JP2012099908A - データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラム - Google Patents

データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】携帯端末の安全性と利便性の両方を向上できるようにする。
【解決手段】実施形態によれば、携帯端末は、動き検出手段と、動き量算出手段と、保持状態検出手段と、端末保護状態制御手段とを具備する。前記動き検出手段は、前記携帯端末の動きを検出する。前記動き量算出手段は、前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出する。前記保持状態検出手段は、前記検出された動きに基づいて、ユーザによる前記携帯端末の保持状態を検出する。前記端末保護状態制御手段は、前記算出された動き量及び前記検出された保持状態に基づいて、前記携帯端末を所定のデータ保護状態に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラムに関する。
携帯端末の紛失は個人情報などの情報漏えいにつながる。このため、携帯端末の紛失時に当該携帯端末に記録されているデータを保護する種々の仕組みが従来から存在する。例えば、このような仕組みの1つとして、一定時間操作しないと携帯端末がロック状態となるよう設定でき、一旦ロック状態となるとパスワードなどによる認証を行わねば当該携帯端末を使用できないようにすることでデータを保護できるものが知られている。
また、携帯端末の紛失を検知するためにセンサを使う仕組みも知られている。例えば、携帯端末を落とした際の対策として、当該携帯端末の落下時の衝撃を加速度センサで検出して、当該携帯端末をロック状態にしたりデータを自動的に削除したりする仕組みが知られている。この仕組みによれば、加速度センサの出力に基づいて、携帯端末が落下してから一定時間拾い上げられなかったという現象を検出することにより、当該携帯端末がロック状態に設定される。
特開2008−236336号公報
携帯端末のデータ漏えいを防いで当該携帯端末の安全性を向上するためには、紛失の可能性がある場合に、当該携帯端末を素早くロック状態(つまり携帯端末の利用可能性をなくした状態)やデータアクセス不能状態(つまり携帯端末を経由したデータアクセス可能性をなくした状態)などの保護状態(データ保護状態)にすることが有効である。その一方、頻繁に携帯端末を保護状態にすることは、ユーザの利便性の低下を招く。つまり、携帯端末の保護状態を解除するためにはパスワードの入力などの何らかの操作を必要とするため、利用するたびにこの操作を行うことは時間や労力の観点で不便である。しかし、従来技術では、ユーザが携帯端末を保持しているか否かが不明である。つまり従来技術では、携帯端末がしばらく静止状態にあり置き忘れの可能性がある場合でも、例えば机上に置き忘れたのか、それともユーザのポケットの中で静止状態にあるのかが不明であるため、安全性を確保するには携帯端末を頻繁に保護状態にせざるを得ず、利便性に乏しい。
本発明が解決しようとする課題は、安全性と利便性の両方を向上できる、データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラムを提供することにある。
実施形態によれば、携帯端末は、動き検出手段と、動き量算出手段と、保持状態検出手段と、端末保護状態制御手段とを具備する。前記動き検出手段は、前記携帯端末の動きを検出する。前記動き量算出手段は、前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出する。前記保持状態検出手段は、前記検出された動きに基づいて、ユーザによる前記携帯端末の保持状態を検出する。前記端末保護状態制御手段は、前記算出された動き量及び前記検出された保持状態に基づいて、前記携帯端末を所定のデータ保護状態に設定する。
第1の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図。 同第1の実施形態における携帯端末のデータ保護に関する動作の概略を説明するためのフローチャート。 図1に示される端末方向判定テーブルのデータ構造例を示す図。 図1に示される動き強さ判定テーブルのデータ構造例を示す図。 図1に示される動き方向判定テーブルのデータ構造例を示す図。 図1に示される保持状態判定テーブルのデータ構造例を示す図。 第3の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図。 第4の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図。 図8に示される保持状態記録テーブルのデータ構造例を示す図。 図8に示される傾き記録テーブルのデータ構造例を示す図。 第5の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図。 第6の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図。
以下、実施の形態につき図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図である。
図1に示す携帯端末は、動き検出部11、動き量算出部12、保持状態検出部13、記憶部14及び端末保護状態制御部15を備えている。第1の実施形態において、動き検出部11、動き量算出部12、保持状態検出部13及び端末保護状態制御部15は、携帯端末(より詳細には、携帯端末に備えられているプロセッサ)が、当該携帯端末に備えられているROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される機能要素(ソフトウェアモジュール)である。
動き検出部11は、加速度センサ110を用いて、携帯端末の動きを検出する。加速度センサ110は例えば3軸加速度センサである。第1の実施形態において、加速度センサ110は携帯端末に予め備えられているものとする。しかし、加速度センサ110が、データ保護機構の実現のために当該携帯端末に新たに備えられたものでも構わない。
動き量算出部12は、動き検出部11の動き検出結果に基づいて携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出する。保持状態検出部13は、動き検出部11の動き検出結果に基づいてユーザによる携帯端末の保持状態を検出する。
記憶部14は、第1の記憶部141と第2の記憶部142とを備えている。第1の記憶部141は、動き検出部11、動き量算出部12、保持状態検出部13及び端末保護状態制御部15によって実行される処理のためのワーク領域を有する。第1の記憶部141は、例えばRAMのような揮発性の記憶装置から構成されている。第2の記憶部142は、端末方向判定テーブル142a、動き強さ判定テーブル142b、動き方向判定テーブル142c及び保持状態判定テーブル142dとを予め格納する。これらのテーブル142a〜142dについては後述する。第2の記憶部142は、例えばROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性記憶装置から構成されている。
端末保護状態制御部14は、動き量算出部12によって算出された動き量及び保持状態検出部13によって検出された保持状態に基づいて、携帯端末の保護状態(データ保護状態)を変更する。携帯端末の保護状態(つまり、端末保護状態)とは、携帯端末の利用可能性あるいは当該携帯端末を経由したデータアクセス可能性の有無を規定する状態を指す。
次に、第1の実施形態における携帯端末のデータ保護に関する動作の概略について、図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、動き検出部11は、携帯端末の動きを、加速度センサ110を用いてx,y,zの各軸の方向の加速度として検出するための動き検出処理を実行する(ステップS1)。
動き量算出部12は、動き検出部11による動き検出結果に基づき、携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出するための動き量算出処理を実行する(ステップS2)。算出された動き量は、例えば第1の記憶部141を介して端末保護状態制御部15に出力される。
保持状態検出部13は、動き検出部11による動き検出結果に基づき、携帯端末の保持状態を計算により検出するための保持状態検出処理を実行する(ステップS3)。検出された保持状態(より詳細には、保持状態を示す情報)は、例えば第1の記憶部141を介して端末保護状態制御部15に出力される。なお、ステップS2及びS3の順序は逆であってもよく、またステップS2及びS3が並行して実行されても構わない。
端末保護状態制御部15は、動き量算出部12及び保持状態検出部13から、それぞれ第1の記憶部141を介して出力される動き量及び保持状態に基づいて、携帯端末の置き忘れの可能性、当該携帯端末の落下の可能性及びユーザが当該携帯端末を携行している可能性を検出し、当該携帯端末を保護状態にするかを制御するための端末保護状態制御処理を実行する(ステップS4)。このステップS4において、端末保護状態制御部15は、動き量に基づいて、携帯端末の置き忘れと落下の可能性とを検出し、保持状態に基づいて、ユーザが携帯端末を携行している可能性を検出する。
端末保護状態制御部15は、携帯端末を保護状態に変更するまで(ステップS5)、ステップS4を随時実行する。ステップS4において端末保護状態制御部15は、携帯端末が置き忘れや落下の可能性が高いことを検出した場合に、当該携帯端末を保護状態に設定する。この場合、端末保護状態制御部15の動作を含む携帯端末のデータ保護に関する、図2のフローチャートの示す処理は終了する。
以下。ステップS2〜S4の各処理について順次詳述する。
(動き量算出処理)
