JP2012094062A - 表示システム及び表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる上位階層の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を減らすことができる技術を提供する。
【解決手段】表示システムにおいては、コマンドツリーCTに含まれる階層のうち表示対象となる階層に属する選択肢がディスプレイに表示される。また、「オーディオ」階層H2よりも下位の階層を表示対象としているときには、ソース(「HDD」「AUX」等)を変更する変更指示を指示受付部がユーザから受け付け可能である。そして、この変更指示があった場合は、指示実行部は、変更指示に応答してソースを変更するとともに、変更後のソースの階層の下位となり、かつ、変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を表示対象に設定する(矢印R2)。これにより、必要な操作回数を大きく減らすことができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両に搭載され、情報を表示する表示システムに関する。
従来より、表示システムにおいては、ユーザインタフェースとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されている。このようなGUIを採用する表示システムにおいては、ユーザが選択可能な複数の選択肢がディスプレイに表示される。これら複数の選択肢にはそれぞれ、表示システムに対するコマンドが割り当てられる。ユーザは、操作部材を利用して所望の選択肢を選択する。これにより、ユーザが選択した選択肢に割り当てられたコマンドが表示システムにおいて実行されることになる。
また、近年の表示システムにおいては、搭載機能の多様化などに起因して、ユーザが選択することで実行可能なコマンドが多数存在している。このため、近年の表示システムにおいては、これらのコマンドを階層構造に分類し、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式のGUIが採用される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2007−281582号公報 特開2008−191728号公報
上記の階層構造からコマンドを選択する方式の表示システムのユーザは、最上位の階層から順に階層ごとに選択肢を選択していくことで、表示システムが実行すべき所望のコマンドを選択することになる。
ところで、このような表示システムにおいては、ディスプレイへの表示対象となる階層(選択肢の選択対象とする階層)を、現時点の階層の上位階層とは異なる上位階層の下位となる階層へ変更する場合には、多くの操作が必要となる。具体的には、まず、ユーザは表示対象となる階層を現時点の階層から一つずつ上位の階層へ切り替える操作を行って、上位階層の変更が可能な階層を表示対象とさせる。そして、その状態で上位階層を変更する操作を行う。さらに、表示対象となる階層を一つずつ下位の階層へ切り替える操作を行って、目的とする階層を表示対象とさせることになる。
このように必要な操作回数が多くなるとユーザが非常に煩雑に感じることになるため、改善が要望されている。特に、車両に搭載される表示システムにおいては、信号待ちの停車中などの比較的短い期間に、車両の周辺の状況や車両の他の計器類にも注意を払いつつ表示システムをユーザが操作する場面が生じる。このため、車両に搭載される表示システムでは、必要な操作回数を減らすことができる技術が強く要望されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる上位階層の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を減らすことができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載され、情報を表示する表示システムであって、階層構造に含まれる階層のうち表示対象となる階層の、ユーザが選択可能な選択肢を表示する表示手段と、前記表示対象となる階層よりも上位の上位階層を変更する変更指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記変更指示に応答して前記上位階層が変更された場合は、変更後の上位階層の下位となり、かつ、変更直前に前記表示対象であった第1階層に対応する第2階層を前記表示対象に設定する設定手段と、を備えている。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記第1階層の選択肢の属性と、前記第2階層の選択肢の属性とが同じである。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、変更前の上位階層に対する前記第1階層の相対的な階層深さと、変更後の上位階層に対する前記第2階層の相対的な階層深さとが同じである。
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記第1階層及び前記第2階層の選択肢は入力候補となる文字に対応し、前記第1階層の選択肢によって入力可能な文字の種類と、前記第2階層の選択肢によって入力可能な文字の種類とが同じである。
また、請求項5の発明は、車両において情報を表示する表示方法であって、階層構造に含まれる階層のうち表示対象となる階層の、ユーザが選択可能な選択肢を表示する工程と、前記表示対象となる階層よりも上位の上位階層を変更する変更指示をユーザから受け付ける工程と、前記変更指示に応答して前記上位階層が変更された場合は、変更後の上位階層の下位となり、かつ、変更直前に前記表示対象であった第1階層に対応する第2階層を前記表示対象に設定する工程と、を備えている。
請求項1ないし5の発明によれば、上位階層が変更された場合は、変更後の上位階層の下位となり、かつ、変更直前に表示対象であった第1階層に対応する第2階層が表示対象に設定される。このため、異なる上位階層の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を減らすことができる。
また、特に請求項2の発明によれば、選択肢の属性が第1階層と同じとなる第2階層が表示対象に設定される。このため、上位階層の変更後においても、ユーザは違和感なく選択肢を選択することができる。
また、特に請求項3の発明によれば、上位階層に対する相対的な階層深さが第1階層と同じとなる第2階層が表示対象に設定される。このため、異なる上位階層の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を大きく減らすことができる。
また、特に請求項4の発明によれば、入力可能な文字の種類が第1階層と同じとなる第2階層が表示対象に設定される。このため、上位階層の変更後においても、ユーザは文字の入力を違和感なく行うことができる。
