JP2012076179A - 電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ用のスイッチング素子の取り付け位置を変更すると共に、その冷却方法を改良した電動工具を提供する。
【解決手段】モータ3と、ハウジング6と、モータ3の回転を駆動するスイッチング素子7と、モータの回転力を変換して先端工具を駆動する動力伝達手段を有する電動工具であって、前記動力伝達手段を金属製のケース35,36、41に収容し、スイッチング素子7の放熱板7bが前記ケースの一部35に接触するように配置し、ケースを介してスイッチング素子7を放熱するようにした。スイッチング素子7は、モータ3と動力伝達手段の間に配置される回路基板6の前方側に搭載される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動モータを用いた電動工具に関し、特に電動モータの駆動等に用いられる半導体素子の放熱性を向上させた電動工具に関する。
近年、ドリルやドライバ等の先端工具をモータによって回転駆動して所要の作業を行う電動工具において、ブラシレスモータが使われるようになってきた。ブラシレスモータは、例えばブラシ(整流用刷子)の無いDC(直流)モータであり、コイル(巻線)を固定子側に、永久磁石を回転子側に用い、インバータで駆動された電力を所定のコイルへ順次通電することにより回転子(ロータ)を回転させる。インバータ回路を構成する半導体素子はFET(電界効果トランジスタ)や、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のような大容量の出力トランジスタを使用し大電流で駆動するため、放熱性を良くしなければならない。そのため、特許文献1では、固定子(ステータ)に巻装されたコイルへの通電をオン・オフさせるためのスイッチング素子を、モータの後方の回路基板上に配置し、モータ用の冷却風を利用して放熱する方法が用いられる。
特開2006−297532号公報
スイッチング素子をモータ後方の回路基板に搭載する方法では、冷却と搭載スペースの関係から、スイッチング素子の高さ方向がモータの回転軸と平行になるように配置していた。しかし、そのような配置をすると冷却の面では良好な性能を実現できるが、モータの軸方向後側に、回路基板とスイッチング素子の高さ分のスペースが必要となる。そのため、ブラシレスモータを電動工具に適用するとハウジングの胴体部(又はモータ収容部)の前後方向の長さが長くなってしまう。
ハウジングの前後方向の長さの増大を防ぐため、回路基板をモータの後ろ側でなく別の位置に設けるということも考えられる。しかしながら、モータのコイルとスイッチング素子をつなぐ配線が長くなってしまうばかりか、熱を発しやすいスイッチング素子の放熱上の制約から、モータ後方以外の他の場所に基板を配置することが難しかった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的はモータ用のスイッチング素子の取付位置を変更すると共に、その冷却方法を改良した電動工具を提供することにある。
本発明の別の目的は、動力伝達手段のケースの材質を変えることによってモータ用のスイッチング素子の放熱部材として作用させるようにした電動工具を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ブラシレスモータを用いた電動工具において、ハウジングのモータを収容する部分の前後長を短くしてコンパクトに構成することにある。
本発明の一つ特徴によれば、モータと、モータを収容するハウジングと、モータの回転を駆動するスイッチング素子と、モータの回転力を変換して先端工具を駆動する動力伝達手段を有する電動工具であって、動力伝達手段を金属製のケースに収容し、スイッチング素子をケースに接触させるように配置した。動力伝達手段は、例えば遊星歯車を用いた減速機構である。ケースは、アルミ合金による一体成型の円筒形の本体ケースと、本体ケースの開口部を覆うカバーに分割して形成され、スイッチング素子はカバーに直接又は間接的に接触するように配置した。
本発明の他の特徴によれば、モータとケースは同軸上に配置され、モータとケースの間にスイッチング素子を搭載する回路基板が配置され、回路基板のスイッチング素子の搭載面がモータの回転軸と略垂直方向となるように配置した。スイッチング素子は、背面に放熱板を有する電界効果トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、放熱板がケースに直接又は間接的に接触するように回路基板に搭載される。放熱板はケースに、熱伝導性の樹脂又はゴムを介して接触するように構成すると良い。モータの回転軸に冷却ファンが固定され、冷却ファンは回路基板とモータの間に配置される。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータと、モータを収容するハウジングと、モータの回転を駆動するスイッチング素子と、スイッチング素子を搭載する基板と、モータの回転力を変換して先端工具を駆動する動力伝達手段を有する電動工具であって、動力伝達手段を金属製のケースに収容し、基板を動力伝達手段とモータの間に配置し、基板をケースに固定した。スイッチング素子は、背面に放熱板を有する電界効果トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、放熱板がケースに直接又は間接的に接触するように配置した。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータと、モータにより駆動される動力伝達機構部と、動力伝達機構部を収容する金属製のケースと、モータに導線で接続される回路基板と、を有する電動工具であって、回路基板をケースに接触させるように配置した。回路基板には、モータの回転を駆動するスイッチング素子が設けられる。回路基板は、モータから離間して設けられ、回路基板は金属製のケースに固定される。このケースはハウジングに収容される。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータと、モータにより駆動される出力軸と、モータに接続され、第1の面と、第1の面とは逆の第2の面と、を有する回路基板と、回路基板に固定され、モータの回転を駆動するスイッチング素子と、回路基板に固定される回転検出素子と、を有する電動工具であって、スイッチング素子と回転検出素子は、第1の面に設けられるように構成した。
