JP2012096212A - 攪拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の内壁と攪拌対象物との間に生じるせん断力を用いながら、攪拌対象物の種類および収容量に応じて、高い効率での攪拌が実施可能な攪拌装置を提供する。
【解決手段】駆動源としての駆動モータ1と、攪拌対象物を収納する収納空間を有し、且つ、所要時間毎に回転方向を正逆切り換えながら駆動モータ1からの回転駆動力を受けて自転する攪拌容器と、ユーザからの入力に基づき、攪拌対象物に種類および収納量に応じて、駆動モータ1の駆動・停止および回転方向の切り替えを制御する制御ユニット45を備える。制御ユニット45の制御においては、攪拌容器の最大回転数の絶対値と、攪拌容器の回転開始から攪拌対象物が同期するまでの時間、および攪拌容器の回転停止から攪拌対象物の回転停止までの時間が考慮される。よって、装置の駆動では、攪拌容器の内壁と攪拌対象物との間に常にせん断力が作用する。
【選択図】図2

Description

本発明は、容器内壁との間でのせん断力を用いて対象物を攪拌する攪拌装置に関し、特に攪拌装置の駆動制御技術に関する。
薬品や食品の製造に際しては、複数の材料を混合したり、粒状物を粉砕したりするのに攪拌装置が用いられる。攪拌装置としては、攪拌対象物を投入した容器内に攪拌用のスクリューを挿入し、これを回転させて攪拌を実施する装置と(例えば、特許文献1)、容器内にスクリューを挿入することなく、容器を自転させることにより容器の内壁と攪拌対象物との間に生じるせん断力を用い攪拌を実施する装置とがある(例えば、特許文献2、3)。
上記2種類の攪拌装置の内でも、後者の容器自体を回転させる攪拌装置は、前者の装置に比べて、容器内にスクリューを挿入しないので清掃などに手間がかからず、また、スクリューの破損などに伴う品質面での問題を生じることがない。
容器の内壁と攪拌対象物との間に生じるせん断力を用い攪拌を実施する攪拌装置では、一定時間毎に容器の回転方向を正逆切り換えることで高い攪拌効率が維持される。
特許3072467号公報 特開2005−28292号公報 特開2007−98292号公報
しかしながら、上記特許文献2、3で提案されている攪拌装置では、攪拌対象物の種類や量によって、攪拌効率が十分ではない場合が生じ得る。即ち、上記特許文献2、3で提案されている攪拌装置では、予め設定された時間毎に攪拌容器の回転方向を正逆切り換えるのであるが、容器内に投入する攪拌対象物の量やその粘度などに影響を受けて、十分な攪拌が実施されない場合が生じ得る。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、容器の内壁と攪拌対象物との間に生じるせん断力を用いながら、攪拌対象物の種類および収容量に応じて、高い効率での攪拌が実施可能な攪拌装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る攪拌装置は、駆動源と攪拌容器と制御部とを有し、各構成要素は、次の特徴を有する。駆動源は、回転駆動力を発生する。攪拌容器は、攪拌対象物を収納する収納空間を有するとともに、所要時間毎に回転方向を正逆切り換えながら、駆動源からの回転駆動力を受けて自転する容器である。制御部は、攪拌動作を制御し、制御項目の中に、攪拌対象物の回転数が0[rpm]から定速回転状態に達するまでに要する時間(第1時間)と、攪拌容器への回転駆動力の伝達を解除した時から、攪拌対象物の回転動作が停止するまでに要する時間(第2時間)とが含まれている。
本発明に係る攪拌装置では、制御部が実行する制御方法として、次の2種類の方法を採用することができる。
(1)本発明に係る攪拌装置では、制御部が、攪拌対象物に対応付けた情報として、攪拌対象物の種類および収納量についての情報と、攪拌容器の最大回転数の絶対値(正逆回転に応じているために絶対値としている。)とについての情報をユーザから受け付け、当該受け付けた情報に基づき、回転駆動時における第1時間および第2時間を制御する、という構成を採用することができる。
(2)本発明に係る攪拌装置では、攪拌容器に対し、その内壁に流速センサまたは圧力センサまたは加速度センサの何れかを取り付けておき、当該センサから得られる検出結果(容器内壁とこれに近接する領域の攪拌対象物との間で生じる相対的な流速、または相対的な圧力、または相対的な加速度)に基づき、攪拌容器の回転方向を切り換え制御を行う、という構成を採用することができる。
上記(1)に係る攪拌装置では、攪拌対象物を収納する攪拌容器が、所要時間毎に回転方向を正逆切り換えて回転する構成を有する。即ち、本発明に係る攪拌装置では、攪拌対象物を収納した容器内部に攪拌用羽根などが設けられているのではなく、攪拌容器自体が回転し、その回転により生ずる容器内壁と攪拌対象物とのせん断力により攪拌がなされる。よって、本発明に係る攪拌装置では、攪拌用羽根などを容器内に設ける装置に比べて、攪拌対象物の種類変更の際における清掃などの手間を低減することができる。
また、本発明に係る攪拌装置では、攪拌容器の回転方向を所要時間毎に正逆切り換えるので、一方向に回転させる装置に比べて高い攪拌効率を有する。これは、一方向に持続的に攪拌容器を回転させる場合には、回転動作を開始してから一定の時間においては、攪拌容器の内壁と内部に収納された攪拌対象物とに周速度の差があるので両者の間に大きなせん断力が作用するが、ある時間を経過するとせん断力が小さくなり、攪拌効率が低下してしまう。これに対して、本発明に係る攪拌装置では、攪拌容器の回転方向を所要時間毎に正逆切り換えるので、回転方向の切り換え毎に容器内壁と攪拌対象物との間に高いせん断力が作用し、高い攪拌効率が得られる。
