JP2012082718A - 排気浄化システムの異常検出装置及び異常検出方法 - Google Patents

排気浄化システムの異常検出装置及び異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択還元型NOx触媒を有する排気浄化システムにおいて、選択還元型NOx触媒の異常と該システムにおけるその他の装置の異常とを区別して検出する。
【解決手段】選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出するNOx浄化率算出手段(S101)と、選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を算出する吸着比率算出手段(S104〜S108)と、を備えた排気浄化システムの異常検出装置であって、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率及び前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率に基づいて前記排気浄化システムの異常判定を行なう。
【選択図】図5

Description

本発明は、選択還元型NOx触媒を有する排気浄化システムの異常検出装置及び異常検出方法に関する。
従来、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒を有する排気浄化システムが提案されている。このような排気浄化システムでは、選択還元型NOx触媒より上流を流れる排気中に尿素が添加される。該尿素が加水分解することで生じたアンモニアを還元剤として、選択還元型NOx触媒においてNOxの還元が行なわれる。
また、上記のような排気浄化システムにおいて、選択還元型NOx触媒の異常を検出するための様々な手法も提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、選択還元型NOx触媒より下流側の排気のアンモニア濃度をセンサによって検出すると共に、該アンモニア濃度を内燃機関の回転速度、負荷及び触媒温度から推定する。そして、該検出値と該推定値との差が所定値以上のときに、選択還元型NOx触媒が劣化したと判定する。
また、特許文献2には、内燃機関の始動時から尿素添加装置が作動するまでの期間における選択還元型NOx触媒の温度に基づいて、該選択還元型NOx触媒の劣化度合いを診断する技術が開示されている。
特開2006−125323号公報 特開2009−257126号公報
選択還元型NOx触媒に流入したNOx量に対する該触媒において還元されたNOx量の比率であるNOx浄化率は、該触媒の劣化が進むと低下する。そこで、NOx浄化率に基づいて選択還元型NOx触媒の異常を検出する技術が提案されている。
しかしながら、NOx浄化率は、選択還元型NOx触媒が劣化したときのみならず、尿素添加装置等のその他の装置に異常が生じたときも低下する場合がある。そのため、NOx浄化率のみでは、選択還元型NOx触媒の異常とその他の装置の異常とを区別して検出することが困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、選択還元型NOx触媒を有する排気浄化システムにおいて、選択還元型NOx触媒の異常と該システムにおけるその他の装置の異常とを区別して検出することを目的とする。
本発明は、選択還元型NOx触媒のNOx浄化率、及び、該選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を用いて、排気浄化システムの異常判定を行なうものである。
より詳しくは、本発明に係る排気浄化システムの異常検出装置は、
内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒より上流側の排気通路を流れる排気中に尿素を添加する尿素添加装置と、を有し、
前記尿素添加装置によって排気中に尿素を添加することで前記選択還元型NOx触媒にアンモニアを供給し、該アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元させる内燃機関の排気浄化システムの異常検出装置であって、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出するNOx浄化率算出手段と、
前記選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を算出する吸着比率算出手段と、
前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率及び前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率に基づいて前記排気浄化システムの異常判定を行なう異常判定手段と、
を備える。
本発明に係る排気浄化システムにおいては、尿素添加装置によって排気中に尿素が添加されると、該尿素が加水分解することで生じたアンモニアが選択還元型NOx触媒に吸着する。このとき、アンモニアは、選択還元型NOx触媒における弱酸点と強酸点とのそれぞれに一定の比率で吸着する。
しかしながら、選択還元型NOx触媒の劣化度合いが大きくなると、該触媒におけるNOx浄化率が低下すると共に、該触媒におけるアンモニアの吸着比率が正常時とは異なる値となる。一方、排気浄化システムにおける選択還元型NOx触媒以外の装置の異常が発生した場合、選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの吸着比率は正常時と同等の値を維持したまま該触媒におけるNOx浄化率が低下したり、或いは、選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率は正常時と同等の値を維持したまま該触媒におけるアンモニアの吸着比率が正常時と異なる値となったりする。
そこで、本発明に係る異常検出装置では、選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率及びアンモニアの吸着比率に基づいて排気浄化システムの異常判定を行なう。これにより、選択還元型NOx触媒の異常とその他の装置の異常とを区別して検出することができる。
