JP2012081461A - 粉砕装置、粉砕方法、トナー製造方法及びトナー - Google Patents

粉砕装置、粉砕方法、トナー製造方法及びトナー Download PDF

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Abstract

【課題】加速管内での衝撃波の発生を抑制して、粉砕効率の低下を抑制し、且つ、歩留の向上を図ることができる粉砕装置、粉砕方法、並びに、この粉砕装置を用いてトナーを製造するトナー製造方法およびこの粉砕装置を用いて製造されたトナーを提供する。
【解決手段】粉砕装置100では、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器4を備え、固気混相器4で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズル8へ供給する構成で、圧縮気体供給ノズル8内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように被粉砕物の粒子の軌跡を操作する粒子軌跡操作手段を構成する粒子軌跡操作部材14を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジェット気流を用いた衝突式の粉砕装置、粉砕方法、並びに、この粉砕装置を用いてトナーを製造するトナー製造方法およびこのトナー製造方法を用いて製造されたトナーに関するものである。
ミクロンオーダーの粉砕物を製造するジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機と呼ばれる粉砕装置が知られている(例えば、特許文献1乃至3)。特許文献1乃至3に記載の粉砕装置は、圧縮気体供給ノズル、加速管、内部に衝突部材を備えた粉砕室、分級装置などで構成されている。加速管は、圧縮気体が流入する流入口と、被粉砕物を供給するための供給口と、供給口から供給された被粉砕物と流入口から流入した圧縮気体との混相気が噴射される噴射口とを有している。加速管の流入口は、圧縮気体供給ノズルに接続されており、加速管の噴射口は、粉砕室内の衝突部材と対向するように粉砕室に接続されている。
上記特許文献1乃至3に記載の粉砕装置による被粉砕物の粉砕は、次のようにして行われる。まず、圧縮気体供給ノズルに供給された圧縮気体は、圧縮気体供給ノズル内でさらに圧縮されながら亜音速にまで加速される。この加速された圧縮気体が、加速管へ供給され、加速管によって膨張を制御されながら加速される。この加速の途中で、供給口から被粉砕物を供給し、圧縮気体に被粉砕物を混合する。圧縮気体と被粉砕物とが混相された混相気体は、加速管内でさらに加速されて加速管の噴射口から噴射される。噴射された混相気体中の被粉砕物は、衝突部材に衝突し、粉砕される。粉砕された粉砕物は、分級装置に回収され、所望の粒径のものは、回収され、所望の粒径よりも大きいものは、再び加速管の供給口へ送られる。
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の加速管の途中に被粉砕物を供給するための供給口を設けた粉砕装置においては、この供給口近傍で急激な密度変化が生じ、ダイヤモンド型の衝撃波である所謂ダイヤモンドショックウェーブなどの衝撃波が発生するおそれがある。このような衝撃波が発生すると、加速管内の混相気体の速度低下が起こり、混相気体が十分な速度で加速管の噴射口から噴射しなくなる。その結果、被粉砕物の衝突部材に対する衝突エネルギーが低下し、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることができず、粉砕効率が低下してしまうなどの問題が生じる。
そこで、本出願人は、特願2009−199177号(以下、先願という)において、次のような粉砕装置を提案した。すなわち、圧縮気体供給ノズルと、圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速させて被粉砕物を衝突粉砕するための衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射する加速管とを備え、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器を備え、固気混相器で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズルへ供給する粉砕装置である。この粉砕装置では、固気混相器によって圧縮気体と被粉砕物とを混相させ、圧縮気体供給ノズルに混相気体を供給している。これにより、圧縮気体供給ノズルから加速管へ供給される気体は、圧縮気体と被粉砕物とが混相された混相気体となっており、加速管で被粉砕物を供給して、加速管内で混相気体を形成する必要がない。その結果、上記特許文献1乃至3の加速管内に被粉砕物を供給するための供給口をなくすことが可能となり、加速管内での衝撃波の発生を抑制することができる。これにより、加速管内の混相気体の速度低下を抑制することができ、混相気体を十分な速度で加速管の噴射口から噴射することができる。その結果、被粉砕物の衝突エネルギーを高めることが可能となり、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることができる。よって、衝撃波の発生に起因する粉砕効率の低下を抑制することできる。
しかしながら、固気混相器に供給される被粉砕物の粒子の粒径にはバラツキがある。そして、上記先願に記載の粉砕装置では、圧縮気体供給ノズル内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒子は、その粒径に関係無く、混相気体の移動に応じた軌跡を通って衝突部材に衝突する。その結果、小粒径の粒子が過粉砕され所望の粒径より小さくなって回収される粒子や、大粒径の粒子が十分に粉砕されずに未粉砕の状態で所望の粒径よりも大きな粒子となって再び固気混相器に送られる粒子が生じ、歩留の低下となる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、加速管内での衝撃波の発生を抑制して、粉砕効率の低下を抑制し、且つ、歩留の向上を図ることができる粉砕装置、粉砕方法、並びに、この粉砕装置を用いてトナーを製造するトナー製造方法およびこの粉砕装置を用いて製造されたトナーを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、圧縮気体供給ノズルと、該圧縮気体供給ノズルに接続され該圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速させて被粉砕物を衝突粉砕するための衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射する加速管とを備える粉砕装置において、上記被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器を備え、該固気混相器で混相された混相気体を上記圧縮気体供給ノズルへ供給し、該圧縮気体供給ノズル内に供給された該混相気体中の該被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように該被粉砕物の粒子の軌跡を操作する粒子軌跡操作手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の粉砕装置において、上記粒子軌跡操作手段は、上記固気混相器から供給された上記混相気体中の被粉砕物の粒子の軌道を上記圧縮気体供給ノズルの内壁面に向かうように操作する粒子軌跡操作部材と、該粒子軌跡操作部材が配置された位置における該圧縮気体供給ノズルの内径に対して該混相気体の移動方向下流側ほど内径が狭くなるように形成された該圧縮気体供給ノズルにおけるスロート壁面とから構成されることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の粉砕装置において、上記圧縮気体供給ノズル内の流路の中心を通る仮想中心線とスロート壁面とが成す角の角度であるノズルスロート角度が、30[°]〜80[°]の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の粉砕装置において、上記加速管は、その内壁面が上記混相気体の移動方向下流側ほど内径が連続的に大きくなるラバルノズルであり、該加速管内の流路の中心を通る仮想中心線と該加速管の内壁面とが成す角の角度である加速管ラバル角度が、2.5[°]〜4.0[°]の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記衝突部材は先端に平面部を有する円錐形状であり、衝突部材11の外径をD4としたときに、該平面部の径が、0.03×D4〜0.3×D4の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記粒子軌跡操作部材の径が、上記圧縮気体供給ノズルと上記加速管との境目であるノズルスロート部の内径よりも大きく、さらに、該粒子軌跡操作部材の位置に対して上記混相気体の移動方向上流側の該圧縮気体供給ノズルの内径をD1としたときに、該粒子軌跡操作部材の径が、0.25×D1〜0.60×D1の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記圧縮気体供給ノズルと上記加速管との境目であるノズルスロート部の内径をD2としたときに、上記混相気体の移動方向における上記粒子軌跡操作部材の後端から該ノズルスロート部までの距離が、1.0×D2〜3.0×D2の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項2乃至7のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記混相気体の移動方向に直交する方向の上記粒子軌跡操作部材の外径をD3としたときに、該混相気体の移動方向の該粒子軌跡操作部材の長さが、1.0×D3〜3.0×D3の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2乃至8のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記衝突部材は先端に平面部を有する円錐形状であり、上記混相気体が上記加速管から該衝突部材に向かう流路の中心を通る仮想中心線と該円錐形状の側面とが成す角の角度である衝突部材角度が、10[°]〜20[°]の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項2乃至9のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記粒子軌跡操作部材の上記混相気体の移動方向における後端部に円錐形状の突起を有することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記加速管は、上記圧縮気体供給ノズルから上記圧縮気体が供給される圧縮気体供給口から該圧縮気体を衝突部材に向けて噴射する噴射口までを構成する管状部材の内壁面に開口部が設けられていないことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記固気混相器へ上記被粉砕物を供給する供給手段として、高圧エゼクターを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記固気混相器へ上記被粉砕物を供給する供給手段として、内部に圧縮気体と同圧力がかかる高圧スクリューフィーダーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記固気混相器は、被粉砕物進行方向に対して直交する方向から圧縮気体を流入することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の粉砕装置において、上記固気混相器内の圧力制御を行う圧力制御装置を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速管内で加速させて被粉砕物を衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射することで該被粉砕物を衝突粉砕する粉砕方法において、上記被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相工程で混相された混相気体を上記圧縮気体供給ノズルへ供給し、該圧縮気体供給ノズル内に供給された該混相気体中の該被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように該被粉砕物の粒子の軌跡を操作して上記衝突部材へ向けて該混相気体を噴射することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、トナーとして使用するときの所望の粒径の範囲よりも粒径が大きいトナー材料を粉砕手段によって粉砕して所望の粒径のトナーを製造するトナー製造方法において、上記粉砕手段として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の粉砕装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17に記載のトナー製造方法で製造されたことを特徴とするトナーである。
本発明においては、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器を備え、固気混相器で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズルへ供給するため、上記先願と同様に、加速管内での衝撃波の発生を抑制して、粉砕効率の低下を抑制することができる。また、粒子軌跡操作手段によって、圧縮気体供給ノズル内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように被粉砕物の粒子の軌跡を操作する。このため、軌跡を操作された粒子が衝突する衝突部材を、各軌跡を通過する被粉砕物の粒径に応じた衝突エネルギーを与えることができる形状とすることで、過粉砕や未粉砕を抑制し、粉砕後に回収される粒子や再び固気混相器に送られる粒子の発生を抑制することで歩留の向上を図ることができる。
本発明によれば、加速管内での衝撃波の発生を抑制して、粉砕効率の低下を抑制し、且つ、歩留の向上を図ることができるという優れた効果がある。
本実施形態の粉砕装置の概略構成図。 圧縮気体供給ノズル及び加速管の内部流路の拡大説明図。 粒子軌跡の一例を示す説明図。 衝突部材の拡大説明図。 供給手段として、高圧スクリューフィーダーを備える粉砕装置の概略構成図。 従来の粉砕装置の概略構成図。
以下、本発明を適用した粉砕装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態の衝突式気流粉砕装置である粉砕装置100の概略説明図である。
図1に示すように粉砕装置100は、粒子軌跡操作部材14を有する圧縮気体供給ノズル8と、圧縮気体供給ノズル8に接続された加速管9と、内部に被粉砕物を衝突させて粉砕する為の衝突部材11を設けた粉砕室10とを有している。また、圧縮気体供給ノズル8の供給口には、被粉砕物を効率良く分散混合する固気混相器4が接続されている。
固気混相器4内の圧力は、圧力調整弁5と圧力制御機器6とで構成された圧力制御手段により所定の粉砕圧力に調整される。また、固気混相器4には、管を介して高圧エゼクター2が接続されている。高圧エゼクター2は、被粉砕物投入部2aと、気体取入れ部2bとを備え、気体取入れ部2bには、空気供給管3が接続され、空気供給管3には、不図示のコンプレッサーなどが接続されている。
