JP2012079519A - 固体酸化物型燃料電池セル用集電体及びそれを用いた固体酸化物型燃料電池セル集合体 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池セル用集電体及びそれを用いた固体酸化物型燃料電池セル集合体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張差で集電体がセルを傷つけない構造を採用することにより、高温運転が可能な固体酸化物型燃料電池セルを提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池セル16は、弾性力を有し把持機能を有する集電体102により集合化されている。集電体102は薄板状の把持部を備え、把持部の開口部側の先端には曲率部が設けてあるので、集電体102が熱膨張により固体酸化物形燃料電池セル上をずれる際にも、固体酸化物型燃料電池セルを傷つけることがない構造となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池セル用集電体及びそれを用いた固体酸化物型燃料電池セル集合体に関する。
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に空気を供給して、比較的高温で発電反応を生じさせて発電を行う燃料電池である。
この種の燃料電池では、単一の燃料電池セル(単セル)では、得られる電力が少ないので、特許文献1〜3に示すように、複数の燃料電池セルを平行に並べて、集電部材により電気的に直列に接続して必要な電力を得るようにしている。
特許文献1には、扁平円筒形状の燃料電池セルの曲率部にフックを持つ集電体がはめられている構成の開示がある。。さらにしっかりとセルに対して把持させるために弾性を持たせることでセルに挟持させる工夫の開示もある。
特開2006−100091号公報
特許文献1のように曲率部を持った燃料電池セルに弾性力を有し把持する集電体の場合、セルとの接触面積の確保は確実になるものの、弾性力を持たせたことにより集電体の先端部分で運転温度が高い場合に集電体の熱膨張によりセルを傷つけてしまうことが今回初めて明らかとなった。
具体的には燃料電池の運転時など高温になると、固体酸化物型燃料電池セルと集電体との熱膨張差から、集電体が膨張するときに先端で固体酸化物型燃料電池セルを傷つけてしまう。集電体が配置されている箇所は電極部分であり、電極を傷つけることで固体酸化物型燃料電池にきわめて大きな損傷を与えてしまうことが今回明らかとなった。
熱膨張差をもった集電体を用いて集電する際に、高い運転温度での運転を行う固体酸化物型燃料電池セル集合体特有の課題である。
上記課題を解決するために、本発明は、固体酸化物型燃料電池セルに電気的に接続され、前記固体酸化物型燃料電池外へ電流を流す固体酸化物型燃料電池セル用集電体において、
前記集電体は前記固体酸化物型燃料電池セルをはめ入れる開口部を備えるとともに、
前記固体酸化物型燃料電池セルを弾性力で把持する薄板状の把持部と、を備え、
前記把持部の前記開口部側の先端には前記固体酸化物型燃料電池セルへの傷つきを防止する傷つき防止部を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、固体酸化物型燃料電池セルに弾性力を有し把持する集電体の場合、固体酸化物型燃料電池セルとの接触面積の確保は確実になるものの、弾性力を持たせたことにより集電体の先端部分で固体酸化物型燃料電池セルを傷つけてしまう。具体的には固体酸化物型燃料電池セル集合体の運転時など高温になると、固体酸化物型燃料電池セルと集電体との熱膨張差から、集電体が膨張するときに開口部側の先端で固体酸化物型燃料電池セルを傷つけてしまう。集電体が配置されている箇所は電極部分であり、電極を傷つけることで固体酸化物型燃料電池セルにきわめて大きな損傷を与えてしまう。今回開口部側の先端に傷つき防止部を設けたので、集電体が熱膨張により固体酸化物型燃料電池セル上をずれる際に生ずる固体酸化物型燃料電池セルへの傷つきを防止することができる。
本発明において、前記傷つき防止部は前記薄板状の把持部を、前記開口部の外側へ曲げることで得られる曲面部であることを特徴としている。
このような構成された本発明において、薄板状の把持部の先端形状を変えるのみで集電体の燃料電池セルへの傷つけを防止できる。よって、傷つけ防止のために薄板状の把持部以外の構造部を用いるわけではないので、薄板状の把持部はそのままであるため弾性力の維持は確保したまま、固体酸化物型燃料電池セルへの傷つけ防止が可能となる。
さらに、薄板状の把持部の先端をR形状とするよりも、より大きな曲面部を燃料電池セル側へ配置させることができ、より簡便な形状で燃料電池セルに対して傷をつけにくくすることができる。さらに他の部材を用いることもないので弾性力も損なうことなく達成することができる
本発明において、そのような固体酸化物型燃料電池セル用集電体により複数の固体酸化物型燃料電池セルが電気的に接続されることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セル集合体である。
従って、集電体の熱膨張に伴うセルへの傷つけを効果的に防止できるので、良好な発電を維持することができる。
本発明によればセルに弾性力を有し把持する集電体の場合、セルとの接触面積の確保は確実になるものの、弾性力を持たせたことにより集電体の先端部分でセルを傷つけてしまう。具体的には燃料電池の運転時など高温になると、セルと集電体との熱膨張差から、集電体が膨張するときに先端でセルを傷つけてしまう。集電体が配置されている箇所は電極部分であり、電極を傷つけることで燃料電池にきわめて大きな損傷を与えてしまう。
本発明では、そのようなセルへの損傷を防止することを目的とする。
