JP2012101688A - ダッシュボード冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ダッシュボードの温度上昇を効果的に抑制する。
【解決手段】ダッシュボード冷却システム1は、ダッシュボード4の上面に冷却パネル10を設ける。冷却パネル10は、内部に冷却液が流通する冷却パイプ12を有し、ダッシュボード4は冷却液によって冷却される。ダッシュボード4を冷却して昇温した冷却液は、車室3内と車外とに連通して設けられた放熱器17で冷却される。放熱器17は、ラジエータ18とラジエータ18に通風するファン19とを有する。ファン19が駆動されると、車室3内の空気と車外の空気とは、ラジエータ18を通して交換される。これにより、ダッシュボード4の冷却と車室3内の換気とが同時に行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のダッシュボードを冷却するダッシュボード冷却システムに関する。
特開平9−95124号公報には、自動車室内と車外とを連通する通気口に設けられた排気ファンを回転させ、自動車室内の空気を外気と強制的に交換し、自動車室内を外気温に近い状態に保持する換気装置が記載されている。
また、特開2006−27461号公報には、インパネの内部空間に外気を導入してインパネの内部空間の滞留空気を車内空間に排気し、さらに車内の滞留空気を車外へ排気することで、インパネの内部空間の温度を下げてインパネ表面の温度を下げる換気装置が記載されている。
特開平9−95124号公報 特開2006−27461号公報
一般に、車両のフロントウィンドウパネルの直下に配置されるダッシュボードは、太陽光の入射に起因して高温になり易い。ダッシュボードの高温化は、車室内の温度上昇を招く。特に、夏場等で日射量が多く気温が高いときには、ダッシュボードの温度や車室内の温度は非常に高温となり、乗員に不快感を与える。このため、ダッシュボードの温度上昇を抑制することが望ましい。
しかし、上記特開平9−95124号公報に記載された換気装置は、車室内を換気して車室内温度を低下させるものであり、ダッシュボードの温度を直接低下させるものではない。
また、上記特開2006−27461号公報に記載された換気装置は、インパネの内部空間を換気することでインパネ表面の温度を低下させるものであり、太陽光の入射を受けて高温となるダッシュボードの上面を直接冷却するものではない。このため、ダッシュボードの温度を十分に低下させることができない可能性がある。
そこで、本発明は、ダッシュボードの温度上昇を効果的に抑制することが可能なダッシュボード冷却システムの提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、車両のダッシュボードの温度上昇を抑制するダッシュボード冷却システムであって、冷却路と循環路とポンプと放熱器とを備える。
冷却路は、冷却液が流入する流入口と流出する流出口とを有し、ダッシュボードの上面のほぼ全域の近傍を巡回する。循環路は、流入口と流出口とを連通する。ポンプは、循環路に設けられ、流出口から回収した冷却液を流入口へ循環供給する。放熱器は、循環路を流通する冷却液を冷却する。
上記構成では、ポンプが駆動すると、冷却液は、流入口から冷却路へ流入してダッシュボードのほぼ全域の近傍を巡回して流出口から流出し、循環路を流通して再び流入口から冷却路へ流入する。ダッシュボードの上面は、冷却路を流通する冷却液によって冷却される。ダッシュボードを冷却して昇温した冷却液は、循環路を流通する間に放熱器で冷却される。このように、太陽光の入射を受けて高温となるダッシュボードの上面を、比較的比熱の大きい冷却液を循環させて直接冷却するので、ダッシュボードの温度上昇を効果的に抑制することができる。また、ダッシュボードの温度上昇を抑制するので、間接的に車室内の温度上昇も抑制することができる。
また、冷却路は、ダッシュボードの上面に載置される冷却パネルに設けられてもよい。
上記構成では、冷却路はダッシュボードの上面に設けられた冷却パネルに形成されるので、既存の車両に対してもダッシュボードの構造を大きく変更することなくシステムを適用することができる。
また、上記ダッシュボード冷却システムは、車室内と車外とを連通する通気路を備えてもよく、放熱器は、ラジエータとファンとを有してもよい。ラジエータは、循環路に設けられ且つ通気路に配置されて、その内部を冷却液が流通する。ファンは、ラジエータの車室内側又は車外側の少なくとも一方に設けられてラジエータに通風する。
