JP2012096522A - マイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型の製造方法 - Google Patents

マイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流路に深いところと浅いところがあり、流路の側面や段差面に傾斜面を形成することができるマイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型を製造すること。
【解決手段】支持基板T上に第1のレジストR1を塗布した被照射物Wを、露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物Wを回転させ、第1のマスクパターンMP1を形成したマスクM1を介して露光光を照射する。ついで、露光後の第1のレジストR1上に第2のレジストR2を塗布し、必要に応じて、第1のマスクパターンMP1とは異なる第2のマスクパターンMP2を形成したマスクM2とのアライメントを行い、このマスクM2を介して露光光を照射する。そして、現像により第1のレジストR1,R2の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去してマイクロチップ構成体を作製する。また、上記現像した部材に電鋳処理を施してマイクロチップ製造用金型を作製する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、化学分析やその他の化学操作において液体の操作等に用いられるマイクロチップを構成するために使用されるマイクロチップ構成体の製造方法およびこのようなマイクロチップの製造に使用されるマイクロチップ製造用金型の製造方法に関する。
フォトリソグラフィ技術は、微細なパターンを形成する技術としてLSI(大規模集積回路)を中心として、電気回路、半導体素子のほか、ディスプレイなどの様々な用途に使用されている。特に、最近では、ナノテクノロジ技術の進歩に伴い、半導体集積回路作製技術を応用することにより、MEMS(Micro Electro MechanicalSystems)への応用が広がっている。MEMSとは、機械要素部品、センサー、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料等の上に集積したデバイスをいう。
上述したMEMSの応用として、化学分析やその他の化学操作等において液体の操作等に用いられるマイクロチップが知られている。
例えば、非特許文献1には、マイクロチップにおける流体制御、マイクロチップの分析化学、合成化学等への応用等について記載されている。また、特許文献1,2には、マイクロチップにおける流体の混合、制御などについて記載されている。
このようなマイクロチップは、互いに微細な流路や被検査液を充填するための液体槽のパターンが形成された複数のチップ基板を貼り合わせるか、若しくは、流路や液体槽のパターンが形成された一方のチップ基板と、流路等が形成されていない平板状の他方のチップ基板とを貼り合わせることによって形成される。
かかるマイクロチップを構成するための所定の流路や液体槽のパターンが形成されたマイクロチップ構成体は、例えば、レジストが塗布された基板に対し、マスクパターンを有するフォトマスクを介して露光光を照射し、現像することにより作製することができる。
また、上記のように形成されたマイクロチップ構成体を用いて、所定の流路や液体槽のパターンが形成されたマイクロチップ形成用の金型を作製し、この金型を使用してプラスチック成形を行うことによって作製することもできる。
例えば特許文献3には、レジストが塗布された基板に対し、マスクパターンを有するフォトマスクを介して垂直方向から露光光を照射し、該レジストの非露光領域を現像液で溶解して除去することによって流路などのパターンを形成し、現像後の基板およびレジスト上に電気鍍金により金属板を形成した後、該金属板を基板およびレジストから剥離し、かかる方法によって得られた流路パターンを有する金属板を、マイクロチップ形成用の金型として使用することが記載されている。
また、特許文献3には、上記のようにして作製した金型に周知の樹脂成形法、例えば、熱可塑性のプラスチック板を加熱下で押圧するホットプレスを適用することにより、凹部パターンを有するマイクロチップを形成することができることが記載されている。
特開2002−346355号公報 特開2006−71388号公報 特開2007−62253号公報
上野雅晴 他2「マイクロ化学」、表面科学、特集!MEMS MEMSの最前線、社団法人 日本表面科学会、2005年、Vol.26,No.2,pp.74−81
非特許文献1、特許文献1,2に記載されるように、マイクロチップに形成された流路(以下、マイクロ流路という)には微量な流体が導入され、混合・分離等の操作が行われる。
このような操作の一つとして、例えば非特許文献1に記載されるように、マイクロ流路にダム構造(凹所)を形成し、そこにビーズをせき止め、ビーズ表面を反応場として利用することにより反応操作の効率化を図ることが行われる。
また、特許文献1,2に記載されるように、複数種類の液体を効果的に混合したり、測定用に液体を収束させるため、マイクロ流路に突起を設けることが行われている。
以上のような操作を行うためには、マイクロ流路内には、ダムの役割を果たすための液溜まり、或いは反応表面積をかせぐためのビーズを充填するための凹所等の、他の流路から一段深くなった液槽を形成したり、突起を設けることが必要である。
しかしながら、マイクロ流路の深い場所と浅い場所の境界部における段差が底面に対して直角であると、渦等が発生しやすく、液が円滑に循環しない場合が生じたり、底面角部に泡が溜まりやすく、これが測定等に誤差が生ずる原因となる。すなわち、単にマイクロ流路の深さを変えるだけでは、必ずしも円滑な液体操作を行うことができない恐れがある。
このような問題を解決するためには、深さが異なるマイクロ流路の境界部に傾斜面を形成することが望ましい。
また、前記したようにマイクロチップ形成用の金型を作製し、この金型を使用してプラスチック成形を行ってマイクロチップを製造する場合には、プラスチック成形品を金型から離型する型抜作業を容易にするため、金型の凸状部の側面を該金型の基板の法線方向に対して傾斜させ、該凸状部の幅が該凸状部の頂部に向かうに従い次第に縮小するものとすることが望ましい。
前述した特許文献3に記載の製造方法では、流路(溝)の深さが一定のマイクロチップしか作製することができず、また、レジストが塗布された基板に対し、基板の法線方向に対して垂直方向から露光光を照射しているため、流路パターンの断面が矩形状になり、流路に傾斜面を形成することができない。
本発明は上記した問題点を解決するものであって、マイクロチップの流路に深いところと浅いところを形成することができ、また、マイクロチップの流路の側面や段差面に傾斜面を形成することができるマイクロチップ構成体の製造方法およびマイクロチップ製造用金型の製造方法を提供することである。
本発明においては、マイクロ流路の深さを変えるため、それぞれ異なるマスクパターンを介して露光工程を2回実施する。具体的には第1のマスクパターンを有する第1のマスク、および第1のマスクパターンとは異なる第2のマスクパターンを有する第2のマスクを使用し、第1のマスクを介して第1のレジストに光を照射し、次いで、第2のマスクを介して第2のレジストに光を照射する。
また、マイクロ流路に傾斜面を形成するため、特に第1の露光工程においては、被照射物を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させながら、マスクパターンを形成したマスクを介して該被照射物に露光光を照射する。
ここで、マイクロ流路、並びにマイクロ流路内の液槽および突起のパターンを高精度に形成する場合には、第1のマスクを介して第1のレジストに転写される第1のマスクパターンと、第2のマスクを介して第2のレジストに転写される、第1のマスクパターンと異なる第2のマスクパターンとを高精度に位置合わせする必要がある。
このため、本発明においては、第2のマスクを被照射物の第2のレジストに対して、次のようにして精度良くアライメントする。
第1の露光工程において、第1のアライメントマークパターンを有する第1のマスクを介して第1のレジストに露光光を照射して露光するとともに、第1のレジストに第1のアライメントマークを現出させる。この場合、第1のレジストは、露光光の照射により変色する特性を有するものを使用する。