本発明の実施形態の固体酸化物型燃料電池セル集合体を含む固体酸化物型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の実施形態の固体酸化物型燃料電池セル集合体を含む固体酸化物型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールを示す正面断面図である。 図2のIII-III線に沿って断面図である。 本発明の実施形態の固体酸化物型燃料電池セル集合体を含む固体酸化物型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。 本発明の実施形態の固体酸化物型燃料電池セル集合体を含む固体酸化物型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 図5に示す集電体の斜視図である。 図6に示す集電体の正面図である。 本発明の実施形態による集電体の正面図である。 本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セル集合体を示す斜視図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)及びこのSOFCに使用される燃料電池セル集合体を説明する。図1は、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材(図示せず)を介して密封空間8が形成されている。なお、断熱材は設けないようにしても良い。この密閉空間8の下方部分である発電室10には、燃料ガスと酸化剤(空気)とにより発電反応を行う固体酸化物型燃料電池セル集合体12が配置されている。この固体酸化物型燃料電池セル集合体12は、10個の燃料電池セルスタック14(図5参照)を備え、この燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16(図4参照)から構成されている。このように、固体酸化物型燃料電池セル集合体12は、160本の燃料電池セルユニット16を有し、これらの燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されている。
燃料電池モジュール2の密封空間8の上述した発電室10の上方には、燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されなかった残余の燃料ガスと残余の酸化剤(空気)とが燃焼し、排気ガスを生成するようになっている。また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器20が配置され、残余の燃料ガスの燃焼熱によって改質器20を改質反応が可能な温度となるように加熱している。さらに、この改質器20の上方には、燃焼熱を受けて発電用空気を加熱するための空気用熱交換器22が配置されている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この貯水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された燃料ガスを遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される酸化剤である空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44(モータで駆動される「空気ブロア」等)及び発電用空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)と、改質器20に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ46と、発電室に供給される第発電用空気を加熱する第2ヒータ48とを備えている。これらの第1ヒータ46と第2ヒータ48は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
次に、燃料電池モジュール2には、排気ガスが供給される温水製造装置50が接続されている。この温水製造装置50には、水供給源24から水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールの内部構造を説明する。図2は、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って断面図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2のハウジング6内の密閉空間8には、上述したように、下方から順に、固体酸化物型燃料電池セル集合体12、改質器20、空気用熱交換器22が配置されている。
改質器20は、その上流端側に純水を導入するための純水導入管60と改質される燃料ガスと改質用空気を導入するための被改質ガス導入管62が取り付けられ、また、改質器20の内部には、上流側から順に、蒸発部20aと改質部20bを形成され、改質部20bには改質触媒が充填されている。この改質器20に導入された水蒸気(純水)が混合された燃料ガス及び空気は、改質器20内に充填された改質触媒により改質される。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したものや、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したものが適宜用いられる。
この改質器20の下流端側には、燃料ガス供給管64が接続され、この燃料ガス供給管64は、下方に延び、さらに、固体酸化物型燃料電池セル集合体12の下方に形成されたマニホールド66内で水平に延びている。燃料ガス供給管64の水平部64aの下方面には、複数の燃料供給孔64bが形成されており、この燃料供給孔64bから、改質された燃料ガスがマニホールド66内に供給される。
このマニホールド66の上方には、上述した燃料電池セルスタック14を支持するための貫通孔を備えた下支持板68が取り付けられており、マニホールド66内の燃料ガスが、燃料電池セルユニット16内に供給される。
次に、改質器20の上方には、空気用熱交換器22が設けられている。この空気用熱交換器22は、上流側に空気集約室70、下流側に2つの空気分配室72を備え、これらの空気集約室70と空気分配室72は、6個の空気流路管74により接続されている。ここで、図3に示すように、3個の空気流路管74が一組(74a,74b,74c,74d,74e,74f)となっており、空気集約室70内の空気が各組の空気流路管74からそれぞれの空気分配室72へ流入する。
