JP2012097788A - オイル循環構造 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
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    • F16H57/0412Cooling or heating; Control of temperature
    • F16H57/0415Air cooling or ventilation; Heat exchangers; Thermal insulations
    • F16H57/0417Heat exchangers adapted or integrated in the gearing

Abstract

【課題】オイルを冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルポンプのエアの吸い込みを抑制できるオイル循環構造を提供すること。
【解決手段】オイルを循環するオイル循環構造に、オイル90と冷却水との間で熱交換を行うオイルクーラー30と、オイルクーラー30が配設されると共にオイルクーラー30で熱交換を行うオイル90が流れる熱交換室72と、熱交換室72を含むオイル90の循環経路に配設され、オイル90を循環させるオイルポンプ50と、循環するオイル90の流れ方向における熱交換室72の下流側に開口すると共に、オイル90をオイルポンプ50側に流すオイル90の吸込み口58と、吸込み口58周辺のオイル90の油面92が低下した場合に、オイルクーラー30の上流側のオイル90を、オイルクーラー30を介さずに吸込み口58側に供給するバイパス部80と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイル循環構造に関する。
動力源で発生した動力によって走行する車両は、この動力を変速装置や差動装置等の動力伝達経路を介して駆動輪に伝達し、駆動輪で駆動力を発生させることにより走行する。車両には、このように動力源で発生した動力を駆動輪側に伝達する変速装置等の駆動装置が設けられているが、駆動装置は、作動時における作動油や、当該駆動装置の各部を潤滑する潤滑油等のオイルが循環しながら作動する。また、このような駆動装置は、作動時に部材同士の摩擦熱等により熱が発生して温度が上昇し易くなっており、駆動装置を循環するオイルも温度が上昇し易くなっている。このため、従来の駆動装置では、オイルクーラーを設けて、オイルクーラーによってオイルを冷却する手法が多用されている。
例えば、特許文献1に記載された車両用駆動装置では、駆動装置の外部にオイルポンプを設置すると共に、オイルポンプによってオイルを循環させることの出来る循環経路を設け、駆動装置の外部に位置する循環経路にオイルクーラーを設けている。駆動装置を循環するオイルは、このように設けられるオイルポンプで圧送することによって循環すると共に、循環経路に設けられるオイルクーラーによって冷却される。
特開2008−279826号公報
しかし、オイルクーラーを駆動装置の外部に設置した場合、車両への搭載上の制約により、小型化を強いられる場合があり、このような制約によってオイルクーラーを小さくした場合、オイルクーラー内のオイルの通路も小さくなる。この場合、オイルポンプでオイルを圧送した際における抵抗が大きくなり、オイルを循環させる際におけるロスが大きくなる。このため、オイルクーラーでオイルを冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルクーラーの冷却性能を確保する場合には、オイルクーラーを駆動装置内に設け、冷却水等の冷却媒体とオイルとの間で熱交換を行う手法が想定される。
例えば、オイルと冷却媒体との間で熱交換を行うことが可能な熱交換器を、駆動装置内におけるオイルが流れる空間に配設すると共に、冷却媒体は熱交換器内を流す。また、この空間には、熱交換器の周囲をオイルが流れ易くするため、オイルポンプが接続された循環経路を接続し、オイルの吸込み口を開口させる。これにより、駆動装置内のオイルは、熱交換器の周囲を通って吸込み口に流れるため、熱交換器の周囲を流れるオイルと、熱交換器内を流れる冷却媒体との間で熱交換を行わせることができる。従って、オイルを冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルを冷却することができる。
しかし、このような熱交換器には、熱交換の効率を高めるために、一般的に流体の接触面積を増加させるフィンが設けられている。このため、熱交換器の周囲を流れるオイルは、オイルがオイルクーラー内を流れる場合ほどではないが、オイルが流れる際に、熱交換器から抵抗を受けながら流れる。これにより、熱交換器よりも下流側に位置するオイルの吸込み口付近の油面が、吸込み口よりも低下する場合がある。この場合、吸込み口にエアが流入することによりオイルポンプがエアを吸ってしまい、オイルポンプでオイルを圧送する際における効率が低下したり、圧送できなくなったりする場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、オイルを冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルポンプのエアの吸い込みを抑制できるオイル循環構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るオイル循環構造は、オイルと冷却媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器が配設されると共に前記熱交換器で熱交換を行う前記オイルが流れる熱交換室と、前記熱交換室を含む前記オイルの循環経路に配設され、前記オイルを循環させるオイルポンプと、循環する前記オイルの流れ方向における前記熱交換室の下流側に開口すると共に、前記オイルを前記オイルポンプ側に流す前記オイルの吸込み口と、前記吸込み口周辺の前記オイルの油面が低下した場合に、前記熱交換器の上流側の前記オイルを、前記熱交換器を介さずに前記吸込み口側に供給するバイパス部と、を備えることを特徴とする。