これにより、第1の露光工程後は、第1のレジストは、第1のマスクの第1のアライメントマークパターンに対応する箇所の色彩が、その他の箇所の色彩と異なるため、第1のレジスト上に第1のアライメントマークが現出する。第1のレジスト上に塗布された第2のレジストは、第1のアライメントマークを視認できる程度に透明である。第2のマスクの被照射物に対して位置合わせするアライメント工程は、第2のレジスト越しに、第1のレジストに現出した第1のアライメントマークを視認し、第2のマスクの第2のアライメントマークの位置を第1のアライメントマークの位置と一致させることによって行われる。このようにして、マイクロ流路、並びにマイクロ流路内の液槽および突起のパターンを精度良く形成することができる。
すなわち、本発明においては、以下のようにしてマイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型を製造する。
(1)支持基板上に第1のレジストを塗布し、該支持基板上に該第1のレジストが塗布されてなる被照射物を、露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させ、第1のマスクパターンを形成したマスクを介して該被照射物の第1のレジストに露光光を照射する。ついで、該被照射物の第1のレジスト上に第2のレジストを塗布し、第1のマスクパターンとは異なる、第2のマスクパターンを形成したマスクを介して該第2のレジストに露光光を照射する。そして、該第1のレジストおよび第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去してマイクロチップ構成体を製造する。
(2)上記(1)のマイクロチップ構成体の製造において、第1の露光工程で、前記被照射物の第1のレジストに露光光を照射して露光するとともに、前記第1のレジストに複数の第1のアライメントマークを現出させ、第2の塗布工程において、前記第1のレジストに現出された前記第1のアライメントマークを視認可能な程度に透明な第2のレジストを塗布する。
次に、アライメント工程を設けて、前記第1のマスクパターンとは異なる第2のマスクパターン、および複数の第2のアライメントマークを形成した第2のマスクを、該第2のアライメントマークおよび前記第1のレジストに現出した第1のアライメントマークに基づき、該第2のマスクを前記被照射物に対して位置決めする。すなわち、前記第1のレジストに現出された第1のアライメントマークを前記第2のレジスト越しに視認し、該第1のアライメントマークの位置と、前記第2のマスクの第2のアライメントマークの位置とを一致させる。
次いで(1)と同様に、第2の露光工程において、前記第2のマスクを介して前記第2のレジストに露光光を照射する。そして、前記第1のレジストおよび前記第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去する。
(3)上記(1)のようにして形成した第1のレジストおよび該第2のレジスト上に電鋳処理を行い金属板を形成し、該金属板を、該第1のレジスト、該第2のレジストおよび該支持基板から剥離することによりマイクロチップ製造用金型を製造する。
(4)上記(2)のようにして形成した第1のレジストおよび該第2のレジスト上に電鋳処理を行い金属板を形成し、該金属板を、該第1のレジスト、該第2のレジストおよび該支持基板から剥離することによりマイクロチップ製造用金型を製造する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)第1のマスクパターンを有する第1のマスク、および第1のマスクパターンとは異なる第2のマスクパターンを有する第2のマスクを使用し、第1のマスクを介して第1のレジストに光を照射し、次いで、第2のマスクを介して第2のレジストに光を照射して、マイクロチップ構成体を製造しているので、深いところや浅いところがあるマイクロ流路を有するマイクロチップ構成体や、このようなマイクロ流路を持つマイクロチップ製造するための金型をフォトリソグラフィ技術を用いて、比較的容易に製造することができる。
そして、このようにして製造したマイクロ流路を有するマイクロチップを用いることにより、反応・混合・分離等の液体の操作を効果的に行うことが可能となる。
(2)レジストを塗布した基板を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該基板をその法線方向を軸として回転させながら、パターンを形成したマスクを介して該レジストに露光光を照射して露光する、いわゆる回転傾斜露光方法を利用することで、マイクロ流路の側面や段差面に傾斜面を形成することができる。
このようにして製造したマイクロ流路を有するマイクロチップを用いることにより、円滑な液体操作を行うことが可能となる。
(3)第1の露光工程で、前記第1のレジストに複数の第1のアライメントマークを現出させ、第2の塗布工程において、前記第1のレジストに現出された前記第1のアライメントマークを視認可能な程度に透明な第2のレジストを塗布し、アライメント工程において、アライメントマークを形成した第2のマスクを、該第2のマスクのアライメントマーク及びおよび前記第1のレジストに現出した第1のアライメントマークに基づき位置決めしているので、第1のマスクパターンと第2のマスクパターンとを高精度に位置合わせすることができ、マイクロ流路、並びにマイクロ流路内の液槽および突起のパターンを精度良く形成することができる。
本発明の回転傾斜露光を実行するための回転傾斜露光装置の概略構成を示す図である。 回転傾斜露光装置による露光プロセスを説明する図である。 本発明の第1の実施例を示す図である。 アライメントが精度よく行われなかった場合の問題点を説明する図である。 本発明のマイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型の製造方法におけるアライメント工程を説明するための図である。 回転傾斜露光を行わない場合のアライメントおよび露光を行うための装置の構成例を示す図である。 アライメント顕微鏡により観察されるアライメントマーク画像を示す図である。 回転傾斜露光を行う場合のアライメント機構の構成例を示す図である。 作製されたマイクロチップ製造用の金型の一例を示す図である。 作製されたマイクロチップの構成例を示す図である。 アライメントマークの形状が井桁状の場合を示す図である。 第2のアライメントマークを、第1のアライメントマークよりも大きくした場合を示す図である。 第1の実施例の変形例(1)を示す図である。 第1の実施例の変形例(2)を示す図である。 本発明の第2の実施例を示す図である。
図1は、本発明のマイクロチップ構造体あるいはマイクロチップ製造用金型を製造するための回転傾斜露光を実行するための回転傾斜露光装置の概略構成を示す図である。
光出射部10は、光源としてのショートアーク型のランプ1、楕円集光鏡2、第1の平面鏡3、インテグレータレンズ4、シャッタ5、第2の平面鏡6、コリメータレンズ7などを備える。
ランプ1は露光光(紫外線)を含む光を出射する。ランプ1から出射した露光光Lは、楕円集光鏡2により反射されて集光され、第1の平面鏡3を介してインテグレータレンズ4に入射する。インテグレータレンズ4から出射した光は、シャッタ5、第2の平面鏡6を介してコリメータレンズ7に入射し、コリメータレンズ7によって平行光となって光出射部10から出射する。
回転ステージ部11は、被照射物Wを載せる回転ステージ11aと、このステージ11aを回転させる回転モータ11bを有する。回転モータ11bの回転軸11cは、回転ステージ11aの中心に接続されている。回転モータ11bが動作すると、回転軸11cを介して回転ステージ11aが回転する。
回転ステージ部11は、光出射部10から出射する光の光軸に対して斜めに配置される。
回転ステージ11aに載せる被照射物Wは、支持基板T上にレジストRを塗布すると共に、該レジストR上にパターンが形成されたマスクMが密着するように配置されたものであり、光出射部10から出射される露光光Lの入射方向に対して傾斜して配置される。
被照射物Wを上記回転モータ11bによってマスクMおよび支持基板Tの法線方向を軸として回転させながら、光出射部10から出射する露光光LをマスクMを介してレジストRに照射する。
図2は上記の回転傾斜露光装置による露光プロセスを説明する図である。
図2(a)は、露光を開始した時点の状態を示す図である。マスクMの黒い部分はパターンが形成され光が透過されない部分である。レジストRのハッチングの部分は光が照射されて露光されている部分である。上記したように、マスクMを光が入射する側に向けておいた被照射物Wに対して、斜めに光が照射されるので、レジストRは傾斜して露光される。
図2(b)は被照射物Wが、同図(a)の状態から180°回転した状態を示す図である。レジストRの露光された領域が増え、露光されない領域は、マスクMのパターンを底辺として徐々に細くなる。
