JP2012092104A - 椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物 - Google Patents

椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】転写因子阻害剤を使用した、椎間板の疾患を阻害、治療及び回復する方法及び組成物の提供。
【解決手段】NF−κB(核内因子κB)デコイ、NF−κBに対するアンチセンス、リボザイム及びsiRNAからなる群から選択される転写因子阻害剤の有効量を含む、転写因子NF−κBの活性を阻害することによる、繊維軟骨及び椎間板の破壊の治療又は修復のための医薬組成物。該組成物は椎間板変性、腰痛、脊柱側弯症、頸部痛、ヘルニア、及び脊柱管狭窄症(脊柱狭窄症)の治療、回復に有効である。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写因子、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets及びAP−1を含む転写因子を遮断することにより椎間板(IVD)の疾患を治療、阻害及び回復することに関する。さらに詳細には、本発明は転写因子の活性を遮断することにより椎間板の完全性を回復することに関する。
背痛は、風邪に次いで、診療所に訴えられる二番目に最も一般的な病気であり、合衆国だけで毎年およそ1億の欠勤日の原因である。これらの背中の損傷の大部分は脊椎中の椎間板の疾患に由来する。多くの椎間板の疾患の正確な病因は分かっていないが、椎間板変性疾患のような疾患は、通常、機械的に誘発されて生物学的に仲介される。
IVDは、外部繊維輪(AF)(その引張強度を担うコラーゲンに富む)、及び内部髄核(NP)(圧縮負荷に抵抗するための水を保持する大きなプロテオグリカン(PG)を含む)からなる。生物学的には、AF及びNPの両方中の椎間板細胞は、それらの細胞外マトリックス(ECM)の同化と異化との間のバランス、又は定常状態の代謝を維持しており、サイトカイン、酵素、それらの阻害剤及び成長因子(例えば、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)、及び骨形成タンパク質(BMP))を含む様々な物質によって調節される。マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)のような様々な酵素及びサイトカインは、マトリックスの異化プロセス又は破壊を仲介する。IVDの変性は、同化プロセスと異化プロセスとの間の不調和、又は定常状態の代謝(正常な椎間板においては保たれる)の喪失に起因すると考えられている。
正常なIVDにおいて、NPのECMは成人期を通じて比較的少数の細胞により合成され維持される。成人のヒトにおいては、ほとんどのNP細胞は軟骨細胞様であり、一方若年者におけるNP細胞はかなりの数の大きな脊索細胞を有する。両方のNP細胞のタイプが、組織内で最も豊富な分子を構成する大きい分子量の親水性PG(アグリカンと呼ばれる)を合成するのかどうかは分かっていない。これらのアグリカン分子は細胞外でヒアルロナン(HA)の長い線状ストランドと相互作用して、主にタイプIIコラーゲンから構成される繊維状のネットワーク中で絡まる凝集物を形成する。膨らむ性質、流動性及びイオン輸送の性質は、コラーゲン−アグリカンの固体マトリックスの固有の機械的性質と共に、NPの変形挙動を支配する。コラーゲンのネットワークは、組織に引張強度を与え、圧縮剛性を与える粘弾性の水和状態のアグリカン分子の膨張を妨げて、組織が可逆的な変形を受けることを可能にする。
異なる細胞集団の存在及びマトリックスの代謝の区域的な差異が示唆されてはいるが、AFは、NP由来の細胞よりもコラーゲンがより豊富でありかつPGがより乏しいマトリックスを合成する軟骨細胞様の細胞の比較的均一な集団を含む。重要なことに、一部のAF細胞は、通常軟骨では有意な量では見出されないPG及びコラーゲン分子を合成する。後にNPの脱水が伴うIVDのPG含有量の進行性の損失は、IVDの変性の原因に関わるとされてきた。
残念ながら、IVDの変性を含む椎間板の疾患の現行の治療は、ごくわずかの行動方針に限られており、それらの最も一般的なものは脊椎手術である。場合によっては脊椎手術は90%を超える良好から優良までの結果を達成するけれども、病気のIVDは時間とともに変性を受け続け、相当な障害がなお起こりうる。さらに、腰椎固定術のような外科的方法は、脊椎すべり症及び脊柱側弯症のような変形又は確認された不安定性を持つ患者に実行されれば高い成功率を有するとはいえ、神経根障害を伴わない腰痛の外科手術の結果は予測できない。
しばしば結果が予測出来ないことに加えて、脊椎固定術のような外科手術には数多くの障害が存在する。第一に、骨が治癒する能力又は“固定する”能力は様々であり、腰椎固定術の平均成功率はおおよそ75%〜80%である。残念ながら、固定の不成功は継続的な症候と結び付き得る。第二に、1以上のレベルでの脊椎固定は脊椎の硬直及び減少した動きを引き起こす。第三に、1以上のレベルに脊椎固定術を有することにより、より多くの応力が隣接するレベルへ伝達される。伝達された応力は新たな問題を他のレベルで発生させ得、さらなる背部手術に繋がる。これらの理由のため、多数の研究者が椎間板内高周波熱凝固法(IDET)、椎間板プロテーゼ、及び生物学的修復を含む、脊椎固定の代替的治療法を研究している。
脊椎固定の代替策のいくつかは見込みを示しているとはいえ、まだ多くの不都合がある。例えば、IDETは患者の椎間板起因の痛みを和らげ得るけれども、椎間板の構造又は生物学的マトリックスを回復させない。別の例として、椎間板置換術での椎間板プロテーゼの使用は、外科手術及びそれと関連する潜在的な外科的な病的状態を要求する。手術及び全身麻酔を受けることと関連する潜在的な厄介さに加えて、人工椎間板置換術と関連する厄介さは、金属板の破損、インプラントの転位、及び感染症を含み得る。関節置換手術同様、人工インプラントは材料の磨耗及びインプラントの緩みに起因して時間が経つと機能しなくなり得る。
必要とされるのは、IVDの構造の回復を生じ得る非侵襲的な方法である。現在、これらの目標を達成出来る薬剤を使用する治療のような、非侵襲的な方法は存在しない。ステロイドは現在椎間板の疾患を治療するために使用されているが、ステロイドはIVDの変性の症候を調節するのみであって、更なる損傷を阻止、予防、又は回復するために何もしないという点で多くの重大な欠点を持っている。
ステロイドの使用の欠点が原因で、IVDの疾患の治療のための最近の関心は、特定のIVDの生化学的メカニズムを標的にすることによってIVDの疾患を治療又は予防し得る薬剤に焦点を当ててきた。IVDの生化学は、その機械的特性において重要な役割を果たす。NPは、負に荷電したPGの豊富さが理由で、その液圧を維持してIVDに対する高い外的負荷を清算し得る。コラーゲンのネットワーク中に捕捉されたこのPGの分子的網目構造は、IVDに圧縮剛性及び引張強度の両方を与える。IVDの修復のための生物学的戦略の一つは、PG及びコラーゲンの合成を増進することであり、それはマトリックスの生体力学的な機能を回復させ得る。
IVDにおいて、PGのECM含有量及びECM中に包埋された軟骨細胞によるPGの合成は、年齢及び変性と共に顕著に減少する。いくつかのサイトカイン[すなわち、インターロイキン−1(IL−1)]及びプロテイナーゼ[すなわち、ストロメリシン及び他のMMP]が、変性又は脱出したIVD中で検出されてきた。インターロイキン−1αもまた、PGの合成を阻害すると同時に、正常なIVD細胞によるMMPのいくつか、一酸化窒素及びプロスタグランジンE2の生成を刺激する。これらの炎症性サイトカイン及びプロテアーゼの脱制御は、IVDの分解のようなIVDの疾患に寄与するようである。椎間板の変性のようなIVDの疾患の生物学的治療のための戦略は、阻害剤又は酵素的もしくは異化的な活性を遮断する他の物質を送達することによりこれらのサイトカインを停止又は無効化することである。例えば、IL−1受容体アンタゴニスト(IL−1 Ra)はIVD中でIL−1の機能を遮断するための候補として研究されてきた。生物学的治療のための他の戦略は、IVDの疾患において活性なタンパク質をコードする遺伝子の発現を防止することによりIVDの疾患を治療又は予防することを含む。これらの遺伝子の発現を遮断する一つの方法は、それらに作用する転写因子を遮断することである。