本発明のさらに他の特徴によれば、胴体部と、胴体部より下方に延びるハンドル部とを有するハウジングと、胴体部に収容され、胴体部の後部に設けられるモータと、胴体部に収容され、モータの前方に配置される冷却ファンと、胴体部に収容され、冷却ファンの前方に配置され、モータに導線で接続させる回路基板と、胴体部に収容され、回路基板の前方に設けられる動力伝達機構と、動力伝達機構の前方に配置される出力軸と、を有する電動工具とした。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータと、モータと対向する第1及び第2の面を有する回路基板と、回路基板に固定され、モータの回転を駆動するスイッチング素子と、モータによって駆動される出力軸を有する電動工具において、第1の面にスイッチング素子を設けた。
請求項1の発明によれば、動力伝達手段を金属製のケースに収容し、スイッチング素子をケースに接触させるように配置したので、放熱部材としてのケースの質量がスイッチング素子に比べて大きくなり、スイッチング素子を効果的に冷却できる。
請求項2の発明によれば、動力伝達手段は遊星歯車を用いた減速機構であるので、内部の潤滑部材が漏れないようにするケースの材質を変更するだけで、容易に本発明の構成を実現できる。
請求項3の発明によれば、ケースは、アルミ合金による一体成型の円筒形の本体ケースと、本体ケースの開口部を覆うカバーに分割して形成され、スイッチング素子はカバーに直接又は間接的に接触するように配置されるので良好な放熱効果を達成できると共に、放熱部材を別途準備する必要が無く安価に製造することができる。
請求項4の発明によれば、モータとケースは同軸上に配置され、モータとケースの間にスイッチング素子を搭載する回路基板が配置され、回路基板のスイッチング素子の搭載面がモータの回転軸と略垂直方向となるように配置されるので、ハウジングの胴体部の前後長を延ばす量は少なくて済み、少ないスペースでスイッチング素子をハウジング内に設けることができる。
請求項5の発明によれば、スイッチング素子は、背面に放熱板を有し、放熱板がケースに直接又は間接的に接触するように回路基板に搭載されるので、ケースによってスイッチング素子を効果的に冷却することができる。
請求項6の発明によれば、放熱板はケースに対して、熱伝導性の樹脂又はゴムを介して接触するように構成されるので、振動によってスイッチング素子が壊れることを効果的に防止できる。さらに、樹脂によりスイッチング素子全体を覆うようにすれば十分な防水、防塵効果を得ることができる。
請求項7の発明によれば、モータの回転軸に冷却ファンが固定され、冷却ファンは回路基板とモータの間に配置されるので、モータだけでなくスイッチング素子を効果的に冷却することができる。
請求項8の発明によれば、電動工具であって、動力伝達手段を金属製のケースに収容し、基板を動力伝達手段とモータの間に配置し、基板をケースに固定するので、組み立てやすくてコンパクトな電動工具を実現できる。
請求項9の発明によれば、スイッチング素子は、背面に放熱板を有する電界効果トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、放熱板がケースに直接又は間接的に接触するように配置されるので、効果的にスイッチング素子を冷却できる。
請求項10の発明によれば、回路基板を動力伝達機構部を収容する金属製のケースに接触させるように配置したので、回路基板の熱が金属製のケースへと移動するので、回路基板の熱を効果的に放熱でき、冷却効果が向上する。
請求項11の発明によれば、回路基板にはモータの回転を駆動するスイッチング素子が設けられるので、回路基板上にスイッチング素子のような高熱を発する電子素子を搭載可能となり、スイッチング素子の熱を回路基板を介して金属製のケースへと移動させることができる。
請求項12の発明によれば、回路基板は、モータから離間して設けられ、金属製のケースに固定されるので、回路基板にモータ(固定子、コイル)の熱を伝えられることがなく、回路基板の温度上昇を抑えることができる。
請求項13の発明によれば、ケースはハウジングに収容されるので、コンパクトな電動工具を実現できる。
請求項14の発明によれば、モータに接続され、第1の面と第2の面を有する回路基板において、スイッチング素子と回転検出素子が同じ第1の面に設けられるので、第2の面の絶縁を容易にできる。また、第2の面を樹脂などで覆えば、粉じんや雨水からの影響を受けにくい。さらに、スイッチング素子と、回転検出素子の基板への搭載(半田付けによる固定)を容易に行うことができる。
請求項15の発明によれば、冷却ファンの前方に回路基板が配置されるので、冷却風の風路が回路基板によって遮られることが少なくなる。このため、回路基板を効果的に冷却できる。
請求項16の発明によれば、回路基板のモータと対向する第1の面にスイッチング素子を設けたので、スイッチング素子と回転検出素子が同じ第1の面に設けられるので、第2の面の絶縁を容易にできる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るドライバドリル1の全体構造を示す断面図である。 本発明の実施例に係るドライバドリル1の側面図である。 本発明の実施例に係るドライバドリル1の胴体部の部分断面図である。 図3のA−A断面においてインバータ回路基板6が固定子3cに固定されている状態を見た図である。 図3のB−B部の断面においてインバータ回路基板6の後面を見た図である。 モータ3の駆動制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施例に係るインパクトドライバ101の全体構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係るインパクトドライバ101の側面図である。 本発明の第3の実施例に係るドライバドリル201の胴体部の部分断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上下前後の方向は、図1に示す方向として説明する。
