JP2012102625A - 内燃機関の冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の冷却経路を備える内燃機関において過熱を抑制する。
【解決手段】水に所定成分を加えた混合液を冷却水として用いる内燃機関の冷却システムにおいて、シリンダブロック11に冷却水を流通させる第1通路61と、シリンダヘッド21に冷却水を流通させ、第1通路61とは所定成分の濃度が異なる冷却水を流通させる第2通路62と、第1通路61と第2通路62とを連通する連通路41,43と、連通路41,43に設けられ開いたときには冷却水を流通させ閉じたときには冷却水の流通を遮断する遮断弁42,44と、内燃機関1の温度を取得する取得装置51と、内燃機関の温度が所定値以上のときに遮断弁42,44を開く制御装置50と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の冷却システムに関する。
内燃機関の冷却系において、シリンダヘッドとシリンダブロックとで別の冷却経路を設け、シリンダブロック側の冷媒の流量を制御可能なシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、2つの冷却経路を設け、夫々に比熱の異なる冷媒を用いるシステムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、内燃機関の過熱を抑制するために冷却水の比熱を大きくすることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、冷却経路を2経路設けて、夫々に比熱の異なる冷媒を用い、夫々の冷却経路で冷却水の流量を制御したとしても、たとえば一方の冷却経路で冷媒が劣化して必要な冷却性能が得られなくなったり、比熱が高いほうの冷却経路で内燃機関が過熱したりする虞がある。
実開平02−131023号公報 実開昭64−051723号公報 特開2000−053952号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の冷却経路を備える内燃機関における過熱を抑制する技術の提供を目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の冷却システムは、
水に所定成分を加えた混合液を冷却水として用いる内燃機関の冷却システムにおいて、
シリンダブロックに冷却水を流通させる第1通路と、
前記第1通路とは異なる通路であって、シリンダヘッドに冷却水を流通させ、第1通路とは前記所定成分の濃度が異なる冷却水を流通させる第2通路と、
前記第1通路と前記第2通路とを連通する連通路と、
前記連通路に設けられ開いたときには冷却水を流通させ閉じたときには冷却水の流通を遮断する遮断弁と、
前記内燃機関の温度を取得する取得装置と、
前記取得装置により取得される前記内燃機関の温度が所定値以上のときに前記遮断弁を開く制御装置と、
を備える。
第1通路と第2通路とは連通路以外では連通していないため、遮断弁を閉じているときには両通路を流通している冷却水は混ざり合わない。一方、遮断弁を開くと、第1通路および第2通路に流通している冷却水が連通路を介して交換される。これにより、両通路を流れる冷却水中の所定成分の濃度が互いに近づく。ここで、所定成分の濃度が異なる冷却水では、比熱が異なるため、温度の上昇のし易さが異なる。そして、この所定成分の濃度を異ならせることで、暖機性能の向上と過熱の抑制とを両立することができる。
たとえば、運動する部品が多く備わるシリンダブロックでは、冷却水の温度を上昇し易くすることで暖機性能を向上させることができる。これによりCOの排出量を減少させることができる。また、ヒータコアなどの部品に流通する冷却水は早期に温度上昇させることにより、ヒータ性能を向上させることができる。一方、シリンダヘッドは温度が上昇し易い。このために冷却水の温度の上昇を抑制することにより内燃機関の過熱を抑制できる。このように、シリンダブロックとシリンダヘッドとで要求される冷却能力が異なる。これに対し、それぞれの部材を流通する冷却水の所定成分の濃度を異ならせることで、両部材で要求される冷却能力に合わせた冷却水を循環させることができる。なお、所定成分の濃度が異なることは、たとえば比熱、粘度、または熱伝導率が異なることとしてもよい。
このように、シリンダブロックとシリンダヘッドとで所定成分の濃度が異なる冷却水を流通させたとしても、内燃機関が過熱する虞がある。すなわち、所定成分の濃度が高いと、暖機性能は高くなるが、過熱する虞がある。また、所定の成分の濃度が低いと、冷却水が劣化し易くなるため、冷却性能が低下して過熱する虞がある。このように内燃機関が過熱する虞があるとき、すなわち、内燃機関の温度が所定値以上のときに、遮断弁を開いている。ここで、所定成分の濃度が高いと冷却水の温度が上昇し易いが、遮断弁を開くことにより該所定成分の濃度が下降するため、冷却水の温度を低下させることができる。これにより、内燃機関の過熱を抑制することができる。一方、所定成分の濃度が低いと冷却水が劣化し易いが、遮断弁を開くことにより該所定成分の濃度が上昇するため、冷却能力を回復させることができる。これにより、内燃機関の過熱を抑制することができる。