例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ遺伝子は、一般に、PEA3及びAP−1転写因子部位に作用する転写因子を含むいくつかの転写因子によって制御される。Chakroborti他のMOL CELL BIOCHEM 253:269−285(2003)を参照されたい。マトリックスメタロプロテイナーゼのようなIVDの疾患において活性な生化学的因子の多くを制御する多くの遺伝子の調節において重要な役割を果たす転写因子の一例は、ヘテロダイマー及びホモダイマーの転写因子の複合体グループである核因子−カッパーB(NF−κB)である。NF−κBファミリーのメンバーには、NF−κB1(p50/p105)、NF−κB2(p52/p100)、RelA(p65)、RelB、及びc−Relが含まれる。これらの分子は、非活性の複合体として細胞質中でIκBによって捕捉される。この複合体からの転写因子NF−κBの解離は、TNFα、IL−1、IL−6、IL−8、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、メタロプロテイナーゼ及び細胞間接着分子1(ICAM−1)のような遺伝子の協調的なトランスアクチベーションを誘発することにより、炎症性サイトカイン産生の調節において中心的な役割を果たすことが報告されている。関節リウマチ(RA)において、滑膜中でのNF−κBの活性化が観察されている。
NF−κBファミリーのメンバーを遮断することにより関節軟骨組織の分解を低減することが可能であり得ると予測されてきた。センダイウイルス(HVJ)−リポソーム法を用いるコラーゲン誘発性関節炎(CIA)ラットの両後足首関節中の関節内注射によるNF−κBデコイオリゴヌクレオチド(ODN)の添加は、後足(hind−pay)の腫れの重症度の減少及び関節破壊の顕著な抑制を示した。残念ながら、ラットの関節の足首軟骨はヒトの椎間板に見られる繊維軟骨とはかなり異なる。NF−κBの阻害が繊維軟骨の分解を予防又は治療することはどんな種においても示されていない。同様に、NF−κBの阻害が、ヒトの初代繊維軟骨細胞、特にインビトロでのヒトの初代繊維軟骨細胞に対して生物学的効果を有することは示されていない。
IVDの疾患において転写レベルで活性であると考えられる特定の酵素及びサイトカインを遮断することは、IVDの疾患の予防又は治療において使用され得ると予測されてきた。それにも関わらず、本発明までは、この原理を使用して作用する効果的な薬剤は存在しなかった。
発明の要旨
本発明の一つの態様は、病気の椎間板(すなわちIVDの疾患を持つ椎間板)中に有効量の転写因子阻害剤を投与することにより、IVDの疾患を治療するための方法を提供する。従って、転写因子阻害剤の投与は椎間板の疾患を治療する。ある実施態様において、転写因子阻害剤により遮断される転写因子は、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets又はAP−1であり得る。この方法において、病気の椎間板はインビボでもインビトロでも良い。ある実施態様において、IVDの疾患を治療することは更なる病状を予防することを含む。
本発明の別の実施態様において、健康な椎間板又は健康な椎間板組織中の転写因子を遮断することにより、椎間板の疾患を予防する方法が提供される。健康な椎間板は、髄核又は繊維輪の組織又は細胞を含み得る。他の実施態様において、有効量の転写因子阻害剤を椎間板へ投与することにより、プロテオグリカンの合成を刺激し、プロテオグリカンの分解を抑制し、又はその両方をする方法が提供される。
本発明の更に別の態様は医薬組成物を含み、該医薬組成物は本明細書に開示されるような椎間板の疾患の治療で用いる転写因子阻害剤を含む。この実施態様において、医薬組成物は、転写因子が転写因子応答遺伝子に作用する能力を遮断するネイキッドのオリゴデオキシヌクレオチドデコイを含み得る。
図1は、ネイキッドのODNでのトランスフェクションの7日後のインビボの髄核(NP)細胞及び繊維輪(AF)細胞の凍結切片を示しており、細胞内でのFITCラベルされたデコイODNの分布を表している。 図2は、穿刺されていない(非穿刺のコントロール)か、穿刺されたが処理されていない(穿刺のコントロール)か、1μgのデコイで処理されたか、又は10μgのデコイで処理されたかのいずれかの場合の、ウサギのIVDにおける%でのインビボの椎間板の高さ(DHI)(%DHI=術後DHI/術前DHI×100)の変化を表すグラフである。 図3は、ネイキッドのODNでのトランスフェクション後のインビトロのIVD細胞を示しており、細胞内でのFITCラベルされたデコイODNの分布を表している。 図4は、穿刺されていない(非穿刺のコントロール)か、穿刺されたが処理されていない(穿刺のコントロール)か、1μgのデコイで処理されたか、又は10μgのデコイで処理されたかのいずれかの場合の、ウサギのIVDにおける%でのインビボの椎間板の高さ(DHI)(%DHI=術後DHI/術前DHI×100)の変化を表すグラフである。 図5は、穿刺されたが処理されなかったウサギのIVD(穿刺されたコントロール)及び穿刺されかつ1μgのデコイで処理されたウサギのIVDの組織学的切片を示している。 図6は、ネイキッドのODNでのトランスフェクション後のインビトロの髄核(NP)細胞及び繊維輪(AF)細胞を示しており、細胞内でのFITCラベルされたデコイODNの分布を表している。 図7は、ネイキッドのODNでの処理後のMMP発現の下方調節を表すウエスタンブロットを示している。図中のレーンは、レーン1:コントロール、レーン2:IL−1βでの処理、レーン3:スクランブルしたデコイ及びIL−1βでの処理、レーン4:一本鎖デコイ及びIL−1βでの処理、及びレーン5:デコイ及びIL−1βでの処理、に対応する。 図8は、ODNデコイでの処理が、ヒトの培養されたAF細胞及びNP細胞においてプロテオグリカン(PG)の蓄積を有意に刺激することを表している。 図9は、ネイキッドのODNでのトランスフェクション後のインビトロの髄核(NP)細胞及び繊維輪(AF)細胞を示しており、細胞内でのFITCラベルしたデコイODNの分布を表している(A,D)。B及びEは核染色であり、C及びFは重ね合わせ画像である。 図10は、ODNデコイでの処理が、ヒトの培養されたAF細胞及びNP細胞においてプロテオグリカン(PG)の蓄積を刺激すること、及びデコイの継続的なトランスフェクションがIL−1βによって誘導されるPGの分解を抑制することを表している。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、転写因子の活性を遮断する1種以上の化合物を使用して椎間板の疾患を予防、治療又は修復する方法の使用に基づく。これらの転写因子阻害剤は、椎間板の疾患に関わる酵素及びサイトカインの遺伝子を制御することを担う転写因子に作用する。本発明はさらに、IVDの疾患を治療するための医薬組成物に関し、該医薬組成物は1種以上の転写因子阻害剤を含む。一般に、これらの転写因子阻害剤は、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets及びAP−1のような転写因子の活性を遮断し得る。一つの実施態様において、これらの化合物は特にNF−κBの活性を遮断する。