空気用熱交換器22の6個の空気流路管74内を流れる空気は、燃焼室18で燃焼して上昇する排気ガスにより予熱される。
空気分配室72のそれぞれには、空気導入管76が接続され、この空気導入管76は、下方に延び、その下端側が、発電室10の下方空間に連通し、発電室10に余熱された空気を導入する。
次に、マニホールド66の下方には、排気ガス室78が形成されている。また、図3に示すように、ハウジング6の長手方向に沿った面である前面6aと後面6bの内側には、上下方向に延びる排気ガス通路80が形成され、この排気ガス室通路80の上端側は、空気用熱交換器22が配置された空間と連通し、下端側は、排気ガス室78と連通している。また、排気ガス室78の下面のほぼ中央には、排気ガス排出管82が接続され、この排気ガス排出管82の下流端は、図1に示す上述した温水製造装置50に接続されている。 図3に示すように、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
次に図4により燃料電池セルユニット16について説明する。図4は、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
図4に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
燃料電池セル16の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。また、内側電極端子86は、突出した筒状部分86aと平坦面86bを備え、筒状部分86aの内部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
次に図5により燃料電池セルスタック14について説明する。図5は、本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。
図5に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
燃料電池セルユニット16には、金属製の集電体102及び外部端子99が取り付けられている。この集電体102は、燃料電池セルユニット16の両端部にある内側電極端子86と外側電極層92を電気的に接続するためのものである。
なおここでの集電体は、固体酸化物型燃料電池用集電体であり、以下単に集電体という。
次に図5及び図6により、集電体102について詳細に説明する。図6は本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セルスタック(固体酸化物型燃料電池セル集合体)に使用される集電体を示す斜視図であり、図7は図6に示す集電体の正面図である。図8は本発明の実施形態による燃料電池セルスタックに使用される集電体の正面図である。図9は本発明の実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)の燃料電池セル集合体を示す斜視図である。
先ず、図6及び図7に示すように集電体102は、燃料電池セルユニット16(燃料電池セル84)の空気極である外側電極層92の外周面と電気的に接続される空気極用接続用の第1の集電部103と、この第1の集電部103から隣接する燃料電セルユニット16の端部に向けて延び、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と電気的に接続される第2の集電部108と、この第1の集電部103と第2の集電部108とを電気的に接続する連接部104とを備えている。
ここで空気極は断面面形状であり、曲面部を備えている。
次に、集電体102の第1の集電部103は、燃料電池セルユニット16に沿って長手方向に延びる平面部105と、この平面部105の左右からそれぞれ鉛直方向に延び、かつ、燃料電池セルユニット16に沿って長手方向に延びる側面部105aと、この側面部105aから燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に半円弧状に湾曲して延び、燃料電池セルユニット16の外側電極層92へ取り付けられる把持部105bとを備えられている。また、平面部105は、矩形状であり、燃料電池セルユニット16に沿って長手方向の縦の長さに比べ、燃料電池セルユニット16に沿って円周方向の横の長さが短いことを備えられている。さらに、平面部105は、空間部107へ連通し、開口される孔である開口部106が備えられている。また、第2の集電部108については、第1の集電部103とほぼ同様の構成となっている。
また、集電体102の第1の集電部103の把持部105bには、燃料電池セルユニット16の外周を取り囲むように燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に延びる突出部210a、210b(図6では手前右側)と、突出部210a、210bと対向する突出部210c(図6では奥側左側)とを備えている。
さらに、突出部210aは、この突出部210aの先端に集電部103内側方向から外側方向へ延びる曲面部を有した爪部310aを備えている。また、突出部210b、210cについては、突出部210aと同様の構成となっており、それぞれ爪部310b、爪部310cを備えている。ここで曲面部はセルへの傷つきを防止する傷つき防止部として作用する。
集電体は把持部に弾性力を有しているので、曲面を有した燃料電池セルであってもその外形に沿って密着することができ、確実な集電をすることができる。
しかしここで、本実施例のように外側方向へ伸びる曲面部を有していないと、温度が高い時に集電体自体が熱膨張を起こし、燃料電池セルに対してずれを生ずる。そのずれにより燃料電池セルに対して傷をつけてしまうという不具合を生じる。
今回集電体が曲面部を有しており、傷つけを防止することができる。
さらに、薄板状の把持部の先端形状を変えるのみで集電体の燃料電池セルへの傷つけを防止できる。よって、傷つけ防止のために薄板状の把持部以外の構造部を用いるわけではないので、薄板状の把持部はそのままであるため弾性力の維持は確保したまま、燃料電池セルへの傷つけ防止を防止できる。