図1は本発明の実施例に係る電動工具であるドライバドリル1の全体構造を示す断面図である。図1に示すように、ドライバドリル1には、ハウジング2の胴体部2a内にブラシレス直流方式のモータ3が収容され、モータ3の回転力を減速する減速機構部30とクラッチ機構部40等の動力伝達部を介してスピンドル(出力軸)16に装着されたチャック(先端工具保持部)12に着脱自在に保持されるドライバまたはドリル等の図示しない先端工具に回転力を与える。ハウジング2の胴体部2aの中央付近であってモータ3の前方側には、モータ3を駆動するためのインバータ回路基板6が設けられる。モータ3は、いわゆるインナーロータ型のブラシレスDCモータであり、回転軸3eにマグネット3bを有する回転子3aが取り付けられ、回転子3aの外周側にコイル3dを有する固定子3cが固定される。コイル3dへの駆動電流の供給には、FET(Field effect transistor)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Ion−implanted Base Transistor)等のスイッチング素子7を用いた公知のインバータ回路が用いられる。モータ3の後方側において、回転軸3eと同軸上に小型の冷却ファン17が設けられる。モータ3が回転することによって冷却ファン17も回転し、冷却ファン17によってモータ3の前方側の空気取入口(後述)から外気を吸引し、モータ3の内部を通過した空気がハウジング2の外部に排気される。この際、吸引された外気はモータ3だけでなくスイッチング素子7の周囲を流れることにより、スイッチング素子7をも効果的に冷却する。
胴体部2a先端側に配置されるクラッチ機構部40は、減速機構部30の出力軸に得られる回転トルクを負荷に応答してスピンドル16に伝達するか否かを制御する。これにより、予めトルク調整及びモード切り替え用のダイヤル5によって所望の締付けトルク(負荷トルク)に設定しておくと、クラッチ機構部40は、減速機構部30の出力軸の回転力が設定した締付けトルクに達したとき、その出力軸が空転してスピンドル16及びチャック12への回転伝達を遮断する機能を持つ。クラッチ機構部40は、リングギヤ38の前端面に形成された爪(図示せず)とピン42の後端部の形状によって、スピンドル16に伝わる伝達トルクが増大した場合、爪の斜面がピン42を前方に押し出す作用をする。そして、コイルスプリング44の付勢力に抗してピン42を軸方向前方に移動させることにより爪とピン42の係合が解除され、リングギヤ38が回転することによりスピンドル16への回転伝達が解除される。この解除される際のトルクが、いわゆる締め付けトルクとなるが、締め付けトルクはコイルスプリング44の圧縮量を調節することにより調節可能である。ここで、先端工具としてドリルビットを取り付けて穿孔作業をするような場合は、大きな締め付けトルクをスピンドル16に伝達する必要があるが、押圧部材45をコイルスプリング44が十分圧縮されるまでダイヤル5を回動させ、押圧部材45’の位置(図1では、回転軸の上下で押圧部材45とコイルスプリング44の位置を変えて図示している)にセットしてピン42の軸方向の動きを抑止すれば良い。このように設定すると、リングギヤ38の爪がピン42を軸方向前方に移動しようとしても、コイルスプリング44をそれ以上圧縮できないためにピン42が移動できず、結果的にリングギヤ38の回転が阻止される。
減速機構部30は、モータ3の回転軸3eのピニオンギアに噛合う、例えば、3段の遊星歯車減速機構(変速ギアケース)から構成される。減速機構部30は、変速比を切換えるためのシフトノブ15を有する。使用者の手動によるシフトノブ15の切換え操作により低速と高速の2段階で変速が可能となる。
ハウジング2のバッテリ取付部2cには、モータ3の駆動電源となるバッテリ4が着脱可能に装着される。バッテリ4の上部には、モータ3のインバータ回路基板6を制御するための制御回路基板9が前後左右方向に延びるように設けられる。ハンドル部2bの上端部にはトリガスイッチ13が配設され、トリガスイッチ13のトリガ操作部13aがバネ力によって押された状態でハンドル部2bから前方に突出する。使用者はハンドル部2bを片手で把持し、人差し指等によってトリガ操作部13aを後方に引くことによって、トリガ押込量(操作量)を調整し、モータ3の回転数を制御することができる。尚、モータ3の回転方向は、正逆切替レバー14を操作することによって切り替えることができる。
バッテリ4は、トリガスイッチ13および制御回路基板9へ動作電源を供給するとともに、インバータ回路基板6へモータ3の駆動電力を供給する。バッテリ4を構成する二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池等を用いることができる。
ハウジング2の胴体部2aは、ハンドル部2b及びバッテリ取付部2cと共に合成樹脂材料の一体成型により製造され、モータ3の回転軸3eを通る鉛直面で左右に2分割されるように形成される。組立の際にはハウジング2の左側部材と右側部材を準備し、予め、図1の断面図で示すような一方のハウジング2(例えば左側のハウジング)に、モータ3、減速機構部30、クラッチ機構部40等の組込みを行い、しかる後、他方のハウジング2(例えば右側のハウジング)を重ねて、複数のネジ8で締め付ける方法が取られる。
図2は、本発明の実施例に係るドライバドリル1の外観を示す側面図である。ハウジング2の胴体部2aであって、スイッチング素子7(図1参照)の側方付近には、外気を取り込むための上下方向に複数の空気取入口11が並んで形成される。また、胴体部2aの後方側であって冷却ファン17(図1参照)の側方付近には、ハウジング2の内部に取り込まれた空気を排出するための上下方向に複数の排気口10aが並んで形成される。モータ3が回転して冷却ファン17(図1参照)が回転すると、矢印18のように空気取入口11から外気が吸引され、排気口10aから矢印19aの方向に、及び、排気口10b(図1参照)から矢印19bの方向に排出される。尚、図2では矢印18、19aの方向は図示の関係上斜めに描いているが、これはハウジング2の外部から内部、内部から外部に空気が流れるということを示したものに過ぎないので注意されたい。
