JP2012076422A - 記録装置及び顔料インク攪拌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器に収容された顔料粒子が沈降した状態の顔料インクを撹拌させるため、顔料インクが収容されている容器を動かさずに容器内の顔料粒子を撹拌させることができる手段と、攪拌が充分になされたことを検知する手段とを提供することである。
【解決手段】顔料粒子が沈降した状態の顔料インクを収容した容器の外側に一対で表面積が大きく異なり、少なくとも一方は幅が一定でない形状をした電極を設け、交流電源に接続させ、電極に交流電圧を印加する。これにより、電極間に電界が発生し容器内で沈降していた顔料粒子は誘電分極を起こし、電界強度の大きい方へ引き寄せられ、容器内で対流を発生させ、沈降していた顔料粒子を撹拌させる。そして、電極間電圧検知部によって検知された電圧に基づいて顔料粒子が充分に拡散していることを検知する。
【選択図】 図8

Description

本発明は顔料インクを撹拌するシステムを備えた記録装置及び顔料インク攪拌方法に関する。
顔料インクを記録剤として使用するインクジェット記録装置において、記録がない状態が長時間続き、顔料インクを長時間放置すると、顔料インクの溶媒より比重が重い顔料粒子が重力沈降しインクタンク内で顔料インクの顔料濃度が均一ではなくなる。その結果、長時間記録がなかった後での記録動作では最適な画質で記録ができなくなる。そこで、インクタンクをキャリッジに搭載した構成のインクジェット記録装置(以下、記録装置)では、キャリッジを左右に動かしてインクタンクを激しく振ることでインクタンク内の顔料インクを撹拌させている。これにより、顔料粒子の空間分布がインクタンク内で均等になる。
例えば、特許文献1は記録ヘッドとインクタンクを搭載したキャリッジの往復移動終了後からの経過時間が規定時間よりも短いなら、記録動作の記録量に応じてインクタンク内のインク撹拌のためのキャリッジの往復移動の条件を設定することを開示している。そして、その往復移動の条件に応じてキャリッジを往復させることにより、インクタンク内のインクの状況に応じて、そのインクを効率よく撹拌することができる。この結果、インクタンク内の顔料インクなどのインクを均質化して、良好な画像を記録することができる。
また、特許文献2は、インクを収容するインクタンクと、これに連通して設けられたインクフィルタと、そのフィルタに連通して設けられた共通インク室と、これに連通する複数のノズルとを設けたインクジェットヘッドを開示している。また、そのヘッドには、さらに、各ノズルに対応するインク吐出口と、インクタンク内に設けられた少なくとも一対の表面積の異なる電極と、これらの異なる電極に電圧を印加する交流電圧印加部とが設けられている。このような構成により、一対の表面積の異なる電極に交流電圧を印加したとき、表面積の小さな電極がインクのごみ、ちりを吸着することができる。これにより、目詰まりが生じるような大きなごみ、ちりはインク中から除去され、インクフィルタのメッシュを小さなごみ、ちりを除去する程度のサイズとしてもインクフィルタに目詰まりが生じることのないインク吐出装置を実現することができる。
特開2007−301772号公報 特開平8−258281号公報
特許文献1に開示されているように、顔料インクを使用するインクジェット記録装置において、顔料粒子が重力沈降してしまった顔料インクを効率よく撹拌させて均質化させるため、インクタンクが搭載されたキャリッジを往復させる構成が有効である。
しかしながら、インクタンクの容量を大きくしたり、キャリッジ部分の重量を軽くするために、記録ヘッドとインクタンクとを別体とし、キャリッジに記録ヘッドのみを搭載する場合、特許文献1に開示の構成では顔料インクの攪拌はできない。なぜなら、このような場合、インクタンクは記録装置本体に固定する構成となり、キャリッジを動かしても、インクタンクの顔料インクを撹拌することはできないからである。このため、記録装置にインクタンクを固定した構成では別の撹拌方法が必要となる。
さらに、特許文献1に開示の構成では、攪拌によって顔料インクが攪拌されたかどうかを検知する手段を備えておらず、前回行われたキャリッジの往復動作からの経過時間や記録データ量に基づいて攪拌回数を設定している。しかしながら、このような構成では、前回のキャリッジの往復動作の後に、インクタンクを交換してしまうと、攪拌動作が不十分であったり、あるいは、必要以上に時間をかけて攪拌動作を実行させてしまう可能性が否めない。