図2(c)は、被照射物Wを1回転させて露光を終え、現像した状態を示す図であり、レジストRのマスクMに密着していた面を上にして示している。
使用したレジストがネガ型レジストの場合は、同図に示すように、露光されない部分のレジストが現像液に溶ける。したがって、残ったレジストには、例えば円錐状や角錐状の凹部が形成される。
一方、使用したレジストRがポジ型レジストであれば、光が照射された部分のレジストRが現像液に溶けて、マスクMに形成したパターンの形状を底面とする斜面を持った立体パターンが形成される。マスクMに形成したパターンの形状が円であれば円錐形状になり、マスクMのパターンの形状が四角であれば四角錐形状になる。
形成されるレジストによる3次元構造の傾斜角θは、回転傾斜露光装置の被照射物Wの、光軸LAに対する傾斜角度を変えることによって変えることができる。
図3は、回転傾斜露光を用いたマイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用の金型の製造方法の第1の実施例を示す図である。同図では、マイクロチップを形成するための構成のうちのごく一部を示す。
なお、図3において、「(e)現像」までの工程を実施することによりマイクロチップ構成体が得られ、さらに(f)から(h)の工程を実施することによりマイクロチップ製造用の金型を作製することができる。
本実施例は、互いに異なるパターンを有する2種類のマスクを使用し、それぞれのマスクを使用した露光を順次に実行すると共に、露光後のレジストを一括して現像することによりマイクロチップ構成体、金型を製造するものである。
図3(a)は第1の塗布工程を示す。第1の塗布工程では、支持基板T上に第1のレジストR1を塗布して被照射物Wを形成する。
図3(b)は第1の露光工程を示す。第1の露光工程では、支持基板T上に第1のレジストR1を塗布してなる被照射物Wを図1に示す回転ステージ部11に設置し、該被照射物Wに対し、第1のマスクパターンMP1を有する第1のマスクM1を介して露光光Lが照射される。露光光Lの照射は、前記したように、被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行う。
第1のマスクパターンMP1は、ここではマイクロチップの被検査液が充填される液体槽の形状に対応するために矩形状に形成されている。第1のレジストR1としては、例えば日立化成工業製HMシリーズ、同RYシリーズ、旭化成のUFGシリーズ、ニチゴーモートンのNITシリーズ、JSRのTHBシリーズを用いることができる。
第1のレジストR1の厚みは、特に限定されないが、マイクロチップの流路の深さを考慮して、10〜250μmとされる。支持基板Tは、光出射部10からの露光光Lを透過させる必要はないので、ガラス基板のほか、シリコン基板、プラスチック基板、銅基板などを適宜使用可能である。
同図に示す第1のマスクM1,2は、例えば、透明なガラス基板上に、マイクロチップに形成する凹部パターンに対応してクロム等でパターンを形成することによって作製されたものである。露光光はレジストが感光する波長の光であり、例えば紫外線が使用される。
図3(c)は第2の塗布工程を示す。第2の塗布工程では、露光後の第1のレジストR1の上に第2のレジストR2を塗布する。
図3(d)は第2の露光工程を示す。第2の露光工程では、露光後の第1のレジストR1上に第2のレジストR2を塗布した被照射物Wに対し、第2のマスクパターンMP2を有する第2のマスクM2を介して露光光Lが照射される。露光光Lの照射は、上記第1の露光工程と同様に、被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行う。なお、第2のマスクパターンMP2により形成される凹部の側面を傾斜面にしない場合には、被照射物Wを斜めに傾けることなく、かつ回転させずに露光してよい。
第2のマスクパターンMP2は、図3(b)の第1のレジストR1の未露光領域Bに対応する矩形状の中央側パターンMP22と、該中央側パターンの延伸方向両端に連設され、中央側パターンMP22よりも幅の狭い一対の矩形状の端部側パターンMP21,MP23とで構成され、第1のマスクパターンMP1と異なっている。第2のレジストR2は、前記した第1のレジストR1と同様例えば日立化成工業製HMシリーズなどのドライフィルムや日本化薬製SU−8などの液レジストを用いることができる。
なお、第2のマスクM2は、第1のマスクM1と同じく、透明なガラス基板上にクロムで所定のパターンを形成することによって作製される。
図3(e)は現像工程を示す。現像工程では、露光後の被照射物Wを現像液に浸すことで現像を行う。現像工程は、各露光工程の終了毎に逐一実行するのではなく、第1および第2の露光工程が全て完了した後に一括して実行する。
支持基板に塗布されたレジストはネガ型であるため、図3(b)に示す光が照射されていない領域Bと、図3(d)に示す光が照射されていない領域Cとがそれぞれ現像液に溶解し、領域B,Cを除く領域が露光光Lによって硬化して残存し、図3(e)に示すように第1および第2のレジストに凹部パターンP1,P2が形成される。現像液は、市販品のうち容易に入手可能なものであり、例えば炭酸ナトリウム水溶液等の弱アルカリ液が使用される。
上記現像された部材は、マイクロチップ構成体として使用することができ、例えば平板状の基板などに貼り合わせることにより、マイクロチップとして、あるいはその一部として使用することができる。
上記現像した部材からマイクロチップ製造用金型を作製する場合には、以下の工程を実施する。
図3(f)(g)は電鋳工程を示す。図3(f)に示すように、通電性を持たせるために、現像後のレジスト上にスパッタ等によって金属薄膜Jを形成する。金属薄膜Jは電鋳時の電極として作用する。
図3(g)に示すように、金属薄膜J(金属薄膜Jの材料は、ニッケル、クロム、タングステン、タンタル等)上に電鋳処理を行うことによって金属板Kを形成する。金属板Kの材質は、電鋳を効率良く行うことができるものであれば何ら限定されず、例えばニッケル(Ni)、ニッケルコバルト(Ni−Co)や銅(Cu)などを使用することができる。ただし、金属板Kは後に金型になるから、堅牢性を確保すべく、0.3mm以上の厚みに形成されることが望ましい。
電鋳処理における電鋳浴の代表的な条件は、例えば以下の通りである。
・スルファミン酸ニッケル 450〜650g/L
・塩化ニッケル 5〜40g/L
・硼酸 30〜40g/L
・pH 3.5〜4.5
・温度 50〜70°C
・電流密度 5〜90A/dm
図3(h)は離型工程を示す。図3(g)で形成した金属板Kから、第1のレジストR1、第2のレジストR2および支持基板Tを剥離させ、金属板Kのみを取出す。支持基板Tの剥離は機械的に行うことができる。レジストR1,R2は、市販の剥離液によって溶解除去することができる。剥離液としては、例えば、3wt%水酸化ナトリウム溶液が使用される。
上記工程を実行することによって得られた図3(h)に示す金属板Kは、マイクロチップの基板に形成する凹部パターンP1,P2に対応した凸状部21,22を表面に有しており、そのままマイクロチップ製造用の金型として使用することができる。
ところで、前述したように、マイクロ流路、並びにマイクロ流路内の液槽および突起のパターンを高精度に形成するためには、第1のマスクを介して第1のレジストに転写される第1のマスクパターンと、第2のマスクを介して第2のレジストに転写される、第1のマスクパターンと異なる第2のマスクパターンとを高精度に位置合わせする必要がある。
仮に、第1のマスクパターンと、第2のマスクパターンとが精度良くアライメントされていなかった場合、本来は深い液槽のパターンを形成したい箇所が浅くなったり、浅い流路を形成したい箇所が深くなったりし、マイクロチップにおいて所望のパターンを形成することができないという不具合を生じる。
図4は前記図3に示したように、第1のマスクM1と第2のマスクM2を用いて、ネガ型のレジストが塗布された被照射物に対して順次露光した場合においてアライメントが精度よく行われた場合と、行われなかった場合を示し、図4(a)は第1、第2のマスクパターンとが精度良くアライメントされた場合、同図(b)は精度よくアライメントされなかった場合を示す。
同図において、領域Aは第1のマスクM1の第1のマスクパターンMP1により遮光されて光が照射されない領域を示し、領域Bは第2のマスクM2の第2のマスクパターンMP2により遮光されて光が照射されない領域を示す。
