JP2012091165A - 粉粒体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリーツフィルタを使用した粉粒体処理装置において、粉粒体の付着を低減する装置形態を提供すること。
【解決手段】粉粒体処理装置におけるフィルタ部の濾材に使用されるプリーツフィルタに第1谷部b1と第2谷部b2を設けた。第2谷部b2は第1谷部b1より浅い。
【選択図】図3
【解決手段】粉粒体処理装置におけるフィルタ部の濾材に使用されるプリーツフィルタに第1谷部b1と第2谷部b2を設けた。第2谷部b2は第1谷部b1より浅い。
【選択図】図3
Description
本発明は、固気分離用のフィルタ部を備えた流動層装置や攪拌造粒装置等の粉粒体処理装置に関する。
例えば、流動層装置は、一般に、流動層容器の底部から導入した気体(流動化気体)によって、流動層容器内で粉粒体を浮遊流動させて流動層を形成しつつ、造粒、コーティング、乾燥を行なうものである。この種の流動層装置には、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌等を伴うものも含まれる(複合型流動層装置と呼ばれている)。
これらの流動層装置では、粉粒体粒子を含む気体から粉粒体粒子を分離するためのフィルタ部を流動層容器内の処理室の上方に配設している(特許文献1参照)。この種のフィルタ部の濾材として、筒状であって、図8に示すような複数の山部a’と谷部b’が円周方向に交互に形成された横断面形状を有するプリーツフィルタと呼ばれるものが使用されることがある。流動層装置の通常の運転時には、このような濾材の外周側から内周側に気体が流れる。
ところで、流動層装置では、フィルタ部の濾材表面に付着した粉粒体粒子を除去するために、フィルタ部に対して、通常の運転時とは逆方向に気体を流すことによって濾材に付着した粉粒体粒子を除去する洗浄、いわゆる逆流洗浄(以下、逆洗と略記する)を適宜行なう。
従来のプリーツフィルタでは、図9(b)に示すように、逆洗時に内周側(図では下側)から空気圧がかかった場合には、谷部b’は閉じるように変形する。このため、谷部b’の底に溜まった粉粒体は、谷部b’に挟まれ、逆洗時に除去され難い。
このように、プリーツフィルタに付着した粉粒体が逆洗時に除去されずに残ってしまうと様々な弊害が生じる。例えば、処理室において実際に処理される粉粒体の量が、プリーツフィルタに付着した分減少してしまう。このため、製品において、造粒のための結合剤やコーティング剤等の各種の成分濃度が、設計値からはずれる可能性がある。また、処理室における造粒やコーティング処理の初期にプリーツフィルタに付着してしまった粉粒体に対しては、当然ながら、造粒やコーティング処理がなされない(未処理となる)。このような未処理の粉粒体が逆洗時にプリーツフィルタから除去されず(処理室に戻されず)、処理室における造粒やコーティング処理の後期に、何かの拍子に、プリーツフィルタから脱落して処理室に戻った場合には、製品の品質不良の原因となる。また、乾燥中にプリーツフィルタに付着したままの粉粒体は十分に乾燥されず、これがその後に脱落して処理室に戻った場合にも、製品の品質不良の原因となる。
本発明は、上記事情に鑑み、プリーツフィルタを使用した粉粒体処理装置において、粉粒体の付着を低減する装置形態を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明の粉粒体処理装置は、粉粒体の処理室と、該処理室の上方に設けられたフィルタ室と、該フィルタ室内に配置され、該フィルタ室内の粉粒体粒子を含む気体から粉粒体粒子を分離するフィルタ部とを備え、前記フィルタ部は筒状の濾材を備え、該濾材は複数の山部と谷部とが円周方向に交互に形成された横断面形状を有する粉粒体処理装置において、前記複数の谷部は、深さが相対的に大きい第1谷部と、深さが相対的に小さい第2谷部とで構成されていることを特徴とする。
この構成であれば、フィルタの第2谷部が逆流洗浄の際に開くため、逆流洗浄によって第2谷部の底に溜まった粉粒体を容易に除去することができる。従って、プリーツフィルタへの粉粒体の付着を低減することができる。
上記の構成において、前記第1谷部と第2谷部を、前記山部を介して円周方向に交互に形成したものとすることができる。
