JP2012086605A - 乗降補助システム及び乗降補助方法 - Google Patents

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Takeshi Takeuchi
雄志 竹内
Toshio Fuwa
稔夫 不破
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Abstract

【課題】人が安全に移動体に乗降すること。
【解決手段】乗降補助システム100は、倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて所望の走行を行う移動体の乗降補助システムであって、移動体300には補助ユニット17が設けられ、補助ユニット17が路面と吸着することで移動体300の動作を制限する。これにより、移動体300を路面に固定した状態にすることができ、人は路面に固定された移動体に乗車や降車を行うことができる。したがって、移動体300の乗降時にかかる人の負担を減らし、人を移動体に安全に乗降させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は移動体の乗降補助システム及び乗降補助方法に関する。
近年、自己の姿勢情報を検出して倒立制御等を行うことにより、自己の姿勢を維持するように車輪の回転を制御する移動体が開発されている。例えば、人間を搭乗させて走行する同軸二輪車であり、該同軸二輪車は、検出した姿勢情報に基づいて倒立制御を行いつつ、その重心の移動に応じて所望の走行を行う(例えば特許文献1)。
また同軸二輪車は、身体機能やバランス機能の訓練に用いられる(例えば特許文献2、特許文献3)。例えば、同軸二輪車に所定の動作をさせその動作に応じて、もしくは、倒立状態の安定性を意図的に低下させた状態で搭乗者が重心移動等の走行操作を行うことにより、搭乗者の身体機能やバランス機能の訓練を行うことができる。
特開2006−315666号公報 特願2009−04795号 特願2009−12594号
しかしながら、移動体への乗降する際には体の重心を急激に変化させる必要があり、搭乗者によってはバランスを崩す可能性がある。したがって移動体への乗降時には、移動体が意図しない動作をするのを防止し、たとえ意図しない動作を行った場合であっても周囲に影響を与えないよう配慮する必要がある。具体的には、乗車時には移動体の水平状態を確認しながら乗り込み、降車時には移動体に降車モードを指示しながら降車するが、乗降のいずれにおいても周囲の環境を配慮しつつ行う必要がある。このように乗降時には複数の動作を同時に実行しなければならず、注意力が散漫となりやすく、人にかかる負担が大きい。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、人が安全に移動体に乗降することができる、乗降補助システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる乗降補助システムは、倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて、所望の走行を行う移動体の乗降補助システムであって、前記移動体に設けられ、路面と吸着することで前記移動体の動作を制限する補助ユニットを備える。
これにより、移動体を路面に固定した状態にすることができ、人は路面に固定された移動体に乗降することができる。
また前記補助ユニットは、前記移動体に連結された少なくとも1つのシリンダー部と、前記シリンダー部に連結する吸着パッドと、を備え、前記シリンダー部は、伸縮動作することで前記吸着パッドを接地させ、前記移動体の動作を制限する。
また前記吸着パッドは、前記移動体が走行を開始する場合に、路面との吸着状態を解除し、前記シリンダー部は、伸縮動作することで前記吸着パッドが接地しない状態とする。
また乗降補助システムは、加圧された流体を蓄積するアキュムレータと、前記アキュムレータから前記補助ユニットへの流体の流入および流出を調節するバルブと、前記バルブの動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記バルブを制御して、前記補助ユニットを路面に吸着させ、前記移動体の動作を制限する。
また前記アキュムレータは、流体として空気を蓄積し、前記補助ユニットは、前記アキュムレータからの空気の流入および流出に応じて動作する。
また乗降補助システムは、搭乗者を吊りあげることで立位を補助する吊り具設備を備え、前記制御手段および前記アキュムレータは、前記吊り具設備に設けられている。
また前記吊り具設備は、流体を圧縮するコンプレッサをさらに備え、前記コンプレッサは、前記アキュムレータに圧縮した流体を蓄積する。
