JP2012090254A - 無線タグリーダ、監視システム - Google Patents

無線タグリーダ、監視システム Download PDF

Info

Publication number
JP2012090254A
JP2012090254A JP2011064146A JP2011064146A JP2012090254A JP 2012090254 A JP2012090254 A JP 2012090254A JP 2011064146 A JP2011064146 A JP 2011064146A JP 2011064146 A JP2011064146 A JP 2011064146A JP 2012090254 A JP2012090254 A JP 2012090254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless tag
angle
error
value
array antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011064146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5541207B2 (ja
Inventor
Tatsuya Hirata
達也 平田
Hikari Ishikawa
光 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Wave Inc
Original Assignee
Denso Wave Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Wave Inc filed Critical Denso Wave Inc
Priority to JP2011064146A priority Critical patent/JP5541207B2/ja
Publication of JP2012090254A publication Critical patent/JP2012090254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5541207B2 publication Critical patent/JP5541207B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】 電波を反射する障害物が存在しても正確に無線タグの方向を推定できる無線タグリーダを提供する。
【解決手段】アレーアンテナの指向性を各設定角度に設定したときの電力強度(受信電力測定値)の測定結果(測定パターン)を基準電力パターンと対比して誤差を算出することで相関を求め(S100)、誤差の最小値となる方向を無線タグの方向(到来方位)と推定するため(S54)、指向性がシャープでないアレーアンテナを用いて正確に無線タグの方向(到来方位)を推定できる。ここで、測定した電力強度(受信電力測定値)のパターン(測定パターン)と基準電力パターンとの誤差を算出する際に、アレーアンテナの置かれる実際の環境に適合させるために各設定角度毎に重み付けの設定値を反映しているため、電波を反射する障害物などが存在しても正確に無線タグの方向を推定できる。
【選択図】 図14

Description

本発明は、無線タグの方向(到来方位)を推定できる無線タグリーダ、及び、該無線タグリーダを用いる監視システムに関するものである。
電波を利用して無線タグを読み取る無線タグシステムは様々な用途で使用されつつあり、このシステムの主要素である無線タグリーダは広範な用途に適用し得るように高機能化が求められている。高機能化の例としては、例えば、無線タグを単純に読み取るだけではなく、その無線タグがどの方向に存在し得るかを特定可能とし、無線タグ所持者の探索に利用したり、無線タグ所持者が適正な方向に存在するか否かの判断に利用したりすることが考えられつつある。
無線タグの方向の特定に関連する技術としては、例えば特許文献1のようなものが提案されている。この特許文献1では、複数のアンテナ素子を備えて指向特性を変化させることができるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知方法が開示されており、該電波到来方向探知方法では、全方向角360度を12分割したビーム切り替えにより電波の到来方向を推定する手法を用いている。具体的には、ビーム切り替えによって得られた複数の受信電力パターンを、予め用意しておいた方向毎の信号電力パターンと相関をとり、相関が最大となる角度を到来方向と推定している。
特開2004−257820号公報
ところで、無線タグの方向を推定し得る無線タグシステムを更に発展させた構成として、上記無線タグリーダを、監視領域内の物体の距離と方向とを測定可能なレーザセンサと併用し、監視領域内に進入した人が無線タグを携帯しているか否かを判別し、携帯していない場合に警告を行う監視システムが考えられる。該監視システムによって進入者を監視する場合、例えば、レーザセンサによって監視領域内に進入した人の距離と方向とを検出すると共に、方向推定可能な無線タグリーダによって無線タグの方向を推定し、レーザセンサが検出した進入者の方向と無線タグリーダによって推定された無線タグの方向とが一致している場合に、進入者が無線タグを携帯していると判断する。他方、無線タグからの応答が無い場合、或いは無線タグからの応答があってもレーザセンサで検出した方向と一致しない場合には、進入者が無線タグを携帯していないと判断し、警告を発することでその旨を外部に報知することができる。
このような監視システムを構築する場合、レーザセンサでは正確に監視領域内の進入者の距離と方向とを測定できるため、進入者が無線タグを携帯しているか否かの判断の信頼性は、無線タグリーダが正確に無線タグの方向を推定できるか否かに掛ってくる。しかしながら、従来の方向推定可能な無線タグリーダでは、環境によっては無線タグの方向をそれほど正確に推定できない場合があり、上記のような監視システム、或いは同様に信頼性が要求されるシステムに適用し難い場合があった。
例えば、特許文献1の電波到来方向探知方法では、電波反射物や電波干渉物の無い環境(例えば暗室内実験等)ではある程度の精度を得ることができる。しかしながら、このような方法を電波反射物、電波干渉物が存在する実際の監視システムに適用した場合、無線タグからの電波方向以外の要素(電波反射物からの反射電波や電波干渉物による電波干渉)が測定パターン(受信電力パターン)に影響を及ぼすことになるため、得られた測定パターン(受信電力パターン)が無線タグからの電波のみを強く反映した波形とならない場合があり、無線タグが存在する方向の基準電力パターン(信号電力パターン)と相関が低くなってしまう場合がある。このような現象が生じると、無線タグの方向を精度高く推定することが難しくなってしまうため、上記のように信頼性が要求されるシステムでは特に改善が要求される。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、無線タグとの間で送受信される電波に対して反射、干渉等の影響を及ぼす物体が通信エリア内に存在する環境であっても、その物体が検出に関与する度合を低減させやすく、より正確に無線タグの方向(到来方位)を推定できる無線タグリーダ、及び、該無線タグリーダを用いる監視システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
無線タグの電波を受信し、その到来方位を推定する無線タグリーダであって、
指向性を複数の設定角度に切り替え可能に構成されたアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段と、
前記アレーアンテナによって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段と、
前記指向性切替手段が前記アレーアンテナの設定角度を1周期分切り替え走査したときに、前記受信強度測定手段によって測定された1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段と、
を備え、
前記方向推定手段は、
各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段と、
各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段と、
を備え、
到来方位毎の前記基準電力パターンと測定された前記電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた前記重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
無線タグの電波を受信し、その到来方位を推定する無線タグリーダであって、
指向性を複数の設定角度に切り替え可能に構成されたアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段と、
前記アレーアンテナによって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段と、
前記指向性切替手段が前記アレーアンテナの設定角度を1周期分切り替え走査したときに、前記受信強度測定手段によって測定された1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段と、
を備え、
前記方向推定手段は、
周波数を指示する所定コマンドを送信するコマンド送信手段と、
前記所定コマンドで指示された周波数で前記無線タグから返信された応答電波の電力強度が前記受信強度測定手段によって測定されたときに、その測定された前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出する方向検出手段と、
を備え、
前記指向性切替手段は、指向性を順次切り替える切替動作を異なる周波数で複数回行い、
前記受信強度測定手段は、周波数の異なる各切替動作毎に、前記応答電波の電力強度を各設定角度で測定しており、
前記方向検出手段は、前記受信強度測定手段によって周波数毎に測定された各設定角度の前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出することを特徴とする。
請求項1の無線タグリーダでは、各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターン(指向性が各設定角度に設定されたときに想定される電力強度パターン)を基準電力パターンとして到来方位毎(即ち設定角度毎)に用意しておくことで、実際に測定されたパターン(アレーアンテナの指向性を各設定角度に切り替えたときの測定で得られる測定パターン)が各到来方位の基準電力パターンとどの程度相違しているかを誤差として把握することができる。そして、この方法では、到来方位毎(即ち設定角度毎)に設けられた基準電力パターンの内、得られた測定パターンとの誤差が小さくなるパターンについての設定角度が無線タグの方向(到来方位)である可能性が極めて高くなるため、このようなパターンを特定することで無線タグの到来方位をより正確に検出できる。特に、この方法では、無線タグの方位を推定する上で、得られた測定パターン全体を評価に用いることができるため、単純に最大電力値のみで方位を推定する方法(指向性の切り替え毎に得られる電力値が最大となる方位を無線タグの方位と推定する方法)と比較して、突発的なノイズデータ等に起因する方向(到来方位)の誤検出が生じ難く、無線タグの到来方位をより正確に推定しやすくなる。
その上、本発明では、指向性を各設定角度に切り替えたときの各電力強度(受信電力測定値)を一律に誤差算出に用いるのではなく、設定角度毎に設定された重み付けを反映させて誤差を算出することができるため、例えば、障害物からの反射電波を抑えるような重み付けを設定することで、このような反射電波に起因する到来方位の誤検出を排除しやすくなる。
また、アレーアンテナの指向性を切り替えながら無線タグの方向(到来方位)を検出する場合、電波を反射する障害物が存在する環境下では、無線タグから直接受信する電波に加え、障害物で反射した電波の影響が問題となり、このような複数経路(マルチパス)が生じると、無線タグの方向(到来方位)を正確に検出できなくなる虞がある。請求項2では、このような問題に対し、異なる周波数の電波を用いた場合の受信環境の変化を利用して、複数経路(マルチパス)の影響が少ない受信環境を生じさせやすくすることができ、周波数毎に測定された各設定角度の電力強度に基づいて無線タグの方向をより精度高く検出することができる。
請求項3の発明では、前記方向検出手段は、前記受信強度測定手段によって周波数毎にそれぞれ測定された前記各設定角度の前記電力強度を設定角度毎に統計処理を行い、設定角度毎に得られた統計処理結果を前記各設定角度それぞれの電力強度とする統計処理手段を備え、前記統計処理手段によって得られた前記各設定角度の前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出している。
このようにすると、各設定角度毎に統計処理を行って複数データを反映した電力強度を求めることができ、単一のデータに起因する悪影響(ノイズ等)を抑えた信頼性の高い電力強度(受信電力測定値)を用いやすくなる。
請求項4の発明では、前記統計処理手段は、前記受信強度測定手段によって周波数毎に測定された前記各設定角度の前記電力強度を設定角度毎に平均化し、設定角度毎に得られた平均化結果を前記各設定角度の前記電力強度としている。
このようにすると、各設定角度毎に、ノイズ等の影響をより抑え且つ無線タグの方向(到来方位)をより反映した信頼性の高い電力強度(受信電力測定値)を用いやすくなる。
請求項5の発明では、前記方向推定手段は、各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段と、各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段と、到来方位毎の前記基準電力パターンと測定された前記電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた前記重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定している。この構成によれば、請求項2の特徴を有しつつ、請求項1の効果をも奏することができる。
請求項6の無線タグリーダは、アレーアンテナに対して電波を反射する障害物の存在している角度に相関する値を重み付けの設定値とするため、該障害物の影響を排除して正確に無線タグの方向を推定できる。
請求項7の無線タグリーダは、アレーアンテナに対して電波を反射する障害物のアレーアンテナまでの距離、又は、該障害物の材質に相関する値を重み付けの設定値とするため、該障害物までの距離、材質に適切に対応させ影響を排除し、正確に無線タグの方向を推定できる。
請求項8の無線タグリーダは、各設定角度の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、特定の誤差値で、誤差関数に対して横軸に平行な線を引き、該線と当該誤差関数との交点をつなぐ線分の半分の位置における角度を、誤差の最小値となる無線タグの方向(到来方位)と推定する。即ち、アレーアンテナで、指向性を出し得る測定可能な角度は物理的に限定されるが、測定可能な角度と角度との間でも、無線タグの方向(到来方位)を推定することが可能となる。
請求項9の無線タグリーダは、電力強度(受信電力測定値)を測定する設定角度は360度/N毎であるが、360度/N毎の間の角度でも、無線タグの方向(到来方位)を推定することが可能となる。
