JP2012085603A - 微小血管障害又はその関連疾患のバイオマーカー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジペプチジルペプチダーゼ4からなる、微小血管障害又はその関連疾患のバイオマーカーが提供される。また、当該バイオマーカーを用いた検査法などが提供される。
【選択図】なし
Description
[1]ジペプチジルペプチダーゼ4からなる、微小血管障害又はその関連疾患のバイオマーカー。
[2]心筋障害のバイオマーカーである、[1]に記載のバイオマーカー。
[3]糖尿病性心筋障害のバイオマーカーである、[1]に記載のバイオマーカー。
[4]ジペプチジルペプチダーゼ4の検体中レベルを指標として用いることを特徴とする、微小血管障害又はその関連疾患の検査法。
[5]以下のステップ(1)〜(3)を含む、[4]に記載の検査法:
(1)被検者由来の検体を用意するステップ;
(2)前記検体中のジペプチジルペプチダーゼ4を検出するステップ;及び
(3)検出結果に基づいて、微小血管障害又はその関連疾患の現在又は将来の発症可能性を判定するステップ。
[6]検出値が高いと発症可能性が高いとの基準、又は検出できると発症可能性が高いとの基準に従い、ステップ(3)の判定を行う、[5]に記載の検査法。
[7]前記検体が生検組織、全血、血漿、血清又は尿である、[4]〜[6]のいずれか一項に記載の検査法。
[8]心筋障害の検査法である、[4]〜[7]のいずれか一項に記載の検査法。
[9]糖尿病性心筋障害の検査法である、[4]〜[7]のいずれか一項に記載の検査法。
[10][1]に記載のバイオマーカーに特異的結合性を示す物質からなる、微小血管障害又はその関連疾患用の検査試薬。
[11][10]に記載の検査試薬を含む、微小血管障害又はその関連疾患用のキット。
[12]以下のステップ(1)〜(3)を含む、DPP4活性染色法:
(1)組織検体を固定するステップ;
(2)固定液を洗浄除去した後、アゾ色素及びその基質を低温条件下で組織検体に添加して反応させるステップ;
(3)発色を観察するステップ。
[13]ステップ(1)を低温下で行う、[12]に記載のDPP4活性染色法。
[14]ステップ(1)の固定に冷アセトン−冷ホルマリン溶液を使用する、[12]又は[13]に記載のDPP4活性染色法。
[15]アゾ色素がファーストブルーBNであり、基質がグリシル−プロプリル−メトキシ−β−ナフチルアミドである、[12]〜[14]のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
[16]ステップ(2)に使用するアゾ色素及びその基質が、使用直前まで低温条件下で保管される、[12]〜[15]のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
[17]ステップ(2)とステップ(3)の間に封入ステップを行う、[12]〜[16]のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
[18]ステップ(2)とステップ(3)の間に核染色ステップを行う、[12]〜[17]のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
[19]核染色ステップを低温下で行う、[18]に記載のDPP4活性染色法。
[20]核染色ステップにカラッチのヘマトキシリン液を使用する、[18]又は[19]に記載のDPP4活性染色法。
[21]組織検体が心筋組織である、[12]〜[20]のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
[22]ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤を含む、微小血管障害又はその関連疾患の予防又は治療薬。