さらに、薄板状の把持部にR部を設けるよりも、より大きな曲面部を燃料電池セル側へ配置させることができ、より簡便な形状で燃料電池セルに対して傷をつけにくくすることができる
次に、図8に示す集電体は図7に示す集電体と構造のみが異なっている。以下、図8に示す集電体の構造を説明する。図8に示すように、第1の集電部103の把持部105bには、燃料電池セルユニット16の外周を取り囲むように燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に延びる突出部210a(図8では右側)と、突出部210aと対向する突出部210c(図8では左側)とを備えている。
次に、図9に示すように、10個の燃料電池セルスタック14がそれぞれ接続され、その結果、160本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続され、固体酸化物型燃料電池セル集合体12となる。この燃料電池セルユニット12において、電流は、上面視した際には、破線Aで示したように流れる。この発電された電力は、燃料電池セルユニット12の両側に接続された出力端子110から取り出される。また、出力端子110は、燃料電池セルユニット16の長手方向に延びる応力緩和部111を備えているので、熱応力の緩和や応力集中を回避することができる。
次に、上述した本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池セル集合体における作用、特に、集電体102との関係を説明する。
先ず、集電体102において、第1の燃料電池セルユニット16(120)の中央外周部である外側電極層92と第1の燃料電池セルユニット16(120)に隣接する第2の燃料電池セルユニット16(122)の端部とを、集電体102を用いて接続し、これを複数接続することによって、燃料電池セルスタック14を得ることができる。
次に、図6及び図7に示すように、集電体102の第1の集電部103は、燃料電池セルユニット16に沿って長手方向に延びる平面部105と、この平面部105の左右からそれぞれ鉛直方向に延び、かつ、燃料電池セルユニット16に沿って長手方向に延びる側面部105aと、この側面部105aから燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に半円弧状に湾曲して延び、燃料電池セルユニット16の外側電極層92へ取り付けられる把持部105bとを備えられているので、把持部105bには弾性力が備わり、燃料電池セルユニット16への把持性能を向上させることができる。
さらに、図6及び図7に示すように、集電体102の第1の集電部103の把持部105bには、燃料電池セルユニット16の外周を取り囲むように燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に延びる突出部210a、210bと、突出部210a、210bと対向する突出部210cとを備えているので、燃料電池セルユニット16に対してより強固に把持することができ、さらに、燃料電池セルユニット16と集電体102との接触面積を向上させることができる。
また、図6及び図7に示すように、突出部210aは、この突出部210aの先端に集電部103内側方向から外側方向へ延びる曲面部有した爪部310aを備えている。また、突出部210b、210cについては、突出部210aと同様の構成となっており、それぞれ爪部310b、爪部310cを備えているので、燃料電池セルユニット16の外側電極層92を損傷させることなく、把持させることでき、燃料電池セルの発電性能を向上させることができる。
従って固体酸化物型燃料電池セル集合体の発電性能も確実に維持することができる。
次に、図8に示すように、第1の集電部103の把持部105bには、燃料電池セルユニット16の外周を取り囲むように燃料電池セルユニット16に沿って円周方向に延びる突出部210aと、突出部210aと対向する突出部210cとを備えているので、上記
性能を維持しつつ、熱による膨張及び収縮を緩和することができる。
なお図示しないが外部へ電気集電するブスバーと本発明の集電体を一体とすると、ツウ電ロスを低減することができる。
また燃焼部に近い集電部材は電気抵抗が大となるため、下側に配置されている集電体などの集電部材よりも厚みを厚くすることで電気抵抗低減が図れる。
またブスバーとモジュール壁との間の電気的短絡を防止するため絶縁体を配置してもよい。
1 固体電解質型燃料電池(SOFC)
2 燃料電池モジュール
12 固体酸化物型燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット
68 下支持板
68a 貫通穴
84 燃料電池セル
86 内側電極端子
100 上支持板
102 集電体
104 連接部

Claims (3)

  1. 固体酸化物型燃料電池セルに電気的に接続され、前記固体酸化物型燃料電池外へ電流を流す固体酸化物型燃料電池セル用集電体において、
    前記集電体は前記固体酸化物型燃料電池セルをはめ入れる開口部を備えるとともに、
    前記固体酸化物型燃料電池セルを弾性力で把持する薄板状の把持部と、を備え、
    前記把持部の前記開口部側の先端には前記固体酸化物型燃料電池セルへの傷つきを防止する傷つき防止部を備えることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セル用集電体。
  2. 前記傷つき防止部は前記薄板状の把持部を、前記開口部の外側へ曲げることで得られる曲面部であることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池セル用集電体。
  3. 請求項1または2に記載の固体酸化物型燃料電池セル用集電体により複数の固体酸化物型燃料電池セルが電気的に接続されることを特徴とする固体酸化物型燃料電池セル集合体。
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