本発明に係る異常検出装置において、異常判定手段は、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値より低く、且つ、吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が基準吸着比率を基準とする所定範囲内にない場合、選択還元型NOx触媒が異常であると判定してもよい。また、異常判定手段は、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値より低く、且つ、吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が基準吸着比率を基準とする所定範囲内にある場合、尿素添加装置が異常であると判定してもよい。
ここで、所定値は、選択還元型NOx触媒及び尿素点火装置が正常であるときのNOx浄化率の最低値であってもよい。また、基準吸着比率は、選択還元型NOx触媒が正常であるときのアンモニアの吸着比率の基準値であってもよい。また、所定範囲は、選択還元型NOx触媒が正常であると判断できるアンモニアの吸着比率の上限値と下限値との間の範囲であってもよい。
上記のように異常判定を行なうことで、選択還元型NOx触媒の異常と尿素添加装置の異常とを区別して検出することができる。
ここで、選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの吸着比率は、選択還元型NOx触媒が正常の場合であっても、その温度に応じて変化する場合がある。そこで、本発明に係
る異常検出装置は、選択還元型NOx触媒の温度を取得する温度取得手段と、該温度取得手段によって取得される選択還元型NOx触媒の温度に基づいて基準吸着比率を設定する基準吸着比率設定手段と、をさらに備えてもよい。これによれば、より高い精度で異常判定を行なうことができる。
また、上記のように、温度取得手段によって取得される選択還元型NOx触媒の温度に基づいて基準吸着比率を設定する場合、温度取得手段に異常が発生すると、基準吸着比率が本来の値と異なる値に設定されることになる。そこで、異常判定手段は、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値以上であり、且つ、吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が、基準吸着比率設定手段によって設定される基準吸着比率を基準とする所定範囲内にないときは、温度取得手段が異常であると判定してもよい。
本発明に係る異常検出装置は、尿素添加装置からの尿素添加を停止させる添加停止手段と、選択還元型NOx触媒を昇温させる昇温手段と、をさらに備えてもよい。尿素添加装置からの尿素添加を停止させてから、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が略零になるまでの間における、NOx浄化率の積算値(以下、第一積算値と称する)は、選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と相関がある。また、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が略零になった後、選択還元型NOx触媒を昇温させた際の、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間における、NOx浄化率の積算値(以下、第二積算値と称する)は、選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの強酸点吸着量と相関がある。
そこで、吸着比率算出手段は、添加停止手段によって尿素添加装置からの尿素添加を停止させて第一積算値を算出し、その後、昇温手段によって選択還元型NOx触媒を昇温させて第二積算値を算出してもよい。そして、選択還元型NOx触媒における吸着比率を該第一積算値と該第二積算値との比として算出してもよい。
尿素添加装置等に異常が発生することで、排気中に添加された尿素の霧化又は分散が不十分となると、排気通路において固体尿素が析出する場合がある(以下、このような異常を固体尿素析出異常と称する)。固体尿素析出異常が発生している場合、選択還元型NOx触媒に流入するNOxの量に対する尿素添加装置による尿素添加量の比率である当量比を増加させると、析出される固体尿素も増加する。
また、排気温度が上昇すると、固体尿素が分解されてアンモニアが生じる。そのため、固体尿素析出異常が発生すると、尿素添加装置による尿素添加が停止している状態でも、排気温度が上昇すると、固体尿素からNOx触媒にアンモニアが供給される。そして、この時にNOx触媒に供給されるアンモニアの量は、固体尿素の量が多いほど、即ち尿素添加停止前の当量比が大きいほど多くなる。
そのため、昇温手段が、選択還元型NOx触媒よりも上流側の排気通路を流れる排気の温度を上昇させることで選択還元型NOx触媒を昇温させるものである場合、固体尿素析出異常が発生すると、昇温手段によって選択還元型NOx触媒を昇温させた際に、固体尿素から選択還元型NOx触媒にアンモニアが供給される。また、昇温手段によって選択還元型NOx触媒を昇温させた際の選択還元型NOx触媒へのアンモニアの供給量が多いほど、吸着比率算出手段によって算出される第二積算値が大きくなる。その結果、吸着比率算出手段によって算出される吸着比率での強酸点吸着量の割合が大きくなる。
そこで、昇温手段が、選択還元型NOx触媒よりも上流側の排気通路を流れる排気の温度を上昇させることで選択還元型NOx触媒を昇温させるものである場合、異常判定手段
は、NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値以上であり、且つ、当量比を増加させたときに、吸着比率算出手段によって算出される吸着比率での強酸点吸着量の割合が所定増加量以上増加した場合、固体尿素析出異常が発生していると判定してもよい。ここで、所定増加量は、固体尿素析出異常が発生していると判断できる閾値である。
本発明は、排気浄化システムの異常検出方法として捕らえることもできる。例えば、本発明の一態様としての排気浄化システムの異常検出方法は、
内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒より上流側の排気通路を流れる排気中に尿素を添加する尿素添加装置と、を有し、
前記尿素添加装置によって排気中に尿素を添加することで前記選択還元型NOx触媒にアンモニアを供給し、該アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元させる内燃機関の排気浄化システムの異常検出方法であって、