さらに、本発明に係る攪拌装置では、ユーザからの入力に基づき、攪拌対象物の種類および収納量に対応付けた状態で第1時間と第2時間とを制御するので、ユーザが攪拌対象物の種類および投入量に応じて攪拌条件を規定することができる。即ち、本発明に係る攪拌装置では、駆動時間を横軸に、攪拌容器の回転数(周速度に比例)を縦軸にとるときに、攪拌容器の加速を開始した時点から、内部に収納されている攪拌対象物が攪拌容器に同期した状態となるまでの時間を考慮することにより、攪拌容器の内壁と攪拌対象物との間に絶えずせん断力が作用した状態とすることができる。このため、本発明に係る攪拌装置では、攪拌対象物の種類および投入量の多少にかかわらず高い攪拌効率を得ることができる。
また、上記(2)に係る攪拌装置では、制御部は、センサ部からの検出結果を用いて回転方向の切り換えタイミングを制御するので、攪拌容器の内部に収納する攪拌対象物の種類や量によって、一々ユーザが細かな条件設定をしなくても、攪拌容器の内壁と攪拌対象物との間に常にせん断力が作用し、高い効率での攪拌が実行可能である。
従って、本発明に係る攪拌装置は、容器の内壁と攪拌対象物との間に生じるせん断力を用いながら、攪拌対象物の種類および収容量に応じて、常に高い効率での攪拌が実施可能である。
上記(1)に係る攪拌装置では、次のようなバリエーションを採用することができる。
・本発明に係る攪拌装置では、複数の駆動モードが記憶されたデータ保存領域を制御部に備え、データ保存領域に記憶された複数の駆動モードが、最大回転数の絶対値および第1時間および第2時間の組み合わせ条件が相互に異なる、という構成を採用することができる。
・本発明に係る攪拌装置では、複数の駆動モードの各々が攪拌対象物の種類および攪拌容器への収納量に応じて設定されており、第1時間が、攪拌容器の回転開始時点から、攪拌容器の内壁の周速度と当該内壁の近傍領域における攪拌対象物の周速度との差分が無くなるまでに要する時間に設定されている、という構成を採用することができる。ここで、攪拌対象物の種類とは、例えば、攪拌容器に収納された攪拌対象物の初期の粘度や、その組成、例えば、水溶性の液体と油性のものなどの組み合わせなど、といった種々の条件を加味したものである。このため、攪拌対象物の種類と攪拌条件との対応付けにあたっては、予めユーザが実験的あるいは経験的に最適条件を求めておくことが必要となる。
・本発明に係る攪拌装置では、最大回転数の絶対値および第1時間および第2時間の少なくとも1条件を変位する旨の、ユーザからの入力信号を受け付ける微調整指示受付部を制御部に備える、という構成を採用することができる。
・本発明に係る攪拌装置において、第1時間は、攪拌容器単体での要素時間を2.5秒以内の範囲とし、当該時間に、攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定され、第2時間は、攪拌容器単体での要素時間を0.5秒以内の範囲とし、当該時間に、攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定される、という構成を採用することが好ましい。
・本発明に係る攪拌装置では、差動部と制動部と回転方向切替部とを備える構成を採用することができる。そして、差動部は、駆動源からの回転駆動力を、2本の回転軸に対して差動的に伝達する。また、制動部は、上記2本の回転軸のうちの一方に接続され、制御部からの指示に基づき、その回転を停止させる。回転方向切替部は、制動部が接続された側の回転軸に接続され、制動部により回転が停止されている状態でその回転方向を正逆切り換えて出力軸に回転駆動力を伝達する。攪拌容器は、上記出力軸に接続されている。
・本発明に係る攪拌装置では、差動部がデファレンシャルギアを含む構成である、という構成を採用することができる。
実施の形態1に係る攪拌装置1000の構成を示す模式ブロック図である。 攪拌装置1000の構成の内、制御ユニット45を示すブロック図である。 制御ユニット45が備える操作部452の盤面を示す平面図である。 攪拌装置1000の駆動チャートである。 攪拌容器30aと液状体50との回転に係る周速度の関係を示す模式断面図である。 駆動時の各タイミングにおける攪拌容器30aと液状体50との周速度の関係を示すチャートである。 攪拌装置1000を用いた場合の、攪拌対象毎の設定回転数と定速回転に到達するまでに要する時間との関係を示す特性図である。 攪拌装置1000を用いた場合の、回転対象毎の設定回転数と回転が停止するまでに要する時間との関係を示す特性図である。 参考例として攪拌装置を用いた場合の、回転対象毎の設定回転数と定速回転に到達するまでに要する時間との関係を示す特性図である。 参考例として攪拌装置を用いた場合の、回転対象毎の設定回転数と回転が停止するまでに要する時間との関係を示す特性図である。 容器直径と設定周速度到達に要する時間との関係を示す特性図である。 実施の形態2に係る攪拌装置2000が備える攪拌容器42aを示す模式断面図である。 攪拌装置2000の構成の内、制御ユニット46を示すブロック図である。 制御ユニット46が実行する制御フローチャートである。
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態については、本発明の構成上の特徴および当該構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するために一例として用いるものであって、本発明は、その技術的な本質特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.全体構成
本実施の形態1に係る攪拌装置1000の全体構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係る攪拌装置1000は、回転駆動力を供給する駆動モータ1と、2つの攪拌容器30a、30bとを備える。駆動モータ1は、駆動軸2でデファレンシャルブロック3に接続されている。デファレンシャルブロック3からは、2本の回転軸10a、10bが延出されており、各々が回転方向切替ブロック11a、11bに接続されている。なお、本実施の形態1に係る攪拌装置1000では、駆動モータ1とデファレンシャルブロック3との間における回転駆動力の伝達経路中、具体的には、駆動軸2にフライホイール41が取り付けられている。フライホイール41については、後述する。なお、駆動モータ1には、インバータ制御方式のモータが用いられている。