また、上記オイル循環構造において、前記バイパス部は、前記熱交換器の上流側の前記循環経路と前記吸込み口とを連通する開口部と、前記吸込み口周辺の前記油面に応じて前記開口部を開閉するゲート部と、を備えることが好ましい。
また、上記オイル循環構造において、前記ゲート部は、前記吸込み口周辺の前記油面の高さに応じて高さが変化することにより、前記開口部を開閉することが好ましい。
また、上記オイル循環構造において、前記ゲート部は、前記吸込み口周辺側の前記油面が所定の高さよりも高い場合には前記開口部を閉じ、前記吸込み口周辺側の前記油面が前記所定の高さよりも低下した場合に前記開口部を開くことが好ましい。
本発明に係るオイル循環構造は、オイルと冷却媒体との間で熱交換を行う熱交換器を熱交換室に配設することにより熱交換器の大きさの制約を低減することができ、熱交換器におけるオイルの流路を確保してオイルの流れ易さを確保することができる。また、熱交換器が配設される熱交換室の下流側に開口し、オイルをオイルポンプ側に流すオイルの吸込み口周辺のオイルの油面が低下した場合には、熱交換器の上流側のオイルをバイパス部によって、熱交換器を介さずに吸込み口側に供給することができる。これらにより、オイルを冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルポンプのエアの吸い込みを抑制できる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係るオイル循環構造を備える動力伝達装置の概略図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3は、図2のB−B矢視図である。 図4は、図2のC−C矢視図である。 図5は、図4に示すオイルクーラーの斜視図である。 図6は、図3のゲート部が開いた場合の説明図である。 図7は、実施形態に係るオイル循環構造の変形例を示す概略図である。
以下に、本発明に係るオイル循環構造の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るオイル循環構造を備える動力伝達装置の概略図である。実施形態に係るオイル循環構造を備える動力伝達装置1は、車両(図示省略)に搭載され、車両の走行時に動力源で発生した動力を駆動輪(図示省略)に伝達する動力伝達経路を構成している。また、この動力伝達装置1が搭載される車両は、動力源として、内燃機関であるエンジン(図示省略)と、電気で作動する電動機とを併用する、いわゆるハイブリッド車となっている。この動力源のうち、電動機としては、共に発電機としての機能も兼ね備えた第1のモータジェネレータであるMG1と、第2のモータジェネレータであるMG2とを有している。
このように設けられる車両に搭載される動力伝達装置1は、動力を伝達する各種のギア類を、ケース10の内側に配設して構成されている。ケース10に内設されるギア類としては、例えば、カウンタドライブギア12と、カウンタドリブンギア14と、ドライブピニオンギア16と、MG2リダクションギア18と、デフリングギア22と、を有している。このうち、カウンタドライブギア12は、MG1の回転軸と同軸上に配設されており、カウンタドリブンギア14は、このカウンタドライブギア12に噛み合うように設けられている。また、ドライブピニオンギア16は、カウンタドリブンギア14と一体となって回転可能に設けられており、MG2リダクションギア18は、MG2の回転軸に設けられると共にカウンタドリブンギア14と噛み合うように設けられている。また、デフリングギア22は、エンジンやMG1、MG2で発生した動力を左右の駆動力に伝達する際に、車両の走行状態に応じて伝達する動力の配分を異ならせる差動装置20に設けられており、ドライブピニオンギア16と噛み合うように設けられている。
また、ケース10には、ギア類や軸受部分の潤滑等を行うためのオイルを循環させるオイルポンプ50が接続されている。詳しくは、オイルポンプ50は、エンジンで発生した動力によって作動可能に設けられていると共に、オイルの通路であるオイル通路52に接続されており、オイルの循環経路の一部を構成している。ケース10には、このようにオイルポンプ50に接続されるオイル通路52のうち、オイルポンプ50の上流側の通路、即ち、オイルポンプ50によってオイルを吸引する側のオイル通路52が接続されている。このため、ケース10において、このオイルポンプ50の上流側のオイル通路52が接続されている部分は、ケース10内のオイルがケース10から流出するオイル流出部54となっている。オイル流出部54は、このようにケース10内のオイルが流出する部分であるため、ケース10における比較的下方寄りの部分に設けられている。また、オイルポンプ50は、吸引することによってオイル流出部54から流出したオイルを、当該オイルポンプ50で圧送して再びケース10内に戻すことにより、オイルを循環させている。
また、動力伝達装置1には、当該動力伝達装置1を循環するオイルと冷却媒体との間で熱交換を行うことによりオイルを冷却する熱交換器であるオイルクーラー30が設けられている。このオイルクーラー30は、ケース10に内設されており、ケース10の比較的下方で、オイル流出部54の近傍に設けられている。また、オイルクーラー30には、エンジンの冷却を行う冷却水が流れる冷却水通路40が接続されている。これによりオイルクーラー30には、冷却水の流入や流出が可能になっている。つまり、冷却水は、エンジンを冷却するのみでなく、動力伝達装置1を循環するオイルとの間で熱交換を行う冷却媒体としても使用される。