なお、所定成分は、たとえば凍結を防止するための成分または防錆剤としてもよい。また、所定値は、遮断弁を開かなければ内燃機関が過熱する温度とすることができる。また、内燃機関の温度は、冷却水またはオイルの温度としてもよい。この冷却水またはオイルは、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの少なくとも一方の冷却水またはオイルであってもよい。
本発明においては、前記第1通路には、前記第2通路よりも前記所定成分の濃度が高い冷却水を流通させてもよい。
すなわち、シリンダブロックは早期に温度が上昇するように所定成分の濃度を高くし、シリンダヘッドは過熱を抑制するように所定成分の濃度を低くすることで、早期暖機と過熱抑制とを両立することができる。しかし、シリンダブロックでは冷却水の温度が高くなりすぎる虞もある。また、シリンダヘッドでは冷却水が劣化して冷却水の温度が高くなりすぎる虞もある。これに対し、内燃機関の温度が所定値以上となったときにはシリンダブロックを流通する冷却水の所定成分の濃度を下降させ、またはシリンダヘッドを流通する冷却水の所定成分の濃度を上昇させることにより、該内燃機関の温度を低下させることができるため、内燃機関の過熱を抑制できる。
本発明においては、前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記遮断弁を制御することができる。
ここで、内燃機関の温度と該温度の目標値との差が大きいほど、第1通路を流通する冷却水と第2通路を流通する冷却水との交換量を多くしなければならない。すなわち、遮断弁を開いている期間を、この差に応じて決定すれば、内燃機関の温度を目標値に合わせることができる。
本発明においては、前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記第1通路を流通する冷却水と前記第2通路を流通する冷却水との要求される
交換量を算出し、前記遮断弁を開いてからの冷却水の交換量が前記要求される交換量に達するまで前記遮断弁を開くことができる。
すなわち、冷却水の交換量に応じて各通路の所定成分の濃度が変化するため、要求される濃度を得るために必要となる量の冷却水を交換するように遮断弁を開くことにより、所望の濃度を得ることができる。ここで、各通路の所定成分の濃度および容積は予め得ることができるため、これらの値および内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて前記要求される交換量を算出することができる。
本発明においては、前記第1通路および前記第2通路に冷却水を流通させるポンプを夫々設け、
前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記ポンプの少なくとも一方で要求される仕事量を算出し、該要求される仕事量に基づいて前記遮断弁を制御することができる。
ここで、内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、第1通路を流通する冷却水と第2通路を流通する冷却水との要求される交換量を算出することができる。そして、ポンプの仕事量と冷却水の交換量とには相関関係があるため、この冷却水の交換量に基づいてポンプの仕事量をさらに算出することができる。ポンプに要求される仕事量に基づいて遮断弁を開いておけば、内燃機関の温度を目標値に近づけることができる。
本発明においては、前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記ポンプの少なくとも一方で要求される仕事量を算出し、前記遮断弁を開いてからの前記ポンプの仕事量が前記要求される仕事量となるまで前記遮断弁を開くことができる。
ポンプの仕事量と冷却水の交換量との関係は予め求めておくことができる。また、現時点での冷却水中の所定成分の濃度が分かっていれば、該濃度と、交換量と、第1通路および第2通路の容積と、の関係から、冷却水を交換した後のそれぞれの通路における所定成分の濃度が算出できる。また、内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、必要となる所定成分の濃度を算出することができる。すなわち、この必要となる所定成分の濃度を得るための冷却水の交換量を算出することができ、この交換量からポンプの仕事量を算出することができる。このようにして算出される仕事量となるまで遮断弁を開いておくことにより、内燃機関の温度を目標値に合わせることができるため、該内燃機関の過熱を抑制することができる。
本発明によれば、複数の冷却経路を備える内燃機関において過熱を抑制することができる。
実施例に係る内燃機関の冷却システムの概略構成を示す図である。 冷却水の濃度と冷却水温度との関係を示した図である。 実施例に係る冷却システムの制御フローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の冷却システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の冷却システムの概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の内燃機関である。
