JP2012095838A - 磁界検知装置を使用した球技装置 - Google Patents

磁界検知装置を使用した球技装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気センサを用いて、球技装置に備えられた磁気機構部から発せられた磁界であるか、違法な磁石の接近であるかを識別できる球技装置用の磁界検知装置を提供する。
【解決手段】 磁気ベクトルを検知するX軸、Y軸、Z軸の3つの磁気センサが用いられている。制御部において、それぞれのセンサから得られる検知出力の合成値が演算される。3軸の合成値が線図αであれば、磁気機構部からの磁界と判別し、線図βであれば、違法な磁石が接近していると判別する。また、合成値のデータの大きさが所定のしきい値を超えたら、その後のデータを監視し、データの変動が小さく安定しているときは、線図αであると判別し、安定せずにデータが大きくなったら、線図βであり、違法な磁石の磁界であると判別する。
【選択図】図7

Description

本発明は、球技装置に違法な磁界発生源が接近しまたは設置されているかを識別する球技装置用の磁界検知装置およびこれを使用した球技装置に関する。
球技装置は、鉄製の玉が打ち出される。そのために、表示盤の前方に違法な磁界発生源を設置して打ち出された玉の起動を磁界により変化させて入賞に導くという違法行為が行われる可能性がある。
上記違法行為への対策として、以下の特許文献1の球技装置は、磁界を検知するX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサを備えて3軸方向の磁界を検知する磁気センサを備えている。前記磁気センサは、球技装置に4個以上搭載され、それぞれの磁気センサで、磁石からの磁界を検知して、磁界発生源を用いた違法行為を検知しようとしている。
特開2009−279247号公報
特許文献1に記載の磁気センサは、4個以上の多くの磁気センサを搭載しているため、磁気センサの数が多くなる。
また、球技装置には入賞機構を動作させるソレノイドが備えられているために、それぞれの磁気センサが、ソレノイドからの磁界を検知する可能性がある。この場合に、違法行為による磁界であるかソレノイドからの磁界であるのかを識別できなくなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、共通の磁気検知部を使用して、違法行為による磁界か、球技装置に備えられているソレノイドなどの磁気機構部から発生した磁界であるかを識別できるようにした球技装置用の磁界検知装置を提供することを目的としている。
また本発明は、前記磁界検知装置を使用して、違法な磁石の接近を高い精度で検知することができる球技装置を提供することを目的としている。
本発明は、球技装置に設けられた磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を分析する制御部とが設けられた磁界検知装置において、
前記制御部では、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、検知出力の変動を監視し、変動幅が所定の範囲を外れたときに、違法な磁界発生源が存在していると判別することを特徴とするものである。
または、本発明は、球技装置に設けられた磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を演算する制御部とが設けられた磁界検知装置において、
前記制御部では、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、検知出力の変動を監視し、変動幅が所定の範囲を外れたときに、その後の検知出力の変化を分析して、違法な磁界発生源が存在しているか否かを判別することを特徴とするものである。
ソレノイドなどで動作する磁気機構部に通電されると、磁気機構部から発せられる磁界の強度が急激に上昇して磁気検知部で検知される検知出力が短時間で増大する。その後に通電が継続されていると、発せられる磁界強度が一定になり磁気検知部での検知出力が安定する。本発明は、磁気検知部で検知された検知出力が所定レベルを超えた後においては、検知出力が安定するか否かを監視し、安定状態が乱れたら違法な磁界発生源が存在すると判断する。あるいは、安定状態が乱れたら、その後の検知出力の変化を監視し、大幅な変化を示すなどしたら、違法な磁界発生源が存在すると判断する。
