JP2012087530A - 建築用金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ留め式木造接合金物の固定用自穿孔ねじの軸部が、固定される建材が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ際に前記接合金物を引き裂いてしまうことを防止する。
【解決手段】 ねじ留め式木造接合金物の固定用ねじ挿通孔周辺部を、固定する建材側に段階的に突出させ、前記固定ねじと前記接合金物の接触面積を増大させることによって、前記固定ねじと前記接合金物の接触部に対して大きな集中荷重が発生し、前記接合金物が破損することを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築用金物を強固に留めつけるための構造に関する発明である。
従来JISで定められた建築用金物は、建材に対して固定用ボルトを挿通させるための大径孔を穿孔する必要があり、現場で施工するにあたっては大量の木屑が発生するという問題があった。
その為、建材を出荷する前に加工することが一般的になされるが、その為に大掛かりな設備の導入が必要であり、建材業者に大きな負担を強いることになっていた。
そこで、当業界において、大径となる前記ボルトを用いることなく、自穿孔ねじを用いて固定を行う、ねじ留め式木造接合金物が提案されている。
しかしながら、前記自穿孔ねじの線径は前記ボルトに比べ非常に小径となっており、建材の接続部が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ場合、前記自穿孔ねじと前記接合金物の接点に発生する集中荷重は、前記ボルトと前記建築用金物の接点に発生する集中荷重に比べて非常に大きく生じてしまい、従来の前記ボルトを用いて固定する前記建築用金物と同じ鋼板厚の前記接合金物では前記自穿孔ねじの胴部が前記接合金物を引き裂いてしまうため、前記接合金物は前記ボルトを用いた前記建築用金物に対して非常に厚く形成しなければならないという問題があった。
そこで、特許文献1に記載の発明は、前記接合金物の前記自穿孔ねじ挿通孔周辺部を前記自穿孔ねじの頭部傾斜面に合わせて面外方向に押し出し、前記自穿孔ねじと前記接合金物の接する面を増大させ、前記自穿孔ねじから前記接合金物に加えられる集中荷重を分散させることによって、前記接合金物が前記自穿孔ねじの胴部によって引き裂かれることを軽減する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、前記自穿孔ねじが前記接合金物を引き裂いてしまう部分である前記自穿孔ねじの軸部を全く保護していない構成のため、建材の接合部における歪みに対する保持力を十分に発揮することができない。
特開2000−160684号公報
本発明における解決しようとする課題は、建材の接合部が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ場合にも、前記自穿孔ねじの軸部によって前記接合金物が引き裂かれることを防止することである。
本発明は、前記接合金物のねじ挿通孔周辺部を、前記接合金物が建材と接する側の面外方向に突出させた構成において、前記突出部は前記接合金物の建材と接する面を始端とし、前記始端から離れるにつれて縮径するテーパ状に形成した第1突出部を形成し、前記第1突出部が前記金物の表面からある一定距離離れた段階で、前記第1突出部の終端から連続して、前記接合金物の面外方向へ向けて円筒状に形成した第2突出部を形成したことを特徴とする。
本発明の前記接合金物は、前記挿通孔周辺部に前記自穿孔ねじの軸部周面と面接触する第2突出部を形成しているため、建材の接合部が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ場合、前記接合金物と前記自穿孔ねじの接点に発生する集中荷重を前記接合金物の第2突出部が分散して受け止めることができるため、前記接合金物が前記自穿孔ねじの軸部によって引き裂かれることを防止することができるという利点がある。