また、特許文献2に開示の構成では、ごみやちりのように顔料粒子を表面積の小さい電極に吸着させることは可能であるが、インクタンク内の顔料インクを均質化することは不可能である。従って、顔料粒子に対流を起こさせて積極的に顔料インクを撹拌させる手段が必要となる。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、インクタンクに動揺を与えたり顔料インクに電気的な影響を与えずに顔料インクを撹拌させるとともに、顔料粒子の拡散状態を確実に検知可能な記録装置及び顔料インク攪拌方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成からなる。
即ち、電気絶縁部材で形成され、誘電率の異なる溶媒と顔料粒子とを含んだ顔料インクを収容した、第1のコンテナより、前記第1のコンテナとは分離され、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給して記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられた、薄板状の第1の電極と、前記第1のコンテナを挟むように前記第1の電極に対向し、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられ、前記第1の電極より小さい表面積をもつ、薄板状の第2の電極と、前記第1の電極と前記2の電極に交流電圧を印加する交流電源と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間電圧を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された電極間電圧或は電極間電圧の変化率を所定の閾値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果が前記電極間電圧或は電極間電圧の変化率が所定の閾値未満となったことを示す時点で前記交流電源による前記交流電圧の印加を停止するよう制御する制御手段とを有し、前記第2の電極は細長い台形形状をしており、前記第1のコンテナに対して、鉛直方向に関し、上方に狭い方が下方に広い方がくるように当接され、前記交流電圧が印加された場合、前記第1のコンテナに関し上方に下方よりも強い電界が発生するようになっていることを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、電気絶縁部材で形成され、誘電率の異なる溶媒と顔料粒子とを含んだ顔料インクを収容した、第1のコンテナより、前記第1のコンテナとは分離され、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給して記録媒体に記録を行う記録装置の顔料インク攪拌方法であって、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられた、薄板状の第1の電極と、前記第1のコンテナを挟むように前記第1の電極に対向し、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられ、前記第1の電極より小さい表面積をもつ、薄板状の第2の電極とに交流電源より交流電圧を印加する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間電圧を検知する検知工程と、前記検知工程によって検知された電極間電圧或は電極間電圧の変化率を所定の閾値と比較する比較工程と、前記比較工程における比較の結果が前記電極間電圧或は電極間電圧の変化率が所定の閾値未満となったことを示す時点で前記交流電源による前記交流電圧の印加を停止するよう制御する制御工程とを有し、前記第2の電極は細長い台形形状をしており、前記第1のコンテナに対して、鉛直方向に関し、上方に狭い方が下方に広い方がくるように当接され、前記交流電圧が印加された場合、前記第1のコンテナに関し上方に下方よりも強い電界が発生するようになっていることを特徴とする顔料インク攪拌方法を備える。
従って本発明によれば、顔料インクを収容するインクタンクを機械的に動揺させたり電気的な影響を与えずに簡単な構成で顔料インクを撹拌させることができるという効果がある。さらに、電極間電圧を検知し、その電圧値や変化率を利用して簡単な構成で顔料粒子が充分に拡散しているかどうかを判断することができる。
これにより、顔料粒子の沈降により顔料インクの顔料粒子空間分布が不均一となって記録画像の品質が低下するのを防ぐことが可能になる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示した記録装置に備えられる顔料インク撹拌システムの構成を示すブロック図である。 メインタンクと電極の設置構成の一例を示す斜視図である。 交流電源と電極の接続図である。 顔料インクの撹拌原理について示す図である。 顔料インクの撹拌動作について示す図である。 顔料インク攪拌システムの機能構成を示すブロック図である。 検知部に適用される電気回路の等価図である。 約30日間放置し顔料粒子が沈降している状態の顔料インクに対して交流電圧を印加した場合に検知部で検知された電圧値の時間変化を表した図である。 約12時間放置し顔料粒子ほとんどが沈降していない状態の顔料インクに対して交流電圧を印加した場合に検知部で検知された電圧値の時間変化を表した図である。 図10に示したのと同じ顔料インクの顔料粒子が沈降していた場合の電極間電圧の時間変化に基づいて算出した1秒当たりの変化量の時間変化を示す図である。 図11に示したのと同じ顔料インク粒子が沈降していない場合の電極間電圧の時間変化に基づいて算出した1秒当たりの変化量の時間変化を示す図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
図1は、本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概要構成を示す斜視図である。この記録装置は、インクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)と大容量インクタンク(第1のコンテナ)103とが別体した分離構成となっている。そして、記録ヘッドと小容量インクタンク(第2のコンテナ)106のみがキャリッジに搭載され、大容量のインクタンクは記録装置本体に備えられる構成となっている。そして、大容量インクタンクに収容されたインクはポンプにより記録ヘッドとインクタンクとを接続するチューブを介して記録ヘッドに供給される。
このような記録装置としては、例えば、記録媒体としてA0やB0の大判の記録用紙を用いるプリンタ、大型複写機に実装されるプリンタ、電子デバイス等の製造装置に用いられるプリンタ、捺染装置などの産業用プリント装置などがある。記録媒体として、プリンタであれば、紙やプラスチックシート、製造装置であればガラス基板、捺染装置であれば布地である。そして、このような記録装置には記録剤として顔料インクが用いられ、インクタンク内の顔料インクを攪拌するために、顔料インク撹拌システムが備えられている。
また、記録ヘッドよりインクを吐出するインクジェット方式としては、電気熱変換体(ヒータ)を記録素子に用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など様々な方式を用いることができる。
図1に示すように、大容量インクタンク(以下、メインタンク)103は、記録ヘッド107が設置されているキャリッジに設置することが不可能なため、記録装置の筐体100の一部に固定される。キャリッジに搭載された記録ヘッド107には小容量インクタンク(以下、サブタンク)106が備えられる。そして、メインタンク103とサブタンク106との間をチューブ(流路)105で接続し、メインタンク103を外側から加圧する機構か、流路105の途中にポンプ機構を設けるかしてインクを記録ヘッド107に供給する。
なお、この実施例では、サブタンク106と記録ヘッド107とを一体化したヘッドカートリッジがキャリッジ搭載される。そのキャリッジには2つのガイドレール111、112に案内支持されて、それらのガイドレールに沿って記録媒体108に対して往復移動する。その際、記録ヘッド107から記録媒体108に対してインクを吐出して記録を行う。
図2は、図1に示した記録装置に備えられる顔料インク撹拌システムの構成を示すブロック図である。
メインタンク103は袋状又はハードケース状のもので電気絶縁部材であるゴム、ビニール、プラスチックなどでモールド形成される。メインタンク103は接続部104でチューブ105と接続される。メインタンク103の外側には、少なくとも一対で表面積が大きく異なる銅などの導体からなる電極102を当接するように設ける。これらの電極102には交流電源101から交流電圧が印加される。1対の電極102において、表面積の大きい電極を第1の電極、表面積の小さい電極を第2の電極という。