上記構成では、放熱器は、ラジエータとファンとを有し、車室内と車外とに連通する通気路に配置される。このため、ファンが駆動すると、空気はラジエータを通して通気路内に流通する。これにより、車室内の空気と車外の空気とが交換される。すなわち、ファンは、通気路内に空気を流通させ、ラジエータに通風してラジエータの内部を流通する冷却液を冷却しつつ車室内を換気する。このように、車室内と車外とに連通する通気路にラジエータとファンとを有する放熱器を設けているので、ダッシュボードの冷却と車室内の換気とを同時に行うことができる。
また、上記ダッシュボード冷却システムは、太陽光線を電力に変換する太陽電池を備えてもよい。この場合、ポンプ及びファンは、太陽電池からの電力によって直接駆動する。
上記構成では、ポンプとファンは、日射量に比例して発電する太陽電池から直接電力が供給され駆動する。このため、ポンプ及びファンの駆動は日射量に比例して変化し、日射量が多いときには、冷却路に供給される冷却液の流量及びラジエータを通過する空気の風量は多くなり、ダッシュボードの冷却効果及び車室内の換気効果が向上する。従って、ポンプ及びファンの駆動を日射量に応じて制御することなく、環境条件に適したダッシュボードの冷却及び車室内の換気を行うことができる。また、ポンプ及びファンの駆動を日射量に応じて制御するためのセンサや制御装置が不要であるので、部品点数の増加を抑制し、システムを簡素化することができる。
本発明によれば、ダッシュボードの上面を冷却液によって冷却するので、ダッシュボードの温度上昇を効果的に抑制することができる。
一実施形態のダッシュボード冷却システム1が搭載された車両2の概略図である。 ダッシュボード冷却システム1の構成図である。 冷却パネル10の平面図及び断面図である。 冷却液流路22が形成されたダッシュボード4の上部パネル5の平面図及び断面図である。 一実施形態の変形例のダッシュボード冷却システムが搭載された車両2の概略図である。
以下、本発明の一実施形態におけるダッシュボード冷却システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のダッシュボード冷却システム1が搭載された車両2の概略図である。図2は、ダッシュボード冷却システム1の構成図である。図3(a)は、冷却パネル10の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA―A矢視断面図である。図4(a)は、冷却液流路22が形成されたダッシュボード4の上部パネル5の平面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B矢視断面図である。
図1及び図2に示すように、ダッシュボード冷却システム1は車両2に搭載され、循環パイプ9と、冷却パネル10と、太陽電池14と、ポンプ15と、放熱器17とを備える。
循環パイプ9は、管状部材であり、断熱性が高い材質で形成される。循環パイプ9は、内周面が冷却液の流路(循環路)を形成し、冷却液が封入され流通する。循環パイプ9は、後述するポンプ15と冷却パイプ12とラジエータ18とを連結する。
冷却パネル10は、図3(a)(b)に示すように、第1及び第2冷却プレート11a,11bと冷却パイプ12とを有する。第1及び第2冷却プレート11a,11bは、柔軟性がある材質で形成された板状部材であり、ダッシュボード4の上面をほぼ全域に亘って覆う矩形形状を有する。また、第1冷却プレート11aは断熱性が高く、第2冷却プレート11bは伝熱性が高い材質で形成される。第1及び第2冷却プレート11a,11bは、冷却パイプ12を外装する。冷却パイプ12は、柔軟性があり、伝熱性が高い材質で形成された管状部材であり、内周面が冷却液の流路(冷却路)を形成している。冷却パイプ12は、両端12a,12bが循環パイプ9に連結され、冷却液が一端12aから冷却パイプ12に流入し、他端12bから循環パイプ9に流出する。冷却パイプ12は、第1及び第2冷却プレート11a,11bの長手方向の長さよりも十分に長く、第1及び第2冷却プレート11a,11bに接して蛇行状に配置される。第1及び第2冷却プレート11a,11bは、冷却パイプ12の両端12a,12bと循環パイプ9との連結部分を除き、周縁が互いに接合されている。冷却パネル10は、第2冷却プレート11bがダッシュボード4の上面に密着した状態で、ダッシュボード4に載置され固定される。
太陽電池14は、車両2のルーフ7上に設けられ、太陽光線を電力に変換する。太陽電池14は、後述するポンプモータ16とファンモータ20とに接続されて電力を供給する。太陽電池14の発電量は、日射量に比例して変化し、日射量が多いときには多く、日射量が少ないときには少ない。