不図示のコンプレッサーなどによって高圧エゼクター2に供給された圧縮空気は、高圧エゼクター2内で加速され、被粉砕物投入部2aで低圧気流にされる。これにより、原料定量供給機1から被粉砕物投入部2aに供給された被粉砕物がエゼクター効果により取り込まれ、圧縮空気とともに、固気混相器4へ分散しながら供給される。
固気混相器4に供給された圧縮空気と被粉砕物とからなる混相気体は、固気混相器4内で所定の圧力及び高分散された状態で圧縮気体供給ノズル8へ供給される。
図2は、圧縮気体供給ノズル8及び加速管9の内部流路の拡大説明図である。また。図3は、粒子軌跡の一例を示す説明図である。
図2及び図3に示すように、圧縮気体供給ノズル8と加速管9との境目は流路断面の狭いノズルスロート部18となっている。そして、圧縮気体供給ノズル8の内部流路の断面が下流側ほど狭くなるように混相気体移動方向に対して傾斜したスロート壁面18aが形成されている。さらに、圧縮気体供給ノズル8の内部流路のスロート壁面18aに対して混相気体移動方向上流側には、円柱状の粒子軌跡操作部材14が配置されている。粒子軌跡操作部材14は、混相気体移動方向上流側から移動してくる混相気体に含まれる被粉砕物の粒子の軌跡を圧縮気体供給ノズル8の内壁面に向かうように操作するための、混相気体移動方向下流側に突起部22を有する円柱状の部材である。
圧縮気体供給ノズル8内に供給された混相気体は、粒子軌跡操作部材14によって、圧縮気体供給ノズル8の内壁面に向かい、この内壁面に沿ってスロート壁面18aに向かうように流れを変えられ、混相気体中の被粉砕物はすべてスロート壁面18aに沿うように流れる。その後、ノズルスロート部18に向かうにつれて混相気体は加速され、亜音速まで加速される。
ノズルスロート部18において、スロート壁面18aを沿って流れてきた被粉砕物は、粒径毎の慣性力の違いにより、粒径毎に軌跡が分かれる。スロート角度αを適切な値に設定することにより、被粉砕物の大粒子がノズルスロート部18の中心側(図3中のA1で示す軌跡)を、小粒子になるにつれてノズルスロート部18の外周側(ノズルスロート部18を形成する内壁面側、図3中のA2で示す軌跡)を進むようにする。スロート角度αを適切な値に設定することにより粒子軌跡が操作可能であるため、投入粒径によらず、任意に衝突場所を変化させられる。このため、被粉砕物によって最適な粉砕状態にすることが容易である。
加速管9は、噴射口に向かうにつれ断面積が大きくなっている所謂ラバルノズルであり、加速管9の供給口から噴射口までの間には、被粉砕物供給口などの供給口を有していない。圧縮気体供給ノズル8のノズル口であるノズルスロート部18から加速管9へ供給された亜音速まで加速された混相気体は、粒径毎に軌跡をさらに分けられ、加速管9で膨張しながら超音速にまで加速され、噴射口から超音速の混相気体が噴射される。
本実施形態の加速管9には、被粉砕物の供給口を設けていないので、加速管9内で加速しながら移動中の混相気体に急激な密度変化が生じ衝撃波が発生することがない。その結果、加速管9内で衝撃波による混相気体の速度低下が生じることはない。よって、加速管9によって混相気体を確実に超音速にまで加速し、粒径毎に軌跡を分けることができる。
加速管9によって超音速にまで加速した混相気体は、噴射口から粉砕室10に設けられた衝突部材11に向けて噴射される。
図4は、衝突部材11の拡大説明図である。
衝突部材11の衝突面は、先端に平面部分11fを有する円錐形状部11aを有しており、加速管9の噴射口の中心と対向している。
加速管9の噴射口から噴射した混相気体中の被粉砕物は、粒径毎に軌跡を分けられた状態で衝突部材11に向かい、大粒子は衝突部材11の平面部に衝突する(図3中のA1)。平面部は噴射口から最も近い場所に位置しているため、速度低下が最小限に抑えられ、且つ直角に衝突するため、最大の衝突エネルギーを与えられる。一方、小粒子は衝突部材11の円錐の側面部分に衝突する(図3中のA2)。円錐の側面部分は平面部と比べ、噴射口からの距離が遠く、粒径が小さくなるほど衝突までの距離が遠くなる。よって、段階的に速度を低下させることができる。さらに、円錐の側面部分という角度の浅い部分に衝突するため、粒径が小さくなるにつれて段階的に衝突エネルギーを小さくすることができる。その結果、大粒子も小粒子も未粉砕、過粉砕を抑制することができ、所望の粒径となる。
さらに、衝突部材11の衝突面を円錐形状とすることによって、衝突部材11に向けて噴射された高速の気流は壁付着効果(コアンダ効果)により円錐の側面部分に沿って滑らかに流れる。よって、衝突粉砕された粒子は停滞なく衝突部材後部に流れていく。
衝突粉砕された粉砕物は、円錐形状の衝突面に沿って滑らかに流れる気流に乗って粉砕室10の加速管9が接続された壁面と反対側の壁面に流れる。そして、粉砕室10の加速管9が接続された壁面と反対側の壁面に接続された不図示の管から排出され、捕集サイクロン12で固気分離され、回収ホッパ13で粉砕物を回収している。
捕集サイクロン12は、円筒形状の上部と、下方へ行くに従い径が小さくなる逆円錐形状の下部とからなっており、不図示の駆動手段によって回転可能に構成されている。上部には、導入部12bを有しており、捕集サイクロン12の上面の回転中心には、排気管12aを有している。導入部12bには、一端が粉砕室に接続された不図示の管の他端が接続されており、排気管12aには、高圧ブロアなどの吸引手段が接続されている。この吸引手段によって、排気管12aから捕集サイクロン12内の空気を吸引している。
導入部12bから圧縮空気とともに供給された粉砕物は、粒径毎に最適な衝突エネルギーを与えられるため、シャープな分布となっており、所望の粒径以上の粉砕物は少ない。しかし、求められる条件によっては、捕集サイクロン12内で、遠心力により周壁へ移動した所望の粒径以上の粉砕物を、再び高圧エゼクター2の被粉砕物投入部2aへ投入し、再び粉砕作用を受けさせてもよい。
なお、粉砕装置100においては、捕集サイクロン12を用いているが、粉砕物の粒径分布をさらにシャープな分布とするために、気流式や機械式の分級手段を用いてもよい。
また、粉砕装置100では、固気混相器4への被粉砕物の供給を、高圧エゼクター2を用いて行うことにより固気混相器4内の圧力を粉砕に必要な圧力まで容易に上昇させることができる。
また、固気混相器4内部の圧力を、圧力調整弁5及び圧力制御機器6を用いて調整することにより、加速管9の噴射口から噴射する混相気体の流速を調整することができ、被粉砕物を所望の粉砕粒径に調整することができる。
本実施形態の粉砕装置100は、樹脂、農薬、化粧品、顔料など粒径がミクロン単位の微粉状製品の製造用に、極めて有効に適用できるものである。特に、トナーの製造用に好適である。
次に、従来の粉砕装置について説明する。
上記特許文献1乃至3に記載の加速管の途中に被粉砕物を供給するための供給口を設けた粉砕装置である。
図6に、加速管の途中に供給口を設けた粉砕装置の一例として従来の粉砕装置100aを示す。
図6に示す従来の粉砕装置100aは、固気混相器4を備えておらず加速管9に被粉砕物を供給するための被粉砕物供給口9bが設けられている点、及び、圧縮気体供給ノズル8内に粒子軌跡操作部材14が配置されていない点で、図1に示す本実施形態の粉砕装置100とは異なる。また、固気混相器4を備えていないため、圧力調整弁5と圧力制御機器6とで構成された圧力制御手段が圧縮気体供給ノズル8に接続されている。
