JP2012092226A - 発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法 - Google Patents

発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ波の照射により発泡することのできる、発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂と、中実のマトリクス樹脂に熱膨張性物質が含有されている発泡性樹脂粒子と、磁性体とを含有する発泡性樹脂組成物をマイクロ波の照射により発泡させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法、詳しくは、各種産業分野に用いられる発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法に関する。
従来、熱発泡性樹脂組成物は、樹脂および発泡剤を含有しており、例えば、加熱によりガスを発生させることにより発泡し、かかる発泡を利用して、各種産業分野に広く用いられている。
例えば、ポリオレフィンおよび熱膨張性微小球を含有する熱発泡性補強剤組成物を、車体の鋼板に配置し、その後、それらを加熱炉に投入して加熱し、ポリオレフィンを発泡および硬化させることによって、鋼板を補強することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記した特許文献1の熱発泡性補強剤組成物において、発泡剤として用いられる熱膨張性微小球は、ガスバリアー性を有する熱可塑性樹脂からなる殻(シェル)と、その殻に内包される低沸点物質(コア、熱膨張剤)とを含有している。
特開2004−244508号公報
しかるに、特許文献1の熱発泡性補強剤組成物においては、ポリオレフィンを発泡させるには、加熱によって、低沸点物質(コア)を熱膨張させるとともに、殻(シェル)を溶融または軟化させる必要がある。殻を十分に溶融または軟化させるためには、熱発泡性補強剤組成物を高温で加熱する必要がある。
そのため、そのような熱発泡性補強剤組成物が配置される鋼板などの部材には、十分な耐熱性が必要とされる一方、かかる部材における耐熱性が不十分であれば、そのような部材(例えば、プラスチックなど)の保護の観点から、低温で加熱する必要があるが、そのような場合には、熱発泡性樹脂組成物の十分な発泡、さらには、それによる十分な補強を図ることができないという不具合がある。
本発明の目的は、マイクロ波の照射により発泡することのできる、発泡性樹脂組成物、発泡性樹脂シート、発泡体およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の発泡性樹脂組成物は、樹脂と、中実の樹脂マトリクスに熱膨張性物質が含有されている発泡性樹脂粒子と、磁性体とを含有することを特徴としている。
また、本発明の発泡性樹脂組成物では、前記磁性体の配合割合が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上であることが好適である。
また、本発明の発泡性樹脂組成物では、前記磁性体が、フェライトであることが好適である。
また、本発明の発泡性樹脂組成物では、前記磁性体のキュリー温度が、300℃以下であることが好適である。
また、本発明の発泡性樹脂組成物は、マイクロ波の照射によって発泡することが好適である。
また、本発明の発泡性樹脂シートは、上記した発泡性樹脂組成物がシート状に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の発泡体は、上記した発泡性樹脂組成物をマイクロ波の照射により発泡させることにより得られることを特徴としている。
また、本発明の発泡体は、上記した発泡性樹脂シートをマイクロ波の照射により発泡させることにより得られることを特徴としている。
また、本発明の発泡体の製造方法は、上記した発泡性樹脂組成物を、マイクロ波の照射により発泡させることを特徴としている。
また、本発明の発泡体の製造方法は、上記した発泡性樹脂シートを、マイクロ波の照射により発泡させることを特徴としている。
本発明の発泡性樹脂組成物および発泡性樹脂シートに、マイクロ波を照射すれば、マイクロ波によるスパーク(沿面放電)を確実に防止しつつ、磁性体が加熱されて、その加熱により、発泡性樹脂粒子における熱膨張性物質を膨張させることができ、よって、樹脂を確実に発泡させることができる。これによって、本発明の発泡体を確実に得ることができる。
とりわけ、この発泡性樹脂粒子では、熱膨張性物質が中実の樹脂マトリクスに含有されているので、低出力のマイクロ波の照射に基づいて、磁性体が低温で加熱されても、熱膨張性物質を確実に膨張させることができる。
そのため、本発明の発泡性樹脂組成物および発泡性樹脂シートと、それらが配置される部材とを加熱炉などに投入して高温で加熱しなくても、マイクロ波の照射によって発泡できるため、本発明の発泡性樹脂組成物および発泡性樹脂シートを、低温発泡が必要とされる各種産業分野に用いることができる。