本発明の方法及び医薬組成物を使用して椎間板の細胞及び組織の合成を刺激する方法もまた記載される。一般に、該方法は、1種以上の転写因子阻害剤を投与すること又は椎間板の細胞若しくは組織を1種以上の転写因子阻害剤と接触させることを含む。椎間板の細胞又は組織は、繊維輪又は髄核からの繊維軟骨細胞を含み得る。一般に、これらの繊維軟骨細胞は、単離され得るか、又はインビボの繊維軟骨内に含有され得る。典型的な実施態様において、本発明の方法で使用される繊維軟骨及び繊維軟骨細胞は、哺乳動物のものであり、有胎盤類、単孔類又は有袋類が含まれ得る。ある実施態様において、哺乳動物は、イヌ科、ネコ科、ネズミ科、ウサギ科、クマ科、イタチ科、有蹄動物、ヒツジ科、ブタ科、ウマ科、ウシ科、ヤギ科、シカ科、或いはヒト又は非ヒト霊長類である。特定の実施態様において、繊維軟骨及び繊維軟骨細胞は、単離されるか、又はヒトの椎間板内に含有される。
本発明は、転写因子の活性を阻害することによる、直接的又は非直接的な繊維軟骨及びIVDの破壊の治療又は修復の方法を提供する。当業者によって理解されるように、転写因子の阻害は有効量の転写因子阻害剤を椎間板の細胞又は組織へ投与することにより達成される。本発明の組成物及び方法は、IVDの疾患に関わる遺伝子を制御する活性のある転写因子を阻害する。椎間板変性と共に、IVDの疾患の非限定的な例には、腰痛、脊柱側弯症、頸部痛、ヘルニア、及び脊柱管狭窄症(脊柱狭窄症)が含まれる。
ある実施態様において、転写因子を遮断するために使用される化合物は、マトリックスメタロプロテイナーゼ遺伝子を制御する活性のある転写因子に特異的に作用する。マトリックスメタロプロテイナーゼ遺伝子の制御において活性のある転写因子の例のレビューとしては、Vincenti及びBrinckerhoff,ARTHRITIS RES 4:157−164(2002)並びにChakroborti他のMOL CELL BIOCHEM 253:269−285(2003)を参照されたいが、これら両方は参照により本明細書に組み込まれる。別の実施態様において、転写因子を遮断するために使用される化合物は、インターロイキン遺伝子を制御する活性のある転写因子に特異的に作用する。また更なる実施態様において、化合物はマトリックスメタロプロテイナーゼ遺伝子及びインターロイキン遺伝子の両方を制御する活性のある転写因子に特異的に作用し得る。当業者によって理解されるように、転写因子阻害剤は椎間板の疾患に関わることが見出された任意の遺伝子を遮断するために使用され得る。
有効量の1種以上の転写因子阻害剤が椎間板に投与される。多くの実施態様において、椎間板はインビボである。椎間板がインビボであるとき、転写因子阻害化合物は有効量の転写因子阻害化合物を送達するであろう任意の方法を通じて投与され得る。転写因子阻害化合物は脱出した椎間板のような椎間板の疾患を治療するために使用され得るか、又は転写因子阻害化合物は予防的に投与されて椎間板の疾患を予防し得る。一般に、多くの椎間板の疾患において、細胞外マトリックスは正常な組織と比較して構成要素の分解を示す。この分解は、細胞外マトリックスのメンバーを切断する活性のあることが知られる酵素の存在を測定することにより測定され得る。破壊はまた椎間板の高さを測定することによっても測定され得る。
驚くべきでありかつ意外であるが、ある実施態様において、椎間板中の転写因子を遮断することは以前の損傷の回復をもたらすことが見出された。一般に、非限定的な理論として、細胞外マトリックスの増殖が刺激される時に回復が存在すると考えられている。図2に示されるように、輪状穿刺モデル(annular puncture model)における椎間板の高さは、転写因子阻害剤の二重注入後に非処理の椎間板と比較して増加した。同様に、図5及び図7に示されるように、転写因子阻害剤で処理されたAF細胞及びNP細胞は、細胞外マトリックスを形成する増強された能力を有する。これらを一緒にすれば、これは転写因子阻害剤及び本発明の方法が以前の椎間板の損傷を回復させることを示唆する。これは、病気の椎間板において見出される損傷の回復をもたらす転写因子阻害剤の最初の例である。
本発明のある方法において、インビボの椎間板は、転写因子阻害剤が投与される前に、損傷を受けていない又は関節症(arthopathic)になっていない。他の実施態様において、本発明は、椎間板の変性のような椎間板の疾患を治療するための方法を提供する。椎間板中の病状は繊維輪、髄核、又はそれら両方中に存在し得る。病気の椎間板の非限定的な例には変性(椎間板のヘルニアをもたらし得る)を受けている椎間板が含まれる。変性は背痛ももたらし得る。
ある実施態様において、椎間板に転写因子阻害剤が添加される前に、椎間板の病状のレベルが測定される。椎間板の疾患の病状の測定は、様々な方法で達成され得る。無症候性の患者又は症候性の患者において、これにはMRI又はCT脊髄造影法が含まれ得る。椎間板の疾患はまた、単純X線撮影写真、CTスキャン、及び椎間板造影術(脊椎針を頸部の椎間板に配置して、症候性の椎間板を同定する方法)を使用することによっても診断され得る。
椎間板の疾患はまた、プロテオグリカン及びコラーゲンの正常な割合及び型の変化によって、又はマトリックスを分解する酵素のレベルの上昇によって、測定され得る。更に、増加したサイトカインの発現はある種の椎間板の疾患の一因である可能性があるため、本発明は、椎間板の疾患を突き止めるための手段としてサイトカインの測定を包含する。椎間板の疾患を検出する他の生化学的な測定には、細胞の総数の減少又はアポトーシスを受けている細胞の数の増加を検知することが含まれ得るが、これに限定されない。神経及び血管は病気の椎間板中に成長するため、血管新生因子、血管新生又は神経支配の変化を測定することもまた椎間板の疾患のマーカーとして使用され得る。
転写因子阻害剤の投与の後に、治療の有効性を決定するために、本方法は椎間の疾患のレベルを決定又は測定することを包含する。ある実施態様において、この方法は治療前に椎間の疾患のレベルを決定又は測定し、病気の椎間板を治療するために十分な必要とされる転写因子阻害剤の量を確立することを含み得る。本発明のこれらの実施態様において、繊維軟骨分解因子又はそれらの前駆体(例、プロ酵素、mRNA等)のレベルは、繊維軟骨の分解の量を突き止めるために測定され得る。一般に、繊維軟骨分解因子は、存在する場合には椎間板中の繊維軟骨組織の分解を導くであろう任意の化合物を包含する。繊維軟骨分解因子は、繊維軟骨細胞又は繊維軟骨組織に直接作用して分解を引き起こし得るか、繊維軟骨組織を直接分解する化合物に影響を与え得るか、又は繊維軟骨組織を分解する化合物のモジュレータに影響を与え得る。繊維軟骨分解因子には、軟骨マトリックスを直接分解する酵素並びにIL−1のようなサイトカインを含む、軟骨の分解を刺激する他の化学物質が含まれる。IL−1はマトリックスメタロプロテイナーゼの活性を少なくとも上方調節することによって、間接的に繊維軟骨の分解を引き起こしているようである。繊維軟骨分解因子を測定する方法の非限定的な例には、一酸化窒素(NO)生成の測定、プロテイナーゼの検出、又はそれら両方が含まれる。
プロテイナーゼ(繊維軟骨分解因子の特定の群を占める)は正常及び病気の椎間板において検出され得る。これらのプロテイナーゼには、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)及びADAMTSファミリーのメンバーが含まれるが、これらに限定されない。本発明において、プロテイナーゼを含む繊維軟骨分解因子は、当該分野で公知の任意の方法によって検出され得る。これらの方法には、ウエスタンブロット解析、免疫組織化学、RNA転写物の検出、及びザイモグラフィーが含まれる。椎間板由来の繊維軟骨又は繊維軟骨細胞は、繊維軟骨分解因子の測定前に繊維軟骨保護剤で処理され得る。検出はまた、繊維軟骨分解因子の接触前、接触後、又はそれら両方において実行され得る。一つの実施態様において、繊維軟骨分解因子は天然の因子である。発明の他の実施態様は、合成の繊維軟骨分解因子の使用を意図する。特に、一つの実施態様において、軟骨分解因子はIL−1であり得る。他の実施態様において、軟骨分解因子はADAMTSファミリーのメンバーのようなプロテイナーゼであり得る。