図3は、本発明の実施例に係るドライバドリル1の胴体部2aの部分断面図である。本図では一部の構成要素にハッチングを付している。減速機構部30は、第一段遊星歯車部31、第二段遊星歯車部32、第三段遊星歯車部33の3つの遊星歯車機構を含んで構成される。第一段遊星歯車部31、第二段遊星歯車部32は、円筒形のリヤケース36の内部に収容される。リヤケース36の後方はモータスペーサ35が取り付けられる。従来のモータスペーサ35は、ベアリング21を保持し、減速機構部30の後端を閉鎖する機能を果たすものであって、プラスチック等の高分子樹脂製で製造されていた。しかしながら、本実施例ではモータスペーサ35にスイッチング素子7の放熱部材としての機能を併用させるために金属製とした。インバータ回路基板6に搭載されるスイッチング素子7は、プラスチックやセラミック等で封止される本体部7aの後方に設けられる金属製の放熱板7bがモータスペーサ35に直接又は間接的に接触するように配置される。放熱板7bはモータスペーサ35に直接接触するように配置するか、或いは、熱伝導性のゴムや樹脂等の介在部材を介して間接的に接触するように配置すると良い。また、モータスペーサ35は、空気取入口11(図2参照)を介して外気と空間的に接続されており、スイッチング素子7からモータスペーサ35へと伝達された熱が、外気によって放熱しやすくなるような位置関係とされる。
図3においては、スイッチング素子7の扁平面がモータ3の回転軸3eの軸方向とほぼ垂直となるように配置され、スイッチング素子7の放熱板7bは、前方側を向くように配置される。このように配置することによって、スイッチング素子7の放熱板7bをモータスペーサ35に良好に接触させることができ、スイッチング素子7で発生された熱をモータスペーサ35に伝導することができるので、スイッチング素子7を効果的に冷却することができる。尚、本実施例では、リヤケース36もプラスチック等の高分子樹脂で製造するのではなくアルミ合金等の金属で製造した。このように構成すればスイッチング素子7からモータスペーサ35に伝達された熱が更にリヤケース36に伝わるので、放熱効果の更なる向上を期待できる。リヤケース36の前方側内部には、第二段遊星歯車部32を稼働させるか停止させるかを設定するリングギヤ37が設けられる。図3では説明の便宜上、回転軸3eの上下でリングギヤ37とリングギヤ37’を非対称に描いている(実際にはリングギヤ37は円筒形の内歯車であるので注意されたい)。回転軸3eより上側の図示がシフトノブ15を高速側に設定したときのリングギヤ37の位置であり、下側の図示がシフトノブ15を低速側に設定したときのリングギヤ37’の位置である。
第三段遊星歯車部33はフロントケース41の後方側の内部に収容される。第三段遊星歯車部33のリングギヤ38の前端面には、スピンドル16に伝わる伝達トルクが増大した場合、ピン42を前方に押し出す作用をする形状に形成された爪(図示せず)が形成される。フロントケース41は、円周方向に数カ所配置されるピン42を前方から後方へ貫通させるように、後方側の太径部から前方側の細径部の間に段差部が形成される。フロントケース41の細径部の外周側には、押圧部材45を軸方向前後に移動させるためのネジ山41aが形成され、細径部の前端の内周側ではベアリング22を保持する。本実施例ではフロントケースはアルミ合金等の金属の一体成型によって製造される。
以上のように減速機構部30はフロントケース41、リヤケース36、モータスペーサ35によって構成されるケースの内部に収容されるが、このケース内には遊星歯車等の潤滑性向上のため適度な量のグリースが塗布される。
次に図4及び図5を用いてインバータ回路基板6へのスイッチング素子7の搭載方法を説明する。図4は、図3のA−A部の断面においてインバータ回路基板6の前面を見た図である。インバータ回路基板6は、例えばガラエポ (ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたもの)で構成され、モータ3の外形とほぼ同形の略円形であり、中央には回転軸3eを貫通させるための穴6aが形成される。インバータ回路基板6の周囲には、4つのネジ穴が形成され、このネジ穴を貫通するネジ26によって、インバータ回路基板6がモータ3の固定子3cに固定される。インバータ回路基板6には、穴6aを囲むように6つのスイッチング素子7−1〜7−6が取り付けられる。本実施例ではスイッチング素子7として、耐容量の異なる2種類のFETを用い、スイッチング素子7−1〜3は、スイッチング素子7−4〜6に比べて耐容量の大きいFETを用いるように構成した。このように用いられるスイッチング素子を、流れる電流値にあわせて最適なサイズで構成したので、すべてを耐容量の大きいFETとする必要が無く、インバータ回路基板6を小さくすることができ、製造コストの低減化を図ることができる。
また、スイッチング素子7はインバータ回路基板6上に寝かせた状態で、半田付け等により取り付けるようにした。この際、本実施例ではスイッチング素子7の放熱板7bがインバータ回路基板6と反対側に向くように配置する。これにより製造組立後に、スイッチング素子7の放熱板7bが金属製のモータスペーサ35に直接又は間接的に接触するように位置づけられる。尚、組立時にはインバータ回路基板6の6つのスイッチング素子7全体を覆うように、放熱性に富んだ樹脂をコーティングし又は樹脂シートを介在させても良い。樹脂を介在させることにより、表面実装したスイッチング素子7に掛かる力や振動を吸収できると共に、スイッチング素子7に水滴や切削粉などが付着することを防止でき、防塵性が向上し、水などに対する防滴効果を向上させることができる。
インバータ回路基板6には、プラス端子23a及び23bが設けられ、バッテリ4から送られる電力が配線24a、24bを介して伝達される。さらに、インバータ回路基板6には、制御信号接続領域25が設けられ、この領域においてコネクタを用いて、或いは直接半田付けにより複数の信号線が接続される。
図5は図3のB−B部の断面においてインバータ回路基板6の後面を見た図である。インバータ回路基板6は両面基板となっており、インバータ回路基板6の周囲には4つのネジ穴6bが形成される。インバータ回路基板6の後面には、120度間隔で配置された3つの回転位置検出素子52が配置される。回転位置検出素子52は、モータ3のマグネット3bと対向する位置に取り付けられるもので、例えばホールICを用いることができる。インバータ回路基板6には、さらにチップ抵抗、コンデンサやツエナーダイオード等の種々の電子素子が搭載される。