図2は、図1のA−A断面図である。オイルクーラー30は、ケース10内の比較的下方に配設されているが、ケース10内におけるオイルクーラー30の近傍には、隔壁60が配設されており、オイルクーラー30の近傍は、この隔壁60によってケース10内が区画されている。具体的に説明すると、オイルクーラー30は、平面視の形状が略矩形状に形成されており、隔壁60の一部は、略矩形状に形成されるオイルクーラー30の一辺と、この辺に直交する辺との2つの辺の近傍に配設されている。
このようにオイルクーラー30の近傍に設けられる隔壁60のうち、一方の隔壁60におけるオイルクーラー30が位置する側の反対側の面側には、車両の駐車時に用いるパーキングギア24等が配設されている。このように、隔壁60に区画されてパーキングギア24等のギア類が配設される部分はギア室70として設けられており、オイルクーラー30が配設される部分は熱交換室72として設けられている。即ち、熱交換室72には、オイルクーラー30が配設されており、当該熱交換室72を流れるオイルをオイルクーラー30で熱交換を行うことが可能になっている。
また、ケース10におけるオイルクーラー30の近傍には、オイル流出部54が設けられているが、このオイル流出部54は、パイプ状の形状でケース10内に配設される吸込みパイプ56の一端が接続されている。また、吸込みパイプ56の他端側はケース10内に開口しており、ケース10内のオイルを吸い込む吸込み口58として設けられている。オイルポンプ50の作動時には、ケース10内のオイルは、吸込みパイプ56の吸込み口58から吸い込まれ、オイル流出部54から流出することにより、動力伝達装置1を循環する。オイルポンプ50は、このように動力伝達装置1を循環するオイルの循環経路に配設されている。
オイルクーラー30の近傍には、吸込みパイプ56が配設されているが、隔壁60は、ギア室70側から吸込みパイプ56の方向へのオイルの流路上にも配設されており、ギア室70と、吸込みパイプ56が配設されている部分とを隔離している。このように、隔壁60によって区画され、ギア室70と隔離されると共に吸込みパイプ56が配設されている部分は、オイル流出室74となっている。このように設けられるオイル流出室74は、差動装置20とは連通しており、特に、差動装置20が有するデフリングギア22の一部は、吸込みパイプ56の近傍に位置している。
隔壁60は、これらのようにギア室70、熱交換室72、オイル流出室74を区画しているが、隔壁60によって区画されるこれらのギア室70、熱交換室72、オイル流出室74は、オイルの循環時には全てオイルが流れるように設けられている。このため、ギア室70、オイルクーラー30が配設される熱交換室72、吸込みパイプ56が配設されるオイル流出室74は、それぞれオイルの循環経路の一部として設けられている。
また、隔壁60は、ギア室70とオイル流出室74とを隔離しているが、隔壁60の一部には、バイパス部80が形成されている。このバイパス部80は、オイルクーラー30に沿って形成される隔壁60のうち、ギア室70とオイル流出室74とを直接隔てている部分に形成されている。換言すると、オイルクーラー30の2つの辺の近傍に配設されている隔壁60のうち、ギア室70とオイル流出室74とを直接隔てている部分を有する隔壁60は、バイパス部80を有するバイパス隔壁62として設けられている。
図3は、図2のB−B矢視図である。バイパス隔壁62に形成されるバイパス部80は、ギア室70とオイル流出室74とを連通する穴である開口部82と、バイパス隔壁62におけるオイル流出室74側に位置し、且つ、開口部82を開閉可能なゲート部84とを有している。このうち、開口部82は、ギア室70とオイル流出室74とを連通することにより、オイルクーラー30の上流側の循環経路であるギア室70と、オイル90の吸込み口58を有する吸込みパイプ56が配設されるオイル流出室74とを連通している。また、この開口部82は、少なくとも上端部分が、吸込み口58の上端部分よりも上方に位置するように形成されている。また、ゲート部84は、開口部82に対して相対的に上下方向に移動することが可能になっており、これにより、開口部82を開閉することができる。
また、ゲート部84には、オイル90よりも比重が軽い部材からなるフロート86が、当該ゲート部84と同様にオイル流出室74側に設けられている。フロート86は、このようにオイル90よりも比重が軽いため、オイル90の油面92に浮くことが可能になっており、ゲート部84は、油面92に浮くフロート86に応じて、上下方向における所定の範囲内において移動することが可能になっている。
詳しくは、ゲート部84は、開口部82に対して相対的に上方向に移動する場合は、開口部82を閉じた状態を維持できる位置で規制され、開口部82に対して相対的に下方向に移動する場合は、開口部82を完全に開いた状態になる位置で規制されている。ゲート部84は、この範囲で上下方向に移動可能に設けられている。なお、このようにゲート部84を上下方向に規制する手法は、例えば所定の部材同士を当接させることにより移動を規制する等、所望の位置で移動を規制することができれば、その手法は問わない。
これらのように、油面92に浮くフロート86を有すると共に、上下方向に移動可能なゲート部84は、吸込み口58周辺の油面92の高さに応じて高さが変化することにより、開口部82を開閉する。即ち、ゲート部84は、吸込み口58周辺の油面92に応じて開口部82を開閉する。また、バイパス部80は、ギア室70とオイル流出室74とを連通する開口部82と、吸込み口58周辺の油面92に応じて開口部82を開閉するゲート部84とを有することにより、吸込み口58周辺のオイル90の油面92が低下した場合に、オイルクーラー30の上流側のオイル90を、オイルクーラー30を介さずに吸込み口58側に供給することが可能になっている。