この構成であれば、第1谷部が複数連続しないことになるので、谷部全体の中で第1谷部の割合を減少させることができる。第1谷部は従来の谷部と同様の構成なので、谷部の底の粉粒体は従来と同様除去され難い。従って、第1谷部の減少によって、谷部全体の洗浄効率が向上する。
また、第2谷部が複数連続しないことになるので、第2谷部が逆流洗浄の際により確実に開く。従って、より確実に洗浄性を向上させることができる。
上記何れかの構成において、前記第1谷部の横断面の輪郭線が曲線であってもよい。
この構成であれば、逆洗の際に、第1谷部が閉じるように変形することが抑止される。このため、第1谷部の底に溜まった粉粒体は逆洗時に容易に除去され、谷部b全体の逆洗時の洗浄性が向上する。
本発明によれば、プリーツフィルタを使用した粉粒体処理装置において、粉粒体の付着を低減する装置形態を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
図1は、この実施形態に係るフィルタ部を備えた粉粒体処理装置として流動層装置の一構成例を示している。
流動層容器1は、粉粒体の処理、例えば粉粒体の造粒又はコーティングを行なう処理室2と、処理室2の上方に設けられたフィルタ室3と、フィルタ室3の上方に設けられた排気室4とを備えている。フィルタ室3と排気室4は、仕切壁5によって仕切られている。
処理室2の底部には、パンチングメタル等の多孔板(又は金網)で構成された気体分散板2aが配設されている。給気ダクト6から給気チャンバ7に供給された熱風等の処理気体は、気体分散板2aを介して流動層容器1内に導入される。また、処理室2の中央部にはスプレー液(膜剤液、結合剤液等)を下方に向けて噴霧するスプレーノズル8が設置され、処理室2の上方のフィルタ室3には1又は複数のフィルタ部20が配置されている。フィルタ部20は仕切壁5の開口部に取付けられており、フィルタ室3はフィルタ部20を介して排気室4と連通する。また、排気室4は排気ダクト9に接続されている。さらに、フィルタ室3には、フィルタ部20に洗浄液を噴射してフィルタ部20を洗浄する1又は複数の洗浄ノズル10が設置されている。
図2に拡大して示すように、フィルタ部20は、例えば円筒状の濾材20aと、濾材20aに挿入したリテーナ20bと、リテーナ20bの上部に固定された排気口20cと、リテーナ20bの下部に着脱自在に装着されたエンドキャップ20dとで構成される。フィルタ部20は、それぞれ、仕切壁5に設けられた装着穴5aに挿通され、排気口20cの基部に設けられたフランジ20eを仕切壁5にネジ20fで固定される。また、フランジ20eと仕切壁5との間はシール部材20gによってシールされる。本実施形態のフィルタ部20は、所謂カートリッジ式で、濾材20a、リテーナ20b、排気口20c、及びエンドキャップ20dを一体とした状態で交換可能であるが、特にこれに限定されるものではない。
濾材20aは、例えば通気性樹脂シート等であるが、これに限定されるものではない。例えば金属製で、金属線材の織布又は不織布、あるいは焼結金属等の金属多孔質材で構成されてもよい。また、天然繊維、合成繊維等の織布又は不織布で構成されてもよい。
図1において、流動層容器1の処理室2に収容された粉粒体は、気体分散板2aを介して流動層容器1内に導入される処理気体によって浮遊流動される。そして、この粉粒体の流動層に向けてスプレーノズル8からスプレー液(膜剤液、結合剤液等)が下向きに噴霧される。スプレーノズル8から噴霧されるスプレー液、例えば膜剤液のミストによって粉粒体粒子が湿潤を受けると同時に、膜剤液中に含まれる固形成分が粉粒体粒子の表面に付着し、乾燥固化されて、粉粒体粒子の表面に被覆層が形成される(コーティング)。あるいは、スプレーノズル8から噴霧されるスプレー液、例えば結合剤液のミストによって粉粒体粒子が湿潤を受けて付着凝集し、乾燥されて、所定径の粒子に成長する(造粒)。
処理室2内で粉粒体を浮遊流動させた処理気体は、粉粒体粒子を含んだ気体として処理室2内を上昇してフィルタ室3に入る。そして、フィルタ室3のフィルタ部20に達した処理気体は、フィルタ部20の濾材20aによって粉粒体粒子が分離された後、フィルタ部20の内部を通って、仕切壁5の開口部から排気室4に流入し、排気室4に接続された排気ダクト9を通って流動層容器1の外部に排気される。