本発明は、変動幅が所定の範囲を外れたときに、その後の検知出力の変化の周波数を分析し、その周波数によって、違法な磁界発生源が存在しているか否か判別することが可能であり、例えば、前記周波数が予め決められた基準よりも低いときに、違法な磁界発生源が存在していると判別するものである。
本発明は、検知出力は一定時間毎に取得され、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、複数の検知出力の平均値を求め、その平均値と新たに得られた検知出力との差が一定値を超えたときに、変動幅が所定の範囲を外れたと判断することができる。
本発明は、磁気検知部は、3方向の磁界成分を検知できるものであり、前記検知出力は、3方向の磁界成分の合成値である。
本発明の球技装置は、前記いずれかの磁界検知装置が搭載されているものである。
本発明は、入賞機構などを動作させる磁気機構部が設けられている球技装置に、磁気検知部が設けられている。磁気機構部を動作させるソレノイドなどに通電されると、そのときに発生する磁界によって磁気検知部の検知出力が変化するが、磁気機構部に通電を継続していると、発生する磁界強度が安定する。そこで、本発明は、検知された磁界が所定レベルを超えた後に、その後の検知出力が安定するか否かによって、磁気機構部の動作に基く磁界の検知出力であるか、または違法な磁界発生源が存在することによる磁界の検知出力であるか、を識別できるようにしている。そのため、違法な磁界発生源からの磁界を、磁気機構部から発せられる磁界と区別して検知することが可能になる。
本発明の実施の形態の磁界検知装置の回路ブロック図、 磁気検知部に設けられたX軸センサとY軸センサおよびZ軸センサの説明図、 磁気ベクトルと、磁気検知部の検知出力との関係を示す三次元座標の説明図、 (A)は、磁界検知装置が搭載された球技装置の正面図、(B)は断面図、 磁気機構部が動作したときのX軸とY軸およびZ軸の検知出力の変化を示す線図、 違法な磁界発生源が接近するときのX軸とY軸およびZ軸の検知出力の変化を示す線図、 X軸とY軸およびZ軸の検知出力の合成出力を示す線図、 合成出力から、違法な磁界発生源が接近しているか否かを判断する分析方法の一例を示す説明図、 検知出力が安定したか否かを判別する検知動作を示す説明図、
図4(A)(B)に示す球技装置20は、鉄の玉を打ち出して、複数の入賞穴に入れるゲームである。球技装置20はケース21に表示盤22が設けられ、表示盤22の前方に離れた位置にガラス板などの透明板23が設置されている。表示盤22と透明板23とで挟まれた領域が玉の移動空間24である。移動空間24の下部には、玉を打ち出す射出機構が設けられており、球技装置20の前方の下部に設けられた操作体25を操作すると、玉の打ち出し速度が制御される。
移動空間24の内部では、表示盤22の前面22aに、打ち出された玉を案内する案内部材25aが設けられている。また表示盤22の前面22aに複数の釘が打たれており、前面22aに複数の入賞穴が設けられている。
表示盤22の背面22bの後方に、入賞穴に設けられた機構を動作させるソレノイドなどを備えた磁気機構部26が設けられている。磁気機構部26は複数設けられているが、図4では1つのみが示されている。
表示盤22のほぼ中央部の背面22bに、磁界検知装置1が取り付けられている。図4に示すように、表示盤22の前方の透明板23に違法な磁界発生源である磁石27が設置されたときに、磁気検知装置1により磁石27から発せられる磁界が検知される。磁気検知装置1は、磁石27からの磁界と、磁気機構部26から発せられる磁界を識別する機能を有している。
磁界検知装置1で検知する磁界の方向を規定するために、表示盤22と平行な平面に沿う横方向をX方向とし、右側を+X方向、左側を−X方向とする。前記平面に沿う縦方向をY方向とし、下側を+Y方向、上側を−Y方向とする。表示盤22と垂直な方向をZ方向とし、前方を+Z方向、後方を−Z方向とする。
図1に示すように、磁界検知装置1は、磁気検知部2を有している。磁界検知装置1のうちの少なくとも磁気検知部2が、球技装置20の表示盤22の背面22bに取り付けられる。