図1は、実施例における発泡充填性の評価方法の概略説明図であり、(a)は、発泡性樹脂組成物からなる発泡性樹脂シートを試験板の間に配置する工程、(b)は、発泡性樹脂シートをマイクロ波の照射により発泡させる工程を示す。
本発明の発泡性樹脂組成物は、樹脂と、発泡性樹脂粒子と、磁性体とを含有している。
樹脂としては、例えば、ゴム、熱可塑性樹脂(ゴムを除く)、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
ゴムとしては、特に限定されず、例えば、ポリイソブチレンゴム(PIB)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、スチレン系ゴム、ニトリル系ゴム、ウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴム、シリコーンゴム、ポリエーテルゴム、ポリスルフィドゴムなどの合成ゴム、例えば、天然ゴムなどが挙げられる。
ゴムは、単独使用または2種以上併用することができる。
ゴムのうち、好ましくは、合成ゴム、さらに好ましくは、PIB、スチレン系ゴム、シリコーンゴムが挙げられる。
PIBは、イソブチレン(イソブテン)の重合により得られる合成ゴムである。
スチレン系ゴムとしては、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などが挙げられる。スチレン・ブタジエンゴムは、スチレンとブタジエンとの共重合体からなる合成ゴムである。スチレン・ブタジエンゴムのスチレン含量は、例えば、10〜50質量%である。
シリコーンゴムは、ポリシロキサン((−Si−O−))において、アルキル基および/アリール基などの有機基を含有する合成ゴムである。
ゴムの重量平均分子量(GPC:標準ポリスチレン換算値)は、例えば、1,000〜1,000,000、好ましくは、10,000〜100,000である。
また、ゴム(スチレン・ブタジエンゴム)のムーニー粘度(JIS K 6300−1(2001年))は、例えば、10〜100(ML1+4、at100℃)である。
また、ゴムの密度は、例えば、0.8〜2.1g/cm、好ましくは、0.85〜2.0g/cmである。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマーを含み、例えば、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルスルホン、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー、ポリアリレートなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
熱硬化性樹脂としては、好ましくは、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などの芳香族系エポキシ樹脂、例えば、脂肪族型エポキシ樹脂、例えば、脂環族型エポキシ樹脂、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらエポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
好ましくは、芳香族系エポキシ樹脂、さらに好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、100〜1000g/eqiv.、密度が、例えば、0.75〜1.25g/cm、ガラス転移温度が、例えば、30〜180℃、重量平均分子量(GPC:標準ポリスチレン換算値)が、例えば、1,000〜1,000,000である。
上記した樹脂としては、好ましくは、ゴム、熱硬化性樹脂が挙げられる。
樹脂の配合割合は、発泡性樹脂組成物に対して、例えば、10〜90質量%、好ましくは、10〜50質量%である。
発泡性樹脂粒子は、中実の樹脂マトリクスに、熱膨張性物質が含有(含浸)されている。
樹脂マトリクスは、熱膨張性物質を均一に含有でき、さらには、加熱によって硬化しにくい樹脂からなり、そのような樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、上記した熱可塑性樹脂と同様のものが挙げられる。
熱可塑性樹脂のうち、好ましくは、スチレン系樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系モノマーを含有するモノマーを重合させることにより得られるスチレン系重合体(スチレン系ホモポリマー)である。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、および、α−メチルスチレン、環ハロゲン化スチレン、環アルキル化スチレン、2−ビニルトルエン(o−メチルスチレン)、3−ビニルトルエン(m−メチルスチレン)、4−ビニルトルエン(p−メチルスチレン)などのスチレン誘導体などが挙げられる。これらスチレン系モノマーは、単独使用または2種以上併用される。スチレン系モノマーとして、好ましくは、スチレンが挙げられる。