図1は本願発明におけるねじ留め式木造接合金物の実施の形態を示した図である。(実施例1) 図2は図1のA−A´断面図である。 図3は図2の部分拡大図である。 図4は図3の使用の状態を示す参考図である。 図5は前記接合金物に用いられる一般的な自穿孔ねじの形状図である。 図6は前記接合金物によって固定される各建材の様子をしめす参考図である。
本発明は、前記接合金物のねじ挿通孔周辺部を、前記接合金物が建材と接する側の面外方向に突出させた構成において、前記突出部は前記接合金物の建材と接する面を始端とし、前記始端から離れるにつれて縮径するテーパ状に形成した第1突出部を形成し、前記第1突出部が前記金物の表面からある一定距離離れた段階で、前記第1突出部の終端から連続して、前記接合金物の面外方向へ向けて円筒状に形成した第2突出部を形成することによって、前記建材が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ場合でも前記接合金物が前記自穿孔ねじの軸部によって引き裂かれることを防止することを実現した。
図1は、本発明におけるねじ留め式木造接合金物1の1実施例を示す正面図、及び左側面図であって、金属製の薄板からなる前記接合金物1のねじ挿通孔2周辺部を、前記接合金物1が建材3と接する側の面外方向に突出させた構成において、前記突出部4は前記接合金物1の建材3と接する面5を始端とし、前記始端から離れるにつれて縮径するテーパ状に形成した第1突出部6を形成し、前記第1突出部6が前記接合金物1の表面からある一定距離離れた段階で、前記第1突出部の終端7から連続して、前記接合金物1の面外方向へ向けて円筒状に形成した第2突出部8を形成したものである。
次に図2は、図1に示す実施例のA−A´断面図である。
次に図3は、図2の部分拡大断面図であり、前記接合金物1の面外方向に対する前記第2突出部8の高さが、固定に用いられる自穿孔ねじ9の頭部10に連続して設けられる大径軸部11の軸方向長さ12に略等しいことを特徴としている。
このように、前記第2突出部8の高さを、前記大径軸部11の軸方向長さ12と略等しく設定することによって、前記自穿孔ねじ9は前記大径軸部11の全域にわたって前記接合金物1とせん断方向に接触することになり、前記建材3が前記自穿孔ねじ9のせん断方向に歪んだ際にも前記自穿孔ねじ9と前記金物1の接点で集中荷重が発生することが無い為、前記金物1が前記自穿孔ねじ9の軸部によって引き裂かれてしまうという問題を防ぐことができる。
次に図4は、前記接合金物1を前記自穿孔ねじ9を用いて固定した状態を示す参考断面拡大図であり、前記第1突出部6と前記自穿孔ねじ9の頭部下面は一部分のみ接触し、前記第2突出部と前記自穿孔ねじ9の大径軸部11が全面において接触してなる構成であることを示している。
このように、本発明における前記接合金物1の構成において、前記自穿孔ねじ9のテーパ状頭部下面が、前記第1突出部6の一部分のみにしか接触しないことによって、前記接合金物1の表面部付近において、前記自穿孔ねじ9が前記接合金物1へ加える荷重を弾性的に吸収、分散させることによって、前記接合金物1が前記自穿孔ねじ9によって引き裂かれることを、より防止することができる。
その際、本発明者が実験を行った結果最も良好な結果を得られた条件である、前記自穿孔ねじ9の頭部テーパ角を55°乃至65°に形成し、前記第1突出部6のテーパ角を40°乃至50°、特に略45°に形成することが好ましい。
さらに、前記建材3の深奥部側に配される前記第2突出部8は、前記自穿孔ねじ9の大径軸部11と全周に渡って接触させることによって集中荷重を分散させ、さらにその周囲は前記建材3にて十分に覆われている構成となるため、前記建材3の接合部が前記自穿孔ねじ9のせん断方向に歪んだ際に、前記自穿孔ねじ9の軸部によって前記接合金物1が引き裂かれることを防止することができる。
その際に、本発明における第1突出部6は前記建材3を前記自穿孔ねじ9の進入方向に押し固める作用を有し、前記第2突出部8の周辺にある建材3は強固に押し固められた状態となるため、前記建材3が前記自穿孔ねじ9のせん断方向に歪まないようにより強固に保持固定ができることとなる。
