波長フィルタ(第2送受信部)〕
長距離TR32,34,36,38は、FEC24,26,28,30の他に、波長フィルタ40に接続されている。長距離TR32,34,36,38は、FEC24,26,28,30から転送された電気信号を光信号に変換して、波長フィルタ40へ転送する。一方、波長フィルタ40から転送された光信号を各長距離TR32,34,36,38で電気信号に変換して、FEC24,26,28,30へ転送する。
長距離TR32,34,36,38は、FEC24,26,28,30の他に、波長フィルタ40に接続されている。長距離TR32,34,36,38は、FEC24,26,28,30から転送された電気信号を光信号に変換して、波長フィルタ40へ転送する。一方、波長フィルタ40から転送された光信号を各長距離TR32,34,36,38で電気信号に変換して、FEC24,26,28,30へ転送する。
波長フィルタ40は、長距離TR32,34,36,38の他に光ファイバケーブル14を介してメディアコンバータ8に接続されている。波長フィルタ40は、WDM(Wavelength Division Multiplexing)を用いて各長距離TR32,34,36,38から転送された光信号を多重化することにより、1本の光ファイバケーブル14を介して接続されたメディアコンバータ8に対して一芯双方向の通信ができる。なお、特にこのような波長フィルタ40を用いることなく、長距離TR32,34,36,38から転送された光信号を、4本の光ファイバからそれぞれ送信する構成であってもよい。
このように、メディアコンバータ6に配置されているFEC24〜30、長距離TR32〜38、及び波長フィルタ40は、それぞれ4本のレーンを介してデータをパラレル転送する。これにより、10Gbpsに対応した既存のデバイスを用いて40Gbpsに対応した長距離伝送を行えるとともに、40Gbpsに対応した長距離光伝送装置を安価に生産することができる。
すなわち、例えばFEC24〜30が40Gbpsに対応した単一のFEC回路により構成されている場合、単一のFEC回路には、10Gbpsに対応したFEC回路において各レーンで実行される処理速度(625Mbps)に対して約4倍の処理能力が必要となる。この処理能力を有する専用のFEC回路(デバイス)は、10Gbpsよりもさらに高度な技術や素子を用いて実現する必要があり、その分のコストが膨大となる。
また、長距離TR32,34,36,38が40Gbpsに対応した単一の長距離TRにより構成されている場合、10Gbpsで光信号として出力する場合と比べて40Gbpsで出力する方が波長分散よる影響を大きく受けてしまうということが一般的に知られている。しかし、本実施形態では、10Gbpsに対応した長距離TRを4つ備えることで、上記の波長分散による影響を回避することができる。
したがって、IEEE802.3baによる40Gbps/100Gbpsで実行される通信が標準化されても、40Gbpsに準拠したメディアコンバータ及びこれを用いて構成されたネットワークを広く普及させるのに時間を要することとなる。しかしながら、本実施形態のように既存の10Gbpsに対応したFECや長距離TRを用いることで、40kmや100km等の長距離に渡って光信号を転送できるとともに、安価な値段で40Gbpsに対応したメディアコンバータを生産できる。
図3は、メディアコンバータ6,8による長距離伝送路区間へのデータ転送処理を示すフローチャートである。ここでは、図1に示すメディアコンバータ6を用いて、ネットワーク2から転送されたデータをメディアコンバータ8に転送する際の転送処理について以下、手順を追って説明する。
ステップ100:メディアコンバータ6の光トランシーバ20は、スイッチングハブ10から転送されたデータをネットワークケーブル16を介して光信号として受信する。光トランシーバ20は、受信した光信号を電気信号に変換するとともに、この電気信号を4本のレーンに分割して、フレーム処理部22へパラレル転送する(ステップS102)。
ステップS104:メディアコンバータ6のフレーム処理部22は、各レーン別にパラレル転送された電気信号を合流させて、スキューの調整を行う。そして、フレーム処理部22は、合流させた電気信号を4本のレーンに分割してFEC24〜30へパラレル転送する。
ステップS106:メディアコンバータ6の各FEC24〜30は、各レーン別に転送されたデータをペイロード領域に格納し、生成したFEC符号をFEC領域に格納して、OTNフレームを生成する。各FEC24〜30は、OTNフレームを各レーン別に長距離TR32〜38へ転送する。