図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。 図2は、表示システムの構成の車室内における配置の一例を示す図である。 図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。 図4は、コマンド受付状態に移行する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図5は、コマンドツリーの概要を示す図である。 図6は、回転操作がなされた場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図7は、押圧操作がなされた場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図8は、コマンドツリーの一部を示す図である。 図9は、表示対象となる階層を変更する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図10は、各階層においてユーザの指示を受け付ける処理の流れを示す図である。 図11は、コマンドツリーの一部を示す図である。 図12は、表示対象となる階層を変更する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図13は、コマンドツリーの一部を示す図である。 図14は、表示対象となる階層を変更する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。 図15は、コマンドツリーの一部を示す図である。 図16は、表示対象となる階層を変更する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される車載装置であり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。
表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能、ナビゲーション機能、及び、ハンズフリー機能を有している。オーディオ機能は、音楽や映像などの各種のコンテンツを再生する機能である。ナビゲーション機能は、車両の現在位置を地図画像中に示し、設定された目的地に向かうルートを案内する機能である。また、ハンズフリー機能は、ユーザが所持する携帯電話を手に持つことなく通話できるようにする機能である。表示システム100は、オーディオ機能で再生する映像やナビゲーション用の地図画像などの各種情報を表示することが可能となっている。
図1に示すように、表示システム100は、システム全体を統括する本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
操作部5は、メインコントローラ50と変更ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際にユーザが主に操作する。また、変更ボタン59は、各種対象を変更する指示を行う際にユーザが押下する。
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とケーブルを介して電気的に接続される。このため、ディスプレイ3及びスピーカ4は本体部10の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として本体部10に入力される。
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置である。本体部10は、オーディオ機能に関連する機能部として、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクメディア81を再生するディスク再生部22と、ハードディスクに記憶された音声データを再生するデータ再生部23と、携帯型音楽プレイヤ82と通信するプレイヤ通信部24とを備えている。なお、本明細書において「音声データ」とは、音楽データを含む概念である。
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディア81の記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
プレイヤ通信部24は、ユーザが所持する外部装置である携帯型音楽プレイヤ82と通信ケーブル等を介して通信可能となっている。プレイヤ通信部24は、携帯型音楽プレイヤ82に信号を送信し、携帯型音楽プレイヤ82に予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを、携帯型音楽プレイヤ82にデコードさせる。その結果、プレイヤ通信部24は、携帯型音楽プレイヤ82から音声信号を取得する。プレイヤ通信部24で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
また、本体部10は、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部25と、ハンズフリー機能を提供する電話通信部26とを備えている。
ナビゲーション部25は、車両の現在位置やルートを含む地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルートを案内する。ナビゲーション部25はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
電話通信部26は、Bluetooth(登録商標)などの規格の無線通信によってユーザが所持する携帯電話83との間で信号の送受信が可能となっている。電話通信部26は、ユーザによって入力される電話番号を携帯電話83に与え、当該電話番号に発信させる。また、電話通信部26は、マイクを備えており、マイクで取得したユーザの発話内容を示す音声信号を携帯電話83に与え、通話中の相手方の電話機に対して送信させる。また、電話通信部26は、通話中の相手方の電話機から携帯電話83が受信した音声信号(通話相手の発話内容を示す音声信号)を、携帯電話83から取得する。電話通信部26で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
さらに、本体部10は、システム全体を制御する制御部1を備えている。制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、予めROMなどに記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、指示受付部11、及び、指示実行部12は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
指示受付部11は、操作部5への操作内容に基づいてユーザの指示を受け付ける。また、指示実行部12は、指示受付部11が受け付けたユーザの指示を実行する。