図6に示す従来の粉砕装置100aのように、加速管9の途中に被粉砕物供給口9bを設けた粉砕装置では、この被粉砕物供給口9b近傍で急激な密度変化が生じ、ダイヤモンド型の衝撃波である所謂ダイヤモンドショックウェーブなどの衝撃波が発生するおそれがある。このような衝撃波が発生すると、加速管9内の混相気体の速度低下が起こり、混相気体が十分な速度で加速管9の噴射口から噴射しなくなる。その結果、被粉砕物の衝突部材11に対する衝突エネルギーが低下し、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることができず、粉砕効率が低下してしまうなどの問題が生じる。
また、ダイヤモンドショックウェーブの発生は、速度低下のみならず、加速管9の下側へ向かう気流の流れも形成してしまい、混相気体のほとんどが衝突部材11下側に向かい、衝突部材11の同一場所に集中して衝突する。その結果、その部分の磨耗が激しくなり、メンテナンス周期が短くコストがかかる問題も生じる。
そこで、本出願人は、特願2009−199177号(以下、先願という)において、次のような粉砕装置を提案した。すなわち、圧縮気体供給ノズルと、圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速させて被粉砕物を衝突粉砕するための衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射する加速管とを備え、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器を備え、固気混相器で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズルへ供給する粉砕装置である。この粉砕装置では、固気混相器によって圧縮気体と被粉砕物とを混相させ、圧縮気体供給ノズルに混相気体を供給している。これにより、圧縮気体供給ノズルから加速管へ供給される気体は、圧縮気体と被粉砕物とが混相された混相気体となっており、加速管で被粉砕物を供給して、加速管内で混相気体を形成する必要がない。その結果、上記特許文献1乃至3に記載の粉砕装置が備えていた加速管内に被粉砕物を供給するための被粉砕物供給口をなくすことが可能となり、加速管内での衝撃波の発生を抑制することができる。これにより、加速管内の混相気体の速度低下を抑制することが可能となり、混相気体を十分な速度で加速管の噴射口から噴射することができる。その結果、被粉砕物の衝突エネルギーを高めることが可能となり、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることができる。よって、粉砕効率を高めることができる。
そして、本実施形態の粉砕装置100も上記先願と同様に、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器4を備え、固気混相器4で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズル8へ供給する。このため、上記先願と同様に、加速管9内での衝撃波の発生を抑制して、粉砕効率を高めることができる。また、衝撃波に起因して形成される加速管9の下側へ向かう気流の流れが形成されることを防止できるため、混相気体が衝突部材11の同一場所に集中して衝突することを防止できる。その結果、衝突部材11の一部に磨耗が激しく部分が生じることを防止し、メンテナンス周期の長期化、及び、メンテナンスコストの低下を図ることができる。
ここで、固気混相器に供給される被粉砕物の粒子の粒径にはバラツキがある。そして、上記先願に記載の粉砕装置では、圧縮気体供給ノズル内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒子は、その粒径に関係無く、混相気体の移動に応じた軌跡を通って衝突部材に衝突する。その結果、小粒径の粒子が過粉砕され所望の粒径より小さくなって回収される粒子や、大粒径の粒子が十分に粉砕されずに未粉砕の状態で所望の粒径よりも大きな粒子となって再び固気混相器に送られる粒子が生じ、歩留の低下となる。
一方、本実施形態の粉砕装置100は、粒子軌跡操作部材14とスロート壁面18aとにより構成される粒子軌跡操作手段を備える。粒子軌跡操作手段によって、圧縮気体供給ノズル8内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように被粉砕物の粒子の軌跡を操作する。詳しくは、粒径の大きな粒子ほど管状の加速管9の中心部に近い軌跡を通り、粒径の小さな粒子ほど管状の加速管9の中心部から遠い内壁面に近い軌跡を通る。このため、軌跡を操作された粒子が衝突する衝突部材11を、中心部に近い軌跡を通過する粒子に対しては衝突エネルギーが大きくなるように、中心部から遠い軌跡を通過する粒子に対しては衝突エネルギーが小さくなるような形状としている。これにより、過粉砕や未粉砕を抑制し、粉砕後に回収される粒子や再び原料定量供給機1を介して固気混相器4に送られる粒子の発生を抑制することで歩留の向上を図ることができる。
このように、本実施形態の粉砕装置100では、加速管9内の混相気体の速度低下を抑制し、且つ、加速管9内の下側に向かう気流形成を抑制することが可能となる。よって、混相気体を十分な速度で加速管の噴射口から噴射すること及び衝突部材11の同一場所へ衝突することを防止することが可能となる。また、圧縮気体供給ノズル8に粒子軌跡操作部材14を有することにより、圧縮気体がノズルスロート部18を通過するときに、被粉砕物の粒子径毎に軌跡を分けることが可能となる。上述した固気混相器4で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズル8へ供給する構成の効果と合わせることにより、噴射された被粉砕物は、粒子径毎に衝突部材11の最適な部位に十分な速度を保ったまま衝突する。これにより、粒子径毎に最適な衝突エネルギーを与えることが可能となる。その結果、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることが可能となり、粉砕効率の向上、歩留りの向上、衝突部材11の局所的な磨耗を防止することが可能となる。
図1に示す粉砕装置100は、固気混相器4への被粉砕物の供給を、高圧エゼクター2を用いて行う構成である。固気混相器4への被粉砕物の供給を行う供給手段としては、内部に圧縮気体と同圧力がかかる高圧スクリューフィーダーを用いてもよい。
図5は、供給手段として、高圧スクリューフィーダー101を備える粉砕装置100の概略構成図である。
図5に示す粉砕装置100のように、高圧スクリューフィーダー101を用いることで、被粉砕物を定量的に固気混相器4に供給することができ、ばらつきの無い被粉砕物が確保できる。また、被粉砕物の供給に圧縮気体を使わないので、圧縮気体使用量の削減にもなる。
また、図5に示す粉砕装置100の固気混相器4は、被粉砕物進行方向に対して直交する方向から圧縮気体を流入するものを用いている。これにより、固気混相器4内の被粉砕物と気体を一定かつ高分散状態にし、より確実に粒子径毎に最適な場所に衝突させることができる。
図5に示す粉砕装置100のように、高圧スクリューフィーダー101を有し、固気混相器4への圧縮気体の流入を被粉砕物進行方向に対して直交する方向からとすることにより、高分散かつ被粉砕物濃度を一定にすることができ、粒子径毎に最適な場所に衝突させることができ、高効率な粉砕が可能となる。
次に、以下の実施例1〜10、比較例1を用いて、本実施形態の粉砕装置100の特徴的な構成について詳細に説明する。
〔実施例1〕
実施例1は、被粉砕物を図1に示す粉砕装置100を用いて粉砕したものである。
被粉砕物を図1の原料定量供給機1から0.5[kg/h]で高圧エゼクター2に被粉砕物を供給し、8.0[MPa]の圧縮空気と被粉砕物からなる固気混相気体を固気混相器4へ送り込む。固気混相器4内の圧力は、圧力調整弁5及び圧力制御機器6により0.6[MPa]に調整されている。固気混相器4内で十分に分散された混相気体を、粒子軌跡操作部材14を有する圧縮気体供給ノズル8に供給し、圧縮気体供給ノズル8と加速管9とで粒径毎に軌跡を変化させながら超音速まで加速し、粉砕室10内に設置された衝突部材11に衝突させ粉砕した。
