以下、本発明の「遊技機」としてのパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図32に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10の遊技盤11には、遊技媒体としての遊技球を誘導可能な誘導レール12に囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
図1に示すように、遊技盤11は、前側を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zには、遊技領域R1に対応した略円形のガラス窓10Wが設けられている。そして、そのガラス窓10Wを通して遊技領域R1が前方に臨んでいる。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方には左右に1対のスピーカ25S,25Sが設けられ、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。
前面枠10Zの右下角部の後側には、発射装置の本体部(図示せず)が備えられ、その発射装置の一部である操作ノブ28が、前面枠10Zの右下角部の前面側に突出している。そして、操作ノブ28を例えば時計回り方向に回動操作すると、遊技球が遊技領域R1へと送り込まれる。
なお、上皿27Aに備えた上皿操作部29を押すと上皿27Aに収容されていた遊技球が下皿27Bへと移動する。また、下皿27Bに備えた下皿球抜き操作部27Cを押すと下皿27Bの底部が開いて遊技球を下皿27Bの下方に用意した容器(所謂、ドル箱)に移動させることができる。さらに、下皿27Bの左側には、例えば、演出用入力スイッチ27J(具体的には、「ジョグシャトル」(登録商標))が備えられ、下皿球抜き操作部27Cの右側には、球貸し状態表示モニター27D及び球貸し操作ボタン27Eが設けられている。
遊技領域R1の中央には、表示窓34Wが貫通形成され、その表示窓34Wの奥部には特別図柄表示装置34(TFT−LCDモジュール)が備えられている。また、表示窓34Wの周縁部には、遊技盤11の前面側から表示枠体23が装着されている。
遊技領域R1のうち表示枠体23の下方における左右方向の中央部には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、誘導レール12に沿って一般入賞口20,20及びサイドランプ22,22がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置34の左側には、始動ゲート18と風車19とが上下に並べて設けられている。これら各種入賞口14A,14B,15,20,特別図柄表示装置34等の役物以外に、遊技領域R1には、遊技球と当接して流下方向を様々に変化させることが可能な障害釘が分散配置されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された普通図柄始動スイッチ18W(図3参照)によって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18H(図3参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。詳細には、普通図柄表示装置18Hは、例えば、「○」と「×」の図柄を交互に変動表示可能となっており、普通図柄当否判定が小当たり(以下、適宜「普通図柄当たり」という)の場合は、「○」が停止表示され、普通図柄当否判定が外れ(以下、適宜「普通図柄外れ」という)の場合は「×」が停止表示される。そして、次の変動表示が開始されるまで普通図柄の停止表示を継続する。
普通図柄表示装置18Hの変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置18Hの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置18Hの変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置18Hが変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、普通図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した普通図柄当たりであった場合に、遊技盤11の裏に設けたソレノイド14S(図3参照)によって、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1の状態)。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ14W1,14W2(図3参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、特別図柄表示装置34において特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせで表示される。
具体的には、特別図柄表示装置34には、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄32A,32B,32Cが停止表示される。当否判定結果が大当たり(以下、「特別図柄当たり」という)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当たり状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れ(以下、「特別図柄外れ」という)の場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、通常の遊技状態が続行する。なお、特別図柄32A,32B,32Cは、本発明の「判定図柄」に相当し、特別図柄表示装置34は、本発明の「表示部」に相当する。
ここで、本実施形態では、特別図柄32A,32B,32Cが奇数のゾロ目で停止表示すると「大当たり状態」終了後の遊技状態が、通常時よりも特別図柄当たりの発生確率が高くなる「確変遊技」になるように設定されている。例えば、通常時(非確変時)の特別図柄当たりの確率が「2/630」であり、確変時の特別図柄当たりの確率が「9/630」となる。
以下、特別図柄表示装置34で変動停止表示される各特別図柄32A,32B,32Cのうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中装飾別図柄32B)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄32Aと右特別図柄32C)が同一となる状態を「リーチ」という。また、リーチを経て各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示することを「リーチ当たり」といい、リーチを経てゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ外れ」という。さらに、リーチを経ずに、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ無し外れ」という
特別図柄表示装置34において変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した特別図柄32A,32B,32Cの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び特別図柄32A,32B,32Cが変動表示される。なお、特別図柄の変動表示の保留記憶数は、特別図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(図1参照)にて閉塞されている。そして、「特別図柄当たり」であった場合には、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示後、「大当たり状態」となる。即ち、遊技盤11の裏に設けた大入賞ソレノイド15S(図3参照)によって可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。
大入賞口15の内部には、計数入賞口が設けられている。計数入賞口内には、カウント入賞口検出スイッチ15K(図3参照)が設けられており、遊技球の入賞を検出すると入賞球数をカウントし、入賞球が前記したように計10個に達したか否かをチェックする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、各種制御基板を覆うケースが設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50の上方には、音声制御基板55、サブ制御基板52等が設けられている。さらに、各制御基板50,52,55の下方には、電源基板60及び、遊技球の払い出しを制御する払出制御基板58が備えられている。各制御基板は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。
同図において符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを主要部として備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄や普通図柄の当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号を他の制御基板52,55,56等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御基板メインプログラムPG1(図4参照)や制御データ、普通図柄表示装置18Hでの変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当たり及び普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを主要部として備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備えている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cは、後述するサブ制御基板メインプログラムPG2(図21参照)や定数等が記憶されている。そして、サブ制御基板52は、主制御基板50からの制御信号(コマンド)に基づいて特別図柄表示装置34や普通図柄表示装置18Hの制御を行う。
詳細には、CPU52AがROM52Cから所定の表示制御データを読み出し、RAM52Bの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、特別図柄表示装置34で表示する表示画像(特別図柄32A,32B,32C、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示装置34に出力される。
また、サブ制御基板52は、主制御基板50からの制御信号(コマンド)に基づいて表示枠体23に備えたランプ、LED等の発光パターンに係る発光データを作成し、それらランプ、LEDの発光を制御する。
音声制御基板55は、主制御基板50からの制御信号(コマンド)に基づいて、スピーカ25S,25Sを制御する。
ランプ制御基板56は、主制御基板50からの制御信号(コマンド)に基づいて、前面枠10Zや遊技領域R1に備えたランプを制御する。