操作部5においては、複数の種類の操作を行うことが可能となっており、各操作には表示システム100に対する指示が割り当てられている。指示受付部11は、操作部5へのユーザの操作内容を示す信号を入力し、当該操作に割り当てられたユーザの指示を受け付けることになる。
また、表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されている。ユーザからの指示を受け付ける場合には、複数の選択肢が指示受付部11の制御によりディスプレイ3の画面に表示される。これら複数の選択肢にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられる。ユーザは、この画面を確認しながら、操作部5を操作して、カーソル(フォーカス)を所望の選択肢に移動させ、カーソルのある選択肢の選択を確定する。これにより、複数の選択肢のうちから一の選択肢がユーザに選択される。指示受付部11は、ユーザに選択された選択肢に割り当てられた指示を受け付ける。このようにして指示受付部11が受け付けた指示は、指示実行部12により実行される。
表示システム100では、ユーザが選択することにより表示システム100に実行させることが可能な多数のコマンドが存在している。これらのコマンドは階層構造に分類され、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれている。指示受付部11は、表示対象となる階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている(詳細は後述)。
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
図に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、車両のインストルメントパネル91の左右中央に配置される。スピーカ4は、このディスプレイ3に近接して配置される。
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3から離間して配置される。具体的には、操作部5は、車両のセンターコンソール93においてシフトレバー94に近接して配置される。メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、このメインコントローラ50の周辺に変更ボタン59が設けられる。本実施の形態の車両は右ハンドル車であるため、ドライバは運転中に、ステアリングホイール92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作することになる。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手(片手)で操作部5を操作することが可能である。
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、回転操作がなされたこと、及び、その回転方向(左方向、及び、右方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作がなされたこと、及び、その方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば方向操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチを採用することで実現できる。押圧スイッチは、方向操作によって示すことが可能な4方向にそれぞれ配置される。
<1−2.コマンドの選択>
表示システム100のユーザは、メインコントローラ50を操作することで、所望のコマンドを選択し、選択したコマンドを表示システム100に実行させることが可能である。ユーザがコマンドを選択する場合には、まず、メインコントローラ50で押圧操作を行う。これにより、メインコントローラ50から、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。この信号に応答して制御部1は、図4に示すように、ディスプレイ3の状態を、地図画像などを表示する通常状態(状態ST10)から、コマンドをユーザに選択させるための選択画面を表示するコマンド受付状態(状態ST11)に移行させる。このコマンド受付状態で、ユーザはメインコントローラ50を操作して所望のコマンドを選択することができる。
前述のように、表示システム100で実行可能なコマンドは、コマンドツリーと呼ばれる階層構造に分類されている。図5は、このコマンドツリーCTの概要を示す図である。
図に示すように、コマンドツリーCTの最上位は、「メニュー」階層H0となっている。「メニュー」階層H0は、コマンドツリーCTのルート階層であるともいえ、コマンド受付状態への移行後に最初に表示対象とされる。
「メニュー」階層H0は、3つの下位階層(「ナビ」階層H1、「オーディオ」階層H2、「ハンズフリー」階層H3)を有している。そして、それら3つの下位階層H1〜H3のそれぞれは、さらに下位階層を有している。コマンドツリーCTにおいては、このように上位階層が下位階層を有する構造が入れ子状に順次に繰り返される。
コマンドツリーCTの各階層には、ユーザが選択可能な複数の選択肢が属している。各階層の選択肢は、当該階層を表示対象とした場合にディスプレイ3に表示される。このような各階層の選択肢には、下位階層に対応する選択肢、及び、コマンドに対応する選択肢が含まれている。例えば、図5に示す「ナビ」階層H1には、「目的地設定」「施設表示」「音量設定」「案内中止」及び「地点登録」の5つの選択肢が属している。これらのうち「目的地設定」「施設表示」及び「音量設定」は下位階層に対応する選択肢であり、「案内中止」及び「地点登録」はコマンドに対応する選択肢である。表示システム100で実行可能なコマンドは、このようにしてコマンドツリーCTのいずれかの階層の選択肢に含まれることになる。
下位階層に対応する選択肢には、その下位階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、下位階層に対応する選択肢がユーザに選択された場合はその指示が実行され、当該選択肢に対応する下位階層が新たに表示対象とされて、その下位階層の選択肢がディスプレイ3に表示される。一方、コマンドに対応する選択肢がユーザに選択された場合は、当該選択肢に対応するコマンドが実行されることになる。
ユーザは、表示対象となる階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢を選択することで、このようなコマンドツリーCTのいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから所望の一つのコマンドを選択し、当該コマンドを表示システム100に実行させることができる。