実施例1の粉砕装置100の各条件を下記に示す。
下記の条件において、「D1」は、図2に示すように、圧縮気体供給ノズル8の内径であり、「D2」は、ノズルスロート部18における内径であり、「D3」は、粒子軌跡操作部材14の径である。また、図4に示すように、「D4」は、衝突部材11の外径であり、「D5」は、円錐形状部11aの平面部分11fの径である。また、図2に示すように、「L1」は、粒子軌跡操作部材14の後端からノズルスロート部18までの距離であり、「L2」は、粒子軌跡操作部材14の長さである。
また、スロート角度αは、流路の中心を通る仮想中心線Cとスロート壁面18aとが成す角の角度であり、ラバル角度βは、仮想中心線Cと加速管9の内壁面とが成す角の角度である。さらに、衝突部材角度γは、仮想中心線Cと衝突部材11の円錐形状部11aの側面とが成す角の角度である。
スロート角度α : 80[°]
ラバル角度β : 2.5[°]
衝突部材の平面部径D5 : 0.03×D4
粒子軌跡操作部材径D3 : 0.4×D1
粒子軌跡操作部材位置L1 : 3.0×D2
粒子軌跡操作部材長さL2 : 1.0×D3
衝突部材角度γ : 20[°]
粒子軌跡操作部材後端部22の有無: 有り
〔実施例2〕
実施例2は、「スロート角度α」を30[°]に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例3〕
実施例3は、「ラバル角度β」を4[°]に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例4〕
実施例4は、「衝突部材の平面部径D5」を「0.3×D4」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例5〕
実施例5は、「粒子軌跡操作部材径D3」を「0.25×D1」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例6〕
実施例6は、「粒子軌跡操作部材径D3」を「0.60×D1」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例7〕
実施例7は、「粒子軌跡操作部材位置L1」を「1.0×D2」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例8〕
実施例8は、「粒子軌跡操作部材長さL2」を「3.0×D3」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例9〕
実施例9は、「衝突部材角度γ」を10[°]に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例10〕
実施例10は、「粒子軌跡操作部材後端部22の有無」を「無し」に変更した点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例11〕
実施例11は、供給手段として原料定量供給機1および高圧エゼクター2を備える構成の代わり、供給手段として高圧スクリューフィーダー101を備える構成とした(図5に示す粉砕装置100に対して固気混相器4における圧縮気体流入方向が被粉砕物進行方向に平行)点以外は実施例1と同じ条件で実施した。
〔実施例12〕
実施例12は、固気混相器への圧縮気体流入方向が被粉砕物進行方向に対して直交する方向となっている(図5に示す粉砕装置100の構成)点以外は実施例11と同じ条件で実施した。
〔比較例〕
比較例は、図6に示す従来の粉砕装置100aを用いて被粉砕物を粉砕したものである。
圧縮気体供給ノズル8には、圧力調整弁5から伸びる管が接続されており、圧力調整弁5及び圧力制御機器6により0.6[MPa]に調整された圧縮空気が供給されるようになっている。原料定量供給機1から0.5[kg/h]で加速管9の途中に設けた被粉砕物供給口9bから被粉砕物を供給し、圧縮気体供給ノズル8から加速管9へ供給された圧縮空気は、加速管9内で被粉砕物と圧縮空気とからなる混相気体となる。そして、混相気体内の被粉砕物を粉砕室10内に設置された衝突部材11に衝突させ粉砕した。
その際、「粒子軌跡操作部材」についての条件以外の各条件(スロート角度α、ラバル角度β、衝突部材の平面部径D5及び衝突部材角度γ)は、実施例1と同じ条件で実施した。
上記実施例1〜10及び比較例に関して、被粉砕物を粉砕した後の粉砕物の粒径について調べた。被粉砕物は、ポリエステル樹脂100重量部、フタロシアニン系顔料8重量部、帯電制御剤としてサルチル酸亜鉛2重量部をスーパーミキサー(カワタ社製)にて混合し、この混合物をエクストルーダーにて約150[℃]で溶融混練した後、冷却・固化し溶融混練物の冷却物をハンマーミルにて50[μm]以下に粗粉砕したものである。
また、捕集サイクロン12は駆動させず、粉砕室10で粉砕された粉砕物をすべて、回収ホッパ13に回収した。そして、回収ホッパ13に回収された粉砕物の平均粒径(Dp50)及び粒度分布のシャープさを評価する指標であるDV/DN(DV:体積平均粒径/DN:個数平均粒径)について調べた。
表1に各実施例および比較例の実験結果を示す。
Figure 2012081461
表1に示すように、図1に示す粉砕装置100を用いた実施例1〜10のほうが、図6に示す従来の粉砕装置100aを用いた比較例に比べて、粉砕物の粒径が小さくなっておりシャープな分布となっている(DV/DNが小さくなっている)ことがわかる。これは、比較例で使用した従来の粉砕装置100aは、加速管9に被粉砕物供給口9bを設けているため、急激な密度変化によって加速管9内の圧縮空気の速度が失速してしまったこと及びノズル下側に向かう気流が形成されてしまったことによる。これにより、十分な流速の混相気体を加速管9の噴射口から噴射することができず、また、衝突部材11下側の同一場所にすべての被粉砕物が衝突してしまっているため、十分な衝突エネルギーが得られず、粉砕物の粒径が大きくなり、ブロードな分布になったと考えられる。
一方、実施例1〜10においては、図1に示す粉砕装置100を用いているので、加速管9内で急激な密度変化による混層気体の失速及びノズル下側に向かう気流がない。さらに、被粉砕物の粒径毎に軌跡が分かれている。このため、粒径毎に最適な衝突部位に向けて、十分な流速の混相気体を加速管9の噴射口から噴射することができ、粒子軌跡毎に最適な衝突エネルギーを与えられたことから、粉砕物の粒径が小さくなり、且つ、シャープな分布になったと考えられる。
実施例1と実施例2とを比べると、スロート角度αを小さくすると、被粉砕物の粒子にかかる慣性力が小さくなり、大粒子が衝突部材11中心に衝突しないため、最適な衝突エネルギーとならず粉砕されなくなり、粉砕粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。このことより、スロート角度αは80[°]が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例3とを比べると、ラバル角度βを大きくすると更に粒径毎に軌跡が分かれてしまい、若干ではあるが、衝突部材11の平面部分11fに衝突しない大粒子が増え、粉砕粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。このことより、ラバル角度は2.5[°]が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例4とを比べると、衝突部材11の平面部径D5を大きくすることにより、小さい粒子も大きい衝突エネルギーを与えられたことにより、過粉砕されてしまったため、粉砕粒径は小粒径化して、ブロードな分布になってしまったと考えられる。このことより、衝突部材の平面部径D5は0.03×D4(衝突部材11の外径の0.03倍)が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例5とを比べると、実施例5では、圧縮気体供給ノズル8に対して粒子軌跡操作部材14が小さくなり、スロート壁面18aに沿わなくなる粒子が増え、最適な粒子軌跡とは違う軌跡を取る粒子が増えたため、若干、粉砕粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。