なお、図2に示すように、1対の電極102がメインタンク103を挟んだ状態で最接近した状態でも放電はしないようになっている。そして、メインタンク103の外側にある電極102とメインタンク103内の顔料インクができる限り接近するような薄さで、メインタンク103内の顔料インクが漏れることない強度を持つ厚さ(最大2.0mm程度まで)としている。メインタンク103は、一対の電極102間の距離は、離れすぎないように1cm程度の距離までにする。なお、電極102は厚さは0.05mm程度の薄さの薄板状の形状である。
図3はメインタンク103と電極102の設置構成の一例を示す斜視図である。
図3に示すように、一対で表面積が大きく異なり、少なくとも一方は幅が一定でない形状の電極102は、顔料インクを収容したメインタンク103を挟んで対向になるように設け、外面に当接になるように設置する。また、メインタンク103が図3に示すように袋形状の場合は電極102がメインタンク103に当接するように設置する。そのために、直接、電極102をメインタンク103に固定する。或は、メインタンク103のみ交換可能にするようにプラスチックやモールド板などの電極固定板113に電極102を固定してからメインタンク103に当接するように設置する。
一対の電極102は、効率良く顔料インクを撹拌させるためにメインタンク103の外面で最も面積の広い面に、対向する電極間の間隔が最も小さくなる外面に当接になるように設置する。また、一対の電極102はその表面積が互いに大きく異なっている。表面積の大きい方の電極、即ち、第1の電極はメインタンク103の最も面積の広い面と同等の面積の矩形形状とし、もう一方の表面積が小さい方の電極、即ち、第2の電極は第1の電極と比較してその面積比が1:10程度になる大きさにする。また、第2の電極の形状は、交流電圧を印加した際に電極間に発生する電界に電界強度の大きい個所と小さい個所が発生する形状で、鉛直方向に関し太い部分と細い部分がある形状(細長い台形形状)にする。
図4は交流電源101と電極102の接続図である。交流電源101と電極102は直接接続され、メインタンク103を表面積が異なる一対の電極102が挟んでいる構成にする。交流電圧の印加電圧値は1kV〜数kV程度とし、周波数は60kHz程度とする。
図5〜図6は顔料インクの撹拌原理について示す図である。電極102に交流電圧を印加すると、電極間に電界が発生する。一対で表面積が大きく異なる電極を用いる場合、表面積の小さい第2の電極に近づくほど電界強度が大きくなる。このときに電界中に存在する顔料粒子109は誘電分極を起こし、電位の高い方にマイナス電荷が集まり、電位の低い方にプラスの電荷が集まるが、プラス電荷とマイナス電荷の絶対値は等しい状態である。ここで、電界強度をEとすると、F=QEで表せる静電引力Fが発生する。
図5に示す状態の場合、プラス電位の表面積の小さい方の第2の電極が、マイナス電位の表面積の大きい第1の電極よりも電界強度が大きいので、誘電分極した顔料粒子109は第2の電極の方へ移動する。また、図6に示すように、+/−が逆転して、電位が逆になっても、顔料粒子109の分極方向も同時に逆になるので顔料粒子109が移動する方向は変わらず、電界強度の大きい第2の電極の方へ移動する。
図7は顔料インクの撹拌動作について示す図である。顔料インクを収容したメインタンク103で面積が最も広い面を正面から見た図である。この図では、手前に表面積が小さい方の第2の電極があり、顔料インクを収容したメインタンク103を挟んで、奥に表面積が大きい方の第1の電極ある構成を示している。第2の電極は、下方が太くなっており、上方にいくにつれて徐々に細くなっていく形状をしている電極である。
図7では、顔料粒子109がメインタンク103の下方に沈降している状態を示している。実際の顔料粒子109の径は、約0.1μmであり、とても小さな粒子である。一対で表面積が大きく異なる電極102に交流電圧を印加すると、一対の電極102間に電界が発生する。
図7に示すような電極配置の構成の場合、表面積の小さい方の第2の電極の細い部分が電界強度は大きくなる。従って、メインタンク103の下方に沈降していた顔料粒子109は、表面積の小さい方の電極の細くなっている部分を目指して電極に沿うように上昇を始める。この上昇過程で、電極から離れた一部の顔料粒子109は途中で重力沈降するが、大半の顔料粒子109は上昇の勢いで顔料インクと空気の境界面まで達し、広く分散して再び重力沈降する。このようにして、図7の矢印で示すような対流が発生する。その結果、短時間で沈降していた顔料粒子109を撹拌させることが可能である。
図8は顔料インク攪拌システムの機能構成を示すブロック図である。