また、前記接合金物1の面外方向に対する前記第2突出部8の高さを、前記自穿孔ねじ9の頭部10に連続して設けられる大径軸部11の軸方向長さ12に略等しい高さとすることによって、集中荷重をより効率的に分散させて加えることが可能となり、さらに前記接合金物1が前記自穿孔ねじ9の軸部によって引き裂かれることを防止することができる。
次に図5は、当業界においてねじ留め式木造接合金物に用いられる一般的な自穿孔ねじ9の形状図であり、一般的に木材同士や鉄板同士を留めつけるために用いられるものと異なり、ねじ頭部10下に大径軸部11を有することを特徴とし、一般的な自穿孔ねじに比べてせん断力に対する強度を大きくすることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の構成のように、従来の接合金物は前記自穿孔ねじ9の大径軸部11と接する面が無く、前記自穿孔ねじ9のテーパ状頭部下面でのみ接触するため、建材3に前記自穿孔ねじ9のせん断方向に歪みが生じた際、木材同士や鉄板同士を留めつけるために用いられるものであれば、ねじの軸自体が変形し、接合金物が変形、破損することは無いが、前記接合金物1に用いられる前記自穿孔ねじ9はねじ頭部10下に大径軸部11を形成しているがために、ねじ自体は変形を起こさず、接合金物を引き裂いてしまうこととなる。
ところが、本発明のように、前記自穿孔ねじ9の大径軸部11を包み込むように前記接合金物1の前記ねじ挿通孔2の周辺部を形成することによって、前記自穿孔ねじ9のせん断方向に対する荷重を前記接合金物1に分散させつつ完全に伝えることができるため、前記接合金物1を前記自穿孔ねじ9の軸部によって引き裂くことが無いばかりか、前記建材3の接合部を前記接合金物1によって保持する力をより高めることができる。
次に図6(a)は、前記接合金物1を前記自穿孔ねじ9を用いて、前記建材3の接合部に取り付けた状態を示す参考図であり、図6(b)は前記建材3の接合部が、前記自穿孔ねじ9のせん断方向に歪んだ状態を示す参考図である。
金属製の薄板からなるねじ留め式木造接合金物のねじ挿通孔周辺部を、前記接合金物が建材と接する側の面外方向に突出させた構成において、前記突出部は前記接合金物の建材と接する面を始端とし、前記始端から離れるにつれて縮径するテーパ状に形成した第1突出部を形成し、前記第1突出部が前記金物の表面からある一定距離離れた段階で、前記第1突出部の終端から連続して、前記接合金物の面外方向へ向けて円筒状に形成した第2突出部を形成したことにより、前記建材が前記自穿孔ねじのせん断方向に歪んだ際に前記自穿孔ねじの軸部によって、前記接合金物が引き裂かれることを防止するとともに、前記接合金物の前記建材の接合部に対する保持強度を高めることができる。
1 本発明におけるねじ留め式木造接合金物
2 ねじ挿通孔
3 建材
4 突出部
5 建材3と接する面
6 第1突出部
7 第1突出部6の終端
8 第2突出部
9 自穿孔ねじ
10 自穿孔ねじ9の頭部
11 大径軸部
12 軸方向長さ

Claims (3)

  1. 金属製の薄板からなるねじ留め式木造接合金物のねじ挿通孔周辺部を、前記接合金物が建材と接する側の面外方向に突出させた構成において、前記突出部は前記接合金物の建材と接する面を始端とし、前記始端から離れるにつれて縮径するテーパ状に形成した第1突出部を形成し、前記第1突出部が前記金物の表面からある一定距離離れた段階で、前記第1突出部の終端から連続して、前記接合金物の面外方向へ向けて円筒状に形成した第2突出部を形成したことを特徴とするねじ留め式木造接合金物。
  2. 前記接合金物の面外方向に対する前記第2突出部の高さが、固定に用いられる自穿孔ねじの頭部に連続して設けられる大径軸部の軸方向長さに略等しいことを特徴とする請求項1に記載のねじ留め式木造接合金物。
  3. 前記第1突出部のテーパ角を40°乃至50°の範囲内に設けたことを特徴とする請求項1乃至2に記載のねじ留め式木造接合金物。
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