スチレン系重合体として、好ましくは、ポリスチレン(ポリスチレンホモポリマー)が挙げられる。
また、スチレン系樹脂としては、例えば、上記したスチレン系モノマーと、スチレン系モノマーと共重合可能な共重合性モノマーとのスチレン系共重合体(スチレン系コポリマー)も挙げられる。共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタクリル酸)と、炭素原子1〜8個を有するアルコールとのエステル(つまり、(メタ)アクリレート)、ジメチルフマレート、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニル、エチレン、ブタジエン、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。これら共重合性モノマーは、単独使用または2種以上併用される。共重合性モノマーとして、好ましくは、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエンが挙げられる。
スチレン系共重合体として、好ましくは、(メタ)アクリレート−スチレン共重合体(MS)、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などが挙げられる。さらに好ましくは、MS、ASが挙げられる。
MSは、(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとの、ブロックまたはランダム共重合体であり、(メタ)アクリル酸メチル含量が、例えば、10〜60質量%である。
ASは、アクリロニトリルとスチレンとの、ブロックまたはランダム共重合体であり、アクリロニトリル含量が、例えば、10〜60質量%である。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル(つまり、ポリアクリル酸メチルおよび/またはポリメタクリル酸メチル)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピルなどが挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルが挙げられる。
樹脂マトリクスは、中実(つまり、中空ではない)形状をなし、その密度は、例えば、0.9〜2.0g/cm、好ましくは、1.0〜1.5g/cmである。
また、樹脂マトリクスのガラス転移温度は、例えば、50〜110℃、好ましくは、80〜90℃である。ガラス転移温度は、DMA法にて測定される。
熱膨張性物質は、マイクロ波の照射に基づいて磁性体が加熱されることにより膨張する物質であって、具体的には、後述する特定の温度で膨張する、つまり、気化(蒸発あるいは沸騰)する物質であって、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、不燃性ガスなどが挙げられる。
炭化水素としては、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素が挙げられる。好ましく、飽和炭化水素が挙げられる。
飽和炭化水素としては、例えば、直鎖状アルカン、分枝状アルカン、シクロアルカンなどが挙げられる。
直鎖状アルカンとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数1〜7の直鎖状アルカン(脂肪族炭化水素)が挙げられる。
分枝状アルカンとしては、例えば、2−メチルプロパン(イソブタン)、2−メチルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2,4−ジメチルペンタンなどの炭素数4〜7の分岐状アルカンが挙げられる。
シクロアルカンとしては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの炭素数3〜7のシクロアルカン(脂環族炭化水素)が挙げられる。
飽和炭化水素として、好ましくは、直鎖状アルカンが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン(CCl)などのクロロ炭化水素、例えば、ジフルオロメタン(CF)などのフルオロ炭化水素、例えば、フロン22(商標、CHClF)、フロン12(商標、CCl)、フロン113(商標、CClFCClF)などのクロロフルオロ炭化水素が挙げられる。
不燃性ガスとしては、例えば、炭酸ガスなどが挙げられる。
これら熱膨張性物質のうち、好ましくは、炭化水素が挙げられる。
熱膨張性物質の沸点は、例えば、−160〜120℃、好ましくは、−50〜100℃、さらに好ましくは、−5〜70℃である。
熱膨張性物質の沸点が上記した範囲を超える場合には、発泡性樹脂組成物のマイクロ波の照射による発泡が困難となる場合がある。熱膨張性物質の沸点が上記した範囲に満たない場合には、熱膨張性物質を樹脂に均一に含有させることが困難となる場合がある。