同図(a)に示すように、精度よくアライメントが行われ、第1のマスクパターンMP1により遮光された領域Aと第2のマスクパターンMP2により遮光された領域Bの位置が重なっている場合には、前記図3に示したように、第1の第1のマスクパターンMP1により光が照射されない領域Aには深い凹部が形成され、第2のマスクパターンMP2より光が照射されない領域Bには浅い凹部が形成される。
これに対し、同図(b)に示すように、精度よくアライメントが行わず、第1のマスクパターンMP1により遮光された領域Aと第2のマスクパターンMP2により遮光された領域Bの位置がずれている場合には、領域A,Bが重なっている部分には深い凹部が形成されるが、本来深い凹部を形成したい部分が深くならず、また、浅い凹部を形成したい部分の一部に深い凹部が形成される等の不具合が生ずる。
したがって、第2のマスクM2を被照射物Wの第2のレジストに対して、精度良くアライメントすることにより、上記不具合が生ずるのを回避することができる。
次に、前記第1の実施例において、上記アライメントを行って露光する場合について、前記図3を参照しながら説明する。なお、アライメント工程を行うことを除き、基本的には前記図3と同じである。
第1の塗布工程では、前記図3に示したように、支持基板T上に第1のレジストR1を塗布して被照射物Wを形成する。
第1の露光工程では、図3(b)に示すように、支持基板T上に第1のレジストR1を塗布してなる被照射物Wに対し、第1のマスクパターンMP1及び第1のアライメントマークを有する第1のマスクM1を介して露光光Lが照射される。露光光Lの照射は、前記したように、被照射物Wを図1に示す回転ステージ部11に設置し、該被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行う。
第1のレジストR1は、露光光を照射することによって変色する特性を有するものを用いる。これにより第1のレジストR1上に第1のアライメントマークが現出する。
第1のレジストR1としては、例えば日立化成工業製HMシリーズ、同RYシリーズ、旭化成のUFGシリーズ、ニチゴーモートンのNITシリーズ、JSRのTHBシリーズを用いることができる。レジストR1の厚みは、前記したように、マイクロチップの流路の深さを考慮して、10〜250μmとされる。支持基板Tは、光出射部10からの露光光Lを透過させる必要はないので、ガラス基板のほか、シリコン基板、プラスチック基板、銅基板などを適宜使用可能である。
図3(c)は第2の塗布工程を示す。第2の塗布工程では、露光後の第1のレジストR1の上に第2のレジストR2を塗布する。第2のレジストR2は、第1のレジストR1に現出された第1のアライメントマークを、当該第2のレジストR2越しに視認することができる程度に可視光に対して透明である。
次に図3(d)に示す第2の露光工程を行うが、前記したように、マイクロ流路、並びにマイクロ流路内の液槽および突起のパターンを高精度に形成するため、第2の露光工程を実行する前に、後述するアライメント工程を行う。
アライメント工程は、第1のマスクによって被照射物Wに転写された第1のマスクパターンMP1と、第2のマスクM2によって被照射物Wに転写される第2のマスクパターンMP2とを精度良く対応させるために必要である。かかるアライメント工程は、第1の露光工程終了後に、第1のレジストR1に現出した第1のアライメントマークと、第2のマスクM2のアライメントマークとに基いて実行される。
第2の露光工程においては、露光後の第1のレジストR1上に第2のレジストR2を塗布した被照射物Wに対し、第2のマスクパターンMP2を有する第2のマスクM2を介して露光光Lが照射される。露光光Lの照射は、上記第1の露光工程と同様に、被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行うが、第2のマスクパターンにより形成される凹部の側面を傾斜面にしない場合には、被照射物Wに対し斜めに光を照射せず、且つ、被照射物Wを回転させずに露光してよい。第2のレジストR2は、前記した第1のレジストR1としては、例えば日立化成工業製HMシリーズ、同RYシリーズ、旭化成のUFGシリーズ、ニチゴーモートンのNITシリーズ、JSRのTHBシリーズを用いることができる。
図3(e)は現像工程を示す。現像工程では、露光後の被照射物Wを現像液に浸すことで現像を行う。現像工程は、各露光工程の終了毎に逐一実行するのではなく、第1および第2の露光工程が全て完了した後に一括して実行する。これにより、図3(e)に示すように第1および第2のレジストに凹部パターンP1,P2が形成される。
上記現像された部材は、マイクロチップ構成体として使用することができ、例えば平板状の基板などに貼り合わせることにより、マイクロチップとして、あるいはその一部として使用することができる。
上記現像した部材からマイクロチップ製造用金型を作製する場合には、図3(f)に示すように、通電性を持たせるために、現像後のレジスト上にスパッタ等によって金属薄膜Jを形成し、図3(g)に示すように、金属薄膜J(金属薄膜Jの材料は、ニッケル、クロム、タングステン、タンタル等)上に電鋳処理を行うことによって金属板Kを形成する。
金属板Kの材質は、厚み等は、前記と同様であり、また、電鋳処理における電鋳浴の代表的な条件も前記した通りである。
図3(h)は離型工程を示し、図3(g)で形成した金属板Kから、前記したように第1のレジストR1、第2のレジストR2および支持基板Tを剥離させ、金属板Kのみを取出す。上記工程を実行することによって得られた図3(h)に示す金属板Kは、マイクロチップの基板に形成する凹部パターンP1,P2に対応した凸状部21,22を表面に有しており、そのままマイクロチップ製造用の金型として使用することができる。
次に、第2のマスクの被照射物に対する位置合わせを行うアライメント工程について図5を用いて説明する。
図5は、本発明のマイクロチップ構成体およびマイクロチップ製造用金型の製造方法における露光工程、アライメント工程を説明するための図である。
図5(a)はレジスト支持基板、図5(b)はレジスト支持基板上に第1のレジストR1を塗布したものを示す。図5(c)は第1のマスクM1を示す。
第1の露光工程に使用される第1のマスクM1には、第1のマスクパターンMP1と、第1のアライメントマークパターンAMP1、AMP1´とが形成されている。図5(c)では第1のマスクパターンMP1と、第1のアライメントマークパターンAMP1が形成された領域が黒で示され、それ以外のパターンが形成されていない領域が白で示されている。
第1のアライメントマークパターンAMP1、AMP1´は、第1のマスクパターンMP1と同じく、ガラスなどの透明基板上に形成されたクロムのパターンによって構成される。アライメントマークパターンAMP1、AMP1´は、ガラス基板上の、第1のマスクパターンMP1を形成しない箇所において、極度に接近することのないよう所定の距離を隔てて複数形成される。
アライメントマークパターンAMP1は少なくとも2つ形成されることが好ましい。図5(c)の例では、2つのアライメントマークパターンAMP1、AMP1´が、第1のマスクパターンMP1を挟んで透明基板の対角線上に並ぶように形成されている。アライメントマークパターンAMP1、AMP1´の形状は、同図では十字状であるが、特に限定されるものではない。アライメントマークAMP1、AMP1´は、幅が約15μmである(ガラス基板は 縦35mm、横40mm)。かかる第1のマスクM1を介して露光光が第1のレジストR1に照射される。
図5(d)は、上記の第1のマスクM1を介して行われた、第1の露光工程終了後の第1のレジストR1を示す。第1のレジストR1は、露光光を照射することによって変色する特性を有する。同図では、第1のレジストR1の露光光照射領域は濃いハッチングで示され、露光光非照射領域が白で示されている。このように、第1のレジストR1に露光光が照射されることによって、露光光照射領域が変色する一方で、露光光非照射領域は変色しないので、露光光照射領域の色彩が露光光非照射領域の色彩と異なるので、第1のレジスト上に第1のアライメントマークAM1、AM1´が現出する。露光光照射により、第1のアライメントマークAM1、AM1´と共に、第1のマスクパターンMP1が第1のレジスト上に現出する。
図5(e)は、第1のレジストR1上に第2のレジストR2が塗布されてなる支持基板T(以下、レジスト塗布済み基板という)を示す。第2のレジストR2は、前記したように第1のレジストR1に現出された第1のアライメントマークAM1、AM1´を、当該第2のレジストR2越しに視認することができる程度に可視光に対して透明である。第2のレジストR2の厚みは例えば5〜500μmである。第2のレジストR2の厚みを当該範囲とすることにより、第1のアライメントマークAM1、AM1´を、当該第2のレジストR2越しに視認することができる。