図4は、図2のC−C矢視図である。図5は、図4に示すオイルクーラーの斜視図である。熱交換室72には、オイルクーラー30が配設されているが、このオイルクーラー30は、金属等の熱伝導率が高い部材によって形成されている。また、オイルクーラー30は、当該オイルクーラー30を流れる冷却水が流入する冷却水入口32と、オイルクーラー30を流れた冷却水が流出する冷却水出口34とを有しており、これらの冷却水入口32と冷却水出口34とは、共に冷却水通路40に接続されている。具体的には、冷却水入口32と冷却水出口34とは、共にパイプ状の形状で形成されており、略平行な向きで設けられている。
また、オイルクーラー30は、冷却水入口32と冷却水出口34との間に位置して双方を接続する冷却水流路36を有している。この冷却水流路36は、所定の厚さを有する板状の形状で形成されており、厚さ方向が、冷却水入口32や冷却水出口34を冷却水が流れる際の流れ方向になる向きで、冷却水入口32と冷却水出口34とに接続されている。また、冷却水流路36は、内部が空洞になっており、この内部の空洞が、パイプ状に形成された冷却水入口32と冷却水出口34との双方の内部の空洞に連通している。
また、このように冷却水流路36が冷却水入口32と冷却水出口34とに接続されている部分は、略矩形状に接続される冷却水流路36における、1つの辺の方向の両端付近となっている。つまり、略矩形状の形状で形成される冷却水流路36は、詳しくは平面視における形状が略長方形になっており、冷却水流路36は、長方形の長手方向における両端部付近が、冷却水入口32と冷却水出口34とに接続されている。即ち、冷却水入口32には、冷却水流路36の長手方向における一端付近が接続されており、冷却水出口34には、冷却水流路36の長手方向における他端付近が接続されている。
このように設けられる冷却水流路36は、オイルクーラー30に複数設けられており、複数の冷却水流路36は、当該冷却水流路36の厚さ方向、即ち、冷却水が冷却水入口32や冷却水出口34を流れる際における流れ方向に、それぞれ離間して積層されている。この場合、複数設けられる冷却水流路36は、全て冷却水入口32と冷却水出口34との双方の内部に連通している。
さらに、積層される冷却水流路36同士の間には、冷却フィン38が設けられている。この冷却フィン38は、冷却水流路36同士の間における冷却水入口32側の端部付近と冷却水出口34側の端部付近との間にかけて、積層される冷却水流路36に頂点部分が接触しながら、ジグザグ状に形成されている。つまり、左右の両端に冷却水入口32と冷却水出口34とが位置する向きでオイルクーラー30を見た場合(図4参照)、複数の冷却水流路36は、所定の間隔をあけて上下方向に積層されており、冷却フィン38は、複数設けられるそれぞれの冷却水流路36同士の間に配設されている。このように、冷却水流路36同士の間に配設される冷却フィン38は、頂点部分が上下の冷却水流路36に接続されながら、冷却水入口32と冷却水出口34との間にかけてジグザグ状に形成されている。
このように設けられるオイルクーラー30が熱交換室72において設けられている向きは、冷却フィン38がジグザグ状に見える側の面が、オイル流出室74に面する向きで配設されている。また、オイルクーラー30の2つの辺の近傍に配設されている隔壁60のうち、一方の隔壁60は、オイルクーラー30におけるオイル流出室74に面している側の面の反対側に位置している。つまり、この隔壁60は、オイルクーラー30における冷却フィン38がジグザグ状に見える側の面に配設されている。このように、オイルクーラー30を挟んでオイル流出室74の反対側に配設される隔壁60は、オイル90の流れ方を調整する流量調整隔壁64として設けられており、バイパス隔壁62に接続されている。換言すると、流量調整隔壁64は、ギア室70側から、オイルクーラー30に沿って延びて形成されている。
この実施形態に係るオイル循環構造は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。動力伝達装置1を搭載する車両の走行時には、エンジンや、MG1、MG2で発生した動力が、動力伝達装置1が有するギア類を含む動力伝達経路を介して駆動輪に伝達され、駆動輪で駆動力を発生することにより走行する。また、このようにエンジンで発生した動力の一部はオイルポンプ50に伝達され、オイルポンプ50は、エンジンから伝達された動力によって作動し、オイル90を循環させる。
オイルポンプ50の作動時のオイル90の流れについて説明すると、オイルポンプ50が作動した場合、オイルポンプ50は、オイルポンプ50の上流側のオイル90を吸引し、下流側に圧送する。オイルポンプ50の上流側は、オイル通路52を介して動力伝達装置1のオイル流出部54に接続されている。さらに、オイル流出部54は、動力伝達装置1のケース10に設けられるオイル流出室74に配設される吸込みパイプ56の端部が接続されている。このため、オイルポンプ50が作動した場合には、オイル流出室74内のオイル90が、吸込みパイプ56の吸込み口58から吸い込まれてオイルポンプ50の方向に流れる。
オイルポンプ50に流れたオイル90は、オイルポンプ50によってオイルポンプ50の下流側に圧送され、動力伝達装置1のケース10内に戻される。ケース10内に戻されたオイル90は、動力伝達装置1が有するギア類や軸受部分を潤滑する。また、吸込みパイプ56が配設されるオイル流出室74は、ケース10内の比較的下方に設けられている。このため、オイルポンプ50によってケース10内に戻されたオイル90は、各部を潤滑した後、下方に流れ、オイル流出室74に流れる。このように、オイル流出室74に流れたオイル90は、オイルポンプ50が作動することによって吸込みパイプ56の吸込み口58から吸引され、再びオイルポンプ50によって圧送される。これにより、オイル90は動力伝達装置1を循環する。