動き量算出処理は、加速度センサ110を用いた動き検出部11の動き検出結果に基づいて携帯端末の動き量、つまり動きの変化の大きさを表す数値を算出する処理である。動き量算出の典型的な例としては、携帯端末の落下を検出するための数値の算出と、携帯端末の静止を検出するための数値の算出とが挙げられる。ここでは後者を例として説明する。後者の例は、携帯端末の静止を検出することにより、最終的にはユーザが端末を置き忘れた際に当該端末を保護状態にする目的で適用される。
携帯端末の置き忘れの可能性のある静止状態を検出するためには、端末の動き量として、一定の期間Tにおける動きの変化の大きさを示す動き量を算出することが有効である。そこで動き検出部11は、加速度センサ110で検出されるx,y,zの3軸の加速度を、所定の時間間隔でサンプリングする。勿論、加速度センサ110が検出した3軸の加速度を、当該加速度センサ110自身がサンプリングすることも可能である。なお、第1の実施形態では、後述するように3種類の期間Tが用いられる。このため、サンプリングの時間間隔は、3種類の期間Tのうちの最も短い期間未満、例えば最も短い期間の1/K(Kは2以上の整数)に設定される。
ここで、動き検出部11によってサンプリング(検出)されたx,y,zの3軸の各時刻(サンプリング時刻)tの加速度をxt,yt,ztで表すものとする。また、加速度ベクトルa(t)をTを転置行列として次式
a(t)=(x,y,zT
で表すものとする。この場合、動き量算出部12は、期間Tの加速度ベクトル長の分散v(t)を、次式に従って、動き量として算出する
Figure 2012099908
ここで「now」は現在時刻を表し、Tは30秒に設定されているものとする。動き量v(t)の値が所定の閾値vthより小さい場合には30秒間に携帯端末の動きが殆ど無いことを意味する。動き量算出部12は、算出された動き量(分散)v(t)を端末保護状態制御部15に出力する。
動き量の算出は、上述の例に限らない。例えば、上述の場合と同様に、置き忘れを検出する目的であれば、期間T内に加速度ベクトル長が閾値athを超えた回数nを動き量として用いることも可能である。また、落下を検出する目的であれば、衝撃の大きさを表す、期間T内の加速度ベクトル長の最大値max(|a(t)|)を用いることも可能である。
(保持状態検出処理)
保持状態検出処理は、保持状態検出部13が、動き検出部11の加速度検出結果に基づいて、携帯端末がどのようにユーザに保持されているのかを示す保持状態を検出する処理である。ここでは、保持状態として、ユーザが携帯端末を保持している位置(保持位置)の違いにより、例えば、「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」の4つが予め定められている。また、これらの4つの保持状態に加えて、ユーザが携帯端末を保持していない状態として、「机上」が定められている。さらに、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」のいずれにも分類されない状態として、「その他」が定められている。
「机上」「その他」も保持状態の1つであるとすると、保持状態検出処理では、ユーザによる携帯端末の保持状態として、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」「その他」のいずれであるかが検出される。以下、各時刻tの加速度検出結果に基づいて、ユーザによる携帯端末の保持状態を検出するための保持状態検出処理について説明する。
保持状態検出部13は、携帯端末にかかる重力加速度ベクトルg(t)を、一定の期間Tの加速度ベクトルa(t)の系列に基づき、次式により推定する。
Figure 2012099908
重力加速度ベクトルg(t)の推定において、Tは1秒に設定されているものとする。加速度センサ110には常に1Gの重力加速度が加わっている。このため、携帯端末の動きにより各時点tでの加速度ベクトルa(t)は変化するものの、一定期間で加速度ベクトルa(t)を平均化すると、動きによる成分が平坦化され、動きが極端でない場合には重力成分が残る。
ここで、携帯端末の縦方向に相当する加速度センサ110の軸を例えばy軸とするものとすると、縦方向ベクトルverは、次式
ver=(0,1,0)T
のように表すことができる。携帯端末の縦方向とは、例えば当該携帯端末の形状が直方体であれば、最も長い辺に沿った方向である。
重力加速度ベクトルg(t)の主成分の鉛直方向(重力方向)からの傾きθ(t)は、携帯端末の縦方向の鉛直方向からのなす角、つまり携帯端末の傾きである。そこで保持状態検出部13は傾き算出手段として機能して、傾きθ(t)を、次式
θ(t)=acos(ver・g(t)/|ver|・|g(t)|)
に従って算出する。ここで、「acos」は余弦の逆関数である。
保持状態検出部13は、加速度ベクトルa(t)、重力加速度ベクトルg(t)及び携帯端末の傾きθ(t)に基づいて保持状態を検出する。この保持状態の検出について述べる。第1の実施形態において保持状態は、前述したように、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」「その他」の6つに分類される。保持状態検出部13は、この6つの保持状態のいずれに携帯端末があるかを識別する。この識別には、これまでに述べた傾きθ(t)の他に、携帯端末の動きの大きさm(t)及び携帯端末の動きの方向を表す鉛直方向動き率r(t)が用いられる。
鉛直方向動き率r(t)は、携帯端末の全体の動きに対する縦方向の動き(揺れ)の度合いを示す。鉛直方向動き率r(t)から、携帯端末の動きが主として縦揺れか、あるいは横揺れかを判定することができる。縦揺れとは、鉛直方向(重力方向)に対して平行な方向の携帯端末の揺れを指し、横揺れとは、鉛直方向(重力方向)に対して垂直な方向の携帯端末の揺れを指す。
そこで保持状態検出部13は、動き大きさ算出手段及び動き方向算出手段として機能して、それぞれ、携帯端末の動きの大きさm(t)及鉛直方向動き率r(t)を次のように算出する。
まず、携帯端末にかかる加速度は、重力による成分と携帯端末の動きによる成分からなる。このため保持状態検出部13は、携帯端末の動きによる加速度ベクトル(動きベクトル)am(t)を、次式
m(t)=a(t)−g(t)
に従って算出する。
次に保持状態検出部13は、動きによる加速度ベクトルam(t)及び期間Tに基づいて、携帯端末の動きの大きさm(t)を次式に従って算出する。ここでTは10秒に設定されているものとする。
Figure 2012099908
次に保持状態検出部13は、動きによる加速度ベクトルam(t)、重力加速度ベクトルg(t)、携帯端末の動きの大きさm(t)及び期間Tに基づいて、鉛直方向動き率r(t)を次式に従って算出する。ここでTは10秒に設定されているものとする。
Figure 2012099908
ここで、分母のT・m(t)は期間Tにおける携帯端末の全体の動きの大きさを表し、分子のΣam(t)・g(t)は期間Tにおける携帯端末の鉛直方向の動きの大きさを表す。
このようにして保持状態検出部13は、傾きθ(t)、動きの大きさm(t)、及び鉛直方向動き率r(t)を取得する。保持状態検出部13は、これらの傾きθ(t)、動きの大きさm(t)、及び鉛直方向動き率r(t)に基づいて、携帯端末の保持状態を次のように識別する。
まず保持状態検出部13は、傾きθ(t)に基づいて端末方向判定テーブル142aを参照する。図3に端末方向判定テーブル142aのデータ構造例を示す。端末方向判定テーブル142aには、傾きθ(t)の連続する4つの範囲に対応付けて、傾きの小さい方から順に、携帯端末の方向として「縦方向」「顔方向」「斜め」「横方向」を示す端末方向情報が登録されている。そこで保持状態検出部13は、傾きθ(t)が属する範囲に対応付けられている方向情報から、携帯端末の方向(端末方向)が、「縦方向」「顔方向」「斜め」「横方向」のいずれであるかを判定する。このように端末方向判定テーブル142aは、端末方向を判定するための判定ルール(条件)を登録したテーブルである。
同様に保持状態検出部13は、動きの大きさm(t)に基づいて動き強さ判定テーブル142bを参照する。図4に動き強さ判定テーブル142bのデータ構造例を示す。動き強さ判定テーブル142bには、動きの大きさm(t)の連続する3つの範囲に対応付けて、小さい方から順に、携帯端末の動きの強さ「弱」「中」「強」を示す動き強さ情報が登録されている。そこで保持状態検出部13は、動きの大きさm(t)が属する範囲に対応付けられている動き強さ情報から、携帯端末の動きの強さ(動き強さ)が「弱」「中」「強」のいずれであるかを判定する。このように動き強さ判定テーブル142bは、動き強さを判定するための判定ルールを登録したテーブルである。
同様に保持状態検出部13は、鉛直方向動き率r(t)に基づいて動き方向判定テーブル142cを参照する。図5に動き方向判定テーブル142cのデータ構造例を示す。動き方向判定テーブル142cには、鉛直方向動き率r(t)の連続する2つの範囲に対応付けて、鉛直方向動き率の小さい方から順に、携帯端末の動き(揺れ)の方向「横揺れ」「縦揺れ」を示す動き方向情報が登録されている。
そこで保持状態検出部13は、鉛直方向動き率r(t)が属する範囲に対応付けられている動き方向情報から、携帯端末の動きの方向(動き方向)が、「横揺れ」「縦揺れ」のいずれであるかを判定する。このように動き方向判定テーブル142cは、動き方向を判定するための判定ルールを登録したテーブルである。
図5に示す動き方向判定テーブル142cの例では、鉛直方向動き率が小さい範囲では「横揺れ」と判定され、鉛直方向動き率が大きい範囲では「縦揺れ」と判定される。鉛直方向動き率が小さい範囲は、携帯端末の鉛直方向の動きの大きさが、携帯端末の鉛直方向に垂直な方向の動きの大きさよりも小さい範囲であり、動きによる加速度ベクトルam(t)の重力に対して平行な成分の大きさが、当該am(t)の重力に対して垂直な成分の大きさよりも小さい場合に相当する。一方、鉛直方向動き率が大きい範囲は、携帯端末の鉛直方向の動きの大きさが、携帯端末の鉛直方向に垂直な方向の動きの大きさよりも大きい範囲であり、上記平行な成分の大きさが上記垂直な成分の大きさよりも大きい場合に相当する。なお、携帯端末の動き方向を、例えば、動きによる加速度ベクトルam(t)の主成分の重力方向に対する傾きによって表すこともできる。