図2に示すように、磁気検知部2には、X軸に沿って固定されたX軸センサ3と、Y軸に沿って固定されたY軸センサ4と、Z軸に沿って固定されたZ軸センサ5を有している。X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5は、いずれも巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)で構成されている。GMR素子は、Ni−Co合金やNi−Fe合金などの軟磁性材料で形成された固定磁性層および自由磁性層と、固定磁性層と自由磁性層との間に挟まれた銅などの非磁性導電層とを有している。固定磁性層の下に反強磁性層が積層され、反強磁性層と固定磁性層との交換結合により、固定磁性層の磁化が固定されている。
X軸センサ3は、磁気のX方向に向く成分を検知するものであり、固定磁性層の磁化の向きがX軸に沿うPX方向に固定されている。自由磁性層の磁化の向きは外部から与えられる磁界の向きに反応する。自由磁性層の磁化の向きがPX方向と平行になるとX軸センサ3の抵抗値が極小になり、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と逆向きになるとX軸センサ3の抵抗値が極大になる。また、自由磁性層の磁化の向きがPX方向と直交すると、抵抗値が前記極大値と極小値との平均値となる。
図1に示す磁場データ検知部6では、X軸センサ3と固定抵抗とが直列に接続され、X軸センサ3と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、X軸センサ3と固定抵抗との間の電位がX軸の検知出力として取り出される。X軸センサ3にX方向に向く磁界が与えられていないとき、またはPXに対して直交する磁界が与えられているときに、X軸の検知出力が中点電位となる。
外部から与えられる磁界の磁気ベクトルVが、X軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXに向けられると、X軸の検知出力が、前記中点電位に対してプラス側の極大値となる。逆に、磁気ベクトルVがX軸センサ3の固定磁性層の磁化の固定方向PXと反対に向けられると、X軸センサ3に与えられる逆向きの磁界成分が極大値となる。このときのX軸の検知出力は、前記中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
磁場データ検知部6において、Y軸センサ4とZ軸センサ5も、それぞれが固定抵抗と直列に接続され、Y軸センサ4またはZ軸センサ5と固定抵抗との直列回路に電圧が与えられており、各センサと固定抵抗との間の電位がY軸またはZ軸の検知出力として取り出される。
磁気ベクトルVがY軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYに向けられると、Y軸の検知出力が、中点電位に対してプラス側の極大値になる。磁気ベクトルVがY軸センサ4の固定磁性層の磁化の固定方向PYと反対に向けられると、Y軸の検知出力が、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。同様に、磁気ベクトルVがZ軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PZと同じ方向に向けられると、Z軸の検知出力が、中点電位に対してプラス側の極大値になる。磁気ベクトルVがZ軸センサ5の固定磁性層の磁化の固定方向PZと逆向きになると、Z軸の検知出力が、中点電位に対してマイナス側の極大値となる。
磁気ベクトルVの大きさが一定であれば、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5からの検知出力は、いずれもプラス側の極大値の絶対値と、マイナス側の極大値の絶対値とが同じである。
X軸センサ3としては、磁気ベクトルの向きによってプラス側の検知出力とマイナス側の検知出力が得られ、プラス側の検知出力の極大値とマイナス側の検知出力の極大値とで絶対値が同じになれば、GMR素子以外の磁気センサで構成することもできる。例えば、X軸に沿ってプラス側の磁界強度のみを検知できるホール素子または磁気抵抗効果素子(MR素子)と、マイナス側の磁界強度のみを検知できるホール素子またはMR素子を組み合わせて、X軸センサ3として使用してもよい。これは、Y軸センサ4とZ軸センサ5においても同じである。