前記選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出するNOx浄化率算出ステップと、
前記選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を算出する吸着比率算出ステップと、
前記NOx浄化率算出ステップにおいて算出されるNOx浄化率及び前記吸着比率算出ステップにおいて算出される吸着比率に基づいて前記排気浄化システムの異常判定を行なう異常判定ステップと、
を有する。
また、本発明に係る異常検出方法では、
前記吸着比率算出ステップにおいて、
前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させ、
前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させてから前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が略零になるまでの間における、該NOx浄化率の積算値を第一積算値として算出し、
前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が略零になった後、前記選択還元型NOx触媒を昇温させ、
前記選択還元型NOx触媒を昇温させた後、前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間におけるNOx浄化率の積算値を第二積算値として算出し、
前記選択還元型NOx触媒における吸着比率を前記第一積算値と前記第二積算値との比として算出してもよい。
本発明によれば、選択還元型NOx触媒を有する排気浄化システムにおいて、選択還元型NOx触媒の異常と該システムにおけるその他の装置の異常とを区別して検出することができる。
実施例1に係る内燃機関の排気系の概略構成を示す図である。 実施例1に係る、NOx触媒におけるアンモニアの吸着態様を説明するためのイメージ図である。 実施例1に係る、NOx触媒或いは尿素添加装置に異常が発生したときの、NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との変化を示す図である。 実施例1に係る、尿素添加装置による尿素添加を停止したときのNOx触媒におけるNOx浄化率の推移を示すタイムチャートである。 実施例1に係る、排気浄化システムの異常検出のフローを示すフローチャートである。 実施例1に係る、NOx触媒におけるアンモニアの吸着比率RaとNOx触媒の温度Tcとの関係を示す図である。 実施例2に係る、排気浄化システムの異常検出のフローを示すフローチャートである。 実施例3に係る、排気通路において固体尿素が析出した場合の様子を示す図である。 実施例3に係る、NOx触媒に流入するNOxの量に対する尿素添加装置による尿素添加量の比率である当量比φと、NOx触媒におけるアンモニアの吸着比率Raとの関係を示す図である。 実施例3に係る、排気浄化システムの異常検出のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。ここでは、本発明を、車両駆動用のディーゼルエンジンの排気浄化システムに適用した場合を例に挙げて説明する。尚、本発明に係る内燃機関はディーゼルエンジンに限られるものではなく、ガソリンエンジンであってもよい。
[内燃機関の排気系の概略構成]
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。内燃機関1には排気通路2が接続されている。
排気通路2には、酸化触媒3、パティキュレートフィルタ4、及び選択還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒と称する)5が上流から順に設けられている。パティキュレートフィルタ4は排気中の粒子状物質を捕集するフィルタである。パティキュレートフィルタ4には酸化触媒が担持されている。排気通路2における酸化触媒3より上流側には、排気中に燃料を添加する燃料添加弁6が設けられている。
また、本実施例に係る内燃機関1の排気系には尿素添加装置7が設けられている。尿素添加装置7は、パティキュレートフィルタ4より下流側且つNOx触媒5より上流側の排気通路2を流れる排気中に尿素を添加するための装置である。尿素添加装置7は、尿素添加弁71、尿素通路72、尿素タンク73、及び電動ポンプ74を備えている。
尿素添加弁71は、パティキュレートフィルタ4より下流側且つNOx触媒5より上流側の排気通路2に設けられている。尿素添加弁71には尿素通路72の一端が接続されている。尿素通路72の他端は尿素タンク73に接続されている。尿素タンク73には尿素水溶液が貯留されている。尿素通路72には電動ポンプ74が設けられている。電動ポンプ74が駆動することで、尿素タンク73から尿素通路72を通して尿素添加弁71に尿素水溶液が供給される。そして、尿素添加弁71に供給された尿素水溶液が、該尿素添加弁71に形成された尿素噴射孔から排気中に添加される。
尿素添加弁71から排気中に添加された尿素が加水分解することでアンモニアが生じる。該アンモニアはNOx触媒5に吸着する。NOx触媒5において、該アンモニアが還元剤となって排気中のNOxが還元される。
NOx触媒5より下流側の排気通路2には、NOxセンサ11及び温度センサ12が設けられている。NOxセンサ11は、NOx触媒5から流出した排気のNOx濃度を検出するセンサである。温度センサ12は、NOx触媒5から流出した排気の温度を検出するセンサである。
内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。ECU10は内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU10には、NOxセンサ11、温度センサ12、クランクポジションセンサ13、及び内燃機関1を搭載した車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ14が電気的に接続されている。そして、各センサの出力信号がECU10に入力される。
ECU10は、クランクポジションセンサ13の出力値に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。ECU10は、アクセル開度センサ14の出力値に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出する。