請求項10の無線タグリーダは、各設定角度の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、誤差が最小となるピーク値の両隣の値の内、誤差の小さい方の値と、該誤差の小さい方の隣であって、誤差の大きかった方の反対側の隣の値とをつないだ線分を延長させ、次に、該誤差の大きかった方の値と、該誤差の大きかった方への隣の値とをつないだ線分を延長させ、両線分の交点を、誤差の最小値となる無線タグの方向と推定する。即ち、アレーアンテナで、指向性を出し得る測定可能な角度は物理的に限定されるが、測定可能な角度と角度との間でも、無線タグの方向(到来方位)を推定することが可能となる。
請求項11の発明では、前記アレーアンテナが、部分的に設置物によって囲まれると共に前記設置物の領域外が開放してなる空間内に配置された場合に、前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記設置物に向かう設定角度の重み付けが、前記設置物の領域外の開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されている。
この構成では、設置物によって部分的に囲まれるような空間内で無線タグを検出する場合において、例えば無線タグの所持者がアレーアンテナ側に近づこうとするときに、この無線タグの電波が設置物で反射して生じる反射波の重みを相対的に小さくし、無線タグからの直接の電波の重みを相対的に大きくした上で、実測した測定パターンと各方向の基準電力パターンとの誤差を算出することができる。従って、反射波に対応する基準電力パターンと実測した測定パターンとの誤差が小さくなってしまうような事態が生じ難く、タグ方向(直接波の方向)に対応する基準電力パターンとの誤差をより小さく際立たせて正確に方向を推定することができる。
請求項12の発明では、前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と当該隣接壁と対向する対向壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記隣接壁に向かう設定角度又は前記対向壁に向かう設定角度の重み付けが、前記隣接壁及び前記対向壁が配置されない開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されている。
この構成では、無線タグの電波が隣接壁や対向壁で反射して生じる反射波の重みを相対的に小さくし、無線タグからの直接の電波の重みを相対的に大きくした上で、実測した測定パターンと各方向の基準電力パターンとの誤差を算出することができる。従って、反射波に対応する基準電力パターンと実測した測定パターンとの誤差が小さくなってしまうような事態が生じ難く、タグ方向(直接波の方向)に対応する基準電力パターンとの誤差をより小さく際立たせて正確に方向を推定することができる。
請求項13の発明では、前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と当該隣接壁に対して交差する方向に延びる遮蔽壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記隣接壁に向かう設定角度又は前記遮蔽壁に向かう設定角度の重み付けが、前記遮蔽壁と対向する側に構成される開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されている。
この構成では、無線タグの電波が隣接壁や遮蔽壁で反射して生じる反射波の重みを相対的に小さくし、無線タグからの直接の電波の重みを相対的に大きくした上で、実測した測定パターンと各方向の基準電力パターンとの誤差を算出することができる。従って、反射波に対応する基準電力パターンと実測した測定パターンとの誤差が小さくなってしまうような事態が生じ難く、タグ方向(直接波の方向)に対応する基準電力パターンとの誤差をより小さく際立たせて正確に方向を推定することができる。
請求項14の発明では、前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と、当該隣接壁と対向する対向壁と、当該隣接壁に対して交差する方向に延びる遮蔽壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記遮蔽壁に向かう設定角度の重み付けが、前記遮蔽壁と対向する側に構成される開放空間に向かう設定角度、前記隣接壁に向かう設定角度、及び前記対向壁に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されている。
この構成では、無線タグの所持者が遮蔽壁の反対側(開放空間側)からアレーアンテナ側に近づこうとするときに、この無線タグの電波が遮蔽壁で反射して生じる反射波の重みを特に小さくし、無線タグからの直接の電波の重みを相対的に大きくした上で、実測した測定パターンと各方向の基準電力パターンとの誤差を算出することができる。従って、無線タグの所持者が遮蔽壁の反対側からアレーアンテナ側に近づこうとするときに、反射波の方向(即ち遮蔽壁の方向)の基準電力パターンと実測した測定パターンとの誤差が小さくなってしまうような事態が生じ難く、正規のタグ方向とは全く異なる遮蔽壁側をタグ方向と推定するといった大きな角度誤差が生じにくくなる。
請求項16の監視システムは、レーザセンサで検出された物体の距離と方向に応じて重み付けの設定値を調整する。このため、例えば、無線タグリーダの監視領域内にトラック等が駐車した際にも、これをレーザセンサで検出し、該トラックによる電波反射の影響を排除し、無線タグリーダで無線タグの方向を推定できるよう自動的に対応できる。
本発明の第1実施形態に係る監視システムの模式図である。 第1実施形態の無線タグリーダの電気的構成を示すブロック図である。 アレーアンテナの構成を示す説明図である。 第1実施形態の無線タグの電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態の無線タグリーダが電波反射物の無い場所に設置された際に、侵入者の無線タグの方向(到来方位)を検出する場合の説明図である。 図6(A)は、30度の方向(到来方位)に侵入者(無線タグ)があった場合の受信電界強度の測定値のグラフであり、図6(B)は、上述したアレーアンテナ10の指向性を方位角(設定角度)−60度、−30度、0度、30度、60度(α)に設定して測定したアンテナ特性値を示すグラフである。 図6(A)に示す受信電界強度に対して、図6(B)に示す電力相関パターンで相関値(誤差)を算出した結果を示す図表である。 受信電界強度を点線で、相関値(誤差)を実線で示すグラフである。 第1実施形態の無線タグリーダが実際の住宅の玄関に取り付けられ、侵入者の無線タグの方向(到来方位)を検出する場合の説明図である。 背面側(240度〜330度)に住宅が存在する場合に、30度の方向(到来方位)に侵入者(無線タグ)があったときの受信電界強度の測定値を点線で、相関値(誤差)の算出結果を実線で示すグラフである。 受信電界強度に重み付けを行い、電力相関パターンで相関値(誤差)を算出した結果を示す図表である。 受信電界強度の測定値を点線で示すと共に、重み付けを行った相関値(誤差)の算出結果を実線で示すグラフである。 監視システムのコントローラによる処理を示すフローチャートである。 無線タグリーダによる無線タグの方向推定処理を示すフローチャートである。 図14中の相関誤差計算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 無線タグでの処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の第1改変例で相関値からピークを求める方法を示すグラフである。 第1実施形態の第2改変例で相関値からピークを求める方法を示すグラフである。 第2実施形態の無線タグリーダが侵入者の無線タグの方向(到来方位)を検出する場合の説明図である。 第2実施形態での重み付けを行うための設定値を示す図表である。 第3実施形態の無線タグリーダが侵入者の無線タグの方向(到来方位)を検出する場合の説明図である。 第3実施形態に係る無線タグリーダが監視領域内の反射物を検出して重み付けを自動設定する処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の無線タグリーダに設定した重み付けの値を示す図表である。 第4実施形態の無線タグリーダによる無線タグの方向推定処理を示すフローチャートである。 図24における方向探索通信処理の流れを例示するフローチャートである。 第4実施形態において無線タグと無線タグリーダとの間で行われる通信流れを説明する説明図である。 (A)は、自主発信のときに無線タグから無線タグリーダへ送信されるレスポンスフレームを概念的に説明する説明図である。(B)は、無線タグリーダから無線タグへ送信されるコマンドフレームを概念的に説明する説明図である。(C)は、無線タグからのコマンド送信に応じて無線タグから無線タグリーダへ送信されるレスポンスフレームである。 第4実施形態の改変例1において、設定角度毎に得られた電波強度(電力強度)に基づいて設定角度毎に統計処理(平均値算出処理)を行った結果を概念的に説明する説明図である。 図29(A)は、第5実施形態の無線タグリーダが隣接壁及び遮蔽壁に囲まれる環境に設けられ、この無線タグリーダによって無線タグの方向(到来方位)を推定する例を説明する説明図である。図29(B)は、開放空間側から進入する無線タグから送信される直接の電波の向きと、この電波が遮蔽壁で反射したときの反射波の向きとを説明する説明図である。 図30(A)は、図29の環境において、最大電力法によって方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図30(B)は、図29の環境において、方向毎(設定角度毎)の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図30(C)は、図29の環境において、方向毎(設定角度毎)に重み付けを設定して電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフである。 図31は、第5実施形態の変更例1に係るものであり、図29とは異なる環境に設けられた無線タグリーダによって無線タグの方向(到来方位)を推定する例を説明する説明図である。 図32(A)は、図31の環境において、方向毎(設定角度毎)の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図32(B)は、図31の環境において、方向毎(設定角度毎)に重み付けを設定して電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフである。 図33は、第5実施形態の変更例2に係るものであり、図29とは異なる環境に設けられた無線タグリーダによって無線タグの方向(到来方位)を推定する例を説明する説明図である。 図34(A)は、図33の環境において、方向毎(設定角度毎)の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図34(B)は、図33の環境において、方向毎(設定角度毎)に重み付けを設定して電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の推定結果を示すグラフである。 図35は、図29の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の、遮蔽壁の方向(設定角度)の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。 図36は、図31の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の、遮蔽壁の方向(設定角度)の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。 図37は、図33の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向(到来方位)を推定した場合の、遮蔽壁の方向(設定角度)の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。 図38(A)は、ある方向(到来方位)に存在する無線タグを検出したときの測定パターンと、その方向に対応する設定角度の基準パターンとのマッチング誤差に対して角度毎に重み付けして補正した場合について説明する説明図であり、図38(B)は、その場合のマッチング処理の結果を説明する説明図である。 図39(A)は、ある方向(到来方位)に存在する無線タグを検出したときの測定パターンにおいて、各設定角度の電力強度に対して設定角度毎に重み付けして補正した場合について説明する説明図であり、図39(B)は、その場合のマッチング処理の結果を説明する説明図である。 図40は、他の実施形態に係るものであり、無線タグリーダが図29とは異なる環境に設けられ、この無線タグリーダによって無線タグの方向(到来方位)を推定する例を説明する説明図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る監視システムの模式図である。
監視システムは、無線タグの方向(到来方位)を推定できる無線タグリーダ100と、監視領域内の物体の距離と方向とを測定するレーザセンサ200とを併用し、監視領域内に侵入した人が無線タグ400を携帯しているか否かをコントローラ300が判別し、携帯していない場合に警告を行う。該監視システムでは、先ず、レーザセンサ200で、監視領域内に侵入した人の距離と方向とを検出し、無線タグリーダ100で無線タグを携帯しているか否かを判断する。ここで、無線タグを携帯していない場合には、警告を発する。そして、無線タグの存在が確認できた場合、更に無線タグリーダ100で該無線タグの方向を推定し、レーザセンサ200で検出した方向と一致している場合には、侵入者が無線タグを携帯していると判断する。他方、又は、無線タグからの応答があってもレーザセンサ200で検出した方向と一致しない場合には、侵入者が無線タグを携帯しておらず他所に置かれた無線タグからの応答であると判断し、警告を発する。
当該監視システムでのコントローラ300による上記処理について、図13のフローチャートを参照して更に詳細に説明する。
レーザセンサ200により監視領域内へ侵入者が入ることを監視している(S12)。そして、侵入者が入った場合(S12:Yes)、レーザセンサ200により侵入者の方向と距離を取得する(S14)。後述するようにアンテナの指向性を切り替え(S16)、無線タグリーダ100で、無線タグへのコマンドフレームを作成し(S18)、無線タグへ送信する(S20)。そして、無線タグからの返信信号の受信があるかを判断する(S22)。ここで、無線タグからの返信の受信が無い場合には(S22:No)、侵入者が無線タグを携帯していないと判断し、警報音等により警報を出す(S26)。一方、無線タグからの返信の受信が有った場合は(S22:Yes)、更に、レーザセンサ200により検出した侵入者の方向と、無線タグリーダ100で推定した無線タグの方向とが一致するか否か判断する(S24)。方向が一致しない場合には(S24:No)、侵入者が無線タグを携帯しておらず、監視領域内のいずれかに侵入者と無関係な無線タグが存在していると判断し、警報を出す(S26)。方向が一致する場合には(S24:Yes)、侵入した者は無線タグを携帯する侵入許可者であるとして、警報を出すことなく処理を終了する。