図5(f)は、第2のマスクM2を示す。図5(g)は、第2のアライメントマークパターンAM2が形成されたマスクM2を、レジスト塗布済み基板の第2のレジストR2に位置合わせするためのアライメント工程、および、第2の露光工程が終了後の第2のレジストR2を示す。
図5(f)では、クロムのパターンが形成された領域を黒、クロムのパターンが形成されていない領域を白で表す。アライメント工程は、第1のレジストR1上の第1のアライメントマークAM1、AM1´を、第2のレジストR2越しに視認し、第1のアライメントマークAM1、AM1´の位置と、第2のマスクM2の第2のアライメントマークAM2、AM2´の位置とをそれぞれ一致させることにより、第2のマスクM2の第2のアライメントマークAM2、AM2´が、レジストR1に現出した第1のアライメントマークAM1、AM1´に重なるように、レジスト塗布済み基板の位置を調整する。こうすることで、第1のレジストR1の未露光領域MP1と、第2のマスクM2のマスクパターンM2の一部MP2Aとが一致する。
ここで、第2のマスクパターンにより形成される凹部の側面を傾斜面にしない場合には、図1に示したような回転傾斜露光を行う必要はなく、アライメント機構を備えたハードコンタクト露光装置同様な装置で露光することができる。
また、第2のマスクパターンにより形成される凹部の側面を傾斜面にする場合には、前記図1に示した回転ステージ部11の回転ステージ12に被照射物Wを設置して回転傾斜露光を行う。
以下、第2の露光工程において回転傾斜露光を行わない場合および回転傾斜露光を行う場合のそれぞれのアライメント工程及び第2の露光工程について説明する。
(1)第2の露光工程において回転傾斜露光を行わない場合
図6は回転傾斜露光を行わない場合のアライメントおよび露光を行うための装置の構成例を示す図である。
同図において、10は光照射部、12はアライメント顕微鏡、13はマスクMが取り付けられるマスク懸架台である。マスク懸架台13には真空吸着用の複数の流路が形成され、第2のマスクM2が真空吸着により取付けられている。マスクM2は接着用テープ等によりマスク懸架台13に固定されていても良い。
光出射部10は、図1に示したものと同様、光源としてのショートアーク型のランプ1、楕円集光鏡2、第1の平面鏡3、インテグレータレンズ4、第2の平面鏡6、コリメータレンズ7などを備える。なお、図6ではシャッタ5は省略されている。
14はワークステージ、14aはXYθステージ、14bはZステージであり、XYθステージ14aを駆動することにより、ワークステージ14は紙面左右方向(X方向)、紙面前後方向(Y方向)およびθ方向(XY平面に垂直な軸を中心とした回転)に移動する。また、Zステージ14bを駆動することにより、紙面上下方向に移動する。
同図において、前記アライメント工程、第2の露光工程は、次のように行われる。
マスク懸架台13に第2のマスクM2を真空吸着等により取り付け、ワークステージ14上に第1のレジストR1上に第2のレジストR2が塗布された支持基板T(以下、レジスト塗布済み基板RTという)を載置する。そして、Zステージ14bによりワークステージ14を上昇させ、第2のマスクM2とレジスト塗布済み基板RTが僅かな空間を隔てて対向するように接近させる。ついで、アライメント顕微鏡12を同図の退避位置から、第2のマスクM2上に移動させ、第2のマスクM2のアライメントマークAM2、AM2´と、被照射物W上の第1のレジストR1に現出した第1のアライメントマークAM1、AM1´とをアライメント顕微鏡12により検出する。そして、XYθステージ14aにより、ワークステージ14をXYθ方向に移動させ、マスクM2とレジスト塗布済み基板RTの位置合せを行う。
図7はアライメント顕微鏡12により観察される第1のアライメントマークAM1と第2のアライメントマークAM2を示す図である。
第2のマスクM2とレジスト塗布済み基板RTのアライメントは、ワークステージ14をXYθステージ14aによりXYθ方向に移動させることにより、図7(a)に示すようにワークステージ14上に載置されたレジスト塗布済み基板RTの第1のアライメントマークAM1がアライメント顕微鏡12の視野内に入るようにし、図7(b)に示すように第2のアライメントマークAM2が、第2のレジストR2越しに視認される第1のアライメントマークAM1に重なるようにする。同様に、アライメントマークAM1´、AM2´につても、両者が重なるようにする。
すなわち、アライメント顕微鏡12を視認することにより、第1のレジストR1のアライメントマークAM1、AM1´と、第2のマスクM2のアライメントマークAM2、AM2´とが重なり合うように、XYθステージ14aによりワークステージ14をXYθ方向に移動させ、マスクM2とレジスト塗布済み基板RTの位置合せを行う。
第2のアライメントマークAM2、AM2´は、図7に示すように第1のアライメントマークAM1、AM1´よりも小さい。よって、第2のアライメントマークAM2、AM2´を第1のアライメントマークAM1、AM1´に重ね合せた場合でも、第1のアライメントマークAM1、AM1´が第2のアライメントマークAM2、AM2´に隠れることがないので、アライメントの精度を向上させることが可能になる。
上記のように第1のレジストR1上のアライメントマークAM1、AM1´と、第2のマスクM2のアライメントマークAM2、AM2´とを重ね合せた後、図6に示すようにZステージ14bによりワークステージ14を上昇させ、第2のレジストR2の上面とマスクM2の下面とを当接させる。
これにより、リング型シール材15がマスクM2の下面に接し、マスクM2とワークステージ14とシール材15で閉空間が形成される。この状態で逆流防止弁16を介して該閉空間を真空引きすることにより、レジスト塗布済み基板RTの第2のレジストR2の上面は第2のマスクM2の下面に密着する。この状態で、光出射部10からマスクMを介して基板RTに露光光を照射し、基板RTの第2のレジストR2に第2のマスクM2のマスクパターンMP2を転写する。
なお、図6では、アライメント顕微鏡12を2個設ける場合について示しているが、レジスト塗布済み基板RTの大きさが小さい場合には、一つのアライメント顕微鏡を用い、一つのアライメント顕微鏡でアライメントマークAM1、AM1´、AM2、AM2´を交互に見ながら、アライメントを行うようにしてもよい。
(2)第2の露光工程において回転傾斜露光を行う場合
第2の露光工程において回転傾斜露光を行う場合には、予めアライメント機構を用いて、マスクと前記レジスト塗布済み基板とのアライメントを行い、その状態でマスクと被照射物を密着させ、前記図1に示した回転ステージ部に移動させて第2の露光を行う。
図8は、マスクと被照射物とをアライメントするためのアライメント機構の構成例を示す。
図8に示したアライメント機構は、図6に示したものから光照射部10を除いたものと同様の構成であり、アライメント機構に設けられたマスク懸架台13には前記したように第2のマスクM2が真空吸着等により取付けられている。なお、図8の構成の場合、マスクM2とレジスト塗布済み基板RTが一体となったアライメント済みの被照射物を取り外せるように、マスク懸架台13は例えばアライメント機構本体部から取り外し可能に構成されている。
レジスト塗布済み基板RTは、図8(a)に示すように、マスクM2と僅かに空間を隔ててワークステージ14上に載置されている。マスク懸架台13の上方には、アライメント顕微鏡12が配置されており、マスク懸架台13に設けられた開口および透明なガラス基板からなるマスクM2を介して、ワークステージ14上に載置されたレジスト塗布済み基板RTの第1のアライメントマークAM1、AM1´を視認することができる。
第2のマスクM2とレジスト塗布済み基板RTのアライメントは、図6で説明したのと同様に行われ、前記したようにワークステージ14をXYθステージ14aによりXYθ方向に移動させることにより、図7(a)に示すようにワークステージ14上に載置されたレジスト塗布済み基板RTの第1のアライメントマークAM1、AM1´がアライメント顕微鏡12の視野内に入るようにし、図7(b)に示すように第2のアライメントマークAM2、AM2´が、第2のレジストR2越しに視認される第1のアライメントマークAM1、AM1´に重なるように、XYθステージ14aによりワークステージ16をXYθ方向に移動させ、マスクM2とレジスト塗布済み基板RTの位置合せを行う。
第1のレジストR1のアライメントマークAM1、AM1´と、第2のマスクM2のアライメントマークAM2、AM2´とを重ね合せた後、図8(b)に示すようにZステージ14bによりワークステージ14を上昇させ、第2のレジストR2の上面とマスクM2の下面とを当接させる。