上記した本実施形態のパチンコ遊技機10の動作を実現するため、主制御基板50及びサブ制御基板52は、主制御基板メインプログラムPG1(図4参照)及びサブ制御基板メインプログラムPG2(図21参照)等を実行している。以下、主制御基板50及びサブ制御基板52における処理に関してフローチャートを参照しつつ詳説する。
主制御基板50に備えたワンチップマイコンは、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図4に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1では先ず、スタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行し、それ以降は実行しない。
図4に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述するメイン割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、下記表1に示した乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値は主制御基板50のRAM51Bの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、メイン割り込み処理(S5)を実行可能とする。
本実施形態においては、乱数カウンタとして、表1に示したラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ,ラベル−TRND−RC,ラベル−TRND−T,ラベル−TRND−B1,ラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−B3,ラベル−TRND−H等のカウンタが設けられている。
これら乱数カウンタは、パチンコ遊技機10が電源オンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S12)が行われると1加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返す。
そして、始動ゲート18を遊技球が通過したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうち、ラベル−TRND−Hのカウンタ値を取得し、RAM51Bに記憶する。また、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうちラベル−TRND−H以外(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)の各カウンタ値を取得し、乱数としてRAM51Bに記憶する。以下、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得する複数のカウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を纏めて、適宜、「特別図柄関連カウンタ値」という。
ここで、RAM51Bの乱数記憶領域には、取得された特別図柄関連カウンタ値やラベル−TRND−Hのカウンタ値を、それぞれ保留記憶の上限数である「4つ」まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
メイン割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行する。そして、メイン割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値(表1参照)の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
メイン割り込み処理(S5)について説明する。図5に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)を行う。出力処理(S10)では、RAM51Bの送信バッファにセットされた各種コマンドを、対応する制御基板に出力する。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)を行う。入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に備えられた各種センサやスイッチ(普通図柄始動スイッチ18W、始動口センサ14W1,14W2、その他センサ、スイッチ類等。図3参照)による検知信号を受信する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記した主制御基板メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで、遊技球スイッチ検出処理(S13)が実行される。遊技球スイッチ検出処理(S13)は、図6に示されており、まず、遊技球が始動ゲート18を通過したか(普通図柄始動スイッチ18Wの検知信号が入力したか)否かを判断する(S130)。遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S130でYes)、ゲート通過処理(S131)を行う。具体的には、図7に示すように、現在の普通図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか否かを判定し(S132)、4以上でなければ(S132でNo)、普通図柄の保留球数に1を加算し(S133)、普通図柄に関する乱数取得処理(S134)を実行する。即ち、RAM51Bの更新値記憶領域から普通図柄当否判定カウンタ値「ラベル−TRND−H」を乱数として取得してRAM51Bの乱数格納領域に記憶する。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していない場合(S130でNo)、及び、普通図柄保留球数が4以上である場合(S132でYes)はそのままステップS135(図6参照)へジャンプする。
図6に示すように、ステップS135では、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したか(始動口センサ14W1,14W2の検知信号が入力したか)否かを判断する。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していなければ(S135でNo)この処理(S13)を抜ける一方、入賞していれば(S135でYes)、現在の特別図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S136)。特別図柄保留球数が4以上である場合(S136でYes)には、そのままこの処理(S13)を抜ける一方、特別図柄保留球数が4以上でなければ(S136でNo)、特別図柄保留球数を1加算し(S137)、特別図柄関係乱数取得処理(S138)を実行する。具体的には、RAM51Bの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を乱数として取得して、RAM51Bの乱数記憶領域に記憶する。
図5に示すように、遊技球スイッチ検出処理(S13)に次いで、普通動作処理(S14)を行う。この処理(S14)では、始動ゲート18を遊技球が通過した時に取得(RAM51Bの乱数記憶領域に記憶)した普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)に基づいて普通図柄当否判定を行うと共に、「普通図柄当たり」である場合には、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を行う。ここで、本実施形態では、通常時は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された1つの判定値の何れかと一致すれば「普通図柄当たり」となり、確変時は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された60個の判定値の何れかと一致すれば「普通図柄当たり」となる。即ち、通常時(非確変時)よりも確変時の方が、「普通図柄当たり」の発生確率が高くなる。
詳細には、図8に示すように普通動作処理(S14)では先ず、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cが開放動作中か否かを判定する(S140)。開放動作中である場合(S140でYes)には、所定の開放動作時間が経過したか否かを判定する(S141)。開放動作時間が経過していない場合(S141でNo)には、この処理(S14)を抜ける一方、開放動作時間が経過した場合(S141でYes)は、開放動作を終了して(S142)からこの処理(S14)を抜ける。
可動翼片14C,14Cの開放動作中ではない場合(S140でNo)には、普通図柄保留球数をチェックする(S143)。普通図柄保留球数が「0」である場合にはこの処理(S14)を抜ける一方、「0」ではない場合には、RAM51Bに記憶されている普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)をロードする(S144)。
次いで、現在の遊技が確変中(確変フラグF2=1)か否かを判定し(S145)、確変中である場合(S145でYes)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、確変時の判定値(60個の判定値)の何れかと一致するか否かを判定する(S146)。一致した場合(S146でYes)、即ち小当たりの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S147)。例えば、2秒間の開放を間欠的に3回繰り返す。
また、確変中ではない場合(S145でNo)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、非確変時の判定値(1つの判定値)の何れかと一致するか否かを判定し(S148)、一致した場合(S148でYes)、即ち、小当たりの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S149)。例えば、1秒間の開放を1回行う。
ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、判定値と一致しなかった場合(S146又はS148でNo)は、可動翼片14C,14Cの開放動作を行わずにこの処理(S14)を抜ける。
普通動作処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)は、図9に示されており、特別動作ステータスが「1」である場合(S151でYes)には、特別図柄待機処理(S152)を行い、特別動作ステータスが「2」である場合(S151でNo,S153でYes)には、変動中処理(S154)を行い、特別動作ステータスが「3」である場合(S151,S153で共にNo、S155でYes)には、特別図柄確定処理(S156)を行い、特別動作ステータスが「4」である場合(S151,S153,S155でNo)には、特別電動役物処理(S157)を行う。
図10に示すように、特別図柄待機処理(S152)では先ず、特別図柄保留球数が「0」か否かをチェックする(S200)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S200でYes)には、特別図柄表示装置34が待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S201)。そして、待機画面である場合(S201でYes)には、直ちにこの処理(S152)を抜ける一方、待機画面でない場合(S201でNo)には、待機画面設定処理(S202。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S152)を抜ける。