各回転軸10a、10bは、回転方向切替ブロック11a、11bを突き抜ける状態で延設されており、各端部にブレーキブロック12a、12bが設けられている。各回転方向切替ブロック11a、11bからは、回転軸15a、15bが各々延出され、回転軸29a、29bなどを介して攪拌容器30a、30bに接続されている。本実施の形態1に係る攪拌装置1000においては、概略、中空球体の攪拌容器30a、30bを採用している。そして、攪拌容器30a、30bには、上部開口を塞ぐ状態に投入口蓋31a、31bが取り付けられており、略球状をした収納空間には、液状体50が保持されている。
また、攪拌装置1000には、その駆動制御を実行する制御ユニット45を備える。制御ユニット45は、その中の駆動データ保存部(図1では、図示を省略。)に複数の駆動データが保存されており、その中から選択された一の駆動データに基づいて駆動制御を実行する。具体的な駆動制御については、後述する。
デファレンシャルブロック3は、乗用車等の駆動系に用いられているのと同様の公知の構造を有するものであり,リングギア5、ケース6、ピニオンシャフト7、デファレンシャルピニオン8a、8b、サイドギア9a、9bなどから構成されている。駆動モータ1からの駆動軸2には、その先端部分にドライブピニオン4が取り付けられており、リングギア5に噛合するようになっており、また、回転軸10a、10bは、各端がサイドギア9a、9bにそれぞれ接合されている。デファレンシャルブロック3は、駆動軸2からの駆動力を差動的に2本の回転軸10a、10bに伝達する。
回転方向切替ブロック11a、11bは、デファレンシャルブロック3に繋がる2本の回転軸10a、10bのそれぞれに接続されており、大径のギア14a、14bと、それより径の小さなギア13a、13bおよびギア16a、16bと、小径のギア17a、17bとを備える。また、ギア16a、16bを支持する回転軸15a、15bには、これらには直接接触しない状態で糸巻型のリング18a、18bが取り付けられており、各リング18a、18bには、電磁ソレノイド20a、20bに対し稼動シャフト21a、21bを介して接続された松葉状のレバー19a、19bが取り付けられた構成となっている。
ここで、レバー19a、19bの各々は、制御ユニット45からの制御信号に基づく電磁ソレノイド20a、20bの駆動により、図1のX軸方向に移動可能となっており、当該移動に伴ってリング18a、18bを介してギア16a、16bを左右方向に移動させる。そして、回転方向切替ブロック11a、11bにおいては、この移動によってギア16a、16bがギア14a、14bあるいはギア17a、17bの一方に対し噛合することになる。
ギア16a、16bが接合されてなる回転軸15a、15bの各々の回転駆動力は、ギア27a、27bおよびギア28a、28bを介して、回転軸29a、29bに伝達される。そして、各回転軸29a、29bの先端部分には、攪拌容器30a、30bがそれぞれ接合されている。
ブレーキブロック12a、12bは、電磁ディスクブレーキであって、デファレンシャルブロック3から延びる各回転軸10a、10bの先端部分に設けられている。具体的には、電磁コイル22a、22bと、スプリング23a、23bと、ディスク24a、24bとパッド25a、25bと、コア26a、26bとから構成されている。ブレーキブロック12a、12bは、制御ユニット45からの指示信号に基づき、交互に回転軸10a、10bの回転を停止させるものであって、制御ユニット45からの制御信号に基づき電磁コイル22a、22bに電流が流されるとスプリング23a、23bの力に抗してディスク24a、24bがコア26a、26bの側に引き付けられ、ディスク24a、24bがパッド25a、25bから切り離されてブレーキ解除される。なお、電磁コイル22a、22bに電流が流されていない状態では、上記とは逆の作用を以ってブレーキがかかった状態となる。
2.制御ユニット45の構成
攪拌装置1000の構成の内、制御ユニット45について、図2および図3を用い説明する。
図2に示すように、攪拌装置1000における制御ユニット45には、駆動モータ1、ブレーキブロック12a、12bおよび回転方向切替ブロック11a、11bに対して制御信号を発する駆動処理部451を備える。また、制御ユニット45には、ユーザとの間での情報の入出力を行うための操作部452と、予め複数の駆動モードが保存されている駆動データ保存部453とを備える。ここで、操作部452は、ユーザからの入力信号を受け付ける入力受付部4521と、ユーザに対して情報を表示する表示部4522とを備える。操作部451の具体例について、図3を用い説明する。
図3に示すように、操作部452には、タッチパネルが配され、ユーザからの入力信号を受け付けるパネル部452aと、主電源スイッチ452b、駆動スタートスイッチ452c、停止スイッチ452dが設けられている。この内、パネル部452aには、ユーザにより選択された駆動モードと、当該駆動モードの各条件(駆動時間P、インターバルP、回転数、合計攪拌時間)が表示される。駆動モードにおける各条件については、後述する。
ユーザは、パネル部452aにおける各条件が表示された部分を押下した上で、「Enter」部分を押下することで駆動モードを確定することができる。また、ユーザが選択した駆動モードの条件の内で補正しようとする条件がある場合には、各条件が表示されている各箇所の下部を押下して、「+」部分または「−」部分を押下した上で、「Enter」部分を押下することで条件を個別に補正することができる。
3.攪拌装置1000の駆動方法
上記構成を有する攪拌装置1000の駆動方法について、図1、図3および図4を用いて説明する。
図4において、A部は攪拌容器30aの回転状況を、B部は攪拌容器30bの回転状況を、C部はブレーキブロック12aに印加されるブレ−キ電圧を、D部はブレーキブロック12bに印加されるブレーキ電圧を、E部およびF部は回転切換の電圧をそれぞれ示している。