監視システムで用いられる無線タグリーダの電気的構成について、図2を参照して説明する。無線タグリーダ100は、メモリ22、タイマ24を内蔵する制御部20と、符号を生成する符号部32、符号を変調する変調部34、変調された信号を増幅する増幅部36から成る送信部30を備える。更に、無線タグリーダ100は、受信信号を復調する復調部44、復調された受信信号から符号を復号する復号部42、無線タグとの送受信開始の時に通信の設定を行うキャリアセンス部46から成る受信部40と、後述するアレーアンテナ10と、該アレーアンテナの指向性を制御する指向性制御部50とを備える。受信部40は、無線タグからの信号の受信電波強度を測定できるように構成されている。
該無線タグリーダとの通信を行う無線タグの電気的構成について、図4を参照して説明する。無線タグ400は、メモリ422、タイマ424を内蔵する制御部420と、符号を生成する符号部432、符号を変調する変調部434、変調された信号を増幅する増幅部436から成る送信部430を備える。更に、無線タグ400は、受信信号を復調する復調部444、復調された受信信号から符号を復号する復号部442、無線タグリーダとの送受信開始の時に通信の設定を行うキャリアセンス部446から成る受信部440と、アンテナ410と、内蔵電源460とを備える。即ち、第1実施形態で、無線タグは、電源を内蔵するアクティブタグが用いられている。
ここで、図2を参照して上述した無線タグリーダのアレーアンテナ10と、該アレーアンテナの指向性を制御する指向性制御部50との構成について、図3を参照して更に詳細に説明する。
アレーアンテナ10は、一本の励振素子10−0と、6本の非励振素子10−1〜10−6と備えて成り、該励振素子10−0、非励振素子10−1〜10−6は、接地導体16上に形成されている。該励振素子10−0は、半径rの円周上に設けられた6本の非励振素子10−1〜10−6によって囲まれるように配置されている。6本の非励振素子10−1〜10−6は、該円周上に等間隔に配置されている。励振素子10−0、非励振素子10−1〜10−6の長さは、λ(使用周波数)/4に設定され、上記半径rもλ/4に設定されている。励振素子10−0の給電点は同軸ケーブル14を介して図2を参照して上述した無線タグリーダの送信部30、受信部40に接続されている。
励振素子10−0は、接地導体16と電気的に隔絶されている。他方、6本の非励振素子10−1〜10−6は、可変リアクタンス回路12−1〜12−6を介して、接地導体15に対して高周波的に接地される。可変リアクタンス回路12−1〜12−6は、バイアス電圧の印加によりリアクタンス値が変化する可変容量ダイオードを含む回路により構成されている。
指向性制御部50は、リアクタンス値制御装置52と、リアクタンス値テーブルメモリ54とから成る。リアクタンス値制御装置52は、リアクタンス値テーブルメモリ54に予め設定された電圧設定値に基づき、バイアス電圧を可変リアクタンス回路12−1〜12−6に印加することで、アレーアンテナ10に対応する角指向性ビームパターンを発生させる。なお、本実施形態では、制御部20及び指向性制御部50が指向性切替手段の一例に相当し、アレーアンテナ10の指向性を複数の設定角度に順次切り替えるように機能する。なお、この「設定角度」はアレーアンテナ10において定められた指向性の方向を示すものであり、当該アレーアンテナ10で定められた所定の基準方向(0°方向)に対する角度を示すものである。本明細書では、アレーアンテナ10によって切り替えられる指向性の方向を「設定角度」とも称し、無線タグリーダ10に対する無線タグ400の方向を「到来方位」とも称する。
ここで、上述した可変容量ダイオードの容量値をリアクタンス回路12−1〜12−6で適宜変更することで、アレーアンテナ10の角指向を調整する。たとえば、可変リアクタンス回路12−1の可変容量ダイオードの容量値を少なくすることで、キャパシタ性を持ち可変リアクタンス回路12−1は短縮コンデンサとなり、非励振素子10−1の電気長が励振素子10−0よりも短くなって、導波器として働く。一方、可変リアクタンス回路12−2〜12−6の可変容量ダイオードの容量値を大きくすることで、可変リアクタンス回路12−2〜12−6にインダクタンス性を持ち、可変リアクタンス回路12−2〜12−6は延長コイルとなり、非励振素子10−2〜10−6の電気長が励振素子10−0よりも長くなり、反射器として働く。これにより、リアクタンス値制御装置52は、アレーアンテナ10の角指向が0度方向である、励振素子10−1の方向になるように調整する。
第1実施形態の無線タグリーダは、アレーアンテナ10の指向性を方位角−60度、−30度、0度、30度、60度(α)に設定して測定したアンテナ特性値を予め保持している。このアンテナ特性値で、アレーアンテナ10の指向性を方位角θに設定した際に、測定した受信電力を下式の様に相関値(誤差)を求め、相関性で無線タグ、即ち、電波到来方向を推定する。
相関値(誤差)Γ(θ)=|Σ(P(α)−Y(θ−α))|
[α=−60、−30、0、30、60]
P(α)は、上述したアンテナの指向性を方位角αに設定した際のアンテナの特性値
Y(θ)は、上述したアンテナの指向性を方位角θに設定した際に測定した受信電力
図5は、無線タグリーダが電波反射物の無い場所に設置された際に、侵入者の無線タグの方向を検出する場合の説明図である。
第1実施形態の無線タグリーダは、全方位角360度を12に等分して、アレーアンテナの指向性を0度、30度、60度、90度、120度、150度、180度、210度、240度、270度、300度、330度に設定して受信電力の測定を行う(即ち、設定角度をこれら角度とし得るように構成されている)。この例では、30度の方向に侵入者がいるものとして説明を続ける。
図6(A)は、30度の方向に侵入者(無線タグ)があった場合の受信電界強度の測定値のグラフであり、縦軸に受信強度を、横軸に方位角を取ってある。30度の受信電界強度が最大になっている。
図6(B)は、上述したアレーアンテナ10の指向性を方位角−60度、−30度、0度、30度、60度(α)に設定して測定したアンテナ特性値、即ち、電力相関パターンを示している。縦軸に受信強度を、横軸に方位角を取ってあり、0度で、0dBm、30度、−30度で、−1.5dBm、60度、−60度で−5dBmになっている。
図7は、図6(A)に示す受信電界強度に対して、図6(B)に示す電力相関パターンで上述した相関値(誤差)を用いて算出した結果を示す図表である。また、図8は、図6(A)で示した受信電界強度の測定値を点線で、相関値(誤差)の算出結果を実線で示すグラフである。図7中に示すように、侵入者(無線タグ)のいる角度30度で、電力測定値が−40.0[dBm]で最大で、相関値(誤差)が0.6[dB]で最小になっている。図8のグラフからも分かるように、図5に示す無線タグリーダが電波反射物の無い場所に設置された際には、最大電力を求める方法でも、相関値(誤差)を求める方法でも、共に、角度30度を推定できるが、相関値(誤差)を求める方が、よりシャープなピークを得ている。
図9は、監視システム(無線タグリーダ)が実際の住宅の玄関に取り付けられ、侵入者の無線タグの方向を検出する場合の説明図である。
ここで、無線タグリーダに対して、240度〜330度の角度に存在する住宅が反射障害物となり、電波が反射して最大電力を求める方法でも、相関値(誤差)を求める方法でも正確に方向を推定することができなく成る。
図10は、図9に示す背面側(240度〜330度)に住宅が存在する場合に、30度の方向に侵入者(無線タグ)があったときの受信電界強度の測定値を点線で、相関値(誤差)の算出結果を実線で示すグラフである。点線で示す受信電界強度の測定値は、30度方向の他に、330度方向に向けたビームの電波でも受信電界強度が大きくなっている。ここで、ノイズや、他の環境の影響で、330度方向(設定角度330度)が、本来の方向である30度方向より強い電力として測定されることもある。この場合、受信電界強度に基づく方向推定では、330度と、本来の方向(30度)に対して60度の違いがでる。
実線で示す相関値(誤差)に基づく方法でも、330度方向(設定角度330度)のピークに引き摺られて、0度方向を推定してしまい、誤差がでる。
このため、無線タグリーダが測定する電波を反射する反射物がある場合に対応するため、第1実施形態では、無線タグリーダに、「反射障害物」の方向を設定するとともに、「反射の大きさ」に応じた「重み付け」を用い、下式を用い上述した相関値(誤差)を求めることで、反射障害物の影響を減らす。
相関値(誤差)Γ(θ)=|Σ((P(α)−Y(θ−α)))W(θ))|
×5/(Σ(W(θ))
[α=−60、−30、0、30、60]
P(α)は、アンテナの指向性を方位角αに設定した際のアンテナの特性値
Y(θ)は、アンテナの指向性を方位角θに設定した際に測定した受信電力
W(θ)は、アンテナからみた、反射障害物による重み付け
ここで、W(θ)は、反射障害物が無い条件を1として、反射障害物がある方向(この例では、240度〜330度)を1よりも小さくする。また、反射が大きい場合は、値を小さな値に設定する。ここでは、住宅は反射の大きい物体であるため、0.2を設定している。ここで、木造住宅の場合には0.2を設定しているが、例えば、反射が大きなビル等の場合には0.15を設定する。この重み付けを行って上記式を用いて相関値(誤差)を求めた結果を図11の図表中に示す。更に、図12中のグラフに、上記受信電界強度の測定値を点線で示すと共に、重み付けを行った相関値(誤差)の算出結果を実線で示す。
図11中に示すように、反射障害物がある方向(240度〜330度)に重み付けとして0.2が設定してあり、反射障害物が無い方向には重み付けとして1が設定してある。重み付けの値は、倍率である。無線タグが存在している角度30度で、電力測定値が−40.2[dBm]で、重み付け値1、相関値(誤差)が0.3[dB]で最小になっている。図12のグラフからも分かるように、相関値(誤差)は角度30度でピークを得、方向が正しく推定できることが分かる。
図14、図15のフローチャートを参照して、無線タグリーダによる方向推定処理について更に詳細に説明する。
まず、上述した受信電力パターンP(α)[α=−60、−30、0、30、60]を設定し(S32)、上述した方向別の重み付けW(θ)[θ=0、30、60・・・330]を設定する(S34)。これは初期設定であり、S32は、無線タグリーダに製造段階で設定し、S34は、監視システムの構成装置である無線タグリーダを取り付ける際に設定する。
無線タグリーダ100は、コマンドを送信しながら、無線タグ400からの信号の受信に待機している(S36)。ここで、無線タグからの信号の受信があると(S36:Yes)、先ず、推定角度θを0度に設定する(S38)。推定角度θに図3を参照して上述したようにアレーアンテナの指向性を切り替える(S40)。そして、無線タグへコマンドを送り、無線タグからのデータを受信する(S42)。無線タグからの受信が有った場合には(S44:Yes)、上述したアンテナの指向性を方位角θに設定した際に測定した受信電力Y(θ)として、データ受信時の受信電波強度を設定する(S46)。他方、無線タグからの受信が無かった場合には(S44:No)、受信電力Y(θ)として、予め設定されている最低値を設定する(S48)。そして、測定角度θを30度増加し(S50)、測定角度が360度以上か、即ち、0度から330度までの全角度の受信電波強度の測定が完了したかを判断し(S52)、測定が完了するまでは(S52:No)、S40の処理に戻る。測定が完了すると(S52:Yes)、後述するように相関誤差を計算する(S100)。そして、相関値誤差の最小方向を無線タグ方向としてコントローラ300側へ出力して(S54)、処理を終了する。
上述した相関誤差の計算処理について、当該処理のサブルーチンを示す図15を参照して説明する。
まず、推定角度θを0度に設定し(S102)、誤差関数Γ(θ)を0度に設定する(S104)。最初に、アンテナの特性値に対応するアンテナの指向性に対する方位角αを−60度に設定する(S106)。そして、下式を用いて相関値(誤差)Γ(θ)を求める(S108)。
Γ(θ)=Γ(θ)+|Σ(P(α)−Y(θ−α))×W(θ))|
次に、アンテナの特性値に対応するアンテナの指向性を方位角αに30度を加え(S110)、ここでは、方位角αを30度に設定し、方位角αが60度超、即ち、−60度から60度までの算出が完了したかを判断する(S112)。ここで、60度までの算出完了までは(S112:No)、S108に戻り相関値(誤差)Γ(θ)の計算を続ける。他方、60度までの算出を完了すると(S112:Yes)、下式を用いて相関値(誤差)Γ(θ)を求める(S114)。
Γ(θ)=Γ(θ)×5/(Σ(W(θ))
そして、推定角度θに30度を加え(S116)、推定角度が330度超か、即ち、0度から330度までの全角度の推定が完了したかを判断し(S118)、推定が完了するまでは(S118:No)、S104の処理に戻る。推定が完了すると(S118:Yes)、処理を終了する。
図16を参照して無線タグでの処理について説明する。
無線タグは、電源を内蔵するアクティブタイプで、設定された期間スリープし(S82)、スリープ後に無線タグリーダへデータを送信する(S84)。ここで、該無線タグが無線タグリーダの通信エリア内に入り、無線タグリーダからのコマンドを受信していると(S86:Yes)、無線タグリーダへ応答信号を送信する(S88)。無線タグリーダから更にコマンドを受信すると(S90:Yes)、S88へ戻り無線タグリーダへ応答信号を送信する。他方、無線タグリーダからのコマンドを受信しなくなると(S90:No)、処理を終了する。
なお、本実施形態では、制御部20及びメモリ22が「方向推定手段」の一例に相当する。また、メモリ22が「パターン記憶手段」の一例に相当する。また、制御部20及びメモリ22が「設定手段」の一例に相当する。
第1実施形態の無線タグリーダ、及び、該無線タグリーダを用いる監視システムでは、
指向性を複数の設定角度(方向)に切り替え可能に構成されたアレーアンテナ10と、アレーアンテナ10の指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段(制御部20及び指向性制御部50)と、アレーアンテナ10によって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段(制御部20)と、アレーアンテナ10の設定角度を1周期分(例えば360°分)切り替え走査したときに、受信強度測定手段によって測定された1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段(制御部20及びメモリ22)と、が設けられている。
更に、方向推定手段には、各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段(メモリ22)と、各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段(メモリ22)とが設けられており、方向推定手段の主要素となる制御部20は、到来方位毎(設定角度毎)の基準電力パターンと測定された電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定している。