本発明の第1の局面は微小血管障害又はその関連疾患(以下、これらを総称して「対象疾病」とも呼ぶ)のバイオマーカー(以下、「本発明のバイオマーカー」とも呼ぶ)に関する。ここでの用語「その関連疾患」とは、微小血管障害が原因ないし基盤となる疾患を意味し、例えば糖尿病性心筋症や虚血性心筋症(微小血管狭心症(別名たこつぼ型心筋症)を含む)、肥大型心筋症等(Aneja A et al, American Journal of Mededicie (2008)121巻、748-57頁; Bahlmann E et al. (2008) International Journal of Cardiology 124巻pp. 32-39.; Cecchi F et al, (2003) New England Journal of Medicine, 349巻1027-1035頁を参照)が該当する。本発明のバイオマーカーは対象疾病の現在又は将来の発症可能性を評価する上で有用な指標である。「現在の発症可能性」は、検査時において対象疾病を発症しているか否か又は発症している確率を表すことになる。他方、「将来の発症可能性」は対象疾病を将来発症する可能性(リスク)を表す。本発明のバイオマーカーは心臓における微小血管障害又はその関連疾患の指標として特に有用である。
本発明の第2の局面は本発明のバイオマーカーの用途に関し、対象疾病の現在又は将来の発症可能性を検査する方法(以下、「本発明の検査法」とも呼ぶ)を提供する。本発明の検査法は、対象疾病を現在発症しているか否かを判定するための手段として、或いは対象疾病を将来発症する可能性を判定するための手段として有用である。即ち、本発明の検査法は対象疾病を診断する上で有用な情報を与える。本発明の検査法によれば対象疾病の発症可能性を簡便且つ客観的に判定することが可能となる。
(1)被検者由来の検体を用意するステップ
(2)前記検体中のジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)を検出するステップ
(3)検出結果に基づいて、微小血管障害又はその関連疾患(対象疾病)の現在又は将来の発症可能性を判定するステップ
基準値よりもバイオマーカーの検出値(検体中レベル)が高いときに「発症可能性が高い」と判定し、基準値よりもバイオマーカーの検出値(検体中レベル)が低いときに「発症可能性が低い」と判定する。
バイオマーカーを検出できたときに「発症可能性が高い」と判定し、バイオマーカーを検出できなかったときに「発症可能性が低い」と判定する。尚、バイオマーカーが検出できたか否かは、例えば、染色(発色)の有無によって判断することができる。
コントロールの染色像よりも発色が強いときに発症可能性が高いと判定し、コントロールの染色像よりも発色が弱いときに発症可能性が低いと判定する。尚、コントロールには例えば健常者由来の検体が用いられる。
治療前の染色像の結果を数値化し、治療後の染色像の数値化結果と比較し、治療効果の判定に用いる。なおこの場合のコントロールは治療前状態をさす。
以下に示すように検出値の範囲毎に発症可能性(%)を予め設定しておき、検出値から発症可能性(%)を判定する。
バイオマーカーの検出値がa〜b:発症可能性は10%以下
バイオマーカーの検出値b〜c:発症可能性は10%〜30%
バイオマーカーの検出値c〜d:発症可能性は30%〜50%
バイオマーカーの検出値d〜e:発症可能性は50%〜70%
バイオマーカーの検出値e〜f:発症可能性は70%〜90%
尚、バイオマーカーの検出値は、例えば、染色像における発色の程度を数値化することによって算出できる。
本発明はさらに、対象疾病の発症可能性を検査するための試薬及びキットも提供する。本発明の試薬は本発明のバイオマーカーに特異的結合性を示す物質(以下、「結合分子」と呼ぶ)からなる。結合分子の例として、バイオマーカーを特異的に認識する抗体、核酸アプタマー及びペプチドアプタマーを挙げることができる。結合分子は、本発明のバイオマーカーに対する特異的結合性を有する限り、その種類や由来などは特に限定されない。また、抗体の場合、ポリクローナル抗体、オリゴクローナル抗体(数種〜数十種の抗体の混合物)、及びモノクローナル抗体のいずれでもよい。ポリクローナル抗体又はオリゴクローナル抗体としては、動物免疫して得た抗血清由来のIgG画分のほか、抗原によるアフィニティー精製抗体を使用できる。Fab、Fab'、F(ab')2、scFv、dsFv抗体などの抗体断片であってもよい。
本発明は更に、DPP4活性のin situ(即ち、DPP4が由来する組織検体内の本来あるべき場所・状態のままで)における特異的検出を可能とする染色法を提供する。本発明のin situ DPP4活性染色法によれば特異性及び感度の高い検出が可能となる。本発明を利用すれば、例えば、従来法では事実上不可能であった心筋組織そのものにおけるDPP4活性を検出できる。本発明のDPP4活性染色法は、酵素活性と基質の反応を染色にて可視化するという性質上、動物種を問わず染色が可能である。本発明のDPP4活性染色法では以下のステップ(1)〜(3)を行う。