図1に示すように、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力は、制御部10に与えられる。制御部10は、A/D変換部とCPUおよびクロック回路などから構成されている。制御部10のクロック回路の計測時間に応じて、磁場データ検知部6で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力が、短いサイクルで間欠的にサンプリングされて制御部10に読み出される。それぞれの検知出力は、制御部10内に設けられた前記A/D変換部によってディジタル値に変換され、X軸とY軸およびZ軸の検知出力がそれぞれ別々のバッファメモリに順に格納される。
制御部10を構成するCPUにはメモリ7が接続されている。メモリ7には、演算処理のためのソフトウエアがプログラミングされて格納されている。制御部10の演算処理は前記ソフトウエアによって実行される。
図3は、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5で検知されたX軸とY軸およびZ軸の検知出力を説明するための三次元座標図である。
図3に示すように、磁気検知部2に磁気ベクトルVが与えられると、X軸の検知出力「x」と、Y軸の検知出力「y」、およびZ軸の検知出力「z」が得られる。X軸方向とY軸方向およびZ軸方向の感度係数が同じときは、3軸の検知出力の合成値は、{√(x2+y2+z2)}で得られる。この合成値は、磁気ベクトルVの絶対値(スカラー量)である。
なお、X軸センサ3とY軸センサ4およびZ軸センサ5を含む磁場データ検知部6において、X軸、Y軸、Z軸の検知出力の感度が互いに相違することがある。この場合に、X軸の検知出力の感度係数を「A」、Y軸の検知出力の感度係数を「B」、Z軸の検知出力の感度係数を「C」とすると、3軸の検知出力の合成値は、(Vの絶対値)=√[(x/A)2+(y/B)2+(z/C)2]となる。
制御部10では、X軸、Y軸、Z軸の検知出力が取得される度に、前記合成値が演算され、合成値用のバッファメモリに順に格納される。
図4に示す球技装置20では、磁気機構部26が、磁界検知装置1よりも下側に位置している。
図5は、磁気機構部26が停止から始動に切り替わったとき(例えば、ソレノイドのコイルへの非通電から通電に切り替わったとき)に、磁気機構部26から発生した磁界が磁気検知部2で検知されたときの、X軸の検知出力「x」とY軸の検知出力「y」およびZ軸の検知出力「z」の変化を示している。図5は、磁気検知部2に磁気機構部26からの磁界のみが与えられたときの検知出力を示している。
図4には、手で保持された違法な磁石27が、磁界検知装置1よりも左側の位置で、表示盤22に接近して透明板23の表面に設置される状態が示されている。図6は、このときのX軸の検知出力「x」とY軸の検知出力「y」およびZ軸の検知出力「z」の変化を示している。図6は、磁気検知部2に磁石27の磁界のみが与えられているときの検知出力を示している。
図7には、図5に示している磁気機構部26が停止から始動に切り換わったときに、この磁気機構部26から発生する磁界に起因するX,Y,Zの3軸の検知出力の合成値の変化が線図αで示され、図6に示しているように、違法な磁石27が手で設置されたときに、この磁石27から発せられる磁界に起因するX,Y,Zの3軸の検知出力の合成値の変化が線図βで示されている。
磁界検知装置1は、磁場データ検知部6から得られるX軸の検知出力「x」とY軸の検知出力「y」およびZ軸の検知出力「z」が、一定のサンプリング周期でサンプリングされてディジタル値に変換され、バッファメモリに順番に格納されていく。図5と図6は、サンプリングされてバッファメモリに順番に格納されるX,Y,Zの各検知出力の時間的な変化を示している。
図7に示す線図αとβに現れるデータは、サンプリングされてディジタル値に変換されたX軸,Y軸,Z軸の検知出力から演算された3軸の合成値であり、この合成値もバッファメモリに順番に格納される。図7は、バッファメモリに順番に格納される合成値の時間的な変化を示している。
制御部10では、図5、図6および図7に示す出力変化の特性を分析することで、磁気機構部26から発せられた磁界の検知出力であるか、違法な磁石27からの磁界であるかを識別する。その判別方法は以下の通りである。