次に保持状態検出部13は、上述の3つの判定結果である、端末方向、動き強さ、動き方向の組み合わせに基づいて保持状態判定テーブル142dを参照する。図6に保持状態判定テーブル142dのデータ構造例を示す。保持状態判定テーブル142dには、端末方向、動き強さ及び動き方向の各組み合わせに対応付けて、携帯端末の保持状態が「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」のいずれであるかを示す保持状態情報が登録されている。動き強さ判定テーブル142bにおいて「−」で示した部分は、制約がないことを示している。
例えば、携帯端末を手に持って操作するときには当該携帯端末は顔の方向である「顔方向」にあり、手の動きが多少あるため動き強さは「中」となる。そこで、保持状態判定テーブル142dには、端末方向=「顔方向」及び動き強さ=「中」の組み合わせに対応付けて、「手持ち」を示す保持状態情報が登録されている。この例では、「手持ち」は動き方向の制約を受けない。また、保持状態判定テーブル142dには、端末方向=「縦方向」、動き強さ=「強」及び動き方向=「横揺れ」の組み合わせに対応付けて、「ズボンポケット」を示す保持状態情報が登録されている。この関係は、ユーザがズボンポケットに携帯端末を保持して歩く場合の特徴を反映したものである。また、保持状態判定テーブル142dには、端末方向=「斜め」、動き強さ=「中」及び動き方向=「縦揺れ」の組み合わせに対応付けて、「ズボンポケット」を示す保持状態情報が登録されている。この関係は、ユーザがズボンポケットに携帯端末を保持した状態で座る場合の特徴を反映したものである。
そこで保持状態検出部13は、保持状態判定テーブル142dにおいて、上述の3つの判定結果(端末方向、動き強さ及び動き方向)の組み合わせに対応付けられている保持状態情報から、携帯端末の保持状態が、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」のいずれであるかを判定する。このように保持状態判定テーブル142dは、携帯端末の保持状態を判定するための判定ルール(つまり保持状態判定ルール)を登録したテーブルである。また、保持状態検出部13は、3つの判定結果の組み合わせに対応する保持状態情報が保持状態判定テーブル142dに存在しない場合、携帯端末の保持状態として「その他」を判定する。保持状態「その他」は、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」のいずれでもない状態を指す。
このように保持状態検出部13は、算出された傾きθ(t)、動きの大きさm(t)、及び鉛直方向動き率r(t)から、最新のサンプリング時刻における、携帯端末の保持状態を検出することができる。
図6に示す保持状態判定テーブル142dには、端末方向、動き強さ及び動き方法の組み合わせに対応付けられる携帯端末の保持状態を表す情報として、「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」のいずれであるかを文字情報で示す保持状態情報と、6次元のベクトルで示す保持状態情報hs(t)とが登録されている。このhs(t)は、後述する処理で用いられる。ここでは、保持状態が「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」「その他」の場合、hs(t)の第1の次元、第2の次元、第3の次元、第4の次元、第5の次元、第6の次元のそれぞれの要素(成分)の値だけが“1”となる。
第1の実施形態において保持状態検出部13は、検出された携帯端末の保持状態を表す情報として、保持状態情報hs(t)を端末保護状態制御部15に出力する。以下の説明では、保持状態情報hs(t)を、hs(t)または保持状態hs(t)と称する。
(端末保護状態制御処理)
端末保護状態制御処理は、端末保護状態制御部15が、動き量v(t)及び保持状態hs(t)に基づいて、携帯端末の保護状態を制御する処理である。一般的な端末保護状態の制御では、ユーザが携帯端末を保持しておらず、置き忘れや落下の可能性が高いことを検出した場合に、当該携帯端末が保護状態に変更される。
第1の実施形態においても、端末保護状態制御部15が、動き量算出部12によって算出された動き量v(t)を閾値vthと比較することにより、当該動き量v(t)が閾値vth以下であれば、携帯端末が静止状態であると判定できる。ここでvthは0.0001であるとする。このように、動き量v(t)を閾値vthと比較することにより、携帯端末の置き忘れの可能性があることを検出できる。しかし、携帯端末を保持したユーザが静止している状態でも、動き量v(t)が閾値vth以下となる可能性がある。
そこで第1の実施形態において端末保護状態制御部15は、保持状態検出部13によって検出された保持状態hs(t)を用いて、ユーザが携帯端末を携行しているか否かを次のように判定する。第1の実施形態では、図5に示す保持状態判定テーブル142dから明らかなように、hs(t)における第1の次元の要素の値のみが“1”である「机上」と第6の次元の要素の値のみが“1”である「その他」以外は、ユーザが携帯端末を携行している。このことを考慮して、端末保護状態制御部15は、hs(t)が、
hs(t)=(1,0,0,0,0,0)T
あるいは
hs(t)=(0,0,0,0,0,1)T
の場合(つまりユーザが携帯端末を携行していない可能性が高い場合)について、
v(t)≦vth
であれば(つまり携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量v(t)が閾値vth以下であれば)、携帯端末が置き忘れ状態にあると判定する。この場合、端末保護状態制御部15は、携帯端末が保護状態でなければ、当該携帯端末を保護状態に変更する。
ユーザが携帯端末を携行していない可能性が高いことを示す保持状態hs(t)の次元番号の集合をChとすると、この例では
h={1,6}
である。したがって、保護状態への変更トリガーs(t)は以下のように表現できる。
Figure 2012099908
端末保護状態制御部15は、保護状態への変更トリガーs(t)が“1”である場合に、携帯端末が保護状態でないならば当該携帯端末を保護状態に変更する。保護状態への変更方法としては、携帯端末の種類にもよるが、例えばパスワードを入力しなければ当該携帯端末の操作や外部からのデータアクセスができないロック状態に変更する方法が典型的な例である。
上述の説明では、端末保護状態制御部15による携帯端末の保護状態の制御の例として、当該携帯端末が非ロック状態にあり、かつ保護すべき(置き忘れの可能性が高い)状態にある場合に当該携帯端末をロック状態に変更することが挙げられている。しかし第1の実施形態によれば、たとえ動き量v(t)が閾値vth以下であっても、ユーザが携帯端末を平常通りに携行している可能性が高い状態にあり、かつ当該携帯端末がロック状態にある場合に、当該携帯端末を非ロック状態にすることも有用な可能性がある。
このように第1の実施形態によれば、動き量算出部12によって算出された携帯端末の動き量v(t)及び保持状態検出部13によって検出された携帯端末の保持状態hs(t)に基づいて、当該携帯端末の保護状態を制御することができる。
第1の実施形態において、動き量のみ、あるいは保持状態のみから保護状態を制御しない理由は、次の通りである。第1は、保持状態検出部13による保持状態の検出が、上述の手法を含めて加速度センサの出力などに基づいて行われる手法では、一定の確からしさでの推定を伴うものとなるためである。第2は、動き量から携帯端末が動いているか否かの判定は可能であるが、前述の通り静止している場合にもユーザが当該携帯端末を置き忘れて静止しているのかユーザが当該携帯端末を保持したまま静止しているのかは判別できないためである。これに対して第1の実施形態では、保持状態と動き量とを組み合わせて判定することにより、ユーザが端末を置き忘れて静止しているのかユーザが端末を保持したまま静止しているのか等を高精度で判定できる。
より具体的に述べるならば、第1の実施形態によれば、ユーザが携帯端末を保持している可能性が低く、かつ当該携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量が小さい状態(静止状態)を検出したならば、ユーザが例えば携帯端末を置き忘れたとして当該携帯端末を保護状態に設定することにより、当該携帯端末の安全性を向上することができる。また第1の実施形態によれば、ユーザが携帯端末を保持している可能性が高いか、あるいは動き量が大きい場合には、ユーザが携帯端末を携行しているとして、当該携帯端末を保護状態に設定しないことで、当該携帯端末の利便性を向上することができる。このため第1の実施形態によれば、携帯端末を保護すべきタイミングで当該携帯端末を保護をすることで安全性を高めつつ、無駄な保護状態への遷移を避けることでユーザに対する携帯端末の利便性を向上することができる。
なお、第1の実施形態では、携帯端末の動きの検出に、多数の携帯端末に既に搭載されている加速度センサのみが用いられている。しかし、ジャイロスコープや方位センサ、近接センサなどを併用することも有用である。例えば、携帯端末の姿勢をジャイロスコープにより検出することで、より詳細に当該携帯端末保持状態を検出することも可能である。