また、実施例1と実施例6とを比べると、実施例6では、逆に圧縮気体供給ノズル8に対して粒子軌跡操作部材14が大きくなりすぎ、通過面積が小さくなり、粒子が停滞を起こしてしまったため、粉砕粒径が大きくなりブロードな分布となったと考えられる。
実施例1と実施例5及び実施例6との比較より、粒子軌跡操作部材径D3は、0.6×D1よりも0.25×D1の方が好ましい条件であり、さらに好ましい条件は0.4×D1(圧縮気体供給ノズル8の内径の0.4倍)であることが分かる。
実施例1と実施例7とを比べると、粒子軌跡操作部材14をノズルスロート部18に近づけすぎると、通過面積が小さくなり、粒子が停滞を起こしてしまったため、粉砕粒径が大きくなりブロードな分布となったと考えられる。このことより、粒子軌跡操作部材位置L1は、3.0×D2(ノズルスロート部18における内径の3倍)が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例8とを比べると、粒子軌跡操作部材14が長くなりすぎると、通過面積が小さい部分が多くなり、粒子が停滞を起こしてしまったため、若干ではあるが、粉砕粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。このことより、粒子軌跡操作部材長さL2は、1.0×D3(粒子軌跡操作部材14の外径と同じ値)が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例9とを比べると、衝突部材角度γを小さくすることにより、小粒子に与えられる衝突エネルギーが小さくなり、若干ではあるが、粉砕粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。このことより、衝突部材角度γは20[°]が好ましい条件ということが分かる。
実施例1と実施例10とを比べると、粒子軌跡操作部材後端部22が無いと、気流の乱れが発生し、混相気流を粒子軌跡操作部材14側へと引き寄せる力が発生する。それにより、粒径毎に別れた軌跡に乱れが生じ、粉砕物の粒径が大きくなり、ブロードな分布となったと考えられる。このことより、粒子軌跡操作部材後端部22は、有る方が好ましい条件ということが分かる。
以上、本実施形態の粉砕装置100は、圧縮気体供給ノズル8と、圧縮気体供給ノズル8に接続され圧縮気体供給ノズル8から供給された圧縮気体を加速させて被粉砕物を衝突粉砕するための衝突部材11へ向けて圧縮気体を噴射する加速管9とを備える。このような粉砕装置100において、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器4を備え、固気混相器4で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズル8へ供給する。これにより、圧縮気体供給ノズル8から加速管9へ供給される気体は、圧縮気体と被粉砕物とが混相された混相気体となっており、加速管9で被粉砕物を供給して、加速管9内で混相気体を形成する必要がない。その結果、上記特許文献1乃至3に記載の粉砕装置が備えていた加速管9内に被粉砕物を供給するための被粉砕物供給口をなくすことが可能となり、加速管9内での衝撃波の発生を抑制することができる。これにより、加速管9内の混相気体の速度低下を抑制することが可能となり、混相気体を十分な速度で加速管9の噴射口から噴射することができる。その結果、被粉砕物が衝突部材11に衝突するときの衝突エネルギーを高めることが可能となり、1回の衝突粉砕で所望の粒径を得ることができる。よって、粉砕効率を高めることができる。また、衝撃波の発生を抑制することで衝撃波に起因して加速管9の下側へ向かう気流の流れが形成されることも抑制でき、衝突部材11の局所的な磨耗を防止することができる。
さらに、粉砕装置100は、圧縮気体供給ノズル8内に供給された混相気体中の被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように被粉砕物の粒子の軌跡を操作する粒子軌跡操作手段を有し、ノズルスロート部18を通過するときに、粒径の大きな粒子ほど管状の加速管9の中心部に近い軌跡を通り、粒径の小さな粒子ほど管状の加速管9の中心部から遠い内壁面に近い軌跡を通る。このため、軌跡を操作された粒子が衝突する衝突部材11を、中心部に近い軌跡を通過する粒子に対しては衝突エネルギーが大きくなるように、中心部から遠い軌跡を通過する粒子に対しては衝突エネルギーが小さくなるような形状としている。これにより、加速管9から衝突部材11に向けて噴射された被粉砕物は、粒径毎に衝突部材11の最適な部位に十分な速度を保ったまま衝突する。よって、粒子径毎に最適な衝突をさせることができ、過粉砕や未粉砕を抑制し、粉砕後に回収される粒子や再び原料定量供給機1を介して固気混相器4に送られる粒子の発生を抑制することで歩留の向上を図ることができる。
また、粉砕装置100の粒子軌跡操作手段は、固気混相器4から供給された混相気体中の被粉砕物の粒子の軌道を圧縮気体供給ノズル8の内壁面に向かうように操作する粒子軌跡操作部材14と、粒子軌跡操作部材14が配置された位置における圧縮気体供給ノズル8の内径に対して混相気体の移動方向下流側ほど内径が狭くなるように形成された圧縮気体供給ノズル8におけるスロート壁面18aとから構成される。このような構成により、混相気体中の被粉砕物の粒子が粒子軌跡操作部材14によって圧縮気体供給ノズル8の内壁面側に移動し、さらに、内壁面に沿って移動することで、スロート壁面18aに沿ってノズルスロート部18における仮想中心線Cに向けて斜めに飛び出すように移動する。ノズルスロート部18では混相気体中の圧縮気体による流れは仮想中心線Cと平行に流れており、ノズルスロート部18に到達した被粉砕物の粒子は、粒子径が小さく慣性力の小さい粒子ほど早いタイミングで圧縮気体による流れに流され、仮想中心線Cに平行な方向に流れる。そして、粒子径が大きく慣性力の大きい粒子ほど圧縮気体による流れに流さ難く、仮想中心線Cに近い位置で仮想中心線Cに平行な方向に流れる。よって、被粉砕物の大粒子がノズルスロート部18の中心側を、小粒子になるにつれてノズルスロート部18の外周側(ノズルスロート部18を形成する内壁面側)を進むようになる。よって、粒子軌跡操作部材14の形状及びスロート壁面18aのスロート角度αを適切な値に設定することにより粒子軌跡が操作可能となり、粒子軌跡操作手段を実現することができる。