(1)組織検体を固定するステップ
(2)固定液を洗浄除去した後、アゾ色素及びその基質を低温条件下で組織検体に添加して反応させるステップ
(3)発色を観察するステップ
このステップでは、予め用意した組織検体を固定する。組織検体の由来や状態、採取法などは特に限定されない。例えば、生検によって採取された心筋組織や肝実質組織、腎実質組織、脳実質組織、皮膚組織などを用いることができる。通常は、凍結の後にスライスした組織検体(凍結切片)を風乾処理などによって乾燥させ、その後、固定に供する。典型的にはヒトの組織検体が用いられるが、本発明のDPP4活性染色法は特定の動物種依存的ではないため、ヒト以外の動物(例えばチンパンジー、サルなどの霊長類、ラット、マウス、モルモットなどの齧歯類、ウシ、ブタ、ウマ、羊、ヤギなどの家畜、イヌ、ネコなどのペット動物)由来の組織検体を用いることにしてもよい。
固定処理の後、染色反応を行う。具体的には、固定液を洗浄除去した後、アゾ色素及びその基質を低温条件下で組織検体に添加して反応させる。固定液の洗浄除去は非特異的分解が原因と思われる非特異的染色の発生や褐色への変色を可能な限り低減するとの理由から、低温条件下で行うことが好ましい。例えば、4℃〜10℃に冷却した水道水で10秒〜5分程度、洗浄する。
染色反応後、発色を観察する。好ましくは、退色の防止や標本の保存と光学的な標本の視認性の向上の目的の下、発色の観察に先立って封入処理を施す。封入処理には、 当該染色法で用いる染色液の溶出を防ぐとの理由から水溶性封入剤を使用するとよい。水溶性封入剤の例として、VectaMount AQ Aqueous Mounting Medium(Vector社、米国)を挙げることができる。水溶性封入剤による封入処理は通常、水洗後の組織検体に封入剤を添加すること(或いは封入剤への組織検体の浸漬)により行われる。
心筋障害とDPP4活性の亢進との間に相関を認め且つ毛細血管内皮に限局したDPP4の発現を認めた事実に基づき、DPP4活性の抑制ないし阻害が微小血管障害又はその関連疾患の予防又は治療に有効な治療戦略となり得るとの考えの下、本発明は更なる局面として、DPP4活性阻害剤を含む医薬(微小血管障害又はその関連疾患の予防又は治療薬)を提供する。本発明の医薬による予防又は治療の対象として好ましい疾患の一つは心筋症である。また、心臓リモデリングの発生の阻止ないし抑制も、本発明の医薬の好適な標的となる。
血液疾患あるいは悪性腫瘍組織染色時に使用されている従来のDPP4特殊染色の工程は概要、下記の(i)〜(ix)の通りである。
(i)塗抹または凍結標本を乾燥
(ii)30秒〜5分固定(冷ホルマリン液とアセトン液を使用する方法、あるいは95%エタノールと5%氷酢酸を使用する方法、あるいは4%パラフォルムアルデヒド/リン酸緩衝液を用いる方法が報告されている)
(iii)反応液の調製
(A)基質:Glycyl-proplyl-methoxy-β-naphthylamide):30mg/ml
(B)アゾ色素:(Fast blue BN):50mg/ml
尚、(A)及び(B)は溶媒(N-N dimethyl formamide)にて希釈準備する
(iv) (iii)の反応液をpH7.2, 0.1M リン酸緩衝液にて希釈・混和し、組織標本に投与し、室温で30分間反応させる
(v)水洗
(vi)核染色(ヘマトキシリン染色液)
(vii)水洗
(viii)封入(グリセロール封入剤)
(ix)検鏡
(1)染色反応液の調製方法
(2)染色プロセスにおける固定方法の選択及び染色条件(至適温度、時間)の設定
(3)DPP4陽性染色部位がDPP4活性を反映したものであるか否かの判定
(4)DPP4陽性部位の細胞種の同定
(5)心臓病モデル動物(糖尿病性心筋症ラット)心筋の染色性
反応液のもととなる基質(30mg/ml Glycyl-proplyl-methoxy-β-naphthylamide)は必要分を分注し超低温(-80℃)保存し、使用直前にやはり低温(-20℃以下)で分注保存しておいたアゾ色素:50mg/ml Fast blue BNと混和することにした。混和時に混濁や沈殿を生じた場合は反応液の失活が示唆されるので、反応基質を新たに調製することにした。反応混和液は使用直前まで氷冷し使用することにした。検討の末に見出された反応液調製手順を以下に示す。
(1)使用する試薬
基質:Glycyl-proplyl-methoxy-β-naphthylamide
アゾ色素:Fast blue BN
溶媒:N-N dimethyl formamide