図4に示すように、攪拌装置1000の駆動においては、先ず、攪拌容器30a、30bに液状体50を入れて投入口蓋31a、31bを閉める。次に、ユーザが主電源スイッチ452bをオンにすると、駆動モータ1は停止したままの状態において、制御ユニット45の駆動処理部451からブレーキブロック12a、12bに制御電圧が印加され、ブレーキブロック12aがオフ(ブレーキが解除された状態)、ブレーキブロック12bがオン(ブレーキが掛かった状態)にされる。
上記状態において、ユーザは、パネル部452aを用いて駆動モードの選択と、必要に応じて各条件の補正を行い、条件確認後にスタートスイッチ452cを押下する。スタートスイッチ452cが押下されると、制御ユニット45の駆動処理部451からは、駆動モータ1に対して動作開始信号を発し、駆動モータ1が回転駆動を開始する。
図4に示すように、駆動モータ1が駆動を開始し始めた状態では、ブレーキブロック12bのブレーキが掛かった状態となっているので、回転軸10bは回転せず、回転軸10aのみが回転を開始し、回転方向切替ブロック11aにおけるギア16a、および回転軸15a、ギア27a、28aを介して回転軸29aが回転し、図1における紙面向かって左側に配された攪拌容器30aが所定の回転数で回り始める(回転方向rot.2または回転方向rot.3)。
図4に示すように、攪拌装置1000では、上記駆動状態を所定時間継続した後、タイミングt1において、制御ユニット45の駆動処理部451からのブレーキ電圧が切り替わる。即ち、ブレーキブロック12aのブレーキが掛かり、ブレーキブロック12bのブレーキが解除される。すると、図4のA部に示すように、タイミングt2で攪拌容器30aの回転が停止する。一方、図4のB部に示すように、タイミングt1で攪拌容器30bが回転を開始し(図1の回転方向rot.4または回転方向rot.5)、タイミングt2で定常駆動状態に入る。図4のE部に示すように、タイミングt3において、制御ユニット45の駆動処理部451から電磁ソレノイド20aに電圧が加えられて、ギア16aが右方向に移動しギア17aと噛合するようになって、攪拌容器30aが逆回転する準備が整う。図4のC部およびD部に示すように、タイミングt4において、ブレーキ電圧が切り替わり、攪拌容器30bのブレーキが掛かり、タイミングt5において、攪拌容器30bは回転停止状態となる。一方攪拌容器30aは、それまでとは逆方向の回転を開始し(図1のrot.2からrot.3へ、またはrot.3からrot.2へ)、タイミングt5で定常駆動状態に入る。図4のF部に示すように、タイミングt6において、制御ユニット45の駆動処理部451からは、電磁ソレノイド20bに対し電圧が印加され、ギア16bが紙面の左側に滑ってギア16bがギア17bと噛合して、攪拌容器30bが逆方向に回転する準備が整えられる。以下同様にしてタイミングt7、t8で再び回転方向が切り替わる(図1のrot.4からrot.5へ、またはrot.5からrot.4へ)。なお、タイミングt3はタイミングt2とタイミングt4との間、タイミングt6はタイミングt5とタイミングt7との間であれば、図4に示したタイミングに制限されない。
4.駆動に係る条件設定
本実施の形態1に係る攪拌装置1000では、制御ユニット45の駆動データ保存部4532に予め複数の駆動モードが記憶されている。上述のように、駆動モードごとには、駆動時間P、インターバルP、回転数および合計攪拌時間が設定されており、これら各条件は、攪拌対象物である液状体50の種類や収容量により規定されている。なお、攪拌容器30a、30bについては、正転および逆転を繰り返すのであり、回転数に方向性を考える場合には、「回転数」に「+」、「−」が付される。このため、上記における「回転数」は、絶対値を表すものである。
図5は、攪拌容器30aを図1のY軸に直交する平面で切断した断面図である。図5に示すように、攪拌装置1000では、攪拌容器30aと液状体50との間のせん断力を用いて攪拌を実行するのであるが、せん断力は、攪拌容器30aの周速度Vと、攪拌容器30aの内壁に近接する領域での液状体50の周速度Vとの差により生ずる。攪拌装置1000の駆動における攪拌容器30aの周速度Vと液状体50の外周部分(攪拌容器30aの内壁の近傍部分)における周速度Vとの関係について、図6を用い説明する。
図6に示すように、タイミングt11において、駆動モータ1が一方向に向け回転し始めると攪拌容器30aの周速度Vが”0”から”+V”に向けて上昇して行く。そして、攪拌容器30aの周速度Vは、タイミングt12において、”+V”に達する。ここで、タイミングt11からタイミングt13までの駆動時間Pは、駆動前にユーザによって設定された駆動モードにより規定されており、また、周速度”+V”も、設定された最大回転数より規定されている。
タイミングt11において、攪拌容器30aの周速度Vが上昇を開始すると、これに伴い、液状体50における外周部分の周速度Vも、周速度”+V”に向けて上昇を開始する。なお、図6では、タイミングt11において、周速度Vが負となっているが、これは、タイミングt11よりも前の期間において、液状体50が慣性により逆回転していたことを示している。
タイミングt12では、液状体50の周速度Vは周速度”+V”よりも遅い。即ち、周速度Vの上昇は、周速度Vの上昇に比べて遅れる。これは、周速度Vの上昇が、攪拌容器30aの内壁と液状体50との摩擦力によるものであることに起因する。
タイミングt12からタイミングt13の間は、周速度Vは周速度”+V”で一定を維持し、タイミングt13において、周速度Vが周速度”+V”に到達する。ここで、タイミングt12からタイミングt13までの時間は、液状体50の種類や収容量など、および駆動モータ1のトルクなどを考慮して規定されるものであって、駆動前にユーザの選択によって設定された駆動モードにより規定された駆動時間Pに含まれる。なお、周速度”+V”は、攪拌容器30aの周速度”+V”と略等しい。