次に、モータ3の駆動制御系の構成と作用を図6に基づいて説明する。図6はモータの駆動制御系の構成を示すブロック図であり、本実施例では、モータ3は3相のブラシレスDCモータで構成される。このブラシレスDCモータは、いわゆるインナーロータ型であって、複数組(本実施例では2組)のN極とS極を含む永久磁石(マグネット)を含んで構成される回転子(ロータ)3aと、スター結線された3相の固定子巻線U、V、Wから成る固定子3cと、回転子3aの回転位置を検出するために周方向に所定の間隔毎、例えば角度120°毎に配置された3つの回転位置検出素子(ホールIC)52を有する。これら回転位置検出素子52からの位置検出信号に基づいて固定子巻線U、V、Wへの通電方向と時間が制御され、モータ3が回転する。回転位置検出素子52は、インバータ回路基板6上の回転子3aのマグネットに対向する位置に設けられる。
インバータ回路基板6に搭載される電子素子として、3相ブリッジ形式に接続されたFETなどの6個のスイッチング素子7−1〜6が含まれる。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子7−1〜6の各ゲートは、制御回路基板9に搭載される制御信号出力回路56に接続され、6個のスイッチング素子7−1〜6の各ドレインまたは各ソースは、スター結線された固定子巻線U、V、Wに導線によって接続される。これによって、6個のスイッチング素子7−1〜6は、制御信号出力回路56から入力されたスイッチング素子駆動信号(H4、H5、H6等の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、インバータ回路57に印加されるバッテリ4の直流電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv、Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。
6個のスイッチング素子7−1〜6の各ゲートを駆動するスイッチング素子駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側スイッチング素子7−4〜6をパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6として供給し、制御回路基板9上に搭載された演算部51によって、トリガスイッチ13のトリガ操作部13aの操作量(ストローク)の検出信号に基づいてPWM信号のパルス幅(デューティ比)を変化させることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の起動/停止と回転速度を制御する。
ここで、PWM信号は、インバータ回路57の正電源側スイッチング素子7−1〜3または負電源側スイッチング素子7−4〜6の何れか一方に供給され、スイッチング素子7−1〜33またはスイッチング素子7−4〜6を高速スイッチングさせることによって結果的にバッテリ4の直流電圧から各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を制御する。尚、本実施例では、負電源側スイッチング素子7−4〜6にPWM信号が供給されるため、PWM信号のパルス幅を制御することによって各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を調整してモータ3の回転速度を制御することができる。
ドライバドリル1には、モータ3の回転方向を切り替えるための正逆切替レバー14が設けられ、回転方向設定回路60は正逆切替レバー14の変化を検出するごとに、モータの回転方向を切り替えて、その制御信号を演算部51に送信する。演算部51は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)、処理プログラムや制御データを記憶するためのROM、データを一時記憶するためのRAM、タイマ等を含んで構成される。
制御信号出力回路56は、回転方向設定回路60と回転子位置検出回路53の出力信号に基づいて所定のスイッチング素子7−1〜6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その駆動信号を制御信号出力回路56に出力する。これによって固定子巻線U、V、Wの所定の巻線に交互に通電し、回転子3aを設定された回転方向に回転させる。この場合、負電源側スイッチング素子7−4〜6に印加する駆動信号は、印加電圧設定回路59の出力制御信号に基づいてPWM変調信号として出力される。モータ3に供給される電流値は、電流検出回路58によって測定され、その値が演算部51にフィードバックされることにより、設定された駆動電力となるように調整される。尚、PWM信号は正電源側スイッチング素子7−1〜6に印加しても良い。
次に、図7及び図8を用いて、本発明の第2の実施例に係る電動工具の例としてのインパクトドライバ101を説明する。インパクトドライバ101は、充電可能なバッテリ104を電源とし、モータ103を駆動源として回転打撃機構140を駆動し、出力軸であるアンビル145に回転力と打撃力を与えることによってドライバビット等の図示しない先端工具に回転打撃力を間欠的に伝達してネジ締めやボルト締め等の作業を行う。
モータ103は、ブラシレスDCモータであって、側面から見て略T字状の形状を成すハウジング102の筒状の胴体部102a内に収容される。ハウジング102は、ほぼ対称な形状の左右2つの部材に分割可能に構成され、それら部材が複数のネジ108a(図8参照)により固定される。そのため、分割されるハウジング102の一方(本実施例では左側ハウジング)に複数のネジボス108bが形成される。モータ103の回転軸は、胴体部102aの後端側のベアリング120と中央部付近に設けられるベアリング121によって回転可能に保持される。モータ103の前方には、モータ103を回転させるための所定の駆動電流を供給するインバータ回路基板106が設けられ、このインバータ回路基板106に6個のスイッチング素子107が搭載される。
ハウジング102の胴体部102aから略直角に一体に延びるグリップ部102b内の上部にはトリガスイッチ113及び正逆切替レバー114が設けられ、トリガスイッチ113には図示しないバネによって付勢されてグリップ部102bから突出するトリガ操作部113aが設けられる。グリップ部102b内の下方には、トリガ操作部113aによってモータ103の速度を制御する機能等を備えた制御回路基板109が収容される。グリップ部102bの下方に形成されたバッテリ保持部102cには、ニッケル水素やリチウムイオン等のバッテリ104が着脱可能に装着される。