これにより、前記したようにリング型シール材15がマスクM2の下面に接し、マスクM2とワークステージ14とシール材15で閉空間が形成される。この状態で逆流防止弁16を介して該閉空間を真空引きすることにより、レジスト塗布済み基板RTの第2のレジストR2の上面は第2のマスクM2の下面に密着し、マスクM2とレジスト塗布済み基板RTは強固に固定され、マスクM2にレジスト塗布済み基板RTが一体となった被照射物Wが構成される。
次いで、被照射物Wを、上記アライメント機構から取り外し、前記図1に示した回転ステージ部11に移動させて第2の露光工程を行う。すなわち、被照射物Wを回転ステージ11aに設置し、前記したように露光光を照射しながら、被照射物Wの回転露光を行う。
なお、図8の場合も、前記図6と同様、レジスト塗布済み基板RTの大きさが小さい場合には、一つのアライメント顕微鏡を用い、一つのアライメント顕微鏡でアライメントマークAM1、AM1´、AM2、AM2´を交互に見ながら、アライメントを行うようにしてもよい。
図5に戻り、図5(h)は、現像工程終了後の被照射物Wを示す。現像工程では、第1の露光工程および第2の露光工程が終了した後の被照射物Wを、現像液に浸漬させ一括して現像される。
第1のレジストR1および第2のレジストR2がそれぞれネガ型レジストである場合は、露光光非照射領域が現像液に溶解し、露光光照射領域が残存する。一方、第1のレジストR1および第2のレジストR2がそれぞれポジ型レジストある場合は、露光光照射領域が現像液に溶解し、露光光非照射領域が残存する。現像後の第2のレジストR2には、アライメントマークAM2、AM2´が残存する。
以上のように作製されたマイクロチップ製造用の金型20は、図9に示すように、平板状の基板23上に、その頂部が該基板23と平行方向に延伸する凸状部21,22が形成されている。以下では、図9に示す金属板Kを、マイクロチップ製造用の金型として説明する。以下において、「全長」とは、図9に示すX方向の長さをいい、「幅」とは、図9に示すY方向の長さをいい、「厚み」とは、図9に示すZ方向の長さをいう。
同図に示す凸状部は、その延伸方向の中央に位置する中央側凸状部21と、該中央側凸状部21の延伸方向の両端のそれぞれに連設され、該中央側凸状部21に比して、厚みが小さくなる(高さが低くなる)ように形成された一対の端部側凸状部22とを有する。
中央側凸状部21および端部側凸状部22は、それぞれ、厚み方向の先端において基板23と平行方向に帯状に延伸する頂部が形成され、各々のY方向の幅が、各々の頂部に向かうに従い次第に縮小するよう、各々の側面が該基板の法線方向に対して傾斜してなり、
基板23に対して垂直面で切断した断面の形状が略台形である。
中央側凸状部21はマイクロチップの液体槽を形成するために使用され、端部側凸状部22はマイクロチップの流路を形成するために使用され、それぞれ例えば以下の仕様により作製される。
(中央側凸状部)
・全長:1000μm
・幅:300μm
・厚み:100μm
・傾斜面の基板に対する傾斜角:10度
(端部側凸状部)
・全長:500μm
・幅:100μm
・厚み:50μm
・傾斜面の基板に対する傾斜角:10度
図10は、上述した実施例の図3(a)から(e)までの工程を実施することにより作製されたマイクロチップ構成体、あるいは、図3(h)により作製されたマイクロチップ製造用の金型20に種々の樹脂成形法を適用することによって製造されたマイクロチップを示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のA−A´断面図、同図(c)は同図(a)のB−B’断面図である。なお、図10は前記第2の露光工程において、回転傾斜露光を行った場合の形状を示しており、第2の露光工程において回転傾斜露光を行わない場合は、第2のマスクM2により形成される部分の壁面は傾斜面にならない。
ここで、上記金型20によるマイクロチップの作製は、例えばアクリル樹脂を用いて射出成形法(加熱溶融させたアクリル樹脂を金型内に高圧で射出注入し、冷却、固化させることで成形品を得る樹脂成形法)により行うことができ、アクリル樹脂を用いて射出成形を行う場合の温度・圧力の条件は例えば以下の通りである。
・温度 165°C〜290°C
・圧力 70MPa〜140MPa
図10に示すマイクロチップ30は、図10(a)に示すように、凹部パターンを有し、該凹部パターンは、流路32と液体槽31とで構成される。
すなわち、マイクロチップ30は、中央に位置する液体槽31と、該液体槽31にそれぞれに連設され、該液体槽31より浅い流路32とを備えている。これら液体槽31と流路32の側面(側壁)は、その底面に対して傾斜しており、凹部パターンの断面は同図(b)に示すように、上に開いた台形状である。すなわち、凹部パターンの側壁は、底面から離れるほど開口面積が増大するように傾斜している。
液体槽31と、該液体槽31に連接する流路32の深さが異なるためその間には段差があるが、凹部パターンの側壁が傾斜しているため、この段差面33も、同図(c)に示すように、液体槽31の底面と流路32に連通する段差面33(側壁)のなす角度が鈍角になるように傾斜している。
本実施例により作製されるマイクロチップは上記のように、マイクロ流路内に、前述したダムの役割を果たすための「液溜まり」や反応表面積をかせぐためのビーズを充填するための凹所等を形成することができ、多様な液体操作を行うことが可能となる。
また、深さの異なる凹部間に形成される段差面は底面に対して直角でなく傾斜しているので、渦等が発生したり流体内に泡が溜まるなどの不具合が生ずることはなく、液を円滑に循環させることができる。
さらには、第2のマスクを被照射物の第2のレジストに対して精度良くアライメントすることができるので、マイクロチップにおいて、マイクロ流路、液槽などの微細なパターンを精度良く形成することができる。
また、第2の露光工程で回転露光を行った場合、作製されるマイクロチップ製造用の金型20は、図9に示すように基板23上に該基板23と平行方向に延伸する凸状部21,22が形成され、該凸状部21,22の側面は該基板23の法線方向に対して傾斜しており、樹脂成形法によりマイクロチップを形成する場合、凸状部に形成された傾斜面の作用により、成形後のマイクロチップを金型から容易に型抜きすることができる。したがって、型抜き後のマイクロチップにおいて、ひびや欠けなどが生じることがなく、マイクロチップの品質を向上させることができる。
なお、本発明では、アライメントマークに関し、上記した実施例に限らず、以下の実施例を採用することもできる。図11および図12は、本発明に採用することができる、アライメントマークの他の実施例を示す。
図11に示すように、アライメントマークの形状を井桁状にすることもできる。
図11は前記図7と同様、アライメント顕微鏡12により観察される第1のアライメントマークAM1と第2のアライメントマークAM2を示しており、図11(a)に示すようにレジスト塗布済み基板RTの第1のアライメントマークAM1がアライメント顕微鏡12の視野内に入るようにし、図11(b)に示すように井桁状の第2のアライメントマークAM2が、第2のレジストR2越しに視認される井桁状の第1のアライメントマークAM1に重なるようにする。
また、図5ではアライメントマークAM2、AM2´をアライメントマークAM1、AM1´よりも小さくしたが、これとは逆に、図12(f)(g)に示すように、第2のアライメントマークAM2、AM2´を、第1のアライメントマークAM1、AM1´よりも大きくしても良い。
図12は前記図5と同様、本発明における露光工程、アライメント工程を説明する図であり、図12(a)〜(h)は図5(a)〜(h)に対応している。
第2のマスクM2には、同図(f)に示すように第1のレジストR1上に現出したアライメントマークAM1、AM1´に重なる箇所が打ち抜かれた形状のアライメントマークパターンAM2、AM2´が形成されている。
したがって、この実施例では、第2のマスクM2の第2のアライメントマークAM2、AM2´の外郭が、第1のレジストR1に現出した第1のアライメントマークAM1、AM1´より大きいにもかかわらず、第1のアライメントマークAM1、AM1´を視認することができるため、第2のマスクM2の被照射物Wに対するアライメントを高精度に行うことができる。
図13は上記第1の実施例の変形例(1)を示す図である。上記実施例では、支持基板Tの上に第1のレジストR1、第2のレジストR2を塗布し、第1、第2の露光処理を行っており、現像後に形成されるマイクロチップ構成体の中央部に形成される凹部パターンP1(液体槽31に相当する凹部)の底面は支持基板Tの表面である。
本変形例は上記中央部に形成される凹部パターンP1(液体槽31に相当する凹部)の底面もレジストで構成されるようにしたものである。