内燃機関1は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド21を備えて構成されている。
シリンダブロック11の内部には、冷却水を循環させるためのブロック側ウォータジャケット12が形成されている。また、シリンダヘッド21の内部には、冷却水を循環させるためのヘッド側ウォータジャケット22が形成されている。
さらに、シリンダブロック11には、ブロック側ラジエータ13を循環するブロック側ラジエータ通路14が接続されている。ブロック側ラジエータ通路14は、ブロック側ウォータジャケット12の入口側と出口側とを接続している。また、ブロック側ラジエータ通路14には、冷却水が流れる方向の上流側から順に、ヒータコア15、ブロック側ラジエータ13、ブロック側サーモスタット16、電動ポンプ17が設けられている。また、ヒータコア15とブロック側ラジエータ13との間のブロック側ラジエータ通路14と、ブロック側サーモスタット16と、を連通するブロック側バイパス通路18が設けられている。ブロック側バイパス通路18は、ブロック側ラジエータ13をバイパスしている。
ブロック側ラジエータ13は、冷却水と外気とで熱交換をして該冷却水の温度を低下させる。
電動ポンプ17は、電力を供給することにより稼働し、ブロック側サーモスタット16側からブロック側ウォータジャケット12側へ向けて冷却水を吐出する。この電動ポンプ17は、後述するECU50からの信号により流量を変更することができる。なお、本実施例では電力を供給することで稼働するポンプを用いるが、内燃機関のクランクシャフトから駆動力を得て稼働するポンプを用いてもよい。
ブロック側サーモスタット16は設定温度になるまでは閉じており、設定温度以上となると開く。ブロック側サーモスタット16が閉じているときには、ブロック側ウォータジャケット12からブロック側ラジエータ通路14に流出した冷却水は、ブロック側バイパス通路18を経由してブロック側ウォータジャケット12へ戻る。このときには、ブロック側ラジエータ13に冷却水は流通しない。一方、ブロック側サーモスタット16が開いているときには、ブロック側バイパス通路18およびブロック側ラジエータ13を経由して冷却水が循環される。
ヒータコア15は、車室内の空気と冷却水とで熱交換をして車室内の空気の温度を上昇させる。
また、シリンダヘッド21には、ヘッド側ラジエータ23を循環するヘッド側ラジエータ通路24が接続されている。ヘッド側ラジエータ通路24は、ヘッド側ウォータジャケット22の入口側と出口側とを接続している。また、ヘッド側ラジエータ通路24には、冷却水が流れる方向の上流側から順に、ヘッド側ラジエータ23、ヘッド側サーモスタット26、ポンプ27が設けられている。
ヘッド側ラジエータ23は、冷却水と外気とで熱交換をして該冷却水の温度を低下させる。
ポンプ27は、内燃機関1のクランク軸と連動して稼働し、ヘッド側サーモスタット26側からヘッド側ウォータジャケット22側へ向けて冷却水を吐出する。なお、電力の供
給により稼働する電動ポンプを用いることもできる。また、ヘッド側ラジエータ23よりも上流側のヘッド側ラジエータ通路24と、下流側のヘッド側サーモスタット26と、を連通するヘッド側バイパス通路28が設けられている。ヘッド側バイパス通路28は、ヘッド側ラジエータ23をバイパスしている。
ヘッド側サーモスタット26は設定温度になるまでは閉じており、設定温度以上となると開く。ヘッド側サーモスタット26が閉じているときには、ヘッド側ウォータジャケット22からヘッド側ラジエータ通路24に流出した冷却水は、ヘッド側バイパス通路28を経由してヘッド側ウォータジャケット22へ戻る。このときには、ヘッド側ラジエータ23に冷却水は流通しない。一方、ヘッド側サーモスタット26が開いているときには、ヘッド側バイパス通路28およびヘッド側ラジエータ23を経由して冷却水が循環される。
また、ヘッド側ウォータジャケット22と、ヘッド側バイパス通路28の接続部よりも上流側のヘッド側ラジエータ通路24と、を連通し、EGRクーラ30を循環するEGRクーラ通路31が設けられている。EGRクーラ30は、EGRガスと冷却水とで熱交換をしてEGRガスを冷却する。さらに、ヘッド側ウォータジャケット22と、ヘッド側バイパス通路28の接続部よりも上流側のヘッド側ラジエータ通路24と、を連通し、オイルクーラ32を循環するオイルクーラ通路33が設けられている。オイルクーラ32は内燃機関のオイルと冷却水とで熱交換をしてオイルを冷却する。EGRクーラ30およびオイルクーラ32には、ヘッド側サーモスタット26の開閉状態にかかわらず冷却水が流通する。