特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S200でNo)には、特別図柄大当たり判定処理(S203)を始めとする以下のステップ203〜S209の処理を行う。なお、特別図柄大当たり判定処理(S203)は、本発明の「当否判定手段」に相当する。
図11に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S203)では先ず、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM51Bの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)をロードする(S300)。次いで、確変中(確変フラグF2=1)か否かをチェックし(S301)、確変中でない場合(S301でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が非確変時の判定値(予め設定された2つの判定値の何れか)と一致したか否かをチェックする(S302)。また、確変中である場合(S301でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、確変時の判定値(予め設定された12個の判定値)の何れかと一致したか否かをチェックする(S303)。
特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合(S302でNo又はS303でNo)には、「特別図柄外れ」のコマンドを送信バッファにセット(S304)してこの処理(S203)を抜ける。
一方、各ステップS302,S303において、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が予め設定された判定値と一致した場合には(S302でYes又はS303でYes)、大当たりフラグF1をON(F1=1にセット)する(S305)。また、この「大当たり」が、「大当たり状態」の終了後に「確変遊技」になる「確変当たり」か、「大当たり状態」の終了後に「非確変遊技」になる「非確変当たり」かを、大当たり図柄決定用乱数値(ラベル−TRAND−AZ、以下、「大当たり図柄乱数値」という)によって判定して、「確変当たり」又は「非確変当たり」のコマンドをRAM51Bの送信バッファにセットする(S306)。具体的には、例えば、大当たり図柄乱数値(ラベル−TRAND−AZ)が奇数である場合に「確変当たり」のコマンドをセットし、偶数である場合に「非確変当たり」のコマンドをセットする。
特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで行う特別図柄選択処理(S204)では、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄を決定する。この処理(S204)は図12に示されており、まず、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否か判断する(S310)。大当たりフラグF1がONであれば(S310でYes)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM51Bに記憶)した大当たり図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)を、送信バッファにセットし(S311)、この処理(S204)を抜ける。即ち、3つの特別図柄32A,32B,32Cが全て大当たり図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)と同じ図柄(ゾロ目)になるようにセットする。
一方、大当たりフラグF1がONでなければ(S310でNo)、RAM51Bから左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)の値をロードする(S312)。そして、これら3つの乱数値が一致しているか判定し(S313)、一致していれば(S313でYes)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得したリーチ有無決定用乱数値(ラベル−TRND−RC、以下、「リーチ乱数値」という)が予め設定されたリーチ判定値と一致しているかどうか判定する(S314)。リーチ判定値と一致していない場合(S314でNo)は、ステップ318へジャンプする一方、一致していれば(S314でYes)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を1加算して、これら3つの図柄決定用乱数値を送信バッファにセットする(S315)。つまり、左、右の特別図柄32A,32Cを同一図柄とし、中特別図柄32Bだけを異ならせた「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS313において、左・中・右の各乱数値が一致していなければ(S313でNo)、続いて、左・右の乱数値が一致しているか判断する(S316)。そして、左・右の乱数値が一致していれば(S316でYes)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S317)。リーチ判定値と一致していなければ(S317でNo)、左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値が右特別図柄となるように変更して、3つの図柄決定用乱数値を送信バッファにセットする(S318)。つまり、強制的に3つの特別図柄32A,32B,32Cを全て異ならせて「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。一方、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致していれば(S317でYes)、ステップS312でロードした3つの図柄決定用乱数値(ラベル−TRAND−B1,B2,B3)をそのまま送信バッファにセットする(S319)。つまり、「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS316において、左・右の両乱数値が一致していなければ(S316でNo)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定し(S320)、一致していなければ(S320でNo)、ステップ319へジャンプする(「リーチ無し外れ」の組み合わせにセットする)。一方、リーチ判定値と一致していれば(S320でYes)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)と同一値とし、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値にして、送信バッファにセットする(S321)。つまり、強制的に「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。以上の処理で、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄が決定したら、その他の処理(S322)を行ってこの処理(S204)を抜ける。
図10に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動態様選択処理(S205)を実行する。この処理(S205)は、図13に示されており、特別図柄当否判定の結果やリーチの有無等に基づいて、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示するまでの変動表示態様に関するデータを選択する。なお、特別図柄変動態様選択処理(S205)は、本発明の「演出態様選択手段」に相当する。
具体的には先ず、現在の遊技状態が「確変中」か否かを判定する(S330)。確変中ではない場合(S330でNo)には、大当たりフラグF1がON(F1=1、大当たり)か否かを判別する(S331)。そして、大当たりフラグF1がONの場合(S331でYes)には、「第1変動態様データ群」(非確変中の大当たりに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T、以下、「変動態様選択数値」という)に基づいて1つの変動態様データ(以下、「変動態様1」という)が選択される(S332)。
一方、ステップS331において、大当たりフラグF1がONでない場合(S331でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かが判断される(S333)。
リーチ成立の場合(S333でYes)は、「第3変動態様データ群」(非確変中のリーチ外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様3」という)が選択される(S334)。一方、リーチ不成立の場合(S333でNo)は、「第4変動態様データ群」(非確変中のリーチ無し外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様4」という)を選択する(S335)。
ステップS330において、「確変中」であった場合(S330でYes)には、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否かを判定する(S336)。大当たりフラグF1がONの場合(S336でYes)には、「第2変動態様データ群」(確変中の大当たりに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様2」という)を選択する(S337)。
一方、ステップS336において、大当たりフラグF1がONでない場合(S336でNo)には、リーチ成立か否かを判定し(S338)、リーチ成立の場合(S338でYes)には、「第5変動態様データ群」(確変中のリーチ外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様5」という)を選択する(S339)。一方、リーチ不成立である場合(S338でNo)には、「第6変動態様データ群」(確変中のリーチ無し外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様6」という)を選択する(S340)。
その後、選択した変動態様に応じたコマンドを送信バッファにセットし(S341)、その他の処理(S342)を行って、この処理(S205)を抜ける。
図10に示すように、特別図柄変動態様選択処理(S205)に続いて、特別図柄乱数シフト処理(S206)を行う。具体的には、図14に示すように、特別図柄保留球数を1ディクリメントし(S350)、RAM51Bの乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S351)、最上位(4個目)の保留記憶に対応する乱数記憶領域をクリアする(S352)。
図10に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に続いて特別図柄変動開始処理(S207)、特別動作ステータスを「2」に設定する処理(S208)等、特別図柄32A,32B,32Cの変動開始に必要な処理が行われ、最後に待機中フラグをOFFする(S209)。以上が特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S152)の説明である。
特別動作処理(S15)における変動中処理(S154)は、図15に示されている。同図に示すように、この処理(S154)では先ず、変動時間が終了したか否かをチェックする(S210)。ここでいう「変動時間」とは、特別図柄変動態様選択処理(S205、図13参照)で設定された変動態様毎に予め定められた特別図柄32A,32B,32Cのスクロール時間のことであり、変動時間が終了したか否かは、変動表示の開始と同時にスタートしたタイマ値によって判定する。変動時間が終了していない場合(S210でNo)には、そのままこの処理(S154)を抜けて変動表示を続行する。
一方、変動時間が終了した場合(S210でYes)、変動停止コマンドをセットし(S211)、特別動作ステータスを「3」にセットして(S212)、その他の処理(S213)を行ってから、この処理(S154)を抜ける。
特別動作処理(S15)における特別図柄確定処理(S156)は、図16に示されている。同図に示すように、この処理では先ず、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否かをチェックする(S220)。大当たりフラグF1がONである場合(S220でYes)には、大当たりフラグF1をOFF(F1=0にセット、S221)してから、特別動作ステータスを4にセットする(S222)。
一方、大当たりフラグF1がONではない場合(S220でNo)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S223)、この処理(S156)を抜ける。
特別動作処理(S15)における特別電動役物処理(S157)は図17に示されている。同図に示すように、この処理では先ず、確変フラグF2をOFF(F2=0にセット、S230)し、大当たりオープニング(大当たり遊技が始まることの告知)が実施済みか否かを判定する(S231)。大当たりオープニングが実施済みではない場合(S231でNo)は、大当たりオープニングを実行し(S232)、大当たりオープニングが実施済みである場合(S231でYes)には、大入賞口15が開放中か否かをチェックする(S233)。
大入賞口15が閉鎖中の場合(S233でNo)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かをチェックする(S234)。大入賞口開放時間でない場合(S234でNo)には、この処理(S157)を抜ける一方、大入賞口開放時間である場合(S234Yes)には、大入賞口開放処理(S235、可動扉15Tを前側に倒す)を行い、この処理(S157)を抜ける。
一方、大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S233でYes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かをチェックする。具体的には、大入賞口15に遊技球が規定数(本実施形態では10個)入賞したか否か(S236)、ラウンド終了時間となった(例えば、開放から15秒経ったか)か否か(S237)をチェックする。そして、これら2つのラウンド終了条件が何れも不成立であった場合(S236及びS237の何れもNo)には、直ちにこの処理(S157)を抜ける一方、何れか一方のラウンド終了条件が成立した場合(S236又はS237でYes)には、ラウンド終了時の処理(S238〜S242)を行う。
大入賞口閉鎖処理(S238)では、大入賞口閉鎖のコマンドを中継基板57(図3参照)及びサブ制御基板52に送信する。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメントして(S239)、ラウンドカウンタが「0」となったか否かチェックし(S240)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S240でNo)、即ち、「大当たり遊技」が、最終ラウンドまで行われていない場合には、そのままこの処理(S157)を抜ける。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S240でYes)、即ち、大当たり遊技が最終ラウンドまで行われた場合には、大当たり終了処理(S241)が行われる。大当たり終了処理(S241)では、RAM51Bに記憶された特別図柄関連の乱数値をを大当たり終了コマンドと共にサブ制御基板52に送信する。そして、確変・非確変設定処理(S242)を行ってからこの処理(S157)を抜ける。
確変・非確変設定処理(S242)は図18に示されており、先ず、停止表示される特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせが「確変図柄(奇数のゾロ目)」か「非確変図柄(偶数のゾロ目)」かをチェックする(S360)。確変図柄であった場合(S360でYes)には確変フラグF2をON(F2=1にセット、S361)し、確変図柄ではない場合(S360でNo)には、確変フラグF2をOFF(F2=0にセット、S362)する。そして確変フラグF2の設定後、特別動作ステータスを「1」にセットして(S363)、この処理(S242)を抜ける。以上が、メイン割り込み処理(S5)における特別動作処理(S15)の説明である。
図5に戻って説明を続けると、上述した特別動作処理(S15)に次いで保留球数処理(S16)が行われる。この処理(S16)は、図19に示されており、特別図柄保留球数(保留された特別図柄の変動表示回数)及び普通図柄保留球数(保留された普通図柄の変動表示回数)をRAM51Bからロードし(S160)、それら保留球数のデータを、RAM51Bの送信バッファにセットする(S161)。
保留球数処理(S16)に次いで行われる電源断監視処理(S17)は、図20に示されており、電源断信号が入力した(本実施例では、電源断状態が12ms続いた)か否かを判定する(S170)。そして、電源断信号が入力していれば(S170でYes)、現在のデータをRAM51Bへバックアップし(S171)、電源断フラグをONする(S172)。その後、無限ループへ移行し待機状態とされる。
図5に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S17)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S18)を実行して、メイン割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図4に示すように、次にメインCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回のメイン割り込み処理(S5)においてRAM51Bの送信バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行されたメイン割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が主制御基板メインプログラムPG1の説明である。
さて、サブ制御基板52(図3参照)に備えられたCPU52Aは、図21に示したサブ制御基板メインプログラムPG2をランしている。サブ制御基板メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S50)を行い、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源断によってRAM52Bにバックアップされたデータが正常か否かを判定する(S51)。正常であれば(S51でYes)、ステップS53へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S51でNo)、RAM52Bを初期化して各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S52)。これらステップS50〜S52は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行し、それ以降は実行しない。
サブ制御基板メインプログラムPG2では、割り込み禁止処理(S53)に次いで、本発明の「乱数発生手段」、「数値更新手段」に相当する乱数シード更新処理(S54)が行われる。乱数シード更新処理(S54)では、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)及びレベル変更用カウンタ(ラベル−TRND−LV)が更新される。後に詳説するが、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)は、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示中に行われる演出を選択する際に使用されるカウンタであって、例えば「0〜99」の数値範囲で更新される。また、レベル変更用カウンタ(ラベル−TRND−LV)は、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示中に登場するゲームキャラクターのレベルを変更する際に使用されるカウンタであって、例えば「0〜9」の数値範囲で更新される。乱数シード更新処理(S54)の後、割り込み許可処理(S55)を行って、これら一連の処理(S53〜S55)を無限ループで繰り返す。
サブ制御基板メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S56)、2msタイマ割り込み処理(S57)、10msタイマ割り込み処理(S58)を割り込んで実行する。サブ制御基板52が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S57,S58)に優先して受信割り込み処理(S56)を実行する。また、2msタイマ割り込み処理(S57)を、10msタイマ割り込み処理(S58)より優先して実行し、10msタイマ割り込み処理(S58)を、2msタイマ割り込み処理(S57)間の残余時間に割り込んで実行する。
図22に示すように、受信割り込み処理(S56)では先ず、ストローブ信号をチェックし(S560)、ストローブ信号がONであれば(S560でYes)、主制御基板50からサブ制御基板52に送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S561)。ストローブ信号がONでなければ(S560でNo)、そのままこの処理(S56)を抜ける。
2msタイマ割り込み処理(S57)は、サブ制御基板52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図23に示すように、この処理(S57)ではランプデータ出力処理(S570)、SW/駆動出力処理(S571)、入力処理(S572)、ウォッチドッグタイマ処理(S573)を行う。