タイミングt13で周速度Vが周速度”+V”に達すると、攪拌容器30aの周速度Vは周速度”0"に向けて下降し始める。そして、タイミングt14からタイミングt15までの間では、周速度Vは停止状態となる。ただし、タイミングt13からタイミングt14までの間においても、周速度Vは緩やかに下降しながらも”+”方向への回転を持続する。これは、慣性力によるものである。
タイミングt14からタイミングt15までの間では、回転方向切替ブロック11aにおいて回転方向の切替動作がなされており、もう一方の攪拌容器30bが回転をしている(図1および図4を参照)。そして、タイミングt15では、周速度Vが周速度”0”から周速度”−V"に向けて下降し始め、タイミングt16において、周速度Vは周速度”−V”に達する。そして、タイミングt16からタイミングt17の間では、周速度Vは一定の値”−V"を維持し、その後、タイミングt18に周速度Vは”0”となるように上昇してタイミングt19まで停止状態となる。なお、タイミングt15からタイミングt17までの間の時間は、駆動時間Pである。そして、攪拌容器30aの正転および逆転が実行される1サイクルが、インターバルPである。
タイミングt15からタイミングt19までの期間における周速度Vは、タイミングt11からタイミングtt15までの期間とは正逆反対の関係をもって変化する。
攪拌容器30aと液状体50との周速度V、Vは、上述のような関係をもって変化するが、攪拌容器30bとその中に収納される液状体50との周速度についても同様の関係を有する。
5.駆動モードごとの各条件の一例
本実施の形態1に係る攪拌装置1000において採用される駆動モードごとの各条件の一例を(表1)に示す。
Figure 2012096212

(表1)において、モード1からモード10は、例えば、次のような条件により設定されている。
(i)モード1:攪拌容器として、重量22[kg]の容器を用い、設定回転数が340[rpm]である。
(ii)モード2:攪拌容器として、重量22[kg]の容器を用い、設定回転数が765[rpm]である。
(iii)モード3:攪拌容器として、重量22[kg]の容器を用い、固体の錘を収容し、設定回転数が340[rpm]である。
(iv)モード4:攪拌容器として、重量22[kg]の容器を用い、固体の錘を収容し設定回転数が765[rpm]である。
(v)モード5:攪拌容器として、重量41[kg]で、直径600[mm]の容器を用い、設定回転数が170[rpm]である。
(vi)モード6:攪拌容器として、重量41[kg]で、直径600[mm]の容器を用い、設定回転数が340[rpm]である。
(vii)モード7:攪拌容器として、重量41[kg]で、直径600[mm]の容器を用い、内部に100[L]の水を収容し、設定回転数が170[rpm]である。
(viii)モード8:攪拌容器として、重量41[kg]で、直径600[mm]の容器を用い、内部に100[L]の水を収容し、設定回転数が340[rpm]である。
(ix)モード9:攪拌容器として1斗缶を用いるための台(重量35[kg]、直径500[mm])を用い、設定回転数が255[rpm]である。
(x)モード10:攪拌容器として1斗缶を用いるための台(重量35[kg]、直径500[mm])を用い、設定回転数が510[rpm]である。
なお、(表1)に示す条件は、一例であって、攪拌容器や攪拌対象物により適宜変更が可能である。
5.条件設定に関する考察
上記モード毎の駆動時間PおよびインターバルPの設定に関する考察結果について、図7から図10を用い説明する。ここで、図7および図8は、本実施の形態に係る攪拌装置1000を用いた場合の特性図であり、図9および図10は、参考例としてデファレンシャルブロック機構を採用しない場合の対応特性図である。
先ず、図7に示すように、攪拌装置1000を採用する場合には、重量44[kg]の容器を用いる場合に、設定回転数を765[rpm]にするとき、当該容器が定速回転に到達するまでに約2.4[sec.]を要する。重量22[kg]の容器を用いる場合、および容器を取り付けない場合には、1[sec.]以内に定速回転に到達した。
なお、100[L]の内容積を有する容器を用いた場合、およびこれに100[L]の水を収容した場合には、設定回転数が425[rpm]あるいは340[rpm]が上限となったため、それぞれの定速回転に到達する時間は、1[sec.]以内であった。1斗缶を取り付ける台の場合にも、同様であった。
次に、回転停止に要する時間については、攪拌容器および収容物、さらには設定回転数により条件が異なっている。ここで、図8より、攪拌容器単体での要素時間については、概ね0.5[sec.]が上限とすることができることが分かる。即ち、図8に示すように、100[L]の内容積を有する容器の場合、設定回転数425[rpm]であれば、回転停止までに要する時間は0.45[sec.]であった。これより、攪拌容器における要素時間について、実用上、回転停止に要する時間の上限を、0.5[sec.]と考えることができる。
なお、図9に示すように、デファレンシャルブロック機構を備えず、モータの回転方向の切り替えで容器の回転方向を切り替える場合には、重量44[kg]の容器を用いるときにも、設定回転数465[rpm]に到達するのに、約4.6[sec.]を必要とした。図9に示す他のデータからも分かるように、デファレンシャルブロック機構を用いない場合には、上記実施の形態に係る攪拌装置1000の場合に比べて、1.25〜5[倍]の時間を必要とした。
同様に、図10に示すように、デファレンシャルブロック機構を備えない場合には、回転停止に要する時間も、上記実施の形態に係る攪拌装置1000に比べて長時間を要した。