図13は本変形例の工程を示しており、本変形例は、前記図3に示した工程の前に(a),(b)の工程を設けたものであり、その他の工程は図3と同じであり、同図では(g)現像までの工程を示しており、金型を作製する工程は省略している。
図13(a)は第1の塗布工程を示し、支持基板Tの上に凹部の底面となる支持基板構成用のレジストR3を塗布する。図13(b)は支持基板構成用のレジストR3を硬化させるための露光工程を示し、上記塗布したレジストR3の全面に露光光Lを照射し硬化させる。このように支持基板Tの上にレジストR3を塗布して硬化させたものをここでは、支持基板T’という。
なお、この露光工程はレジストR3の全面を露光するものであり、前記回転傾斜露光を行う必要はない。
以下の工程は、前記図3で説明した工程と同じであり、図13(c)の第2の塗布工程では、支持基板Tの上にレジストR3を塗布して硬化させた露光後の支持基板T’の上に第1のレジストR1を塗布して被照射物Wを形成する。
図13(d)の第1の露光工程では、上記被照射物Wに対し、第1のマスクパターンMP1を有する第1のマスクM1を介して露光光Lを照射する。露光光Lの照射は、前記したように、被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行う。
図13(e)の第3の塗布工程では、露光後のレジストR1の上に第2のレジストR2を塗布する。
図13(f)の第2の露光工程では、上記被照射物Wに対し、第2のマスクパターンMP2を有する第2のマスクM2を介して、上記のように回転傾斜露光により露光光Lを照射する。
図13(g)の現像工程では、露光後の被照射物を現像液に浸すことで現像を行う。これにより、光が照射されていない領域が現像液に溶解し、図13(g)に示すように第1のレジストR1および第2のレジストR2に凹部パターンP1,P2が形成され、中央部に形成される深い凹部パターンP1の底面は、支持基板構成用のレジストR3を硬化したもので形成される。
上記現像された部材は、マイクロチップ構成体として使用することができ、例えば平板状の基板などに貼り合わせることにより、マイクロチップとして、あるいはその一部として使用することができる。
また、上記現像した部材に対して、前記した図3(f)(g)(h)で説明した工程を実施することにより、マイクロチップ製造用金型を作製することができる。
図14は、上記第1の実施例の変形例(2)を示す図である。本変形例は、前記第1の実施例において、角部が丸められたマスクパターンMP3を有する第1のマスクM1および角部が丸められたマスクパターンMP4を有する第2のマスクM2を用いて露光するようにしたものである。
図14に示す工程は前記図3に示した工程と同じであり、図14(a)の第1の塗布工程で支持基板T上に第1のレジストR1を塗布して被照射物Wを形成し、図14(b)の第1の露光工程で、被照射物Wに対し、角部が丸められた小判状の第1のマスクパターンMP3を有する第1のマスクM1を介して、回転させながら露光光Lを照射する。
図14(c)の第2の塗布工程では、露光後の第1のレジストR1の上に第2のレジストR2を塗布し、図14(d)の第2の露光工程では、第2のレジストR2を塗布した被照射物Wに対し、角部が丸められた第2のマスクパターンMP4を有する第2のマスクM2を介して上記のように回転傾斜露光により露光光Lを照射する。
図14(e)の現像工程では、露光後の被照射物Wを現像液に浸すことで現像を行う。これにより、同図(e)に示すように第1および第2のレジストに、角部が丸められ凹部パターンP1,P2が形成される。
上記現像した部材からマイクロチップ製造用金型を作製するには、図14(f)に示すように、現像後のレジスト上にスパッタ等によって金属薄膜Jを形成し、図14(g)に示すように、金属薄膜J上に電鋳処理を行うことによって金属板Kを形成する。
そして、図14(h)に示すように、金属板Kから、第1のレジストR1、第2のレジストR2および支持基板Tを剥離させ、角部が丸くなった凸状部21,22を表面に有するマイクロチップ製造用の金型が形成される。
図15は本発明の第2の実施例を示す図である。
本実施例は、液体の混合、液体の収束等を効果的に行うため、マイクロ流路内に突起(部分的に浅くなっている部分)を有するマイクロチップを作製する場合の実施例を示している。
図15は本実施例の工程を示しており、マスクの形状が前記図3に示したものと異なるだけで、基本的は前記図3のものと同じである。なお、同図では(e)現像までの工程を示しており、金型を作製する工程は省略している。
図15(a)の第1の塗布工程では、支持基板Tの上に第1のレジストR1を塗布して被照射物Wを形成する。
図15(b)の第1の露光工程では、上記被照射物Wに対し、第1のマスクパターンMP5を有する第1のマスクM1を介して露光光Lを照射する。この場合、マスクM1のマスクパターンMP5は、深い液体槽部分を形成するための、分離して形成された3つの矩形状の遮光部分からなるパターンである。
露光光Lの照射は、前記したように、被照射物Wに対し斜めに光を照射しながら、被照射物Wを回転させることによって行う。
図15(c)の第2の塗布工程では、露光後の第1のレジストR1の上に第2のレジストR2を塗布する。
図15(d)の第2の露光工程では、上記被照射物Wに対し、第2のマスクパターンMP6を有する第2のマスクM2を介して、上記のように回転傾斜露光により露光光Lを照射する。
この場合のマスクパターンMP6は、浅い流路を形成するための、上記第1のマスクパパターンMP5に形成されたパターンの遮光部分に重なる長い矩形状の遮光部分を有するパターンである。
図15(e)の現像工程では、露光後の被照射物を現像液に浸すことで現像を行う。これにより、光が照射されていない領域が現像液に溶解し、図15(e)に示すように第1および第2のレジストR1,R2に凹部パターンP1,P2が形成され、支持基板Tを横断する流路41を有し、該流路の途中に一部が浅くなった突起42が形成されたマイクロチップ構成体を形成することができる。
上記現像された部材は、マイクロチップ構成体として使用することができ、例えば平板状の基板などに貼り合わせることにより、マイクロチップとして、あるいはその一部として使用することができる。
また、上記現像した部材に対して、前記した図3(f)(g)(h)で説明した工程を実施することにより、マイクロチップ製造用金型を作製することができる。
なお、深い方の流路の底面をレジストで形成したい場合には、前記図13で説明したように、予め支持基板Tの全面にレジストを塗布して、露光して硬化させ、その上に上記第1のレジストを塗布して、上記工程を実施すればよい。
本実施例によりマイクロチップを作製することにより、流路41の途中に突起42を有するマイクロチップを作製することができ、このような構成のマイクロチップを用いることにより、前述したように、複数種類の液体を効果的に混合したり、測定用に液体を収束させることができる。
また、回転傾斜露光を用いて露光することにより、流路41の側壁を前記図10(b)に示したように底面に対して傾斜させることができるとともに、突起42の上面と流路の底面の間に形成される段差面を、前記図10(c)に示したように、液体槽31の底面と流路32に連通する側壁(段差面33)のなす角度が鈍角になるように傾斜させることができる。
このため、渦等が発生したり流体内に泡が溜まるなどの不具合が生ずることはなく、液を円滑に循環させることができる。
また、本実施例によって作製されたマイクロチップ製造用の金型は、基板上に形成される凸状部の側面が該基板23の法線方向に対して傾斜しているので、前記したように、成形後のマイクロチップを金型から容易に型抜きすることができる。したがって、型抜き後のマイクロチップにおいて、ひびや欠けなどが生じることがなく、マイクロチップの品質を向上させることができる。
なお、上記変形例(1)、変形例(2)、第2の実施例では、第2の露光工程の前にレジスト塗布済みの基板と第2のマスクとのアライメントを行っていないが、前記したように、アライメントを行った後、第2の露光工程を行うようにしてもよい。
以上のように、本発明においては、異なるマスクパターンを介して露光工程を2回実施してマイクロチップ構成体あるいはマイクロチップ製造用金型を作製しているので、深さの異なるマイクロ流路を有するマイクロチップ構成体およびマイクロチップを、フォトリソグラフィ技術を用いて、比較的容易に製造することができる。
そして、このようにして製造したマイクロ流路を有するマイクロチップを用いることにより、多様な液体の操作を行うことが可能となる。