また、第1の実施形態では、ユーザによる携帯端末の保持状態が、端末方向を示すθ(t)、動き強さを示すm(t)、及び動き方向を示すr(t)に基づいて検出される。しかし、検出されるべき保持状態を、例えば机上及び手持ちのように、第1の実施形態よりも絞るならば、図6に示す保持状態判定テーブル142dの例からも明らかなように、θ(t)(端末方向)及び、m(t)(動き強さ)に基づいて当該保持状態を検出することも可能である。つまり、保持状態の検出に、必ずしもr(t)(動き方向)は必要でない。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態に係る携帯端末について説明する。第2の実施形態において、携帯端末の主としてデータ保護機構の構成及び動作手順は、第1の実施形態に係る携帯端末と同様である。したがって、以下の説明では、図1のブロック図及び図2のフローチャートを援用する。
第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点は、携帯端末の保持状態の検出の確からしさを示す確信度に基づいて保護状態への遷移が制御されることにある。以下、第2の実施形態で適用される、動き量算出処理(ステップS2)、保持状態検出処理(ステップS3)及び端末保護状態制御処理(ステップS4)について順次説明する。
(動き量算出処理)
動き量算出部12は、第1の実施形態において動き量v(t)を算出するのと同様に、動き量v2(t,τ)を算出する。但し、動き量v2(t,τ)は各時刻(サンプリング時刻)tにおいて、期間τに対する関数となる。すなわち動き量算出部12は、動き量v2(t,τ)を、次式に従って算出する。
Figure 2012099908
ここでτは、例えば15秒から300秒までの1秒刻みの値をとる変数である。動き量算出部12は、すべてのτについて、v2(t,τ)、つまりv2(t,τ|τ=15,16,…,300)を出力する。
(保持状態検出処理)
保持状態検出部13は、基本的には第1の実施形態と同様に保持状態検出処理を実行する。但し、第2の実施形態において検出される保持状態は、以下に述べるように第1の実施形態において検出される保持状態とは異なる。
まず、第1の実施形態において、保持状態検出部13によって検出(出力)される保持状態hs(t)は、第1乃至第6の次元の要素の値の1つが“1”であり、残りの次元の要素の値は“0”である。このような保持状態は短時間のデータに基づく推定値であり、必ずしも確実に検出できるとは限らない。つまり第1の実施形態で適用された判定条件(ルール)だけでは、保持状態が時間的に頻繁に変化する場合には十分に対応することが難しい。このように保持状態が時間的に頻繁に変化することを考慮して、この変化する保持状態を時間的に平滑化し、一定の期間T(例えば30秒)内に算出された保持状態のうち最も出力回数が多かったものを採用することで、妥当性を高めることも有力である。
ここで、ある時刻tまでの期間Tにおける動き量算出部12によるサンプリングの回数がNであり、対応するサンプリング時刻がt1乃至TNであったものとする。この場合、第2の実施形態では、保持状態検出部13は、保持状態hs2(t)を次式に従って算出する。
Figure 2012099908
ここで、hs2(t)の算出に用いられるhs(τ)は、第1の実施形態から明らかなように、直近の期間T(30秒)内のサンプリング時刻tがt1乃至TNにおける傾きθ(t)、動きの大きさm(t)及び鉛直方向動き率r(t)に基づいて算出されたものである。
算出されたhs2(t)の第1乃至第6の次元は前述した6つの保持状態に対応しており、当該第1乃至第6の次元の要素の値は直近の期間Tにおいてhs(t)が対応する保持状態であると算出された割合を表す。これにより、保持状態hs2(t)は、6つの保持状態の確信度を意味するベクトルとなる。保持状態検出部13は、この保持状態hs2(t)を端末保護状態制御部15に出力する。
なお、hs2(t)を上述の例とは異なる手法により算出することも可能である。例えば、6つの保持状態の判定のルールに対応する当該6つの保持状態の尤度関数を定義することにより、当該6つの保持状態の各々の可能性(確信度)を直接算出することも可能である。
一例として、ニューラルネットワークの手法を用いることにより、保持状態の尤度を算出する場合について説明する。ニューラルネットワークは教師あり学習により関数を近似する手法として広く知られており、細部の説明は省略する。ここではニューラルネットワークの入力としてθ(t),m(t)及びr(t)を用いて、出力ノードを6つ作成するものとする。6つの出力ノードは、それぞれ「机上」「手持ち」「胸ポケット」「ズボンポケット」「鞄」「その他」に対応し、この出力をベクトルにしたものがhs(t)に対応する。これを前述のhs(t)と区別するために、hs3(t)と表現する。
既知のデータによりニューラルネットワークを学習することにより、θ(t),m(t)及びr(t)の入力に対して学習したデータを汎化したhs3(t)が得られる。このhs3(t)の値は正規化されていないため、第1乃至第6の次元の要素の値の和が1になるとは限らない。そこで保持状態検出部13は、hs3(t)を次式に従って正規化する。
Figure 2012099908
ここで、hs3d(t)はhs3(t)の第dの次元の要素を示している。この正規化により得られるhs4(t)は、基本的には上述の保持状態判定ルールによる判定結果と同様の傾向となる。しかしhs4(t)は、複数の保持状態の判定基準の境界に近い場合にはそれを尤度として表現したものとなる。例えば先に挙げた例において携帯端末の傾きθ(t)が15度近傍の場合、この傾きθ(t)は、図3の端末方向判定テーブル142aから明らかなように、端末方向が「縦方向」か「顔方向」かを判定する条件の境界に近い。このような場合、保持状態は、「手持ち」と「胸ポケット」の境界に近い状態になる可能性がある。この際にも、前述の方式では、保持状態は一意に決定される。
これに対して、例えばニューラルネットワークを用いて算出されるhs4(t)は、「手持ち」と「胸ポケット」が同等の尤度を持つようなベクトル{0,0.5,0.5,0,0,0}となる。これを前述のhs2(t)の代わりに用いることにより、時間的な占有率に基づく確信度ではなく、入力値に基づく保持位置についての確信度を保持状態ベクトルとして得ることができる。
(端末保護状態制御処理)
端末保護状態制御部15は、動き量算出部12から出力される動き量v2(t,τ)及び保持状態検出部13から出力されるとhs2(t)を受けて、保護状態への変更トリガーs2(t)を次のように算出する。
(1)まず端末保護状態制御部15は、hs2Indexを、次式
hs2Index=arg maxi(hs2(t)|i∈Ch
に示すように、Chに属する次元番号iの中でhs2(t)の第i次元の要素の値(i番目の要素の値)が最大である次元番号とする
(2)次に端末保護状態制御部15は、hs2Valueを、hs2(t)の示すベクトル中の次元番号がhs2Indexである次元の要素の値とする。
(3)次に端末保護状態制御部15は、判定に使用する期間τ2を、次式
τ2=τmin+round(τmax−τmin)・hs2Value
に従って決定する。ここで、τminは15秒、τmaxは300秒である。hs2Valueはhs2(t)の定義から明らかなように、0から1までの範囲の実数値であり、round()は小数値を整数値に四捨五入する関数である。
(4)次に端末保護状態制御部15は、動き量算出部12によって算出されたv2(t,τ|τ=15,16,…,300)の中から、決定されたτ2に対応するv2(t,τ2)を選択する。
(5)次に端末保護状態制御部15は、選択されたv2(t,τ2)に基づき、保護状態への変更トリガーs2(t)を次式に従って算出(決定)する。
Figure 2012099908
端末保護状態制御部15は、第1の実施形態と同様に、保護状態への変更トリガーs(t)が“1”である場合に、携帯端末が保護状態でないならば当該携帯端末を保護状態に変更する。
上述したように第2の実施形態においては、保持状態の確信度(つまり、ユーザが携帯端末を保持している状態の確信度)を用いて、端末保護状態が制御される。具体的には、ユーザが携帯端末を保持している可能性が高い場合にはhs2Valueの値が1に近い値となるため、τ2として長い期間(τmaxに近い値、この例では300秒に近い値)が決定される。この場合、決定された長い期間のτ2に対応するv2(t,τ2)に基づいて、端末保護状態の制御のための判定が行われる。
一方、ユーザが携帯端末を保持している可能性が低い場合には、hs2Valueの値が0に近い値となるため、τ2として短い期間(τminに近い値、この例では15秒に近い値)が決定される。この場合、決定された短い期間のτ2に対応するv2(t,τ2)に基づいて、端末保護状態の制御のための判定が行われる。
つまり第2の実施形態においては、携帯端末が大きく動いていた状況から動きが停止した場合を想定すると、ユーザが当該携帯端末を保持している確信度に応じて、保持している確信度が高いほど保護状態になるまでの時間が長くなるように制御される。これにより、例えばユーザが携帯端末を保持していて立ち止った場合には短時間では保護状態にはならないので利便性が低下するのを防止できる。また、ユーザが携帯端末を机上等に置いたまま置き忘れた場合には短時間で保護状態になり、安全性を確保できる。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態に係る携帯端末について説明する。
第2の実施形態の保持状態検出処理では、ある時点での過去30秒間の傾きθ(t)、動きの大きさm(t)及び鉛直方向動き率r(t)から保持状態hs2(t)が推定(算出)される。この手法では、例えば鞄の中に携帯端末が置かれた状態で当該携帯端末が静止している場合と、机上に携帯端末が置かれている場合とを識別することは難しい。
第3の実施形態の特徴は、動き検出部11によって検出された携帯端末の動きに基づいて、ユーザが当該携帯端末を手に取る動きを検出し、当該携帯端末の状態遷移を把握することにより、より正確に当該携帯端末の保持状態を検出することにある。以下の説明では、ユーザが携帯端末を手に取る動作を、鞄やポケットからの携帯端末の出し入れを想定して「出し入れ動作」と呼ぶが、ユーザが携帯端末を机上から手に取る場合も、この動作に該当する。そのために、第3の実施形態では、第2の実施形態とは異なる保持状態検出処理が適用される。