インビトロの繊維軟骨及び繊維軟骨細胞を利用する実施態様について、繊維軟骨及び繊維軟骨細胞は既存の椎間板組織から直接単離され得る。インビトロの細胞培養物の調製で使用される繊維軟骨細胞は、当該分野で公知の任意の好適な方法によって単離され得る。細胞単離のための様々な出発材料及び方法が公知である。一般的には、Freshney,Culture of Animal Cells. A Manual of Basic Techniques,2d ed.,A.R. Liss Inc.,New York,pp 137−168,1987;Klagsburn,“Large Scale Preparation of Chondrocytes,”METHODS ENZYMOL 58:560−564,1979を参照されたい。インビトロの繊維軟骨及び繊維軟骨細胞は、それらの繊維軟骨の表現型を保持し、それらが単離された繊維軟骨源に特徴的なコラーゲン及びプロテオグリカン含有量を有する細胞関連マトリックスを生産するべきである。ある実施態様において、軟骨細胞はアルギン酸ビーズ中で培養される。他の実施態様において、例えば米国特許第6,451,060号及び同第6,197,061号に開示されるように、繊維軟骨細胞、特に髄核細胞及び繊維輪細胞を含む繊維軟骨細胞は、軟骨組織を形成するまで培養される。軟骨組織の形成に続いて、軟骨組織はインビトロで様々な型の転写因子阻害剤の効果をテストするために使用され得る。
椎間板由来の繊維軟骨細胞はインビボ又はインビトロのいずれかで見出され得るため、転写因子阻害剤の型と転写因子阻害剤を繊維軟骨細胞に接触させる方法との両方が変化し得る。例えば、繊維軟骨細胞がインビトロである場合、ネイキッドのデコイオリゴデオキシヌクレオチドのような転写因子阻害化合物が、繊維軟骨細胞が維持又は培養されている培地中に添加又は含有され得る。
本明細書で使用する場合、“転写因子阻害剤”又は“転写因子阻害化合物”は、転写因子が椎間板の疾患に関わる応答性遺伝子を活性化又は抑制する能力を阻害する任意の化合物である。ある実施態様において、転写因子阻害剤は、遺伝子を活性化する転写因子に作用する。他の実施態様において、転写因子阻害剤は、遺伝子を阻害する転写因子に作用する。単一の転写因子阻害剤が、様々の遺伝子を活性化する転写因子と阻害する転写因子との両方に作用し得ることを当業者は理解する。転写因子阻害剤が、応答性遺伝子に直接作用する転写因子に直接作用し得るか、又は転写因子による転写活性又は阻害を導く転写因子経路の任意のメンバーに作用し得ることもまた、当業者は理解する。例えば、米国特許出願番号20040171823号は、NF−κB経路において活性なポリヌクレオチド及びポリペプチドを開示している。ある実施態様において、米国特許出願番号20040171823号のポリヌクレオチド及びポリペプチドは、本発明の方法を使用して遮断され得る。
転写因子阻害化合物の例には、抗酸化物質、プロテアソーム阻害剤、ペプチド、低分子、デコイオリゴヌクレオチド及びドミナントネガティブ又は構成的に活性なポリペプチドが含まれる。転写因子阻害剤には、デコイ、アンチセンス分子、リボザイム、アプタマー、siRNA、抗体及びアンタゴニストも含まれ得る。ある実施態様において、転写因子阻害剤は、転写因子RNAの翻訳前に転写因子を阻害する。他の実施態様において、転写因子阻害剤は、転写因子RNAの翻訳後に転写因子を阻害する。非ヌクレオチドに基づく転写因子阻害剤の具体例には、グルタチオン、シクロスポリンA、エストロゲン、及びレプトマイシンBが含まれる。
当業者が特定の使用のために適切な転写因子阻害剤を決定することは慣用の実験の範囲内であり、それゆえ本発明の範囲内である。例えば、当該分野で十分実証されるように、デコイ又はsiRNAのようなヌクレオチド転写因子阻害剤が選択される場合、特定の転写因子阻害剤はヌクレオチド配列に基づいて選択される。例えば、転写因子阻害剤がデコイである時、デコイの配列は転写因子が通常結合する応答性遺伝子の配列に密接に一致するように選択される。他の非限定的な例として、転写因子阻害剤が抗体である場合、抗体は転写因子と相互作用する能力に基づいて選択される。このように、当該分野で現在公知の知識を使用して、当業者は、阻害すべき転写因子及び所望する阻害の方法に基づいて適切な転写因子阻害剤を決定することが出来る。ある実施態様において、転写因子阻害剤は天然の分子である。他の実施態様において、転写因子阻害剤は合成で設計された分子である。転写因子阻害剤は、転写因子ファミリーのメンバーの誘導の全般的阻害剤として、又は誘導の特定の経路の阻害剤として作用し得る。当業者は、具体的に開示された転写因子阻害剤は例示的にすぎず、多くの他の型の転写因子阻害剤が本発明の方法で使用され得ることを理解する。ある実施態様において、ある阻害剤はインビトロの繊維軟骨の分解を予防又は治療するために使用され得るが、インビボの繊維軟骨の分解を予防又は治療するためには適切でない。発明で使用され得る阻害剤の型の例の詳細な議論のために、Epinat & Gilmore,ONCOGENE 18:6896−6909(1999)及びBarnes,INT J BIOL 29(6):867(1997)を参照されたいが、これら両方は参照により本明細書に組み込まれる。治療薬として使用される多くの型の転写因子阻害剤の長所及び短所は当該分野で公知である。
発明の一つの実施態様において、Tomita他,Rheumatology 39:749−757(2000)、米国特許第6,262,033号、米国特許出願番号10/366,718号及びPCT特許出願番号PCT/JP02/00990号(これら全ては参照により組み込まれる)に記載されるデコイオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)が転写因子を阻害するために使用される。用語“デコイ”は、転写因子が結合する染色体上の部位、又はNF−κBのような転写因子によって制御される遺伝子に対する他の転写調節因子が結合する染色体上の部位(以後本明細書中で標的結合部位と称する)に結合し、NF−κB、Ets、又は他の転写因子のこれら標的結合部位への結合に拮抗する化合物をいう。
一般に、デコイが細胞の核内に存在する場合、デコイは転写調節因子と争ってその転写調節因子の標的結合部位について競合する。結果として、転写調節因子の標的結合部位への結合によって生み出される生物学的機能が阻害される。デコイは、標的結合部位の標的結合配列へ結合出来る少なくとも一つの核酸配列を含む。デコイは、デコイが標的結合配列へ結合することが出来る限り、本発明に従う医薬組成物の調製のために使用され得る。
デコイによる転写因子の阻害はインビトロ及びインビボの両方のレベルで起こり得る。ある実施態様において、デコイオリゴデオキシヌクレオチドは、いかなる検知可能な細胞死が測定され得る以前に繊維軟骨へ投与される。個々の実施態様において、転写因子NF−κBの遮断は以下の具体的な配列
5’−CCTTGAAGGGATTTCCCTCC−3’(配列番号:1)及び
3’−GGAACTTCCCTAAAGGGAGG−5’(配列番号:2)
を持つデコイオリゴデオキシヌクレオチドを使用して達成される。他の転写因子に対するデコイには、以下の配列
5’−GATCTAGGGATTTCCGGGAAATGAAGCT−3’(配列番号:3)(STAT−1デコイ);
5’−AGCTTGAGATAGAGCT−3’(配列番号:4)(GATA−3デコイ);
5’−GATCAAGACCTTTTCCCAAGAAATCTAT−3’(配列番号:5)(STAT−6デコイ);
5’−AGCTTGTGAGTCAGAAGCT−3’(配列番号:6)(AP−1デコイ);及び
5’−AATTCACCGGAAGTATTCGA−3’(配列番号:7)(Etsデコイ)
が含まれ得るが、これらに限定されない。デコイオリゴヌクレオチドが使用される場合、デコイオリゴヌクレオチドは当該分野で公知の標準的なヌクレオチド合成法又はクローニング法を使用して作製され得る。これらのオリゴヌクレオチドはDNA又はRNAであり得、修飾ヌクレオチド及び/又は偽ヌクレオチドを含み得る。例えば、ホスホロチオエート(phosphorthioate)オリゴヌクレオチドは、標準的な技術を用いて適切な修飾ヌクレオチドから構築され得る。ヌクレアーゼに対する増加した安定性のために、そのような修飾ヌクレオチドは魅力的である。更に、本発明の方法で使用される場合、オリゴヌクレオチドは一本鎖又は二本鎖であり、線状又は環状であり得る。ある実施態様において、オリゴヌクレオチドは二本鎖である。