この構成では、各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターン(指向性が各設定角度に設定されたときに想定される電力強度パターン)を基準電力パターンとして到来方位毎(即ち設定角度毎)に用意しておくことで、実際に測定されたパターン(アレーアンテナ10の指向性を各方向(各設定角度)に切り替えたときの測定で得られる測定パターン)が各到来方位の基準電力パターンとどの程度相違しているかを誤差として把握することができる。そして、この方法では、到来方位毎(即ち設定角度毎)に設けられた基準電力パターンの内、得られた測定パターンとの誤差が小さくなるパターンについての設定角度が無線タグの方向(到来方位)である可能性が極めて高くなるため、このようなパターンを特定することで無線タグの到来方位をより正確に検出できる。特に、この方法では、無線タグの方位を推定する上で、得られた測定パターン全体を評価に用いることができるため、単純に最大電力値のみで方位を推定する方法(指向性の切り替え毎に得られる電力値が最大となる方位を無線タグの方位と推定する方法)と比較して、突発的なノイズデータ等に起因する方向(到来方位)の誤検出が生じ難く、無線タグの到来方位をより正確に推定しやすくなる。
その上、本発明では、指向性を各設定角度に切り替えたときの各電力強度(受信電力測定値)を一律に誤差算出に用いるのではなく、設定角度毎に設定された重み付けを反映させて誤差を算出することができるため、例えば、障害物からの反射電波を抑えるような重み付けを設定することで、このような反射電波に起因する到来方位の誤検出を排除しやすくなる。
第1実施形態の無線タグリーダは、アレーアンテナに対して電波を反射する障害物の存在している角度に相関する値を重み付けの設定値とするため、該障害物の影響を排除して正確に無線タグの方向を推定できる。
[第1実施形態の第1改変例]
第1実施形態の第1改変例に係る無線タグリーダについて図17のグラフを参照して説明する。
第1実施形態の無線タグリーダと第1実施形態の第1改変例の無線タグリーダとで、アレーアンテナの30度毎の指向性毎に電力強度(受信電力測定値)を測定し、測定した電力強度(受信電力測定値)を重み付けし基準電力パターンで相関を求めるまでの処理は同じである。但し、第1実施形態では、アレーアンテナの30度毎の指向性(0度、30度〜330度)までしか分解能が無かった。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、30度毎の相関値を補間して更に高い分解を実現している。
第1実施形態の第1改変例では、誤差の最小値を求めるため、各方向の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、特定の誤差値で誤差関数に対して横軸に平行な線を引く。ここで、特定の誤差値は、誤差関数の誤差最小のピーク(この例では、0度)から、測定する角度(30度)毎の方向で2つ分離れた(−60度、+60度)の内で、誤差の低い側の値である。この例では、60度側は、誤差が14dBであるのに対して、−60度では、誤差がグラフ最大値の30dBを超えているため、誤差の低い側は60度になる。60度側(誤差14dB)から横軸に平行な線を引き、該線と誤差関数との交点をつなぐ線分の半分の位置における角度(この例では15度)を、誤差の最小値となる無線タグの方向と推定する。
第1実施形態で、この例では誤差関数の誤差最小のピーク(この例では、0度)を無線タグの方向と推定するのに対して、第1実施形態の第1改変例では、15度と推定できている。即ち、アレーアンテナで、素子数で指向性を出し得る測定可能な角度は物理的に限定されるが、第1実施形態の第1改変例では、測定可能な角度と角度との間(360度/12毎の間:この例では0度と30度の間)でも、無線タグの方向を推定することが可能となる。
[第1実施形態の第2改変例]
第1実施形態の第2改変例に係る無線タグリーダについて図18のグラフを参照して説明する。
第1実施形態の無線タグリーダと第1実施形態の第2改変例の無線タグリーダとで、アレーアンテナの30度毎の指向性毎に電力強度(受信電力測定値)を測定し、測定した電力強度(受信電力測定値)を重み付けし基準電力パターンで相関を求めるまでの処理は同じである。但し、第1実施形態では、アレーアンテナの30度毎の指向性(0度、30度〜330度)までしか分解能が無かった。これに対して、第1実施形態の第2改変例では、第1改変例と同様に30度毎の相関値を補間して更に高い分解を実現している。
第1実施形態の第2改変例では、誤差の最小値を求めるため、各方向の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、誤差が最小となるピーク値(この例では0度)の両隣の値(この例では−30度、30度)の内、誤差の小さい方(この例では30度)の値(5dB)と、該誤差の小さい方の隣であって、誤差の大きかった方の反対側の隣(この例では60度)の値(14dB)とをつないだ線分を延長させる。次に、該誤差の大きかった方(この例では−30度)の値(3dB)と、該誤差の大きかった方(−30度)への隣(この例では−60度)の値(8dB)とをつないだ線分を延長させ、両線分の交点(この例では15度)を、誤差の最小値となる無線タグの方向と推定する。
第1実施形態で、この例では誤差関数の誤差最小のピーク(この例では、0度)を無線タグの方向と推定するのに対して、第1実施形態の第2改変例では、15度と推定できている。即ち、アレーアンテナで、素子数で指向性を出し得る測定可能な角度は物理的に限定されるが、第1実施形態の第2改変例では、測定可能な角度と角度との間(360度/12毎の間)でも、無線タグの方向を推定することが可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る無線タグリーダについて図19、図20を参照して説明する。
図19は、第2実施形態の無線タグリーダが侵入者の無線タグの方向を検出する場合の説明図である。
第1実施形態の無線タグリーダは、住宅の正面に取り付けられ、反射物が該住宅しか存在していなかった。これに対して、第2実施形態では、住宅の正面側であって、無線タグリーダの監視領域内に電波を反射するブロック壁が存在している。このため、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、住宅側の方向に重み付けを行うと共に、ブロック壁側の方向への重み付けを、取り付けの初期設定の際に行う。
図20は、第2実施形態での重み付けの設定値を示す図表である。第1実施形態と同様に、電波反射物である住宅がある方向(240度〜330度)に重み付けとして0.2が設定してあり、電波反射物であるブロック壁がある方向(30度〜150度)に重み付けとして、反射角度、距離に応じて0.4、0.6、0.8が設定してあり、反射障害物が無い方向(0度、180度)には重み付けとして1が設定してある。ここで、電波反射物であるブロック壁は、相対的に電波の反射が大きいが、例えば、生け垣等の電波の反射が小さい障害物に対しては、例えば、0.5〜0.9等の更に大きな値の重み付け値を設定する。
第2実施形態では、無線タグリーダが設置される電波反射環境に適応し、適切に無線タグの方向を推定することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る監視システムについて図21〜図23を参照して説明する。
第1、第2実施形態では、無線タグリーダを設置する際に、反射物の影響を排除する重み付け値を操作者が手動操作で設定した。これに対して、第3実施形態では、反射物を検出し、自動的に重み付け値を設定する。
図21は、第3実施形態の無線タグリーダが侵入者の無線タグの方向を検出する場合の説明図である。第3実施形態では、監視領域内である住宅の前にトラックが止められたとき、レーザセンサ200(図1参照)でこれを検出し、トラックによる電波反射の影響を排除するように、コントローラ300が自動的に無線タグリーダ100へ重み付け値を設定する。ここで、トラックが止められていない場合の重み付け値は、図11を参照して上述した第1実施形態と同様に、住宅に対応するよう、住宅方向(240度〜330度)に重み付けとして0.2が初期設定してある。
図22は、第3実施形態に係るコントローラ300が監視領域内の反射物を検出して無線タグリーダに対して重み付けを自動設定する処理を示すフローチャートである。監視システムのコントローラ300(図1参照)は、レーザセンサ200により、侵入者と共に反射物が監視領域内に入っているか監視している。ここで、侵入者とトラック等反射物とは、大きさ(例えば、30度以上の角度にまたがって検出される)、及び、移動の可否(10分以上同じ場所に存在している)を用いて識別する。
コントローラ300は、監視領域内に反射物があると(S302:Yes)、レーザセンサ200から反射物の方向と角度を取得する(S304)。そして、反射物の方向と角度に基づき、重み付け設定値を算出し(S306)。算出した値を無線タグリーダに設定する(S308)。一方、反射物、例えば、トラックが監視領域外へ移動し、監視領域内に反射物が無くなると(S302:No)、該反射物用の重み付け値を解除するように無線タグリーダに設定する(S310)。
図23は、第3実施形態の無線タグリーダに設定した重み付けの値を示す図表である。ここでは、レーザセンサ200により検出された反射物(トラック)の方向(120度及び150度)と角度に応じて、コントローラ300により算出された重み付け値(120度:0.8、150度:0.6)が設定されている。
第3実施形態の監視システムは、レーザセンサ200で検出された物体の距離と方向に応じて重み付けの設定値を調整する。このため、例えば、無線タグリーダ100の監視領域内にトラック等が一時的に駐車した際にも、これをレーザセンサで検出し、該トラックによる電波反射の影響を排除し、無線タグリーダで無線タグの方向を推定できるよう自動的に対応できる。なお、上述した例では、無線タグリーダの取り付けられる住宅の影響を排除するように初期設定を手動で行ったが、この初期設定を第3実施形態では、自動に設定することも可能である。なお、このように自動設定する場合、制御部20が「設定値調整手段」に相当することになる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る監視システムについて主として図24〜図27を参照して説明する。
図24は、第4実施形態の無線タグリーダによる無線タグの方向推定処理を示すフローチャートである。図25は、図24における方向探索通信処理の流れを例示するフローチャートである。図26は、第4実施形態において無線タグと無線タグリーダとの間で行われる通信流れを説明する説明図である。図27(A)は、自主発信のときに無線タグから無線タグリーダへ送信されるレスポンスフレームを概念的に説明する説明図であり、(B)は、無線タグリーダから無線タグへ送信されるコマンドフレームを概念的に説明する説明図であり、(C)は、無線タグからのコマンド送信に応じて無線タグから無線タグリーダへ送信されるレスポンスフレームである。
第4実施形態の監視システムは、図14の方向推定処理を、図24、図25に変更した点、及び無線タグからの電波の周波数が切替可能となっている点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって以下では方向推定処理のみを重点的に説明し、方向推定処理以外については第1実施形態と同様であるとして詳細な説明は省略する。例えば、図1〜図13、図15、図16については、第1実施形態と同様の構成、処理を採用することができるため、適宜これらの図面を参照して説明することとする。
第1〜第3実施形態では、無線タグから送信される電波が所定周波数に定められた構成を例示したが、第4実施形態では、無線タグからの電波周波数を切り替えることが可能となっており、それら切り替えられる周波数毎に電波強度を測定できるようになっている。そして、それら周波数毎の電波強度測定結果に基づいて無線タグの方向を推定している。
本実施形態では、図24のような流れで方向推定処理が行われる。
この方向推定処理では、まず、第1実施形態のS32(図14)と同様に、上述した受信電力パターンP(α)[α=−60、−30、0、30、60]を設定し(S232)、そして、S34(図14)と同様に、上述した方向別の重み付けW(θ)[θ=0、30、60・・・330]を設定する(S234)。これは初期設定であり、S32は、例えば無線タグリーダに製造段階で設定し、S34は、例えば監視システムの構成装置である無線タグリーダを取り付ける際に設定する。
S234の後には、無線タグリーダ100は、コマンドを送信しながら、無線タグ400からの信号の受信に待機している(S236)。ここで、無線タグからの信号の受信があると(S236:Yes)、第1の周波数(チャンネルB、以下ch−Bとも称する)による方向探索通信処理を行う(S238)。
各周波数での方向探索通信処理(S238、S242)は図25のような流れで行われる。
方向探索通信処理の前提として無線タグ400の動作を説明すると、本実施形態では、無線タグ400側の処理が第1実施形態と同様の流れ(図16)で行われるようになっており、まず、設定された期間スリープし(S82)、スリープ後に無線タグリーダ100へ自主発信データを送信している(S84)。この自主発信データは、例えば図27(A)のような構成をなしており、ヘッダ、リーダID、タグID、コマンド長、応答コード、タグデータ、CRCなどの各データを含んでいる。なお、リーダIDは通信対象となる無線タグリーダ100の固有IDであり、タグIDは、当該データを自主発信する無線タグ400の固有IDである。これらIDはいずれも予め無線タグ400に記憶されている。また、このような無線タグ400からの自主発信は、無線タグに設定されたデフォルトの周波数(タグに設定された基準周波数)の電波によって行われる。
一方、図25に示す無線タグリーダ100の方向探索通信処理では、図26でも示されているように、まず、アレーアンテナ10の方向を全方向に設定して電波の送受信を行っており、無線タグ400から図27(A)のような自主発信データを受信したときに、応答周波数、及び応答回数を指示する指示データを含んだコマンドフレームを送信する(S250)。
このコマンドフレームは、例えば図27(B)のような構成をなしており、ヘッダ、リーダID、タグID、コマンド長、コマンド、応答周波数、応答回数、CRCなどの各データを含んでいる。なお、リーダIDはコマンドフレームを送信する当該無線タグリーダ100の固有IDであり、タグIDは、自主発信データを送信してきた無線タグ400の固有IDである。応答周波数は、図25の方向探索通信処理が行われる毎に指定されるものであり、S238の処理であれば、例えば第1の周波数(チャンネルB)が指定される。また、応答回数は、アレーアンテナ10の方向切替回数に対応させて予め設定された回数であり、本実施形態では、アレーアンテナ10が12方向に切り替えられるため、応答回数は「12回」と指定される。このような構成により、無線タグ400はアレーアンテナ10の周囲のどの方向に存在しても当該コマンドフレームにより指示された応答周波数と応答回数を取得することができる。
一方、無線タグ400は、上述のS82〜S86(図16)の処理を繰り返している最中に無線タグリーダ100の通信エリア内に入り、無線タグリーダ100から上記コマンドフレームを受信すると(S86:Yes)、図26のようにACK(肯定応答)を返信した後(図16では、図示略)、この無線タグリーダ100へ応答信号(図26に示すcH−B、回数1)を送信する(S88)。この際、無線タグ400は、上記コマンドフレームによって応答周波数及び応答回数の指示を受けているため、その後、その指示された応答回数の応答が終了するまで、S88の処理が行われる毎に、コマンドフレームで指示された応答周波数の電波を応答するように動作する。具体的には、無線タグリーダ100からS256のコマンド(後述)を受信する毎に(S90:Yes)、S88へ戻り無線タグリーダに対し指定された応答周波数の応答信号を送信する。他方、無線タグリーダ100からのコマンドを受信しなくなる場合、即ち、指定された応答回数の応答が終了する場合(S90:No)、図16の処理を終了する。なお、図16の処理は、例えば無線タグ400において短時間で実行が繰り返されるようになっている。