ポンプ15は、循環パイプ9に連結される。ポンプ15は、ポンプモータ16の回転軸に従動回転するインペラを有する遠心式ポンプであり、冷却液を吸入しインペラの回転によって昇圧して吐出する。ポンプモータ16と太陽電池14とは、太陽電池14が発電した電力をポンプモータ16へ直接供給する電力供給回路13によって接続され、ポンプモータ16は、車両2に搭載された車載バッテリ(図示省略)から断絶した状態で、太陽電池14から直接供給される電力によって駆動する。ポンプモータ16の駆動力は、太陽電池14の発電量に比例して変化するため、ポンプ15の吐水量は、日射量に比例して変化する。
放熱器17は、ラジエータ18とファン19とを有する。ラジエータ18は、車両2下部の隔壁6に形成されたラジエータ18の外周面とほぼ同じ形状の内周面を有し、車室3内と車外とを連通する孔8に、ブラケット(図示省略)によって支持され設けられる。孔8の内周面は、車室3内の空気と車外の空気とが流通する通気路を形成している。ラジエータ18は、チューブとフィンとで構成されるコア部18aと、コア部の両端に位置する2つのタンク18b,18cとを有する。ラジエータ18は、2つのタンク18b,18cが循環パイプ9に連結され、冷却液は、一方のタンク18bから流入しコア部18aのチューブを通過して他方のタンク18cから流出する。ファン19は、ラジエータ18の車室3内側に設けられる。ファン19は、ファンモータ20の回転軸に従動回転して、通気路内に空気を流通させラジエータ18に通風する。ファンモータ20と太陽電池14とは、太陽電池14が発電した電力をファンモータ20へ直接供給する電力供給回路13によって接続され、ファンモータ20は、車両2に搭載された車載バッテリから断絶した状態で、太陽電池14から直接供給される電力によって駆動する。ファンモータ20の駆動力は、太陽電池14の発電量に比例して変化するため、ファン18の送風量は、日射量に比例して変化する。
上記のように構成されたダッシュボード冷却システム1では、ポンプ15が駆動すると、冷却液は、冷却パネル10内の冷却パイプ12へ一端12aから流入し、冷却パイプ12を流通して他端12bから循環パイプ9へ流出する。冷却液は、循環パイプ9を流通してラジエータ18へ一方のタンク18bから流入し、コア部18aを流通して他方のタンク18cから循環パイプ9へ流出し、再び冷却パイプ11へ流入する。ファン19が駆動すると、空気はラジエータ18を通して通気路内を流通する。これにより、ダッシュボード4は、冷却パイプ12を流通する冷却液によって冷却され、ダッシュボード4を冷却して昇温した冷却液は、ラジエータ18を通過する空気によって冷却され、さらに、車室3内はファン19によって換気される。すなわち、ダッシュボード4の冷却と車室3内の換気とが同時に行われる。
また、ポンプ15及びファン19は、日射量に比例して発電量が変化する太陽電池14から直接供給される電力によって駆動するポンプモータ16及びファンモータ20に駆動される。このため、日射量が多いほど冷却パイプ12に流入する冷却液の流量及びラジエータ18を通過する空気の風量は多くなり、ダッシュボード4の冷却効果及び車室3内の換気効果が向上する。
このように、本実施形態のダッシュボード冷却システム1によれば、内部に冷却液が流通する冷却パネル10をダッシュボード4の上面に設け、ダッシュボード4の上面を冷却液によって冷却するので、ダッシュボード4の温度上昇を効果的に抑制することができ、ダッシュボード4の高温化に伴う車室3内の温度上昇を抑制することができる。
また、ダッシュボード4の内部構造を変更することなく、冷却パネル10をダッシュボード4の上面に設けているため、既存の車両に対しても本システムを容易に適用することができる。
また、車室3内と車外とに連通する通気路にラジエータ18とファン19とを有する放熱器17を設けているので、ダッシュボード4の冷却と車室3内の換気とを同時に行うことができる。駐車中にダッシュボード4の冷却及び車室3内の換気を行うことによって、乗車時の乗員の不快感を低減することができ、さらに、運転開始直後におけるエアコンの過剰使用が抑制されてエアコンの消費電力を低減することができる。
また、ポンプ15及びファン19は、日射量に比例して発電する太陽電池14から直接電力が供給されるポンプモータ16及びファンモータ20に駆動されるので、ポンプ15及びファン19の駆動を日射量に応じて制御することなく、環境条件に適したダッシュボード4の冷却及び車室3内の換気を行うことができる。また、ポンプ15及びファン19の駆動を日射量に応じて制御するためのセンサや制御装置が不要であるので、部品点数の増加を抑制し、システムを簡素化することができる。
また、ポンプ15及びファン19は、太陽電池14からの電力のみで駆動されるので、ダッシュボード冷却システム1の作動は車載バッテリに対して影響を与えない。