(判別方法1:磁気機構部26の始動時の磁界か、違法な磁石27の磁界かを判別する判別方法1)
図7に示す3軸の検知出力の合成値では、線図αで示すように、磁気機構部26が停止から動作状態に切り替わったとき、磁界の検知出力が急激に変化する。これはソレノイドのコイルなどにスイッチングにより電流が流されたときに発生する磁界が急激に大きくなるからである。
線図βで示すように、磁石27が表示盤22に設置されるときの検知出力の変化は、線図αと比較して緩やかである。これは、人の手で磁石27を保持して表示盤22に接近させるときに磁気検知部2で検知される磁界が徐々に大きくなり、磁石27が透明板23の前面に設置されたときに検知される時間が最大となるように変化するからである。
そこで、制御部10では、図7に示す3軸の合成値の検知出力の変化の周波数を分析し、その周波数によって、磁気機構部26が動作したときに発生した磁界の検知出力であるか、磁石27からの磁界の検知出力であるかを識別する。
なお、図5と図6に示すように、X軸,Y軸,Z軸の個別の検知出力では、磁界検知装置1を基準とする磁気機構部26の配置方位および磁石27が設置される方位によって、どの軸の検知出力が大きく変化するか、またプラス側に変化するかマイナス側に変化するかが相違する。
これに対し、図7に示す3軸の合成値を使用すると、磁気機構部26と磁石27の配置方位に影響を受けることなく、磁気機構部26から発せられる磁界の強度の変化と、磁石27から発せられる磁界の強度の変化とを、同じ基準に基づいて比較することが可能になる。
制御部10は、3軸の合成値の出力変化の周波数が予め決められた基準よりも高いときに、磁気機構部26が動作したときに発生した磁界の検知出力であると識別し、前記周波数が予め決められた基準よりも低いときに、違法な磁石27からの磁界の検知出力であると識別する。
例えば、3軸の合成値の出力変化の周波数の大小は、メモリに予め基準となる周波数の波形を記憶しておき、バッファメモリに格納されている複数の3軸の合成値と、基準となる周波数の波形との距離を演算することで求めることができる。
あるいは、バッファメモリに格納されている複数の3軸の合成値を高速フーリエ変換処理(FFT処理)することによって、出力変化の周波数を分析することができる。
磁気機構部26が始動して磁界を発生する時間と、違法な磁石27が設置された時間とが重複すると、3軸の合成値は、図7に示す線図αと線図βとが合成された値として検出される。FFT処理を行うと、合成された出力から異なる周波数成分を区分して取り出すことができる。よって、磁気機構部26が始動して磁界を発生する時間と、違法な磁石27が設置された時間とが重複しても、違法な磁石27が設置されたことによる周波数成分が含まれているか否かを分析することで、違法行為が行われているか否かを検知することができる。
違法な磁石27が検知されると、球技装置20の動作を停止させたり、ホストコンピュータに警報を発するなどの処理がとられる。
(判別方法2:磁気機構部26の始動時の磁界か、違法な磁石27の磁界かを判別する判別方法2)
図7に示すように、線図αは3軸の合成値の変化が急激であり、線図βは3軸の合成値の変化が緩やかである。
そこで、制御部10では、3軸の合成値の時間に対する変化量(時間に対する変化量の比)が予め決められた基準よりも急なとき、磁気機構部26が動作したときに発生した磁界の検知出力であると識別し、3軸の合成値の時間に対する変化が予め決められた基準よりも緩やかなとき、違法な磁石27からの磁界の検知出力であると識別する。
(判別方法3:磁気機構部26の始動時の磁界か、違法な磁石27の磁界かを判別する判別方法3)
図8は判別方法3の説明図である。X軸、Y軸、およびZ軸の検知出力の合成値が所定のしきい値Laを超えたときに、所定のサンプリング時間毎に得られる3軸の合成値を順番に比較して、ピーク位置T1を求める。バッファメモリに格納されている過去の合成値のいずれか、例えばしきい値Laに近い合成値をT2とする。T1とT2の直線Iを求め、過去の合成値のうち、直線Iとの距離が最も大きい値T3を選択する。
T1とT3を結んだ直線と、T3とT2を結んだ直線の傾き角度を求めて、図7に示す線図αのような値の急激な上昇であるか、線図βのような値の緩やかな上昇であるかを判別する。
(判別方法4:磁気機構部26が起動した後に違法な磁石27の磁界が存在するか否かを判別する判別方法4)