ここで、図25に戻り、無線タグリーダ100でのS522以降の処理の説明を続ける。S250で無線タグに対して周波数を指示し、無線タグ400が当該周波数で応答できるようになってからの無線タグリーダ100側での動作(S252〜S266)は、基本的に第1実施形態のS38〜S52(図14)と同様である。
S250の後には、先ず、推定角度θを0度に設定する(S252)。そして、図3を参照して上述したように推定角度θにアレーアンテナ10の指向性を切り替える(S254)。そして、無線タグ400へコマンドを送り、無線タグからのデータを受信する(S256)。無線タグからの受信が有った場合には(S258:Yes)、上述したアンテナの指向性を方位角θに設定した際に測定した受信電力Y(θ)として、データ受信時の受信電波強度を設定する(S260)。他方、無線タグからの受信が無かった場合には(S258:No)、受信電力Y(θ)として、予め設定されている最低値を設定する(S262)。そして、測定角度θを30度増加し(S264)、測定角度が360度以上か、即ち、0度から330度までの全角度の受信電波強度の測定が完了したかを判断し(S266)、測定が完了するまでは(S266:No)、S254の処理に戻る。測定が完了すると(S266:Yes)、当該周波数での方向探索通信処理を終了する。
ここで、図24に戻ってS238以降の処理の説明をすると、S238の後には、S238での測定結果に基づいて相関誤差を計算する(S238)。S238の相関誤差の計算処理は、図15と同様であり、まず、推定角度θを0度に設定し(S102)、誤差関数Γ(θ)を0度に設定する(S104)。最初に、アンテナの特性値に対応するアンテナの指向性に対する方位角αを−60度に設定する(S106)。そして、下式を用いて相関値(誤差)Γ(θ)を求める(S108)。
Γ(θ)=Γ(θ)+|Σ(P(α)−Y(θ−α))×W(θ))|
次に、アンテナの特性値に対応するアンテナの指向性を方位角αに30度を加え(S110)、ここでは、方位角αを30度に設定し、方位角αが60度超、即ち、−60度から60度までの算出が完了したかを判断する(S112)。ここで、60度までの算出完了までは(S112:No)、S108に戻り相関値(誤差)Γ(θ)の計算を続ける。他方、60度までの算出を完了すると(S112:Yes)、下式を用いて相関値(誤差)Γ(θ)を求める(S114)。
Γ(θ)=Γ(θ)×5/(Σ(W(θ))
そして、推定角度θに30度を加え(S116)、推定角度が330度超か、即ち、0度から330度までの全角度の推定が完了したかを判断し(S118)、推定が完了するまでは(S118:No)、S104の処理に戻る。推定が完了すると(S118:Yes)、処理を終了する。
S240の処理が終了したときには、S240で得られた相関値誤差の最小方向を、第1周波数(チャンネルB)の相関値誤差の最小方向としてメモリに記憶しておく。
S240の後には、S238と同様の方向探索通信処理を行う(S242)。S242の方向探索通信処理は、S250で送信するコマンドフレームに含まれる応答周波数がS238とは異なる第2周波数(チャンネルC)となっている点のみがS238と異なり、それ以外はS238と同様である。そして、S242の後には、S242での測定結果に基づいて相関誤差を計算する(S244)。なお、S244の処理は、S240と同様の方法で行われる。
なお、S244の処理が終了したときには、S244で得られた相関値誤差の最小方向を、第2周波数(チャンネルC)の相関値誤差の最小方向としてメモリに記憶しておく。そして、その後、両周波数で得られた相関値誤差を全て比較し、最も相関値誤差が低い方向を無線タグの方向として出力する。
本実施形態では、図24、図25の処理を実行する制御部20が「方向推定手段」の一例に相当し、無線タグ400からの無線信号を受信するためのアレーアンテナ10の指向特性を変化させながら受信した受信電力に基づき無線タグ400の方向を推定するように機能する。
また、制御部20及び指向性制御部50が「指向性切替手段」の一例に相当し、アレーアンテナ10の指向性をアレーアンテナ10の周囲の各方向に順次切り替えると共に、周波数を指示する所定コマンドを送信するように機能し、具体的には、指向性を順次切り替える切替動作を異なる周波数で複数回行うように機能する。
また、制御部20及び受信部40に設けられた図示しない電波強度測定回路が「電波測定手段」の一例に相当し、所定コマンドで指示された周波数で無線タグ400から返信される応答電波を受信すると共に、応答電波の電波強度を測定するように機能し、具体的には、周波数の異なる各切替動作毎に、応答電波の電波強度を各方向で測定するように機能する。
また、制御部20が「方向検出手段」の一例に相当し、電波強度測定手段によって測定された電波強度に基づいて無線タグ400の方向を検出するように機能し、具体的には、電波強度測定手段によって周波数毎に測定された各方向の電波強度に基づいて無線タグ400の方向を検出するように機能する。
また、本実施形態では、無線タグリーダ100のメモリ22において、基準電力パターンと、アレーアンテナ10の各方向に対する重み付けの設定値とを保持している。そして、「方向検出手段」に相当する制御部20は、アレーアンテナ10の指向性を各方向に設定して得られた各方向の電力強度(受信電力測定値)を、基準電力パターンで補間して、重み付けの設定値と併せて各方向における誤差を算出し、誤差の最小値となる方向を無線タグ400の方向としている。
(本実施形態の主な効果)
本実施形態の無線タグリーダも、指向性を複数の設定角度に切り替え可能に構成されたアレーアンテナ10と、アレーアンテナ10の指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段(制御部20及び指向性制御部50)と、アレーアンテナ10によって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段(制御部20)と、指向性切替手段がアレーアンテナ10の設定角度を1周期分(例えば360度の角度範囲分)で切り替え走査したときに、受信強度測定手段によって測定された1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段(制御部20、メモリ22)とを備えている。
更に、制御部20は、周波数を指示する所定コマンドを送信する「コマンド送信手段」として機能し、更に、制御部20は、所定コマンドで指示された周波数で無線タグから返信された応答電波の電力強度が受信強度測定手段によって測定されたときに、その測定された電力強度に基づいて無線タグの到来方位を検出する「方向検出手段」として機能している。
そして、指向性切替手段に相当する制御部20及び指向性制御部50は、指向性を順次切り替える切替動作を異なる周波数で複数回行い、受信強度測定手段に相当する制御部20は、周波数の異なる各切替動作毎に、応答電波の電力強度を各設定角度で測定している。そして、方向検出手段に相当する制御部20は、受信強度測定手段によって周波数毎に測定された各設定角度の電力強度に基づいて無線タグの到来方位を検出している。
アレーアンテナ10の指向性を切り替えながら無線タグ400の方向(到来方位)を検出する場合、電波を反射する障害物が存在する環境下では、無線タグ400から直接受信する電波に加え、障害物で反射した電波の影響が問題となり、このような複数経路(マルチパス)が生じると、無線タグ400の方向(到来方位)を正確に検出できなくなる虞がある。本実施形態では、このような問題に対し、異なる周波数の電波を用いた場合の受信環境の変化を利用して、複数経路(マルチパス)の影響が少ない受信環境を生じさせやすくすることができ、周波数毎に測定された各方向(各設定角度)の電波強度(電力強度)に基づいて無線タグ400の方向をより精度高く検出することができる。
また、本実施形態でも、各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段(メモリ22)と、各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段(メモリ22)とが設けられ、方向推定手段として機能する制御部20は、到来方位毎の前記基準電力パターンと測定された前記電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた前記重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定している。
この構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。特に、アレーアンテナ10の指向性を各方向に設定したときの電力強度(受信電力測定値)を基準電力パターンで相関を求め、誤差の最小値となる方向を無線タグ400の方向と推定するため、指向性がシャープでないアレーアンテナ10を用いて正確に無線タグ400の方向を推定できる。ここで、電力強度(受信電力測定値)に対して基準電力パターンで相関(補間)を求め、アレーアンテナ10の置かれる実際の環境に適合させるための重み付けの設定値と併せて各方向における誤差を算出するので、電波を反射する障害物が存在しても正確に無線タグ400の方向を推定できる。
[第4実施形態の第1改変例]
第4実施形態では、周波数毎に行われる図25の方向探索通信処理において、各方向の受信電波強度を1回ずつ特定していたが、例えば、S266の判断を360°に代えて、720°(2周)或いは1080°(3周)などとし、各方向の受信電波強度を複数回測定するようにしてもよい。例えば、図28の例では、S266の判断を360°に代えて1800°(5周)とした場合の検出結果の例を示しており、各周において、各方向の受信電波強度の測定結果が得られている。
この場合、S238やS242の処理後、S240や、S244の相関誤差計算に先立って、各方向の電波強度を統計処理によって求めるようにすればよい。具体的には、周波数毎にそれぞれ測定された各方向の電波強度について、方向毎に平均値を算出する平均値算出処理(統計処理)を行い、方向毎に得られた平均値算出結果(統計処理結果)を各方向それぞれの電力強度(受信電力測定値)とすればよい。例えば、角度0°の方向については、1周目に得られた電波強度Wa1、2周目に得られた電波強度Wa2、3周目に得られた電波強度Wa3、・・・N周目に得られたWaNについて平均値Waaveを求め、これを角度0°の方向の電力強度(受信電力測定値)とすればよい。或いは、角度240°の方向については、1周目に得られた電波強度Wi1、2周目に得られた電波強度Wi2、3周目に得られた電波強度Wi3、・・・N周目に得られたWiNについて平均値Wiaveを求め、これを角度240°の方向の電力強度(受信電力測定値)とすればよい。
なお、この場合、制御部20が「統計処理手段」の一例に相当し、電波強度測定手段によって周波数毎に測定された各方向の電波強度を方向毎に平均化し、方向毎に得られた平均化結果を各方向の電力強度(受信電力測定値)とするように機能する。また、方向検出手段に相当する制御部20は、統計処理手段によって得られた各方向の電力強度(受信電力測定値)に基づいて無線タグ400の方向(到来方位)を検出するように機能する。
上記第4実施形態の第1改変例によれば、各設定角度毎に統計処理を行って複数データを反映した電力強度(受信電力測定値)を求めることができ、単一のデータに起因する悪影響(ノイズ等)を抑えた信頼性の高い電力強度を用いやすくなる。
なお、第4実施形態の第1改変例では、各方向毎の統計処理として、方向毎に得られた電波強度について方向毎に平均値を算出する処理を例示し、その平均値を電力強度(受信電力測定値)としているが、このような例に限られない。例えば、方向毎に得られた電波強度のメジアンやモードを各方向の電力強度とするような統計処理であってもよく、集合の代表値を決定する公知の他の統計処理を用いてもよい。
[第4実施形態の第2改変例]
第4実施形態では、それぞれの周波数にしたときに得られた測定結果に基づいて各周波数毎に独立して相関値誤差を算出し、相関値誤差の最小となる設定角度の方向を無線タグの方向(到来方位)としたが、全ての周波数の測定結果に基づいて各方向毎に統計処理を行い、それら各方向毎の統計処理結果を各方向の受信電力測定値として相関値誤差を求めるようにしてもよい。例えば、全ての周波数での各方向の電波強度測定結果について、方向毎に平均値を算出する平均値算出処理(統計処理)を行い、方向毎に得られた平均値算出結果(統計処理結果)を各方向それぞれの受信電力測定値とすればよい。この場合、得られた各方向の受信電力測定値に基づいて、第1実施形態と同様に無線タグ方向を決定すればよい(図14のS100、S54参照)。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
なお、第5実施形態は、代表例及びいずれの変更例についても、無線タグリーダが配置される環境及び重み付けの設定方法が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって第1実施形態と同様の部分については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第1実施形態と同様の構成については、適宜、図1〜図18を参照して説明することとする。
(代表例)
図29(A)は、第5実施形態の無線タグリーダが隣接壁及び遮蔽壁に囲まれる環境に設けられ、この無線タグリーダによって無線タグの方向を推定する例を説明する説明図である。図29(B)は、開放空間側から進入する無線タグから送信される直接の電波の向きと、この電波が遮蔽壁で反射したときの反射波の向きとを説明する説明図である。図30(A)は、図29の環境において、最大電力法によって方向を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図30(B)は、図29の環境において、方向毎の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図30(C)は、図29の環境において、方向毎に重み付けを設定して電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフである。
第5実施形態に係る無線タグリーダ100も、無線タグ400からの無線信号を受信可能に構成され、指向性を複数の方向(設定角度)に切り替え可能に構成されたアレーアンテナ10を備えている。そして、第1実施形態と同様に、図2に示す制御部20、指向性制御部50、によって「指向性切替手段」が構成されており、これらにより、第1実施形態と同様の方法でアレーアンテナ10の指向性を当該アレーアンテナ10の周囲の複数の方向(設定角度)に切り替えている。なお、以下の説明でも、第1実施形態と同様にアレーアンテナ10の指向性を30°毎に12段階に切り替える構成を例示するが、これよりも角度幅を小さくして段階数を多くしてもよく、角度幅を大きくして段回数を少なくしてもよい。
また、本実施形態でも、図2に示す制御部20、メモリ22、指向性制御部50によって「方向推定手段」が構成されており、アレーアンテナ10の指向性を各方向(設定角度)に切り替えたときの各電力強度によって得られる測定パターンと、各到来方位(各設定角度)に対応して定められた基準電力パターンとのそれぞれの誤差を、各方向毎(各設定角度毎)に設定された重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる方向を無線タグの方向と推定している。