また、ECU10には、燃料添加弁6、尿素添加弁71、及び電動ポンプ74が電気的に接続されている。そして、ECU10によってこれらの装置が制御される。
[排気浄化システムの異常検出]
上述したように、本実施例では、尿素添加弁71から尿素が添加されることで供給されるアンモニアを還元剤として、NOx触媒5において排気中のNOxが還元される。ここで、NOx触媒5に流入したNOx量に対する該触媒5において還元されたNOx量の比率をNOx浄化率とする。
NOx触媒5におけるNOx浄化率はNOx触媒5の劣化が進むと低下する。一方、尿素添加弁71の詰まり等の尿素添加装置7の異常が生じた場合においても、NOx触媒5に十分な量のアンモニアが供給されないことに起因して、NOx浄化率が低下する場合がある。そのため、NOx浄化率のみに基づいて、NOx触媒5の異常(即ち、過度な劣化)と尿素添加装置7の異常とを区別して検出することは困難である。
そこで、本実施例においては、NOx浄化率のみならず、NOx触媒5におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率も用いて、NOx触媒5或いは尿素添加装置7の異常を検出する。
図2は、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着態様を説明するためのイメージ図である。図2に示すように、尿素添加弁71から添加された尿素が加水分解することで気相のアンモニアが生じる。そして、該アンモニアがNOx触媒5に吸着する。このとき、アンモニアは、通常であれば、NOx触媒5における弱酸点と強酸点とのそれぞれに一定の比率で吸着する。
ここで、NOx触媒5において、強酸点に吸着したアンモニアは弱酸点に吸着したアンモニアに比べて脱離し難い。そのため、NOx触媒5の温度が比較的低いときは、弱酸点に吸着したアンモニアによってNOxが還元される。そして、NOx触媒5の温度が、強酸点に吸着していたアンモニアが脱離可能な温度まで上昇すると、該強酸点に吸着していたアンモニアによってNOxが還元される。
図3は、NOx触媒5或いは尿素添加装置7に異常が発生したときの、NOx触媒5におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との変化を示す図である。図3(a)は、NOx触媒5及び尿素添加装置7がいずれも正常である場合のアンモニアの弱酸点吸着
量と強酸点吸着量を示している。図3(b)は、NOx触媒5が正常であり、尿素添加装置7が異常である場合のアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量を示している。図3(c)は、NOx触媒5が異常であり、尿素添加装置7が正常である場合のアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量を示している。
例えば尿素添加弁71の詰まりのような異常が尿素添加装置7に発生し、排気中への尿素添加量が正常時よりも減少すると、NOx触媒5に供給されるアンモニアの量が減少する。そのため、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着量も減少する。その結果、NOx触媒5におけるNOx浄化率が低下する。
このとき、NOx触媒5が正常であれば、図3(b)に示すように、弱酸点吸着量と強酸点吸着量とがほぼ同様の割合で減少する。つまり、アンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との総和は減少するが、吸着比率は尿素添加装置7が正常のときと同等の比率に維持される。従って、NOx触媒5におけるNOx浄化率が低下した場合であっても吸着比率が略一定値を保っていれば、NOx触媒5は正常であり、尿素添加装置7に異常が発生したと判断できる。
一方、NOx触媒5が劣化した場合、その弱酸点と強酸点との劣化度合いは異なったものとなる。つまり、それぞれの吸着サイト数や吸着脱離速度は異なる割合で変化する。そのため、NOx触媒5が劣化することで、そのNOx浄化率が低下した場合、図3(c)に示すように、アンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との総和が減少すると共に、吸着比率が正常時とは異なる比率となる。 従って、NOx触媒5におけるNOx浄化率が低下した場合であって且つ吸着比率も正常時とは異なる比率となっていれば、尿素添加装置7は正常であり、NOx触媒5に異常が発生したと判断できる。
尚、図3(c)においては、弱酸点吸着量の減少量の方が強酸点吸着量の減少量よりも大きくなっているが、強酸点吸着量の減少量の方が弱酸点吸着量の減少量よりも大きくなる場合もある。
[吸着比率算出方法]
ここで、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率の算出方法について、図4に基づいて説明する。図4は、尿素添加装置7による尿素添加を停止したときのNOx触媒5におけるNOx浄化率の推移を示すタイムチャートである。図4において、上段はNO触媒5におけるNOx浄化率を示しており、中段はNOx触媒5の温度を示しており、下段は尿素添加装置7に対する尿素添加信号を示している。尿素添加装置7に対する尿素添加信号がOFFとなると尿素添加装置7による尿素添加が停止される。
図4に示すように、尿素添加装置7による尿素添加が停止することで、NOx触媒5へのアンモニアの新たな供給が停止しても、NOx触媒5におけるNOx浄化率は直ちに零にはならず、徐々に低下する。これは、NOx触媒5に吸着していたアンモニアによりNOxの還元が行なわれるためである。
このときのNOxの還元は、NOx触媒5の弱酸点に吸着していたアンモニアによって行なわれる。そのため、弱酸点に吸着していたアンモニアが減少するに従ってNOx浄化率が低下する。そして、弱酸点吸着量が略零となるとNOx浄化率も一旦略零となる。
また、図4に示すように、NOx浄化率が略零となった後、NOx触媒5を昇温させると、尿素添加装置7による尿素添加を停止させたままでも、NOx浄化率が上昇する。これは、NOx触媒5の強酸点に吸着していたアンモニアが該触媒5の温度上昇に伴って脱離し、該アンモニアによりNOxの還元が行なわれるためである。そして、強酸点吸着量