また前記アキュムレータは、前記移動体に設けられており、前記制御手段は、前記補助ユニットを無線を介して遠隔的に制御し、前記移動体の動作を制限する。
また、本発明にかかる乗降補助方法は、倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて、所望の走行を行う移動体の乗降補助方法であって、搭乗者が前記移動体に乗車又は降車する場合に、路面と吸着することで前記移動体の動作を制限する。
人が安全に移動体に乗降することができる。
実施の形態1にかかる乗降補助システムの構成図である。 実施の形態1にかかる乗降補助システムの概略図である。 実施の形態1にかかる移動体の概略図である。 実施の形態1にかかる補助ユニットの概略図である。 実施の形態1にかかる乗車時の動作シーケンスである。 実施の形態1にかかる降車時の動作シーケンスである。 実施の形態2にかかる乗降補助システムの概略図である。
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる乗降補助システム100の概略である。乗降補助システム100は、吊り具設備200と、移動体300と、により構成されている。
乗降補助システム100は、例えば身体機能やバランス感覚の訓練を行うための、トレーニングシステムである。図2は、吊り具設備200に設置された移動体300に人が搭乗し、訓練を行っている例である。
吊り具設備200は、吊り具10と、コンピュータ(制御手段)11と、電源12と、コンプレッサ13と、アキュムレータ14と、を備える。移動体300は、配管15と、バルブ16と、補助ユニット17と、を備える。吊り具設備200と移動体300は、接続部18を介して、チューブ19により連結している。
図3は、移動体300の概略図である。典型的には、移動体300は同軸二輪車である。移動体300は、車体と、人が足を乗せるステップと、車体の走行方向に直交した軸を中心に回転する一対の車輪と、車輪を駆動させる駆動手段と、移動体の前方中央部に設けられた操作バーと、車体の傾動角度や傾動角速度を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づいて駆動手段を制御する移動体制御部を備えている。検出手段は、搭乗者の重心移動により生じる車体の重心移動を検出する。移動体制御部は、検出手段による検出結果に応じて、駆動手段の制御を行う。これにより移動体300は、倒立制御された状態で移動する。
移動体300には補助ユニット17が設けられており、補助ユニット17には、バルブ16を備える配管15が接続されている。これらについては後に詳述する。
吊り具10は、人の立位を補助する用具である。例えば吊り具10は、図2に示すように、吊り具設備200の上部から吊り下げられた布状の用具であり、人の腰や脇を上方に引き上げることで立位状態を補助する。
コンピュータ11は、移動体300を用いたトレーニングの操作を行うための制御手段である。コンピュータ11は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路と、プログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置等と、キーボード等の入力装置と、移動体300や吊り具10への指示を出力する出力装置と、を備える。
コンピュータ11は入力装置における入力操作に基づいて、バルブ16と、移動体300の移動体制御部に対して動作指示を出力する。なおコンピュータ11による動作指示は、無線通信により行うのが望ましい。
電源12は、コンピュータ11およびコンプレッサ13にそれぞれ接続する。電源12は、コンピュータ11およびコンプレッサ13に対し、電力を供給する。
コンプレッサ13は、流体に加圧する機械である。コンプレッサ13は、アキュムレータ14とチューブ等により接続している。例えば、コンプレッサ13は電源12に供給された電力を動力として、コンプレッサ13内に取り込んだ空気を加圧する。コンプレッサ13で加圧された空気は、アキュムレータ14に送出される。
アキュムレータ14は、コンプレッサ13で加圧された流体を貯蓄する。アキュムレータ14は、例えばエアタンクであり、コンプレッサ13で加圧された空気を蓄積する。またアキュムレータ14は、チューブ19により接続部18と接続している。なお、アキュムレータ14に接続するチューブ19は、複数本であってもよい。
接続部18は、アキュムレータ14と接続するチューブ19を接続している。接続部18は、例えばカプラ(登録商標)である。また接続部18は、移動体300側において配管15と接続している。例えば接続部18はメス型の機構を有し、チューブ19は端部にオス型の機構を有することで、接続部18はチューブ19と着脱可能に接続している。
なおチューブ19は、移動体300が自由に動作できるように、十分な長さとするのが望ましい。