発泡性樹脂粒子は、上記した樹脂マトリクスのモノマーを、溶媒および熱膨張性物質の存在下で、重合させることにより得ることができる。あるいは、上記した樹脂マトリクスのモノマーを、溶媒の不存在下で、かつ、熱膨張性物質の存在下で、重合させることにより得ることができる。
好ましくは、樹脂マトリクスのモノマーを、溶媒および熱膨張性物質の存在下で、重合させる。
溶媒としては、例えば、水などの水性溶媒、例えば、トルエンなどの有機溶媒などが挙げられる。好ましくは、水性溶媒が挙げられる。
具体的には、発泡性樹脂粒子は、モノマーを、分散剤が配合され、かつ、熱膨張性物質が吹き込まれた(流入された)水性溶媒中に、水分散させながら、懸濁重合させることにより得る。上記した重合方法によれば、樹脂マトリクスに熱膨張性物質を均一に含有させることができる。
このようにして得られる発泡性樹脂粒子は、中実の球状(ビーズ状)または中実のペレット状、好ましくは、中実のビーズ状に形成されている。
発泡性樹脂粒子の最大長さの平均値(球状の場合には、平均粒子径)は、例えば、0.2〜4mm、好ましくは、0.4〜2.0mmである。発泡性樹脂粒子の最大長さの平均値が上記範囲を超えると、意匠性および発泡性の均一性が低下する場合がある。発泡性樹脂粒子の最大長さの平均値が上記範囲に満たないと、熱膨張性物質が容易に揮発してしまい、貯蔵安定性が損なわれる場合がある。
そして、この発泡性樹脂粒子では、中実の樹脂マトリクスに熱膨張性物質が含有されている。
すなわち、発泡性樹脂粒子は、中実(中空でない)で粒状の樹脂マトリクスの表面から内部にわたって、熱膨張性物質が浸透されている。
熱膨張性物質の含有割合は、樹脂マトリクス100質量部に対して、例えば、1〜10質量部、好ましくは、2〜8質量部である。
これにより、発泡性樹脂粒子では、低温、具体的には、例えば、120℃以下(具体的には、70〜120℃)、また、110℃以下(具体的には、70〜110℃)、さらには、100℃以下(具体的には、70〜120℃)の温度(熱膨張開始温度)で熱膨張が開始する。
また、熱膨張後の発泡性樹脂粒子の密度は、例えば、0.005〜0.5g/cm、好ましくは、0.01〜0.1g/cmである。
発泡性樹脂粒子の100℃における熱膨張倍率は、熱膨張性物質の含有割合にもよるが、例えば、2〜200倍、好ましくは、10〜100倍である。
このような発泡性樹脂としては、市販品(発泡性ビーズ)を用いることができ、例えば、「カネパール」(発泡性ポリスチレンビーズまたは発泡性ポリメチルメタクリレートビーズ、カネカ社製)、「スチロダイヤ」(発泡性ポリスチレンビーズ)、「ヒートポール」(発泡性アクリロニトリル・スチレン系樹脂ビーズ、「クリアポール」(発泡性メチルメタクリレート−スチレン系樹脂ビーズ)(以上、JSP社製)、「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)、「PNビーズ」(特殊発泡ポリスチレンビーズ)(以上、積水化成品工業社製)などが挙げられる。
発泡性樹脂粒子の配合割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、30〜1000質量部、好ましくは、50〜500質量部である。
発泡性樹脂粒子の配合割合が上記した範囲に満たないと、発泡倍率が過度に低くなり、樹脂を十分に発泡させることができない場合がある。一方、発泡性樹脂粒子の配合割合が上記した範囲を超えると、発泡性樹脂粒子が樹脂から脱落する場合がある。
磁性体としては、例えば、強磁性体、反磁性体などが挙げられ、好ましくは、強磁性体が挙げられる。
強磁性体は、磁場によりその方向に強く磁化し、磁場を取り除いても残留磁化を残す磁性体であり、そのような強磁性体として、例えば、軟質磁性体、硬質磁性体が挙げられる。
軟質磁性体としては、例えば、軟質磁性フェライト(ソフトフェライト)、軟質磁性鉄類などが挙げられる。
軟質磁性フェライトは、下記組成式(1)で表される鉄酸化物である。
AO・Fe (1)
(Aは、2価の遷移元素または第12属元素を示す。)
上記組成式(1)において、Aで示される2価の遷移元素としては、例えば、主遷移元素が挙げられ、そのような主遷移元素としては、例えば、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどが挙げられる。
上記した2価の遷移元素は、単独または2種以上併用することができる。
上記組成式(1)において、Aで示される第12属元素としては、例えば、Zn、Cd、Hgなどが挙げられる。これら第12属元素は、単独または2種以上併用することができる。
軟質磁性フェライトとして、具体的には、Ni−Cu−Znフェライト(NiO/CuO/ZnO・Fe、以下同様)、Ni−Znフェライト、Ni−Cuフェライト、Mn−Znフェライトなどが挙げられる。
軟質磁性鉄類としては、例えば、β鉄、鉄合金などが挙げられる。
鉄合金としては、例えば、鉄中にSi、Ni、Alなどが微量(例えば、鉄合金中10質量%以下)含まれる合金であって、具体的には、Fe−Si(Si含有鉄合金、以下同一。ケイ素鋼)、Fe−Ni、Fe−Si−Alなどが挙げられる。
硬質磁性体としては、例えば、α鉄、硬質磁性フェライト(ハードフェライト)、合金(硬質磁性フェライトを除く)などが挙げられる。