フィルタ部20は、固気分離された粉粒体粒子が濾材20aの外面に付着すると濾過機能が低下する。この濾過機能の低下は、適宜の手段で検出される(例えば、排気ダクト9を通る排気の流量を測定することにより濾過機能の低下を検知することができる)。濾過機能に関する検出値(例えば、排気流量の測定値)が予め設定された基準値に達した時点で、あるいは、予め設定されたサイクルタイムが経過した時点で(フィルタ部20の浄化をあるサイクルタイムで定期的に行なう場合)、図示されていないフィルタ浄化装置が作動して、フィルタ部20に対して逆洗が行なわれる。フィルタ部20の逆洗は、フィルタ部20の内部に圧縮空気を間欠的に供給し、濾材20aを通して濾材外面側に噴出させることによって行なう。これにより、濾材20aの外面に付着した粉粒体粒子が圧縮空気の噴出圧によって落とされて、処理室2内で浮遊流動する粉粒体の流動層に戻される。
逆洗に使用する圧縮空気は、ヘッダータンクを経て、間欠的に開閉するバルブによって、フィルタに供給される。このバルブは、所望の開閉速度で開閉するものであればよいが、特に、ダイヤフラム式バルブが好ましい。ヘッダータンクで保持される圧縮空気の圧力(すなわち噴射圧)は、フィルタを浄化するのに十分な圧力が必要である。本発明においては、0.4MPa〜1.0MPaが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜0.8MPaである。0.4MPaよりも圧力が低いと、浄化作用が十分でなく、1.0MPaより高いと、流動層に供給される流動化空気が逆流するため好ましくない。バルブの開時間(噴射時間)は0.1sから0.5sが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.4sである。開時間が0.1sよりも短すぎると、十分な噴射空気量が得られず、好ましい浄化作用が得られない。0.5sより長いと、過剰に圧縮空気を使用するのみで、浄化作用の向上が得られない。
次に、本発明の要部について説明する。
図3に示すように、濾材20aは、プリーツフィルタであり、筒状で、複数の山部aと谷部bが円周方向に交互に形成された横断面形状を有する。谷部bは、内接円C1に接する第1谷部b1と内接円C2に接する第2谷部b2との2種類形成されている。山部aは全て単一の外接円C3に接する。谷部bの深さは、この外接円C3から谷部bの底の外周側表面までの半径方向に沿った距離とする。第2谷部b2は、第1谷部b1より浅い。第1谷部b1と第2谷部b2は交互に周方向に配設されている。本実施形態では、山部aは24個で、谷部bは24個であるが、これに限定されるものではない。
なお、山部aの半径方向の位置は、エンドキャップ20dと仕切り壁5の装着穴5aに山部aの先端の外周側が当接することによって規定され、第1谷部b1の半径方向の位置は、リテーナ20bに谷部の底部の内周側が当接することによって規定される(図2参照)。
以上の構成によって、本実施形態の流動層装置のフィルタ部20に使用されるプリーツフィルタ(濾材20a)では、以下の効果が享受できる。
本実施形態のプリーツフィルタ(濾材20a)は、第2谷部b2は、第1谷部b1より浅い。このため、図4(a)に拡大して示すように、1つの山部aの頂点Paから第1谷部b1の底Pb1までの接続部L1と、第2谷部b2の底Pb2までの接続部L2とを比較すると、接続部L1が接続部L2より長い。従って、逆洗時に内周側(図では下側)から空気圧がかかった場合に、接続部L1の部位の方が、接続部L2の部位より大きな力を受けて、接続部L1の部位が大きく膨出する。従って、逆洗時に、図4(b)に示すように、1つの第2谷部b2を挟んだ2つの山部aにおける接続部L1の部位が膨出するのに従って第2谷部b2が開くように変形する。このため、第2谷部b2の底に溜まった粉粒体は、逆洗時に容易に除去される。
一方、第1谷部b1は、逆洗時に従来の谷部b’と同様に閉じるように変形するため、第1谷部b1の底に溜まった粉粒体は除去され難い。しかし、谷部b全体で見れば、第2谷部b2の存在によって、逆洗時の洗浄性が向上している。
このように、本実施形態では、プリーツフィルタである濾材20aの第2谷部b2が逆洗の際に開くため、逆洗によって第2谷部b2の底に溜まった粉粒体を容易に除去することができる。これによって、逆洗時の濾材20aの洗浄性を向上させることができる。従って、濾材20aへの粉粒体の付着を低減することができる。