また、粉砕装置100において、圧縮気体供給ノズル8内の流路の中心を通る仮想中心線Cとスロート壁面18aとが成す角の角度であるノズルスロート角度(スロート角度α)が、実施例2は30[°]であり、実施例1では80[°]である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例2の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、スロート角度αが30[°]〜80[°]の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、加速管9は、その内壁面が混相気体の移動方向下流側ほど内径が連続的に大きくなるラバルノズルであり、加速管9内の流路の中心を通る仮想中心線Cと加速管9の内壁面とが成す角の角度である加速管ラバル角度(ラバル角度β)が、実施例1では、2.5[°]であり、実施例3では、4.0[°]である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例3の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、ラバル角度βが2.5[°]〜4.0[°]の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、衝突部材11は先端に平面部分11fを有する円錐形状部11aを備え、衝突部材11の外径をD4としたときに、平面部分11fの径(平面部径D5)が、実施例1では、「0.03×D4」であり、実施例4では、「0.3×D4」である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例4の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、平面部径D5が、「0.03×D4」〜「0.3×D4」の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、粒子軌跡操作部材14の径(粒子軌跡操作部材径D3)が、圧縮気体供給ノズル8と加速管9との境目であるノズルスロート部18の内径D2よりも大きく、さらに、粒子軌跡操作部材14の位置に対して混相気体の移動方向上流側の圧縮気体供給ノズル8の内径をD1としたときに、粒子軌跡操作部材径D3が、実施例1では、「0.4×D1」であり、実施例5では、「0.25×D1」、実施例6では、「0.6×D1」である。実施例1が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例5及び実施例6の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、粒子軌跡操作部材径D3が、「0.25×D1」〜「0.60×D1」の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、圧縮気体供給ノズル8と加速管9との境目であるノズルスロート部18の内径をD2としたときに、混相気体の移動方向における粒子軌跡操作部材14の後端からノズルスロート部18までの距離(粒子軌跡操作部材位置L1)が、実施例1では、「3.0×D2」であり、実施例7では、「1.0×D2」である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例7の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、粒子軌跡操作部材位置L1が、「1.0×D2」〜「3.0×D2」の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、混相気体の移動方向に直交する方向の粒子軌跡操作部材14の径をD3(粒子軌跡操作部材径D3)としたときに、混相気体の移動方向の粒子軌跡操作部材14の長さ(粒子軌跡操作部材長さL2)が、実施例1では、「1.0×D3」であり、実施例8では、「3.0×D3」である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例8の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、粒子軌跡操作部材長さL2が、「1.0×D3」〜「3.0×D3」の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、粉砕装置100において、衝突部材11は先端に平面部(平面部分11f)を有する円錐形状(円錐形状部11a)であり、混相気体が加速管9から衝突部材11に向かう流路の中心を通る仮想中心線Cと円錐形状部11aの側面とが成す角の角度である衝突部材角度γが、実施例1では、20[°]であり、実施例9では、10[°]である。実施例1の方が粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となったが、実施例9の構成であっても、従来の粉砕装置100aを用いた比較例よりも良好な結果を得ることができた。よって、衝突部材角度γが10[°]〜20[°]の範囲では、従来よりも粒径が小さく、粒度分布がシャープな粉砕物となることが確認された。
また、実施例1の粉砕装置100では、粒子軌跡操作部材14の混相気体の移動方向における後端部に円錐形状の突起である粒子軌跡操作部材後端部22を有し、粒子軌跡操作部材後端部22を有さない実施例10よりも粉砕物の「平均粒径」および「粒度分布のシャープさ」ともに良好な値となった。よって、粒子軌跡操作部材後端部22を有する構成であることが望ましい。
また、粉砕装置100の加速管9は、圧縮気体供給ノズル8から圧縮気体が供給される圧縮気体供給口(ノズルスロート部18)から圧縮気体を衝突部材11に向けて噴射する噴射口までのまでを構成する管状部材の内壁面に被粉砕物供給口を含めた開口部が設けられていない。これにより、加速管9内で衝撃波が発生することを防止し、衝撃波が発生することに起因する不具合を防止することができる。
また、図1に示す粉砕装置100は、固気混相器4へ被粉砕物を供給する供給手段として、高圧エゼクター2を用いている。固気混相器4への被粉砕物の供給を、高圧エゼクター2を用いて行うことにより固気混相器4内の圧力を粉砕に必要な圧力まで容易に上昇させることができる。
また、図5に示す粉砕装置100は、固気混相器4へ被粉砕物を供給する供給手段として、高圧スクリューフィーダー101を用いている。固気混相器4への被粉砕物の供給を、高圧スクリューフィーダー101を用いて行うことにより粉砕物を定量的に固気混相器4に供給することができ、ばらつきの無い被粉砕物が確保できる。
また、図5に示す粉砕装置100は、固気混相器4として、被粉砕物進行方向に対して直交する方向から圧縮気体を流入するものを用いている。固気混相器4における圧縮気体の流入方向を被粉砕物進行方向に対して直交する方向とすることにより、固気混相器4内の被粉砕物と気体を一定かつ高分散状態にし、より確実に粒子径毎に最適な場所に衝突させることができる。
また、固気混相器4内の圧力制御を行う圧力制御手段である圧力調整弁5及び圧力制御機器6を設けることで、圧力調整弁5及び圧力制御機器6を調整することによって、圧縮気体供給ノズル8へ所望の圧縮気体を供給することができ、噴射口から噴射される混相気体の流速を所望の速度にすることができる。その結果、所望の速度で被粉砕物を衝突部材11に衝突させることができ、所望の粉砕粒径に調整することができる。
また、粉砕装置100のように、圧縮気体供給ノズル8から供給された圧縮気体を加速管9内で加速させて被粉砕物を衝突部材11へ向けて圧縮気体を噴射することで被粉砕物を衝突粉砕する粉砕方法において、被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相工程で混相された混相気体を圧縮気体供給ノズル8へ供給し、圧縮気体供給ノズル8内に供給された混相気体中の該被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように被粉砕物の粒子の軌跡を操作して衝突部材11へ向けて混相気体を噴射することで、加速管9内での衝撃波の発生及びそれに伴う粉砕効率の低下を抑制し、粒子径毎に最適な衝突をさせることによる粉砕工程での歩留の向上が可能となる。
また、トナーとして使用するときの所望の粒径の範囲よりも粒径が大きいトナー材料を粉砕手段によって粉砕して所望の粒径のトナーを製造するトナー製造方法において、粉砕手段として、本実施形態の粉砕装置100を用いることにより、粉砕効率の向上、及び、粉砕工程での歩留の向上が可能となる。
また、粉砕装置100を用いたトナー製造方法で製造されたトナーは、従来の粉砕装置100aを用いるよりも平均粒径が小さく、粒度分布がシャープとなるため、従来よりも画像形成に適したトナーを得ることができる。