図7は第3の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図である。図7において、図1と等価な構成要素には同一符号を付してある。なお、図7では、第2の記憶部142に格納されている各テーブル142a〜142dが省略されている。必要ならば、図1を参照されたい。
図7に示す構成の特徴は、図1に示される構成において保持状態検出部13に代えて保持状態検出部130が用いられていることにある。保持状態検出部130は、保持状態算出部131、出し入れ動作検出部132及び保持状態判定部133から構成される。
保持状態算出部131は、第2の実施形態における保持状態検出部13と同様の処理により携帯端末の保持状態hs2(t)を算出(検出)する。保持状態算出部131は、算出された保持状態hs2(t)を保持状態判定部133に出力する。
出し入れ動作検出部132はユーザによる携帯端末の出し入れ動作状態take(t)を検出するための出し入れ動作検出処理を実行する。保持状態判定部133は、出し入れ動作検出部132によって検出された出し入れ動作状態take(t)と、保持状態算出部131によって算出された保持状態hs2(t)とに基づいて、携帯端末の保持状態を判定するための保持状態判定処理を実行する。
以下、出し入れ動作検出処理及び保持状態判定処理について順次詳述する。
(出し入れ動作検出処理)
出し入れ動作検出処理は、前述したようにユーザが携帯端末を手に取る動きを検出するための処理である。ユーザが携帯端末を手に取る場合、通常は当該携帯端末が一定の角度以上に回動する。そこで、この点に着目して、第3の実施形態において出し入れ動作検出部132は、携帯端末が一定の角度以上に回動することを検出する。より具体的には、出し入れ動作検出部132は、携帯端末の座標系から認識される重力加速度ベクトルが、短い期間内に一定の角度以上回動した場合に、その動きをユーザが端末を手に取った出し入れ動作であると判定する。
そこで出し入れ動作検出部132は、第1の実施形態で説明したような重力加速度ベクトルg(t)を、時刻t(例えばサンプリング時刻t)毎に算出する。出し入れ動作検出部132は、算出された時刻t毎の重力加速度ベクトルg(t)、例えば現在時刻を基準とする直近の期間Tにおける時刻t毎の重力加速度ベクトルg(t)を、時系列順に第1の記憶部141にバッファリングする。
出し入れ動作検出部132は、第1の記憶部141にバッファリングされた各時刻tにおける重力加速度ベクトルg(t)の、現在時刻よりも期間Tだけ前の重力加速度ベクトルg(t−T)とのなす角度θgを次式
θg=acos(g(t−T)・g(t)/|g(t−T)|・|g(t)|)
に従って算出する。前述したように、「acos」は余弦の逆関数である。
出し入れ動作検出部132は、算出された角度θgが所定の閾値θth_take以上であるかによって、「出し入れ動作」の有無を検出する。すなわち出し入れ動作検出部132は、出し入れ動作状態(を表す値)take(t)を、次式に従って算出(生成)する。
Figure 2012099908
このように、take(t)は“1”で出し入れ動作有りを示し、“0”で出し入れ動作無しを示す。しかし、この逆の定義でも構わない。ここで、Tは1秒、θth_takeは20度であるとする。出し入れ動作検出部132は、算出されたtake(t)を保持状態判定部133に対して出力する。
(保持状態判定処理)
保持状態判定部133は、出し入れ動作検出部132によって検出される出し入れ動作状態(を表す値)take(t)と、保持状態算出部131によって算出される保持状態(を表すベクトル)hs2(t)とに基づき、時間的な遷移を考慮して保持状態(を表すベクトル)hs3(t)を次のように判定する。
(1)保持状態判定部133は、随時、出し入れ動作検出部132からtake(t)を受け、take(t)=1であった直近の時刻ttake、つまり出し入れ動作が検出された直近の時刻ttakeを第1の記憶部141に記録する。
(2)保持状態判定部133は、随時、保持状態算出部131からhs2(t)を受け、当該hs2(t)の要素群の中で最大の値を持つ要素の次元番号arg maxi(hs2(t))をhs2Indexとして第2の記憶部142に記録する。
(3)直前の保持状態hs3(t)が未確定の場合、保持状態判定部133は、hs3(t)=hs2(t)として時刻tの処理を終了する。
(4)t−ttake<Tであれば、つまり出し入れ動作が検出された直近の時刻ttakeから期間Tが経過していないならば、保持状態判定部133は、hs3(t)=hs2(t)とする。そうでなければ、保持状態判定部133は、hs3(t)=hs3(t−1)とする。つまり保持状態判定部133は、hs3(t)を変更しない。ここでは、Tは60秒であるとする。
保持状態判定部133は、判定されたhs3(t)を保持状態検出部13によって検出された保持状態として端末保護状態制御部15に出力する。
保持状態判定部133によって、上述のようにhs3(t)が判定されることで、出し入れ動作が検出されてから期間T(60秒)の間は、保持状態の変化は認められる。これに対し、出し入れ動作が検出されてから期間Tを超えた場合には、保持状態は変化しないものとして処理される。これにより、ユーザが携帯端末を鞄やズボンのポケットに入れていることを一旦検出した後は、たとえユーザが携帯端末を鞄やズボンのポケットに保持したまま当該携帯端末が静止状態となったとしても、ユーザが端末を保持した状態が継続していることを正しく判定することができる。
[第4の実施形態]
次に第4の実施形態に係る携帯端末について説明する。
携帯端末の典型的な保持状態や利用形態はユーザによって異なる。そのため固定的な保持状態判定基準を適用した場合、一部のユーザについては、携帯端末の保持状態に関し、必ずしも正しく判定できるとは限らない。例えば角度が特殊なポケットにユーザが携帯端末を保持している場合、ユーザが携帯端末を保持していないと誤判定する場合もあり得る。
第4の実施形態の特徴は、この点を考慮して、携帯端末の保持状態それ自体(つまり絶対的なな保持状態)ではなく、ユーザが当該携帯端末を通常利用している際の保持状態と現在の保持状態とが似た状態であるか否かに基づいて(つまり相対的な保持状態に基づいて)保護状態の制御を行うことにある。このような制御は、ユーザは同じ携帯端末を何度も利用し、同一ユーザについては携帯端末の保持位置や保持姿勢は類似する傾向があることを前提としている。
図8は第4の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図である。図8において、図7と等価な構成要素には同一符号を付してある。なお、図8では、図7と同様に、第2の記憶部142に格納されている各テーブル142a〜142dが省略されている。
図8に示す構成の第1の特徴は、図7に示される構成に、保持状態平常性記録部16及び保持状態平常性判定部17が追加されたことにある。図8に示す構成の第2の特徴は、記憶部14に代えて記憶部140が用いられていることにある。記憶部140は、第1の記憶部141及び第2の記憶部142に加えて、第3の記憶部143を備えている。
保持状態平常性記録部16は、保持状態検出部130からの保持状態に関する出力に基づいて、携帯端末の平常使用時の保持状態を第3の記憶部143に記録するための保持状態平常性記録処理を実行する。第4の実施形態において、第3の記憶部143はフラッシュメモリのような書き換え可能な不揮発性記憶装置である。しかし、第3の記憶部143が第1の記憶部141と同様のRAMのような揮発性記憶装置であってもよい。この場合、第1の記憶部141の一部の領域を第3の記憶部143として用いてよい。
第4の実施形態において、保持状態検出部130からの保持状態に関する出力は、保持状態hs3(t)だけでなく、重力加速度ベクトルg(t)の鉛直方向からの傾きθ(t)も含む。保持状態検出部130は、保持状態平常性記録部16による保持状態平常性記録処理のために、保持状態検出処理の結果として、保持状態hs3(t)及び重力加速度ベクトルg(t)の鉛直方向からの傾きθ(t)を保持状態平常性判定部17に出力する。
保持状態平常性判定部17は、第3の記憶部143に記録されている携帯端末の平常使用時の保持状態に基づいて、現在の保持状態の平常性を判定するための保持状態平常性判定処理を実行する。
端末保護状態制御部15は、動き量算出部12によって算出された動き量と、保持状態平常性判定部17によって判定された保持状態平常性とに基づいて、携帯端末の保護状態を制御するための端末保護状態制御処理を実行する。このように、第4の実施形態における端末保護状態制御処理では、端末保護状態制御部15の制御に、携帯端末の単なる保持状態ではなくて、保持状態平常性が用いられる。
以下、保持状態平常性記録処理、保持状態平常性判定処理及び端末保護状態制御処理について順次詳述する。
(保持状態平常性記録処理)
保持状態平常性記録部16は、保持状態検出部13から出力される保持状態hs3(t)及び重力加速度ベクトルg(t)の鉛直方向からの傾きθ(t)に基づいて、平常保持状態を示すデータ(平常保持状態データ)を算出する。平常保持状態データは、ユーザが現在携帯端末を保持している状態(つまり現在の保持状態)がユーザの通常の利用時(つまり平常時)の保持状態とどの程度一致しているかを判定するための基準データとして用いられる。
保持状態平常性記録部16は、算出された平常保持状態データを第3の記憶部143に記録する。第3の記憶部143は、平常保持状態データを蓄積するための平常保持状態蓄積部として用いられる。但し、過去のすべての平常保持状態について、対応する平常保持状態データを算出・記録することは、計算量及びデータ量の観点から効率的ではない。そこで、第4の実施形態において保持状態平常性記録部16は、以下に述べるように、平常保持状態データの量を、保持状態の傾向が判別可能な程度に圧縮している。