ステップS108:メディアコンバータ6の長距離TR32〜38は、受信した電気信号を光信号に変換して波長フィルタ40へ転送する。波長フィルタ40は、長距離TR32〜38から転送された光信号を多重化してから光ファイバケーブル14を介して接続されたメディアコンバータ8へ向けて40Gbpsの通信速度で送信し(ステップS110)、この処理を終了(END)する。
図4は、メディアコンバータ6,8による他のネットワーク2,4へのデータ転送処理を示すフローチャートである。ここでは、メディアコンバータ8がメディアコンバータ6から転送されたOTNフレームをネットワーク4へ転送する処理について、手順を追って説明する。なお、メディアコンバータ6が行う処理についてもメディアコンバータ8と同様である。
ステップS200:メディアコンバータ8の波長フィルタ40は、メディアコンバータ6から40Gbpsの通信速度で転送されたOTNフレームを光信号として受信すると、これを4本のレーンに分割して各レーン別に接続された長距離TR32〜38へパラレル転送する。
ステップS202:メディアコンバータ8の各長距離TR32〜38は、波長フィルタ40から各レーン別に転送された光信号を電気信号に変換して接続先のFEC24〜30へ転送する。
ステップS204:メディアコンバータ8のFEC24〜30は、各レーン別にパラレル転送された電気信号に対して、電気信号として転送されたOTNフレームに格納されているFECに基づいて、光損失により生じたデータの誤りを訂正したりする。そして、各FEC24〜30は、OTNフレームに格納されているフレームのデータを取り出し、これを各レーン別にフレーム処理部22へ転送する。
ステップS206:メディアコンバータ8のフレーム処理部22は、FEC24〜30から各レーン別に転送されてきた電気信号を合流させてスキューの調整を行う。そして、フレーム処理部22は、合流させた電気信号を4本のレーンに分割して、接続先の光トランシーバ20へパラレル転送する。
ステップS208:メディアコンバータ8の光トランシーバ20は、受信した電気信号を光信号に変換してからネットワークケーブル18を介して接続されたスイッチングハブ12へ40Gbpsの通信速度で転送し、この処理を終了(END)する。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の長距離中継装置及び長距離光伝送システムについて説明する。図5は、第2実施形態のメディアコンバータ6,8の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。第2実施形態のメディアコンバータ6,8は、100Gbpsの通信速度に対応している点で第1実施形態と異なっている。その他基本的な構成及び機能は第1実施形態と共通するため、それらについては図示とともに同一の符号を付して重複した説明を省略するものとする。
次に、第2実施形態の長距離中継装置及び長距離光伝送システムについて説明する。図5は、第2実施形態のメディアコンバータ6,8の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。第2実施形態のメディアコンバータ6,8は、100Gbpsの通信速度に対応している点で第1実施形態と異なっている。その他基本的な構成及び機能は第1実施形態と共通するため、それらについては図示とともに同一の符号を付して重複した説明を省略するものとする。
第2実施形態では、光トランシーバ20、フレーム処理部22、FEC26〜30,42〜52,長距離TR32〜38,54〜64、及び波長フィルタ40が、それぞれの間で電気信号を10本のレーンに分割してパラレル転送する。このとき各レーンは、1本あたり10Gbpsの通信速度で電気信号を転送しているため、この点は第1実施形態と共通している。
このように、上述した第1実施形態、及び第2実施形態におけるメディアコンバータ6,8は、いずれも10Gbpsに対応したFEC及び長距離TRを用いて40Gbps及び100Gpsによる通信ができる。したがって、40Gbps及び100Gpsに対応した専用のデバイス(FEC及び長距離TR)を新たに設けることなく、安価な値段で長距離光伝送装置を提供できるともに、これを用いたネットワークを広く普及させることができる。
また、一般的に40Gbps及び100Gbpsに対応した長距離TRを用いた場合、10Gbpsに対応した長距離TRに比べて波長分散による影響が大きくなるため、波長分散を補償するための回路が必要になる。しかし、10Gbpsに対応した長距離TRを複数設けることにより、波長分散による影響を抑制することができる。