オイルポンプ50が作動することによってオイル90が循環する場合には、このようにオイル流出室74内のオイル90が吸込みパイプ56の吸込み口58から吸い込まれながら循環するが、オイル流出室74には、オイルクーラー30が配設される熱交換室72が隣接しており、ギア類が設けられるギア室70とオイル流出室74との間には、熱交換室72が介在している。つまり、オイル90をオイルポンプ50側に流すオイル90の吸込み口58は、循環するオイル90の流れ方向における熱交換室72の下流側に開口しており、ギア室70は、この熱交換室72の上流側に位置している。このため、吸込み口58からオイル90を吸引することにより、ギア室70側からオイル流出室74にオイル90が流れる場合には、熱交換室72を通ることになり、即ち、ギア室70側からのオイル90は、オイルクーラー30を通過してオイル流出室74に流れることになる。
このように、オイルクーラー30を通過してオイル90がギア室70側からオイル流出室74に流れる場合について説明すると、オイルクーラー30がオイル流出部54に面している側の面は、冷却フィン38がジグザグ状に見える側の面になっている。このため、オイルクーラー30を通過してオイル90がギア室70側からオイル流出室74側に流れる場合には、オイル90は、積層される冷却水流路36の上側や下側を通過すると共に、冷却フィン38と冷却水流路36とによって形成された空間部分も通過して流れる。これにより、一部のオイル90は、冷却フィン38や冷却水流路36に接触しながら流れる。
オイル90の循環時には、オイル90はこのようにオイルクーラー30を通過するが、オイルクーラー30には、冷却水通路40が接続されている。つまり、オイルクーラー30には、冷却水入口32と冷却水出口34とが設けられており、冷却水通路40は、冷却水入口32と冷却水出口34とに接続されている。
このように、オイルクーラー30に接続される冷却水通路40には、エンジンの運転時にエンジンを冷却する冷却水が流れているため、オイルクーラー30にも、冷却水通路40を通じて冷却水が流れる。オイルクーラー30に冷却水が流れる場合には、冷却水入口32から流入して冷却水入口32から冷却水流路36に流れ、冷却水出口34から冷却水通路40に流れることにより、冷却水はオイルクーラー30を流れる。このため、冷却水がオイルクーラー30を流れる場合には、冷却水は、冷却水流路36の内側を流れる。
一方、オイルポンプ50が作動することによるオイル90の循環時に、循環するオイル90がオイルクーラー30を通過する場合には、オイル90は、積層される冷却水流路36の上下の部分や、冷却フィン38と冷却水流路36とによって形成された空間部分を通過し、一部のオイル90は冷却フィン38や冷却水流路36に接触しながら流れる。このため、冷却水流路36は、内側に冷却水が流れ、外側にオイル90が流れる状態になる。
ここで、オイル90と冷却水との温度を比較すると、オイルクーラー30に流れるオイル90は、動力伝達装置1が有するギア類や軸受部分を潤滑した後のオイル90になっている。ギアによって動力を伝達する場合や、回転する回転軸を軸受で支持する場合、摩擦熱によって温度が上昇する。このため、これらの部分を潤滑するオイル90も温度が上昇し、オイルクーラー30には、このように各部を潤滑して温度が高くなった後のオイル90が流れる。従って、オイルクーラー30には、温度が高い状態のオイル90が流れる。
一方、オイルクーラー30に流れる冷却水の循環経路には、ラジエータ(図示省略)が設けられており、冷却水は、このラジエータによって温度を低下させられながら循環している。このため、オイルクーラー30に流れる冷却水も比較的温度が低い状態で流れ、車両の走行時には、少なくともオイルクーラー30に流れるオイル90よりも温度が低い状態で流れる。
このため、オイルクーラー30の冷却水流路36は、外側には温度が高いオイル90が流れ、内側には相対的に温度が低い冷却水が流れる状態になる。また、オイルクーラー30は、金属等の熱伝導率が高い部材によって形成されているため、このように冷却水流路36の外側と内側とで温度差がある場合には、熱交換が行われる。具体的には、相対的に温度が高いオイル90から、冷却水流路36を介して冷却水に熱が伝達される。これにより、オイル90の温度は低下し、冷却水の温度は上昇する。
さらに、オイルクーラー30には、冷却水流路36に接続される冷却フィン38が設けられており、オイルクーラー30を通過するオイル90の一部は、この冷却フィン38に接触しながら流れる。このため、冷却フィン38に接触しながら流れるオイル90の熱は、冷却フィン38と冷却水流路36とを介して冷却水に伝達される。これらのように、温度差を有するオイル90と冷却水とは、冷却フィン38と冷却水流路36とを介して熱交換を行い、オイル90の温度は低下して冷却水の温度は上昇する。
オイルクーラー30で熱交換を行うことにより温度が低下したオイル90は、オイルポンプ50の吸引力によりオイル流出室74に流れて吸込み口58から吸込みパイプ56に吸い込まれ、温度が低くなった状態でオイルポンプ50によって圧送され、再び動力伝達装置1に戻って各部を潤滑する。一方、オイルクーラー30の冷却水流路36で熱交換を行った冷却水は、冷却水入口32からオイルクーラー30に流入する場合よりも温度が高くなった状態で冷却水出口34から流出し、冷却水通路40を流れて、ラジエータで冷却される。