ランプデータ出力処理(S570)では、後述する10msタイマ割り込み処理(S58,図24参照)のランプ処理(S582)で作成したランプデータの出力を行う。SW/駆動出力処理(S571)では、10msタイマ割込処理(S58)で作成したスイッチ有効期間及び動作の出力を行う。入力処理(S572)では、例えば、演出用入力スイッチ27Jが操作されたか否かを判定しスイッチデータを作成する。ウォッチドッグタイマ処理(S573)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割り込み処理(S58)は、サブ制御基板52に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図24に示すように、この処理(S58)では、まず、スイッチ状態取得処理(S580)を行う。具体的には、2msタイマ割込処理(図23参照)の入力処理(S572)で作成したスイッチデータを、10msタイマ割込処理用のスイッチデータとして格納する。
次に、音声制御処理(S581)及び報知タイマ判定処理(S582)を行う。報知タイマ判定処理(S582)では、RAMクリアスイッチ、扉開放スイッチ等がオンしてその報知が行われた場合に、報知開始から一定時間経過後に報知を解除する処理を行う。
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次に行われるメインコマンド解析処理(S583)では、受信割り込み処理(S56)で受信した主制御基板50からのデータ、コマンドの解析処理と動作の設定を行う。Sw処理(S584)では、スイッチ有効期間の管理及び動作の設定と、スイッチ状態取得処理(S580)で格納したスイッチデータに基づく処理を行う。メインコマンド解析処理(S583)とSw処理(S584)については後に詳説する。
Sw処理(S584)の次のランプ処理(S585)では、ランプデータの作成及びランプ演出の時間管理を行う。そして、コマンド送信処理(S586)では、メインコマンド解析処理(S583)で設定された動作のコマンドを特別図柄表示装置34に対して送信する。
以下、図25〜図30を参照しつつメインコマンド解析処理(S583)について詳説する。図25に示すように、メインコマンド解析処理(S583)では先ず、主制御基板50から受信したコマンドが、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示に関するコマンドであるか否かを判断する(S600)。変動表示に関するコマンド以外である場合(S600でNo)には、そのコマンドに対応したその他の設定処理(S601)を行ってこの処理(S583)を抜ける。
一方、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示に関するコマンドであれば(S600でYes)、変動中予告抽選処理(S602)を行って予告演出を選択する。「予告演出」とは、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示中に行われる表示演出であって、例えば、リーチ発生や特別図柄当たりに対する期待を高めるための前兆演出である。そして、変動中予告抽選処理(S602)は、予め設定された複数種類の予告演出態様データ(本発明の「表示演出態様データ」に相当する)の中から、1つの予告演出態様データを選択するための処理である。本実施形態では、例えば、5つの予告演出が設定されている。このうち、予告演出1〜4は、特別図柄当否判定の結果に関係なく選択され得る通常の予告演出であって、例えば、遊技内容に関連したアニメーション映像となっている。これに対し、予告演出5は「特別図柄当たり」でかつ後述する条件を満たした場合だけ選択される予告演出(プレミア演出)であって、例えば、遊技内容に関連する実写映像となっている。つまり、予告演出態様データ1〜4は、比較的頻繁に選択されるのに対し、予告演出態様データ5は、他の予告演出態様データに比べて選択され難くなっている。予告演出態様データ1〜4は本発明の「第一の演出」及び「通常表示演出態様データ」に相当し、予告演出態様データ5は本発明の「第二の演出」及び「特別表示演出態様データ」に相当する。また、変動中予告抽選処理(S602)は本発明の「演出選択率変更手段」に相当する。
変動中予告抽選処理(S602)は、図26に示されており先ず、RAM52Bに記憶された現在のゲームキャラクターのレベルを読み出して対応する可変数値(補正値)をセットする(S700)。本実施形態では、例えば、図32(B)に示すように、9段階のレベルG〜EXが設定され、各レベル毎にそれぞれ異なる可変数値が設定されている。例えば、最低のレベルGの可変数値は「0」であり、レベルアップに従って可変数値が大きくなり、最高のレベルEXでは「120」となっている。後に詳説するが、ゲームキャラクターのレベル、即ち、可変数値は、遊技の進行過程で更新可能となっている。ステップS700の処理は、本発明の「数値可変設定手段」に相当する。
可変数値をセットしたら、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)の値を取得し、これを「演出選択値」としてRAM52Bに記憶する(S701)。
次に、演出選択値(演出選択用カウンタの取得値)に、上記ステップS700でセットした可変数値を加算(合算)して演出選択値を補正し、その補正された演出選択値をRAM52Bに記憶する(S702)。なお、ステップS701は、本発明の「取得手段」に相当し、ステップS702は、本発明の「補正手段」に相当する。以下、補正前後の演出選択値を区別するため、補正前を「演出選択値A」とし、補正後を「演出選択値B」という。
ここで、演出選択値A及び演出選択値Bになり得る数値の個数は共に「100個」で一定であるが、演出選択値Bの「上下限値」は加算(合算)される可変数値によって変化する。即ち、例えば、可変数値が「10」の場合、演出選択値Bは、演出選択値Aに対して「10」底上げされるので、演出選択値Bになり得る数値は「10〜109」となる。また、可変数値が「120」の場合、演出選択値Bは、演出選択値Aに対して「120」底上げされるので、演出選択値Bになり得る数値は「120〜219」となる。ここで、可変数値が「0」の場合(レベルGの場合)は、可変数値の加算(合算)前後の演出選択値A,Bが同一であり、演出選択値Bは実質的に補正されたことにはならない。
図26に戻って説明を続けると、演出選択値A及び演出選択値Bの設定が済んだら、予告演出を行う変動態様が「当たり変動態様」(変動態様1又は変動態様2)か否かを判定する(S703)。当たり変動態様である場合(S703でYes)には、可変数値によって補正した演出選択値Bを使用して大当たり予告選択処理(S704)を行う。一方、外れ変動態様(変動態様3〜6)である場合(S703でNo)には、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)の取得値そのものである(未補正の)演出選択値Aを使用して外れ予告選択処理(S705)を行う。そして、これら選択処理(S704又はS705)で選択された予告演出態様データをRAM52Bの送信バッファにセット(S706)してこの処理(S602)を抜ける。なお、ステップS704,S705は、本発明の「演出態様選択手段」、「演出選択手段」に相当する。
図29に示すように、外れ予告選択処理(S705)では、選択された変動態様が「変動態様3」〜「変動態様6」のうちのどれであるかを判定し(S900〜S902)、各変動態様3〜6毎に個別設定された演出振分テーブルTb3〜Tb6(図32(A)参照)と演出選択値Aとに基づいて予告選択処理(S903〜S906)が行われる。なお、図32(A)における「予告1」、「予告2」・・・等は、それぞれ「予告演出態様データ1及び予告演出1」、「予告演出態様データ2及び予告演出2」・・・を意味する。
変動態様3〜6の予告抽選処理(S903〜S906)で行われる処理内容は同一である。以下、変動態様5(確変中のリーチ外れ)の予告抽選処理(S905)を例に挙げて説明する。図30に示すように、予告抽選処理(S905)では先ず、演出選択値Aをセット(S910)し、これを演出振分テーブルTb5(図32(A)参照)の予告演出態様データ1に割り振られた振分数値1(具体的には例えば、「40」)と比較する(S911)。演出選択値Aが振分数値1未満である場合(S911でYes)は、予告演出態様データ1(予告演出1)を選択する(S912)。一方、演出選択値Aが振分数値1以上である場合(S911でNo)は、その演出選択値Aから振分数値1を減算した値を新たな演出選択値Aとして更新する(S913)。
次に、ステップS913で更新された演出選択値Aを、予告演出態様データ2(予告演出2)に割り振られた振分数値2(具体的には例えば、「30」)と比較する(S914)。更新後の演出選択値Aが振分数値2未満である場合(S914でYes)は、予告演出態様データ2を選択する(S915)一方、演出選択値Aが振分数値2以上である場合(S914でNo)は、その演出選択値Aから振分数値2を減算した値を新たな演出選択値Aとして更新する(S916)。
次に、ステップS916で更新された演出選択値Aを、予告演出態様データ3(予告演出3)に割り振られた振分数値3(具体的には例えば、「25」)と比較する(S917)。更新後の演出選択値Aが振分数値3未満である場合(S917でYes)は、予告演出態様データ3を選択する(S918)一方、更新後の演出選択値Aが振分数値3以上である場合(S917でNo)は、予告演出態様データ4(予告演出4)を選択する(S919)。
つまり、ステップS701(図26)にて取得された当初の演出選択値A(ラベル−TRND−E)が「0〜39」の数値範囲に含まれる40個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「40〜69」の数値範囲に含まれる30個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「70〜94」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「95〜99」の数値範囲に含まれる5個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択する。このときの選択率は、予告演出態様データ1〜4の順に、「40/100」,「30/100」,「25/100」,「5/100」となる(図32(A)参照)。
同様に、変動態様6(確変中のリーチ無し外れ)の予告選択処理(S906)では、例えば、当初の演出選択値Aが「0〜34」の数値範囲に含まれる35個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「35〜59」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「60〜89」の数値範囲に含まれる30個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「90〜99」の数値範囲に含まれる10個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択するように演出振分テーブルTb6が設定されている。選択率は図32(A)の「変動態様6」の欄に示す通りである。
変動態様3(非確変リーチ外れ)の予告選択処理(S903)では、例えば、当初の演出選択値Aが「0〜14」の数値範囲に含まれる15個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「15〜69」の数値範囲に含まれる55個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「70〜79」の数値範囲に含まれる10個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「80〜99」の数値範囲に含まれる20個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択するように演出振分テーブルTb3が設定されている。選択率は図32(A)の「変動態様3」の欄に示す通りである。