配管15は、例えば空気が流れる中空部を有するパイプである。配管15は、一端が接続部18に接続されており、他端が補助ユニット17に接続されている。
例えば、接続部18はメス型の機構を有し、配管15は接続部18と接続する端部にオス型の機構を有することにより、接続部18は配管15と着脱可能に接続している。これにより、アキュムレータ14から、チューブ19および配管15を介して、補助ユニット17に空気を送出することができる。
なお、配管15は補助ユニット17側が分岐しており、それぞれが補助ユニット17に接続している。分岐した配管15を、それぞれ配管15a、配管15bとする。
バルブ16は、例えばモーターにより駆動し開閉状態を変更する電磁弁である。バルブ16は、配管15に設けられ、コンピュータ11の動作指示に基づいて動作する。バルブ16が動作することにより、配管15に流れる空気の流量が調整される。すなわち、コンピュータ11がバルブ16を動作させることにより、アキュムレータ14から補助ユニット17に流入する空気の流量や、補助ユニット17から流出する空気の流量が調整される。
補助ユニット17は、移動体300の倒立状態等を補助する。補助ユニット17は、移動体300に設けられており、典型的には、移動体300の車体の前面に連結している。
図4に、補助ユニット17の概略図を示す。補助ユニット17は、第1のシリンダー部171と、第2のシリンダー部172と、吸着パッド173と、を有する。
第1のシリンダー部171は、シリンダチューブ171aと、ロッド171bと、ガイド171cと、を備える。
シリンダチューブ171aは移動体300の車体の前面側に連結されている。シリンダチューブ171aは、例えば内部にピストン(図示せず)を備える。また、シリンダチューブ171aには、配管15aが接続されている。該ピストンは、配管15aによるシリンダチューブ171aへの空気の流出入により動作する。例えばバルブ16の操作に基づいて、配管15aから該ピストンの上部側に空気を流入し、該ピストンの下部側の空気を流出させる。これにより該ピストンは下方向に動作する。または、該ピストンの下部側に空気を流入し、該ピストンの上部側の空気を流出させることにより、該ピストンは上方向に動作する。
ロッド171bは、シリンダチューブ171aに備えられたピストンと連結する棒状パイプである。ロッド171bは、該ピストンの動作に応じて駆動する。例えば、該ピストンが下方向に動作した場合には、ロッド171bも同様に下方向に動作する。ここでロッド171bは、先端部が第2のシリンダー部172と接続しており、ロッド171bが動作することにより第2のシリンダー部172が移動する。
ガイド171cは、シリンダチューブ171aと、第2のシリンダー部172を接続しているガイドシャフトである。典型的には、ガイド171cは複数本であり、シリンダチューブ171aおよび第2のシリンダー部172と摺動可能に接続している。これによりガイド171cは、第2のシリンダー部172の移動方向を規定する。
なおシリンダチューブ171aと、第2のシリンダー部172の間における、ロッド171bの動作範囲を、第1の動作範囲とする。
したがって、コンピュータ11がバルブ16を動作させることにより、シリンダチューブ171a内の空気が調節され、第1のシリンダー部171が動作する。これにより、第1の動作範囲が動作する。
第2のシリンダー部172は、シリンダチューブ172aと、ロッド172bと、ガイド172cと、を備える。
シリンダチューブ172aは、内部にピストン(図示せず)を備える。シリンダチューブ172aには、配管15bが接続されている。該ピストンは、配管15bによるシリンダチューブ172aへの空気の流出入により動作する。例えばバルブ16の操作に基づいて、配管15bから該ピストンの上部側に空気を流入し、該ピストンの下部側の空気を流出させる。これにより該ピストンは下方向に動作する。または、該ピストンの下部側に空気を流入し、該ピストンの上部側の空気を流出させることにより、該ピストンは上方向に動作する。
ロッド172bは、該ピストンと連結する棒状パイプである。ロッド172bは、シリンダチューブ172aのピストンの動作に応じて駆動する。例えば、該ピストンが下方向に動作した場合には、ロッド172bも同様に下方向に動作する。ここでロッド172bは、先端部が吸着パッド173と接続しており、ロッド172bが動作することにより吸着パッド173が移動する。
ガイド172cは、シリンダチューブ172aと、吸着パッド173を接続しているガイドシャフトである。典型的には、ガイド172cは複数本であり、シリンダチューブ172aおよび吸着パッド173と摺動可能に接続している。これによりガイド172cは、吸着パッド173の移動方向を規定する。
なおシリンダチューブ172aと、吸着パッド173の間における、ロッド172bの動作範囲を、第2の動作範囲とする。