オイルポンプ50が作動することにより、オイル90がギア室70側からオイル流出室74の方向に流れる場合には、このようにオイルクーラー30を通過しながら流れるが、オイルクーラー30におけるオイル流出室74の反対側には、流量調整隔壁64が設けられている。この流量調整隔壁64は、バイパス隔壁62に接続されており、ギア室70側から延びて形成されている。
このため、オイル90がギア室70から熱交換室72を通ってオイル流出室74に流れる場合には、ギア室70からオイルクーラー30に直接流れず、オイル90は、流量調整隔壁64におけるギア室70側の端部の反対側の端部まで流れた後、オイルクーラー30と流量調整隔壁64との間の部分からオイルクーラー30に流れる。これにより、オイルクーラー30には、流量調整隔壁64の形成方向においてオイル90が均等に流れる。
オイルポンプ50が作動することによりオイル90が循環する場合には、このように吸込みパイプ56によってオイル流出室74内のオイル90を吸い込むことにより、オイル90の循環を行うが、ギア室70側からオイル流出室74にオイル90が流れる場合には、オイル90は、オイルクーラー30を通過してから流れる。また、オイルクーラー30は、積層された冷却水流路36間をオイル90が流れる場合には、冷却フィン38と冷却水流路36とによって形成された空間部分のみ、オイル90が通過可能に設けられている。また、ギア室70側からオイルクーラー30にオイル90が流れる場合は、オイルクーラー30と流量調整隔壁64との間の部分からのみ、流れることが可能になっている。これらにより、ギア室70側から熱交換室72を通過してオイル流出室74にオイル90が流れる際における抵抗は、比較的高くなっている。
このため、オイル流出室74に設けられる吸込みパイプ56からオイル流出室74内のオイル90を吸い込んだ場合、熱交換室72のオイルクーラー30を通過してオイル流出室74に流れるオイル90の流量よりも、吸込みパイプ56で吸い込むオイル90の量の方が多くなる場合ある。この場合、オイル流出室74内のオイル90の油面92が低下する場合がある。
図6は、図3のゲート部が開いた場合の説明図である。オイルポンプ50を作動させてオイル90を循環させた場合に、オイル流出室74内のオイル90は、このように油面92が低下する場合があるが、オイル流出室74内には、オイル90を吸い込む吸込みパイプ56が配設されている。このため、オイル流出室74内のオイル90の油面92が低下し、油面92が吸込みパイプ56の吸込み口58の上端より低下した場合、吸込みパイプ56にエアが流入し、オイルポンプ50でエアを吸い込んでしまう場合があるが、ギア室70とオイル流出室74とを直接隔てている部分を有するバイパス隔壁62には、バイパス部80が設けられている。
このバイパス部80は、ギア室70とオイル流出室74とを連通する開口部82と、上下方向に移動することにより開口部82を開閉可能なゲート部84と、を有している。また、ゲート部84は、バイパス隔壁62におけるオイル流出室74側に位置しており、油面92に浮くフロート86を有している。このため、オイル流出室74内のオイル90の油面92が、バイパス部80が位置している付近で変化した場合には、油面92の変化に伴ってフロート86の高さが変化し、ゲート部84の高さが変化する。これにより、ゲート部84は、油面92の変化に伴って開口部82に対する相対的な位置が、所定の範囲内において変化し、開口部82を開閉する。つまり、ゲート部84は、吸込み口58周辺側の油面92の高さが、ゲート部84が開口部82を完全に閉じることができる高さよりも高い場合には開口部82を閉じ、吸込み口58周辺側の油面92の高さが、ゲート部84が開口部82を完全に閉じることができる高さよりも低下した場合には開口部82を開く。
具体的に説明すると、オイル流出室74内のオイル90の油面92が上昇した場合には、ゲート部84は、油面92に浮くフロート86と共に上昇するが、ゲート部84は、上方向への移動は、開口部82を閉じた状態を維持できる位置で規制されている。このため、ゲート部84は、開口部82を閉じた状態になり、ギア室70とオイル流出室74とを遮断する(図3参照)。
これに対し、オイル流出室74内のオイル90の油面92が低下した場合には、油面92に浮くフロート86と共にゲート部84も低下するが、ゲート部84は、下方向への移動は、開口部82を完全に開いた状態になる位置で規制されている。このため、ゲート部84は、開口部82を開いた状態になり、開口部82は、ギア室70とオイル流出室74とを連通する(図6参照)。この場合、ギア室70内のオイル90は、開口部82を通って、オイル流出室74内に流入する。
このように、オイルポンプ50を作動させてオイル90を循環させる場合に、オイル90がオイルクーラー30を流れる際の抵抗に起因して、オイル流出室74内のオイル90の油面92が低下した場合には、油面92の低下に応じて、ゲート部84が開口部82を開く。これにより、ギア室70内のオイル90は、オイルクーラー30を介さずに、開口部82を通って直接オイル流出室74内に流入する。従って、オイル流出室74内のオイル90の量は増加し、油面92は上昇するため、オイル流出室74内の油面92は、吸込みパイプ56の吸込み口58の上端よりも高い状態が維持される。
本実施形態に係るオイル循環構造を備える動力伝達装置1では、エンジンで発生する動力によって車両が走行している場合には、オイルポンプ50がエンジンの動力によって作動することによりオイル90を循環するが、この車両は、MG1とMG2とを備えるハイブリッド車となっている。このため、エンジンを停止し、MG1やMG2で発生する動力によって走行する場合がある。