なお、本実施形態でも、メモリ22がパターン記憶手段の一例に相当し、アレーアンテナ10の指向性を切り替え可能な各方向に対応して定められた基準電力パターンをそれぞれ記憶するように機能する。また、制御部20、メモリ22が重み付け設定手段の一例に相当し、アレーアンテナ10の各方向(各設定角度)に対する重み付けの設定値をそれぞれ設定するように機能する。
次に、本実施形態の特徴について詳述する。
図29(A)に示すように、本実施形態に係る無線タグリーダ100では、部分的に設置物によって囲まれた通路空間ARが通信エリアとなるようにこの通路空間AR内にアレーアンテナ10が配置されている。具体的には、住宅の外壁等からなる所定の隣接壁Hと当該隣接壁Hに対して交差する方向(図29(A)では直交する方向)に延びる遮蔽壁Maとによって囲まれ且つ遮蔽壁Maと対向する側が開放するように通路空間ARが構成されており、この通路空間AR内において、隣接壁H寄りの位置にアレーアンテナ10が配置されている。そして、この無線タグリーダ100では、遮蔽壁Maの位置が通信エリア(アレーアンテナ10と通信可能となるエリア)に含まれるようにアレーアンテナ10からの通信エリアが設定されている。遮蔽壁Maは、電波を反射し得る物体であり、例えば金属材料を主体とする壁部やドア部、或いは、鉄筋などを内蔵するコンクリートやセラミックなどを主体とする壁部などが該当する。
上記構成では、図29(B)のように、遮蔽壁Maと対向する側(開放空間側)から無線タグ400が進入したときに(即ち、無線タグ400を所持する者が当該開放空間側から進入したときに)、アレーアンテナ10には、無線タグ400からの直接の電波(符号F1参照)だけでなく、この電波が遮蔽壁Maにて反射した反射波(符号F2参照)も入り込むことになる。そこで、本実施形態では、このような反射波の影響を抑えるように重み付けを設定し、反射波の方向が無線タグの方向(到来方位)と推定されないようにしている。
アレーアンテナ10では、所定の基準方向を基準設定角度(角度0°)としており、この方向(基準設定角度)を基準として遮蔽壁Maが存在する角度範囲の重み付けを、当該角度範囲以外の重み付けよりも低く設定している。図29では、隣接壁Hの壁面と直交する方向であって且つ隣接壁H側に向かう方向を基準設定角度(角度0°)としており、この基準設定角度から反時計回りに角度が240°増加したときの当該方向(240°の設定角度)と、基準方向(基準設定角度)から角度が270°増加したときの当該方向(270°の設定角度)の間に遮蔽壁Maが配置されている。そして、この角度範囲(240°〜270°の範囲)の重み付けを、少なくとも設置物に囲まれない角度範囲(略90°から240°未満の範囲)の重み付けよりも低く設定している。また、遮蔽壁Maの角度範囲(240°〜270°の範囲)の重み付けは、隣接壁Hによって囲まれる角度範囲(0°〜略90°の範囲、又は270°を超える範囲)の重み付けよりも低く設定している。そして、このように各角度に対して重みを定めた上で、第1実施形態と同様の方法で、誤差(相関値)を算出し、無線タグ400の方向(到来方位)を推定している。
例えば、図29のような構成における重み付けの設定例としては、遮蔽壁Maの角度範囲(240°以上且つ270°以下)の範囲)の重みを0.5とし、これ以外の角度範囲(0°以上であって240°未満の範囲、又は270°より大きく360°より小さい範囲)の重みを1.0とするような重み付けとすることができる。
図30(A)〜(C)では、このように重み付けを行って方向(到来方位)を推定した場合の実験結果を他の方法の実験結果と比較して示しており、いずれの図も、図29の環境において、時間経過に応じて無線タグ400の方向(到来方位)が実線のように変化した場合の短時間毎(1回毎)の方向推定結果(各回で推定された方向)を示している。このうち、図30(A)は、各回毎に受信電力が最大となる方向(設定角度)をタグ方向として推定する方法(最大電力法)による方向推定結果(実験結果)を示している。また、図30(B)は、図29の環境において重み付けを全て一律(1.0)として第1実施形態と同様の方法で方向(到来方位)を推定した場合の方向推定結果(実験結果)を示しており、図30(C)は、上述の重み付け(240°以上且つ270°以下の範囲の重みを0.5とし、それ以外の重みを1.0とするような重み付け)を行った上で第1実施形態と同様の方法で方向(到来方位)を推定した場合の実験結果を示している。
図30(C)のグラフを図30(A)(B)と比較しても明らかなように、遮蔽壁Maの方向(設定角度)に対して上述の重み付けを行うことで、各回で推定される方向が無線タグ40の実際の方向(実線で示される無線タグの実際の位置)と一致又は近似する回数が格段に多くなり、反射波の方向をタグ方向と推定するようなノイズが格段に少なくなる。従って、最大電力法での推定結果と比較した場合は勿論のこと、重み付けを行わずに電力相関パターン法で推定した推定結果(図30(B)参照)と比較しても反射波を誤検出しにくくすることができる。
なお、本実施形態でも、制御部20、メモリ22が設定手段の一例に相当し、「指向性切替手段」によりアレーアンテナ10の指向性を切り替え可能な各方向(各設定角度)の内、当該アレーアンテナ10から遮蔽壁Maに向かう方向の重み付けを、遮蔽壁Maと対向する側に構成される開放空間に向かう方向の重み付けよりも小さく設定している。
なお、重み付けの設定方法としては、例えば、ユーザが図示しない操作部を用いて各方向(各設定角度)の重み付けのデータを入力したときに、制御部20がこのデータをメモリ22に記憶するような設定方法であってもよい。或いは、無線タグリーダ100の下部に近接する位置に、水平方向にレーザ光を走査するレーザセンサ200を、ほぼ同じ軸上に存在するように配置し、このレーザセンサ200によって隣接壁H以外の範囲を検出エリアとして基準方向に対する遮蔽壁Maの方向を求めるようにしてもよい。この場合、レーザセンサ200が検出した遮蔽壁Maの方向(角度範囲)のデータを無線タグリーダ100が取得できるように構成し、無線タグリーダ100がこの取得したデータに基づいて遮蔽壁Maの方向(角度範囲)の重みを他の方向よりも低くするように自動的に重み付けを設定・記憶するように構成すればよい。
このとき、無線タグリーダとレーザセンサとは、ほぼ同じ軸上に存在するため、レーザセンサの角度と無線タグリーダの角度がほぼ一致することになる。
(変更例1)
次に、図29の構成に対して一部を変更した変更例1について説明する。
図31は、図29とは異なる環境に設けられた無線タグリーダによって無線タグの方向を推定する例を説明する説明図である。図32(A)は、図31の環境において、方向毎の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図32(B)は、図31の環境において、方向毎に重み付けを設定した上で第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフである。
図31に示すように、変更例1に係る無線タグリーダ100でも、部分的に設置物によって囲まれた通路空間ARが通信エリアとなるようにこの通路空間AR内にアレーアンテナ10が配置されている。具体的には、住宅の外壁等からなる所定の隣接壁Hと当該隣接壁Hに対して交差する方向(図31では直交する方向)に延びる遮蔽壁Maとによって囲まれ且つ遮蔽壁Maと対向する側が開放するように通路空間ARが構成されており、この通路空間AR内において、隣接壁H寄りの位置にアレーアンテナ10が配置されている。そして、この無線タグリーダ100でも、遮蔽壁Maの位置が通信エリア(アレーアンテナ10と通信可能となるエリア)に含まれるようにアレーアンテナ10からの通信エリアが設定されている。なお、図31の構成で用いられる遮蔽壁Maは、材質については図29と同様であり長さのみが図29の例と異なっている。
図31の例でも、隣接壁Hの壁面と直交する方向であって且つ隣接壁H側に向かう方向を基準設定角度(角度0°)としており、この基準設定角度(基準方向)から反時計回りに角度が220°増加したときの当該方向(220°の設定角度)から、基準方向から角度が270°増加したときの当該方向(270°の設定角度)までの間に遮蔽壁Maが配置されている。そして、図31の無線タグリーダ100では、この角度範囲(220°〜270°の範囲)の重み付けを、少なくとも設置物に囲まれない角度範囲(略90°から220°未満の範囲)の重み付けよりも低く設定している。また、遮蔽壁Maの角度範囲(220°〜270°の範囲)の重み付けは、隣接壁Hによって囲まれる角度範囲(0°〜略90°の範囲、又は270°を超える範囲)の重み付けよりも低く設定している。そして、このように各角度に対して重みを定めた上で、第1実施形態と同様の方法で、誤差(相関値)を算出し、無線タグ400の方向(到来方位)を推定している。
図31のような構成でも、例えば、遮蔽壁Maの角度範囲(220°以上且つ270°以下)の範囲)の重みを0.5とし、これ以外の角度範囲(0°以上であって220°未満の範囲、又は270°より大きく360°より小さい範囲)の重みを1.0とするような重み付けとすることができる。
図32(A)(B)では、このように重み付けを行って方向を推定した場合の実験結果を他の方法の実験結果と比較して示しており、いずれの図も、図31の環境において、時間経過に応じて無線タグ400の方向(到来方位)が実線のように変化した場合の短時間毎(1回毎)の方向推定結果(各回で推定された方向)を示している。このうち、図32(A)は、図31の環境において重み付けを全て一律(1.0)として第1実施形態と同様の方法で方向を推定した場合の方向推定結果(実験結果)を示しており、図32(B)は、上述の重み付け(220°以上且つ270°以下の範囲の重みを0.5とし、それ以外の重みを1.0とするような重み付け)を行った上で第1実施形態と同様の方法で方向を推定した場合の実験結果を示している。
図32(B)のグラフを図32(A)と比較しても明らかなように、図31の環境でも、遮蔽壁Maの方向に対して上述の重み付けを行うことで、各回で推定される方向が無線タグ40の実際の方向(実線で示される無線タグの実際の位置)と一致又は近似する回数が格段に多くなり、反射波の方向をタグ方向と推定するようなノイズが格段に少なくなる。従って、重み付けを行わずに電力相関パターン法で推定した推定結果(図31(A)参照)と比較しても反射波を誤検出しにくくすることができる。
(変更例2)
次に、図29、図31の構成に対して一部を変更した変更例2について説明する。
図33は、図29、図31とは異なる環境に設けられた無線タグリーダによって無線タグの方向を推定する例を説明する説明図である。図34(A)は、図33の環境において、方向毎の重み付けを設定せずに電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフであり、図32(B)は、図31の環境において、方向毎に重み付けを設定した上で第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向を推定した場合の推定結果を示すグラフである。
図33に示すように、変更例2に係る無線タグリーダ100でも、部分的に設置物によって囲まれた通路空間ARが通信エリアとなるようにこの通路空間AR内にアレーアンテナ10が配置されている。具体的には、住宅の外壁等からなる所定の隣接壁Hと当該隣接壁Hに対して交差する方向(図33では直交する方向)に延びる遮蔽壁Maとによって囲まれ且つ遮蔽壁Maと対向する側が開放するように通路空間ARが構成されており、この通路空間AR内において、隣接壁H寄りの位置にアレーアンテナ10が配置されている。そして、この無線タグリーダ100でも、遮蔽壁Maの位置が通信エリア(アレーアンテナ10と通信可能となるエリア)に含まれるようにアレーアンテナ10からの通信エリアが設定されている。なお、図33の構成で用いられる遮蔽壁Maは、材質については図29と同様であり長さのみが図29の例と異なっている。
図33の例でも、隣接壁Hの壁面と直交する方向であって且つ隣接壁H側に向かう方向を基準設定角度(角度0°)としており、この基準設定角度(基準方向)から反時計回りに角度が200°増加したときの当該方向(200°の設定角度)から、基準方向から角度が270°増加したときの当該方向(270°の設定角度)までの間に遮蔽壁Maが配置されている。そして、図31の無線タグリーダ100では、この角度範囲(200°〜270°の範囲)の重み付けを、少なくとも設置物に囲まれない角度範囲(略90°から220°未満の範囲)の重み付けよりも低く設定している。また、遮蔽壁Maの角度範囲(220°〜270°の範囲)の重み付けは、隣接壁Hによって囲まれる角度範囲(0°〜略90°の範囲、又は270°を超える範囲)の重み付けよりも低く設定している。そして、このように各角度に対して重みを定めた上で、第1実施形態と同様の方法で、誤差(相関値)を算出し、無線タグ400の方向(到来方位)を推定している。
図33のような構成でも、例えば、遮蔽壁Maの角度範囲(200°以上且つ270°以下)の範囲)の重みを0.5とし、これ以外の角度範囲(0°以上であって220°未満の範囲、又は270°より大きく360°より小さい範囲)の重みを1.0とするような重み付けとすることができる。
図34(A)(B)では、このように重み付けを行って方向(到来方位)を推定した場合の実験結果を他の方法の実験結果と比較して示しており、いずれの図も、図33の環境において、時間経過に応じて無線タグ400の方向が実線のように変化した場合の短時間毎(1回毎)の方向推定結果(各回で推定された方向)を示している。このうち、図34(A)は、図33の環境において重み付けを全て一律(1.0)として第1実施形態と同様の方法で方向を推定した場合の方向推定結果(実験結果)を示しており、図34(B)は、上述の重み付け(200°以上且つ270°以下の範囲の重みを0.5とし、それ以外の重みを1.0とするような重み付け)を行った上で第1実施形態と同様の方法で方向を推定した場合の実験結果を示している。
図34(B)のグラフを図34(A)と比較しても明らかなように、図33の環境でも、遮蔽壁Maの方向に対して上述の重み付けを行うことで、各回で推定される方向が無線タグ40の実際の方向(実線で示される無線タグの実際の位置)と一致又は近似する回数が格段に多くなり、反射波の方向をタグ方向と推定するようなノイズが格段に少なくなる。従って、重み付けを行わずに電力相関パターン法で推定した推定結果(図34(A)参照)と比較しても反射波を誤検出しにくくすることができる。
(重み付けを変更した場合の実験結果)
図35は、図29の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向を推定した場合の、遮蔽壁の方向の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。図36は、図31の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向を推定した場合の、遮蔽壁の方向の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。図37は、図33の環境において第1実施形態と同様の電力相関パターン法で方向を推定した場合の、遮蔽壁の方向の重みと平均誤差及び異常値出現率との関係を示すグラフである。
図35は、図29の環境において遮蔽壁の方向の重み付けを様々な値とした場合の実験結果を基に、各重み付けで得られた実験結果についての平均誤差及び異常値出現率を算出した結果を示すものである。この例では、重み付けを0〜1.0まで0.1ずつ変更し、各重み付けでの実験において図30(C)と同様の実験結果を取得したときの各実験結果での平均誤差及び異常値出現率を示している。