デコイオリゴデオキシヌクレオチドを使用して転写因子を遮断する実施態様において、デコイODNは様々な方法を用いて適切な細胞及び組織中に導入され得る。ある方法において、目的の細胞又は組織は“ネイキッドの”オリゴデオキシヌクレオチドを用いてトランスフェクションされ得る。この文脈において使用される場合、“ネイキッドの”オリゴデオキシヌクレオチドは、遺伝子治療において通常使用されるリポソームのようなトランスフェクション補助物無しで単にODNを投与することにより導入されるODNを指し示す。アデノウイルス媒介の転移を用いて遺伝子配列をトランスフェクションすること及び椎間板の細胞のDNAに組み込まれるネイキッドの遺伝子配列を転移することは当該分野で公知であるが、本発明は、“ネイキッドの”デコイが細胞にトランスフェクションされるが、椎間板細胞のゲノム中に組み込まれることなく一定期間転写因子阻害剤として作用するという点で異なる。当該分野で公知の方法は、Zhao他のChin Med J 115(3):409−412(2002)及び米国特許出願番号09/199,978号に記載されているが、それら両方は参照により本明細書に組み込まれる。
インビボ及びインビトロの両方の繊維軟骨細胞へのネイキッドデコイODNのトランスフェクションが持続した転写因子阻害作用を生じることは、驚きであり意外であった。以前の報告はネイキッドのオリゴヌクレオチドが細胞中に保持され得ないことを示唆していた。図1に示されるように、デコイODNは、トランスフェクションの7日後にインビボのNP細胞及びAF細胞中で可視化され得る。デコイODNはまた、トランスフェクションの2日後にインビトロのNP細胞及びAF細胞の細胞質及び核において可視化され得よう。デコイODNのネイキッドのトランスフェクションは検知可能な保持を生じないことを当該分野の他者は示唆していたが、椎間板由来の繊維軟骨は以前使用された関節軟骨のような組織とは異なる特殊な形態の軟骨であるため、ネイキッドデコイODNのトランスフェクションは、本発明の方法において実行可能であり得る。
当業者は、椎間板由来の繊維軟骨と関節軟骨との間の多くの差異を理解している。例えば、繊維軟骨椎間板(fibrocartilage intervertebral disc)の出生前の分化は、滑膜関節中の関節軟骨のそれとは異なる。椎間板は、関節リウマチのような滑膜の疾患によって直接的には決して影響されない。実際、ヒトの繊維軟骨椎間板は、体内の他の関節と比較して複雑な固有の発生履歴を有する。これは、滑膜関節中には同等なものが無い脊索の存在が理由である。ヒトの成人においては、血管の供給は、滑膜関節(そこでは血管が十分発達している)と成人の椎間板(ヒトの体の最大の血管が無い構造である)との間でかなり異なる。椎間板の走査電子顕微鏡検査は、髄核が、繊維芽細胞に網をかける微細な原繊維の緩やかなネットワークによって支持されている3次元の格子状のゲル、及び細胞間物質から成り、繊維状のネットワークから環のラメラへの段階的な推移が伴うことを示した。対照的に、真の滑膜関節は多数の滑膜細胞を含む。
デコイODNのような転写因子阻害化合物の医薬組成物は、1種以上の転写因子阻害化合物を製薬上許容出来る担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合することによって調製されて、様々な椎間板の疾患を治療的に処置し得る、すなわち症状を全体的又は部分的に緩和し得、様々な椎間板の疾患の更なる進行を止め得、様々な椎間板の疾患を回復し得又は他の方法で改善し得る。治療上有効量とは、椎間板の疾患の症状の改善を生じるのに十分な1種以上の転写因子阻害化合物の量を意味する。有効量はまた、椎間板の疾患の予防を生じるのに十分な1種以上の転写因子阻害化合物の量をも意味し得る。ある実施態様において、有効量は椎間板の疾患を部分的にのみ予防する。これらの場合において、椎間板の疾患は、それでもまだ存在し得るとはいえ、治療が施されていない場合に予測される椎間板の疾患よりも少ない。
医薬組成物はとりわけ例えば従来の造粒法、混合法、溶解法、カプセル化法、凍結乾燥法、乳化法又は研和法のような当該分野で周知の方法によって製造され得る。ある実施態様において、転写因子阻害化合物は、徐放性製剤としての注射のような全身的方法ではなく局所的方法で投与され得る。ある実施態様において、有効量の転写因子阻害化合物は、リン酸緩衝溶液(PBS)のような任意の満足出来る生理的緩衝液中又は5%のラクトース溶液中で病気の椎間板へ投与され得る。本明細書で開示される剤形は例として与えられ、本発明を限定していると解釈されるべきではない。
転写因子阻害化合物の製剤は、以下に記載するように、短期作用性、速放性、長期作用性、及び徐放性であるように設計され得る。従って、医薬製剤はまた、生分解性のマトリックス内又は担体内に含まれるような制御放出又は持続放出のために製剤化され得る。
本組成物中の転写因子阻害剤はまた、ミセル若しくはリポソーム中、又はある種の他のカプセル化された形態でも存在し得、或いは持続放出形態で投与されて長期的な蓄積及び/又は送達効果を与え得る。それゆえ、医薬製剤はペレット又はシリンダーへと圧縮されてスティント(stint)としてインプラントされ得る。そのようなインプラントは、シリコーンや生分解性ポリマーのような公知の不活性物質を用い得る。
転写因子阻害剤の治療上有効量は、投与経路及び剤形に依存して変化し得る。正確な量は、治療される患者の状態を考慮して医師によって選択される。投与量及び投与は、十分なレベルの活性部分を与えるよう、又は所望の効果を維持するように調整される。具体的な投与量は、対象の病状、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、及び食事、薬の投与間隔、投与経路、排出率、及び組み合わせに依存して調整され得る。持続作用性の医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス速度に依存して、3日〜4日毎、毎週、又は2週間に一度(月に二回)のような特定の間隔内で繰り返し投与され得る。具体的な量及び送達方法についての指針は当該分野で公知の文献中に与えられる。有効量を含む上記剤形のいずれもが慣用の実験の範囲内に十分あり、それゆえ本発明の範囲内に十分ある。ある実施態様において、転写因子阻害剤の有効量は500マイクログラム以下である。別の実施態様において、転写因子阻害剤の有効量は200マイクログラム以下である。
一つの実施態様において、転写因子阻害化合物(単数又は複数)は高い治療指数を示す製剤である。治療指数はLD50とED50との間の比として表され得る、毒性効果と治療効果との間の用量比である。LD50は集団の50%にとって致死の用量であり、ED50は集団の50%において治療上有効な用量である。LD50及びED50は、動物細胞培養物又は実験動物において標準的な薬学的手段によって決定される。
ある実施態様において、転写因子阻害化合物(単数又は複数)は、目的のインビボの繊維軟骨へ直接投与される。例えば、転写因子阻害化合物は、繊維輪、髄核、又はその両方へ転写因子阻害化合物を注入するなどして椎間板へ直接投与され得る。椎間板の無血管性に起因して、椎間板への直接的な注入は、別の経路を介した転写因子阻害化合物の投与よりも早い作用及び低い量の治療を提供する可能性を有する。
本発明はまた、本明細書に記載される方法を実行するためのキットも提供する。本キットはまた、1以上の試薬、緩衝液、培地、タンパク質、分析物、標識、細胞、結果を分析するためのコンピュータープログラム、及び/又は本方法の実施を容易に促進するための使い捨ての実験室設備(例、培養皿又はマルチウェルプレート)も含み得る。固体支持体には、ビーズ、培養皿、マルチウェルプレートなどが含まれ得る。好ましいキットの構成要素の例は、上記説明中及び以下の実施例中に見出され得る。
この本方法は以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