例えば、ユーザが、ルート案内の目的地に自宅を設定するためのコマンドを選択する場合を想定する。この場合はまず、ユーザは、ディスプレイ3をコマンド受付状態とした後に、「メニュー」階層H0に属する複数の選択肢のうちから「ナビ」の選択肢を選択する。これにより、「ナビ」階層H1が表示対象に切り替えられ、「ナビ」階層H1に属する複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。次にユーザは、「ナビ」階層H1に属する複数の選択肢のうちから「目的地設定」の選択肢を選択する。これにより、「目的地設定」階層H11が表示対象に切り替えられ、「目的地設定」階層H11に属する複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。そしてユーザは、「目的地設定」階層H11に属する複数の選択肢のうちから「自宅」の選択肢CMを選択することになる。
各階層における選択肢の選択は、メインコントローラ50を操作することで行うことが可能である。
図4の下部の状態ST11に示すように、コマンド受付状態で表示される選択画面は、左右方向に左側領域A1、中央領域A2及び右側領域A3の3つの領域に分割される。左側領域A1と中央領域A2とは直線状の仕切線によって区切られ、中央領域A2と右側領域A3とは円弧状の仕切線によって区切られる。また、これら3つの領域A1,A2,A3の上部には、「メニュー」階層H0を基準として表示対象となっている階層の位置(絶対パス)を示す位置表示領域A0が設けられている。
中央領域A2には、表示対象となっている階層の名称が表示される。図4の下部の状態ST11は、コマンド受付状態への移行直後の状態であり、「メニュー」階層H0が表示対象となっている。このため、「メニュー」階層H0を示す「メニュー」が中央領域A2に表示されている。
また、右側領域A3には、表示対象となっている階層に属する選択肢が表示され、表示された選択肢のうちフォーカスのある一の選択肢にカーソルCaが表示される。図4の下部の状態ST11では、「メニュー」階層H0に属する「ナビ」「オーディオ」「ハンズフリー」の3つの選択肢が表示されている。そして、「ナビ」の選択肢にカーソルCaが表示されている。
このようなコマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、カーソルCaを他の選択肢に移動させることができる。メインコントローラ50で回転操作を行った場合、カーソルCaは右側領域A3の上下中央に維持される一方で、複数の選択肢が上下方向にスクロールする。これにより、複数の選択肢に対してカーソルCaを相対的に移動させることができる。
具体的には、メインコントローラ50で左回転を行うことで、選択肢がスクロールアップ(上側へスクロール)するため、カーソルCaを一つ下の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の上部の状態ST11で左回転を行えば、各選択肢が上側に移動して、図6の下部の状態ST12となる。図6の上部の状態ST11では「ナビ」の選択肢にカーソルCaがあるが、図6の下部の状態ST12では「ナビ」の選択肢の一つ下の「オーディオ」の選択肢にカーソルCaがある。
また、逆に、メインコントローラ50で右回転を行うことで、選択肢がスクロールダウン(下側へスクロール)するため、カーソルCaを一つ上の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の下部の状態ST12で右回転を行えば、各選択肢が下側に移動して、図6の上部の状態ST11となる。
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、カーソルCaのある選択肢の選択を確定することができる。この押圧操作がなされると、選択された選択肢(確定操作があった時点においてカーソルCaがあった選択肢)に割り当てられた指示が指示受付部11に受け付けられ、指示実行部12により当該指示が実行される。
前述のように、選択された選択肢がコマンドに対応する場合は、当該コマンドが実行される。一方、選択された選択肢が下位階層に対応する選択肢の場合は、選択肢に対応する下位階層に表示対象となる階層が切り替えられ、その下位階層に属する選択肢がディスプレイ3に新たに表示される。例えば、図7の上部の状態ST11で押圧操作を行った場合は、「ナビ」の選択肢の選択が確定される。「ナビ」の選択肢は下位階層である「ナビ」階層H1(図5参照。)に対応する選択肢であるため、「ナビ」階層H1が表示対象に切り替えられる。これにより、図7の下部の状態ST13のように、「ナビ」階層H1に属する複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で左方向を示す方向操作を行うことで、表示対象となる階層を一つ上位の階層へ切り替えることができる。例えば、図7の下部の状態ST13で左方向を示す方向操作を行った場合は、表示対象となる階層が、「ナビ」階層H1からその一つ上位の「メニュー」階層H0に切り替えられる(図5参照。)。これにより、図7の上部の状態ST11のように、「メニュー」階層H0に属する選択肢がディスプレイ3に表示される。
ユーザは、これらの操作を組み合わせることで、表示対象となる階層を切り替えながら階層ごとに選択肢を選択し、表示システム100が実行すべき一つのコマンドを選択することができる。また、ユーザは、押圧操作、及び、左方向を示す方向操作を組み合わせることによって、表示対象となる階層を、下位階層のみならず、上位階層へも切り替えることが可能である。このため、ユーザは、ある階層において選択肢の選択を誤った場合であっても、当該階層に戻って選択肢の選択をやり直すことが可能となっている。
<1−3.コンテンツの選択>
前述のように、表示システム100においては、オーディオ機能によって音楽や映像などの各種のコンテンツを再生することが可能である。この再生対象とするコンテンツも、コマンドツリーCTから選択できるようになっている。
図8は、「オーディオ」階層H2(図5参照。)の下位となる、コマンドツリーCTの一部を示す図である。ユーザが再生対象とするコンテンツを選択する際においては、まず、「オーディオ」階層H2が表示対象とされる。
「オーディオ」階層H2には、「HDD」「AUX」「DTV」などのコンテンツのソースを示す選択肢が属している。「HDD」はハードディスクを示し、「AUX」は携帯型音楽プレイヤ82を示し、「DTV」は地上デジタルテレビ放送を示している。ユーザは、これらの選択肢からソースを選択し、さらに、選択したソースに対応する階層の下位のいくつかの階層においてコンテンツの詳細な属性を選択する。そして、ユーザは、最下層となる階層においてコンテンツに対応する選択肢を選択する。このようなコンテンツに対応する選択肢には、当該コンテンツを再生するコマンドが割り当てられている。このため、コンテンツに対応する選択肢を選択することで、当該コンテンツが再生される。