モータ103の前方には、回転軸に取り付けられてモータ103と同期して回転する冷却ファン117が設けられる。冷却ファン117により、胴体部102aの後方の空気取入口110b及び側方の後述する空気取入口110a(図8参照)から、矢印118a及び矢印118bの方向に外気が吸引される。吸引された空気は、モータ103の内部及び外周部を流れたのち、インバータ回路基板106の周囲を流れ、胴体部102aであってインバータ回路基板106の半径方向外周側付近に形成される複数の排気口111(後述の図8参照)から矢印119のようにハウジング102の外部に排出される。インナカバー135は、排気口111を介して外気と空間的に接続されており、スイッチング素子107からインナカバー135へと伝達された熱が、効果的に外気によって放熱できるようになる。尚、図8では矢印118a、119の矢印は図示の関係上斜めに描いているが、これはハウジング2の外部から内部、内部から外部に空気が流れるということを示したものに過ぎないので注意されたい。
回転打撃機構140は、スピンドル141とハンマ144を備え、トリガスイッチ113のトリガ操作部113aが引かれてモータ103が起動されると、モータ103の回転は遊星歯車減速機構130によって減速されてスピンドル141に伝達され、スピンドル141が所定の速度で回転駆動される。ここで、スピンドル141とハンマ144とはカム機構によって連結され、このカム機構は、スピンドル141の外周面に形成されたV字状のスピンドルカム溝と、ハンマ144の内周面に形成されたハンマカム溝と、これらのカム溝に係合するボール142によって構成される。
ハンマ144は、スプリング143によって常に前方に付勢されており、静止時にはボール142とカム溝との係合によってアンビル145の端面とは隙間を隔てた位置にある。そして、ハンマ144とアンビル145には図示しない凸部がそれぞれ対称的に形成される。アンビル145は、メタルベアリング146により回転可能に保持される。
スピンドル141が回転駆動されると、その回転はカム機構を介してハンマ144に伝達され、ハンマ144の凸部がアンビル145の凸部に係合してアンビル145を回転させる。そのときの反力によってスピンドル141とハンマ144との間に相対回転が生ずると、ハンマ144はカム機構のスピンドルカム溝に沿ってスプリング143を圧縮しながらモータ103側へと後退を始める。
そして、ハンマ144の後退動によってハンマ144の凸部がアンビル145の凸部を乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ144は、スピンドル141の回転力に加え、スプリング143に蓄積された弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング143の付勢力によって前方へ移動し、その凸部がアンビル145の凸部に再び係合して一体に回転し始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル145に加えられるため、アンビル145に装着された図示しない先端工具を介してネジに回転打撃力が伝達される。図示しない先端工具は、スリーブを軸方向前方に移動させることによりワンタッチで装着及び脱着が可能である。以後、同様の動作が繰り返されて先端工具からネジに回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達され、例えば、ネジが木材等の図示しない被締め付け材にねじ込まれる。
第2の実施例において、インパクトドライバ101の遊星歯車減速機構130及び回転打撃機構140は金属製のハンマケース105及びインナカバー135の内部に収容される。ハンマケース105は略円筒形であり、例えばアルミ合金等の一体成型により製造される。インナカバー135はハンマケース105の後方側開口部を覆うもので、例えばハンマケース105と同様に金属で製造され、ハンマケース105とインナカバー135は熱伝導的に良好に接触する。インナカバー135は少なくとも2つの円筒形の内周壁を有し、後方側の内周壁にはモータ103の回転軸を軸支するためのボール式のベアリング121を保持し、その前方の内周壁には遊星歯車減速機構130の遊星キャリアの回転を軸支するボール式のベアリング122を保持する。
本実施例においてはインナカバー135を熱伝導性に劣る合成樹脂でなく、金属にて製造した。さらに、インバータ回路基板106に搭載されるスイッチング素子107は、半導体素子をモールドした本体部107aと背面に露出する放熱板(金属板)107bを含んで構成され、放熱板107bが前方側に配置し、インナカバー135に対して直接又は間接的に接触するように配置した。尚、本明細書において「接触」とは、スイッチング素子107の熱がインナカバー135に直接伝達、又は、空気以外の部材によって間接的に伝達される状態にあるような接触状態を指し、放熱板107bがインナカバー135に直接接触しても良いし、熱伝導性の樹脂又はゴム等の介在部材を介して接触する場合も接触と指す。本実施例では、スイッチング素子107の最大面積の面がモータ103の回転軸の軸方向に対して略直角となるように配置される。
インバータ回路基板106の形状は、基本的に図4及び図5で示す形状と同じである。但し、ネジで固定するためのネジ用の穴(図4の6b)の位置が異なる。さらに、インバータ回路基板106はねじによってインナカバー135に固定される(図7では断面位置の関係上、ネジによる固定状況は図示されていない)。インバータ回路106を駆動するためのホール素子、及びホール素子に対向して配置される磁石は図示されていないが、例えば、磁石は冷却ファン117に固定される。
以上説明したように、第2の実施例において、スイッチング素子107をインナカバー135と熱的に接触するように配置したことによって、金属製のインナカバー135とハンマケース105を放熱部材として利用することができるので、スイッチング素子107に専用の放熱部材を接続する必要が無く、ハウジング102の胴体部102aの前後長をコンパクトにしたインパクトドライバ101を実現できる。また、インバータ回路基板106は、インナカバー135に固定されており、インバータ回路基板106をモータ103に固定するような構造を採用していない。このため、インバータ回路基板106からモータ103の固定子への熱の伝導、又は、固定からインバータ回路基板106への熱の伝導はほぼ行われないようになっている。