「平均誤差」は、各重み付けでの実験結果において、データを採取した各回毎に推定方向と実際の位置との誤差を求め、全期間(全回)で得られた誤差を平均化した値である。例えば、重み付けが0.5の場合、図30(C)のような実験結果に基づいて各回毎(方向(到来方位)を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求め、全期間(全回)で得られたこれら誤差の平均値を「重み付け0.5のときの平均誤差」としている。なお、図30(C)の実験結果では、M回目で推定された方向(到来方位)をFmとし、N回目で推定された方向(到来方位)をFnとしている。そして、M回目のときの推定方向(Fm)と実際の位置との誤差をAmで示し、N回目のときの推定方向(Fn)と実際の位置との誤差をAnで示している。「平均誤差」はこれらAm、An等の値を全て加算し、全回数で割った値としている。
また、「異常値出現率」は、各重み付けでの実験結果において、データを採取した各回毎に推定方向と実際の位置との誤差を求めたときに、誤差90°以上となる回が全期間(全回)においてどの程度の割合で出現したかを示すものである。例えば、重み付けが0.5の場合、図30(C)のような実験結果に基づいて各回毎(方向を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求めると共に、その中で誤差が90°以上となった回数を求め、その回数(誤差が90°以上となった回数)が期間(全回数)に占める割合を「重み付け0.5のときの異常値出現率」としている。図30(C)では、例えばM回目の誤差Amが90°を超えており、推定方向がこのような結果となった回数をカウントし、全回数で割ることで異常値出現率を求めることができる。
図29の環境において遮蔽壁Maの方向の重み付けを各値に設定して実験を行った場合、図35に示すように、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)よりも低くしたときには平均誤差及び異常値出現率を共に低下させ得ることが判明した。特に、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)の0%〜80%に設定した場合には、平均誤差及び異常値出現率が顕著に低下することが判明した。
また、図36では、図31の環境において遮蔽壁Maの方向の重み付けを様々な値とした場合の実験結果を基に、各重み付けで得られた実験結果についての平均誤差及び異常値出現率を算出した結果を示すものである。この例でも、重み付けを0〜1.0まで0.1ずつ変更し、それぞれの重み付けにおいて図32(B)と同様の実験結果を取得したときの各実験結果での平均誤差及び異常値出現率を示している。なお、各重み付けのときの平均誤差及び異常値出現率の求め方は図35の場合と同様であり、例えば、重み付けが0.5の場合、図32(B)のような実験結果に基づいて各回毎(方向を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求め、全期間(全回)で得られたこれら誤差の平均値を「重み付け0.5のときの平均誤差」としている。また、重み付けが0.5の場合、図32(B)のような実験結果に基づいて各回毎(方向を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求めたときに、全期間(全回数)に占める「誤差90°以上となる回数」の割合を「重み付け0.5のときの異常値出現率」としている。
図36の実験結果でも明らかなように、図31のような構成でも、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)よりも低くしたときに平均誤差及び異常値出現率を共に低下させ得ることが判明した。特に、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)の0%〜80%に設定した場合には、平均誤差及び異常値出現率が顕著に低下することが判明した。
また、図37では、図33の環境において遮蔽壁Maの方向の重み付けを様々な値とした場合の実験結果を基に、各重み付けで得られた実験結果についての平均誤差及び異常値出現率を算出した結果を示すものである。この例でも、重み付けを0〜1.0まで0.1ずつ変更し、それぞれの重み付けにおいて図34(B)と同様の実験結果を取得したときの各実験結果での平均誤差及び異常値出現率を示している。なお、各重み付けのときの平均誤差及び異常値出現率の求め方は図35の場合と同様であり、例えば、重み付けが0.5の場合、図34(B)のような実験結果に基づいて各回毎(方向を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求め、全期間(全回)で得られたこれら誤差の平均値を「重み付け0.5のときの平均誤差」としている。また、重み付けが0.5の場合、図34(B)のような実験結果に基づいて各回毎(方向を推定する各時間毎)に推定方向と実際の方向(無線タグの実際の位置)との誤差を求めたときに、全期間(全回数)に占める「誤差90°以上となる回数」の割合を「重み付け0.5のときの異常値出現率」としている。
図37の実験結果でも明らかなように、図33のような構成でも、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)よりも低くしたときに、平均誤差及び異常値出現率を共に低下させ得ることが判明した。特に、遮蔽壁Maの方向の重みを他の方向の重み(1.0)の0%〜80%に設定した場合には、平均誤差及び異常値出現率が顕著に低下することが判明した。
(重み付けによる補正の方法について)
図38は、図29(A)のような環境において、無線タグが135°の方向に存在する場合の実際の測定パターンと、135°用に用意された基準パターンと、これら測定パターンと基準パターンとを対比した場合の角度毎の誤差を求めた結果を示すものである。なお、図38で示す誤差は角度毎の重み付けをしていないものである。本実施形態では、遮蔽壁Maが存在する角度の重みを他の角度の重みよりも低くするように重み付けをする場合、上記のように角度毎に得られた各誤差に対し、対応する角度の重み付けを掛け合わせ、角度毎に得られた掛け合わせ結果(乗算値)の総和を最終的なマッチング誤差(相関値)とする手法を用いることができる。このようにすると、図38(A)の矢印に示すように、重みが低く設定された角度範囲の誤差をより大きく低減させることができる。従って、重み付けの補正を行わない場合と比較して、測定パターンを適切な基準パターン(即ち、実際の無線タグの方向に近い方向の基準パターン)と対比したときのマッチング誤差(相関値)を極めて小さくすることができ、実際の角度を把握しやすくなる。なお、図38(B)のグラフは、このような手法でマッチング誤差(相関値)を求めたときの効果を示すものであり、図38(A)のような測定パターンが得られたときに、角度毎に用意された基準パターンとそれぞれ対比して上述の方法でマッチング誤差(相関値)を求めた場合の実験結果を示すものである。このグラフでは、遮蔽壁Maの範囲の重みを0.5とした場合をPc、遮蔽壁Maの範囲の重みを0とした場合をPd、重み付けをしない場合をPeで示している。重み付けを0.5とした場合のPcも、重み付けを0とした場合のPdも実際の角度(135°)に対応する基準パターンと対比したときのマッチング誤差が最も誤差が少なくなっており、この角度付近のマッチング誤差の角度変化が急峻となっている。角度変化が急峻ということは、間違った方位に誤判定することが発生しにくく、実際の方向を得やすいことを示している。
なお、図39は、上記方法と比較する対比例である。図39(A)は、図29(A)のような環境において、無線タグが135°の方向に存在する場合の実際の測定パターンにおいて、各角度の測定値(角度毎の電力強度)に対し対応する角度の重み付けを掛け合わせる場合を示している。例えば、遮蔽壁Maの範囲が240°〜270°であり、この範囲の重み付けのみが他の範囲よりも低い場合、この範囲の測定値を低減させるように補正している。図39(B)では、図39(A)のように得られた測定パターンに対し、遮蔽壁Maの範囲の補正量−3dBとした場合(即ち、測定パターンにおいて240°〜270°の範囲の測定値に−3dBの補正をした上でマッチング誤差を算出した場合)をPf、遮蔽壁Maの範囲の補正量を−6dBとした場合をPg、上記のような補正をしない場合をPhで示している。この場合でも、補正量をある程度大きくすることで、実際の位置(135°)を検出することができる。但し、実際の角度(135°)付近におけるマッチング誤差の角度変化は図38(B)の方法のほうが急峻となるため、図38(B)で説明した方法を用いた方が実際の方向を検出しやすくなる。
(本実施形態の主な効果)
この構成では、隣接壁H及び遮蔽壁Maに囲まれるような通路空間AR内で無線タグ400を検出する場合において、特に、無線タグ400の所持者が遮蔽壁Maの反対側(開放空間側)からアレーアンテナ10側に近づこうとするときに、この無線タグ400の電波が遮蔽壁で反射して生じる反射波の重みを相対的に小さくし、無線タグ400からの直接の電波の重みを相対的に大きくした上で、実測した測定パターンと各方向の基準電力パターンとの誤差を算出することができる。従って、無線タグ400の所持者が遮蔽壁Maの反対側からアレーアンテナ側に近づこうとするときに、反射波の方向(即ち遮蔽壁Maの方向)に対応した基準電力パターンと実測した測定パターンとの誤差が小さくなってしまうような事態が生じ難く、正規のタグ方向とは全く異なる遮蔽壁側をタグ方向と推定するといった大きな角度誤差が生じにくくなる。
(他の実施形態)
第5実施形態では、設置物として隣接壁H及び遮蔽壁Maが設けられ、少なくとも遮蔽壁Maの方向の重み付けを他の方向よりも低く設定する例を示したが、遮蔽壁Maの方向だけでなく、隣接壁Hの方向の重み付けも低く設定した上で、第1、第5実施形態と同様の誤差算出、方向推定を行ってもよい。
第5実施形態では、設置物として隣接壁H及び遮蔽壁Maが設けられた例を示したが、図40のように、隣接壁Maと対向するような壁部(対向壁Mb)が存在するような環境下で無線タグリーダを使用してもよい。図40では、通路空間ARを囲むように隣接壁H,遮蔽壁Ma、及び対向壁Mb(隣接壁Hと対向する壁部)が設けられた例を示している。このような環境で用いられる場合、遮蔽壁Maの方向(図40では、240°〜270°の設定角度)の重み付けだけでなく、対向壁Mbの方向(図40では、160°〜180°の設定角度)の重み付けもこれら設置物以外の方向(即ち、遮蔽壁Ma、隣接壁Mbの方向以外の方向)の重み付けよりも低く設定した上で第1、第5実施形態と同様の誤差算出、方向推定を行うようにしてもよい。これにより、遮蔽壁Maの方向の反射光だけでなく、対向壁Mbの方向の反射光も誤検出し難くなる。この場合、遮蔽壁Maの方向(図40では、240°〜270°の設定角度)の重み付けを、隣接壁の方向(設定角度)の重み付けや対向壁の方向(設定角度)の重み付けよりも低く設定することが望ましい。
10 アレーアンテナ
10−0 励振素子
10−1〜10−6 非励振素子
12−1〜12−6 可変リアクタンス回路
20 制御部(方向推定手段、指向性切替手段、受信強度測定手段、重み付け設定手段、コマンド送信手段、設定値調整手段)
22 メモリ(方向推定手段、パターン記憶手段、重み付け設定手段)
50 指向性制御部(指向性切替手段)
52 リアクタンス値制御装置
100 無線タグリーダ
200 レーザセンサ
300 コントローラ
400 無線タグ
H1 隣接壁(設置物)
Ma 遮蔽壁(設置物)
AR 通路空間

Claims (15)

  1. 無線タグの電波を受信し、その到来方位を推定する無線タグリーダであって、
    指向性を複数の設定角度に切り替え可能に構成されたアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナの指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段と、
    前記アレーアンテナによって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段と、
    前記指向性切替手段が前記アレーアンテナの設定角度を1周期分切り替え走査したときに、前記受信強度測定手段によって測定された1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段と、
    を備え、
    前記方向推定手段は、
    各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段と、
    各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段と、
    を備え、
    到来方位毎の前記基準電力パターンと測定された前記電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた前記重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定することを特徴とする無線タグリーダ。
  2. 無線タグの電波を受信し、その到来方位を推定する無線タグリーダであって、
    指向性を複数の設定角度に切り替え可能に構成されたアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナの指向性を複数の設定角度に順次切り替える指向性切替手段と、
    前記アレーアンテナによって受信した電力強度を測定する受信強度測定手段と、
    前記指向性切替手段が前記アレーアンテナの設定角度を1周期分切り替え走査したときに、前記受信強度測定手段によって測定された前記1周期分の設定角度毎の電力強度である電力強度パターンに基づいて到来方位を推定する方向推定手段と、
    を備え、
    前記方向推定手段は、
    周波数を指示する所定コマンドを送信するコマンド送信手段と、
    前記所定コマンドで指示された周波数で前記無線タグから返信された応答電波の電力強度が前記受信強度測定手段によって測定されたときに、その測定された前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出する方向検出手段と、
    を備え、
    前記指向性切替手段は、指向性を順次切り替える切替動作を異なる周波数で複数回行い、
    前記受信強度測定手段は、周波数の異なる各切替動作毎に、前記応答電波の電力強度を各設定角度で測定しており、
    前記方向検出手段は、前記受信強度測定手段によって周波数毎に測定された各設定角度の前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出することを特徴とする無線タグリーダ。
  3. 前記方向検出手段は、
    前記受信強度測定手段によって周波数毎にそれぞれ測定された前記各設定角度の前記電力強度を設定角度毎に統計処理を行い、設定角度毎に得られた統計処理結果を前記各設定角度それぞれの電力強度とする統計処理手段を備え、
    前記統計処理手段によって得られた前記各設定角度の前記電力強度に基づいて前記無線タグの到来方位を検出することを特徴とする請求項2に記載の無線タグリーダ。
  4. 前記統計処理手段は、前記受信強度測定手段によって周波数毎に測定された前記各設定角度の前記電力強度を設定角度毎に平均化し、設定角度毎に得られた平均化結果を前記各設定角度の前記電力強度とすることを特徴とする請求項3に記載の無線タグリーダ。
  5. 前記方向推定手段は、
    各到来方位から電波が届いた際の基準となる電力強度パターンを示す基準電力パターンを、到来方位毎にそれぞれ記憶するパターン記憶手段と、