全ての実施例において、NF−κB結合部位によって認識されるように設計した、配列:
5’−CCTTGAAGGGATTTCCCTCC−3’(配列番号:1)、
3’−GGAACTTCCCTAAAGGGAGG−5’(配列番号:2)
を有するホスホロチオエート二本鎖デコイODNを使用した。
実施例1: NF−κB阻害剤での処理後の、インビボの椎間板の変性の回復
この実施例において、ネイキッドのNF−κBデコイの椎間板内注入は、ウサギの輪状穿刺モデルにおいて椎間板の高さを部分的に回復させるのに有効であった。IACUCの承認のもとで使用した全身麻酔下の24匹のニュージーランド白ウサギ(3kg)に、2つの非隣接的な腰部IVD(L2/3及びL4/5)中に18Gの針で5mmの深さまで輪穿刺(annulus puncture)を受けさせ、椎間板の変性を誘導した。L3/4の椎間板は非穿刺のコントロールとしての役目を果たした。ウサギを、穿刺のコントロールのグループ、単回注入グループ及び二重注入グループを含む3つのグループに均等に分割した。単回注入グループについて、最初の穿刺時に、10μlのビヒクル中の1μg又は10μgのNF−κB ODNを28Gの針を用いてL2/3又はL4/5の椎間板のいずれかに注入した。二重注入グループについて、最初の穿刺及びデコイの注入の4週間後に、同量のNF−κB ODNデコイを、穿刺された椎間板中に注入した。腰部脊椎の側面のX線を、IVDの高さを測定するために二週間毎に撮影した。最初の注入の8週間後、腰部脊椎を収集し、矢状断MRI像を撮影した。
IVDの高さは、MathLabソフトウェアを用いるカスタムプログラムで測定し、パーセントDHI(%DHI=術後DHI/術前DHI×100)を計算した。L2/3、L3/4及びL4/5における腰部脊椎の矢状断MRIを、以前記載されたようなMRI評価尺度(0〜3)を用いて椎間板の変性のMRI評価について評価した。グループ間の差異は、反復ANOVA及びフィッシャーのPLSDポストホックテストによって統計的な有意性について評価した。フリードマンテスト及びマン−ホイットニーのUテストを、MRI評価に適用した。
図2によって示されるように、穿刺されたグループは、穿刺の2週間後に穿刺された椎間板において有意な椎間板の狭窄を示し、これは8週間まで維持された(術前対2W、4W、6W、8W、全てp<0.01)。単回注入グループにおいて、いずれの時点でも、1μg又は10μgのデコイODNを注入した椎間板及び穿刺されたコントロールの椎間板の間で%DHIの有意な差異は無かった。最初の手術の4週間後、二重注入動物において、1μg及び10μgのデコイODNのグループのDHIは、単回注入グループにおいても見られたように、穿刺されたグループからの有意な差異を示さなかった(4WでのDHI,穿刺されたコントロール:71.4±5.2%;1μg:75.8±2.4%;10μg:78.7±2.4%)。しかしながら、4週間の時点でのデコイODNの2度目の注入後、椎間板の高さは回復し始め、6及び8週間の時点では、1μg又は10μgのデコイODNのいずれかを注入した椎間板中で、椎間板の高さは非穿刺のコントロールのレベルへと傾いた。回復は10μgのグループにおいて有意であった(1μg,6W:80.7±3.2%,p=0.07;8W:81.8±5.0%,p=0.12;10μg,6W:86.1±3.8%,p<0.01;8W:86.7±4.3%,p<0.05 穿刺されたコントロールに対して)。
MRI評価スコアは、穿刺されたグループとデコイ注入グループとの間で有意な差異を示した(コントロール[穿刺]:2.1±0.6;単回注入[1μg]:1.4±0.7,p<0.01;単回注入[10μg]:1.7±0.7,p<0.05;二重注入(1μg):1.8±0.7,p=0.21;二重注入(10μg):1.7±0.6,p<0.05,コントロール[穿刺]に対して)。
インビボでのデコイODNの分布を調べるために、上述したように輪穿刺後に、FITCラベルしたデコイODN(10μg)をウサギの椎間板(L2/3及びL4/5)中に注入した。注入後7日目に、深い麻酔下でウサギを灌流固定法を用いて固定した。動物を屠殺しIVDを取り出した。凍結切片(8μm)を切断し、サンプルを共焦点顕微鏡法を用いて撮像した。図1は、注入後7日目に、FITCラベルしたデコイODNが髄核(NP)組織及び繊維輪(AF)組織の両方で検出されたことを示している。蛍光強度が、NP細胞及びAF細胞の核中及び細胞質中で確認された。
実施例2: NF−κB阻害剤での処理後の、インビボの椎間板変性の、刺激された椎間板の再生
この実施例において、ネイキッドのNF−κBデコイの単回の椎間板内注入は、ウサギの輪状穿刺モデルにおいて椎間板の高さを部分的に回復させるのに有効であった。IACUCの承認のもとで使用した全身麻酔下の14匹のニュージーランド白ウサギ(3kg)に、2つの非隣接的な腰部IVD(L2/3及びL4/5)中に18Gの針で5mmの深さまで輪穿刺を受けさせ、椎間板の変性を誘導した。L3/4の椎間板は非穿刺のコントロールとしての役目を果たした。ウサギを、PBS注入グループ、1μgのデコイODNグループ、及び10μgのデコイODNグループを含む3つのグループに均等に分割した。最初の穿刺の4週間後、10μLのPBS中の1μg若しくは10μgのデコイODN又はPBSのみ(PBSグループ)を、28Gの針を用いてL2/3及びL4/5の椎間板に注入した。腰部脊椎の側面のX線を、IVDの高さを測定するために二週間毎に撮影した。最初の注入の8週間後、腰部脊椎を収集し、矢状断MRI像を撮影し、その後組織学的分析のために処理した。
IVDの高さは、MathLabソフトウェアを用いるカスタムプログラムで測定し、パーセントDHI(%DHI=術後DHI/術前DHI×100)を計算した。L2/3、L3/4及びL4/5における腰部脊椎の矢状断MRIを、以前記載されたようなMRI評価尺度(0〜3)を用いて椎間板の変性のMRIの評価について評価した。椎間板を収集し、IVDの矢状切片をサフラニン−O/ファーストグリーン並びにヘマトキシリン及びエオシンで染色した。組織学的切片を分析し、正常スコア4からスコア12での重度の変性までの範囲の評価を持つ確立された評価尺度を用いて4つのパラメーターで評価した。グループ間の差異は、反復ANOVA及びフィッシャーのPLSDポストホックテストによって統計的な有意性について評価した。フリードマンテスト及びマン−ホイットニーのUテストをMRI評価に適用した。
インビボでのデコイODNの分布を調べるために、輪穿刺の4週間後に、FITCラベルしたデコイODN(10μg)をウサギの椎間板(L2/3及びL4/5)中に注入した。注入後7日目に、深い麻酔下でウサギを灌流固定法を用いて固定した。動物を屠殺しIVDを取り出した。凍結切片(8μm)を切断し、サンプルを蛍光顕微鏡法を用いて撮像した。図3は、注入後7日目に、FITCラベルしたデコイODNが、穿刺された椎間板の髄核及び内部の輪に見出されたことを示している。高倍率の像により、蛍光強度が椎間板細胞の核中及び/又は細胞質中に見出されたことが明らかとなった。
図4によって示されるように、穿刺されたコントロールのグループは、穿刺の2週間後に穿刺された椎間板において有意な椎間板の狭窄を示し、これは8週間まで維持された(術前に対して、p<0.01)。最初の穿刺の4週間後、1μg及び10μgのODN注入グループのDHIはPBSグループからの有意な差異を示さなかった(4WでのDHI,PBS:74.4±4.1%;1μg:77.0±2.2%;10μg:76.3±3.2%)。しかしながら、4週間の時点での1μg又は10μgのいずれかのODNの注入後、6及び8週間の時点では、椎間板の高さは非穿刺のコントロールレベルのレベルに向かって回復し始めた。回復はODN(1μg)グループにおいて統計的に有意であった(1μg,6W:90.1±6.4%,p=0.07;8W:85.8±5.9%,p<0.05;10μg,6W:86.1±5.7%,p=0.17;8W:83.6±5.9%,p=0.08 穿刺されたコントロールに対して)。
