JP2012086317A - 回転工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切刃における被覆層のチッピングや剥離を抑制できるとともに耐溶着性を向上した切削工具を提供する。
【解決手段】 棒状で、外周に切刃2と、切刃2よりも内側に凹んだ位置に形成される切屑排出溝3とを備えた基体4の表面に1層以上の被覆層5を被覆してなり、切刃2の表面には基体4の全周にわたって被覆される第1被膜層5aに加えて基体4側に別途第2被覆層4bが形成されているツイストドリル1等の回転工具である。
【選択図】図1
【解決手段】 棒状で、外周に切刃2と、切刃2よりも内側に凹んだ位置に形成される切屑排出溝3とを備えた基体4の表面に1層以上の被覆層5を被覆してなり、切刃2の表面には基体4の全周にわたって被覆される第1被膜層5aに加えて基体4側に別途第2被覆層4bが形成されているツイストドリル1等の回転工具である。
【選択図】図1
Description
本発明は、基体の表面に被覆層が形成された回転工具に関する。
現在、旋削加工やフライス加工に用いられるスローアウェイチップ、ドリルやエンドミル、切断刃等の切削工具では耐摩耗性や摺動性、耐欠損性が必要とされるため、WC基超硬合金やTiCN基サーメット等の硬質基体の表面に様々な被覆層を成膜して切削工具の耐摩耗性、耐欠損性を向上させる手法が使われており、被覆層としてTiCNやAl2O3、TiAlN、ダイヤモンド、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の被覆層が好適に利用されている。
例えば、特許文献1では、金型などの基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その表面にDLC膜を成膜してDLC膜と基材との密着力を増加させることが開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、あらかじめ基材の表面を粗面化処理してからDLC膜を成膜する構成では、DLC膜の剥離は抑制されて耐欠損性は向上するが、切削工具としての耐溶着性が損なわれてしまうおそれがあった。
本発明は、基体の表面を被覆した被覆層の切刃における膜剥離や欠損を抑制できるとともに耐溶着性が高い回転工具を提供することを目的とする。
本発明の回転工具は、棒状で、外周に切刃と、該切刃よりも内側に凹んだ位置に形成される切屑排出溝とを備えた基体の表面に1層以上の被覆層を被覆してなり、前記切刃の表面には前記基体の全周にわたって被覆される第1被膜層に加えて前記基体側に別途第2被覆層が形成されているものである。
ここで、前記第2被覆層の硬度が前記第1被覆層の硬度の平均値に比べて高く、前記第1被覆層は前記第2被覆層よりも摩擦係数が低くてもよい。
さらに、前記第1被覆層および前記第2被覆層がともに硬質炭素膜からなり、前記第1被覆層中の水素含有率が前記第2被覆層中の水素含有率よりも高くてもよい。
さらには、前記第1被覆層および前記第2被覆層がともに硬質炭素膜からなり、該被覆層の表面からラマン分光分析によってSP2結合ピークとSP3結合ピークとのピーク強度を比較したとき、前記第1被覆層のSP2結合ピークの面積比が前記第2被覆層のSP2結合ピークの面積比よりも高くてもよい。
本発明の切削工具によれば、切屑排出溝には第1被覆層が形成されているので切屑排出
性がよく、切刃では切削によって被覆層が最も摩耗しやすいために第1被覆層が摩滅しても、その下には第2被覆層が存在することから、切刃における耐摩耗性をも高めることができる。
性がよく、切刃では切削によって被覆層が最も摩耗しやすいために第1被覆層が摩滅しても、その下には第2被覆層が存在することから、切刃における耐摩耗性をも高めることができる。
本発明の好適例であるツイストドリルについて、(a)側面図、(b)(a)のX−X断面図である図1を基に説明する。
図1のツイストドリル1は、棒状で、外周に切刃2と、切刃2よりも内側に凹んだ位置に形成される切屑排出溝3とを備えた基体4の表面に1層以上の被覆層5を被覆してなり、切刃2の表面には基体4の全周にわたって被覆される第1被膜層5aに加えて基体4側に別途第2被覆層5bが形成されている。