が略零となるとNOx浄化率も再度略零となる。
従って、尿素添加装置7からの尿素添加を停止させてからNOx浄化率が略零になるまでの間(図4においてΔt1で示す期間)における、NOx浄化率の積算値(以下、第一積算値と称する)Sn1は、尿素添加が停止された時点でのNOx触媒5におけるアンモニアの弱酸点吸着量と相関がある。また、NOx浄化率が略零になった後、NOx触媒5を昇温させた際の、NOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間(図4においてΔt2で示す期間)における、NOx浄化率の積算値(以下、第二積算値と称する)Sn2は、尿素添加が停止された時点でのNOx触媒5におけるアンモニアの強酸点吸着量と相関がある。
そこで、本実施例においては、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率の算出する場合、尿素添加装置7からの尿素添加を停止させ、先ずNOx浄化率の第一積算値を算出する。その後、NOx触媒5を昇温させ、NOx浄化率の第二積算値を算出する。そして、吸着比率を、該第一積算値と該第二積算値との比として算出する。
[異常検出フロー]
本実施例に係る排気浄化システムの異常検出のフローについて図5に基づいて説明する。本フローは、ECU10に予め記憶されており、所定の間隔で繰り返し実行される。
本フローでは、先ずステップS101において、NOx触媒5における現時点のNOx浄化率Rnoxが算出される。本実施例では、NOx触媒5に流入する排気のNOx濃度(以下、流入排気NOx濃度と称する)が内燃機関1の運転状態に基づいて推定され、NOx触媒5から流出する排気のNOx濃度(以下、流出排気NOx濃度と称する)がNOxセンサ11によって検出される。そして、推定された流入排気NOx濃度及び検出された流出排気NOx濃度に基づいてNOx浄化率Rnoxが算出される。尚、NOx触媒5より上流側の排気通路2にもNOxセンサを設け、流出排気NOx濃度を該NOxセンサによって検出してもよい。
次に、ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0より低いか否かが判別される。ここで、所定値Rnox0は、NOx触媒5及び尿素添加装置7が正常であるときのNOx浄化率の最低値として設定された値である。このような所定値Rnox0は、実験等に基づいて予め求めることができる。
ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0以上と判定された場合、NOx触媒5及び尿素添加装置7はいずれも正常であると判断できる。この場合、本フローは一旦終了される。
一方、ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0より低いと判定された場合、次に、ステップS103において、温度センサ12の検出値に基づいてNOx触媒5の温度Tcが推定される。尚、NOx触媒5に流入する排気の温度に基づいてNOx触媒5の温度Tcを推定してもよい。また、NOx触媒5に流入する排気の温度及びNOx触媒5から流出する排気の温度の両方に基づいてNOx触媒5の温度Tcを推定してもよい。また、NOx触媒5の温度を直接センサによって検出してもよい。
次に、ステップS104において、上述した吸着比率算出方法によってNOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率を算出すべく、尿素添加装置7による尿素添加が停止される。尿素添加装置7による尿素添加が停止された後、ステップS105において、NOx浄化率が略零になるまでの間NOx浄化率が積算されることで、第一積算値Sn1が算出される。
次に、ステップS106において、NOx触媒5が昇温される。本実施例において、NOx触媒5の昇温は、燃料添加弁6から排気中に燃料を添加することで行なわれる。燃料添加弁6から添加された燃料は、酸化触媒3及びパティキュレートフィルタ4に担持された酸化触媒に供給され酸化される。このときの酸化熱によって排気の温度が上昇する。これによってNOx触媒5の温度が上昇する。尚、NOx触媒5の昇温方法は、燃料添加弁6からの燃料添加に限られるものではなく、周知のどの様な方法を用いてもよい。例えば、内燃機関1において主燃料噴射よりも後のタイミングで副燃料噴射を行うことで酸化触媒3及びパティキュレートフィルタ4に供給してもよい。また、電気ヒータによってNOx触媒5を加熱してもよい。
NOx触媒5の昇温が実行されると、ステップS107において、NOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間NOx浄化率を積算することで、第二積算値Sn2が算出される。
次に、ステップS108において、第一積算値Sn1と第二積算値Sn2との比として、尿素添加装置7からの燃料添加を停止させた時点でのNOx触媒5における吸着比率Raが算出される。本実施例では、吸着比率Ra=(弱酸点吸着量/強酸点吸着量)=(Sn1/Sn2)とする。
次に、ステップS109において、尿素添加装置7からの燃料添加を停止させた時点のNOx触媒5の温度Tc、即ちステップS103で推定されたNOx触媒5の温度Tcに基づいて、基準吸着比率Rabaseが設定される。基準吸着比率Rabaseは、NOx触媒5が正常であるときのアンモニアの吸着比率の基準値である。
ここで、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率RaとNOx触媒5の温度Tcとの関係について図6に基づいて説明する。図6において、縦軸は、吸着比率Raを表しており、横軸はNOx触媒5の温度を表している。また、図6において、実線は、基準吸着比率Rabaseを表しており、破線は、NOx触媒5に異常が生じた場合の吸着比率の一例を表している。
NOx触媒5の温度が上昇すると、その温度が低いときにはNOx触媒5の弱酸点に吸着していたアンモニアがNOxの還元に使用され易くなる。つまり、NOx触媒5の温度が高いほど、アンモニアの弱酸点吸着量は減少する。そのため、図6に示すように、NOx触媒5の温度Tcが高いほど、吸着比率Raは低くなる。
本実施例においては、図6に示すような、基準吸着比率RabaseとNOx触媒5の温度Tcとの関係が、実験等に基づいて予め求められ、ECU10にマップとして記憶されている。そして、ステップS109においては、このマップにNOx触媒5の温度Tcの推定値を代入することで基準吸着比率Rabaseが算出される。