例えば、ユーザが、ソースとして「HDD」を選択した場合は、まず、「HDD」階層D0が表示対象とされ、「HDD」階層D0に属する「アーティスト」「アルバム」「ジャンル」などの音楽データの属性を示す選択肢がディスプレイ3に表示される。そして、ユーザが例えば「アーティスト」の選択肢を選択した場合は、「アーティスト」階層D1が表示対象とされ、「アーティストA」「アーティストB」「アーティストC」などのアーティスト名を示す選択肢がディスプレイ3に表示される。さらに、ユーザが所望のアーティスト名の選択肢を選択すると、「AAAの歌」「AABの歌」などの当該アーティストの曲名を示す選択肢がディスプレイ3に表示される。そして、ユーザが、所望の曲名の選択肢を選択すると、当該曲名の音楽データが再生されることになる。
「HDD」階層D0の下位の階層と、「AUX」階層E0の下位の階層とは同じ構造となっている。例えば、「HDD」階層D0の下位には「アーティスト」「アルバム」「ジャンル」の属性に対応する階層D1〜D3が存在しており、一方、「AUX」階層E0の下位にも「アーティスト」「アルバム」「ジャンル」の属性に対応する階層E1〜E3が存在している。
ここで仮に、メインコントローラ50の通常の操作によって、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1を表示対象としているときに、「AUX」階層E0の下位の「アーティスト」階層E1を表示対象に変更することを想定する。
この場合はまず、ユーザは、左方向への方向操作を行って、表示対象となる階層を「アーティスト」階層D1の一つ上位の「HDD」階層D0に切り替える(矢印R11)。次に、ユーザは、左方向への方向操作を再度行って、表示対象となる階層を「HDD」階層D0の一つ上位の「オーディオ」階層H2に切り替える(矢印R12)。次に、ユーザは、「AUX」の選択肢を選択して、表示対象となる階層を「AUX」階層E0に切り替える(矢印R13)。さらに、ユーザは、「アーティスト」の選択肢を選択して、表示対象となる階層を「アーティスト」階層E1に切り替えることになる(矢印R14)。つまり、表示対象を「アーティスト」階層D1から「アーティスト」階層E1に変更するためには、4回以上の操作が必要となる。
ユーザは、コンテンツを選択する際において、「オーディオ」階層H2の選択肢(ソース)の選択を誤るなどして、選択したソースとは異なるソースのコンテンツを再生対象とすることを希望する場合がある。「オーディオ」階層H2でのソースの選択後に、選択したソースとは異なるソースのコンテンツを再生対象として選択するためには、上記のようにソースの選択が可能な「オーディオ」階層H2に戻ってソースの選択をやり直すことが必要となる。さらに、下位の階層においてコンテンツの詳細な属性を選択する操作が必要となり、所望のコンテンツを選択するまでに多くの操作が必要となってしまう。
このような操作回数を低減するため、表示システム100においては、「オーディオ」階層H2の下位の階層を表示対象としているときには、いつでもソースを変更する変更指示を行うことが可能となっている。この変更指示を指示受付部11が受け付けた場合は、指示実行部12がソース(すなわち、「オーディオ」階層H2の各選択肢に対応する階層)を変更する。
図9の上部の状態ST21は、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1を表示対象としている場合のディスプレイ3の表示を示している。右側領域A3には、「アーティスト」階層D1に属する選択肢が表示されている。
また、左側領域A1においては、ソースを選択するための選択肢が表示されている。この左側領域A1に表示される選択肢は、「オーディオ」階層H2に属する選択肢である。また、左側領域A1に表示された選択肢のうち、選択中のソースに対応する選択肢にはカーソルCbが表示される。図9の上部の状態ST21は、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1を表示対象としている場合であるため、「HDD」の選択肢にカーソルCbが表示される。
このカーソルCbは、変更ボタン59の操作によって他の選択肢に移動させることができるようになっている。上方向及び下方向を示す方向指示など他の操作によってカーソルCbが移動できるようになっていてもよい。ユーザは、このカーソルCbを移動させることによって、ソースを変更することができる。すなわち、ユーザは、現時点で表示対象となる階層(「アーティスト」階層D1)よりも上位の上位階層(「HDD」階層D0)を変更する変更指示を行うことができる。
ユーザによって変更ボタン59が操作されると、指示受付部11がソースを変更する変更指示を受け付ける。この変更指示に応答して、指示実行部12がソースを変更する。さらに、指示実行部12は、変更後のソースの階層の下位となり、かつ、ソースの変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を、新たな表示対象に設定する。
例えば、図9の上部の状態ST21で、左側領域A1の「AUX」の選択肢にカーソルCbを移動させれば、「HDD」から「AUX」にソースが変更される。つまり、表示対象となる階層の上位階層が「HDD」階層D0から「AUX」階層E0に変更される(図8参照。)。そして、「AUX」階層E0の下位の階層であり、かつ、変更直前に表示対象であった「アーティスト」階層D1に対応する「アーティスト」階層E1が、新たな表示対象に設定されることになる。これにより、図9の下部の状態ST22に示すように、「AUX」階層E0の下位の「アーティスト」階層E1が表示対象となり、右側領域A3には「アーティスト」階層E1に属する選択肢が表示されることになる。
このように、表示システム100においては、ソースを変更する操作のみで、表示対象となる階層を、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1から、「AUX」階層E0の下位の「アーティスト」階層E1に直接的に変更できる(図8の矢印R2)。これにより、通常の操作を行った場合と比較して(図8の矢印R11〜R14)、表示対象となる階層を変更するために必要な操作回数を大きく減らすことができることになる。
前述のように、「HDD」階層D0の下位の階層と「AUX」階層E0の下位の階層とは同じ構造となっている。このため、「HDD」と「AUX」とでソースを変更する場合は、変更直前に表示対象であった階層と、選択肢の属性が同じになる階層を表示対象に設定すればよい。具体的には、「HDD」から「AUX」にソースを変更する場合に、変更直前に表示対象であった階層が「HDD」階層D0の下位の「アルバム」階層D2であれば、「AUX」階層E0の下位の「アルバム」階層E2を表示対象に設定すればよい。また、変更直前に表示対象であった階層が「HDD」階層D0の下位の「ジャンル」階層D3であれば、「AUX」階層E0の下位の「ジャンル」階層E3を表示対象に設定すればよい。このようにすれば、ソースの変更後においても、ユーザは違和感なく選択肢を選択することができる。
これに対して、「HDD」階層D0の下位の階層と「DTV」階層F0の下位の階層とでは、構造が大きく異なっている。したがって、「HDD」と「DTV」とでソースを変更する場合には、変更直前に表示対象であった階層と、選択肢の属性が同じになる階層を表示対象に設定することが難しい。このため、「HDD」階層D0の下位の階層と「DTV」階層F0の下位の階層とで予め対応付けを行っておき、「HDD」と「DTV」とでソースを変更する場合には、変更直前に表示対象であった階層に対応付けられた階層を新たな表示対象に設定すればよい。