硬質磁性フェライトとしては、例えば、下記組成式(2)で表される鉄酸化物である。
B・Fe (2)
(Bは、アルカリ土類金属を示す。)
上記組成式(2)において、Bで示されるアルカリ土類金属としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raなどが挙げられる。好ましくは、Baが挙げられる。
硬質磁性フェライトとして、具体的には、Baフェライトなどが挙げられる。
合金は、例えば、遷移元素を含み、具体的には、必須成分として、主遷移元素を含み、任意成分として内遷移元素を含んでいる。
主遷移元素としては、上記した主遷移元素と同様のものが挙げられる。
内遷移元素としては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。
合金としては、具体的には、Fe−Al−Ni−Co(Al、NiおよびCoの合金、以下同様、アルニコ合金)、Sm−Co、Nd−Fe−Bなどが挙げられる。
強磁性体としては、好ましくは、硬質磁性フェライトが挙げられる。
また、磁性体として、Fe−Si、Fe−Ni、Fe−Al、YIG(イットリウム鉄ガーネット)なども挙げられる。
磁性体としては、好ましくは、上記した軟質磁性フェライト、硬質磁性フェライトなどのフェライトが挙げられる。
磁性体のキュリー温度(磁性が加熱により消失する温度)は、例えば、300℃以下、好ましくは、70〜250℃、さらに好ましくは、80〜150℃である。
磁性体のキュリー温度が上記範囲を超えると、発泡性樹脂組成物が加熱され過ぎて(例えば、150℃以上)、発泡性樹脂粒子のガス抜けにより収縮が起きて発泡させることができない場合がある。
一方、磁性体のキュリー温度が上記範囲内にあれば、マイクロ波の照射によって磁性体が加熱される温度の上限が上記範囲内にあるので、発泡性樹脂組成物を低温で発泡させることができる。
磁性体の透磁率(波長2.45GHzにおけるμ’’)は、例えば、0.1以上、好ましくは、0.1〜10である。透磁率は、同軸管法にて算出される。
透磁率は、磁束密度の大きさと、磁場の強さとの比であって、具体的には、マイクロ波の照射による加熱のし易さを示す。磁性体の透磁率が上記した範囲内にあれば、マイクロ波の照射によって磁性体を効率よく加熱することができる。
なお、透磁率を複素表示した複素透磁率μは、下記式(3)で表され、
μ=μ’−jμ’’ (3)
(式中、μ’は、複素透磁率の実数成分、jは(−1)1/2、μ’’は複素透磁率の虚数成分を示す。)
また、磁性体の保持力は、例えば、1〜20A/m(Oe)、好ましくは、2〜10A/mである。
磁性体の飽和磁化は、例えば、1〜200A・m/kg(emu/g)、好ましくは、2〜100A・m/kg(emu/g)である。
磁性体の残留磁化は、例えば、0.01〜2.0A・m/kg(emu/g)、好ましくは、0.1〜1.0A・m/kgである。
磁性体は、通常、室温で固体であって、その形状は特に限定されず、例えば、粒子状である。また、磁性体は、多孔質形状であってもよい。
磁性体は、粒子状である場合には、そのd50、つまり、粒径加積曲線における質量百分率が50%のときの粒径(d50)が、例えば、0.1〜100μm、好ましくは、1〜50μmである。
粒径(d50)が上記範囲を超える場合には、発泡性樹脂組成物の外観が不良となる場合があり、上記範囲に満たない場合には、樹脂に充填(配合)しづらい場合がある。
なお、磁性体のd10は、例えば、0.05〜50μm、d90は、例えば、0.5〜100μmである。
なお、粒径加積曲線は、例えば、レーザー回折法にて測定される。
磁性体の比表面積は、例えば、0.001〜1m/g、好ましくは、0.01〜0.1m/gである。なお、比表面積は、例えば、BET法などによって算出される。
磁性体の真比重は、例えば、0.5〜50、好ましくは、1〜10であり、かさ密度は、例えば、0.2〜20g/cm、好ましくは、0.5〜5g/cmである。
磁性体の配合割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、35〜350質量部、さらに好ましくは、40〜250質量部である。
磁性体の配合割合が上記範囲に満たない場合には、マイクロ波が照射されるときに、発泡性樹脂組成物において磁性体が加熱される程度が不十分となり、樹脂を発泡させることができない場合がある。
また、磁性体の配合割合が上記範囲を超える場合には、発泡性樹脂組成物の軽量化を図れない場合がある。
一方、磁性体の配合割合が上記範囲内にある場合には、マイクロ波が照射されるときに、発泡性樹脂組成物において磁性体が十分に加熱されて、樹脂を効率よく発泡させることができる。
そして、発泡性樹脂組成物は、例えば、上記した樹脂と発泡性樹脂粒子と磁性体とを配合して、攪拌混合することにより、調製する。
具体的には、上記した樹脂と発泡性樹脂粒子と磁性体とを、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダ、押出機などによって混練することにより、混練物として発泡性樹脂組成物を調製する。