なお、冷却パネル10の構成は、上記に限定されない。例えば、冷却パイプ12の配置は、冷却パイプ12のパイプ長を可能な限り長くし冷却面積が大きくなればよく、螺旋状であってもよい。また、冷却パイプ12を設けずに、第1及び第2冷却プレート11a,11bによって冷却液の流路を形成してもよい。
また、ダッシュボード4を冷却する方法は、上記に限定されない。例えば、ダッシュボード4の上部パネル5の内側に冷却液が流通するパイプを直接取り付けてもよく、図4(a)(b)に示すように、ダッシュボード4の上部パネル5に、複数の仕切板21で冷却液が流通する冷却液流路22を形成して冷却液を流通させてもよい。
また、太陽電池14を設ける位置は、上記に限定されず、例えば、ダッシュボード4の上面に設けられた冷却パネル10の上部であってもよい。太陽電池14は、太陽電池14自体の温度が低いほど発電効率が向上することから、太陽電池14を冷却パネル10の上部に設ける場合には、冷却パネル10の第1冷却プレート11aを、第2冷却プレート11bと同様に伝熱性の高い材質で形成すると、太陽電池14の発電効率を向上させることができる。
また、放熱器17を設ける位置は、上記に限定されず、車室3内と車外とに連通する車両2の通気ダクト内や排気口等に設けてもよい。
また、車室3内と車外とを連通する通気路以外に放熱器17を設けてもよく、その一例を図5に示す。なお、上記実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。放熱器17は、車両2のリアタイヤハウス(図示省略)の後方の車内空間(例えばデッドスペース)に配置され、ブラケットによって車体側に支持される。ファン19が駆動すると、車外の空気がラジエータ18を通過する。なお、放熱器17は、リアタイヤハウスの後方の車内空間に限らず、車両2の前部や底部の車内空間に設けてもよい。
上記のように構成されたダッシュボード冷却システムでは、ダッシュボード4は冷却液によって冷却され、ダッシュボード4を冷却して昇温した冷却液は、車外の空気によって冷却される。なお、この場合、ファン19による車室3内の換気は行われない。
このように、図5に示すダッシュボード冷却システムによれば、冷却液は常に車外の空気によって冷却されるので、車外の温度の方が車室3内の温度よりも低い場合には、車室3内と車外とが連通する場所に放熱器17を設ける場合に比べて、昇温した冷却液を低温化させることができ、ダッシュボード4の冷却効果が向上する。
また、車室3内は換気されないので、エアコンの作動時に空調風が車外に流出せず、エアコンの消費電力を抑制することができる。
なお、上記実施形態及び変形例は本発明の一例であり、本発明を逸脱しない範囲において変更可能である。
本発明は、車両のダッシュボード及び車室内の温度上昇の抑制に有効である。
1:ダッシュボード冷却システム
9:循環パイプ
10:冷却パネル
11a,11b:第1及び第2冷却プレート
12:冷却パイプ
13:電力供給回路
14:太陽電池
15:ポンプ
16:ポンプモータ
17:放熱器
18:ラジエータ
19:ファン
20:ファンモータ
21:仕切板
22:冷却液流路

Claims (4)

  1. 冷却液が流入する流入口と流出する流出口とを有し、ダッシュボードの上面のほぼ全域の近傍を巡回する冷却路と、
    前記流入口と前記流出口とを連通する循環路と、
    前記循環路に設けられ、前記流出口から回収した冷却液を前記流入口へ循環供給するポンプと、
    前記循環路を流通する冷却液を冷却する放熱器と、を備える
    ことを特徴とするダッシュボード冷却システム。
  2. 請求項1に記載のダッシュボード冷却システムであって、
    前記冷却路は、前記ダッシュボードの上面に載置される冷却パネルに設けられる
    ことを特徴とするダッシュボード冷却システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のダッシュボード冷却システムであって、
    車室内と車外とを連通する通気路を備え、
    前記放熱器は、前記循環路に設けられ且つ前記通気路に配置されて内部を冷却液が流通するラジエータと、前記ラジエータの車室内側又は車外側の少なくとも一方に設けられて前記ラジエータに通風するファンとを有する
    ことを特徴とするダッシュボード冷却システム。
  4. 請求項3に記載のダッシュボード冷却システムであって、
    太陽光線を電力に変換する太陽電池を備え、
    前記ポンプ及び前記ファンは、前記太陽電池からの電力によって直接駆動する
    ことを特徴とするダッシュボード冷却システム。
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