変動態様4(非確変リーチ無し外れ)の予告選択処理(S904)では、例えば、当初の演出選択値Aが「0〜39」の数値範囲に含まれる40個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「40〜69」の数値範囲に含まれる30個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「70〜94」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「95〜99」の数値範囲に含まれる5個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択するように演出振分テーブルTb4が設定されている。選択率は図32(A)の「変動態様4」の欄に示す通りである。
以上が、外れ予告選択処理(S705)である。このように、「特別図柄外れ」の場合には、予告演出態様データ1〜4の何れかを選択し、予告演出態様データ5を選択しないように設定されている。なお、演出振分テーブルTb3〜Tb6の振分数値(予告演出1〜4の選択率、図32(A)参照)は、上記した設定値に限定するものではない。
これに対して、大当たり予告選択処理(S704)の詳細は以下のようである。即ち、図27に示すように、先ず、変動態様が「変動態様1」(非確変中の当たり)か否かを判定し(S800)、変動態様1である場合(S800でYes)には、変動態様1用の演出振分テーブルTb1(図32(A)参照)と演出選択値Bとに基づいて予告選択処理(S801)を行う。また、「変動態様2」(確変中当たり変動態様)である場合(S800でNo)には、変動態様2用の演出振分テーブルTb2(図32(A)参照)と演出選択値Bとに基づいて演出選択処理(S802)を行う。
変動態様1,2の予告抽選処理(S801,S802)で行う処理内容は同一であり図28に示されている。以下、変動態様1(非確変中の当たり)の予告抽選処理(S801)を例にあげて説明する。この処理(S801)では先ず、演出選択値Bをセットし(S810)、これを演出振分テーブルTb1の予告演出態様データ1(予告演出1)に割り振られた振分数値1(具体的には例えば、「10」)と比較する(S811)。演出選択値Bが振分数値1未満である場合(S811でYes)は、予告演出態様データ1を選択する(S812)。一方、演出選択値Bが振分数値1以上である場合(S811でNo)は、その演出選択値Bから振分数値1を減算した値を新たな演出選択値Bとして更新する(S813)。
次に、ステップS813で更新された演出選択値Bを、予告演出態様データ2(予告演出2)に割り振られた振分数値2(具体的には例えば、「15」)と比較する(S814)。更新後の演出選択値Bが振分数値2未満である場合(S814でYes)は、予告演出態様データ2を選択する(S815)。一方、演出選択値Bが振分数値2以上である場合(S814でNo)は、その演出選択値Bから振分数値2を減算した値を新たな演出選択値Bとして更新する(S816)。
次に、ステップS816で更新された演出選択値Bを、予告演出態様データ3(予告演出3)に割り振られた振分数値3(具体的には例えば、「20」)と比較する(S817)。更新後の演出選択値Bが振分数値3未満である場合(S817でYes)は、予告演出態様データ3を選択する(S818)。一方、演出選択値Bが振分数値3以上である場合(S817でNo)は、その演出選択値Bから振分数値3を減算した値を新たな演出選択値Bとして更新する(S819)。
次に、ステップS819で更新された演出選択値Bを、予告演出態様データ4(予告演出4)に割り振られた振分数値4(具体的には例えば、「25」)と比較する(S820)。更新後の演出選択値Bが振分数値4未満である場合(S820でYes)は、予告演出態様データ4を選択する(S821)。一方、演出選択値Bが振分数値4以上である場合(S820でNo)は、予告演出態様データ5(予告演出5)を選択(S822)する。
つまり、ステップS702(図26)で設定された演出選択値Bが「0〜9」の数値範囲に含まれる10個の数値の何れかに該当する場合は予告演出態様データ1を選択し、「10〜24」の数値範囲に含まれる15個の数値の何れかに該当する場合は予告演出態様データ2を選択し、「25〜44」の数値範囲に含まれる20個の数値の何れかに該当する場合は予告演出態様データ3を選択し、「45〜69」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合は予告演出態様データ4を選択する。そして、「70〜219」の数値範囲に含まれる150個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ5を選択するように演出振分テーブルTb1が設定されている。
即ち、本実施形態では、「0〜69」の数値が本発明に係る「通常演出選択値群」であり、その「通常演出選択値群」に対して大きい側に外れた「70〜219」の数値が本発明に係る「特別演出選択値」となっている。
ここで、予告演出態様データ1〜5の選択率は、演出選択値A(演出選択用カウンタの取得値)に加算(合算)された可変数値に応じて変化する。例えば、ゲームキャラクターが最低の「レベルG」で可変数値が「0」であった場合、即ち、演出選択値Bが実質的に補正されていない場合、演出選択値Bは「0〜99」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。従って、このときの予告演出態様データ1〜5の選択率は、予告演出態様データ1〜5の順に、「10/100」,「15/100」,「20/100」,「25/100」,「30/100」となる。
これに対し、例えば、ゲームキャラクターが「レベルD」で可変数値が「30」であった場合、補正後の演出選択値Bは「30〜129」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。この数値範囲「30〜129」では、予告演出態様データ1,2が選択される可能性は無くなり、予告演出態様データ3〜5の何れかが選択される。詳細には、演出選択値Bが「30〜44」のとき予告演出態様データ3が選択され、演出選択値Bが「45〜69」のとき予告演出態様データ4が選択され、演出選択値Bが「70〜129」のとき予告演出態様データ5が選択される。従って、予告演出態様データ3〜5の選択率は、順に、「15/100」,「25/100」,「60/100」となる。即ち、演出選択値Bが実質的に補正されていないレベルGのときの初期の選択率に比べて、予告演出態様データ5の選択率が大きくなり、予告演出態様データ1〜4の選択率が低下する。
さらに、ゲームキャラクターが「レベルA」で可変数値が「60」であった場合、補正後の演出選択値Bは「60〜159」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。この数値範囲「60〜159」では予告演出態様データ1〜3が選択される可能性が無くなり、予告演出態様データ4,5の何れかが選択される。詳細には、演出選択値Bが「60〜69」のとき予告演出態様データ4が選択され、演出選択値Bが「70〜159」のとき予告演出態様データ5が選択される。従って、予告演出態様データ4の選択率は「10/100」であり、予告演出態様データ5の選択率は,「90/100」となる。このように、可変数値の増大(レベルアップ)に伴って、予告演出態様データ5の選択率が次第に上がり、予告演出態様データ1〜4の選択率が次第に低下するようになっている。
変動態様1の予告選択処理(S801)と同様に、変動態様2(確変中当たり変動態様)の予告選択処理(S802)では、ステップS702で設定された演出選択値Bが、例えば、「0〜4」の数値範囲に含まれる5個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「5〜9」の数値範囲に含まれる5個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「10〜39」の数値範囲に含まれる30個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「40〜89」の数値範囲に含まれる50個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択する。そして、「90〜219」の数値範囲に含まれる130個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ5を選択するように演出振分テーブルTb2が設定されている。
このときも、予告演出態様データ1〜5の選択率は、演出選択値Bに加算(合算)された可変数値に応じて変化する。例えば、最低の「Gレベル」で可変数値が「0」であり、演出選択値Bが実質的に補正されていない場合、演出選択値Bは「0〜99」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。従って、このときの予告演出態様データ1〜5の選択率は、予告演出態様データ1〜5の順に、「5/100」,「5/100」,「30/100」,「50/100」,「10/100」となる。
これに対し、ゲームキャラクターが「レベルD」で可変数値が「30」であった場合、演出選択値Bは「30〜129」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。この数値範囲「30〜129」では、予告演出態様データ1,2が選択される可能性は無くなり、予告演出態様データ3〜5の何れかが選択される。詳細には、演出選択値Bが「30〜39」のとき予告演出態様データ3が選択され、演出選択値Bが「40〜89」のとき予告演出態様データ4が選択され、演出選択値Bが「90〜129」のとき予告演出態様データ5が選択される。従って、予告演出態様データ3〜5の選択率は、順に、「10/100」,「50/100」,「40/100」となる。即ち、演出選択値Bが実質的に補正されていないレベルGのときの初期の選択率に比べて、予告演出態様データ5の選択率が上昇すると共に、予告演出態様データ1〜4の選択率が低下する。
さらに、「レベルA」で可変数値が「60」であった場合、演出選択値Bは「60〜159」の数値範囲の何れかの値となり、その数値範囲で予告演出態様データ1〜5が振り分けられる。この数値範囲「60〜159」では予告演出態様データ1〜3が選択される可能性が無くなり、予告演出態様データ4,5の何れかが選択される。詳細には、演出選択値Bが「60〜89」のとき予告演出態様データ4が選択され、演出選択値Bが「90〜159」のとき予告演出態様データ5が選択される。従って、予告演出態様データ4の選択率は「30/100」であり、予告演出態様データ5の選択率は,「70/100」となる。このように、可変数値の増大(レベルアップ)に伴って、予告演出態様データ5の選択率が次第に上がり、予告演出態様データ1〜4の選択率が次第に低下するようになっている。また、予告演出態様データ5を数値範囲の後半に設けることで予告演出態様データの選択率の調整、設定が容易になる。