したがって、コンピュータ11がバルブ16を動作させることより、シリンダチューブ172a内の空気が調節され、第2のシリンダー部172が動作する。これにより、第2の動作範囲が動作する。
なお、上記一例では、補助ユニットは、複数の第1及び第2のシリンダー部を有する構成であるが、これに限らず、例えば、単数のシリンダー部を有する構成であっても良い。
吸着パッド173は、路面への吸着が可能なパッドである。例えば吸着パッド173は真空吸着パッドである。この場合、吸着パッド173は、真空引きおよびエアー加圧を行うことができるエアユニット(図示せず)と、バルブを備えた配管(図示せず)を介して接続されている。吸着パッド173は、路面と接した状態で真空引きが行われると路面に吸着する。
なお吸着パッド173の路面への吸着は、真空吸着による方法に限られない。
次に、移動体300への乗車時の補助方法について説明する。図5は、乗車時の動作シーケンスである。
接続部18に、チューブ19を接続する(ステップS1)。ここで接続部18は移動体300と接続しており、チューブ19はアキュムレータ14と接続されている。したがって、アキュムレータ14と移動体300は、チューブ19を介して接続された状態となる。
移動体300の電源を起動する(ステップS2)。これにより、移動体300を倒立制御可能な状態に移行する。
コンピュータ11を起動し、コンピュータ11はバルブ16への動作指示を出力する(ステップS3)。なお、アキュムレータ14には、あらかじめコンプレッサ13で圧縮された空気が蓄積されている。したがって、バルブ16を動作させることにより、補助ユニット17への空気の流量が調整できる。
移動体300の補助ユニット17の吸着パッド173を路面に吸着させる(ステップS4)。このとき、吸着パッド173は接地するよう配置されている状態である。このとき、補助ユニット17における第1のシリンダー部171の第1の動作範囲および第1のシリンダー部172の第2の動作範囲は、それぞれ下方向に動作して、十分に伸びている状態である。例えば吸着パッド173は、エアユニットによる真空引きにより路面に吸着する。
これにより移動体300は、路面に対して固定された状態となる(ステップS5)。移動体300が路面に固定されたことが確認されると、乗車準備完了となる。
人が移動体300に搭乗する(ステップS6)。ここで典型的には、移動体300のステップに感圧センサを有しており、人が搭乗したことを確認する(ステップS7)。
移動体300は、補助ユニット17の第1の動作範囲を、自由に稼働する状態にする(ステップS8)。具体的には、コンピュータ11は、バルブ16に動作指示を出力する。これによりバルブ16が動作し、シリンダチューブ171aを流れる空気の流量が調節される。これにより、第1の動作範囲は自由に稼働する状態となる。
また、移動体300を倒立制御状態とする(ステップS9)。このとき、補助ユニット17の第1の動作範囲は自由に稼働する状態であるため、人の重心移動により移動体300を傾動させることができる。ここで移動体300の車体のピッチ角(前後方向の傾動角)を水平状態とし、倒立制御により停止した状態とする。
吸着パッド173の吸着状態を解除する(ステップS10)。例えば、真空引きによる吸着している吸着パッド173に対し、エアユニットから空気を流入することにより、吸着状態を解除する。
移動体300は、補助ユニット17の第1の動作範囲を引き上げる(ステップS11)。具体的には、コンピュータ11は、バルブ16に動作指示を出力する。これによりバルブ16が動作し、配管15aに流れる空気の流量が調節され、シリンダチューブ171aのシリンダーを引き上げる。これによりロッド171bが引き上げられ、第1の動作範囲が引き上げられる。
移動体300は、補助ユニット17の第2の動作範囲を引き上げる(ステップS12)。具体的には、コンピュータ11は、バルブ16に動作指示を出力する。これによりバルブ16が動作し、配管15bに流れる空気の流量が調節され、シリンダチューブ172aのシリンダーが引き上げられる。これによりロッド172bが引き上げられ、第2の動作範囲が引き上げられる。
補助ユニット17は、第1の動作範囲および第2の動作範囲が引き上げられたことにより、路面と離れた状態となる。したがって、移動体300は倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて所望の走行を行う状態となる。
これにより、倒立状態の移動体300を路面に安定的に固定した状態で乗車することができ、安全な乗車が可能となる。
また移動体300の車体が水平なった後に路面との固定状態を解除することで、乗車時に、移動体300が搭乗者の意図しない走行を開始するのを防止することができる。
次に、移動体300からの降車時の補助方法について説明する。図6は、降車時の動作シーケンスである。