図4に示す球技装置20では、ソレノイドに通電されるなどして磁気機構部26が起動し続けている間に、違法な磁石27が接近しているか否かを監視することが必要になる。磁気機構部26が動作し続けている間に違法な磁石27が接近すると、X軸、Y軸、Z軸の検知出力の合成値は、図7に示す線図αに線図βが重畳したものとなる。
制御部10において、図9に示すしきい値L1が設定される。しきい値L1は、図7に示す、X,Y,Z軸の検知出力の合成値の線図αのピーク値よりもやや小さい値に設定される。
制御部10は、サンプリングされる検知出力の合成値がしきい値L1を超えたと判断したら、合成値を順に比較してピーク値P1を検出する。ピーク値P1が検出されたら、その後にサンプリングされてデータバッファに格納されている所定数の合成値のデータD1,D2,D3,・・・,Dnの平均値が求められ、最新のデータD1と平均値との距離が比較される。
最新のデータD1と平均値との距離が一定値以内のときは、合成値のデータの変動幅が小さい。このとき、制御部10は、図7に示す線図αのピーク値の安定状態と同じであると判断し、違法な磁石27が接近していないと判別する。
図9においてDaで示しているように、最新のデータと平均値との距離が所定値を超えまたは所定値以上であったときは、合成値のデータが大きく変動していると判断する。このとき、変動したデータDaが、平均値よりも所定の幅を超えて大きくなったら、図7に示す線図αに線図βが重畳している可能性が高いと判断し、違法な磁石27が接近していると判断する。
また、新たに取得されたデータが、しきい値L1よりも小さくなったら、球技装置の打球に影響を与える大きさの磁界が存在しなくなったと判断し、異常なしと判定して、その後の磁界の変化を監視する。
(判別方法5:磁気機構部26が起動した後に違法な磁石27の磁界が存在するか否かを判別する判別方法5)
判別方法5は、判別方法4と同様に、しきい値L1を超えたら、ピーク検出後に、合成値のデータD1,D2,D3,・・・,Dnの平均値を求め、最新のデータD1と平均値との距離が比較される。その距離が所定値以内であれば、図7の線図αのように出力が安定していると判断し、検知している磁界が磁気機構部26からのものであると判断する。
図9に示すように、データDaが平均値から大きく変動したら、制御部10は、前記平均値を出力変化の「0点」とするリセット処理が行われる。あるいは、データDaを出力変化の「0点」とするリセット処理が行われる。その後は、リセット後の「0点」を基準として、その後のデータの変化を監視する。そして、判別方法1,2,3のいずれかと同じ判断基準で、データの変化が図7に示す線図βの変化と同等であると判断したら、違法な磁石27が接近していると判断する。
なお、判別方法4と判別方法5では、図9に示すように、データの変化がピーク値P1となった後で、合成値のデータD1,D2,D3,・・・,Dnの平均値を求めているが、データの変化がしきい値L1を超えた後に、またはしきい値L1とは別に設定されたピーク値P1に近いしきい値L2を超えたら、その後に得られる合成値のデータD1,D2,D3,・・・,Dnの平均値を求めてもよい。
(判別方法6:磁気機構部26が起動した後に違法な磁石27の磁界が存在するか否かを判別する判別方法6)
前記判別方法4と判別方法5では、合成値のデータD1,D2,D3,・・・,Dnの平均値を求め、新たに得られたデータと平均値との距離を求めて、データが線図αのように安定しているか否かを判別している。これに対し、判別方法6では、図9に示すように、ピーク値P1が算出されたら、ピーク値P1と第1のしきい値L1との間に第2のしきい値L2が設定され、ピーク値P1よりも少し大きい第3のしきい値L3が設定される。
サンプリングされる合成値が、第2のしきい値L2と第3のしきい値L3との間に位置しているときは、合成値のデータの変動が安定していると判別し、線図αのように、磁気機構部26から得られている磁界であると判断する。
データが第3のしきい値L3を超えたら、または第3のしきい値L3よりも所定幅値だけ大きくなったら、判別方法4のように、異常であると判断し、または判別方法5のように、新たなデータを「0点」とするリセット処理が行われる。
1 磁界検知装置
2 磁気検知部
3 X軸センサ
4 Y軸センサ
5 Z軸センサ
6 磁場データ検知部
7 メモリ