この構成によって、切屑排出溝3には第1被覆層5aが形成されているので切屑排出性がよく、切刃2では切削によって被覆層5が最も摩耗しやすいために第1被覆層5aは比較的短時間で摩滅するが、その下には第2被覆層5bが存在することから、切刃2における耐摩耗性をも高めることができる。
ここで、第2被覆層5bの硬度が第1被覆層5aの硬度に比べて高く、第1被覆層は前記第2被覆層よりも摩擦係数が低いことが、切屑排出溝3において切屑の流れが良く、かつ切刃2の耐摩耗性を高めることができる点で望ましい。
ここで、被覆層5としては、周期表第4、5、6族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸窒化物、特に(TiaMb)CxNyOz(ただし、M:Al、Zr、Cr、Siの群から選ばれる少なくとも1種、0<a≦1、0≦b<1、a+b=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCと略す。なお、本発明のDLCはテトラヘデラルアモルファスカーボンも含み、水素を不純物として含有する。)、立方晶窒化ホウ素(cBN)およびAl2O3の群から選ばれる少なくとも1種が好適に使用可能である。特に、第2被覆層5b−第1被覆層5aの好適な組合せとしては、水素含有量が10原子%未満のDLC−水素含有量が10原子%以上のDLC、CrN−DLC、TiCrN−TiAlN、TiAlN−CVD法にて成膜されるAl2O3が挙げられ、水素含有量が10原子%未満のDLC−水素含有量が10原子%以上のDLCが好適である。
例えば、第1被覆層5aおよび第2被覆層5bがともにDLC等の硬質炭素膜からなり、第1被覆層5a中の水素含有率が第2被覆層5b中の水素含有率よりも高い構成であれば、上記関係が成り立つ。または、第1被覆層5aおよび第2被覆層5bがともに硬質炭素膜からなり、被覆層5の表面からラマン分光分析によって高周波バンド(Gバンド)と低周波バンド(Dバンド)の相対ピーク面積比D/Gを比較したとき、第1被覆層5aのピーク面積比D/Gが第2被覆層5bのピーク面積比D/Gよりも高い構成であっても、上記関係が成り立つ。
また、各層の望ましい厚みは、硬質炭素膜の場合、第2被覆層5bが0.1〜1.2μm、第1被覆層5aが0.2〜1.5μmである。さらに、第2被覆層5bおよび第1被覆層5aはそれぞれ単層に限定されず、それぞれ2層以上の積層構造であってもよい。
なお、基体4は、超硬合金、サーメット、高速度鋼等の硬質材が好適に使用可能であり、特に、切刃2の先端の耐摩耗性および耐欠損性を両立する超硬合金が望ましい。また、上記実施態様ではツイストドリルについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンドミルやリーマであってもよい。
超硬合金基体にセンタリング加工を施して棒状にした状態で、まず、試料No.1〜5については表1、2に示す第2被覆層を成膜した。その後、切屑排出溝の加工を行って加工部に成膜された第2被覆層は削られて外周部のみに第2被覆層が残った構成とした。そして、この外周部のみに第2被覆層が残った基体に対して第1被覆層を成膜し、基体の全周にわたって被覆層が成膜された2mmシャンク×φ0.12mmのツイストドリルを得た。また、試料No.6については、切屑排出溝の加工を行った後に第2被覆層と第1被覆層との順に成膜する以外は上記と同様にしてツイストドリルを得た。なお、DLC被覆層については、水素含有量とラマン分光分析によって高周波バンド(Gバンド)と低周波バンド(Dバンド)を確認し、各ピークの面積を求めて、ピーク面積比D/Gを算出して比較した。
得られたドリルを用いて、下記条件で穴加工テストを実施した。結果は表3に示した。(加工条件)
被削材:Cu箔配線プリント基板厚み0.4mm(R1515SL Cu7/7)×3枚重ね+LEシート(LE800)
回転数:300krpm
送り速度:2.1m/分
評価内容:1000穴ずつ10000穴まで穴あけ評価した。1000穴加工する毎にドリルの表面状態を確認する。
被削材:Cu箔配線プリント基板厚み0.4mm(R1515SL Cu7/7)×3枚重ね+LEシート(LE800)
回転数:300krpm
送り速度:2.1m/分
評価内容:1000穴ずつ10000穴まで穴あけ評価した。1000穴加工する毎にドリルの表面状態を確認する。