MRIにより、ODN注入が穿刺されたコントロールのグループと比較して評価スコアを減少させる傾向があることが示された(穿刺されたコントロール:3.50±0.2;デコイ[1μg]:2.71±0.3,p=0.13;デコイ[10μg]:3.12±0.1,p=0.25 穿刺されたコントロールに対して)。
最初の穿刺の8週間後、穿刺された変性椎間板の組織学的評価スコアは、1μgのデコイ注入グループ(6.0±0.53,PBSに対してp<0.05)においてよりも穿刺されたコントロールのグループ(8.75±0.75)において有意に高かった。図5に示されるように、デコイ注入(1μg)グループにおいて、比較的多数の軟骨細胞様の細胞及び豊富なECMが、核及び核と輪との間の境界の領域で観察された。
実施例3: NF−κB阻害剤での処理後の、インビトロの椎間板細胞のIL−1への減少した応答
この実施例は、NF−κB阻害剤が、椎間板細胞に添加された時に、IL−1(MMP、TIMP−1、IL−6及びNOの生成によって測定される異化のメディエータ)への細胞の応答を有意に減少させることを実証するための発明の方法の使用を示す。
65〜70歳のドナーからNP細胞及びAF細胞を単離し、完全培地(DMEM/10%FBS/ゲンタマイシン/25μg/mlのアスコルビン酸)(これは毎日交換した)中のアルギン酸ビーズ中、4×10細胞/mlで培養した。完全培地中での5日間の前培養後、ビーズを、抗生物質無しの無血清培地中で24時間培養した。細胞を次いで、スクランブルしたデコイ(scrambled decoy)(SCD)0.5μM、一本鎖デコイ(SSD)1μM、及びデコイODN(0.5μM)を含むネイキッドのオリゴヌクレオチドで4時間トランスフェクトした。オリゴヌクレオチドをトランスフェクションしなかった細胞をコントロールとして使用した。トランスフェクションに続いて、FITCラベルしたデコイODNをトランスフェクション効率を決定するために使用した。トランスフェクション後、アルギン酸ビーズ中の細胞を、IL−1β(5ηg/ml)で処理し、又は処理せず、48時間培養した。
インキュベーション期間の最後に、様々な処理の培地を、ウエスタンブロット解析及びNO生成解析のために回収した。ウエスタンブロット解析(図7に示した)のために、以下の抗体を使用した:抗MMP−1、抗ADAMTS4(Santa Cruz Biotechnology)、抗MMP−2及び抗MMP−3(Oncogene)、抗MMP−9及び抗MMP−13、抗TIMP−1、抗IL−6。一酸化窒素の生成を測定するために、R&D Systems製の一酸化窒素アッセイキットを使用した。統計解析は、1要因ANOVA及びフィッシャーのPLSDポストホックテストを用いて実行した。
トランスフェクション効率を測定するため、図6によって示されるように、細胞質中及び核中のFITC−デコイODNの存在が、共焦点顕微鏡法でNP細胞中及びAF細胞中で確認された(トランスフェクション効率 約80%)。ODNデコイのトランスフェクション無しでは、培地へのIL−1βの添加は、AF細胞及びNP細胞の両方の培地中での、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9、MMP−13、ADAMTS4及びIL−6のタンパク質レベルを有意に増加させ、TIMP−1タンパク質レベルを有意に減少させた。図7のウエスタンブロットによって示されるように、デコイでの4時間のトランスフェクションは、両方の細胞型中でIL−1によって増強されるMMPのタンパク質レベルを有意に減少させたが(AF:MMP−1:62%;MMP−2:38%;MMP−3:96%;MMP−9:97%;MMP−13:43%;ADAMTS4:47%,NP:MMP−1:31%;MMP−2:54%;MMP−3:35%;MMP−9:43%;MMP−13:24%;ADAMTS4:42%)、その一方でNP細胞中でのTIMP−1レベルの有意な増加が見られた。IL−1βの添加はまた、NP細胞及びAF細胞によるNOの生成を約3倍刺激した。デコイODN(0.5μM)でトランスフェクションされた細胞へのIL−1βの添加は、培地中のNOレベルの顕著な減少を生じた(AF細胞では50%、NP細胞では66%の減少)。
実施例4: NF−κB阻害剤での処理後の、培養AF細胞及び培養NP細胞のプロテオグリカン含有量の増加
この実施例は、NF−κB阻害剤が、椎間板細胞に添加された時に、培養中のAF細胞及びNP細胞のプロテオグリカン含有量を有意に増加させることを実証するための本発明の方法の使用を示す。
NP細胞及びAF細胞を単離し、DMEM/10% FBS培地中のアルギン酸ビーズ中で14日間前培養した。前培養の後、細胞を非処理のままにしたか(コントロール)、一本鎖NF−κBオリゴヌクレオチド(SSD)2μMで6時間処理したか、又は1μM(D1)若しくは10μM(D10)の二本鎖NF−κBデコイオリゴヌクレオチドで6時間処理した。それぞれの処理に続いて、細胞を更に2日間又は7日間培養した。培養の最後に、NP細胞及びAF細胞を含むアルギン酸ビーズをパパインで消化し、培養細胞のプロテオグリカン含有量をジメチルメチレンブルー色素結合法によって測定した。
図8によって示されるように、10μMの二本鎖NF−κBデコイの投与は、培養AF細胞及び培養NP細胞中のプロテオグリカンの量を有意に増加させることが出来る唯一の処理であった(**p<.01,p<.05)。このプロテオグリカン含有量の増加は、インビボ研究での椎間板の高さの回復が分解の阻害だけではないに違いないことを支持している。椎間板の高さの回復及びプロテオグリカンの量の増加は、NF−κBの二本鎖デコイでの処理後のNP細胞及びAF細胞のマトリックスを形成する能力の増強を実証している。
実施例5: NF−κB阻害剤での処理後の、NF−κBのIL−1β活性化DNA結合能力の抑制及びインビトロの椎間板細胞のIL−1β誘導性PG分解の抑制
この実施例は、NF−κB阻害剤が、椎間板細胞に添加された時に、IL−1βによって活性化されたNF−κBのDNA結合能力を抑制することを実証している。更に、デコイODNの継続的なトランスフェクションは、IL−1βによって誘導されたPG分解を抑制するのに有効であった。
NP細胞及びAF細胞を、死体のヒト脊椎のIVDから解剖した。細胞を、最初に逐次的な酵素消化によって単離し、1.2%のアルギン酸ビーズ中2×10細胞/mLで懸濁し、次いで完全培地(20% FBSを含むDMEM/F12)中で培養した。完全培地中での14日間の前培養後、ビーズを抗生物質無しの無血清培地で培養し、次いでデコイODNを椎間板細胞の培養培地へ4時間かけて単純に添加した。一本鎖デコイ(SSD)をヌクレオチドコントロールとして使用した。FITCラベルしたデコイODNを、トランスフェクション効率を決定するために使用した。トランスフェクションの2日後、細胞傷害性をLDHアッセイによって評価した。
表1に示されるように、アルギン酸ビーズ中の細胞を、コントロールグループ(非処理)及び5つの実験グループに分割した。“D10c+IL”実験グループにおいて、細胞はデコイODNで継続的にトランスフェクションされ、このことは、デコイODNがIF−1β処理を通じて継続的に存在していたことを意味する。
IL−1β刺激の1時間後、核及び細胞質の画分を別々に単離し、NF−κB転写因子アッセイキット(Active Motif)を使用して、リン酸化NF−κB(p65)のDNA結合能力を調べた。IL−1β刺激の2日後、培地中に分泌されたMMP−3の生成をELISAキット(Biosource)によって評価した。トランスフェクション後10日目及び20日目に、各実験グループにおけるプロテオグリカン(PG)の合成及び蓄積を、それぞれアルシアンブルー沈殿後の急速ろ過アッセイ及びパパイン消化後のDMMB法によって評価した。統計解析は、1要因ANOVA及びフィッシャーのPLSDポストホックテストを使用して実行した。