そして、ブロック側ラジエータ通路14と、ヘッド側ラジエータ通路24と、は上流側連通路41および下流側連通路43により連通されている。上流側連通路41は、ブロック側ラジエータ13よりも上流側で且つブロック側バイパス通路18の接続部よりも下流側のブロック側ラジエータ通路14と、ヘッド側ラジエータ23よりも上流側で且つヘッド側バイパス通路28の接続部よりも下流側のヘッド側ラジエータ通路24と、を連通している。そして、上流側連通路41には、ECU50からの信号により開閉する上流側遮断弁42が設けられている。また、下流側連通路43は、ブロック側ラジエータ13よりも下流側で且つブロック側サーモスタット16よりも上流側のブロック側ラジエータ通路14と、ヘッド側ラジエータ23よりも下流側で且つヘッド側サーモスタット26よりも上流側のヘッド側ラジエータ通路24と、を連通している。そして、下流側連通路43には、ECU50からの信号により開閉する下流側遮断弁44が設けられている。なお、本実施例においては上流側連通路41および下流側連通路43が、本発明における連通路に相当する。また、本実施例においては上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が、本発明における遮断弁に相当する。
また、ブロック側ウォータジャケット12の出口側(下流側)とブロック側ラジエータ通路14との接続部には、ブロック側ウォータジャケット12から流出する冷却水の温度を測定する第1冷却水温度センサ51が取り付けられている。また、ヘッド側ウォータジャケット22の出口側(下流側)とヘッド側ラジエータ通路24との接続部には、ヘッド側ウォータジャケット22から流出する冷却水の温度を測定する第2冷却水温度センサ52が取り付けられている。さらに、シリンダブロック11には、オイルの温度を測定するオイル温度センサ53が取り付けられている。オイルは、オイルパンからシリンダブロック11およびシリンダヘッド21へ夫々供給され、その後にオイルパンへ戻る。なお、本実施例においては第1冷却水温度センサ51、第2冷却水温度センサ52、またはオイル温度センサ53が、本発明における取得装置に相当する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御
ユニットであるECU50が併設されている。このECU50は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。
また、ECU50には、上記センサの他、アクセル開度に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出するアクセル開度センサ54、および機関回転数を検出するクランクポジションセンサ55が電気配線を介して接続さている。そして、これらのセンサの出力信号がECU50に入力される。一方、ECU50には、電動ポンプ17、上流側遮断弁42、下流側遮断弁44が電気配線を介して接続され、ECU50はこれらの機器を制御する。
たとえば、ECU50は、内燃機関1の冷間始動時には、電動ポンプ17を停止させてブロック側ウォータジャケット12内の冷却水の早期温度上昇を図る。
なお、ブロック側ウォータジャケット12とブロック側ラジエータ通路14とブロック側バイパス通路18とを合わせて以下、第1通路61と称する。また、ヘッド側ウォータジャケット22とヘッド側ラジエータ通路24とヘッド側バイパス通路28とEGRクーラ通路31とオイルクーラ通路33とを合わせて以下、第2通路62と称する。第1通路61は、早期温度上昇の要求がある部材に対して冷却水を循環させている。第2通路62は、温度が高くなる部材に対して冷却水を循環させている。
ここで、本実施例に係る冷却水は、水と、たとえばエチレングリコールなどの不凍液または防錆剤と、の混合液である。以下、冷却水の濃度といった場合には、水に加えられる物質の濃度を示す。なお、本実施例においてはこのように水に加えられる物質が、本発明における所定物質に相当する。
そして、本実施例では、第1通路61を流通する冷却水の濃度を、第2通路62を流通する冷却水の濃度よりも高くしている。ここで、冷却水の濃度が高くなると、比熱が低くなり、内燃機関からの放熱が低下するため、冷却水の温度が上昇し易くなる。したがって、第1通路61を流通する冷却水の濃度を高くすることで、シリンダブロック11の早期暖機が可能となる。そして、運動部品が多く備わるシリンダブロック11で早期暖機を図ることにより、COの排出量を低減することができる。また、ヒータコア15を循環する冷却水の温度を速やかに上昇させることができるため、車室内の空気を速やかに上昇させることができる。このように、第1通路61では、冷却水の濃度を高くすることで、早期暖機を優先させている。
一方、第2通路62を流通する冷却水の濃度を低くすることで、シリンダヘッド21の温度が上昇し難くなるため、暖機完了後の過熱を抑制することができる。このように、第2通路62では、冷却水の濃度を低くすることで、過熱の抑制を優先させている。
しかし、第1通路61では、冷却水が過熱する虞がある。すなわち、早期暖機を図るために冷却水の温度を上昇させ易くしているので、冷却水温度が許容範囲を超える虞がある。一方、第2通路62では、冷却水の濃度が低いために、冷却水が劣化し易い。そして、冷却水が劣化することにより、冷却水の冷却性能が低下すると、冷却水が過熱する虞がある。
これに対し本実施例では、内燃機関1の温度が所定値以上となった場合には、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開いて、上流側連通路41および下流側連通路43に冷却水を流通させる。すなわち、第1通路61内の冷却水の一部と、第2通路内の冷却水の一部とを交換する。所定値は、内燃機関1が過熱する温度にある程度の余裕を持たせた値としてもよい。これは、過熱する虞のある温度の下限値としてもよい。