この混練では、例えば、発泡性樹脂粒子の熱膨張開始温度未満、具体的には、常温(20℃)〜70℃未満の温度、好ましくは、20〜55℃の温度で、樹脂と発泡性樹脂粒子と磁性体とを加熱する。
これにより、本発明の発泡性樹脂組成物を得ることができる。
なお、本発明の発泡性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、充填剤(酸化亜鉛など。磁性体を除く)、硬化剤(エチレンジアミンなどのアミン化合物など)、硬化促進剤(イミダゾール化合物など)、さらには、架橋剤、加硫剤、その他の発泡剤(発泡性樹脂粒子を除く発泡剤)、発泡促進剤、架橋促進剤、加硫促進剤、揺変剤、滑剤、顔料、スコーチ防止剤、安定剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防カビ剤、難燃剤、粘着付与剤などの公知の添加剤を、適宜の割合で添加することもできる。
そして、上記により得られた発泡性樹脂組成物(混練物)を、例えば、カレンダー成形、押出成形、射出成形あるいはプレス成形などの成形方法によって、シート状などの所定形状に形成する。
混練物の成形では、発泡性樹脂粒子の熱膨張開始温度未満、具体的には、常温(20℃)あるいは70℃未満の温度、好ましくは、20〜55℃の温度で、混練物を加熱する。
また、シート状に形成する場合には、そのシートの厚みは、例えば、0.2〜10mmである。
これによって、発泡性樹脂組成物を、本発明の発泡性樹脂シートとして得ることができる。
そして、このようにして得られた発泡性樹脂シートは、マイクロ波の照射によって発泡するマイクロ波発泡樹脂シートとして用いられる。
すなわち、発泡性樹脂シートに、マイクロ波が照射されると、マイクロ波が磁性体に吸収され、それによって、磁性体が加熱される。すると、その加熱により、発泡性樹脂粒子における熱膨張性物質が膨張するので、それによって、樹脂を確実に発泡させることができる。これによって、発泡体を確実に得ることができる。
同時に、発泡性樹脂シートにおいて、磁性体がマイクロ波を適度に吸収しつつ、マイクロ波の反射およびマイクロ波によるスパーク(沿面放電)の発生を有効に防止することができる。そのため、発泡性樹脂シートを効率よく発泡させながら、スパークに起因するマイクロ波発生装置の損傷を防止することができる。
とりわけ、この発泡性樹脂粒子では、熱膨張性物質が中実の樹脂マトリクスに含有されているので、磁性体がマイクロ波に低い照射出力(例えば、260W以下)で照射されて、磁性体が低温(例えば、140℃以下、より具体的には、80〜130℃)で加熱されても、熱膨張性物質を確実に膨張させることができる。
しかも、磁性体は、マイクロ波の磁場によって加熱されるため、磁性体がキュリー温度まで加熱されると、磁性が消失し、磁場による加熱が停止される。その後、温度がキュリー温度以下になると、再び加熱される。そして、加熱の停止および再開が繰り返される。このような原理で、キュリー温度付近で低温加熱することが可能であり、過熱防止の温度制御が可能である。
よって、キュリー温度が300℃以下の、比較的低温なキュリー温度を持つ磁性体は、それを超過して加熱されることがないため、磁性体の発泡性樹脂組成物に対する配合割合を、例えば、5〜50質量%の範囲に調整することにより、発泡性樹脂シートの温度を、例えば、150℃未満、さらには、130℃未満の範囲に調整することが可能である。
ただし、磁性体の配合割合が発泡性樹脂組成物に対して50質量%を超える場合に、磁性体に含まれる金属成分の影響から、電場による加熱が行われ、キュリー温度を超過して昇温してしまう場合があると推察される。
一方、キュリー温度において磁性体の磁性が消失することを利用することなく、キュリー温度未満で発泡させる場合には、発泡性樹脂組成物に上記した所望の配合割合で導電性物質を含有させることにより、マイクロ波の波長が、例えば、100μm〜1m、周波数が、例えば、300MHz〜3THz、マイクロ波の照射出力が、例えば、100〜2,000W、照射時間が、例えば、0.2〜30分間(好ましくは、0.5〜10分間)で、発泡性樹脂シートが発泡する。
また、上記したマイクロ波の照射条件を一定にした場合に、発泡性樹脂組成物における磁性体の配合割合を調整することによって、発泡性樹脂シートの温度、さらには、樹脂の発泡を制御することができる。
その結果、本発明の発泡性樹脂シートを、それが配置される部材とともに加熱炉などに投入して高温で加熱しなくても、マイクロ波の照射によって発泡できるため、例えば、熱可塑性樹脂(プラスチック)などからなる樹脂成形品など、低温発泡が必要とされる各種産業分野に用いることができる。
例えば、上記した発泡性樹脂シートが発泡した発泡体は、各種の部材の間または中空部材の内部空間に充填する各種産業分野の産業製品の充填材として用いることができる。
各種の部材の間または中空部材の内部空間に充填するには、例えば、各種の部材の間または中空部材の内部空間に、発泡性樹脂シートを設置して、その後、設置された発泡性樹脂シートに、マイクロ波を照射することにより、発泡性樹脂シートを発泡させることにより、発泡体を形成する。これにより、形成された発泡体によって、部材の間または中空部材の内部空間を充填する。