このため、このようにエンジンを停止した場合には、オイルポンプ50によってオイル90を循環させることができなくなってしまうが、ケース10内に設けられるオイル流出室74は、差動装置20とは連通している。また、この差動装置20は、車両の走行時に動力を発生する動力源に関わらず、車両が走行している場合には回転する。このため、エンジンが停止することによりオイルポンプ50が停止している場合でも、MG1やMG2で発生する動力によって車両が走行している場合には、差動装置20が回転することにより、オイル流出室74付近のオイル90は差動装置20によって掻き揚げられる。
つまり、差動装置20は、オイル流出室74と共にケース10内における下方に設けられているため、ケース10内のオイル90は、差動装置20の近傍に溜まり易くなっている。このため、差動装置20が回転して、差動装置20の近傍に溜まったオイル90を掻き揚げることにより、ケース10の他のギア類や軸受部分等にオイル90が供給される。このように、差動装置20で掻き揚げられることにより、各部に供給されたオイル90は、ケース10内を落下してギア室70に流れる。
一方、差動装置20と連通しているオイル流出室74内のオイル90は、差動装置20がオイル90を掻き揚げることにより、オイル流出室74内のオイル90の量が低減し、油面92が低下する。このため、ギア室70とオイル流出室74とで、油面92の高さに差が生じ、オイル流出室74内のオイル90の油面92よりも、ギア室70内のオイル90の油面92の方が高くなる。このため、双方の油面92の高さが同じ程度になるまで、ギア室70からオイル流出室74の方向にオイル90が流れる。
その際に、オイル90は熱交換室72に配設されるオイルクーラー30を通過するため、オイル90は、オイルクーラー30で冷却水との間で熱交換を行う。このため、オイル流出室74には、熱交換を行って温度が低下した後のオイル90が流れる。このように、温度が低下した状態でオイル流出室74に流れたオイル90は、差動装置20で掻き揚げられ、ケース10内の各部に供給される。
以上のオイル循環構造は、オイルクーラー30を熱交換室72に配設しているので、オイルクーラー30の大きさの制約を低減することができ、オイルクーラー30におけるオイル90の流路を確保してオイル90の流れ易さを確保することができる。また、オイルクーラー30の上流側に位置するギア室70と、オイル90の吸込み口58が位置するオイル流出室74との間に位置するバイパス隔壁62に、バイパス部80を設けているので、吸込み口58周辺のオイル90の油面92が低下した場合に、ギア室70のオイル90を直接オイル流出室74側に供給することができる。これにより、オイル流出室74内の油面92が低下しすぎることを抑制でき、吸込み口58周辺のオイル90の油面92の高さが、吸込み口58よりも低くなることを抑制できる。従って、オイルポンプ50を作動させてオイル90を循環させる場合に、吸込み口58からエアを吸い込むことを抑制できる。これらの結果、オイル90を冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルポンプ50のエアの吸い込みを抑制することができる。
また、バイパス部80は、ギア室70とオイル流出室74とを連通する開口部82と、オイル流出室74の油面92に応じて開口部82を開閉するゲート部84と、を備えているため、オイル流出室74の油面92の高さを調節する際に、アクチュエータや制御装置を用いることなく調節することができる。これにより、オイル90の循環時におけるオイル流出室74の油面92の高さを、容易に調節することができる。この結果、オイル90の循環時におけるオイルポンプ50のエアの吸い込みを、容易に抑制することができる。
また、ゲート部84は、吸込み口58周辺の油面92の高さに応じて高さが変化することにより、開口部82を開閉するので、オイル90の循環時にオイル流出室74の油面92が変動する場合でも、オイル流出室74の油面92の高さに応じて、オイル90をギア室70からオイル流出室74に流すことができる。これにより、吸込み口58が位置するオイル流出室74の油面92の高さを、容易に、且つ、確実に調節することができる。この結果、オイル90の循環時におけるオイルポンプ50のエアの吸い込みを、容易に、且つ、確実に抑制することができる。
また、ゲート部84は、吸込み口58周辺側の油面92が所定の高さよりも高い場合には開口部82を閉じ、吸込み口58周辺の油面92が所定の高さよりも低下した場合に開口部82を開くことにより、開口部82の開度を、オイル流出室74内のオイル90の油面92の高さに応じた、適切な開度にすることができる。この結果、オイル90の循環時におけるオイルポンプ50のエアの吸い込みを、より確実に抑制することができる。
また、ゲート部84は、オイル90よりも比重が軽い部材からなるフロート86を備えることにより、吸込み口58周辺の油面92の高さに応じて、開口部82に対する相対的な高さを変化させることができる。これにより、より容易に、吸込み口58周辺の油面92の高さに応じて開口部82を開閉することができる。この結果、オイル90の循環時におけるオイルポンプ50のエアの吸い込みを、より容易に抑制することができる。
また、オイル流出室74は、差動装置20と連通しているため、車両の走行時には、差動装置20が回転することにより、オイル流出室74付近のオイル90を差動装置20で掻き揚げることができる。これにより、オイルポンプ50が停止した場合でも、差動装置20で掻き揚げたオイル90を各部に供給することができ、オイル90を循環させることができる。これにより、オイルポンプ50の作動状態に関わらず、オイル90を循環させることができる。