なお、内燃機関1の温度は、第1冷却水温度センサ51により得られる温度、またはオイル温度センサ53により得られる温度の何れであってもよい。
ここで、図2は、冷却水の濃度と冷却水温度との関係を示した図である。上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開く前には、第1通路61のほうが、第2通路62よりも、冷却水の濃度が高く且つ冷却水温度が高い。第1通路61内の冷却水の温度が高くなった場合には、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開き電動ポンプ17を稼働させると、第1通路61では、冷却水の交換により、冷却水温度および冷却水の濃度が下降する。一方、第2通路62では、冷却水の交換により、冷却水温度および冷却水の濃度が上昇する。
このようにして、第1通路61内の冷却水の温度を下降させることができるため、冷却水が過熱することを抑制できる。
また、第2通路62を流通する冷却水が劣化して温度が高くなっている場合には上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開くことで、第2通路62内の冷却水の濃度を高くすることができるので、冷却性能を回復させることができる。
なお、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開く期間は、内燃機関1の温度と該温度の目標値との差に基づいて決定される。以下、第1通路61の温度を下降させる場合について説明する。
ここで、第1通路61および第2通路62へは最初にそれぞれ規定の濃度の冷却水が入れられているものとする。また、第1通路61および第2通路62の容積は予め実験等により求めておく。
まず、内燃機関1の温度を目標値とするために必要となる冷却水の交換量を算出する。この冷却水の交換量は、内燃機関1の温度の目標値と実際の温度との差、第1通路61および第2通路62をそれぞれ循環する冷却水の濃度、および、第1通路61および第2通路62のそれぞれの容積に基づいて算出することができる。すなわち、温度差から必要となる冷却水の濃度を算出し、この冷却水の濃度を得るために必要となる冷却水の交換量を算出する。なお、内燃機関1の温度の目標値は前記所定値としてもよく、予め最適値を実験等により求めてECU50に記憶させておく。
また、内燃機関1の温度は第1冷却水温度センサ51またはオイル温度センサ53により得ることができる。第1通路61および第2通路62をそれぞれ循環する冷却水の濃度は、初回は予め規定の濃度の冷却水を入れておくことで得ることができる。また、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を以前に開いたことがある場合には、第1通路61および第2通路62の冷却水交換前のそれぞれの冷却水の濃度と、それぞれの容積と、冷却水の交換量と、に基づいて、その後の冷却水の濃度を算出することができる。
そして、算出された冷却水の交換量を得るために必要となる電動ポンプ17の仕事量を算出する。たとえば、算出された冷却水の交換量と、電動ポンプ17の仕事量と、の関係を予めマップ化しておき、算出された冷却水の交換量をマップに代入することで電動ポンプ17の仕事量を得る。この仕事量に相当する期間、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開いておけば、内燃機関1の温度を所定値とするために必要となる量の冷却水が交換される。逆に、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開く期間を一定とし、その間の電動ポンプ17の仕事量が算出された仕事量となるように該電動ポンプ17へ電力を供給してもよい。また、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が閉じているときよりも開いているときのほうが電動ポンプ17へ供給する電力を増加させてもよい。また、
クランクシャフトと連動して稼働するポンプを用いている場合には、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開いている時間と、ポンプの仕事量との関係を予め実験等により求めておくことで、該上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開いている時間を算出することができる。
次に、図3は、本実施例に係る冷却システムの制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に実行される。
ステップS101では、内燃機関1の運転状態が検出される。たとえば、内燃機関1の温度が検出される。
ステップS102では、内燃機関1の温度が所定値以上であるか否か判定される。この所定値は、内燃機関1において過熱が起こり得る温度の下限値である。すなわち本ステップでは、内燃機関1において過熱が起こり得るか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。