そして、上記した充填材は、上記した部材または中空部材に対する、補強、制振(防振)、防音、防塵、断熱、緩衝、水密および気密、または、接着など、種々の効果を付与することができる。そのため、各種の部材の間または中空部材の内部空間に充填する、例えば、補強材、制振材(防振材)、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材、封止材、または、接着材など、各種の産業製品の充填材として、好適に用いることができる。
とりわけ、発泡性樹脂シートは、例えば、自動車、電気製品、住宅製品などのシールに用いられる。その場合には、発泡性樹脂シートを、例えば、自動車、電気製品または住宅製品の隙間に取り付けた後、マイクロ波の照射により発泡させる。これにより、発泡体により、かかる隙間を充填する。
つまり、発泡性樹脂シートは、好ましくは、自動車外装シール材、電気製品シール材、住宅用シール材などとして、自動車、電気製品、住宅製品などの各種部材の隙間をシールするためのシール材として用いられる。そして、発泡体を、自動車、電気製品または住宅製品の防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材、封止材などとして、防振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密および気密することができる。
また、本発明の発泡性樹脂シートは、例えば、自動車の構造部材、具体的には、低温での発泡が要求される樹脂製のバンパやインストルメントパネルなどの補強に用いられる。その場合には、まず、発泡性樹脂シートに、ガラスクロスなどから形成される拘束層を積層させることにより補強シートを作製する。次いで、作製した補強シートの発泡性樹脂シートを、上記した自動車の構造部材に貼着し、その後、マイクロ波の照射により発泡させる。そして、発泡体を備える鋼板補強シートにより、自動車の構造部材を補強することができる。
なお、発泡性樹脂シートにマイクロ波を照射するには、発泡性樹脂シートとそれが貼着された上記した自動車の構造部材とを、公知のマイクロ波発生装置に投入して、それらにマイクロ波を照射する。あるいは、発泡性樹脂シートのみにマイクロ波を照射することもできる。
このようにして得られる発泡体は、その密度が、例えば、0.03〜1.0g/cm、好ましくは、0.05〜0.5g/cm、さらに好ましくは、0.06〜0.2g/cmである。なお、発泡体の密度は、JIS Z8807に準拠して測定される。
発泡体の密度が上記した範囲外であれば、発泡体の充填性が低下する場合がある。
また、発泡倍率(つまり、発泡性樹脂シートの発泡時の体積発泡倍率)が、例えば、1.5〜30倍、好ましくは、2〜20倍である。
なお、発泡倍率は、[発泡性樹脂シート(発泡前の発泡性樹脂シート)の密度]/[発泡体(発泡後の発泡性樹脂シート)密度]として算出される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。
実施例1〜6および比較例1〜3
各成分を、表1の配合処方に従って、ミキシングロールにて、50℃で、回転数10min−1、10分間混練して、発泡性樹脂組成物を混練物として調製した。その後、調製した発泡性樹脂組成物を、50℃、圧力50kg/cmで、5分間プレスすることにより、厚み2mmの発泡性樹脂シートを形成した。
(評価)
(1) 密度および発泡倍率
上記により得られた発泡性樹脂シートを、直径19mmの円形状に打ち抜いてサンプルを作製し、その後、作製したサンプルを、マイクロ波照射装置(型番CRE173−5、Convesta社製)に投入し、出力260Wで、所定時間(表1参照)、マイクロ波(波長12.2cm、周波数24.5GHz)をサンプルに照射することにより、サンプルを発泡させて、発泡体を得た。
発泡前後(発泡前のサンプルおよび発泡後の発泡体)の密度を、JIS Z8807に準拠してそれぞれ測定し、それらから発泡倍率を算出した。それらの結果を表1に示す。
(2) 発泡充填性
上記により得られた発泡性樹脂シートを、長さ50mm、幅20mmのサイズに切り取ってサンプル(1)を作製し、その後、作製したサンプル(1)を、図1(a)に示すサイズ(長さ50mm、幅25mm)のプラスチック製の試験板(2)の間において、下側の試験板(2)の上面の中央に載置した。
その後、それらを、マイクロ波照射装置(型番CRE173−5、Convesta社製)に投入し、上記と同様の条件で、マイクロ波をサンプルに照射することにより、図1(b)に示すように、サンプル(1)を発泡させて、発泡体(3)を得た。
そして、試験板(2)の間における発泡体(3)の発泡充填性を目視にて下記の基準にて評価した。その結果を表1に示す。
(評価基準)
○:発泡充填性が良好であった。
×:隙間(未充填部分)があり、発泡充填性がやや不良であった。
Figure 2012092226
なお、表1中、発泡性樹脂組成物の配合処方の欄の数値は、各成分の質量部数を示す。