次に、ステップS110において、ステップS108で算出された吸着比率Raが、ステップS109で設定された基準吸着比率Rabaseを基準とする所定範囲内にあるか否かが判別される。所定範囲は、図6において一点鎖線で表す、NOx触媒5が正常であると判断できるアンモニアの吸着比率の上限値と下限値との間の範囲である。本実施例では、このような所定範囲も、実験等に基づいて予め求められ、ECU10にマップとして記憶されている。
ステップS110において、吸着比率Raが所定範囲内にないと判定された場合、即ち、吸着比率Raが所定範囲の下限値より小さい或いは上限値より大きい場合、ステップS
111において、NOx触媒5が異常であると判定される。一方、ステップS110において、吸着比率Raが所定範囲内であると判定された場合、即ち、吸着比率Raが所定範囲の下限値以上且つ上限値以下である場合、ステップS112において、尿素添加装置7が異常であると判定される。
本フローによれば、NOx触媒5の異常と尿素添加装置7の異常とを区別して検出することができる。
<実施例2>
本発明の実施例2について説明する。本実施例に係る内燃機関の排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1と同様の方法によってNOx触媒5及び尿素添加装置7の異常検出が行なわれる。
[排気浄化システムの異常検出]
本実施例では、NOx触媒5及び尿素添加装置7の異常検出に加えて、温度センサ12の異常検出が行なわれる。上述したように、NOx触媒5の温度Tcは、温度センサ12の検出値に基づいて推定される。そして、該推定値に基づいて、NOx触媒5におけるアンモニアの基準吸着比率Rabaseが設定される。
このとき、温度センサ12に異常が発生すると、NOx触媒5の温度の推定値が実際の値と大きくずれる場合がある。この場合、基準吸着比率Rabaseも本来の値とは異なる値となる。そして、このように本来の値とは異なる基準吸着比率を基準に所定範囲が設定されると、NOx触媒5が正常であるにもかかわらず、NOx触媒5における吸着比率Raの算出値が所定範囲からはずれることになる。
一方、温度センサ12に異常が発生しても、NOx触媒5及び尿素添加装置7が正常であれば、NOx触媒5におけるNOx浄化率の算出値は所定値Rnox0以上となる。そこで、本実施例では、NOx触媒5におけるNOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0以上の時に、NOx触媒5における吸着比率Raが所定範囲からはずれている場合、温度センサ12が異常であると判定する。
[異常検出フロー]
本実施例に係る排気浄化システムの異常検出のフローについて図7に基づいて説明する。本フローは、ECU10に予め記憶されており、所定の間隔で繰り返し実行される。
本フローでは、図5に示すフローと同様、ステップS101において、NOx触媒5におけるNOx浄化率Rnoxが算出され、ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0より低いか否かが判別される。
ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0以上と判定された場合(この場合、NOx触媒5及び尿素添加装置7は正常)、次に、ステップS203において、温度センサ12の異常判定実行条件が成立したか否かが判別される。該異常判定実行条件は、予め定められており、具体的には、前回の温度センサ12の異常判定実行後、所定時間が経過していること或いは車両の走行距離が所定距離以上となっていること等を例示できる。
ステップS203において異常判定実行条件が成立していないと判定された場合、本フローの実行は一旦終了される。一方、ステップS203において異常判定実行条件が成立したと判定された場合、ステップS204において、温度センサ12の検出値に基づいてNOx触媒5の温度Tcが推定される。
次に、ステップS205からS209の処理が実行され、NOx触媒5における吸着比率Raが算出される。ここで、ステップS205からS209の処理内容は、図5に示すフローのステップS104からS108と同様である。さらに、ステップS210において、図5に示すフローのステップS109と同様、ステップS204で推定されたNOx触媒5の温度Tcに基づいて、基準吸着比率Rabaseが設定される。そして、ステップS211において、ステップS209で算出された吸着比率Raが、ステップS210で設定された基準吸着比率Rabaseを基準とする所定範囲内にあるか否かが判別される。
ステップS211において、吸着比率Raが所定範囲内にないと判定された場合、ステップS212において、温度センサ12が異常であると判定される。一方、ステップS211において、吸着比率Raが所定範囲内であると判定された場合、ステップS213において、温度センサ12は正常であると判定される。
本フローによれば、NOx触媒5の異常及び尿素添加装置7の異常と区別して、温度センサ12の異常を検出することができる。
<実施例3>
本発明の実施例3について説明する。本実施例に係る内燃機関の排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1と同様の方法によってNOx触媒5及び尿素添加装置7の異常検出が行なわれる。また、実施例2と同様の方法によって温度センサ12の異常検出が行なわれる。
[排気浄化システムの異常検出]
尿素添加装置7に異常が発生することで、尿素添加弁71から排気中に添加された尿素水溶液の霧化又は分散が不十分となると、図8に示すように、排気通路2において固体尿素が析出する場合がある。本実施例では、このような固体尿素析出異常の検出が行なわれる。
図9は、NOx触媒5に流入するNOxの量に対する尿素添加装置7による尿素添加量の比率である当量比φと、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率Raとの関係を示す図である。図9において、縦軸は吸着比率Raを表しており、横軸は当量比φを表している。また、図9において、実線は、正常時(固体尿素析出異常が発生していない時)の関係を示しており、破線は、固体尿素析出異常が発生している場合の関係の一例を示している。
図9に示すとおり、正常時においては、当量比φが変化しても吸着比率Raは略一定である。しかしながら、固体尿素析出異常が発生すると、当量比φが大きくなるに従って吸着比率Raが低下する。これは以下の理由によるものである。