搭乗者が、降車ボタンを押す(ステップS21)。これにより、降車のシーケンスが開始される。このとき移動体300は停止し、移動体300の車体のピッチ角は路面に対して水平の状態となる。
移動体300は、補助ユニット17の第1の動作範囲を引き下げる(ステップS22)。具体的には、コンピュータ11はバルブ16に動作指示を出力し、バルブ16が動作する。これにより、配管15aに流れる空気の流量が調整され、シリンダチューブ171a内のピストンを下方向に動作させる。これにより、ロッド171bを下方向に動作させ、補助ユニット17は第1の動作範囲を引き下げる。このとき、吸着パッド173は接地した状態となる。
移動体300は、車体のピッチ角が水平であることを確認する(ステップS23)。例えば、移動体300に設けられたジャイロ等により、車体の傾動角が一定の閾値以内にあることを確認する。
移動体300は、吸着パッド173を路面に吸着させる(ステップS24)。例えば、吸着パッド173に接続したエアユニットによる真空引きにより、吸着パッド173が路面に吸着する。
移動体300は、補助ユニット17の第2の動作範囲を引き下げる(ステップS25)。具体的には、コンピュータ11はバルブ16に動作指示を出力し、バルブ16が動作する。これにより、配管15bに流れる空気の流量が調整され、シリンダチューブ172a内のピストンが下方向に動作することで、ロッド172bが下方向に動作する。これにより補助ユニット17は、第2の動作範囲を引き下げる。
移動体300を後傾させる(ステップS26)。このとき移動体300は、搭乗者が後方から降車しやすいよう、車体を路面に対して1.5°程度後傾させるのが望ましい。移動体300の後傾は、補助ユニット17の第2の動作範囲を引き下げにより行う。すなわち、補助ユニット17の第2の動作が引き下げられることにより移動体300の前方部が上方に移動し、移動体300は後傾する。したがって移動体300は、吸着パッド173が路面に吸着した状態のまま後傾する。
これにより、移動体300は路面と固定された状態となる(ステップS27)。
移動体300が路面と固定されていることを確認し、降車準備を完了する(ステップS28)。降車準備が完了したら、降車を行う(ステップS29)。
これにより、倒立状態の移動体300を路面に安定的に固定した状態で降車することができ、安全な降車が可能となる。また移動体300の車体を傾斜にさせた状態で路面に固定することができるため、人が移動体300に乗降しやすくなる。上述したように、倒立状態を維持する移動体300は、通常の移動体に比してその特性から、安定性の維持が非常に重要となるが、補助ユニット17を用いて移動体300を路面に吸着、固定することでその安定性がより確実に維持される。しかも、吸着固定という簡易な手段を用いて、迅速かつ確実な固定が可能となる。
したがって乗降補助システム100において、補助ユニット17を用いることにより、人が移動体300に乗降するのを補助することができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2にかかる乗降補助システム400の概略図である。実施の形態1に示した移動体300と同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
乗降補助システム400は、コンピュータ20と、電源12と、移動体500を備える。
移動体500は、配管15と、バルブ16と、補助ユニット17と、携帯アキュムレータ21を備える。
コンピュータ20は、電源12から電力の供給を受けて動作し、バルブ16に動作指示を出力する。なお、コンピュータ20による動作指示は、無線通信により行うのが望ましい。
携帯アキュムレータ21は、典型的には内部に加圧された空気を蓄えているエアタンクである。例えば携帯アキュムレータ21は、移動体500に備えられている。携帯アキュムレータ21は、配管15の一端と接続している。なお、配管15の他端側は分岐しており、分岐した配管15a、15bは、それぞれが補助ユニット17と接続している。
コンピュータ20は、バルブ16に動作指示を出力することにより、バルブ16を動作させる。これにより、携帯アキュムレータ21から、配管15を介して補助ユニット17に空気が流入し、補助ユニット17が動作する。すなわち、バルブ16の操作に基づき、配管15aに流れる空気の流量を調節することで、補助ユニット17の第1の動作範囲を動作させる。またバルブ16の操作に基づき、配管15bに流れる空気の流量を調節することで、補助ユニット17の第2の動作範囲を動作させる。
したがって、実施の形態1に示したアキュムレータ14に代わり、携帯アキュムレータ21を用いることができる。この場合の乗車シーケンスは、図5に示したステップS2〜ステップS12となる。また降車シーケンスは、図6に示したステップS21〜ステップS29となる。