また、表1中、各成分において、「*」にて示す化合物および評価を以下に詳説する。
Oppanol B50*1:ポリイソブチレンゴム、重量平均分子量(GPC:標準ポリスチレン換算値)340,000、密度0.92g/cm、BASF社製
Oppanol B12*2:ポリイソブチレンゴム、重量平均分子量(GPC:標準ポリスチレン換算値)51,000、密度0.92g/cm、BASF社製
KE−550−U*3:シリコーンゴム、密度1.21g/cm、信越シリコーン社製
タフデン2003*4:SBR、ムーニー粘度33(ML1+4、100℃)、スチレン含量25質量%
PKHM−301*5:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ガラス転移温度45℃、重量平均分子量39,000、InChem社製
エピコート♯834*6:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量230〜270g/eqiv.、密度1.18g/cm、JER社製
ST−01−8*7:Ni−Cu−Znフェライト粉末、軟質磁性フェライト、キュリー温度:230℃、比表面積0.07m/g、真比重5.25、保持力7.0A/m(Oe)、飽和磁化69A・m/kg(emu/g)、残留磁化0.6A・m/kg(emu/g)、透磁率:複素透磁率の実数成分μ’2.5/複素透磁率の虚数成分μ’’1.2(透磁率測定時の周波数:1GHz)、d50(レーザー回折法、以下同様):28μm、d10:18μm、d90:40μm、戸田工業社製
JR11G*8:Ni−Znフェライト粉末、軟質磁性フェライト、キュリー温度:100℃以上、130℃以下、嵩密度1.58g/cm、d50:1.57μm(レーザー回折法)、日本重化学工業社製
酸化亜鉛*9:酸化亜鉛2種品、平均粒子径0.24〜0.3μm、三井金属鉱業社製
NB−7*10:発泡性ポリスチレンビーズ、カネパールNB−7、樹脂マトリクスのガラス転移温度85℃、ブタンおよびペンタン含有、平均粒子径0.46mm、熱膨張開始温度70℃、密度(熱膨張前)1.00g/cm、膨張倍率45倍(100℃)、カネカ社製
HJM*11:発泡性ポリスチレンビーズ、カネパールHJM、樹脂マトリクスのガラス転移温度85℃、炭化水素含有、平均粒子径0.5mm、熱膨張開始温度70℃、密度(熱膨張前)1.00g/cm、膨張倍率45倍(100℃)、カネカ社製
K−M*12:発泡性ポリスチレンビーズ、カネパールK−M、樹脂マトリクスのガラス転移温度85℃、炭化水素含有、平均粒子径1mm、熱膨張開始温度70℃、密度(熱膨張前)1.00g/cm、膨張倍率45倍(100℃)、カネカ社製
K−BS*13:発泡性ポリスチレンビーズ、カネパールK−BS、樹脂マトリクスのガラス転移温度85℃、炭化水素含有、平均粒子径0.6mm、熱膨張開始温度70℃、密度(熱膨張前)1.00g/cm、膨張倍率45倍(100℃)、カネカ社製
密度*14:JIS Z8807に準拠して測定
発泡倍率*15:体積発泡倍率=発泡前のサンプルの密度/発泡後の発泡体の密度
発泡前*16:マイクロ波の照射による発泡前
発泡後*17:マイクロ波の照射による発泡後
1 発泡性樹脂シート(サンプル)
2 試験板(中空部材)
3 発泡体

Claims (10)

  1. 樹脂と、
    中実の樹脂マトリクスに熱膨張性物質が含有されている発泡性樹脂粒子と、
    磁性体とを含有することを特徴とする、発泡性樹脂組成物。
  2. 前記磁性体の配合割合が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡性樹脂組成物。
  3. 前記磁性体が、フェライトであることを特徴とする、請求項1または2に記載の発泡性樹脂組成物。
  4. 前記磁性体のキュリー温度が、300℃以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡性樹脂組成物。
  5. マイクロ波の照射によって発泡することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡性樹脂組成物がシート状に形成されていることを特徴とする、発泡性樹脂シート。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡性樹脂組成物をマイクロ波の照射により発泡させることにより得られることを特徴とする、発泡体。
  8. 請求項6に記載の発泡性樹脂シートをマイクロ波の照射により発泡させることにより得られることを特徴とする、発泡体。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡性樹脂組成物を、マイクロ波の照射により発泡させることを特徴とする、発泡体の製造方法。
  10. 請求項6に記載の発泡性樹脂シートを、マイクロ波の照射により発泡させることを特徴とする、発泡体の製造方法。
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