固体尿素析出異常が発生している場合、当量比を増加させると、析出される固体尿素の量が増加する。また、排気通路2に固体尿素が存在している状態で排気温度が上昇すると、固体尿素が分解されてアンモニアが生じ、該アンモニアがNOx触媒5に供給される。このとき、NOx触媒5に供給されるアンモニアは、固体尿素の量が多いほど多くなる。
ここで、本実施例において、NOx触媒5におけるアンモニアの吸着比率を算出する際には、尿素添加装置7による尿素添加を停止させた後、NOx浄化率の第二積算値を算出すべくNOx触媒5を昇温させる。この時、NOx触媒5の昇温は、尿素添加弁71より上流側において排気を昇温させることで実現される。そのため、固体尿素が排気通路2に
存在している状態でNOx触媒5の昇温が行なわれると、該固体尿素からNOx触媒5にアンモニアが供給される。
このときにNOx触媒5に供給されるアンモニアの量は、排気通路2に存在する固体尿素の量が多いほど、即ち尿素添加を停止する前の当量比が大きいほど多くなる。そして、このときにNOx触媒5に供給されるアンモニアの量が多いほど、NOx浄化率が高くなるため、NOx浄化率の第二積算値が大きくなる。従って、固体尿素析出異常が発生すると、当量比φが大きくなるに従って吸着比率Raの算出値が低下する(つまり、NOx触媒5における実際の吸着比率が低下するのではなく、見かけの吸着比率の値が低下する)。
そこで、本実施例では、NOx触媒5におけるNOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0以上の時において、当量比を変化させると、吸着比率の算出値が変化する場合、固体尿素析出異常が発生していると判定する。
[異常検出フロー]
本実施例に係る排気浄化システムの異常検出のフローについて図10に基づいて説明する。本フローは、ECU10に予め記憶されており、所定の間隔で繰り返し実行される。
本フローでは、図5に示すフローと同様、ステップS101において、NOx触媒5におけるNOx浄化率Rnoxが算出され、ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0より低いか否かが判別される。
ステップS102において、NOx浄化率Rnoxが所定値Rnox0以上と判定された場合(この場合、NOx触媒5及び尿素添加装置7は正常)、次に、ステップS303において、固体尿素析出異常の判定実行条件が成立したか否かが判別される。該異常判定実行条件は、予め定められており、具体的には、前回の固体尿素析出異常の判定実行後、所定時間が経過していること或いは車両の走行距離が所定距離以上となっていること等を例示できる。
ステップS303において異常判定実行条件が成立していないと判定された場合、本フローの実行は一旦終了される。一方、ステップS303において異常判定実行条件が成立したと判定された場合、ステップS304において、二点の当量比ついて吸着比率Raが算出される。
つまり、ステップS304においては、先ず、ある当量比で行なっている尿素添加装置7による尿素添加が停止され、実施例1に係る吸着比率の算出方法と同様の方法で、該当量比での吸着比率Raが算出される。その後、尿素添加停止前よりも大きい当量比で尿素添加が再開される。そして、該尿素添加が再度停止されて、実施例1に係る吸着比率の算出方法と同様の方法で、増加された当量比での吸着比率Raが算出される。尚、ステップS304においては、三点以上の当量比について吸着比率を算出してもよい。
次に、ステップS305において、ステップS304で算出された二点の当量比ついて吸着比率Raに基づいて、吸着比率の増加量ΔRaが算出される。そして、ステップS306において、吸着比率の増加量ΔRaが所定増加量ΔRa0以上であるか否かが判別される。ここで、所定増加量ΔRa0は、固体尿素析出異常が発生していると判断できる閾値である。このような所定増加量ΔRa0は、実験等に基づいて予め求めることができる。
ステップS306において、吸着比率の増加量ΔRaが所定増加量ΔRa0以上であると判定された場合、ステップS307において、固体尿素析出異常が発生したと判定され
る。一方、ステップS306において、吸着比率の増加量ΔRaが所定増加量ΔRa0より小さいと判定された場合、ステップS308において、固体尿素析出異常は発生していないと判定される。
本フローによれば、NOx触媒5の異常及び尿素添加装置7の異常と区別して、固体尿素析出異常を検出することができる。
1・・・内燃機関
2・・・排気通路
3・・・酸化触媒
4・・・パティキュレートフィルタ
5・・・選択還元型NOx触媒
6・・・燃料添加弁
7・・・尿素添加装置
71・・尿素添加弁
8・・・燃料添加弁
10・・ECU
11・・NOxセンサ
12・・温度センサ
13・・クランクポジションセンサ
14・・アクセル開度センサ

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒より上流側の排気通路を流れる排気中に尿素を添加する尿素添加装置と、を有し、
    前記尿素添加装置によって排気中に尿素を添加することで前記選択還元型NOx触媒にアンモニアを供給し、該アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元させる内燃機関の排気浄化システムの異常検出装置であって、
    前記選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出するNOx浄化率算出手段と、
    前記選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を算出する吸着比率算出手段と、
    前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率及び前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率に基づいて前記排気浄化システムの異常判定を行なう異常判定手段と、
    を備える排気浄化システムの異常検出装置。
