JP2012080737A - 熱収縮チューブ及びこれを用いた電力ケーブル接続部 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱収縮チューブ10は、全体が円筒状に形成されたチューブであり、チューブの外周側に形成された熱収縮層11と、チューブの内周側に形成された粘着層12,13と、熱収縮層11の内部に、チューブ内の全長にわたって形成された金属からなる遮水層14と、を備える。金属からなる遮水層14に一部が途切れた縁切り部14aを設けた。遮水層14により遮水性能を維持しながら、接続する2本のケーブルを、縁切り部14aにより、絶縁筒等を用いずに電気的に縁切りすることができる。
【選択図】図1
Description
この熱収縮チューブ100は、長手方向にわたり同じ断面構造を有しており、金属からなる遮水層101がチューブ内の略全長にわたって形成されている。
上記熱収縮チューブを用いないで、絶縁接続箱とする場合、上述したような絶縁筒付きの銅管や絶縁混和物等を必要とするため、材料コストがかさみ、必要部品点数が増し、部品サイズも大きくなり、電力ケーブルを接続する作業を行う現場での施工時間がかかり、組立スキルが必要となっていた。
この構成によれば、遮水層に一部が途切れた縁切り部を設けたので、金属からなる遮水層により遮水性能を維持しながら、2本のケーブルを、縁切り部により、絶縁筒等を用いずに電気的に縁切りすることができる。
熱収縮層の遮水性能補強部は、数10×E-8オーダの透湿係数を確保する程度の厚さとするのが好ましい。
この構成によれば、金属からなる遮水層がチューブ内の略全長にわたって形成されている従来の熱収縮チューブと同様の遮水性能が得られる。
この構成によれば、水蒸気の透過をも防止することができる。
また、絶縁接続箱ユニットに適用する場合、絶縁筒付きの銅管や絶縁混和物等を必要としないため、材料コストや必要部品点数が低減され、部品サイズも大きくなる。これにより、小型化及びコストの低減を図れる熱収縮チューブが得られる。さらに、電力ケーブルを接続する作業を行う現場での施工時間が短縮され、高度な組立スキルが不要になる。
<熱収縮チューブ>
熱収縮チューブの一実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
この熱収縮チューブ10は、図1及び図2に示すように、全体が円筒状に形成されたチューブであり、チューブの外周側に形成された熱収縮層11と、チューブの内周側に形成された粘着層12,13と、熱収縮層11の内部に、チューブ内の全長にわたって形成された金属からなる遮水層14と、を備えている。
この熱収縮チューブ10の特徴は、金属からなる遮水層14に一部が途切れた縁切り部14aを設けた点にある。遮水層14は、粘着層13と熱収縮層11との間に円筒状に形成されたアルミ箔等の金属箔からなる金属筒である。
また、粘着層12、13には、加熱により融け、接続する2本の電力ケーブルの各ケーブルシース及び接続部と強固に接着する材料が使用される。
粘着層12,13は、接着剤を予めフィルム化したものであり、例えば、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができる。
粘着層12,13はひとつのフィルムシートとなっており、チューブ成形時に重ねて加熱することによりフィルム同士接着している。
遮水性能補強部11aは、数10×E-8オーダの透湿係数を確保する程度の厚さとするのが好ましい。
また、熱収縮層11の熱収縮後の厚さ(遮水性能補強部11aを除く部分の厚さ)は3mm以上であるのが好ましい。
なお、熱収縮チューブ10は、吸水層18を防水層16の内側に設けた構成に限らず、吸水層18を防水層16と吸水防止層17との間に設けた構成であっても良い。
(1)金属からなる遮水層14に一部が途切れた縁切り部14aを設けたので、遮水層14により遮水性能を維持しながら、接続する2本のケーブルの内の一方の外導(外部導電層)とその他方の外導(外部導電層)とを、縁切り部14aにより、絶縁筒等を用いずに電気的に縁切りすることができる。
従って、絶縁接続箱ユニットに適用可能で、66kV/77kVトリプレックスCVケーブル以外の単心中長距離CVケーブル等の接続部にも使用可能な熱収縮チューブを実現することができる。例えば、66kV/77kVトリプレックスCVケーブル以外の単心中長距離CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)および海外110kV電力ケーブル等への適用拡大が図れる。
(4)水分浸入防止部15は、遮水層14の縁切り部14a及び縁切り部14a近傍の遮水層14外面に設けた吸水層18を更に含む構成になっている。これにより、水蒸気の透過をも防止することができる。
(5)熱収縮層11を加熱すると、粘着層12,13が融け、熱収縮層11が装着される2本の電力ケーブルの接続部と強固に接着することによって、長手方向の隙間からの水の浸入を防止することができる。
図1及び図2に示す上記熱収縮チューブ10を用いた電力ケーブル接続部の一実施形態を、図3に基づいて説明する。なお、図3では、上述した熱収縮チューブ10を、その一部を省略して示している。
電力ケーブル接続部20は、2本の電力ケーブル30,40を接続する電力ケーブル接続部に熱収縮チューブ10を被せて熱収縮させた構成になっている。
電力ケーブル30,40を段剥ぎした後、それぞれの導体が接続管により接続されて導体接続部50が構成される。