交流電源101は制御部902からの指令を受けて電極102に対して交流電圧を発生させる。検知部901は1対の電極102の内少なくとも1つと接続され、電極間の電圧を検知する。制御部902は検知部901より電極間電圧値を入力し、その値に基づいて交流電源101をオフする判断をする。
図9は検知部901に適用される電気回路の等価図である。図9に示す構成によれば、電極102に印加された交流電流が抵抗(R1)805を通して2つダイオード802、803とコンデンサ(C1)804によって平滑化される。平滑化された電流が抵抗(R2)806に流れ込むことによって抵抗(R2)806の両端に電位差が生じる。
ここで、電極102に発生する電圧がこれらの回路によって平滑化されたり、影響を受けたりしないようにするために、抵抗(R1)805は非常に大きな値に設定し、電極102から見て検知部901はインピーダンスが高い状態にする必要がある。また、抵抗(R2)806に発生する電圧値は電極102に発生する電圧を抵抗(R1)805と抵抗(R2)806で分圧したものになる。
以上を踏まえて、例えば、交流電源101が発生する電圧が5kVの場合、R1=10MΩ、R2=10kΩとすれば、抵抗(R2)806の両端には0〜5V程度の電位差が生じる。そして、この電圧がA/D変換器801によってアナログ/デジタル変換され、デジタル値となって制御部902へ伝達される。
ここで、抵抗806の両端には、電極102の間に介在する顔料インクの沈降の状態によって異なる電圧が生じる現象について説明する。1対の電極102の間にインクなどの液体が絶縁体として介在する場合、その液体が誘電体となり見かけ上はコンデンサと同じ扱いをすることができる。顔料インクの溶媒と顔料粒子とで誘電率が異なるため、顔料インクの顔料粒子が沈降して一部に集まっている場合と、インク内に一様に拡散している状態とで誘電率が異なる。このように顔料粒子の沈降の状態によって電極102の間に貯まる電荷が異なり、発生する電圧が異なってくる。
図10は約30日間放置し顔料粒子が沈降している状態の顔料インクに対して交流電圧を印加した場合に、検知部901で検知された電圧値の時間変化を表した図である。図10によれば、交流電圧印加後約60秒間は電極間電圧が減少し続けるが、それを以降は一定値を保つという挙動を示している。
図11は約12時間放置し顔料粒子ほとんどが沈降していない状態の顔料インクに対して交流電圧を印加した場合の、検知部901で検知された電圧値の時間変化を表した図である。図11によれば、電極間電圧の変化はほとんど見られず、一定値を保っている。
図10〜図11に示す電極間電圧の時間変化特性から分かるように、顔料インクに交流電圧を印加した場合の電極間電圧の特性を利用して、顔料粒子の拡散の状態を把握することができる。従って、この特性を利用して、攪拌動作を的確に制御することができる。例えば、電極間電圧に対して閾値(VTH)を2.75Vと設定する。図10に示す時間変化では交流電圧印加後約60秒経過時点で、図11に示す時間変化では交流電圧印加開始直後で電極間電圧は2.75Vを下回る。このため、この閾値と電極間電圧(Vee)とを比較し、Vee<VTHとなる時点で攪拌が充分になされたと判断し、制御部902が交流電源からの交流電圧の印加を停止する。
以上説明したようにこの実施例に従えば、交流電圧印加後の電極間電圧を監視し、電極間電圧が所定の値に到達した時点で電源電圧をオフするという簡単な制御によって、顔料インクの顔料粒子を十分に拡散させることができる。また、この実施例で、前回行った記録や攪拌動作の内容の記憶したり、或は、前回行った記録や攪拌動作からの経過時間の記憶する必要もないという利点がある。
なお、交流電源の制御は上述した実施例のみに限定されるものではなく、以下のような制御構成も可能である。
図12は図10に示したのと同じ顔料インクの顔料粒子が沈降していた場合の電極間電圧の時間変化に基づいて算出した1秒当たりの変化量の時間変化を示す図である。同様に図13は図11に示したのと同じ顔料インク粒子が沈降していない場合の電極間電圧の時間変化に基づいて算出した1秒当たりの変化量の時間変化を示す図である。
図12〜図13に示した時間変化の特性からすれば、この電極間電圧の所定時間当たりの変化量を利用して、攪拌動作を的確に制御することも可能である。例えば、電極間電圧の1秒当たりの変化量(変化率)に対して閾値を0.4mVと設定する。図12に示す例では交流電圧印加後約60秒経過時点で、図13に示す例では交流電圧印加開始直後で0.4mVを下回る。従って、電極間電圧の変化率を監視、これが閾値未満となった時点で攪拌が充分になされたと判断し、制御部が交流電源からの交流電圧の印加を停止するように制御すると良い。