特に、実施形態に係るオイル循環構造を備える動力伝達装置1では、オイルポンプ50はエンジンで発生した動力によって作動し、また、この動力伝達装置1を搭載する車両は、エンジンを停止してMG1やMG2で発生する動力のみによっても走行可能になっている。このため、車両の走行時には、エンジンを停止する場合があるが、エンジンの停止に伴ってオイルポンプ50が停止した場合でも、オイル90を循環させることができる。この結果、車両の走行状態に関わらず、オイル90を循環させることができる。
また、オイルクーラー30は、ケース10の比較的下方に設けられているため、オイルポンプ50が停止し、差動装置20でオイル90を掻き揚げることによってオイル90が循環する場合でも、ケース10内をオイル90が落下することにより、オイル90はオイルクーラー30を通過し易くなる。これにより、オイルポンプ50を停止させた場合でも、オイルクーラー30によってオイル90を冷却することができる。この結果、車両の走行状態に関わらず、オイル90を冷却することができる。
図7は、実施形態に係るオイル循環構造の変形例を示す概略図である。なお、上述した動力伝達装置1では、流量調整隔壁64はオイルクーラー30に沿って形成されているが、流量調整隔壁64は、これ以外の形状で形成されていてもよい。例えば、図7に示すように、流量調整隔壁64は、ギア室70から離れるに従ってオイルクーラー30から離れ、オイルクーラー30との間の間隔が大きくなるように形成されていてもよい。つまり、オイル90がギア室70からオイルクーラー30に流れる場合には、オイル90は、流量調整隔壁64におけるギア室70側の端部の反対側の端部まで流れた後、オイルクーラー30と流量調整隔壁64との間の部分からオイルクーラー30に流れる。このため、オイルクーラー30の形態や、配設されている状態等に応じて、流量調整隔壁64とオイルクーラー30との間隔を調節することにより、オイルクーラー30を流れるオイル90の流量を、オイルクーラーの30の状態に適した流量にすることができる。これにより、動力伝達装置1を循環させるオイル90を、より効率よく冷却することができる。
また、上述した動力伝達装置1では、熱交換室72の下流側に開口し、オイル90をオイルポンプ50側に流すオイル90の吸込み口58は、オイル流出室74に配設される吸込みパイプ56の端部に形成されているが、吸込み口58は、吸込みパイプ56の端部以外に形成されていてもよい。吸込み口58は、例えば、オイル流出室74の内壁に直接開口していてもよい。吸込み口58は、熱交換室72の下流側、つまり、オイルクーラー30の下流側に位置して、吸込み口58の周辺のオイル90をオイルポンプ50側に流すことができれば、その形態は問わない。
また、上述した動力伝達装置1では、オイルクーラー30は、積層される冷却水流路36同士の間に冷却フィン38がジグザグ状に形成されることにより設けられているが、オイルクーラー30は、これ以外の形態で形成されていてもよい。オイルクーラー30は、ケース10内に配設した状態でオイル90の冷却を行うことができる形態であれば、その形態は問わない。
また、上述した動力伝達装置1は、車両の走行時における動力源としてエンジンと電動機とを併用するハイブリッド車で使用され、これらの動力源で発生した動力を伝達する動力伝達装置1となっているが、動力源は、これ以外のものでもよい。例えば、一般的な車両のように動力源としてエンジンのみを使用し、エンジンで発生した動力を駆動輪側に伝達する変速装置等の動力伝達装置でもよい。このように、動力伝達装置で伝達する動力がエンジンの動力のみの場合でも、実施形態に係るオイル循環構造のような循環構造を備えることにより、オイル90を冷却する際におけるロスを低減しつつ、オイルポンプ50のエアの吸い込みを抑制することができる。
以上のように、本発明に係るオイル循環構造は、各部の潤滑等に用いられるオイルを、オイルクーラーで冷却しながら循環させる循環構造に有用であり、特に、オイルをポンプによって循環させる場合に適している。
1 動力伝達装置
10 ケース
30 オイルクーラー
36 冷却水流路
50 オイルポンプ
54 オイル流出部
56 吸込みパイプ
58 吸込み口
60 隔壁
70 ギア室
72 熱交換室
74 オイル流出室
80 バイパス部
82 開口部
84 ゲート部

Claims (4)

  1. オイルと冷却媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
    前記熱交換器が配設されると共に前記熱交換器で熱交換を行う前記オイルが流れる熱交換室と、
    前記熱交換室を含む前記オイルの循環経路に配設され、前記オイルを循環させるオイルポンプと、
    循環する前記オイルの流れ方向における前記熱交換室の下流側に開口すると共に、前記オイルを前記オイルポンプ側に流す前記オイルの吸込み口と、
    前記吸込み口周辺の前記オイルの油面が低下した場合に、前記熱交換器の上流側の前記オイルを、前記熱交換器を介さずに前記吸込み口側に供給するバイパス部と、
    を備えることを特徴とするオイル循環構造。
  2. 前記バイパス部は、前記熱交換器の上流側の前記循環経路と前記吸込み口とを連通する開口部と、前記吸込み口周辺の前記油面に応じて前記開口部を開閉するゲート部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のオイル循環構造。
  3. 前記ゲート部は、前記吸込み口周辺の前記油面の高さに応じて高さが変化することにより、前記開口部を開閉することを特徴とする請求項2に記載のオイル循環構造。
  4. 前記ゲート部は、前記吸込み口周辺側の前記油面が所定の高さよりも高い場合には前記開口部を閉じ、前記吸込み口周辺側の前記油面が前記所定の高さよりも低下した場合に前記開口部を開くことを特徴とする請求項2または3に記載のオイル循環構造。
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