逆洗でのプリーツフィルタの洗浄性が向上することによって、谷部に残留する粉粒体が減少する。換言すれば、粉粒体が逆洗によってプリーツフィルタから処理室2に戻される。従って、未処理になる粉粒体が減少し、粉粒体の収率が向上する。更に、プリーツフィルタの洗浄性が向上することによって、プリーツフィルタの濾過性能を長期に亘って維持可能となる。
また、第2谷部b2が第1谷部b1より浅いので、流動層装置の運転中に溜まる粉粒体の量は、第2谷部b2の方が第1谷部b1より少ない。このことによっても、本実施形態のプリーツフィルタの濾過性能を長期に亘って維持可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば、図5(a)に示すように、谷部bの中で第1谷部b1が複数連続していてもよいし、第2谷部b2が複数連続していてもよい。また、図5(b)に示すように、第2谷部b2の深さが複数種類あってもよい。
上記実施形態の図示例では、山部aと谷部bがそれぞれ三角形状の横断面形状を有しているが、山部aと谷部bは、それぞれ多少の丸みを有していてもよい。
また、別の変形例を図6に示す。図6に実線で示すように、通常の状態で、山部a、第1谷部b1、第2谷部b2の横断面の輪郭線が曲線である。山部aと第1谷部b1の間、山部aと第2谷部b2の間の輪郭線は、直線でも曲線でもよく、山部a、第1谷部b1、第2谷部b2の輪郭線に対して滑らかに繋がっている。
このような場合には、逆洗時に、図6で点線、一点鎖線で示すように膨張していく(一点鎖線の方がより膨張した状態)。本例では、図4(b)と比較すると理解できるように、逆洗の際に、第1谷部b1と第2谷部b2とが閉じるように変形することが抑止される。このため、第1谷部b1と第2谷部b2の底に溜まった粉粒体は逆洗時に容易に除去され、図4(b)の場合より谷部b全体の逆洗時の洗浄性が更に向上する。
勿論、通常の状態で、山部a、第1谷部b1、第2谷部b2の横断面における輪郭線の全てが曲線である必要は無く、例えば図7に示すように、第1谷部b1の横断面の輪郭線のみが曲線であってもよい。図7では、山部a,第2谷部b2の輪郭線は折れ線となっている。
この場合には、逆洗時には、図7で点線、一点鎖線で示すように、膨張していく(一点鎖線の方がより膨張した状態)。この場合にも、図4(b)と比較すると理解できるように、逆洗の際に、第1谷部b1が閉じるように変形することが抑止される。このため、第1谷部b1の底に溜まった粉粒体は逆洗時に容易に除去され、図4(b)の場合より谷部b全体の逆洗時の洗浄性が向上する。また、第2谷部b2については、図4(b)と同様に、開くように変形する。すなわち、第1谷部b1が曲面であれば、第2谷部b2に折り目があっても第2谷部b2は谷が開くように変形する。
また、本発明は、図1に示すような流動層装置に限らず、処理容器の底部に攪拌羽根を回転自在に配置した構成を有する攪拌造粒装置、その他の粉粒体処理装置に適用可能である。
本発明は以上の説明に限定されることなく、その技術的思想の範囲内であれば、様々な変形が可能である。
1 流動層容器
2 処理室
3 フィルタ室
20 フィルタ部
20a 濾材
a 山部
b 谷部
b1 第1谷部
b2 第2谷部
2 処理室
3 フィルタ室
20 フィルタ部
20a 濾材
a 山部
b 谷部
b1 第1谷部
b2 第2谷部
Claims (3)
- 粉粒体の処理室と、該処理室の上方に設けられたフィルタ室と、該フィルタ室内に配置され、該フィルタ室内の粉粒体粒子を含む気体から粉粒体粒子を分離するフィルタ部とを備え、前記フィルタ部は筒状の濾材を備え、該濾材は複数の山部と谷部とが円周方向に交互に形成された横断面形状を有する粉粒体処理装置において、
前記複数の谷部は、深さが相対的に大きい第1谷部と、深さが相対的に小さい第2谷部とで構成されていることを特徴とする粉粒体処理装置。 - 前記第1谷部と第2谷部を、前記山部を介して円周方向に交互に形成した請求項1に記載の粉粒体処理装置。
- 前記第1谷部の横断面の輪郭線が曲線である請求項1又は2に記載の粉粒体処理装置。
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