以上の結果より、定速回転に到達するのに要する時間を、攪拌容器単体での要素時間を2.5[sec.]以内の範囲とし、当該時間に、攪拌容器に収容される攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定し、回転停止までに要する時間を、攪拌容器単体での要素時間を0.5[sec.]以内の範囲とし、当該時間に、攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定する、ことが好ましい。なお、攪拌装置1000の駆動においては、攪拌容器の重量および直径や、収容される攪拌対象物の収容量、流動性および粘性などにより設定条件を適宜変更することが可能である。
また、図7から図10では、設定回転数が510[rpm]以下の範囲でのデータが、より高い信頼性を有するものであるので、当該範囲のデータから各設定時間を推定することもできる。
次に、攪拌容器直径と設定周速度到達に要する時間との関係について、図11を用い説明する。図11では、横軸に設定周速度をとり、縦軸に設定周速度に到達するまでに要した時間をとっている。そして、図11では、一例として4つのサンプルデータを示す。
図11に示すように、直径300[mm]の重量容器の場合においても、設定周速度12.0[m/s]に到達するのに2.400[sec.]を要し、他のサンプルにおいても、設定周速度が10.0〜13.0[m/s]に到達するのに1.0[sec.]以内の時間を要した。このデータを参考として考慮した場合にあっても、上記のように、定速回転に到達するのに要する時間を、攪拌容器単体での要素時間を2.5[sec.]以内の範囲とし、当該時間に、攪拌容器に収容される攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定し、回転停止までに要する時間を、攪拌容器単体での要素時間を0.5[sec.]以内の範囲とし、当該時間に、攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定する、ことが好ましい。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る攪拌装置2000では、攪拌容器42aの内部構造と、制御系統が上記実施の形態1に係る攪拌装置1000との相違点として有する。以下では、上記実施の形態1に係る攪拌装置1000との相違点を中心として説明する。
1.攪拌容器42aの構成
実施の形態2に係る攪拌装置2000の構成の内、攪拌容器42aの内部構造について、図12を用い説明する。なお、図12は、攪拌容器42aを回転軸29a(図1を参照。)に直交する方向に切断した模式断面図である。
図12に示すように、本実施の形態2に係る攪拌容器42aでは、その内壁に流速センサ43aが取り付けられている。流速センサ43aは、攪拌容器42aが回転する際に、攪拌容器42aの周速度Vと、攪拌容器42aの内壁に近接する領域での液状体50の周速度Vとの差△V(=V−V)を検出する。
本実施の形態2に係る攪拌容器42aの内壁に取り付けられている流速センサ43aとしては、例えば、回転羽根を用いたものや、ピトー管を用いたものなどを採用することができる。
なお、本実施の形態2に係る攪拌装置2000においても、上記実施の形態1に係る攪拌装置1000と同様に、2つの攪拌容器を備え、各攪拌容器が図12に示す構造を有する。即ち、もう一方の攪拌容器にも、内壁に流速センサ43b(図13を参照。)が取り付けられている。
2.制御ユニット46の構成
攪拌装置2000の構成の内、制御ユニット46について、図13を用い説明する。
図13に示すように、攪拌装置2000における制御ユニット46には、駆動モータ1、ブレーキブロック12a、12bおよび回転方向切替ブロック11a、11bに対して制御信号を発する駆動処理部461を備える。また、駆動処理部461には、流速センサ43a、43bからの検出信号も受信可能になっている。
制御ユニット46には、上記実施の形態1に係る制御ユニット45と同様に、操作部462と駆動データ保存部463とを備える。操作部462については、図3に示すのと略同様の構造を有する入力受付部4621と表示部4622とを備える。
ただし、本実施の形態2に係る攪拌装置2000に対しては、ユーザが駆動時間PおよびインターバルPを選択する必要はない。これについては、後述する。
3.制御部46が実行する駆動制御
実施の形態2に係る攪拌装置2000の駆動において、制御部46が実行する駆動制御について、図14を用い説明する。
図14に示すように、攪拌装置2000の駆動に際し、ユーザが主電源スイッチ(図3の主電源スイッチ452bに相当)をオンにすると、駆動モータ1が停止したままの状態において、制御ユニット45の駆動処理部461からブレーキブロック12a、12bに制御電圧が印加され、ブレーキブロック12aがオフ(ブレーキが解除された状態)、ブレーキブロック12bがオン(ブレーキが掛かった状態)にされる(ステップS1)。
上記状態において、ユーザは、上記実施の形態1の場合と同様に、攪拌条件の入力を行う(ステップS2)。そして、条件確認後にスタートスイッチ(図3のスタートスイッチ452cに相当)を押下する。スタートスイッチが押下されると(ステップS3:Yes)、制御ユニット46の駆動処理部461からは、駆動モータ1に対して動作開始信号が出力され、駆動モータ1が回転駆動を開始する(ステップS4)。本実施の形態2では、駆動モータ1の回転駆動開始と略同時に、タイマーTの計時が開始される(ステップS5)。
上記実施の形態1と同様に、駆動モータ1が駆動を開始し始めた状態では、ブレーキブロック12bのブレーキが掛かった状態となっているので、回転軸10bは回転せず、回転軸10aのみが回転を開始し、攪拌容器42aが回転を始める。回転開始時においては、図6に示すように攪拌容器42aの周速度Vと、その内壁に近接する部分の液状体50の周速度Vとの間に速度差△Vが存在し、これが流速センサ43aで検出されることになる。制御部46は、流速センサ43aからの周速度差△V43aの検出信号を受け、当該周速度差△V43aが略なくなるまで上記駆動状態を維持する(ステップS6:No)。
ここで、「周速度差△V43aが略なくなる」とは、ユーザが入力した最大回転数から算出される攪拌容器42aの周速度Vに対して、周速度差△V43aが数[%]以下になる状態をいう。この数値などについては、予め駆動データ保存部463に記憶されている。