  2. 前記異常判定手段が、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値より低く、且つ、前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が基準吸着比率を基準とする所定範囲内にない場合、前記選択還元型NOx触媒が異常であると判定する請求項1に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  3. 前記異常判定手段が、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値より低く、且つ、前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が基準吸着比率を基準とする所定範囲内にある場合、前記尿素添加装置が異常であると判定する請求項1に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  4. 前記選択還元型NOx触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記温度取得手段によって取得される前記選択還元型NOx触媒の温度に基づいて前記基準吸着比率を設定する基準吸着比率設定手段と、
    をさらに備えた請求項2または3に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  5. 前記選択還元型NOx触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記温度取得手段によって取得される前記選択還元型NOx触媒の温度に基づいて基準吸着比率を設定する基準吸着比率設定手段と、をさらに備え、
    前記異常判定手段が、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値以上であり、且つ、前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率が、前記基準吸着比率設定手段によって設定される基準吸着比率を基準とする所定範囲内にない場合、前記温度取得手段が異常であると判定する請求項1に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  6. 前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させる添加停止手段と、
    前記選択還元型NOx触媒を昇温させる昇温手段と、をさらに備え、
    前記吸着比率算出手段が、
    前記添加停止手段によって前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させてから、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が略零になるまでの間における、NOx浄化率の積算値を第一積算値として算出し、
    前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が略零になった後、前記昇温手段によって前記選択還元型NOx触媒を昇温させ、その後、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間における、NOx浄化率の積算値を第二積算値として算出し、
    前記選択還元型NOx触媒における吸着比率を前記第一積算値と前記第二積算値との比として算出する請求項1から5のいずれか一項に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  7. 前記昇温手段が、前記選択還元型NOx触媒よりも上流側の排気通路を流れる排気の温度を上昇させることで前記選択還元型NOx触媒を昇温させるものであって、
    前記異常判定手段が、前記NOx浄化率算出手段によって算出されるNOx浄化率が所定値以上であり、且つ、前記選択還元型NOx触媒に流入するNOxの量に対する前記尿素添加装置による尿素添加量の比率である当量比を増加させたときに、前記吸着比率算出手段によって算出される吸着比率での強酸点吸着量の割合が所定増加量以上増加した場合、排気通路において固体尿素が析出する固体尿素析出異常が発生していると判定する請求項6に記載の排気浄化システムの異常検出装置。
  8. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒より上流側の排気通路を流れる排気中に尿素を添加する尿素添加装置と、を有し、
    前記尿素添加装置によって排気中に尿素を添加することで前記選択還元型NOx触媒にアンモニアを供給し、該アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元させる内燃機関の排気浄化システムの異常検出方法であって、
    前記選択還元型NOx触媒におけるNOx浄化率を算出するNOx浄化率算出ステップと、
    前記選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの弱酸点吸着量と強酸点吸着量との比率である吸着比率を算出する吸着比率算出ステップと、
    前記NOx浄化率算出ステップにおいて算出されるNOx浄化率及び前記吸着比率算出ステップにおいて算出される吸着比率に基づいて前記排気浄化システムの異常判定を行なう異常判定ステップと、
    を有する排気浄化システムの異常検出方法。
  9. 前記吸着比率算出ステップにおいて、
    前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させ、
    前記尿素添加装置からの尿素添加を停止させてから前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が略零になるまでの間における、該NOx浄化率の積算値を第一積算値として算出し、
    前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が略零になった後、前記選択還元型NOx触媒を昇温させ、
    前記選択還元型NOx触媒を昇温させた後、前記選択還元型NOx触媒のNOx浄化率が上昇し始めてから再度略零になるまでの間におけるNOx浄化率の積算値を第二積算値として算出し、
    前記選択還元型NOx触媒における吸着比率を前記第一積算値と前記第二積算値との比として算出する請求項8に記載の排気浄化システムの異常検出方法。
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