JP2012087372A - 焼結原料ペレットの乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒径3〜13mm、乾燥前における含水率8〜13質量%の焼結原料ペレットを流動層乾燥機10を用いて乾燥する方法であって、乾燥室前段部11において、焼結原料ペレットからなる流動層Lに供給される乾燥用気体A1の流速を5〜10Nm/sとし、乾燥室前段部11と乾燥室後段部12との境界23において、流動層Lを構成する焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%に低下した時点で、乾燥室後段部12に供給される乾燥用気体A2の流速を3〜4.5Nm/sとして、焼結原料ペレットを連続して乾燥させる。
【選択図】図1
Description
この焼結原料ペレットの強度が低いと、焼結機までの搬送過程や焼結機充填層で、焼結原料ペレットが崩壊し、焼結機で目詰まりを起こすことがある。
また、特許文献3では、焼結原料を乾燥する流動層乾燥機と、流動層乾燥機によって乾燥された焼結原料ペレットの少なくとも一部を乾燥する充填層乾燥機とを備える焼結原料ペレット乾燥設備とすることにより、充分な強度が得られる含有水分まで焼結原料ペレットを乾燥させる際に必要な熱風量を低減して、乾燥工程における使用エネルギーを抑制する発明が開示されている。
乾燥機によって乾燥された焼結原料ペレットは、乾燥後の水分が低いほど強度も向上するので、焼結までの搬送過程及び焼結時における焼結原料ペレットの崩壊は減少する。これは、焼結原料ペレットに含まれる水分量が少ないほど、焼結原料ペレットの圧壊強度が高くなることに起因している。
なお、Nm/sは標準状態(0℃、1atm)における乾燥用気体の流速をいう。また、粉化率とは、乾燥した焼結原料ペレットにおいて、乾燥前焼結原料ペレット全質量に対する粉化した質量の比率、即ち粉化による歩留り落ちをいう。
この発見によって、落下等の衝撃に起因する圧縮力による焼結原料ペレットの崩壊と、摩擦等に起因するせん断力による微粉の剥離が、異なる破壊現象であることが明らかとなった。後者の場合、焼結原料ペレットに含まれる水分量が少なくなると、焼結原料ペレット表面に存在する水分による付着力が弱まるので、微粉が剥離して粉化しやすいのではないかと、本発明者等は推測している。
前記焼結原料ペレットからなる流動層に供給される乾燥用気体の流速を、前記焼結原料ペレットが装入される供給口側において5〜10Nm/sとし、前記流動層を構成する焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%に低下した時点で、前記乾燥用気体の流速を3〜4.5Nm/sとして、前記焼結原料ペレットを連続して乾燥させることを特徴としている。
ここで、「焼結原料ペレットを連続して乾燥させる」とは、焼結原料ペレットが流動層乾燥機の供給口から乾燥室内に連続して装入されることで、焼結原料ペレットからなる流動層が排出口側に連続的に移動して乾燥室から連続して排出されることをいう。高い生産性を確保するためには、焼結原料ペレットを連続して乾燥することが必要となる。
また、「乾燥用気体の流速」は空塔速度であり、流動層内通過気体流量を流動層断面積で除した値である(JISB0126「火力発電用語−ボイラ及び付属装置」参照)。
そこで、本発明では、高い生産性を確保するため、流動層乾燥機を用いて焼結原料ペレットを連続して乾燥させることを前提としたうえで、焼結原料ペレットの強度確保と焼結原料ペレット表面の微粉剥離防止を両立させるべく、乾燥前における焼結原料ペレットの含水率が8〜13質量%のとき、乾燥用気体の流速を、一定流速とする従来方法に比べて相対的に大きくして焼結原料ペレットの乾燥促進を図ると共に、焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%に低下した時点で、乾燥用気体の流速を、一定流速とする従来方法に比べて相対的に小さくして焼結原料ペレットの粉化を抑制する。
因みに、従来の流動層乾燥では、乾燥用気体の流速5Nm/sにて焼結原料ペレットの含水率が3質量%程度になるまで乾燥させており、その際の粉化率は13%となる(図2参照)。
流動層乾燥機10の本体となる乾燥室13は、水平一方向に長い概略直方体状とされ、焼結原料ペレットを装入する供給口14が長手方向の一方の端面に、焼結原料ペレットを排出する排出口15が長手方向の他方の端面にそれぞれ設けられている。また、筒状とされた排出口15の途中には排出機26が設置されている。
以下の説明では、乾燥室13の供給口14側の1/2空間を乾燥室前段部11、乾燥室13の排出口15側の1/2空間を乾燥室後段部12と便宜上、呼ぶことにする。
風箱17、18の下端部には、乾燥用気体A1、A2を送給するためのガス管19、20が接続され、ガス管19、20の途中には、乾燥用気体A1、A2の流速を調節するための流量調整弁21、22が取り付けられている。
一方、乾燥室13の天井には排気口24が設けられており、粉化した微粉は排気口24から集塵機25により回収され、造粒工程で再利用される。
連続乾燥の対象となる焼結原料ペレットは、平均粒径3〜13mm、乾燥前における含水率8〜13質量%とする。
焼結原料ペレットの平均粒径が3mm未満だと、焼結原料ペレットを焼結機に装入したときに密に充填され、焼結機の通気性が阻害される。一方、焼結原料ペレットの平均粒径が13mmを超えると、焼結鉱の製造時に、焼結鉱の中央部まで焼結できない。