制御部46の駆動処理部461が、「周速度差△V43a≒0」と判断した場合には(ステップS6:Yes)、駆動処理部461は、ブレーキ電圧の切り換えを実行する。具体的には、ブレーキブロック12aをオンにし、ブレーキブロック12bをオフにする(ステップS7)。すると、図6のタイミングt13と同様に、攪拌容器42aが減速され、タイミングt14のように停止する。
一方、ブレーキブロック12bがオフとなったので、もう一方の攪拌容器の回転が開始する。2つの攪拌容器の回転駆動は、デファレンシャルブロック3の働きにより差動的なものとなる。駆動処理部461は、ブレーキブロック12aがオンの状態とされた側の回転方向切換ブロック11aの回転方向の切り換え(L⇔R)を実行する(ステップS8)。回転方向の切り換え方法については、上記実施の形態1と同様である。
駆動処理部461は、回転している側の攪拌容器内に設けられた流速センサ43bが検出する周速度差△V43bを監視し、「周速度差△V43a≒0」と判断した場合には(ステップS9:Yes)、駆動処理部461は、ブレーキ電圧の切り換えを実行する。具体的には、ブレーキブロック12aをオフにし、ブレーキブロック12bをONにする(ステップS11)。なお、駆動処理部461は、カウントしているタイマーTの計時時間が設定値TALL以上になっていると判断する時には(ステップS10:No)、駆動モータ1の回転を停止し(ステップS15)、タイマーTの計時を停止する(ステップS16)。
一方、ステップS10において、未だにタイマーの計時時間Tが設定時間TALLに到達していない場合には、上記のようにブレーキブロック12a、12bの操作を実行し(ステップS11)、また、回転方向切換ブロック11bの方向切り換えを実行させる(ステップS12)。そして、上記同様に、周速度差△V43aが略なくなるまで回転動作を維持し(ステップS13:No)、周速度差△V43aが略なくなると(ステップS13:Yes)、ステップS7へと戻って駆動を続ける。ここでも、ステップS14において、計時時間Tが設定時間TALLに達したと判断した場合には(ステップS14:No)、駆動を停止する(ステップS15、ステップS16)。
本実施の形態2に係る攪拌装置2000では、制御部46が上記のような一連の動作を繰り返して実行し、攪拌容器内の液状体の攪拌がなされる。なお、攪拌装置2000の攪拌動作中における全タイミングにおいて、ユーザが停止ボタン(図3の停止ボタン452dに相当)を押下すると、装置は緊急停止することになる。
3.攪拌装置2000の優位性
本実施の形態に係る攪拌装置2000では、上記実施の形態1に係る攪拌装置1000のように、ユーザがモード選択により設定した駆動時間P、インターバルPに基づいたタイミングで回転方向の切り換えを実行するのではなく、攪拌容器42aと液状体50との流速の差△Vを実際に検出し、その検出結果を用いて回転方向の切り換えタイミングが規定されている。このため、本実施の形態に係る攪拌装置2000では、攪拌容器の内部に収納する対象物の種類によって一々ユーザが条件を細かく設定しなくても、高い効率での攪拌が実行可能である。
例えば、攪拌の進行により攪拌対象物の粘度が逐次変化するような場合にあっても、攪拌装置2000では、周速度差△Vを検出し、当該検出結果に応じて回転方向の正逆切り換えがなされるので、駆動中における攪拌容器の内壁と攪拌対象物との間には、持続的にせん断力が生じる。この場合には、回転方向切り換えの時間間隔(図6におけるインターバルPの1/2の間隔)が、その時々の攪拌対象物の粘度により変化することになる。
[その他の事項]
上記実施の形態1、2では、2つの攪拌容器30a、30bを備える構成を採用したが、攪拌容器の構成数は、必ずしも2つである必要はなく、1つであっても、逆に3つ以上であってもよい。攪拌容器の構成数に応じて、駆動系を適宜変更すればよい。
また、上記実施の形1、2では、攪拌容器30a、30b、42aの回転方向を所要時間ごとに正逆切り換えるために、デファレンシャルブロック3と回転方向切替ブロック11a、11bとブレーキブロック12a、12bとを備える構成を採用した。このような構成を採用することにより、装置駆動中における駆動モータ1の回転方向を一方向に維持しながら、攪拌容器30a、30b、42aの回転方向を所定時間ごとに正逆切り換えることが可能となる、エネルギロスの低減という観点から望ましい。しかしながら、本発明では、回転方向の切り替えに係る構成を上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、多少エネルギロスは増加するものの、駆動モータ1の回転方向を所要時間ごとに正逆切り換えることとしてもよい。
また、図1などに示すように、実施の形態1、2に係る攪拌容器30a、30b、42aについては、中空球体としたが、攪拌効率のより一層の向上を図るために、内壁に羽根やディンプルなどの凹凸を設けることとしてもよい。
上記実施の形態1、2に係る攪拌装置1000、2000では、駆動軸2にフライホイール41を取り付けて、ブレーキブロック12a、12b作動の際の駆動モータ1への負荷を低減することとしたが、十分に大きなトルクを発生するモータなどの駆動源を採用する場合には、フライホイールを取り付けることは必須ではない。また、フライホイールの代わりにモータバイクで採用されることがあるバックトルクリミッタやビスカスカップリングなどを採用することもできる。
本発明に係る攪拌装置では、例えば、化粧クリームやリキッドファンデーションなどの粘性のある化粧品や、味噌やケチャップなどの食品等の製造に用いることができる。また、攪拌対象物は、液状体50に限らず、例えば、ゲル状あるいはゾル状のものや、粉体物や、液体と固形物との混合物などに対しても上記同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態1、2に係る攪拌装置1000、2000では、攪拌のために攪拌容器30a、30b、42aを備える構成としたが、一斗缶やドラム缶をそのまま攪拌容器として用いることもできる。また、上記実施の形態では、制御特性などの観点から駆動モータ1を駆動源として採用したが、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、さらにはガスタービンエンジンなどを採用することもできる。