10 制御部
20 球技装置
22 表示盤
23 透明板
26 磁気機構部
27 違法な磁界発生源である磁石
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、共通の磁気検知部を使用して、違法行為による磁界か、球技装置に備えられているソレノイドなどの磁気機構部から発生した磁界であるかを識別できるようにした磁界検知装置を使用した球技装置を提供することを目的としている。
本発明は、磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を分析する制御部とを有する磁界検知装置を備えた球技装置において、
前記磁気検知部は、互いに直交する3方向の磁界成分を検知できるもので、前記検知出力は、3方向の磁界成分の合成値であり、
前記制御部では、検知出力が一定時間毎に取得され、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、複数の検知出力の平均値を求め、その平均値と新たに得られた検知出力との差が一定値を超えたときに、違法な磁界発生源が存在していると判別することを特徴とするものである。
本発明は、磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を分析する制御部とを有する磁界検知装置を備えた球技装置において、
前記磁気検知部は、互いに直交する3方向の磁界成分を検知できるもので、前記検知出力は、3方向の磁界成分の合成値であり、
前記制御部では、検知出力が一定時間毎に取得され、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、複数の検知出力の平均値を求め、その平均値と新たに得られた検知出力との差が一定値を超えたときに、違法な磁界発生源が存在していると判別するとともに、前記平均値を0点とするリセット処理が行われ、その後に前記平均値を求める動作が継続することを特徴とするものである。
または、一定値を超えた前記検知出力を0点とするリセット処理が行われ、その後に平均値を求める動作が継続することを特徴とするものである。

Claims (7)

  1. 球技装置に設けられた磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を分析する制御部とが設けられた磁界検知装置において、
    前記制御部では、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、検知出力の変動を監視し、変動幅が所定の範囲を外れたときに、違法な磁界発生源が存在していると判別することを特徴とする磁界検知装置。
  2. 球技装置に設けられた磁気検知部と、前記磁気検知部からの検知出力を演算する制御部とが設けられた磁界検知装置において、
    前記制御部では、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、検知出力の変動を監視し、変動幅が所定の範囲を外れたときに、その後の検知出力の変化を分析して、違法な磁界発生源が存在しているか否かを判別することを特徴とする磁界検知装置。
  3. 変動幅が所定の範囲を外れたときに、その後の検知出力の変化の周波数を分析し、その周波数によって、違法な磁界発生源が存在しているか否か判別する請求項2記載の球技装置用の磁界検知装置。
  4. 前記周波数が予め決められた基準よりも低いときに、違法な磁界発生源が存在していると判別する請求項3記載の球技装置用の磁界検知装置。
  5. 検知出力は一定時間毎に取得され、前記検知出力が所定レベルを超えた後に、複数の検知出力の平均値を求め、その平均値と新たに得られた検知出力との差が一定値を超えたときに、変動幅が所定の範囲を外れたと判断する請求項1ないし4のいずれかに記載の磁界検知装置。
  6. 磁気検知部は、3方向の磁界成分を検知できるものであり、前記検知出力は、3方向の磁界成分の合成値である請求項1ないし5のいずれかに記載の球技装置用の磁界検知装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の磁界検知装置が搭載された球技装置。
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