リン酸緩衝液(pH7.2, 0.1M)
(2)調製手順
(i)基質を溶媒で30mg/mlとなるように溶解し、0.2mlずつ-80℃で保存する((A)溶液)。
(ii)75%vl/vlに蒸留水で希釈した溶媒を用いてアゾ色素を50mg/mlに溶解し、0.25mlずつ-20℃で保存する((B)溶液)。
(iii)0.2mlの(A)溶液と2mlのリン酸緩衝液を混和する((C)溶液)。
(iv)0.25mlの(B)溶液と2mlのリン酸緩衝液を混和する((D)溶液)。
(v)6mlのリン酸緩衝液を(C)溶液に添加する((E)溶液)。
(vi)(E)溶液に(C)溶液を加え30秒間よく混和する。混和後も4℃氷中で保存する。反応液は用時調製とし、混和後の反応液は再利用しない。
反応温度及び染色時間に関して下記の各種条件を比較検討した。
(1)固定試薬:(A)30%冷ホルマリン液と2%冷アセトン液の併用、(B)95%エタノールと5%氷酢酸の併用、(C)4%パラフォルムアルデヒド/リン酸緩衝液
(2)試料作製方法:(A)スライドガラス使用、(B)病理用フィルム使用(川本法)
(3)反応温度:(A)4℃、(B)室温(25℃)、(C)37℃
(4)反応時間:(A)15分、(B)30分、(C)60分
<染色手順>
(i)凍結切片の風乾(凍結切片はスライドグラスに直接マウントする。フィルム式では前固定手順(ii)において組織の剥離が問題となるため本法での使用は好ましくない。)
(ii)前固定:氷上で30秒間(固定液は染色ごとに用時調製する。氷冷使用)
(iii)水洗:冷却水道水(4℃)で30秒間
(iv)反応:反応液を添加し、4℃で30分間
(v)水洗:冷却水道水(4℃)で30秒間
(vi)核染色:カラッチのヘマトキシリン液を使用し、4℃、10分間
(vii)水洗:水道水(室温)で洗浄
(viii)封入:水溶性マウントメディアを添加
(ix)検鏡
改良DPP4活性染色法(見出された最適な条件による染色法)でDPP4欠損ラット(DPP4(-) Fisherラット)及びコントロールラット(DPP4(+) Fisherラット)の心筋組織を染色した。その結果、コントロールラット(DPP4(+) Fisherラット)に特異的な染色を認めた(図1上段)。即ち、染色陽性部位がDPP4特異的であることが証明された。また、糖尿病ラット(Wisterラット)及び非糖尿病ラット血清を用いた試験管内酵素活性測定方法で血清DPP4活性を解析した結果、本DPP4心筋組織染色結果と一致して、糖尿病ラット血清中のDPP4活性はコントロールに比して上昇していることが明らかとなった(図2)。尚、DPP4欠損ラット及び糖尿病ラットは以下の方法で用意した。
<DPP4欠損ラット>
米国チャールズ・リバー社が1960年にDr. Dunning から68世代近交のFischer344を導入し、SPF化したものに由来するDPP4 F344/DuCrlCrlj(10週齢、雄)を用いた。当該ラットは、DPP4遺伝子の点突然変異により発生した先天的欠損を有する。日本チャールズ・リバー社より購入した。尚、DPP4発現陽性の近交系にはF344/Jclラットが相当する。
<糖尿病ラット>
Wisterラット(10週齢、雄、日本クレア社より購入)に対して、生理食塩水にて溶解したストレプトゾトシン(シグマアルドリッチジャパン社製)を体重1kgあたり50mgの用量にて腹腔内注射投与する。投与一週間後から血糖が300mg/dlを超える糖尿病を発症する。
心筋組織の連続切片において抗DPP4(CD26)抗体(日本BD社)及び血管内皮特異的マーカーCD31抗体(日本BD社)を用いた免疫組織染色を施行し、共焦点顕微鏡にて解析を行ったところ、DPP4陽性部位と毛細血管内皮陽性部位は完全一致しており、DPP4陽性細胞は心筋毛細血管内皮であることが判明した(図3)。尚、中膜を伴う冠動脈内皮にはDPP4陽性部位は検出されず、このDPP4陽性内皮は毛細血管に限局することもまた明らかとなった(図4)。
ストレプトゾトシン誘発性糖尿病ラット心筋の凍結組織標本を作製し、この標本において上記の改良in situ DPP4活性染色を施行したところ、当該糖尿病ラット心筋においては非糖尿病コントロールラット心筋に比較しより強いDPP4陽性染色部位の検出を認めた(図1下段)。
(1)in situ 心筋DPP4活性の染色に最適な条件を見出すことに成功し、心筋組織標本においてより特異性の高いDPP4活性特殊染色が可能となった。本改良DPP4活性染色法は、酵素活性と基質の反応を染色にて可視化するという性質上、動物種を問わず染色が可能であり、ヒト臨床検体への応用にも適する。また、従来法と比し、長期にわたり反応に必要な反応液を保存する方法が見出されたことは、試薬購入費の節約と作業労力の軽減をもたらす。