図9に示されるように、FITCラベルしたデコイODNを、いかなるトランスフェクション試薬も使用することなくアルギン酸ビーズ内の細胞に均等にトランスフェクションした。デコイODN(10μM)のトランスフェクションによる細胞傷害効果はAF細胞においてもNP細胞においても観察されなかった。IL−1β処理は、AF細胞及びNP細胞の両方による、リン酸化NF−κB(p65)のDNAへの結合能力の有意な増加を誘導した。デコイODNのトランスフェクションは、AF細胞及びNP細胞の両方による、p65−DNA結合能力のIL−1β誘導性の増加の有意な抑制をもたらした(AF:IL 171.9%,D10+IL 84.2%;NP:IL 245.6%,D10+IL 152.1%,コントロールの%,ILに対してp<0.01)。IL−1β処理は、培地中へのMMP3の分泌の有意な増加を誘導した。デコイODNの単回トランスフェクション(D10+IL)又は継続的トランスフェクション(D10c+IL)は、IL−1β刺激の存在下でのMMP3の生成を有意に抑制した(AF:IL 199.6%,D10+IL 173.6;D10c+IL 165.7%/NP:IL 403.0%,D10+IL 293.2%,D10c+IL 266.5%,コントロールの%,ILに対してp<0.05)。
NP細胞において、デコイのみ(D10)のトランスフェクションは、10日目及び20日目の両方におけるPG合成を有意に増加させた(AF:110.6%;NP:113.5%,コントロールの%,20日目)。IL−1βの添加はPG合成の有意な低減を誘導した(AF:79.5%;NP:69%,コントロールの%,20日目)。しかしながら、この低減はAF細胞においてもNP細胞においてもデコイODNのトランスフェクションによっては抑制されなかった。
図10に示されるように、デコイのみの添加はビーズ中のPG含有量を有意に増加させた(グループD10)。IL−1βの添加は、全ての時点においてAF細胞及びNP細胞の両方でのPG含有量を有意に減少させた。しかしながら、このIL−1誘導性の減少は、AF細胞及びNP細胞の両方で、デコイの継続的なトランスフェクションによって有意に抑制された(AF:IL 73.2%;D10c+IL 105.8%/NP:IL 66.8%;D10c+IL 93.4%,コントロールの%,ILに対してp<0.01,20日目)。
本方法は、所望に応じて、様々な組み合わせで上述した任意の又は全ての工程又は条件を含み得る。従って、開示された方法のいくつかにおいて、方法の実行可能性に影響することなく特定の工程が削除され得るか又はさらなる工程が実行され得ることは当業者には容易に明らかになるであろう。本明細書で使用される場合、aは“1つの”又は“1以上の”を意味する。
当業者によって理解されるように、全ての目的のために、特に書面による説明を提供することに関して、本明細書で開示される全ての範囲はまた、あらゆる可能な部分範囲及びその部分範囲の組み合わせも包含する。あらゆる記載された範囲は、少なくとも同等な半分、三分の一、四分の一、五分の一、十分の一、などに分解される同一の範囲を十分に説明しかつ可能にしていると容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で記述される各範囲は、下三分の一、中三分の一及び上三分の一などに容易に分解され得る。当業者によってこれもまた理解されるように、“までの(up to)”、“少なくとも(at least)”、“より大きい(greater than)”、“より小さい(less than)”、“より多くの(more than)”などのようなあらゆる言葉使いは、列挙された数字を含み、上述したようにその後部分範囲に分解され得る範囲に言及する。同様に、本明細書で開示されるあらゆる割合はまた、より広い割合に収まるあらゆる部分的な割合も含む。
当業者はまた、例えばマーカッシュグループにおいてのように、メンバーが一般的な方法で一緒にグループ化されている場合、本発明は全体として記載されたグループ全体だけでなく、グループの個別の各メンバー及び主要グループのあらゆる可能なサブグループも包含することも容易に認識するであろう。従って、全ての目的のために、本発明は主要グループだけでなく、1以上のグループのメンバーを欠いた主要グループも包含する。本発明はまた、特許請求された発明中の1以上の任意のグループメンバーの明確な除外も想定している。
本明細書で開示されるあらゆる参照は、その全体が参照により、具体的に組み込まれる。
好ましい実施態様が示され説明されてきたが、変化及び改変が、当該分野における通常の技術に従って、添付の特許請求の範囲に規定されるようなより広い態様において、本発明から逸脱することなく成され得る。

Claims (24)

  1. 椎間板の疾患を治療するための方法であって:
    椎間板の疾患を有する椎間板に有効量の転写因子阻害剤を投与することを含み、転写因子阻害剤の投与が椎間板の疾患を治療する、
    方法。
  2. 転写因子阻害剤が、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets及びAP−1からなる群から選択される転写因子を阻害する、請求項1記載の方法。
  3. 転写因子阻害剤が、デコイ、アンチセンス、リボザイム、アプタマー、siRNA、抗体及びアンタゴニストからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  4. 転写因子阻害剤がNF−κBデコイである、請求項1記載の方法。
  5. 転写因子阻害剤が配列番号:1の配列を有するNF−κBデコイである、請求項1記載の方法。
  6. 椎間板の疾患が、椎間板変性、腰痛、脊柱側弯症、頸部痛、ヘルニア、及び脊柱管狭窄症(脊柱狭窄症)からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 椎間板の疾患が椎間板造影術によって診断される、請求項1記載の方法。
  8. 転写因子阻害剤が特定の間隔で繰り返し投与される、請求項1記載の方法。
  9. 特定の間隔が月に二回である、請求項8記載の方法。
  10. 有効量の転写因子阻害剤が500マイクログラム以下である、請求項1記載の方法。
  11. 有効量の転写因子阻害剤が200マイクログラム以下である、請求項1記載の方法。
  12. 転写因子阻害剤が生理的な緩衝液中で投与される、請求項1記載の方法。
  13. 生理的な緩衝液がリン酸緩衝溶液又は5%のラクトース溶液である、請求項12記載の方法。
  14. 有効量の転写因子阻害剤を健康な椎間板に投与することを含み、転写因子阻害剤の接触が椎間板の疾患を少なくとも部分的に予防する、椎間板の疾患の予防方法。
  15. 転写因子阻害剤が、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets及びAP−1からなる群から選択される転写因子を阻害する、請求項14記載の方法。
  16. 転写因子阻害剤がNF−κB阻害剤である、請求項14記載の方法。
  17. 健康な椎間板がヒトの椎間板を含む、請求項14記載の方法。
  18. 有効量の転写因子阻害剤を椎間板と接触させることが、転写因子阻害剤を椎間板の硬膜上腔に投与することを含む、請求項14記載の方法。
  19. 転写因子阻害剤がデコイオリゴデオキシヌクレオチドである、請求項14記載の方法。
  20. 有効量の転写因子阻害剤を含む、椎間板の疾患の治療のための医薬組成物。
  21. 有効量の転写因子阻害剤が500マイクログラム以下を構成する、請求項20記載の医薬組成物。
  22. 有効量の転写因子阻害剤が200マイクログラム以下を構成する、請求項20記載の医薬組成物。
  23. 有効量の転写因子阻害剤を椎間板に投与することによって、プロテオグリカンの合成を刺激すること、プロテオグリカンの分解を抑制すること、又はその両方をすることを含む、方法。
  24. 転写因子阻害剤が、NF−κB、E2F、GATA−3、STAT−1、STAT−3、STAT−6、Ets及びAP−1からなる群から選択される転写因子を阻害する、請求項23記載の方法。
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