また、パラレル転送された光信号を波長フィルタで多重するため、光ファイバケーブルを介して相互に接続されたメディアコンバータ同士は、40km、100km離れた長距離区間に渡って一芯双方向の通信を行うことができる。
1,2,4 ネットワーク
6,8 メディアコンバータ(長距離光伝送装置)
20 光トランシーバ(第1送受信部)
22 フレーム処理部
24,26,28,30 FEC(誤り訂正部)
32,34,36,38 長距離TR
40 波長フィルタ
6,8 メディアコンバータ(長距離光伝送装置)
20 光トランシーバ(第1送受信部)
22 フレーム処理部
24,26,28,30 FEC(誤り訂正部)
32,34,36,38 長距離TR
40 波長フィルタ
Claims (4)
- ネットワークケーブルを介して受信した光信号を電気信号に変換して転送する第1送受信部と、
前記第1送受信部から転送された前記電気信号を複数のレーンに分割してパラレル転送するフレーム処理部と、
前記フレーム処理部によりパラレル転送された前記電気信号を、各レーン別に所定の通信規格に準拠したフレームの形式に変換し、この変換後のフレームに対して誤り訂正符合を格納して前記各レーン別に引き続きパラレル転送する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部によりパラレル転送された前記電気信号を各レーン別に前記光信号に変換し、全レーンからの光信号を送信する第2送受信部と
を備えた長距離光伝送装置。 - 請求項1に記載の長距離光伝送装置において、
前記第2送受信部は、
光信号を受信した際、前記光信号を前記複数のレーンでパラレル転送し、前記レーン別に前記光信号を前記電気信号に変換し、
前記誤り訂正部は、
前記第2送受信部により複数のレーンでパラレル転送された前記電気信号に対して、前記レーン別に前記フレームに含まれている前記誤り訂正符号に基づいて前記フレームに生じたエラーを訂正するとともに、前記通信規格に準拠したフレームから変換前の電気信号に逆変換したうえで前記電気信号を引き続き前記レーン別に前記フレーム処理部へ転送することを特徴とする長距離光伝送装置。 - ネットワークケーブルに接続されており、前記ネットワークケーブルを介して所定の通信規格に準拠したフレームを光信号として送受信する長距離光伝送装置を備え、
前記ネットワークケーブルを介して複数の前記長距離光伝送装置を相互に接続して構成される長距離光伝送システムであって、
前記長距離伝送装置は、
前記ネットワークケーブルを介して受信した前記光信号を電気信号に変換し、その電気信号を転送する第1送受信部と、
前記第1送受信部から転送された前記電気信号を複数のレーンに分割してパラレル転送するフレーム処理部と、
前記フレーム処理部によりパラレル転送された前記電気信号を、各レーン別に所定の通信規格に準拠したフレームの形式に変換し、この変換後のフレームに対して誤り訂正符合を格納して前記各レーン別に引き続き転送する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部によりパラレル転送された前記電気信号を各レーン別に前記光信号に変換し、全レーンからの光信号を送信する第2送受信部と
を有する長距離光伝送システム。 - 請求項3に記載の長距離光伝送システムにおいて、
前記第2送受信部は、
光信号を受信した際、前記光信号を前記複数のレーンでパラレル転送し、前記レーン別に前記光信号を前記電気信号に変換し、
前記誤り訂正部は、
前記第2送受信部により複数のレーンでパラレル転送された前記電気信号に対して、前記レーン別に前記フレームに含まれている前記誤り訂正符号に基づいて前記フレームに生じたエラーを訂正するとともに、前記通信規格に準拠したフレームから変換前の電気信号に逆変換したうえで前記電気信号を引き続き前記レーン別に前記フレーム処理部へ転送することを特徴とする長距離光伝送システム。
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JP2010252504A JP2012105114A (ja) | 2010-11-11 | 2010-11-11 | 長距離光伝送装置、及び長距離光伝送システム |
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- 2010-11-11 JP JP2010252504A patent/JP2012105114A/ja active Pending
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