まず保持状態平常性記録部16は、一定の期間Tの間隔で平常保持状態データを第3の記憶部143に記録する。第4の実施形態においてTは10秒である。第3の記憶部143は、保持状態記録テーブル143aと、傾き記録テーブル143bとを備えている。
図9は保持状態記録テーブル143aのデータ構造例を示す。保持状態記録テーブル143aは、携帯端末のすべての保持状態の総発生回数及び各保持状態の発生回数(発生頻度)を記録するのに用いられる。ここでは、携帯端末の保持状態は、図9に示されているように、第1の実施形態と同様の、{机上、手持ち、胸ポケット、ズボンポケット、鞄、その他}である。以下の説明では、すべての保持状態の総発生回数及び各保持状態の発生回数を、それぞれ総記録回数及び記録回数と称する。
図10は傾き記録テーブル143bのデータ構造例を示す。傾き記録テーブル143bは、{机上、手持ち、胸ポケット、ズボンポケット、鞄、その他}のそれぞれの保持状態について、総発生回数及び傾きθ(t)毎(より詳細には、傾きθ(t)の連続する9つの範囲毎)の発生回数(発生頻度)を記録するのに用いられる。ここでは、傾きθ(t)の9つの範囲は、90度を9等分した角度範囲に一致する。なお、図10には、傾き記録テーブル143bのうちの、保持状態「胸ポケット」についての傾きθ(t)毎の発生回数を記録した部分のみが示されており、「胸ポケット」以外の保持状態についての、総発生回数及び傾きθ(t)毎の発生回数を記録した部分は省略されている。以下の説明では、各保持状態についての、総発生回数及び傾きθ(t)毎の発生回数を、それぞれ総記録回数及び記録回数と称する。
さて保持状態平常性記録部16は、ベクトルhs3(t)の要素群の中で最大の値を持つ要素の次元番号に基づき、携帯端末の時刻tにおける対応する保持状態を取得する。ここで取得される時刻tにおける保持状態は前述の{机上、手持ち、胸ポケット、ズボンポケット、鞄、その他}のうちの1つであり、例えば「胸ポケット」であるものとする。
次に保持状態平常性記録部16は、保持状態記録テーブル143a内のすべての保持状態の総記録回数に1を加えるとともに、取得された保持状態「胸ポケット」に対応する記録回数に1を加える。また保持状態平常性記録部16は、傾き記録テーブル143b内の、取得された保持状態「胸ポケット」に対応する総記録回数に1を加えるとともに、現在のθ(t)が属する範囲の項目(例えばθ(t)=14度であれば、10〜19度の範囲の項目)に対応する記録回数に1を加える。
(保持状態平常性判定処理)
保持状態平常性判定部17は、保持状態検出部130から現在の推定された保持状態を受け取る。保持状態平常性判定部17は、第3の記憶部143内の保持状態記録テーブル143a及び傾き記録テーブル143bにそれぞれ記録された平常時の端末保持状態及び傾きのデータを参照し、現在の推定された保持状態がどの程度平常的な状態であるかを判定する。以下、この保持状態平常性判定部17による保持状態平常性判定処理の詳細について説明する。
まず保持状態平常性判定部17は、保持状態検出部130(より詳細には保持状態検出部130の保持状態判定部133)から、各時刻tにおける保持状態hs3(t)(つまり保持状態を表すベクトルhs3(t))及び傾きθ(t)を受け取る。すると保持状態平常性判定部17は、hs3(t)及びθ(t)に基づき、保持状態hs3(t)の平常性P(hs3)を次のように算出する。
まず保持状態平常性判定部17は、ベクトルhs3(t)の要素群の中で最大の値を持つ要素の次元番号に基づき、該当する保持状態を取得する。ここでは、該当する保持状態として「胸ポケット」が取得される。平常性判定部17は、該当する保持状態(該当する保持状態)に基づいて第3の記憶部143内の保持状態記録テーブル143aを参照することにより、すべての保持状態の総記録回数及び該当する保持状態の記録回数を取得する。
次に保持状態平常性判定部17は、取得された保持状態の総記録回数及び該当する保持状態の記録回数に基づいて、保持状態hs3(t)の平常性P(hs3)を、次式
P(hs3)=該当する保持状態の記録回数/保持状態の総記録回数
に従って算出する。ここでは、ベクトルhs3(t)の示す保持状態が「胸ポケット」である。このため保持状態平常性判定部17は、図9の保持状態記録テーブル143aの例では、P(hs3)=5701/9358=0.609を取得する。
また保持状態平常性判定部17は、該当する保持状態及び傾きθ(t)に基づいて、第3の記憶部143内の傾き記録テーブル143bを参照することにより、該当する保持状態についての、総記録回数及び該当する傾きθ(t)(が属する角度範囲)の記録回数を取得する。
次に保持状態平常性判定部17は、該当する保持状態についての、取得された総記録回数及び該当する傾きの記録回数に基づいて、傾きθ(t)の平常性P(θ)を、次式
P(θ)=該当する傾きの記録回数/該当する保持状態の総記録回数
に従って算出する。ここでは、該当する保持状態は「胸ポケット」であり、傾きθ(t)=14度である。。このため保持状態平常性判定部17は、図10の傾き記録テーブル143bの例では、P(θ)=1283/5701=0.225を取得する。
次に保持状態平常性判定部17は、取得された保持状態hs3(t)の平常性P(hs3)及び傾きθ(t)の平常性P(θ)に基づいて、最終的な保持状態平常性P(ordinary)を、次式
P(ordinary)=P(hs3)・P(θ)
に従って取得する。上述の例では、保持状態平常性判定部17は、P(ordinary)=0.609×0.225=0.137を取得する。明らかなように、P(ordinary)の最大値は1であり、P(ordinary)の値が大きいほど保持状態の平常性が高いことを表す。
保持状態平常性判定部17は、取得された保持状態平常性P(ordinary)を端末保護状態制御部15に出力する。
これらの一連の処理から明らかなように、保持状態平常性P(ordinary)の値は、携帯端末の保持に関し、普段と同じ保持位置・保持姿勢であるほど高くなる。
(端末保護状態制御処理)
端末保護状態制御部15は、動き量算出部12によって算出された動き量と、保持状態平常性判定部17によって取得された保持状態平常性P(ordinary)に基づいて、携帯端末の保護状態を制御する。この端末保護状態制御処理の詳細について、簡単のため、第2の実施形態において適用された動き量v2(t,τ)と、保持状態平常性P(ordinary)とに基づいて、保護状態への変更トリガーs4(t)を算出する場合を例に説明する。
まず端末保護状態制御部15は、P(ordinary)を予め定められた平常性十分条件Psuffと比較する。もし、P(ordinary)≧Psuffであれば、端末保護状態制御部15は、判定に使用する期間τ4を、
τ4=τmax
とする。そうでなければ、端末保護状態制御部15は期間τ4を、
τ4=τmin+round(τmax−τmin)・P(ordinary)/Psuff
とする。但し、第4の実施形態において、Psuffは0.2である。また、τmin及びτmaxは、それぞれ、第2の実施形態と同様に15秒及び300秒である。
次に端末保護状態制御部15は、第2の実施形態と同様にして、動き量算出部12によって算出されたv2(t,τ|τ=15,16,…,300)の中から、決定されたτ4に対応するv2(t,τ4)を選択する。
次に端末保護状態制御部15は、選択されたv2(t,τ4)に基づき、保護状態への変更トリガーs4(t)を、第2の実施形態と同様に次式に従って算出(決定)する。
Figure 2012099908
端末保護状態制御部15は、保護状態への変更トリガーs4(t)が“1”である場合に、携帯端末が未保護状態であるならば当該携帯端末を保護状態に変更する。
このように第4の実施形態においては、携帯端末が一般的に特定の(単数もしくは複数の)ユーザにより同様の保持位置・保持姿勢で利用されることが多いことを考慮して、平常時の携帯端末の保持状態が保持状態平常性記録部16によって第3の記憶部(平常保持状態蓄積部)143に記録される。この第3の記憶部143に記録された平常時の保持状態に基づき、現在の保持状態の平常性が保持状態平常性判定部17によって判定される。端末保護状態制御部15は、携帯端末の保持状態が平常性を維持している限りは、つまり保持状態の平常性が高い状態が続く限りは、当該携帯端末が保護状態に遷移しないように
制御する。これにより、例えばユーザが携帯端末を胸ポケット等に保持しているにも拘わらずに、当該携帯端末が保護状態に遷移してしまって、ユーザにとって不便となる事態が発生するのを防止できる。その一方、保持状態の平常性が低い状態、すなわち普段と違う保持位置・保持姿勢である場合には、端末保護状態制御部15は、携帯端末が素早く保護状態となるように制御する。このように携帯端末の保護状態を制御することで、安全性と利便性の双方を向上することができる。
[第5の実施形態]
次に第5の実施形態に係る携帯端末について説明する。
まず、ユーザが、例えば目の前の机上に携帯端末を置いたままデスクワークをする場合を想定する。このような場合、第1乃至第4の実施形態では、携帯端末が「机上」にあると判定されて、当該携帯端末が保護状態に制御されることになる。その結果、ユーザが机上の携帯端末を利用するために当該携帯端末を手に取った際には、当該携帯端末は保護状態となっているため、保護状態を解除する手間が発生する。
第5の実施形態の特徴は、この点を考慮して、携帯端末が保護状態になる少し前に、まもなく保護状態になる旨をユーザに気付かせることにある。これによりユーザが、例えば携帯端末に少し触ることで、当該携帯端末が保護状態になるのを避けることを可能とする。
図11は第5の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図である。図11において、図8と等価な構成要素には同一符号を付してある。なお、図11では、図8と同様に、第2の記憶部142に格納されている各テーブル142a〜142dが省略されている。また、図11では、図8と異なり、第3の記憶部143に格納されている各テーブル143a,143bも省略されている。