これにより移動体500を吊り具設備等にチューブを介して接続することなく、補助ユニット17による乗降の補助を行うことができる。したがって、移動体500をコンピュータ20から十分に離れた箇所で動作させた場合であっても、補助ユニット17を用いた乗降の補助を行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、コンピュータ11とコンプレッサ13は、同一の電源12から電力の供給を受けるものとしたが、異なる電源から電力の供給を受けてもよい。補助ユニット17は、第1のシリンダー部171と第2のシリンダー部172を有するものとしたが、さらに多数のシリンダー部を有してもよい。配管15は、上述した本数だけでなく、さらに多くの配管を有してもよい。例えばエアユニットは、バルブ16を有する配管15を介して吸着パッド173に接続されており、バルブ16の操作に基づいて真空引きを行うこととしても良い。またバルブ16は、複数設けられていてもよく、例えば配管15aや配管15bのそれぞれに設けられるものとしてもよい。
10 吊り具
11 コンピュータ
12 電源
13 コンプレッサ
14 アキュムレータ
15 配管
15a 配管
15b 配管
16 バルブ
17 補助ユニット
171 シリンダー部
171a シリンダチューブ
171b ロッド
171c ガイド
172 シリンダー部
172a シリンダチューブ
172b ロッド
172c ガイド
173 吸着パッド
18 接続部
19 チューブ
20 コンピュータ
21 携帯アキュムレータ
100 乗降補助システム
200 吊り具設備
300 移動体
400 乗降補助システム
500 移動体

Claims (9)

  1. 倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて、所望の走行を行う移動体の乗降補助システムであって、
    前記移動体に設けられ、路面と吸着することで前記移動体の動作を制限する補助ユニットを備える、
    乗降補助システム。
  2. 前記補助ユニットは、
    前記移動体に連結された少なくとも1つのシリンダー部と、
    前記シリンダー部に連結する吸着パッドと、を備え、
    前記シリンダー部は、伸縮動作することで前記吸着パッドを接地させ、前記移動体の動作を制限する、
    請求項1に記載の乗降補助システム。
  3. 前記吸着パッドは、前記移動体が走行を開始する場合に、路面との吸着状態を解除し、前記シリンダー部は、伸縮動作することで前記吸着パッドが接地しない状態とする、
    請求項2に記載の乗降補助システム。
  4. 加圧された流体を蓄積するアキュムレータと、
    前記アキュムレータから前記補助ユニットへの流体の流入および流出を調節するバルブと、
    前記バルブの動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記バルブを制御して、前記補助ユニットを路面に吸着させ、前記移動体の動作を制限する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗降補助システム。
  5. 前記アキュムレータは、流体として空気を蓄積し、
    前記補助ユニットは、前記アキュムレータからの空気の流入および流出に応じて動作する、
    請求項4に記載の乗降補助システム。
  6. 搭乗者を吊りあげることで立位を補助する吊り具設備を備え、
    前記制御手段および前記アキュムレータは、前記吊り具設備に設けられている、
    請求項4又は請求項5に記載の乗降補助システム。
  7. 前記吊り具設備は、流体を圧縮するコンプレッサをさらに備え、
    前記コンプレッサは、前記アキュムレータに圧縮した流体を蓄積する、
    請求項6に記載の乗降補助システム。
  8. 前記アキュムレータは、前記移動体に設けられており、
    前記制御手段は、前記補助ユニットを無線を介して遠隔的に制御し、前記移動体の動作を制限する、
    請求項4又は請求項5に記載の乗降補助システム。
  9. 倒立状態を維持しつつ、搭乗者の重心移動に応じて、所望の走行を行う移動体の乗降補助方法であって、
    搭乗者が前記移動体に乗車又は降車する場合に、路面と吸着することで前記移動体の動作を制限する、
    乗降補助方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015047962A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 トヨタ自動車株式会社 倒立二輪移動体
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