(2)改良in situ 心筋DPP4活性染色法は心筋障害の診断に有益な情報を提供する。即ち、心筋障害の病理診断に有用な新たな手法が確立された。
(3)心筋障害における心筋毛細血管の役割が発見され、その本質はDPP4活性に依存することが示唆された。
(4)疾患特異的病理診断方法が皆無であった糖尿病性心筋障害の新たな診断方法として、改良DPP4活性染色法を応用可能であることが明らかとなった。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (22)
- ジペプチジルペプチダーゼ4からなる、微小血管障害又はその関連疾患のバイオマーカー。
- 心筋障害のバイオマーカーである、請求項1に記載のバイオマーカー。
- 糖尿病性心筋障害のバイオマーカーである、請求項1に記載のバイオマーカー。
- ジペプチジルペプチダーゼ4の検体中レベルを指標として用いることを特徴とする、微小血管障害又はその関連疾患の検査法。
- 以下のステップ(1)〜(3)を含む、請求項4に記載の検査法:
(1)被検者由来の検体を用意するステップ;
(2)前記検体中のジペプチジルペプチダーゼ4を検出するステップ;及び
(3)検出結果に基づいて、微小血管障害又はその関連疾患の現在又は将来の発症可能性を判定するステップ。 - 検出値が高いと発症可能性が高いとの基準、又は検出できると発症可能性が高いとの基準に従い、ステップ(3)の判定を行う、請求項5に記載の検査法。
- 前記検体が生検組織、全血、血漿、血清又は尿である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の検査法。
- 心筋障害の検査法である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の検査法。
- 糖尿病性心筋障害の検査法である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の検査法。
- 請求項1に記載のバイオマーカーに特異的結合性を示す物質からなる、微小血管障害又はその関連疾患用の検査試薬。
- 請求項10に記載の検査試薬を含む、微小血管障害又はその関連疾患用のキット。
- 以下のステップ(1)〜(3)を含む、DPP4活性染色法:
(1)組織検体を固定するステップ;
(2)固定液を洗浄除去した後、アゾ色素及びその基質を低温条件下で組織検体に添加して反応させるステップ;
(3)発色を観察するステップ。 - ステップ(1)を低温下で行う、請求項12に記載のDPP4活性染色法。
- ステップ(1)の固定に冷アセトン−冷ホルマリン溶液を使用する、請求項12又は13に記載のDPP4活性染色法。
- アゾ色素がファーストブルーBNであり、基質がグリシル−プロプリル−メトキシ−β−ナフチルアミドである、請求項12〜14のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
- ステップ(2)に使用するアゾ色素及びその基質が、使用直前まで低温条件下で保管される、請求項12〜15のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
- ステップ(2)とステップ(3)の間に封入ステップを行う、請求項12〜16のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
- ステップ(2)とステップ(3)の間に核染色ステップを行う、請求項12〜17のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
- 核染色ステップを低温下で行う、請求項18に記載のDPP4活性染色法。
- 核染色ステップにカラッチのヘマトキシリン液を使用する、請求項18又は19に記載のDPP4活性染色法。
- 組織検体が心筋組織である、請求項12〜20のいずれか一項に記載のDPP4活性染色法。
- ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤を含む、微小血管障害又はその関連疾患の予防又は治療薬。
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