(1) 縁切り部14aを設けた金属からなる遮水層14により遮水性能を維持しながら、接続する2本のケーブル30,40を、縁切り部14aにより、絶縁筒等を用いずに電気的に縁切りすることができる。
従って、絶縁接続箱ユニットに適用可能で、66kV/77kVトリプレックスCVケーブル以外の単心中長距離CVケーブル等の接続部にも使用可能となる。例えば、単心中長距離CVケーブルおよび海外110kV電力ケーブル等の接続部にも使用可能となる。
(3)熱収縮層11に遮水性能補強部11aを設けると共に、この遮水性能補強部11aに水分浸入防止部15を設けた熱収縮チューブ10を用いているので、遮水層がチューブ内の略全長にわたって形成されている従来の熱収縮チューブと同様の遮水性能が得られる電力ケーブル接続部を実現することができる。
(4)熱収縮層11を加熱すると、粘着層12,13(図1参照)が融け、電力ケーブル30,40の接続部及びケーブルシース30e,40eと強固に接着することによって、長手方向の隙間からの水の浸入を防止することができる。
次に、図1及び図2に示す上記熱収縮チューブ10を、単心中長距離CVケーブル等の接続部に用いた電力ケーブル接続部20Aの一実施例を、図4(A)、図4(B)に基づいて説明する。なお、図4(A)に示す電力ケーブル接続部では、図4(B)に示す絶縁接続箱ユニットの外部導電層71の図示を省略してある。
電力ケーブル接続部20Aは、2本の電力ケーブル30A,40Aを接続する電力ケーブル接続部であって、上記熱収縮チューブ10を、図4(B)に示す絶縁接続箱ユニット(IJユニット)70に被せて熱収縮させることで、絶縁接続箱である電力ケーブル接続部を構成している。
図4(B)に示す絶縁接続箱ユニット(IJユニット)70は、2本の電力ケーブル30A,40Aの上記接続部分を覆う筒状の補強絶縁層61の表面に外部導電層71が形成されていない部分Xがあり、この部分Xで外部導電層71が電気的に縁切りされるようになっている。
外部導電層71は、例えば外導ペイントが塗布された層もしくは、導電ゴムが巻かれた層である。
なお、図4(A)に示すように、Cテープ53とシールドメッシュテープ54は、図4(B)に示す絶縁接続箱ユニット70の外部導電層71が形成されていない部分Xには、電気的に縁切りするために巻かないようになっている。
なお、図4(B)に示す電力ケーブル接続部20Aでは、外部導電層(例えば外導ペイント)71が部分Xのみ形成されていない構造であるが、部分Xから図4(B)で左側に外部導電層71が形成されていない構造の電力ケーブル接続部20Aであっても良い。
従って、図4(B)に示す絶縁接続箱ユニット70に適用可能で、単心中長距離CVケーブル等の接続部である絶縁接続箱にも使用可能となる。
また、熱収縮層11を加熱すると、粘着層12,13が融け、電力ケーブル30,40の接続部及びケーブルシース30e,40eと強固に接着することによって、長手方向の隙間からの水の浸入を防止することができる。
11:熱収縮層
11a:遮水性能補強部
12,13:粘着層
14:遮水層
14a:縁切り部
15:水分浸入防止部
16:防水層
17:吸水防止層
18:吸水層
20,20A:電力ケーブル接続部
30,40,30A,40A:電力ケーブル
30e,40e:ケーブルシース
70:絶縁接続箱ユニット(IJユニット)
71:外部導電層
Claims (6)
- 2本の電力ケーブルを接続する電力ケーブル接続部の外装に用いる熱収縮チューブであって、
チューブの外周側に形成された熱収縮層と、
チューブの内周側に形成された粘着層と、
前記熱収縮層の内部に、チューブ内の全長にわたって形成された金属からなる遮水層と、を備え、
前記遮水層に一部が途切れた縁切り部を設けたことを特徴とする熱収縮チューブ。 - 前記熱収縮層に、前記遮水層の縁切り部を覆う部分の肉厚を厚くした遮水性能補強部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮チューブ。
- 前記熱収縮層の遮水性能補強部に、前記縁切り部近傍における円周方向の水分の浸入を防止する水分浸入防止部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮チューブ。
- 前記水分浸入防止部は、防水層と、該防水層全体を覆う吸水防止層と、該吸水防止層の外面に設けた撥水層とを含むことを特徴とする請求項3に記載の熱収縮チューブ。
- 前記水分浸入防止部は、前記遮水層の縁切り部及び該縁切り部近傍の遮水層外面に設けた吸水層を更に含み、該吸水層全体を覆うように前記防水層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の熱収縮チューブ。
- 2本の電力ケーブルを接続する電力ケーブル接続部であって、
2本の電力ケーブルの接続部分を覆う筒状の補強絶縁層の表面に外部導電層が形成されていない部分があり、この部分で外部導電層が電気的に縁切りされる絶縁接続箱ユニットと、チューブの外周側に形成された熱収縮層と、チューブの内周側に形成された粘着層と、前記熱収縮層の内部に、チューブ内の全長にわたって形成された金属からなる遮水層と、を備え、前記遮水層に電気的に縁切りされた縁切り部を設けた熱収縮チューブと、を備え、
前記熱収縮チューブを、前記絶縁接続箱ユニットに被せて熱収縮させたことを特徴とする電力ケーブル接続部。
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