次に図9を用いて本発明の第3の実施例を説明する。図9は、本発明の第3の実施例に係るドライバドリル201の胴体部の部分断面図である。図3で示した第1の実施例と同じ構成要素の部分には同じ参照符号を付しており、繰り返しの説明は省略する。また、ハウジング2の形状は第1の実施例と同じである。
第3の実施例では、ドライバドリルにおいて図3で示した第1の実施例とは回路基板206の取り付け方を変更したことに特徴がある。回路基板206は、モータスペーサ235に熱伝導性の絶縁体により構成されるシリコンシート218を介して回路基板206をねじ(断面位置の関係で図示されていない)でモータスペーサ235に固定するように構成した。モータスペーサ235はアルミ合金等の金属製で構成するので、スイッチング素子207で発生し、回路基板206に伝達した熱が、導電性のシリコンシート218を介してモータスペーサ235に良好に伝達され、回路基板206の熱が効果的に放熱されることとなる。また、スイッチング素子207は、本体部207aの背面に設けられる放熱板207bが回路基板206側に向くように横置き(回路基板206と放熱板が平行になる関係)になるように配置される。さらに、スイッチング素子207は、空気取入口11(図2の参照)から回路基板206の中央付近に向かう径方向(空気取入口11の内側)に配置されるので、冷却ファン17によってハウジング2の内部に取り込まれた外気が直接スイッチング素子207に当たるようになっている。このため、外気によって効果的にスイッチング素子207の熱を放熱できる。
なお、図示されていないが、回路基板206と面するモータスペーサ235の後面には前方に窪む凹部が形成される。これは、スイッチング素子207の端子を回路基板206の穴を貫通させて前面側で半田付けすると、回路基板206の前方側にはスイッチング素子207の足が突出するから、この突出との接触を避けるためである。同様に、回路基板206の後方に設けられるモータ3のコイル3dからの配線を回路基板206の穴を貫通させて前面側で半田付けすると、回路基板206の前方側にはスイッチング素子207の足が突出するが、凹部を設けたことによりスイッチング素子207の足及び配線の突出部がモータスペーサ235と電気的に接続されることを防止できる。また、モータスペーサ235の後面に凹部を形成したことにより、回路基板206の前面側に図5で説明したようなチップ抵抗、コンデンサやツエナーダイオード等の種々の電子素子をも搭載することができる。尚、放熱性の面からモータスペーサ235に形成される凹部はできるだけ小さくして、回路基板206とモータスペーサ235の接触面積を大きく確保できるようにすると良い。
回路基板206の後面には、ホール素子252が3つ設けられている。また、ホール素子252に対向する位置において、回転軸3eに永久磁石253が固定される。永久磁石253は円環形状をしており、回転軸3eに接着剤によって固定されるが、この固定方法は接着剤だけでなくその他の固定方法でも良い。永久磁石253には、2つのS極と、2つのN極が交互に設けられ、永久磁石253の磁極数や配置は回転子3aと同じとなる。永久磁石253に対向する位置であって、回路基板206の後面(第1の面)には、回転方向に所定の角度だけ隔てて配置される3つのホール素子252が設けられる。このホール素子252によって、回転子3aの回転位置を検出できる。なお、本実施例では回転軸3eに永久磁石253を設けたが、回転子3aに含まれるマグネット3bに反応する感度を有するホール素子を回路基板206の後面(第1の面)に設けるような構造としても良い。
以上、第3の実施例によれば回路基板206の熱が金属製のケース(モータスペーサ235等)へと移動するので、回路基板206の熱を効果的に放熱できる。また、スイッチング素子207の高熱を効果的に回路基板206を介して、モータスペーサ235へと移動させることができるので、良好な冷却特性を有する電動工具を実現できる。
第3の実施例は上述の例に限られず、変形例として、スイッチング素子207の放熱板207bに形成される貫通穴を用いて、その貫通穴を介して後方より図示しないねじによってスイッチング素子207と回路基板206をモータスペーサ235へ固定するようにしても良い。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば 本実施例では電動工具の例として、ドライバドリル及びインパクトドライバに対して適用した実施例を用いて説明したが、本発明はこれらに限られず、放熱の必要な半導体素子やスイッチング素子を用いた任意の電動工具に対しても同様に適用可能である。さらに、本実施例ではモータとしてブラシレスDCモータを用いた例を説明したが、これに限定されず、他の種類のモータであっても良い。
1 ドライバドリル 2 ハウジング 2a 胴体部 2b ハンドル部
2c バッテリ取付部 3 モータ 3a 回転子 3b マグネット
3c 固定子 3d コイル 3e 回転軸 4 バッテリ
5 ダイヤル 6 インバータ回路基板 6a 穴 6b ネジ穴
7 スイッチング素子 7a 本体部 7b 放熱板 8 ネジ
9 制御回路基板 10a,10b 排気口 11 空気取入口
12 チャック 13 トリガスイッチ 13a トリガ操作部
14 正逆切替レバー 15 シフトノブ 16 スピンドル
17 冷却ファン 20,21,22 ベアリング 23a プラス端子
23b マイナス端子 24a,24b 配線 25 制御信号接続領域
26 ネジ 30 減速機構部 31 第一段遊星歯車部
32 第二段遊星歯車部 33 第三段遊星歯車部 35 モータスペーサ
36 リヤケース 37、38 リングギヤ 40 クラッチ機構部
41 フロントケース 41a ネジ山 42 ピン
44 コイルスプリング 45 押圧部材 51 演算部
52 回転位置検出素子 53 回転子位置検出回路
56 制御信号出力回路 57 インバータ回路 58 電流検出回路
59 印加電圧設定回路 60 回転方向設定回路
101 インパクトドライバ 102 ハウジング 102a 胴体部
102b グリップ部 102c バッテリ保持部 103 モータ
104 バッテリ 105 ハンマケース 106 インバータ回路基板
107 スイッチング素子 107a 本体部 107b 放熱板
108a ネジ 108b ネジボス 109 制御回路基板
110a,110b 空気取入口 111 排気口
113 トリガスイッチ 113a トリガ操作部