例えば、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1と、「DTV」階層F0の下位の「チャンネル」階層F1とを予め対応付ける。そして、この場合において、「HDD」から「DTV」にソースを変更すると、変更直前に表示対象であった階層が「アーティスト」階層D1のときには、「チャンネル」階層F1が表示対象に設定されることになる(図8の矢印R3)。
このような対応付けは、1対1で行う必要はない。例えば、「HDD」階層D0の下位の「アーティスト」階層D1及び「アルバム」階層D2の双方を、「DTV」階層F0の下位の「チャンネル」階層F1に対応付けるようにしてもよい。
<1−4.処理の流れ>
図10は、コマンドツリーCTの各階層においてユーザの指示を受け付ける表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、表示対象となる階層が変更されるごとに実行される。
まず、表示対象となる階層に属する選択肢が表示される(ステップS11)。次に、メインコントローラ50に対して回転操作、及び、押圧操作のいずれかがなされるかが判定される(ステップS12,S14)。
回転操作がなされた場合は、カーソルCaが他の項目に移動される(ステップS13)。一方、押圧操作がなされた場合は、カーソルCaのある選択肢の選択が確定される(ステップS15)。そして、選択された選択肢に割り当てられた指示を指示受付部11が受け付け、指示実行部12がその指示を実行し(ステップS16)、処理が終了する。
また、回転操作及び押圧操作のいずれもない場合は(ステップS14にてNo)、変更ボタン59の操作、すなわち、ソースを変更する変更指示があるか否かが判定される(ステップS17)。
変更指示がある場合は、指示実行部12が、ソースを変更するとともに、予め設定された対応付けを示すデータに基づいて、変更後のソースの下位の階層で、変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を特定する(ステップS18)。このような対応付けを示すデータは、制御部1が備えるROMなどに記憶しておけばよい。そして、指示実行部12は、特定した階層を新たな表示対象に設定することになる(ステップS19)。
以上のように、表示システム100においては、コマンドツリーCTに含まれる階層のうち表示対象となる階層に属する選択肢がディスプレイ3に表示される。また、「オーディオ」階層H2よりも下位の階層を表示対象としているときには、表示対象となる階層よりも上位の上位階層(ソース)を変更する変更指示を指示受付部11がユーザから受け付け可能となっている。そして、この変更指示があった場合は、指示実行部12は、変更指示に応答して上位階層(ソース)を変更するとともに、変更後の上位階層(ソース)の下位となり、かつ、変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を表示対象に設定する。このため、異なる上位階層(ソース)の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を大きく減らすことができる。その結果、ユーザは、信号待ちの停車中などの比較的短い期間であっても余裕をもって目的とする操作を行うことができることから、運転に集中することができ、安全性を向上できる。
また、上位階層(ソース)が変更された場合は、変更直前に表示対象であった階層と選択肢の属性が同じとなる階層が新たな表示対象に設定される。このため、上位階層(ソース)の変更後においても、ユーザは違和感なく選択肢を選択することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の表示システム100の構成は第1の実施の形態と同一である。第1の実施の形態では、ソースを変更する場面について説明したが、他の場面においても同様の動作を行うことが可能である。本実施の形態では、このような他の場面の一例について説明する。
図11は、「主要施設」階層J0の下位となる、コマンドツリーCTの一部を示す図である。「主要施設」階層J0は、「目的地設定」階層H11の一つ下位の階層であり(図5参照。)、ルート案内の目的地を主要な施設から選択する場合に表示対象とされる。
「主要施設」階層J0には、「店舗」「交通」「遊び」「宿泊」「公共」などの施設ジャンルを示す選択肢が属している。図11に示すように、これら施設ジャンルに対応する階層の下位の階層はいずれも同じ構造となっており、県及び市を順次に選択できるようになっている。
主要な施設から目的地を設定する際には、ユーザは、まず、「主要施設」階層J0の選択肢から施設ジャンルを選択する。次に、ユーザは、目的とする施設の所在地の県及び市を順次に選択する。そして、ユーザは、最下層となる階層において目的とする施設に対応する選択肢を選択する。この施設に対応する選択肢には、当該施設を目的地に設定するコマンドが割り当てられている。このため、施設に対応する選択肢を選択することで、当該施設が目的地に設定されてルート案内が開始される。
本実施の形態の表示システム100では、「主要施設」階層J0の下位の階層を表示対象としているときには、いつでも施設ジャンルを変更する変更指示を行うことが可能となっている。この変更指示を指示受付部11が受け付けた場合は、指示実行部12が施設ジャンル(すなわち、「主要施設」階層J0の各選択肢に対応する階層)を変更する。
図12の上部の状態ST31は、「店舗」階層J1の下位の「aa市」階層J111を表示対象としている場合のディスプレイ3の表示を示している。右側領域A3には、aa市を所在地とする店舗を示す選択肢が表示されている。
また、左側領域A1においては、施設ジャンルを選択するための選択肢が表示されている。この左側領域A1に表示される選択肢は「主要施設」階層J0に属する選択肢である。ユーザは、変更ボタン59によってカーソルCbを移動させることによって、施設ジャンルを変更することができる。すなわち、ユーザは、現時点で表示対象となる階層(「aa市」階層J111)よりも上位の上位階層(「店舗」階層J1)を変更する変更指示を行うことができる。
ユーザによって変更ボタン59が操作されると、指示受付部11が施設ジャンルを変更する変更指示を受け付ける。この変更指示に応答して、指示実行部12が施設ジャンルを変更する。さらに、指示実行部12は、変更後の施設ジャンルの階層の下位となり、かつ、施設ジャンルの変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を、新たな表示対象に設定する。
本実施の形態においても、ユーザの指示を受け付ける処理の流れは、図10に示すものとほぼ同様である。ただし、ステップS17においては、施設ジャンルを変更する変更指示があるか否かが判定されることになる。