焼結原料ペレットを、19.0mm、16.0mm、9.5mm、8.0mm、6.7mm、4.75mm、2.8mm、2.0mm、1.0mm、0.5mmの篩いを用いて分級してグループに分け、各グループについて代表径と質量比(焼結原料ペレット全質量に対する当該グループに属する焼結原料ペレットの質量)を求める(JISZ8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」参照)。そして、各グループごとに代表径と質量比との積を算出して、それらの総和を焼結原料ペレットの平均粒径とする。ここで、代表径は、篩い目0.5mmアンダーは0.25mm、その他は篩い目の中心値(例えば、19.0mmアンダー〜16.0mmオーバーのグループでは、篩い目の中心値は17.5mmとなる。)とする。
なお、19.0mmオーバーの焼結原料ペレットが存在する場合は、適宜、22.4mm、26.5mmの篩いを準備し、分級後に篩い目の中心値を代表径として、上述した方法により平均粒径を求めればよい。
含水率(質量%)=(乾燥前の焼結原料ペレット質量−乾燥後の焼結原料ペレット質量)/乾燥前の焼結原料ペレット質量×100
なお、乾燥用気体A1、A2としては、焼結鉱冷却設備の排ガスや熱風発生炉等で製造された熱風等、流動層乾燥機の乾燥用気体として一般的に使用されているもので良く、その温度も流動層乾燥機において一般的に使用されている乾燥用気体の温度、例えば180〜280℃であれば良い。
また、乾燥用気体A2の流速が3Nm/s未満の場合、焼結原料ペレットを流動化させることが十分にできないため、乾燥が進まず、排出後の焼結原料ペレットの含水率が4質量%超となり、必要なペレット強度が得られない。一方、乾燥用気体A2の流速が4.5Nm/sを超える場合、図2に示すように、焼結原料ペレットの含水率が低くなると、粉化率が急激に増大し、十分な粉化抑制効果が得られない。好ましくは、乾燥用気体A2の流速は4Nm/s以下が良い。
焼結原料ペレットの含水率が5質量%未満の場合、乾燥室前段部11で5質量%未満まで焼結原料ペレットの乾燥が進んでしまうため、乾燥室前段部11での粉化率が大きくなり、最終的な粉化率が10%以上となる。一方、焼結原料ペレットの含水率が7質量%を超える場合、排出後の焼結原料ペレットの含水率が4%超になり、目標のペレット強度が得られなくなる。
乾燥室前段部11に供給される乾燥用気体A1の流速を変化させて、乾燥室前段部11と乾燥室後段部12の境界23における焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%の領域に入る乾燥時間を事前試験により求めておく。具体的には、乾燥室前段部11と乾燥室後段部12に供給される乾燥用気体A1、A2を同じ流速にして、流速ごとに、流動層Lの層厚を変えることで乾燥時間を変動させ、境界23における焼結原料ペレットの含水率を調査する。そして、この事前試験結果に基づいて、乾燥用気体A1の流速に対して、境界23における焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%となる乾燥時間、即ち流動層Lの層厚を把握しておく。実操業では、境界23における焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%となるように、前述した方法により流動層Lの層厚をコントロールすれば良い。
また、上記事前試験は、乾燥室が前段部と後段部に分かれていない流動層乾燥機を用いて行うことも可能である。
例えば、上記実施の形態では、乾燥室前段部内及び乾燥室後段部内における乾燥用気体の流速をそれぞれ一定とし、乾燥室前段部と乾燥室後段部で乾燥用気体の流速が異なるようにしたが、乾燥室前段部と乾燥室後段部で乾燥用気体の流速がそれぞれ連続的に変化するようにしても良い。即ち、乾燥用気体の流速を、供給口付近において10Nm/s、供給口側境界付近において5Nm/sとして乾燥室前段部内で連続的に変化させると共に、排出口側境界付近において4.5Nm/s、排出口付近において3Nm/sとして乾燥室後段部内で連続的に変化させても良い。
平均粒径5mm、乾燥前の含水率9質量%の焼結原料ペレットに対する試験結果を表1に、平均粒径10mm、乾燥前の含水率12質量%の焼結原料ペレットに対する試験結果を表2にそれぞれ示す。なお、乾燥用気体の温度は180〜280℃とした。
具体的には、乾燥室前段部の乾燥用気体の流速が10Nm/sを超える比較例1、7では粉化率が不合格となり、乾燥室前段部の乾燥用気体の流速が5Nm/s未満である比較例2、8では含水率が不合格となっている。また、乾燥室後段部の乾燥用気体の流速が3Nm/s未満である比較例3、9では含水率が不合格となり、乾燥室後段部の乾燥用気体の流速が4.5Nm/sを超える比較例4、10では粉化率が不合格となっている。さらにまた、境界における焼結原料ペレットの含水率が5質量%未満である比較例5、11では粉化率が不合格となり、境界における焼結原料ペレットの含水率が7質量%を超える比較例6、12では含水率が不合格となっている。
Claims (1)
- 平均粒径3〜13mm、乾燥前における含水率8〜13質量%の焼結原料ペレットを流動層乾燥機を用いて乾燥する方法であって、
前記焼結原料ペレットからなる流動層に供給される乾燥用気体の流速を、前記焼結原料ペレットが装入される供給口側において5〜10Nm/sとし、前記流動層を構成する焼結原料ペレットの含水率が5〜7質量%に低下した時点で、前記乾燥用気体の流速を3〜4.5Nm/sとして、前記焼結原料ペレットを連続して乾燥させることを特徴とする焼結原料ペレットの乾燥方法。
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