114 正逆切替レバー 117 冷却ファン
120,121,122 ベアリング 130 遊星歯車減速機構
135 インナカバー 140 回転打撃機構 141 スピンドル
142 ボール 143 スプリング 144 ハンマ
145 アンビル 146 メタルベアリング
201 ドライバドリル 206 回路基板 207 スイッチング素子
207a 本体部 207b 放熱板 218 シリコンシート
235 モータスペーサ 252 ホール素子 253 永久磁石

Claims (16)

  1. モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータの回転を駆動するスイッチング素子と、前記モータの回転力を変換して先端工具を駆動する動力伝達手段を有する電動工具であって、
    前記動力伝達手段を金属製のケースに収容し、
    前記スイッチング素子を前記ケースに接触させるように配置したことを特徴とする電動工具。
  2. 前記動力伝達手段は遊星歯車を用いた減速機構であることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記ケースは、アルミ合金による一体成型の円筒形の本体ケースと、前記本体ケースの開口部を覆うカバーに分割して形成され、
    前記スイッチング素子は前記カバーに直接又は間接的に接触するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
  4. 前記モータと前記ケースは同軸上に配置され、前記モータと前記ケースの間に前記スイッチング素子を搭載する回路基板が配置され、
    前記回路基板の前記スイッチング素子の搭載面が前記モータの回転軸と略垂直方向となるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
  5. 前記スイッチング素子は、背面に放熱板を有する電界効果トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、
    前記放熱板が前記ケースに直接又は間接的に接触するように前記回路基板に搭載されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
  6. 前記放熱板は前記ケースに、熱伝導性の樹脂又はゴムを介して接触するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
  7. 前記モータの回転軸に冷却ファンが固定され、
    前記冷却ファンは前記回路基板と前記モータの間に配置されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
  8. モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータの回転を駆動するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を搭載する基板と、前記モータの回転力を変換して先端工具を駆動する動力伝達手段を有する電動工具であって、
    前記動力伝達手段を金属製のケースに収容し、
    前記基板を前記動力伝達手段と前記モータの間に配置し、
    前記基板を前記ケースに固定することを特徴とする電動工具。
  9. 前記スイッチング素子は、背面に放熱板を有する電界効果トランジスタ又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、
    前記放熱板が前記ケースに直接又は間接的に接触するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の電動工具。
  10. モータと、
    前記モータにより駆動される動力伝達機構部と、
    前記動力伝達機構部を収容する金属製のケースと、
    前記モータに導線で接続される回路基板と、を有する電動工具であって、
    前記回路基板を前記ケースに接触させるように配置したことを特徴とする電動工具。
  11. 前記回路基板には、前記モータの回転を駆動するスイッチング素子が設けられることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
  12. 前記回路基板は、前記モータから離間して設けられており、
    前記回路基板は、前記金属製のケースに固定されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の電動工具。
  13. 前記ケースは、前記ハウジングに収容されることを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の電動工具。
  14. モータと、
    前記モータにより駆動される出力軸と、
    前記モータに接続され、第1の面と、第1の面とは逆の第2の面と、を有する回路基板と、
    前記回路基板に固定され、前記モータの回転を駆動するスイッチング素子と、
    前記回路基板に固定される回転検出素子と、を有する電動工具であって、
    前記スイッチング素子と、前記回転検出素子は、第1の面に設けられることを特徴とする電動工具。
  15. 胴体部と、前記胴体部より下方に延びるハンドル部とを有するハウジングと、
    前記胴体部に収容され、胴体部の後部に設けられるモータと、
    前記胴体部に収容され、前記モータの前方に配置される冷却ファンと、
    前記胴体部に収容され、前記冷却ファンの前方に配置され、前記モータに導線で接続させる回路基板と、
    前記胴体部に収容され、前記回路基板の前方に設けられる動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構の前方に配置される出力軸と、を有することを特徴とする電動工具。
  16. モータと、
    前記モータと対向する第1の面と、第1の面とは逆の第2の面と、を有する回路基板と、
    前記回路基板に固定され、前記モータの回転を駆動するスイッチング素子と、
    前記モータによって駆動される出力軸と、を有する電動工具であって、
    前記第1の面に前記スイッチング素子を設けたことを特徴とする電動工具。
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