    各設定角度に対応付けて重み付けの設定値をそれぞれ設定する重み付け設定手段と、
    到来方位毎の前記基準電力パターンと測定された前記電力強度パターンとを対比したときの設定角度毎の誤差を、各設定角度に対応付けられた前記重み付けの設定値をそれぞれ反映して求め、誤差が最小となる設定角度に対応する方位を無線タグの到来方位と推定することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の無線タグリーダ。
  6. 前記アレーアンテナは、1つの励振素子と、前記励振素子から所定間隔離れて設けられた複数の非励振素子と、前記複数の非励振素子にそれぞれ接続された可変リアクタンス素子とを備え、前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることで、指向性の設定角度を360度/N(但し、Nは自然数)毎に切替え可能とされており、
    前記重み付け設定手段で設定される前記重み付けの設定値は、360度/N度毎に設定され、前記アレーアンテナに対して電波を反射する障害物の存在している角度に相関する値とされていることを特徴とする請求項1又は請求項5の無線タグリーダ。
  7. 前記重み付け設定手段で設定される前記重み付けの設定値は、前記アレーアンテナに対して電波を反射する障害物の前記アレーアンテナまでの距離、又は、該障害物の材質の少なくとも一方に相関する値とされていることを特徴とする請求項6の無線タグリーダ。
  8. 前記方向推定手段は、前記誤差の最小値を求めるため、各設定角度の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、特定の誤差値で、前記誤差関数に対して横軸に平行な線を引き、該線と前記誤差関数との交点をつなぐ線分の半分の位置における角度を、前記誤差の最小値となる無線タグの到来方位と推定することを特徴とする請求項1、5〜7のいずれか一項に記載の無線タグリーダ。
  9. 前記電力強度を測定する設定角度は360度/N毎であり、
    前記特定の誤差値は、前記誤差関数の誤差最小のピークから、360度/N毎の設定角度で2つ分離れた値の内で、誤差の低い側の値であることを特徴とする請求項8に記載の無線タグリーダ。
  10. 前記方向推定手段は、前記誤差の最小値を求めるため、各設定角度の誤差値を補間した横軸を角度・縦軸を誤差値とする誤差関数に対して、誤差が最小となるピーク値の両隣の値の内、誤差の小さい方の値と、該誤差の小さい方の隣であって、誤差の大きかった方の反対側の隣の値とをつないだ線分を延長させ、次に、該誤差の大きかった方の値と、該誤差の大きかった方への隣の値とをつないだ線分を延長させ、両線分の交点を、前記誤差の最小値となる無線タグの到来方位と推定することを特徴とする請求項1、5〜7のいずれか一項に記載の無線タグリーダ。
  11. 前記アレーアンテナが、部分的に設置物によって囲まれると共に前記設置物の領域外が開放してなる空間内に配置された場合に、
    前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記設置物に向かう設定角度の重み付けが、前記設置物の領域外の開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されることを特徴とする請求項1、5〜10のいずれか一項に記載の無線タグリーダ。
  12. 前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と当該隣接壁と対向する対向壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、
    前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記隣接壁に向かう設定角度又は前記対向壁に向かう設定角度の重み付けが、前記隣接壁及び前記対向壁が配置されない開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されることを特徴とする請求項1、5〜11のいずれか一項に記載の無線タグリーダ。
  13. 前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と当該隣接壁に対して交差する方向に延びる遮蔽壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、
    前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記隣接壁に向かう設定角度又は前記遮蔽壁に向かう設定角度の重み付けが、前記遮蔽壁と対向する側に構成される開放空間に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されることを特徴とする請求項1、5〜11に記載の無線タグリーダ。
  14. 前記アレーアンテナが、所定の隣接壁と、当該隣接壁と対向する対向壁と、当該隣接壁に対して交差する方向に延びる遮蔽壁とによって囲まれる空間内において前記隣接壁寄りに配置された場合に、
    前記重み付け設定手段において、前記指向性切替手段により前記アレーアンテナの指向性を切り替え可能な各設定角度の内、当該アレーアンテナから前記遮蔽壁に向かう設定角度の重み付けが、前記遮蔽壁と対向する側に構成される開放空間に向かう設定角度、前記隣接壁に向かう設定角度、及び前記対向壁に向かう設定角度の重み付けよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1、5〜11に記載の無線タグリーダ。
  15. 請求項1、5〜14のいずれか一項に記載の無線タグリーダを用いた監視システムであって、
    監視領域内の物体の距離と方向とを測定するレーザセンサと、
    レーザセンサで検出された物体の距離と方向に応じて、前記重み付けの設定値を調整する重み付けの設定値調整手段と、を備える監視システム。
JP2011064146A 2010-03-23 2011-03-23 無線タグリーダ、監視システム Active JP5541207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064146A JP5541207B2 (ja) 2010-03-23 2011-03-23 無線タグリーダ、監視システム

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010066253 2010-03-23
JP2010066253 2010-03-23
JP2010212421 2010-09-22
JP2010212421 2010-09-22
JP2011064146A JP5541207B2 (ja) 2010-03-23 2011-03-23 無線タグリーダ、監視システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012090254A true JP2012090254A (ja) 2012-05-10
JP5541207B2 JP5541207B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=46261348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011064146A Active JP5541207B2 (ja) 2010-03-23 2011-03-23 無線タグリーダ、監視システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5541207B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012215559A (ja) * 2011-03-28 2012-11-08 Denso Wave Inc 方向探知装置
JP2014235044A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社Nttドコモ 無線タグ捜索方法およびその装置
JP2017142255A (ja) * 2017-03-27 2017-08-17 株式会社Nttドコモ 無線タグ捜索方法およびその装置
CN111079874A (zh) * 2019-12-16 2020-04-28 北京计算机技术及应用研究所 一种基于rfid技术的模块化标签定位系统及方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004085363A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Omron Corp 侵入物体検出装置及びその設定装置、設定方法、並びにその設定確認方法
JP2004257820A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Advanced Telecommunication Research Institute International 電波到来方向探知方法及び装置
JP2006010345A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Omron Corp タグ通信装置、タグ通信装置の制御方法、タグ通信制御プログラム、および、タグ通信管理システム。
JP2008008887A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Sony Corp 信号到来角決定方法及び信号到来角決定装置、並びに信号の到来角を決定するためのシステム
JP2008045953A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Brother Ind Ltd 方向検出装置
JP2008045954A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Brother Ind Ltd 方向検出装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004085363A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Omron Corp 侵入物体検出装置及びその設定装置、設定方法、並びにその設定確認方法
JP2004257820A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Advanced Telecommunication Research Institute International 電波到来方向探知方法及び装置
JP2006010345A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Omron Corp タグ通信装置、タグ通信装置の制御方法、タグ通信制御プログラム、および、タグ通信管理システム。
JP2008008887A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Sony Corp 信号到来角決定方法及び信号到来角決定装置、並びに信号の到来角を決定するためのシステム
JP2008045953A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Brother Ind Ltd 方向検出装置
JP2008045954A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Brother Ind Ltd 方向検出装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012215559A (ja) * 2011-03-28 2012-11-08 Denso Wave Inc 方向探知装置
JP2014235044A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社Nttドコモ 無線タグ捜索方法およびその装置
JP2017142255A (ja) * 2017-03-27 2017-08-17 株式会社Nttドコモ 無線タグ捜索方法およびその装置
CN111079874A (zh) * 2019-12-16 2020-04-28 北京计算机技术及应用研究所 一种基于rfid技术的模块化标签定位系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5541207B2 (ja) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100959739B1 (ko) 태그 통신 장치, 태그 통신 장치 제어 방법, 태그 통신 제어 프로그램을 기록한 기록 매체 및 태그 통신 장치 제어 시스템
TWI407132B (zh) 定位方法及無線通訊系統
JP3903221B2 (ja) 防犯センサ
JP4130923B2 (ja) 角度測定に基づいてモバイルユニットの位置測定を行うための方法およびシステム
JP5708391B2 (ja) 無線タグリーダおよび監視システム
JP5541207B2 (ja) 無線タグリーダ、監視システム
JP2006010345A5 (ja)
US20110068980A1 (en) Direction finding method and device
JP6961160B2 (ja) 位置検出のためのシステム、制御デバイス及び方法
JP2006508345A (ja) 測距および測位方法および装置
WO2018216088A1 (ja) 人位置検知装置、人位置検知システム、人位置検知方法及びプログラム
US7119737B2 (en) Microwave sensor
JP2018141764A (ja) 検知装置、及び制御システム
US20090186649A1 (en) Communication terminal and mobile communication system
KR100443953B1 (ko) 무선신호를 이용한 로봇의 상대적 위치 추정 장치 및 방법
JP2006145222A (ja) 測距システム、及び測距方法
KR20200105127A (ko) 블루투스 기반의 사용자 위치확인 시스템 및 그 방법
JP6322905B2 (ja) 携帯端末の在圏判定装置
Fawky et al. UWB chipless RFID system performance based on real world 3D-deterministic channel model and ZF equalization
AU2003216643B2 (en) Method for interpretation of a radio-electrical command
JP4697059B2 (ja) 携帯機
KR100951120B1 (ko) 무선센서 네트워크를 이용한 위치인식시스템
Zhao et al. LocaToR: locating passive RFID tags with the relative neighborhood graph
JP2014090271A (ja) 通信システム、通信装置及びその制御方法、プログラム
JP2007329786A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5541207

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250