図11に示す構成の特徴は、図8に示される構成に、保護状態制御事前通知部18が追加されたことにある。保護状態制御事前通知部18は、端末保護状態制御部15において保護状態への変更トリガーが発生した際に、まもなく携帯端末が保護状態となることをユーザに通知する。
保護状態制御事前通知部18によるユーザへの上述の通知を可能とするために、端末保護状態制御部15は、第1乃至第4の実施形態と異なり、次のように動作する。
まず端末保護状態制御部15は、保護状態への変更トリガーが発生した場合、保護状態制御事前通知部18に対して、その旨を示す保護状態事前通知信号を出力する。
次に保護状態制御事前通知部18は、保護状態事前通知信号の出力時から期間Tの間は携帯端末を保護状態とするのを待つ。
そして端末保護状態制御部15は、期間Tが経過した後にも変更トリガーが発生していたなら、携帯端末を直ちに保護状態にする。
これに対し、保護状態事前通知信号の出力に基づく保護状態制御事前通知部18によるユーザへの通知を受けて、当該ユーザが例えば携帯端末に少し触った結果、期間T経過後に変更トリガーが発生していないものとする。この場合、端末保護状態制御部15は、携帯端末を直ちに保護状態にすることを抑止し、引き続き保護状態への変更トリガーs4(t)を算出する。第5の実施形態において、期間Tは10秒である。
保護状態制御事前通知部18は、端末保護状態制御部15から保護状態事前通知信号を受けると、例えば、携帯端末の表示ランプの点灯(発光)、画面表示の変更、振動の発生、警報音の発生などにより、ユーザに当該携帯端末がまもなく保護状態になる旨を通知する。第5の実施形態の典型的な例として、携帯端末が1秒間振動するものとする。
第5の実施形態のように、上述の通知(つまり事前通知)のために携帯端末を振動させた場合、その振動で当該携帯端末の動き量が急増してしまう。そこで第5の実施形態では、このような携帯端末の動き量が急増することを防ぐために、保護状態制御事前通知部18が事前通知のための振動を発生させる1秒の間、動き検出部11は動きの検出を停止する。
第5の実施形態によれば、ユーザは携帯端末の不要な保護状態への遷移を回避することが可能である。例えば、ユーザが携帯端末を例えば机上に置いてデスクワークをしていると仮定する。第1乃至第4の実施形態では、机上に置かれた端末は、その状態で、ある時間が経過すると保護状態となってしまう。するとユーザが携帯端末を利用すべく手に取った際には、例えばパスワード入力などの保護状態からの解除が必要となる。しかし第5の実施形態では、あと10秒が経過すると携帯端末が保護状態になる可能性のあるときに、保護状態制御事前通知部18が当該携帯端末を1秒の間振動させることで、ユーザにその状態を通知する。この通知をユーザが放置すれば、10秒後に携帯端末が保護状態になってしまうが、この通知に気付いたユーザが当該携帯端末を少し触ることにより動き量が急増すれば、当該携帯端末が保護状態になることを防ぐことができる。これにより、安全性だけでなく、利便性も向上することができる。
なお、保護状態制御事前通知部18を、図1または図7に示す構成に追加しても構わない。
[第6の実施形態]
次に第6の実施形態に係る携帯端末について説明する。
第1乃至第5の実施形態では、携帯端末の動き量が閾値以下の場合、つまり動き量が少ない時間が継続する場合に、置き忘れの可能性(置き忘れ状態)を検出したものとして、端末保護状態制御部15によって当該携帯端末が保護状態に変更される。このため第1乃至第5の実施形態では、ユーザが例えば携帯端末を落としたことに気付かず、かつ当該携帯端末が誰にも拾われずに放置状態が継続した場合に、当該携帯端末が保護状態となる。
第6の実施形態の特徴は、携帯端末の置き忘れのみならず、当該携帯端末をユーザが落としたことを直接検出する利用形態にも適用可能としたことにある。つまり第6の実施形態の特徴は、携帯端末の落下を高精度で検出することにある。
図12は第6の実施形態に係る携帯端末の主としてデータ保護機構の構成を示すブロック図である。図12において、図11と等価な構成要素には同一符号を付してある。なお、図12では、図11と同様に、第2の記憶部142に格納されている各テーブル142a〜142dと、第3の記憶部143に格納されている各テーブル143a,143bとが省略されている。
図12に示す構成の特徴は、図11に示される構成において動き量算出部12に代えて動き量算出部120が用いられていることにある。動き量算出部120は、自由落下判定部121、衝撃判定部122、静止判定部123及び落下判定部124から構成される。この動き量算出部120の適用により、第6の実施形態では、主として、動き量算出処理及び端末保護状態制御処理が、第1乃至第5の実施形態と相違する。
以下、動き量算出部120によって実行される動き量算出処理及び端末保護状態制御部15によって実行される端末保護状態制御処理について順次詳述する。
(動き量算出処理)
動き量算出処理は、自由落下判定処理、衝撃判定処理、静止判定処理及び落下判定処理から構成される。
動き量算出部120の自由落下判定部121は、動き検出部11の動き検出結果、例えば各時点tでの加速度ベクトルa(t)に基づいて携帯端末の自由落下状態を判定するための自由落下判定処理を次のように実行する。
まず自由落下判定部121は、第1の実施形態における保持状態検出部13と同様にして、加速度ベクトルa(t)に基づいて重力加速度ベクトルg(t)を算出する。
次に自由落下判定部121は、重力加速度ベクトルg(t)の大きさ||g(t)||に基づき、自由落下の有無を示すweightless(t)を、次式に従って算出する。
Figure 2012099908
ここでgweightlessは予め定められた閾値であり、0.3[G]とする。つまり自由落下判定部121は、||g(t)||が0.3[G]以下であれば、weightless(t)を自由落下有りを示す“1”に設定し、そうでなければweightless(t)を自由落下無しを示す“0”に設定する。
なお、保持状態検出部13によって算出される重力加速度ベクトルg(t)を、weightless(t)の算出に用いることも可能である。
動き量算出部120の衝撃判定部122は、重力加速度ベクトルg(t)の大きさ||g(t)||に基づき、携帯端末への衝撃の発生の有無を判定するための衝撃判定処理を次のように実行する。すなわち衝撃判定部122は、携帯端末への衝撃の発生の有無を示すshock(t)を、次式に従って算出する。
Figure 2012099908
ここでgshockは予め定められた閾値であり、2.0[G]とする。つまり衝撃判定部122は、||g(t)||が2.0[G]以上であれば、shock(t)を衝撃有りを示す“1”に設定し、そうでなければshock(t)を衝撃無しを示す“0”に設定する。
動き量算出部120の静止判定部123は、第1の実施形態において動き量算出部12によって算出されるのと同様の動き量v(t)を算出し、算出された動き量v(t)に基づいて、携帯端末の静止状態にあるか否かを判定するための静止判定処理を次のように実行する。すなわち静止判定部123は、動き量v(t)の、例えば期間Tを1秒とした値v6(t)を用いて、静止状態にあるか否かを示すrest(t)を、次式に従って算出する。
Figure 2012099908
ここでvrestは予め定められた閾値であり、0.0001とする。つまり静止判定部123は、v6(t)が0.0001以下であれば、rest(t)を静止状態にあることを示す“1”に設定し、そうでなければrest(t)を静止状態にないことを示す“0”に設定する。
動き量算出部120の落下判定部124は、自由落下判定部121によって算出されたweightless(t−t2)、衝撃判定部122によって算出されたshock(t−t1)及び静止判定部123によって算出されたrest(t)に基づいて、携帯端末の落下の有無を判定するための落下判定処理を次のように実行する。ここで、t,t−t1,t−t2の間には、t−t2<t−t1<tの関係があり、tは現在時刻、t−t2は現在時刻tよりもt2秒前の時刻、t−t1は現在時刻tよりもt1秒前の時刻である。第6の実施形態において、t2は2.1秒、t1は2秒である。
まず落下判定部124は、rest(t)=1で、shock(t−2)=1で、かつweightless(t−2.1)=1である条件が成立しているかを判定する。落下判定部124は、上記条件が成立しているならば、fall(t)を、携帯端末が落下したこと(より詳細には、携帯端末が自由落下し、しかる後に当該携帯端末に衝撃が発生し、その後に当該携帯端末が静止したこと)を示す“1”に設定する。上記条件が成立していないならば、落下判定部124は、fall(t)を、携帯端末が落下しなかったこと(より詳細には、携帯端末の動きが、自由落下、衝撃発生、静止の順で遷移しなかったこと)を示す“0”に設定する。落下判定部124は、携帯端末の落下の判定結果を示すfall(t)を、動き量算出部120による動き量算出結果として端末保護状態制御部15に出力する。
ここで、落下判定部124による上述の判定の意義について説明する。
ユーザが携帯端末を落としたものとする。もし、落下した携帯端末が、例えば床に衝突したならば、その際に当該携帯端末に衝撃が発生する。しかし、ユーザが携帯端末を保持したまま、例えば階段を下りるなどの動作をしても、当該携帯端末に衝撃が発生する。このため、衝撃のみから携帯端末の落下を推定すると、誤って当該携帯端末を保護状態としてしまう可能性がある。そこで第6の実施形態では、動き量算出部120が、携帯端末の自由落下の際には、当該携帯端末に搭載されている加速度センサ110が無重力状態に近づくことをweightless(t)=1として算出し、その直後に当該携帯端末が例えば床面に衝突することにより衝撃が発生し、さらにそれから静止状態となること、つまりすぐに拾い上げられていないことを検出することで、当該携帯端末の落下を正確に検出するようにしている。
(端末保護状態制御処理)
保持状態検出部13は、動き量算出部120から携帯端末の動き量として落下判定結果fall(t)を受けると、当該fall(t)が“1”である場合に当該携帯端末を保護状態とする。