また、上記実施の形態2における攪拌装置2000では、攪拌容器内に流速センサ43a、43bを設け、この流速センサ43a、43bが検出する周速度差△Vにより回転方向の切り換えタイミングを制御することにしたが、圧力センサや加速度センサを設け、これらの検出結果に基づいて回転方向の切り換えタイミングを制御することにしても同様の駆動が実現できる。
本発明は、薬品や化粧品あるいは食品などの製造に用いられ、高効率に攪拌が可能な攪拌装置を実現するのに有効である。
1.駆動モータ
2.駆動軸
3.デファレンシャルブロック
10a、10b.回転軸
11a、11b.回転方向切替ブロック
12a、12b.ブレーキブロック
20a、20b.電磁ソレノイド
30a、30b、42a.攪拌容器
41.フライホイール
43a、43b.流速センサ
45、46.制御ユニット
50.液状体
451、461.駆動処理部
452、462.操作部
453、463.駆動データ保存部
1000、2000.攪拌装置
4521、4621.入力受付部
4522、4622.表示部

Claims (10)

  1. 回転駆動力を発生する駆動源と、
    攪拌対象物を収納する収納空間を有するとともに、所要時間毎に回転方向を正逆切り換えながら前記回転駆動力を受けて自転する攪拌容器と、
    攪拌動作を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記攪拌対象物の種類およびその収納量に対応付けて、前記攪拌対象物の回転数が0rpmの状態から定速回転状態に達するまでに要する第1時間と、前記攪拌容器への回転駆動力の伝達を解除した時から、前記攪拌対象物の回転動作が停止するまでに要する第2時間とを制御する
    ことを特徴とする攪拌装置。
  2. 前記制御部は、前記攪拌対象物に対応付けた情報として、前記攪拌対象物の種類およびその収納量についての情報と、前記攪拌容器の最大回転数の絶対値とについての情報とをユーザから受け付け、当該情報に基づき前記第1時間および前記第2時間を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  3. 前記制御部には、複数の駆動モードが記憶されたデータ保存領域が形成されており、
    前記複数の駆動モードでは、前記最大回転数の絶対値と前記第1時間と前記第2時間との組み合わせ条件が相互に異なる
    ことを特徴とする請求項2に記載の攪拌装置。
  4. 前記複数の駆動モードの各々は、前記攪拌対象物の種類および収納量に応じて設定されており、
    前記第1時間は、前記攪拌容器の回転開始時点から、前記攪拌容器の内壁の周速度と、当該内壁の近傍領域における前記攪拌対象物の周速度との差分が無くなるまでに要する時間に設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の攪拌装置。
  5. 前記制御部には、前記最大回転数の絶対値および前記第1時間および前記第2時間の少なくとも1条件を変位する旨の、ユーザからの入力信号を受け付ける微調整指示受付部が含まれている
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の攪拌装置。
  6. 前記第1時間は、前記攪拌容器単体での要素時間を2.5秒以内の範囲とし、当該時間に、前記攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定され、
    前記第2時間は、前記攪拌容器単体での要素時間を0.5秒以内の範囲とし、当該時間に、前記攪拌対象物の収容量、その流動性および粘性を少なくとも考慮した時間を加算した時間で設定される
    ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の攪拌装置。
  7. 前記攪拌容器には、当該容器内壁とこれに近接する領域の前記攪拌対象物との間で生じる相対的な流速または相対的な圧力または相対的な加速度の何れかを検出するセンサ部が設けられており、
    前記制御部は、回転駆動時における前記攪拌容器の回転方向の切り換えタイミングを、前記センサ部の検出結果に基づき制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  8. 前記制御部は、前記センサ部の検出結果に基づき、前記攪拌装置の内壁とこれに近接する領域の前記攪拌対象物との間のせん断力が無くなるタイミングをもって、回転駆動時における前記攪拌容器の回転方向の切り換え制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載の攪拌装置。
  9. 前記駆動源からの回転駆動力を、2本の回転軸に対して差動的に伝達する差動部と、
    前記2本の回転軸のうちの一方に接続され、前記制御部からの指示に基づき、その回転を停止させる制動部と、
    前記制動部が接続された側の回転軸に接続され、前記制動部により回転が停止されている状態でその回転方向を正逆切り換えて出力軸に回転駆動力を伝達する回転方向切替部とを有し、
    前記攪拌容器は、前記出力軸に接続されている
    ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の攪拌装置。
  10. 前記差動部は、デファレンシャルギアを含む構成である
    ことを特徴とする請求項9に記載の攪拌装置。
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