また、上記マイクロチップ構成体を用いて、基板上に高さが異なり互いに連接する凸状部を有する金型を作製することで、深さの異なる凹部パターンを有するマイクロチップを一度の樹脂成形で作製することができ、マイクロチップの生産効率を向上させることができる。
さらに、本発明においては、回転傾斜露光方法を利用して、マイクロチップ構成体あるいはマイクロチップ製造用金型を作製しているので、マイクロチップの凹部パターンの側壁(金型においては凸状部の側壁)に精度良く傾斜面を作製することができる。深さの異なる凹部間に形成される段差面に対して直角ではなく傾斜させることができる。
このようにして製造したマイクロ流路を有するマイクロチップを用いることにより、液を円滑に循環させることができ、測定などに誤差が生ずるのを低減することができる。
さらにまた、第1のレジストR1に現出したアライメントマークAM1、AM1´の位置と、第2のマスクのアライメントマークAM2、AM2´の位置とを、第2のレジスト越しに第1のアライメントマークAM1、AM1´を視認することによって一致させ、第2のマスクM2を被照射物Wに対して精度良くアライメントすることにより、マイクロチップにおける、微細なマイクロ流路、並びに液槽および突起を精度良く形成することができる。
さらに、金型によりマイクロチップを製造する際には、金型の凸状部に形成された傾斜面の作用により、成形後のマイクロチップを金型から容易に型抜きすることができる。
なお、上記実施例では、ネガ型のレジストを使用して、露光光が照射されない部分が現像により除去され場合について説明したが、レジストとしてポジ型のものを使用してもよい。すなわち、レジストとしてポジ型のものを使用し、凹部を形成する部分に開口を有するマスクを用い、露光光が照射された部分を現像により除去するようにしてもよい。
1 ランプ
2 楕円集光鏡
3 第1の平面鏡
4 インテグレータレンズ
5 シャッタ
6 第2の平面鏡
7 コリメータレンズ
10 光出射部
11 回転ステージ部
11a 回転ステージ
11b 回転モータ
11c 軸
12 アライメント顕微鏡
13 マスク懸架台
14 ワークステージ
14a XYθステージ
14b Zステージ
15 リング型シール材
16 逆流防止弁
20 マイクロチップ製造用金型
21,22 凸状部
23 平板状の基板
31 液体槽
32 流路
33 段差面
41 流路
42 突起
J 金属薄膜
K 金属板
M,M1,M2 マスク
MP1〜MP6 マスクパターン
R,R1,R2,R3 レジスト
RT レジスト塗布済み基板
T,T’ 支持基板
W 被照射物
AM1,AM1´ 第1のアライメントマーク
AM2,AM2´ 第2のアライメントマーク

Claims (4)

  1. マイクロチップ構成体の製造方法であって、
    支持基板上に第1のレジストを塗布する第1の塗布工程と、
    該支持基板上に該第1のレジストが塗布されてなる被照射物を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させ、第1のマスクパターンを形成したマスクを介して該被照射物の第1のレジストに露光光を照射する第1の露光工程と、
    該被照射物の第1のレジスト上に第2のレジストを塗布する第2の塗布工程と、
    前記第1のマスクパターンに対応するパターンを有し、且つ、第1のマスクパターンとは異なる、第2のマスクパターンを形成したマスクを介して該第2のレジストに露光光を照射する第2の露光工程と、
    該第1のレジストおよび第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去する現像工程と、
    を備えることを特徴とするマイクロチップ構成体の製造方法。
  2. マイクロチップ構成体の製造方法であって、
    支持基板上に第1のレジストを塗布する第1の塗布工程と、
    前記支持基板上に前記第1のレジストが塗布されてなる被照射物を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させ、第1のマスクパターンおよび複数の第1のアライメントマークパターンを形成した第1のマスクを介して、前記被照射物の第1のレジストに露光光を照射して露光するとともに、前記第1のレジストに複数の第1のアライメントマークを現出させる第1の露光工程と、
    前記被照射物の第1のレジスト上に、前記第1のレジストに現出された前記第1のアライメントマークを視認可能な程度に透明な第2のレジストを塗布する第2の塗布工程と、
    前記第1のマスクパターンとは異なる第2のマスクパターン、および複数の第2のアライメントマークを形成した第2のマスクを、該第2のアライメントマークおよび前記第1のレジストに現出した第1のアライメントマークに基づき、該第2のマスクを前記被照射物に対して位置決めするアライメント工程と、
    前記第2のマスクを介して前記第2のレジストに露光光を照射する第2の露光工程と、
    前記第1のレジストおよび前記第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去する現像工程と、を備えてなり、
    前記アライメント工程は、前記第1のレジストに現出された第1のアライメントマークを前記第2のレジスト越しに視認し、該第1のアライメントマークの位置と、前記第2のマスクの第2のアライメントマークの位置とを一致させることにより行われることを特徴とするマイクロチップ構成体の製造方法。
  3. マイクロチップ製造用金型の製造方法であって、
    支持基板上に第1のレジストを塗布する第1の塗布工程と、
    該支持基板上に該第1のレジストが塗布されてなる被照射物を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させ、第1のマスクパターンを形成したマスクを介して該被照射物の第1のレジストに露光光を照射する第1の露光工程と、
    該被照射物の第1のレジスト上に第2のレジストを塗布する第2の塗布工程と、
    前記第1のマスクパターンに対応するパターンを有し、且つ、第1のマスクパターンとは異なる、第2のマスクパターンを形成したマスクを介して該第2のレジストに露光光を照射する第2の露光工程と、
    該第1のレジストおよび第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去する現像工程と、
    該第1のレジストおよび該第2のレジスト上に電鋳処理を行い金属板を形成する電鋳工程と、
    該金属板を、該第1のレジスト、該第2のレジストおよび該支持基板から剥離する剥離工程と、
    を備えることを特徴とするマイクロチップ製造用金型の製造方法。
  4. マイクロチップ製造用金型の製造方法であって、
    支持基板上に第1のレジストを塗布する第1の塗布工程と、
    前記支持基板上に前記第1のレジストが塗布されてなる被照射物を露光光の入射方向に対して傾斜して配置し、該被照射物をその法線方向を軸として回転させ、第1のマスクパターンおよび複数の第1のアライメントマークパターンを形成した第1のマスクを介して、前記被照射物の第1のレジストに露光光を照射して露光するとともに、前記第1のレジストに複数の第1のアライメントマークを現出させる第1の露光工程と、
    前記被照射物の第1のレジスト上に、前記第1のレジストに現出された前記第1のアライメントマークを視認可能な程度に透明な第2のレジストを塗布する第2の塗布工程と、
    前記第1のマスクパターンとは異なる第2のマスクパターン、および複数の第2のアライメントマークを形成した第2のマスクを、該第2のアライメントマークおよび前記第1のレジストに現出した第1のアライメントマークに基づき、該第2のマスクを前記被照射物に対して位置決めするアライメント工程と、
    前記第2のマスクを介して前記第2のレジストに露光光を照射する第2の露光工程と、
    前記第1のレジストおよび前記第2のレジストの各々の露光光照射領域もしくは露光光未照射領域を除去する現像工程と、
    前記第1のレジストおよび前記第2のレジスト上に電鋳処理を行い金属板を形成する電鋳工程と、
    前記金属板を、前記第1のレジスト、前記第2のレジストおよび前記支持基板から剥離する剥離工程と、を備えてなり、
    前記アライメント工程は、前記第1のレジストに現出された第1のアライメントマークを前記第2のレジスト越しに視認し、該第1のアライメントマークの位置と、前記第2のマスクの第2のアライメントマークの位置とを一致させることにより行われることを特徴とするマイクロチップ製造用金型の製造方法。
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