第6の実施形態によれば、ユーザが携帯端末を落として、当該携帯端末をすぐに拾い上げなかった場合に当該携帯端末を保護状態とすることができる。また、第6の実施形態において、上述の落下の検出と、第1乃至第5の実施形態で適用されたような置き忘れの検出とを並行して行うことも可能である。この場合、ユーザが携帯端末を保持している可能性が高い場合には、当該携帯端末の衝撃や静止状態を検出しても端末を保護状態としないことでユーザが当該携帯端末の保護状態を解除する手間を省いて、利便性の向上を優先させることができる。また、ユーザが携帯端末を保持している可能性が場合に、当該携帯端末の衝撃や静止状態を検出したならば、落下や置き忘れなどの可能性が高いとして、当該携帯端末を自動的に保護状態にすることで、安全性の向上を優先させることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ユーザによる携帯端末の保持状態と、当該携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量とを組み合わせて、当該携帯端末を保護状態に設定するかを判定することにより、安全性と利便性の両方を向上できる、データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…動き検出部、12,120…動き量算出部、13,130…保持状態検出部、14…記憶部、15…端末保護状態制御部、16…保持状態平常性記録部、17…保持状態平常性判定部、18…保護状態制御事前通知部、121…自由落下判定部、122…衝撃判定部、123…静止判定部、124…落下判定部、131…保持状態算出部、132…出し入れ動作検出部、133…保持状態判定部、141…第1の記憶部、142…第2の記憶部、142a…端末方向判定テーブル、142b…動き強さ判定テーブル、142c…動き方向判定テーブル、142d…保持状態判定テーブル、143…第3の記憶部、143a…保持状態記録テーブル、143b…傾き記録テーブル。

Claims (11)

  1. 携帯端末において、
    前記携帯端末の動きを検出する動き検出手段と、
    前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出する動き量算出手段と、
    前記検出された動きに基づいて、ユーザによる前記携帯端末の保持状態を検出する保持状態検出手段と、
    前記算出された動き量及び前記検出された保持状態に基づいて、前記携帯端末を所定のデータ保護状態に設定する端末保護状態制御手段と
    を具備する携帯端末。
  2. 前記動作検出手段は、加速度センサを用いて前記携帯端末の動作を検出し、
    前記保持状態検出手段は、少なくとも前記保持状態として、前記携帯端末がユーザによって保持されている第1の状態にあるか、あるいは前記携帯端末がユーザによって保持されていない第2の状態にあるかを検出し、
    前記端末保護状態制御手段は、前記第2の状態が検出され、かつ前記算出された動き量が閾値以下の場合、前記携帯端末の置き忘れであるとして、前記携帯端末を前記データ保護状態に設定し、前記第2の状態が検出されても前記算出された動き量が閾値を超えているか、あるいは前記算出された動き量が閾値以下でも前記第1の状態が検出された場合には、ユーザが前記携帯端末を携行しているとして、前記携帯端末を前記データ保護状態に設定するのを抑止する
    請求項1記載の携帯端末。
  3. 前記保持状態検出手段は、
    前記検出された動きに基づいて、前記携帯端末にかかる重力の方向に対する前記携帯端末の傾きを算出する傾き算出手段と、
    前記検出された動きに基づいて、前記携帯端末の動きの強さを算出する動き強さ算出手段とを含み、
    前記算出された傾き及び動きの強さに基づいて、前記携帯端末の保持状態を検出する
    請求項2記載の携帯端末。
  4. 前記保持状態検出手段は、
    前記検出された動きに基づいて、前記携帯端末の動きの方向を算出する動き方向算出手段をさらに含み、
    前記算出された傾き、動きの強さ及び動きの方向に基づいて、前記携帯端末の保持状態を検出する
    請求項3記載の携帯端末。
  5. 前記保持状態検出手段は前記検出された保持状態の確からしさを示す確信度を出力し、
    前記端末保護状態制御手段は、前記携帯端末がユーザによって保持されている可能性が低いことが前記確信度によって示されている場合には、前記可能性が高い場合よりも、前記携帯端末を前記データ保護状態に設定までの時間が短くなるように制御する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
  6. 前記動き検出手段は、前記携帯端末の動きを所定のサンプリング時間間隔で検出し、
    前記保持状態検出手段は、
    前記検出された動きの時系列に基づいて、現在から第1の期間前までの各サンプリング時点の前記携帯端末の保持状態を算出する保持状態算出手段と、
    現在から第2の期間前までの各サンプリング時点で検出された前記動きの時系列に基づいて、ユーザが前記携帯端末を所定の格納場所からまたは所定の格納場所に出し入れする出し入れ動作を検出する出し入れ動作検出手段と、
    前記算出された各サンプリング時点の保持状態及び前記出し入れ動作の検出結果に基づき、前記出し入れ動作が検出されない状態が第3の期間継続した場合、現在の保持状態が先行するサンプリング時点の保持状態と同一であると判定する保持状態判定手段とを備えている
    請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
  7. 保持状態平常性記録手段、保持状態平常性判定手段及び記憶手段をさらに具備し、
    前記動き検出手段は、前記携帯端末の動きを所定のサンプリング時間間隔で検出し、
    前記保持状態検出手段は、前記所定のサンプリング時間間隔で検出される前記携帯端末の動きに基づいて、各サンプリング時点の前記携帯端末の保持状態を検出し、
    前記保持状態平常性記録手段は、前記検出された保持状態を前記携帯端末の平常使用時の保持状態として前記記憶手段に記録し、
    前記保持状態平常性判定手段は、現在の前記検出された保持状態の平常性を前記記憶手段に記録されている保持状態の系列に基づいて判定し、
    前記端末保護状態制御手段は、前記算出された動き量及び前記判定された平常性に基づいて、少なくとも、前記判定された平常性が高いほど、前記携帯端末を前記データ保護状態に設定するまでの時間が長くなるように制御する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
  8. 保護状態制御事前通知手段をさらに備え、
    前記端末保護状態制御手段は、前記携帯端末を非データ保護状態から前記データ保護状態に変更すべき状態を検出した場合、前記保護状態制御事前通知手段に所定の信号を出力して、予め定められた時間を待ち、
    前記保護状態制御事前通知手段は、前記所定の信号に応じて、前記データ保護状態への変更が近いことをユーザに通知し、
    前記端末保護状態制御手段は、前記予め定められた時間を待っている間に、前記データ保護状態に変更すべき状態が検出されなくなった場合、前記携帯端末を前記データ保護状態に変更することを抑止する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
  9. 前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の自由落下状態を判定する自由落下判定手段と、
    前記検出された動きに基づいて前記携帯端末への衝撃の発生を判定する衝撃判定手段と、
    前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の静止状態を判定する静止判定手段と、
    前記自由落下状態、前記衝撃及び前記静止状態の各々の判定結果に基づいて前記携帯端末が落下したかを判定する落下判定手段であって、予め定められた時間内に、前記自由落下状態、前記衝撃及び前記静止状態の順に、前記自由落下状態、前記衝撃及び前記静止状態が発生した場合に前記携帯端末が落下したと判定する落下判定手段とをさらに具備し、
    前記端末保護状態制御手段は、前記落下が判定された場合、前記携帯端末を前記データ保護状態に設定する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
  10. 動き検出手段と、動き量算出手段と、保持状態検出手段と、端末保護状態制御手段とを具備する携帯端末におけるデータ保護方法であって、
    前記動き検出手段が、前記携帯端末の動きを検出するステップと、
    前記動き量算出手段が、前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出するステップと、
    前記保持状態検出手段が、前記検出された動きに基づいて、ユーザによる前記携帯端末の保持状態を検出するステップと、
    前記端末保護状態制御手段が、前記算出された動き量及び前記検出された保持状態に基づいて、前記携帯端末を所定のデータ保護状態に設定するステップと
    を具備するデータ保護方法。
  11. 携帯端末を、
    前記携帯端末の動きを検出する動き検出手段と、
    前記検出された動きに基づいて前記携帯端末の動きの変化の大きさを示す動き量を算出する動き量算出手段と、
    前記検出された動きに基づいて、ユーザによる前記携帯端末の保持状態を検出する保持状態検出手段と、
    前記算出された動き量及び前記検出された保持状態に基づいて、前記携帯端末を所定のデータ保護状態に設定する端末保護状態制御手段
    として機能させるためのプログラム。
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