本実施の形態では、施設ジャンルに対応する階層の下位の階層はいずれも同じ構造である。このため、選択肢の属性(すなわち、県または市)が同じになる階層同士を対応付けておき、施設ジャンルを変更する場合には、変更直前に表示対象であった階層と選択肢の属性が同じになる階層を新たな表示対象に設定すればよい。このようにすることで、県及び市の選択をやり直す必要をなくすことができる。
例えば、図12の上部の状態ST31で、左側領域A1の「交通」の選択肢にカーソルCbを移動させれば、「店舗」から「交通」に施設ジャンルが変更される。つまり、表示対象となる階層の上位階層が「店舗」階層J1から「交通」階層J2に変更される(図11参照。)。そして、「交通」階層J2の下位の階層であり、かつ、変更直前に表示対象であった「aa市」階層J111に対応する「aa市」階層J211が、新たな表示対象に設定されることになる。これにより、図12の下部の状態ST32に示すように、「交通」階層J2の下位の「aa市」階層J211が表示対象となり、右側領域A3にはaa市を所在地とする交通関連施設を示す選択肢が表示される。
このように、本実施の形態の表示システム100においては、施設ジャンルを変更する操作のみで、表示対象となる階層を、「店舗」階層J1の下位の「aa市」階層J111から、「交通」階層J2の下位の「aa市」階層J211に直接的に変更できる(図11の矢印R5)。通常の操作によって表示対象をこれと同様に変更するためには、「aa市」階層J111から、「a県」階層J11、「店舗」階層J1、「主要施設」階層J0、「交通」階層J2、「a県」階層J21、及び、「aa市」階層J211に順次に表示対象を切り替える操作が必要となる(図11の矢印R41〜R46)。本実施の形態の表示システム100においては、このような通常の操作を行う場合と比較して、必要な操作回数を大きく減らすことができることになる。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の表示システム100の構成は第1の実施の形態と同一である。第1の実施の形態では、上位階層の変更後に表示対象に設定する階層は、予め設定された対応付けを示すデータに基づいて特定されていた。これに対して、第3の実施の形態においては、変更直前に表示対象であった階層のコマンドツリーCTでの位置に基づいて、表示対象に設定する階層が特定されるようになっている。
図13は、第3の実施の形態のコマンドツリーCTの一部を示す図である。「メニュー」階層H0には、「ナビ」「オーディオ」「ハンズフリー」の表示システム100の3つの主機能に対応する選択肢が属している。本実施の形態の表示システム100では、「メニュー」階層H0の下位の階層を表示対象としているときには、いつでも主機能を変更する変更指示を行うことが可能となっている。この変更指示を指示受付部11が受け付けた場合は、指示実行部12が主機能(すなわち、「メニュー」階層H0の各選択肢に対応する階層)を変更する。
図14の上部の状態ST41は、「ナビ」階層H1の下位の「主要施設」階層J0を表示対象としている場合のディスプレイ3の表示を示している。右側領域A3には、「主要施設」階層J0に属する選択肢が表示されている。
また、左側領域A1においては、主機能を選択するための選択肢が表示されている。この左側領域A1に表示される選択肢は「メニュー」階層H0に属する選択肢である。ユーザは、変更ボタン59によってカーソルCbを移動させることによって、主機能を変更することができる。すなわち、ユーザは、現時点で表示対象となる階層(「主要施設」階層J0)よりも上位の上位階層(「ナビ」階層H1)を変更する変更指示を行うことができる。
ユーザによって変更ボタン59が操作されると、指示受付部11が主機能を変更する変更指示を受け付ける。この変更指示に応答して、指示実行部12が主機能を変更する。さらに、指示実行部12は、変更後の主機能の階層の下位となり、かつ、主機能の変更直前に表示対象であった階層に対応する階層を、新たな表示対象に設定する。
本実施の形態においても、ユーザの指示を受け付ける処理の流れは、図10に示すものとほぼ同様である。ただし、ステップS17においては、主機能を変更する変更指示があるか否かが判定されることになる。
以下、変更直前に表示対象であった階層を「第1階層」、変更後に表示対象となる階層を「第2階層」と呼ぶ。本実施の形態では、変更前の上位階層に対する第1階層の相対的な位置と、変更後の上位階層に対する第2階層の相対的な位置とが同じとされる。
例えば、図14の上部の状態ST41で、左側領域A1の「オーディオ」の選択肢にカーソルCbを移動させれば、「ナビ」から「オーディオ」に主機能が変更される。つまり、表示対象となる階層の上位階層が「ナビ」階層H1から「オーディオ」階層H2に変更される(図13参照。)。そして、「オーディオ」階層H2の下位の階層である「アルバム」階層D2が、新たな表示対象に設定されることになる。これにより、図14の下部の状態ST42に示すように、右側領域A3には「アルバム」階層D2に属する選択肢が表示される。すなわち、表示対象となる階層が、「ナビ」階層H1の下位の「主要施設」階層J0から、「オーディオ」階層H2の下位の「アルバム」階層D2に変更されることになる(矢印R6)。
変更前の上位階層に対する第1階層の相対的な階層深さと、変更後の上位階層に対する第2階層の相対的な階層深さとは同じとされる。すなわち、「ナビ」階層H1に対する「主要施設」階層J0の相対的な階層深さと、「オーディオ」階層H2に対する「アルバム」階層D2の相対的な階層深さとは同じとなっている。より具体的には、第1階層である「主要施設」階層J0は、変更前の上位階層である「ナビ」階層H1に対して2階層分下位となる階層深さにある。一方、第2階層である「アルバム」階層D2も、変更後の上位階層である「オーディオ」階層H2に対して2階層分下位となる階層深さとなっている。
また、第1階層を表示対象とするための選択肢の上位の階層における順位と、第2階層を表示対象とするための選択肢の上位の階層における順位とは同じとされる。例えば、図13に示すように、第1階層である「主要施設」階層J0の選択肢は、その一つ上位の「目的地設定」階層H11に属する選択肢のうちの2番目の順位となっている。一方、第2階層である「アルバム」階層D2の選択肢も、その一つ上位の「HDD」階層D0に属する選択肢のうちの2番目の順位となっている。
このように第3の実施の形態の表示システム100では、変更前の上位階層に対する第1階層の相対的な位置と、変更後の上位階層に対する第2階層の相対的な位置とが同じとされる。このため、異なる上位階層の下位となる階層を表示対象とするために必要な操作回数を大きく減らすことができる。
また、変更直前に表示対象であった階層のコマンドツリーCTでの位置に基づいて、新たに表示対象に設定する階層が特定されることから、予め階層同士を対応付ける必要がない。なお、変更後の上位階層の下位において、第1階層に位置的に対応する階層が存在しない場合においては、当該階層の上位の階層を表示対象とすればよい。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の表示システム100の構成は第1の実施の形態と同一である。第4の実施の形態においては、コマンドツリーCTの一部の階層の選択肢が入力候補となる文字に対応しており、その選択肢を選択することで文字の入力が可能となっている。