また、変動態様1と変動態様2とを比べると、変動態様1(非確変中の当たり)の方が変動態様2(確変中の当たり)よりも予告演出態様データ5の出現率が高くなっている。なお、演出振分テーブルTb1,Tb2の振分数値(予告演出1〜5の選択率、図32(A)参照)は、上記した設定値に限定するものではない。また、予告演出1〜5の内容(予告演出態様データ1〜5)を変動態様1と変動態様2とで同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
変動中予告抽選処理(S602)では、上述したステップS704又はS705にて選択された予告演出態様データをRAM52Bに記憶して(S706)この処理(S602)を抜ける。
メインコマンド解析処理(S583)では、変動中予告抽選処理(S602)に次いで、選択された予告演出態様データが、「予告演出態様データ3」(本発明に係る「特定の表示演出態様データ」に相当する)であるか否かが判定される(S603)。予告演出態様データ3が選択されていない場合(S603でNo)、そのままメインコマンド解析処理(S583)を抜ける。一方、予告演出態様データ3が選択された場合(S603でYes)には、予告用Swシナリオをセットして(S604)から、この処理(S583)を抜ける。
本実施形態では、予告用Swシナリオが実行されると、例えば、特別図柄表示装置34においてミニゲームが行われ、遊技者は、演出用入力スイッチ27Jを操作することでミニゲームに参加することができる。例えば、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示に重ねてゲームキャラクターが登場し、そのゲームキャラクターを演出用入力スイッチ27Jを操作して動かすことが可能になる。そして、ミニゲームをクリアするとゲームキャラクターの獲得ポイント(経験値)が上がる。さらに、各レベル毎にレベルアップに必要な獲得ポイントが定められており、それを越えるとレベルアップする。
以上が、メインコマンド解析処理(S583)の説明である。図24に示すように、メインコマンド解析処理(S583)の次に行われるSw処理(S584)は、本発明の「補正値更新手段」に相当し、図31に示されている。同図に示すように、本処理(S584)では先ず、予告用Swシナリオがセットされているか否かを判定する(S610)。
「予告用Swシナリオ」がセットされていない場合(S610でNo)には、その他のボタン押下演出処理(S616)を行って、この処理(S584)を抜ける。
「予告用Swシナリオ」がセットされている場合(S610でYes)には、Sw入力の有効時間内であるか否かを判定する(S611)。有効時間内ではない場合(S611でNo)には、この処理(S584)を抜ける一方、有効時間内である場合(S611でYes)には、演出用入力スイッチ27Jによる入力があるか否かを判定する(S612)。
演出用入力スイッチ27Jによる入力が無かった場合(S612でNo)は、この処理(S584)を抜ける。一方、演出用入力スイッチ27Jによる入力が有った場合(S612でYes)は、レベル変更用カウンタ(ラベル−TRND−LV)の値を「レベル乱数値」として取得する(S613)。ここで、演出用入力スイッチ27Jは本発明の「操作部」に相当し、レベル乱数値(レベル変更用カウンタの取得値)は、本発明の「補正値更新用の乱数値」に相当する。
次いで、取得したレベル乱数値が、所定の成功値であるか否かを判定し(S614)、成功値ではない場合(S614でNo)、そのままこの処理(S584)を抜ける。このとき、特別図柄表示装置34ではミニゲームのクリア失敗が報知される。一方、取得したレベル乱数値が成功値である場合(S614でYes)には、獲得ポイント(経験値)を1を加算(合算)して合計獲得ポイント及びレベルをRAM52Bに上書き保存する(S615)。このとき、特別図柄表示装置34では、ミニゲームをクリアしたことが報知される。以上がSw処理(S584)、10msタイマ割り込み処理(S58)及びサブ制御基板メインプログラムPG2の説明である。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成は以上であって、次に動作説明を行う。遊技者が操作ノブ28を操作し、遊技領域R1に弾き出された遊技球が始動入賞口14A又は始動入賞口14Bに入賞すると、特別図柄表示装置34に表示された特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロールして変動表示される。このとき、パチンコ遊技機10の内部では、特別図柄当否判定が行われると共に、特別図柄32A,32B,32Cの変動態様、停止表示図柄、予告演出等が抽選され、特別図柄表示装置34、サイドランプ22,22、スピーカ25S,25Sによって、抽選結果に応じた様々な演出が行われる。
特別図柄当否判定の結果が大当たりの場合には、特別図柄32A,32B,32Cがゾロ目で停止表示し、その後、大当たり状態となる。大当たり状態になると、大入賞口15が開放し、多くの賞球を獲得するチャンスになる。また、特別図柄32A,32B,32Cが確変図柄(例えば、奇数のぞろ目)で停止表示した場合には、大当たり状態の終了後に確変遊技が開始され、非確変時よりも大当たりが発生し易い状態になる。なお、確変遊技は、次に「特別図柄当たり」が発生するまで継続する。
さて、特別図柄表示装置34では、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示する前の変動表示中に、特別図柄当たりやリーチ発生の期待度を高める予告演出が行われる。具体的には、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示がぞろ目とならない(特別図柄外れ)の場合、「予告演出1」〜「予告演出4」の中の何れかがランダムに選択されて実行される。「予告演出1」〜「予告演出4」が行われると、遊技内容に関連するアニメーション映像が表示されて、特別図柄当たりやリーチへの期待感を高める。一方、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示がゾロ目となる(特別図柄当たり)場合は、上記4つの予告演出に「予告演出5」を加えた5つの予告演出の中の何れかがランダムに選択されて実行される。「予告演出5」が行われると、「予告演出1」〜「予告演出4」のようなアニメーション映像ではなく、遊技内容に関連する実写映像が表示されて、特別図柄当たりやリーチへの期待感を高める。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「特別図柄当たり」が発生する確率は、非確変時で「2/630」、確変時で「9/630」であるので、実際の遊技中に行われる予告演出の大半は、予告演出1〜4(本発明の「通常表示演出態様」、「第一の演出」に相当する)の何れかであり、上述したように「特別図柄当たり」でかつ演出選択値Bが所定値以上の場合しか行われない予告演出5(本発明の「特別表示演出態様」、「第二の演出」に相当する)は、希にしか出現しない珍しい予告演出となっている。
また、予告演出5とは別の予告演出3が行われた場合には、特別図柄表示装置34上でミニゲームが行われる。ミニゲームでは特別図柄表示装置34にゲームキャラクターが登場し、遊技者は、そのゲームキャラクターを演出用入力スイッチ27Jを操作することで動かしてミニゲームのクリアを目指す。ミニゲームをクリアするとゲームキャラクターの獲得ポイントが上がってレベルアップに近づくので、仮に、「特別図柄当たり」や「予告演出5」に至らなくても、レベルアップに近づいたという満足感を与えることができる。このとき、獲得ポイントの増加やレベルアップを表示装置や音声等によって遊技者に報知してもよい。
さて、パチンコ遊技機10の電源投入直後(初期状態)は、ゲームキャラクターのレベルが最低のレベルGになっている。本実施形態では、「特別図柄当たり」になればレベルに拘わらず「予告演出5」が出現する可能性があるが、最低レベルGではその出現確率は低調である。その理由は、レベルGに対応する可変数値は「0」であり、この可変数値を演出選択値A(演出選択用カウンタの取得値)に加算(合算)した演出選択値Bは演出選択値Aと同一、つまり実質的に補正されていないからである。具体的には、最低レベルGにおける予告演出5の出現確率は、非確変中の大当たり(変動態様1)の場合で「2/630×30/100=60/63000」であり、確変中の大当たり(変動態様2)の場合で「9/630×10/100=90/63000」となる。
これに対し、遊技者がミニゲームを行ってゲームキャラクターがレベルアップすると、可変数値によって演出選択値Aがより大きい演出選択値Bに補正され、「予告演出5」が選択されるための特別演出選択値(本実施形態では「70」以上)に近づくので、予告演出5の出現確率が電源投入直後よりも高くなる。例えば、「レベルD」までレベルアップしたとすると、演出選択値Bは、ランダムな値の演出選択値Aに一律「30」を加算(合算)した値となる。つまり、演出選択値Bは「30〜129」の数値範囲の何れかの数値となる。そして、非確変中の大当たりの場合は演出選択値Bが「70〜129」になると予告演出5が選択され、確変中の大当たりの場合は演出選択値Bが「90〜129」になると予告演出5が選択されるようになる。従って、予告演出5の出現確率は、非確変中の大当たりの場合で「2/630×60/100=120/63000」、確変中の大当たりの場合で「9/630×40/100=360/63000」となり、レベルGの場合と比べて予告演出5が出現し易くなる。
さらに遊技を続けて「レベルA」までレベルアップした場合、演出選択値Bは、ランダムな値の演出選択値Aに一律「60」を加算(合算)した値となる。つまり、演出選択値Bは「60〜159」の数値範囲の何れかの数値となる。そして、非確変中の大当たりの場合は演出選択値Bが「70〜159」になると予告演出5が選択され、確変中の大当たりの場合は演出選択値Bが「90〜159」になると予告演出5が選択されるようになる。従って、予告演出5の出現確率は、非確変中の大当たりの場合で「2/630×90/100=180/63000」、確変中の大当たりの場合で「9/630×70/100=630/63000」となり、さらに予告演出5が出現し易くなる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、特別図柄当たりになると、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)の取得値であるランダムな演出選択値Aに、ゲームキャラクターのレベルに応じた可変数値が加算(合算)されて、演出選択値Aが「予告演出態様データ5」が選択されるための特別演出選択値(具体的には、「70」以上)に近づくように補正される。そして、その補正後の演出選択値Bに基づいて予告演出態様データを選択するので、予告演出態様データ5がゲームキャラクターがレベルアップする前(レベルGのとき)の状態よりも選択され易くなる。即ち、遊技を進めていくうちに予告演出5が徐々に出現し易くなる。
これを遊技者側の視点で見ると、予告演出5は、通常、希にしか出現しないため、多くの遊技者は雑誌やテレビでしか見られない。ところが、ゲームキャラクターがレベルアップして予告演出5の出現確率が高まったパチンコ遊技機10で遊技を行っている別の遊技者が、比較的すんなりと予告演出5を出している様子を実際に見ると、遊技者は、自分が遊技を行っているパチンコ遊技機10でも同じ予告演出5が出るかもしれないという期待を抱き、予告演出5に対する鑑賞意欲が喚起される。これに対し、予告演出5の出現確率は、ゲームキャラクターのレベルによって変化するので遊技ホールのパチンコ遊技機10毎に異なり、どのパチンコ遊技機10でも予告演出5がすんなりと出現するわけではない。これにより、予告演出5の希少性を保つことができる。そして、仮に予告演出5が出現し難い状態のパチンコ遊技機10で遊技を行っていても、別の遊技者が予告演出5を引き当てているところを実際に見せることで、遊技者は期待を抱きつつ遊技を行うことができる。このように、本実施形態によれば、予告演出5の希少性を保ちつつ予告演出5に対する鑑賞意欲を喚起させることが可能になる。