表1〜3から明らかなとおり、全体に1層のみ被覆した試料No.5では、切刃における被覆層が摩滅して被削材の溶着が見られた。また、切刃および切屑排出溝のいずれにも2層構成にした試料No.6では、切刃での内部応力が大きくなって被覆層の剥離が発生した。これに対して、切刃の表面は第2被膜層と第1被膜層との2層からなり、それ以外は第1被膜層からなる試料No.1〜4では、被覆層の剥離が少なくて切断距離が長くなった。
実施例1と同様にして、φ6の2枚刃エンドミルを作製し、下記条件で切削テストを行った。結果は表4〜6に示した。
(加工条件)
被削材:A7075
切削速度=264m/分(14,000/分)、送りを200mm/分ずつ増加
縦切込=3mm
横切込=1.2mm
切削状態:乾式切削
評価内容:外周部の溶着状態(刃先摩耗)及び被削材に発生するバリの有無を確認する。
(加工条件)
被削材:A7075
切削速度=264m/分(14,000/分)、送りを200mm/分ずつ増加
縦切込=3mm
横切込=1.2mm
切削状態:乾式切削
評価内容:外周部の溶着状態(刃先摩耗)及び被削材に発生するバリの有無を確認する。
表4〜6から明らかなとおり、全体に1層のみ被覆した試料No.11では、切刃における被覆層が摩滅して被削材の溶着が見られた。また、切刃および切屑排出溝のいずれにも2層構成にした試料No.12では、切刃での内部応力が大きくなって被覆層の剥離が発生した。これに対して、切刃の表面は第2被膜層と第1被膜層との2層からなり、それ以外は第1被膜層からなる試料No.7〜10では、被覆層の剥離が少なくて切断距離が長くなった。
1 ツイストドリル
2 切刃
3 切屑排出溝
4 基体
5 被覆層
5a 第1被膜層
5b 第2被覆層
2 切刃
3 切屑排出溝
4 基体
5 被覆層
5a 第1被膜層
5b 第2被覆層
Claims (4)
- 棒状で、外周に切刃と、該切刃よりも内側に凹んだ位置に形成される切屑排出溝とを備えた基体の表面に1層以上の被覆層を被覆してなり、前記切刃の表面には前記基体を全周にわたって被覆される第1被膜層に加えて前記基体側に別途第2被覆層が形成されている回転工具。
- 前記第2被覆層の硬度が、前記第1被覆層の硬度に比べて高く、前記第1被覆層は前記第2被覆層よりも摩擦係数が低い請求項1記載の回転工具。
- 前記第1被覆層および前記第2被覆層がともに硬質炭素膜からなり、前記第1被覆層中の水素含有率が前記第2被覆層中の水素含有率よりも高い請求項1または2記載の回転工具。
- 前記第1被覆層および前記第2被覆層がともに硬質炭素膜からなり、該被覆層の表面からラマン分光分析によって高周波バンド(Gバンド)と低周波バンド(Dバンド)の相対ピーク面積比D/Gを比較したとき、前記第1被覆層のピーク面積比D/Gが前記第2被覆層のピーク面積比D/Gよりも高い請求項1乃至3のいずれか記載の回転工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010235607A JP2012086317A (ja) | 2010-10-20 | 2010-10-20 | 回転工具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015163470A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | 京セラ株式会社 | 被覆工具 |
KR20170129827A (ko) * | 2015-04-27 | 2017-11-27 | 쿄세라 코포레이션 | 피복 부재 |
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KR20200095498A (ko) * | 2018-12-29 | 2020-08-10 | 선전 진저우 프리시젼 테크놀로지 코포레이션 | 경질 코팅층 및 초경 코팅층을 갖는 절삭공구 및 그 제조 방법 |
-
2010
- 2010-10-20 JP JP2010235607A patent/JP2012086317A/ja active Pending
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