従って、このような制御構成によっても、前述した実施例と同様に顔料インクの顔料粒子の拡散の状態に応じた攪拌動作の制御を容易に行うことができる。また、この場合でも前回行った記録や攪拌動作の内容を記憶したり、或は、前回行った記録や攪拌動作からの経過時間を記憶する必要はない。

Claims (5)

  1. 電気絶縁部材で形成され、誘電率の異なる溶媒と顔料粒子とを含んだ顔料インクを収容した、第1のコンテナより、前記第1のコンテナとは分離され、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給して記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられた、薄板状の第1の電極と、
    前記第1のコンテナを挟むように前記第1の電極に対向し、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられ、前記第1の電極より小さい表面積をもつ、薄板状の第2の電極と、
    前記第1の電極と前記2の電極に交流電圧を印加する交流電源と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間電圧を検知する検知手段と、
    前記検知手段によって検知された電極間電圧或は電極間電圧の変化率を所定の閾値と比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較の結果が前記電極間電圧或は電極間電圧の変化率が所定の閾値未満となったことを示す時点で前記交流電源による前記交流電圧の印加を停止するよう制御する制御手段とを有し、
    前記第2の電極は細長い台形形状をしており、前記第1のコンテナに対して、鉛直方向に関し、上方に狭い方が下方に広い方がくるように当接され、前記交流電圧が印加された場合、前記第1のコンテナに関し上方に下方よりも強い電界が発生するようになっていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記キャリッジに前記第1のコンテナより供給されたインクを収容する容量の小さい第2のコンテナを前記記録ヘッドとともに搭載することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1のコンテナより前記第2のコンテナにインクを供給する供給手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記供給手段は
    前記第1のコンテナと前記第2のコンテナとを接続するチューブと、
    前記第1のコンテナを外側から加圧する機構或はポンプを含むことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 電気絶縁部材で形成され、誘電率の異なる溶媒と顔料粒子とを含んだ顔料インクを収容した、第1のコンテナより、前記第1のコンテナとは分離され、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給して記録媒体に記録を行う記録装置の顔料インク攪拌方法であって、
    前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられた、薄板状の第1の電極と、前記第1のコンテナを挟むように前記第1の電極に対向し、前記第1のコンテナの外面に当接されるように設けられ、前記第1の電極より小さい表面積をもつ、薄板状の第2の電極とに交流電源より交流電圧を印加する工程と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間電圧を検知する検知工程と、
    前記検知工程によって検知された電極間電圧或は電極間電圧の変化率を所定の閾値と比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較の結果が前記電極間電圧或は電極間電圧の変化率が所定の閾値未満となったことを示す時点で前記交流電源による前記交流電圧の印加を停止するよう制御する制御工程とを有し、
    前記第2の電極は細長い台形形状をしており、前記第1のコンテナに対して、鉛直方向に関し、上方に狭い方が下方に広い方がくるように当接され、前記交流電圧が印加された場合、前記第1のコンテナに関し上方に下方よりも強い電界が発生するようになっていることを特徴とする顔料インク攪拌方法。
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