1 原料定量供給機
2 高圧エゼクター
2a 被粉砕物投入部
2b 気体取入れ部
3 空気供給管
4 固気混相器
5 圧力調整弁
6 圧力制御機器
8 圧縮気体供給ノズル
9 加速管
9b 被粉砕物供給口
10 粉砕室
11 衝突部材
11a 円錐形状部
11f 平面部分
12 捕集サイクロン
12b 導入部
13 回収ホッパ
14 粒子軌跡操作部材
18a スロート壁面
18 ノズルスロート部
22 粒子軌跡操作部材後端部
100 粉砕装置
100a 従来の粉砕装置
101 高圧スクリューフィーダー
C 仮想中心線
D3 粒子軌跡操作部材径
D5 平面部径
L1 粒子軌跡操作部材位置
L2 粒子軌跡操作部材長さ
α スロート角度
β ラバル角度
γ 衝突部材角度
特許第3219955号 特許第3108820号 特許第3090547号

Claims (18)

  1. 圧縮気体供給ノズルと、
    該圧縮気体供給ノズルに接続され該圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速させて被粉砕物を衝突粉砕するための衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射する加速管とを備える粉砕装置において、
    上記被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相器を備え、
    該固気混相器で混相された混相気体を上記圧縮気体供給ノズルへ供給し、
    該圧縮気体供給ノズル内に供給された該混相気体中の該被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように該被粉砕物の粒子の軌跡を操作する粒子軌跡操作手段を有することを特徴とする粉砕装置。
  2. 請求項1の粉砕装置において、
    上記粒子軌跡操作手段は、上記固気混相器から供給された上記混相気体中の被粉砕物の粒子の軌道を上記圧縮気体供給ノズルの内壁面に向かうように操作する粒子軌跡操作部材と、
    該粒子軌跡操作部材が配置された位置における該圧縮気体供給ノズルの内径に対して該混相気体の移動方向下流側ほど内径が狭くなるように形成された該圧縮気体供給ノズルにおけるスロート壁面とから構成されることを特徴とする粉砕装置。
  3. 請求項2の粉砕装置において、
    上記圧縮気体供給ノズル内の流路の中心を通る仮想中心線とスロート壁面とが成す角の角度であるノズルスロート角度が、30[°]〜80[°]の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  4. 請求項2または3の粉砕装置において、
    上記加速管は、その内壁面が上記混相気体の移動方向下流側ほど内径が連続的に大きくなるラバルノズルであり、
    該加速管内の流路の中心を通る仮想中心線と該加速管の内壁面とが成す角の角度である加速管ラバル角度が、2.5[°]〜4.0[°]の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記衝突部材は先端に平面部を有する円錐形状であり、衝突部材11の外径をD4としたときに、該平面部の径が、0.03×D4〜0.3×D4の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記粒子軌跡操作部材の径が、上記圧縮気体供給ノズルと上記加速管との境目であるノズルスロート部の内径よりも大きく、
    さらに、該粒子軌跡操作部材の位置に対して上記混相気体の移動方向上流側の該圧縮気体供給ノズルの内径をD1としたときに、
    該粒子軌跡操作部材の径が、0.25×D1〜0.60×D1の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記圧縮気体供給ノズルと上記加速管との境目であるノズルスロート部の内径をD2としたときに、
    上記混相気体の移動方向における上記粒子軌跡操作部材の後端から該ノズルスロート部までの距離が、1.0×D2〜3.0×D2の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  8. 請求項2乃至7のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記混相気体の移動方向に直交する方向の上記粒子軌跡操作部材の外径をD3としたときに、該混相気体の移動方向の該粒子軌跡操作部材の長さが、1.0×D3〜3.0×D3の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  9. 請求項2乃至8のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記衝突部材は先端に平面部を有する円錐形状であり、上記混相気体が上記加速管から該衝突部材に向かう流路の中心を通る仮想中心線と該円錐形状の側面とが成す角の角度である衝突部材角度が、10[°]〜20[°]の範囲であることを特徴とする粉砕装置。
  10. 請求項2乃至9のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記粒子軌跡操作部材の上記混相気体の移動方向における後端部に円錐形状の突起を有することを特徴とする粉砕装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記加速管は、上記圧縮気体供給ノズルから上記圧縮気体が供給される圧縮気体供給口から該圧縮気体を衝突部材に向けて噴射する噴射口までを構成する管状部材の内壁面に開口部が設けられていないことを特徴とする粉砕装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記固気混相器へ上記被粉砕物を供給する供給手段として、高圧エゼクターを用いたことを特徴とする粉砕装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記固気混相器へ上記被粉砕物を供給する供給手段として、内部に圧縮気体と同圧力がかかる高圧スクリューフィーダーを用いることを特徴とする粉砕装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記固気混相器は、被粉砕物進行方向に対して直交する方向から圧縮気体を流入することを特徴とする粉砕装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の粉砕装置において、
    上記固気混相器内の圧力制御を行う圧力制御装置を設けたことを特徴とする粉砕装置。
  16. 圧縮気体供給ノズルから供給された圧縮気体を加速管内で加速させて被粉砕物を衝突部材へ向けて圧縮気体を噴射することで該被粉砕物を衝突粉砕する粉砕方法において、
    上記被粉砕物と圧縮気体とを混相する固気混相工程で混相された混相気体を上記圧縮気体供給ノズルへ供給し、
    該圧縮気体供給ノズル内に供給された該混相気体中の該被粉砕物の粒径に応じた軌跡を通るように該被粉砕物の粒子の軌跡を操作して上記衝突部材へ向けて該混相気体を噴射することを特徴とする粉砕方法。
  17. トナーとして使用するときの所望の粒径の範囲よりも粒径が大きいトナー材料を粉砕手段によって粉砕して所望の粒径のトナーを製造するトナー製造方法において、
    上記粉砕手段として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の粉砕装置を用いることを特徴とするトナー製造方法。
  18. 請求項17に記載のトナー製造方法で製造されたことを特徴とするトナー。
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