ステップS103では、冷却水の交換量が算出される。すなわち、内燃機関1の温度と該温度の目標値との差に基づいて、冷却水の交換量が算出される。
ステップS104では、電動ポンプ17の仕事量が算出される。すなわち、冷却水の交換量に基づいて、電動ポンプ17の仕事量が算出される。
ステップS105では、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が開かれる。なお、本実施例においてはステップS105を処理するECU50が、本発明における制御装置に相当する。
ステップS106では、電動ポンプ17が駆動される。すなわち、内燃機関1の暖機途中であれば電動ポンプ17が停止されているので、この場合には電動ポンプ17を稼働させる。また、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が開いているときと、閉じているときと、で吐出量を変える場合には、吐出量を変える。そして、ステップS104で算出された仕事量に達したときに、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が閉じられる。
また、ステップS107では、上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開く必要がないため、該上流側遮断弁42および下流側遮断弁44が閉じられる。
なお、本実施例では、第2通路62よりも第1通路61の冷却水の濃度を高くしているが、これに代えて、冷却水の比熱を低くしてもよく、冷却水の粘度を高くしてもよく、または冷却水の熱伝導率を低くしてもよい。
以上説明したように本実施例によれば、シリンダブロック11の早期暖機と、シリンダヘッド21の過熱抑制とを両立させることができる。そして、内燃機関1の温度に応じて上流側遮断弁42および下流側遮断弁44を開くことで、該内燃機関1の過熱を抑制できる。
1 内燃機関
11 シリンダブロック
12 ブロック側ウォータジャケット
13 ブロック側ラジエータ
14 ブロック側ラジエータ通路
15 ヒータコア
16 ブロック側サーモスタット
17 電動ポンプ
18 ブロック側バイパス通路
21 シリンダヘッド
22 ヘッド側ウォータジャケット
23 ヘッド側ラジエータ
24 ヘッド側ラジエータ通路
26 ヘッド側サーモスタット
27 ポンプ
28 ヘッド側バイパス通路
30 EGRクーラ
31 EGRクーラ通路
32 オイルクーラ
33 オイルクーラ通路
41 上流側連通路
42 上流側遮断弁
43 下流側連通路
44 下流側遮断弁
50 ECU
51 第1冷却水温度センサ
52 第2冷却水温度センサ
53 オイル温度センサ
54 アクセル開度センサ
55 クランクポジションセンサ
61 第1通路
62 第2通路

Claims (6)

  1. 水に所定成分を加えた混合液を冷却水として用いる内燃機関の冷却システムにおいて、
    シリンダブロックに冷却水を流通させる第1通路と、
    前記第1通路とは異なる通路であって、シリンダヘッドに冷却水を流通させ、第1通路とは前記所定成分の濃度が異なる冷却水を流通させる第2通路と、
    前記第1通路と前記第2通路とを連通する連通路と、
    前記連通路に設けられ開いたときには冷却水を流通させ閉じたときには冷却水の流通を遮断する遮断弁と、
    前記内燃機関の温度を取得する取得装置と、
    前記取得装置により取得される前記内燃機関の温度が所定値以上のときに前記遮断弁を開く制御装置と、
    を備える内燃機関の冷却システム。
  2. 前記第1通路には、前記第2通路よりも前記所定成分の濃度が高い冷却水を流通させる請求項1に記載の内燃機関の冷却システム。
  3. 前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記遮断弁を制御する請求項1または2に記載の内燃機関の冷却システム。
  4. 前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記第1通路を流通する冷却水と前記第2通路を流通する冷却水との要求される交換量を算出し、前記遮断弁を開いてからの冷却水の交換量が前記要求される交換量に達するまで前記遮断弁を開く請求項3に記載の内燃機関の冷却システム。
  5. 前記第1通路および前記第2通路に冷却水を流通させるポンプを夫々設け、
    前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記ポンプの少なくとも一方で要求される仕事量を算出し、該要求される仕事量に基づいて前記遮断弁を制御する請求項3または4に記載の内燃機関の冷却システム。
  6. 前記制御装置は、前記内燃機関の温度と該温度の目標値との差に基づいて、前記ポンプの少なくとも一方で要求される仕事量を算出し、前記遮断弁を開いてからの前記ポンプの仕事量が前記要求される仕事量となるまで前記遮断弁を開く請求項5に記載の内燃機関の冷却システム。
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