また、ゲームキャラクターのレベルを上げると予告演出5が出現し易くなることを知った遊技者は、予告演出5がなかなか出現しなくても、今後、自分の努力次第で予告演出5が見られるかもしれないという期待を持ち、遊技に対する興味を持続させることができる。
また、予告演出5とは別の予告演出3が行われた場合に、可変数値が増加(見た目上は、ゲームキャラクターがレベルアップ)する可能性があるので、遊技者にとって楽しみな予告演出が増えて、予告演出全体に対する興味を一層高めることができる。つまり、予告演出という同じ項目の中の1つの予告演出の選択結果に応じて、同じ項目の中の別の予告演出の出現率を変化させることができる。
また、特別図柄32A,32B,32Cによって「特別図柄当たり」が報知される前の変動表示中に予告演出5が行われ易くなるので、予告演出5の出現に対する期待感をさらに高めることができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、特別図柄32A,32B,32Cの変動態様が同一であれば、レベル(演出選択値Aに加算(合算)される可変数値)に関係なく共通の演出振分テーブルを利用して予告演出を振り分けることができるから、レベルに対応した可変数値を予め加算(合算)した振分数値で演出振分テーブルを作成して、この演出振分テーブルを各レベル毎に設定した場合に比べて、レベルの設定数や可変数値を変更する際の設計変更が容易である。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、「特別図柄当たり」になると、可変数値が「0」であっても(レベルに関係なく)、予告演出5が選択可能な構成となっていた。これに対し、本実施形態では、可変数値が「0」の場合には、「特別図柄当たり」であっても予告演出5が選択されないようになっており、最低レベルGから少なくとも1ランクレベルアップした状態で特別図柄当たりとなった場合に初めて予告演出5が選択可能になるように設定されている。
具体的には、例えば、図33に示す演出振分テーブルTb1,Tb2が設定されている。この演出振分テーブルTb1,Tb2は、演出選択値Bが、「0〜24」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ1を選択し、「25〜49」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ2を選択し、「50〜74」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ3を選択し、「75〜99」の数値範囲に含まれる25個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ4を選択すると共に、「100〜219」の数値範囲に含まれる120個の数値の何れかに該当する場合に予告演出態様データ5を選択するように設定されている。この演出振分テーブルTb1,Tb2に基づいて図28に示す予告抽選処理(S801,S802)を行うと以下のようになる。即ち、ゲームキャラクターが最低レベルGで可変数値が「0」であった場合、演出選択値Bは「0〜99」の何れかの数値になるため、仮に、演出選択値Bが最大値である「99」であっても、予告抽選処理(S801,S802)のステップS820で「No」とならない。即ち、最低レベルGである限りは「予告演出態様データ5」が選択されることはなく、当否判定結果に拘わらず、予告演出態様データ1〜4の何れかが必ず選択されることになる。
これに対し、例えば、最低レベルGから1つレベルアップして、レベルF(可変数値が「10」)になると、演出選択値Bは「10〜109」の何れかの数値になり、このうち「100〜109」で予告演出態様データ5が選択されるから、予告演出態様データ5の選択率が「10/100」にアップすると共に、予告演出態様データ1の選択率が「15/100」に低下する。さらに、レベルE(可変数値が「20」)にレベルアップすると演出選択値Bは「20〜119」の何れかの数値になり、このうち「100〜119」で予告演出態様データ5が選択されるから、予告演出態様データ5の出現確率が「20/100」にアップすると共に、予告演出態様データ1の選択率が「5/100」に低下する。以下、レベルアップ(可変数値の増加)に伴って予告演出態様データ5の選択率が徐々に高まると共に、予告演出態様データ1〜4の選択率が徐々に低下する。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であるので、重複する構成については説明を省略する。本実施形態の構成であっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、「特別図柄当たり」である場合(変動態様1,2)だけ、予告演出態様データ5が選択(「予告演出5」が出現)可能となるように構成されていたが、遊技状態が遊技者にとって有利な「確変中」である場合(変動態様5,6)にも、予告演出態様データ5が選択される可能性が有るように構成してもよい。換言すれば、非確変中の外れ(変動態様3,4)以外は、特典として「予告演出5」が出現可能となるように構成してもよい。
具体的には、例えば、図34に示すように、変動中予告抽選処理(S602)のステップS713で、変動態様が、非確変中外れ態様(変動態様3,4)か否かを判定し、そうである場合(S713でYes)には、外れ予告抽選処理(S715)を行い、そうではない場合(S714でNo)には、当たり・確変予告抽選処理(S714)を行う。
外れ予告抽選処理(S715)では、各変動態様3,4に応じた演出振分テーブルTb3,Tb4(図37参照)と演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)から取得した演出選択値Aとに基づいて予告演出態様データ1〜4の何れかを選択する(図36参照)。
一方、当たり・確変典予告抽選処理(S714)では、各変動態様1,2,5,6に応じた演出振分テーブルTb1,Tb2,Tb5,Tb6(図37参照)と演出選択値Aに可変数値を加算(合算)して補正した演出選択値Bとに基づいて予告演出態様データ1〜5の何れかを選択する(図35参照)。
本実施形態の構成によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏すると共に、以下の効果を奏する。即ち、有利な遊技状態であることに加えて予告演出5が出現したことによる大きな満足感を与えることができる。ここで、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状態として「確変遊技」を例示したが、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示時間が通常時より短い「時短遊技」でもよい。また、本実施形態では確変中外れ変動態様(変動態様5,6)に比べて、当たり変動態様(変動態様1,2)の方が予告演出5が出現し易い設定になっているが(図37参照)、この逆でもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機10を例示したが、アレンジボールのような弾球遊技機であってもよいし、スロットマシンのようなコイン遊技機であってもよい。
(2)前記実施形態では、変動中予告抽選処理(S602)において、演出選択値A(演出選択用カウンタの取得値)を可変数値で補正した演出選択値Bを、無条件で生成するように構成されていたが、所定の補正条件が成立した場合だけ、演出選択値Bを生成するようにしてもよい。補正条件は、例えば、上記第1実施形態のように変動態様が当たり変動態様(特別図柄当否判定の結果が当たり)であることや、上記第3実施形態のように遊技者に有利な遊技状態(確変中、時短中)であることなど、抽選に基づいて成立するようにするとよい。
具体的には、図38に示すように変動態様が「当たり変動態様」(変動態様1又は変動態様2)か否かを判定(S703)し、当たり変動態様(変動態様1又は変動態様2)である場合(S703でYes)に、演出選択値Aに可変数値を加算(合算)して演出選択値を補正し(S702)、その補正された演出選択値Bに基づいて予告演出を選択する(S704)ように構成すればよい。このとき、ステップS703の処理は、本発明の「数値可変決定手段」に相当する。また、変動態様1,2は本発明の「可変変動態様データ」に相当し、変動態様3〜6は、本発明の「通常変動態様データ」に相当する。
(3)さらに、例えば、遊技機の新鮮味が低下してくる頃に、特別表示演出(予告演出)が出現し易くなるように、遊技機を遊技ホールに設置してからの経過日数や、電源投入からの経過時間や変動回数を前記補正条件に含めてもよい。なお、予め定めた複数の補正条件を全て満たしたときに補正を行うようにしてもよいし、何れか一つの補正条件を満たしたときに補正を行うようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、予告演出3が行われかつミニゲームをクリアしたときに、レベルアップして可変数値が更新可能となるように構成されていたが、以下のような更新条件を含めてもよい。例えば、「特別図柄当たり」、「特別図柄外れ」、「普通図柄当たり」、「普通図柄外れ」の発生回数を更新条件に含めてもよい。「特別図柄外れ」や「普通図柄外れ」の発生回数を更新条件に含めれば、「外れ」によって薄れかけた遊技への興味を、特別表示演出(予告演出5)の出現によって回復することが可能になる。
(5)また、前回の可変数値の更新からの経過時間を可変数値の更新条件に含めてもよい。このようにすれば、短時間での可変数値の急上昇を防止することができるから特別演出態様(予告演出5)の希少性をより確実に保つことができる。
(6)また、遊技機の新鮮味が低下してくる頃に、特別表示演出(予告演出)が出現し易くなるように、遊技機を遊技ホールに設置してからの経過日数や、電源投入からの経過時間を前記更新条件に含めてもよい。なお、予め定めた複数の更新条件を全て満たしたときに更新を行うようにしてもよいし、何れか一つの更新条件を満たしたときに更新を行うようにしてもよい。
(6)本実施形態では、本発明に係る「判定図柄を変動表示する際の表示演出」として、特別図柄当たりやリーチの前兆演出である「予告演出」を例示したが、その他の表示演出(例えば、再抽選演出等)でもよい。
(7)本発明の「特別表示演出態様」としての「予告演出5」が選択されるための演出選択値を、他の予告演出1〜4が選択されるための演出選択値の数値範囲よりも小さい側に外して設定し、演出選択値Aから可変数値を減算することで予告演出5が選択されるための演出選択値に近づける補正を行うようにしてもよい。
具体的には、例えば、演出選択用カウンタ(ラベル−TRND−E)を「100〜200」の数値範囲で更新するようにして、補正前の演出選択値Aが「100〜200」の範囲の何れかの数値になるようにしておくと共に、予告演出1〜4が選択されるための演出選択値を「100〜200」、予告演出5が選択されるための演出選択値を「0〜99」に設定しておく。そして、演出選択値Aから「1」以上の可変数値を減算することで補正された演出選択値Bが「99」以下の値を取り得るようにすればよい。