図15は、第4の実施の形態のコマンドツリーCTの一部を示す図である。図15に示したコマンドツリーCTに含まれる階層のうち、「ナビ」階層H1の下位の「電話番号」階層KO、及び、「ハンズフリー」階層H3の下位の「ダイヤル発信」階層L0においてそれぞれ、電話番号となる数字の入力が可能となっている。
図16の上部の状態ST51は、「電話番号」階層J0を表示対象としている場合のディスプレイ3の表示を示している。「電話番号」階層J0を表示対象とした場合は、目的地の検索キーとなる電話番号を入力するための入力画面がディスプレイ3に表示される。
この入力画面は、左側領域A1と、数字を選択可能な数字領域A4とを含んでいる。数字領域A4には、ユーザが選択可能な選択肢として0〜9の数字にそれぞれ対応するコマンドボタンが表示される。これらのコマンドボタンの一つにはカーソルCcが表示される。ユーザは、メインコントローラ50で方向操作を行うことでカーソルCcを移動させることができる。また、メインコントローラ50で押圧操作を行うことで、カーソルCcのあるコマンドボタンの数字を表示システム100に入力することができる。
また、図16の下部の状態ST52は、「ダイヤル発信」階層L0を表示対象としている場合のディスプレイ3の表示を示している。「ダイヤル発信」階層L0を表示対象とした場合においても、ダイヤル発信する相手先の電話番号を入力するための入力画面がディスプレイ3に表示される。この「ダイヤル発信」階層L0の入力画面は、「電話番号」階層J0の入力画面と同様の態様となっており、数字を入力することが可能となっている。
本実施の形態では、このような入力画面が表示されているときに、主機能を変更する変更指示を行うことが可能となっている。図16に示すように、入力画面の左側領域A1においては、主機能を選択するための選択肢が表示されている。ユーザは、変更ボタン59によってカーソルCbを移動させることによって、主機能を変更することができる。すなわち、ユーザは、現時点で表示対象となる階層よりも上位の上位階層を変更する変更指示を行うことができる。
ユーザによって変更ボタン59が操作されると、指示受付部11が主機能を変更する変更指示を受け付ける。この変更指示に応答して、指示実行部12が主機能を変更する。さらに、指示実行部12は、変更後の主機能の階層の下位となり、かつ、主機能の変更直前に表示対象であった階層と、同じ種類の文字の入力が可能な入力画面を用いる階層を新たな表示対象に設定する。
例えば、図16の上部の状態ST41で、左側領域A1の「ハンズフリー」の選択肢にカーソルCbを移動させれば、「ナビ」から「ハンズフリー」に主機能が変更される。つまり、表示対象となる階層の上位階層が「ナビ」階層H1から「ハンズフリー」階層H3に変更される(図15参照。)。そして、「ハンズフリー」階層H2の下位の階層において、「電話番号」階層J0と同様に数字入力が可能な入力画面を用いる「ダイヤル発信」階層L0が、新たな表示対象に設定されることになる(図15の矢印R7)。これにより、図16の下部の状態ST52に示すように、「ダイヤル発信」階層L0の入力画面がディスプレイ3に表示される。
このように第4の実施の形態においては、変更直前に表示対象であった階層の選択肢によって入力可能な文字の種類と、変更後に表示対象となる階層の選択肢によって入力可能な文字の種類とが同じとされる。このため、上位階層の変更後においても、ユーザは違和感なく文字の入力を行うことができる。
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
第4の実施の形態においては、数字を入力するための入力画面を用いる階層を例に説明を行った。これに対して、仮名、アルファベットなどの数字以外の文字を入力する入力画面を用いる階層の場合であっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
また、上記実施の形態において説明した右回転操作に割り当てられた指示と左回転操作に割り当てられた指示とは、互いに逆であってもよい。
また、上記実施の形態では、メインコントローラ50の操作によって選択肢を選択すると説明した。これに対して、ユーザが直接的にディスプレイの画面に触れることにより選択肢を選択するタッチパネル方式を採用した表示システムの場合であっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
3 ディスプレイ
11 指示受付部
12 指示実行部
50 メインコントローラ
59 変更ボタン
CT コマンドツリー
100 表示システム

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、情報を表示する表示システムであって、
    階層構造に含まれる階層のうち表示対象となる階層の、ユーザが選択可能な選択肢を表示する表示手段と、
    前記表示対象となる階層よりも上位の上位階層を変更する変更指示をユーザから受け付ける受付手段と、
    前記変更指示に応答して前記上位階層が変更された場合は、変更後の上位階層の下位となり、かつ、変更直前に前記表示対象であった第1階層に対応する第2階層を前記表示対象に設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とする表示システム。
  2. 請求項1に記載の表示システムにおいて、
    前記第1階層の選択肢の属性と、前記第2階層の選択肢の属性とが同じであることを特徴とする表示システム。
  3. 請求項1に記載の表示システムにおいて、
    変更前の上位階層に対する前記第1階層の相対的な階層深さと、変更後の上位階層に対する前記第2階層の相対的な階層深さとが同じであることを特徴とする表示システム。
  4. 請求項1に記載の表示システムにおいて、
    前記第1階層及び前記第2階層の選択肢は入力候補となる文字に対応し、
    前記第1階層の選択肢によって入力可能な文字の種類と、前記第2階層の選択肢によって入力可能な文字の種類とが同じであることを特徴とする表示システム。
  5. 車両において情報を表示する表示方法であって、
    階層構造に含まれる階層のうち表示対象となる階層の、ユーザが選択可能な選択肢を表示する工程と、
    前記表示対象となる階層よりも上位の上位階層を変更する変更指示をユーザから受け付ける工程と、
    前記変更指示に応答して前記上位階層が変更された場合は、変更後の上位階層の下位となり、かつ、変更直前に前記表示対象であった第1階層に対応する第2階層を前記表示対象に設定する工程と、
    を備えることを特徴とする表示方法。
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